JP2004361324A - ナビゲーション装置 - Google Patents

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匡宏 木村
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Abstract

【課題】新しい地図データをデータ通信により短時間に効率よく取得するとともに、使用者の不要な出費を抑えることができるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】外部情報入出力装置24が、無線通信によりインターネットを介してナビゲーション装置メーカが指定する所定の情報センターに接続し、地図更新プログラムと、地図データ更新情報と、新機能が追加された新ナビゲーションプログラムとを受信する。そして、地図更新プログラムを実行すると、データ記憶装置25に記憶された地図データを、地図データ更新情報に基づいて新しい地図データに更新して、データ記憶装置25に記憶する。その後に、新ナビゲーションプログラムを実行すると、新しい地図データを用いて新機能を実行することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて、車両乗員に対して車両の走行案内を行うナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、GPS受信機等により車両の現在位置を検出し、現在位置から目的地までの走行経路を道路地図と共にディスプレイ上に表示することにより、車両の走行案内を行うナビゲーション装置が知られている。この走行案内に必要な地図データは、DVD−ROMなどの記録媒体に格納されており、ナビゲーション装置は、その記録媒体から必要な部分の地図データを読み込むことによって、走行案内を行っている。
【0003】
しかし、DVD−ROMなどに格納されている地図データは、新しい道路の開通などにより、時間が経過するほど現在の道路状況を反映しないデータになってしまう。
このため、ナビゲーション装置のメーカは、定期的に、現在の道路状況を反映した地図データを販売することにより、ナビゲーション装置の使用者に新しい地図データを提供しており、例えば、サービスセンターのサーバに新しい地図データを格納し、使用者の指示によりナビゲーション装置が通信回線を介してサービスセンターに対して地図データを要求すると、サービスセンターのサーバが該当する地図データをナビゲーション装置に送信するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、ナビゲーション装置のメーカは、新規機能を実現するためのアプリケーションソフトと、新規機能を実現するために必要な新しい格納フォーマットの地図データを販売することにより、過去に販売したナビゲーション装置の使用者に対して、新しいナビゲーション機能を提供してきた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−243595号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通信回線を介して地図データを受信する際には、地図データのデータ容量は非常に大きいため、地図データの取得に多くの通信時間を要する。このため、データ通信の途中で通信回線が切断されてしまう虞があり、ナビゲーション装置の使用者は通信状態を長時間監視しなければならないという問題があった。
【0007】
更に、現在の道路状況等を反映した地図データを購入する場合には、道路状況等が変わった部分の地図データのみを購入するということはできなかった。即ち、変更された一部分の地図データのために、道路状況等が変わっていないその他大部分の地図データも一緒に購入するということになり、使用者に不要な出費を強いるという問題があった。
【0008】
また、新規機能を実現するために、新規機能アプリケーションソフトと新しい格納フォーマットの地図データを購入する場合には、道路状況が変わっておらず実質的には同じ道路状況を表す地図データであっても格納フォーマットが変わっているため、地図データを新たに購入することになり、使用者に対して不要な出費を強いることになっていた。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、新しい地図データをデータ通信により短時間に効率よく取得するとともに、使用者の不要な出費を抑えることができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載のナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出し、その現在位置と記憶している地図データとに基づき、車両の走行案内を行うナビゲーション装置であり、取得手段は地図データの更新情報と地図データを更新するための更新プログラムとをデータ通信により取得する。そして、更新手段は、取得手段が取得した更新プログラムに従って動作し、更新情報に基づいて地図データを更新する。
【0011】
このため、新しい地図データ自体をデータ通信により取得するのではなく、更新情報と更新プログラムのみをデータ通信により取得して、更新プログラムを動作させると新しい地図データを得ることができるので、新しい地図データを取得するために要する通信時間を短縮することができる。また、ナビゲーション装置の使用者にとっては、データ通信により取得したのは更新情報と更新プログラムのみであるので、更新された一部のデータのために、内容が変わっていないその他の部分の地図データも一緒に購入するという不要な出費を抑えることができる。
【0012】
そして、こうした更新情報および更新プログラムとしては、例えば請求項2に示すように、更新情報は地図データに更にデータを付加するための付加情報を含み、更新プログラムは更新情報に基づいて付加情報を含んだ地図データに更新するプログラムであるようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、付加情報を含んだ新しい地図データ自体をデータ通信により取得するのではなく、付加情報を含んだ更新情報と更新プログラムをデータ通信により取得して更新プログラムを動作させると、付加情報を含んだ新しい地図データを得ることができるので、付加情報を含んだ新しい地図データを取得するために要する通信時間を短縮することができる。また、ナビゲーション装置の使用者にとっては、データ通信により取得するのは付加情報を含んだ更新情報と更新プログラムのみであるので、付加された一部のデータのために、内容が変わっていないその他の部分の地図データも一緒に購入するという不要な出費を抑えることができる。
【0014】
更に、こうした更新情報および更新プログラムとしては、例えば請求項3に示すように、更新情報は、地図データを所定の地図領域毎に分割した複数の単位地図データと、複数の単位地図データ間の接続状態を表す管理データとに分割するための情報を含み、更新プログラムは、更新情報と記憶している地図データとを用いて、複数の単位地図データと管理データとからなる地図データを生成するプログラムであるようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、地図データを所定の地図領域毎に分割した複数の単位地図データと、複数の単位地図データ間の接続状態を表す管理データとからなる地図データを生成することができるので、地図データの一部分を更新する場合には、該当する単位地図データを新しい単位地図データに置き換えることで更新することができる。
【0016】
つまり、地図データの一部分を更新する際に、該当する単位地図データのみをデータ通信により取得すればよいので、新しい地図データを取得するために要する通信時間を短縮することができるとともに、単位地図データを置き換えることで地図データを更新できるので更新処理の負荷が小さくて済む。
【0017】
また、例えば、新しい道路が開通してその道路のデータを追加するというような場合には、更新情報および更新プログラムを取得して、地図データを新しい道路のデータが追加されたものに更新すればよい。このような場合には、今まで利用してきた、ナビゲーション装置が走行案内を行うための案内プログラムをそのまま利用できる。
【0018】
一方、走行案内に新しい機能を追加するというような場合には、更新情報および更新プログラムを用いて、地図データを新しい機能に必要なデータが追加されたものに更新すると共に、新しい機能を実現する案内プログラムが必要である。そこで、請求項4に記載のように、更新した地図データに基づいて走行案内を行うための案内プログラムを取得すると、取得した案内プログラムに従って動作し車両の走行案内を行うようにするとよい。
【0019】
そして、このようにすれば、地図データを更新した後に、新しい案内プログラムを用いて走行案内を行うことができる。
また、取得手段は有線通信によりデータ通信するようにしてもよいが、データ通信を行う度にナビゲーション装置を車両から取り外して、有線通信が可能な場所まで持ち運んだりする必要があり不便である。そこで、例えば請求項5に記載のように、無線通信により更新情報および更新プログラムを取得可能であるようにするとよい。
【0020】
そして、このようにすれば、ナビゲーション装置を車内に取り付けていても更新情報および更新プログラムを取得することができる。
さらに、請求項6に記載のように、取得手段は、書き換え可能な記録媒体から、更新情報および更新プログラムを取得可能であるようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、パーソナルコンピュータ等を用いてインターネット等の通信回線網を介して更新情報および更新プログラムを取得し、メモリーカードなどの書き換え可能な記録媒体に記録した後に、取得手段によりメモリーカードから更新情報および更新プログラムを取得させることができるので、ナビゲーション装置を車内に取り付けていても更新情報および更新プログラムを取得することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
次に本発明の実施の形態1について図面をもとに説明する。
まず、ナビゲーション装置1の構成を図1に基づいて説明する。図1はナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
【0023】
ナビゲーション装置1は、図1に示すように、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、ユーザーからの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能なリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す。)23aと、リモコン23aからの信号を受信するリモコンセンサ23bと、外部情報入出力装置24と、地図データや各種の情報を記憶可能なデータ記憶装置25と、地図表示画面やTV画面等の各種表示を行うための表示装置26と、各種のデータを記憶するための外部メモリ27と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部情報入出力装置24,データ記憶装置25,外部メモリ27からの入力に応じて各種処理を実行し、外部情報入出力装置24,データ記憶装置25,表示装置26,外部メモリ27を制御する制御回路28とを備えている。
【0024】
位置検出器21は、本発明の位置検出手段に相当し、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から距離を検出するための距離センサ21cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ21dとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0025】
操作スイッチ群22としては、表示装置26の表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なおタッチパネルと表示装置26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、そのいずれを用いてもよい。
【0026】
外部情報入出力装置24は、本発明の取得手段に相当し、図示しないラジオアンテナを介してFM放送信号を受信したり、道路近傍に配置されたVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報システム)サービス用の固定局から、電波ビーコン信号及び光ビーコン信号を受信する。この受信した情報は制御回路28へ送られて処理される。また、図示しない携帯電話と接続され、ATIS(Advanced Traffic Information Service)等の情報センターから情報を取得したり、ナビゲーション装置メーカが指定する所定の情報センターにインターネットを介して接続してデータを送受信する機能を備える。尚、上述のナビゲーション装置メーカが指定する所定の情報センターには、後述する地図データ更新情報と地図更新プログラムと新ナビゲーションプログラムとが、ナビゲーション装置の機種別に格納されており、ナビゲーション装置1からのプログラム送信要求を受信すると、ナビゲーション装置1の機種に応じて、上述の地図データ更新情報,地図更新プログラム,新ナビゲーションプログラムをナビゲーション装置1へ送信する。
【0027】
データ記憶装置25は、本発明の記憶手段に相当し、位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ,地図データ,マークデータを含む各種データおよびナビゲーション装置1を動作させるために制御回路28が実行するナビゲーションプログラムを記憶するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、そのデータ量からハードディスクなどの磁気記憶装置を用いている。
【0028】
表示装置26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,CRT,有機ELなどがあるが、そのいずれを用いてもよい。表示装置26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置とデータ記憶装置25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。
【0029】
制御回路28は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、データ記憶装置25に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、データ記憶装置25から読み込んだ現在位置付近の地図等を表示装置26に表示する地図表示機能や、データ記憶装置25に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内機能を備える。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。尚、制御回路28により実行される上述の地図表示機能および経路案内機能は、本発明の案内手段に相当する。
【0030】
このように構成されたナビゲーション装置1において、まず、外部情報入出力装置24が、携帯電話を用いた無線通信によりインターネットを介してナビゲーション装置メーカが指定する所定の情報センターに接続し、地図更新プログラムと地図データ更新情報と新機能が追加された新ナビゲーションプログラムとを受信する。そして、地図更新プログラムを実行すると、データ記憶装置25に記憶された地図データの格納フォーマット(以下、旧格納フォーマットとも称す)を、地図データ更新情報に基づいて、後述する新しい格納フォーマット(以下、新格納フォーマットとも称す)に変換して、データ記憶装置25に記憶する。その後に、新ナビゲーションプログラムを実行すると、新機能が加わった走行案内を行うことができる。尚、地図更新プログラムは本発明における更新プログラム、地図データ更新情報は本発明における更新情報、新ナビゲーションプログラムは本発明における案内プログラムである。
【0031】
次に、ナビゲーション装置1の制御回路28が、地図データの格納フォーマットを変換する処理を図2〜図5を用いて説明する。図2は地図データの構成を説明する図、図3は旧格納フォーマットの地図データ構成を説明する図、図4は新格納フォーマットの地図データ構成を説明する図、図5は地図データを旧格納フォーマットから新格納フォーマットに変換する地図更新処理を表すフローチャートである。
【0032】
まず、この地図更新処理の概要を図2〜図4に基づいて説明する。
地図表示等のために用いられる地図データは、図2(a)に例示するように、地図を適当な大きさの経度幅及び緯度幅で矩形状に分割し、この分割した地図上のそれぞれの領域(以下、パーセルと称す)毎の地図データである分割地図データを生成し、各パーセル(図2(a)中のパーセル1,パーセル2,・・・,パーセルN,・・・(Nは整数))の分割地図データを組み合わせて構成しているのが一般的である。
【0033】
更に分割地図データ中の道路データは、図2(b)に例示するように、複数のノード間をリンク(リンクN−1,リンクN−2,・・・,リンクN−n(nは整数:パーセル毎にnの値は異なる))により接続して構成したものである。
そして、旧フォーマットの地図データ100は、図3に示すように、管理データ部110と地図実データ部120で構成されている。
【0034】
管理データ部110は、例えば、目的地を住所により指定し、その指定された住所に応じた地図を表示するために必要な分割地図データが格納されたアドレスを示すパーセル飛び先情報や、地図を移動表示するために、現在の車両の現在位置と車両の進行方向の情報などから、現在表示中の地図に隣接する部分の分割地図データが格納されたアドレスを示すパーセル接続情報といった、地図表示等に必要な分割地図データを特定するための情報が格納されている。
【0035】
地図実データ部120は、パーセル毎(パーセル1,パーセル2,・・・,パーセルN,・・・(Nは整数))にデータを格納するように構成されている。パーセル内の道路データは、複数のノード間をリンクにより接続して構成したものであって、それぞれのリンクに対し、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの始端と終端とのX,Y座標、リンクの長さを示すリンク長、および道路種別(高速道路,国道等の道路情報を示すもの)のデータからなるリンク情報を備える。
【0036】
例えば、パーセルNの分割地図データ125は、リンクN−1,リンクN−2,・・・,リンクN−nのn個のリンクを含み、リンクID120aの中には、リンクN−1からリンクN−nまでのリンクIDが順番に格納されている。同様に、始端座標125b,終端座標125c,リンク長125d,道路種別125eにおいても、リンクN−1からリンクN−nまでの情報が順番に格納されている。
【0037】
そして、例えば、車両運転中にトンネルに近づいたら、その旨を報知するという機能を追加する場合には、地図データの全リンクにおいて、トンネルであるか否かを示す道路属性の情報を地図データに追加し、走行案内動作中には、地図データ中の道路属性の情報を参照することにより報知するか否かを決定するようにすればよい。
【0038】
このような場合の地図の格納フォーマットは、図4(a)の地図データ200に示すものが考えられる。地図データ200は、管理データ部210と地図実データ部220で構成されており、地図実データ部220内の各パーセルの分割地図データに、道路属性というリンク情報を追加し、道路属性の中には、パーセル内のリンクについて、トンネルであるか否かを示す情報を順番に格納する。即ち、図4(a)に示すように、例えば、パーセルNの分割地図データ225において、リンクID225a,始端座標225b,終端座標225c,リンク長225d,道路種別225eの他に道路属性225fを加え、道路属性225fの中には、リンクN−1からリンクN−nまでのトンネルであるか否かを示す道路属性を順番に格納するように構成する。尚、道路属性は本発明における付加情報に相当する。
【0039】
そして、図3の地図データ100から図4(a)の地図データ200へ変換するには、例えば、図4(b)に示すように、パーセル毎に、そのパーセルに含まれるリンクの属性データが格納された地図データ更新情報250を用いて、パーセル1から順番に、分割地図データ毎にその分割地図データに対応する地図データ更新情報250内の属性データを加えて、属性データを追加した分割地図データをパーセル1から順番に組み合わせるようにすればよい。
【0040】
次に、図5を用いて、制御回路28が実行する地図更新処理について説明する。
この地図更新処理を実行すると、制御回路28は、まずS110にて、データ記憶装置25から、地図データ更新情報250を読み込む。そして、S120に移行し、データ記憶装置25から、分割地図データを1つ読み込む。
【0041】
その後、S130において、地図データ更新情報250の中でS120において読み込んだ分割地図データに対応する部分と、S120において読み込んだ分割地図データとを合わせた新格納フォーマットに変換する。そして、S140において、新格納フォーマットに変換した分割地図データをデータ記憶装置25に書き込む。
【0042】
そして、S150に移行し、全ての分割地図データのフォーマット変換が終了したか否かを判断し、全ての分割地図データのフォーマット変換が終了していないと判断すると(S150:NO)、S120に移行し、上述の処理を繰り返す。一方、S150において、全ての分割地図データのフォーマット変換が終了したと判断すると(S150:YES)、S160に移行する。S160では、まず、管理データ部110を読み込む。そして、当該地図更新処理により、各パーセルの分割地図データが格納されている先頭アドレスが変わってしまうので、この変更に応じて、管理データ部110内のパーセル飛び先情報およびパーセル接続情報を変更し、データ記憶装置25に書き込む。そして、当該地図更新処理を終了する。尚、図5におけるS110〜S160の処理は本発明における更新手段として機能している。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の制御回路28は、外部情報入出力装置24によって、地図更新プログラムと、道路属性のデータを含む地図データ更新情報250と、新機能が追加された新ナビゲーションプログラムとを無線通信により取得する。そして、図5におけるS110〜S160の処理により、地図データ更新情報に基づいて、データ記憶装置25に記憶された地図データ100を道路属性のデータを含んだ地図データ200に更新する。その後に、新ナビゲーションプログラムを実行すると、新機能が追加された走行案内を行うことができる。
【0044】
従って、ナビゲーション装置1は、新しい地図データ自体をデータ通信により取得するのではなく、地図データ更新情報250と地図更新プログラムをデータ通信により取得して、地図更新プログラムを動作させることによりデータ記憶装置25に記憶された地図データ100を道路属性のデータを含んだ地図データ200に更新することができるので、新しい地図データを取得するために要する通信時間を短縮することができる。また、ナビゲーション装置1の使用者にとっては、付加された道路属性のデータのために、その他の地図データも一緒に購入するという不要な出費を抑えることができる。
【0045】
また、本実施形態は、地図データの全リンクにおいてトンネルであるか否かを示す道路属性のデータを追加し、車両運転中にトンネルに近づいたら、その旨を報知するという機能を追加するものであるから、従来のナビゲーションプログラムでは、更新した地図データを利用することができない。このため、新ナビゲーションプログラムを取得することにより、更新した地図データに基づいて走行案内を行うことができる。
【0046】
また、外部情報入出力装置24における無線通信により、ナビゲーション装置を車内に取り付けていてもプログラムおよびデータを取得できる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図面をもとに説明する。本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置1の構成は、実施の形態1と同様である。
【0047】
このように構成されたナビゲーション装置1において、まず、外部情報入出力装置24が、携帯電話を用いた無線通信によりインターネットを介してナビゲーション装置メーカが指定する所定の情報センターに接続し、地図更新プログラムと、地図データ更新情報と地図データを部分的に更新することを可能にする地図データ更新プログラムとを受信する。その後、地図更新プログラムを実行すると、データ記憶装置25に記憶された地図データの格納フォーマットを、地図データを部分的に更新することを可能にする後述の新しい格納フォーマットに変換して、データ記憶装置25に記憶する。そして更に、新プログラムを実行すると、地図データを部分的に更新することができる。
【0048】
つまり、実施の形態2おけるナビゲーション装置1が実施の形態1と異なる点は、地図更新処理である。このため実施の形態2のナビゲーション装置1の構成の説明は省略し、以下に、実施の形態2における地図更新処理を図6および図7を用いて説明する。図6は実施の形態2における地図更新処理の概要を説明する図、図7は実施の形態2における地図更新処理を表すフローチャートである。
【0049】
まず、実施の形態2における地図更新処理の概要を図6に基づいて説明する。
旧フォーマットの地図データ300は、図6(a)に示すように、管理データ部310と地図実データ部320で構成されている。
管理データ310部は、図3の地図データ100と同様に、例えば、目的地を住所により指定し、その指定された住所に応じた地図を表示するために必要な分割地図データが格納されたアドレスを示すパーセル飛び先情報や、地図を移動表示するために、現在の車両の現在位置と車両の進行方向の情報などから、現在表示中の地図に隣接する分割地図データが格納されたアドレスを示すパーセル接続情報が格納されている。
【0050】
地図実データ部320は、図3の地図データ100と同様に、パーセル毎(パーセル1,パーセル2,・・・,パーセルN,・・・(Nは整数))にデータを格納するように構成されている。パーセル内の道路データは、複数のノード間をリンクにより接続して地図を構成したものであって、それぞれのリンクに対し、リンクを特定するリンクID、リンクの始端と終端とのX,Y座標、リンクの長さを示すリンク長、および道路種別(高速道路,国道等の道路情報を示すもの)のデータからなるリンク情報を備える。
【0051】
一方、新格納フォーマットの地図データ400は、図6(b)に示すように、分割地図データ毎に1つのファイルとして構成され、ファイル毎にファイルを特定するファイル名(「パーセル1.dat」,「パーセル2.dat」,・・・,「パーセルN.dat」,・・・)が付されている。尚、この分割地図データ毎に構成されたファイルは、本発明における単位地図データに相当する。
【0052】
さらに、管理データ部は、「管理.dat」というファイル名のファイルとして構成されており、パーセル飛び先情報やパーセル接続情報として、分割地図データのファイル名が格納されている。尚、この管理データ部を構成するファイルは、本発明における管理データに相当する。
【0053】
つまり、旧フォーマットの地図データ300において、例えば、パーセル2内の道路が追加されたためにパーセル2の分割地図データ325を更新する場合には、パーセル2の分割地図データ325のデータ容量が以前より増加するため、パーセル2の分割地図データ325より下の分割地図データの格納位置が下にずれることになる。即ち、地図データ300の一部分を更新しようとしても、1つの地図ファイルである地図データ300全体を再構成しなければならないため、更新処理の負荷が大きく実用的ではない。
【0054】
一方、新フォーマットの地図データ400において、パーセル2の部分のみを更新する場合には、パーセル2の分割地図データファイル425を入れ替えればよく、その他のパーセルの分割地図データファイルについての処理は不要であるので、更新処理の負荷が小さくて済む。
【0055】
次に、図7を用いて、制御回路28が実行する実施の形態2における地図更新処理について説明する。
この地図更新処理を実行すると、制御回路28は、まずS310にて、データ記憶装置25から地図データ更新情報を読み込む。この地図データ更新情報には、地図データ300を所定のパーセル毎に分割するための情報や、分割した地図データをファイル化するために必要なファイル名などの情報が含まれている。そして、S320に移行し、データ記憶装置25から、分割地図データを1つ読み込む。
【0056】
次に、S330にて、地図データ更新情報におけるS320で読み込んだ分割地図データに対応する部分に基づいて、分割地図データをファイル形式に構成する。この時に分割地図データを特定するためのファイル名が付される。
その後、S340において、ファイル形式に構成した分割地図データをデータ記憶装置25に書き込む。
【0057】
そして、S350に移行し、全ての分割地図データのフォーマット変換が終了したか否かを判断し、全ての分割地図データのフォーマット変換が終了していないと判断すると(S350:NO)、S320に移行し、上述の処理を繰り返す。一方、S350において、全ての分割地図データのフォーマット変換が終了したと判断すると(S350:YES)、S360に移行する。
【0058】
S360では、まず、管理データ部310を読み込み、ファイル形式に構成し、この管理データ部310を特定するためのファイル名を付ける。そして、管理データ部内のパーセル飛び先情報およびパーセル接続情報を、アドレスの情報からファイル名の情報に変更して、データ記憶装置25に書き込む。その後、当該地図更新処理を終了する。尚、図7におけるS310〜S360の処理は本発明における更新手段として機能している。
【0059】
以上説明したように、本実施形態2の制御回路28は、外部情報入出力装置24が地図更新プログラムと、分割地図データをファイル化するために必要なファイル名などの情報が含まれている地図データ更新情報と、地図データを部分的に更新することを可能にする地図データ更新プログラムとをデータ通信により取得する。そして、図7におけるS310〜S360の処理により、分割地図データ毎に構成されたファイルと、パーセル飛び先情報やパーセル接続情報が格納されているファイルが生成される。
【0060】
このため、地図データの一部分を更新する場合には、該当する分割地図データに対応するファイルを新しいファイルに置き換えることで更新することができる。
つまり、地図データの一部分を更新する際に、該当する分割地図データファイルのみを取得すればよいので、新しい地図データを取得するために要する通信時間を短縮することができるとともに、単位地図データを置き換えることで地図データを更新できるので更新処理の負荷が小さくて済む。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、道路属性データを追加して新格納フォーマットの地図データに更新し、さらに新ナビゲーションプログラムを取得して、新機能を実現するものを示した。しかし、例えば新規道路の追加データを追加した地図データを生成し、ナビゲーションプログラムは従来のものを利用できるといったものであってもよい。
【0062】
また、上記実施形態においては、無線通信によりインターネットに接続してデータを取得するものを示したが、例えば、外部情報入出力装置24をメモリーカード等の書き換え可能な記録媒体からデータ読み込み可能に構成し、パーソナルコンピュータ等を用いてインターネットに接続してデータを取得し、メモリーカードなどの書き換え可能な記録媒体に記録した後に、外部情報入出力装置24を介してメモリーカードからデータを取得するようにしてもよい。
【0063】
また、実施形態1においては、地図更新処理により、地図データ100の管理データ部110のパーセル飛び先情報やパーセル接続情報のアドレスを書き換えて、管理データ部110の格納フォーマットを変換していないものを示したが、管理データ部110の格納フォーマットも変換するようにしてもよい。
【0064】
また、実施形態1においては道路属性のデータという付加情報を加えた地図データに更新する例を示し、実施形態2においては地図データをファイル化する例を示したが、例えば、実施形態1における図3の地図データ100を、図8に示すように、地図データをファイル化しさらにファイル化した地図データの中に付加情報が追加されているというような実施形態1および実施形態2の更新した地図データの特徴を併せ持った地図データに更新するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態における地図データ構成を説明する図。
【図3】実施の形態1における旧格納フォーマットの地図データ構成を説明する図。
【図4】実施の形態1における新格納フォーマットの地図データ構成を説明する図。
【図5】実施の形態1における地図更新処理手順を表すフローチャート。
【図6】実施の形態2における地図データの格納フォーマットを説明する図。
【図7】実施の形態2における地図更新処理手順を表すフローチャート。
【図8】別の実施の形態における地図データの格納フォーマットを説明する図。
【符号の説明】
1…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、21d…地磁気センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部情報入出力装置、25…データ記憶装置、26…表示装置、27…外部メモリ、28…制御回路。

Claims (6)

  1. 道路上の特定地点を表すノード情報および前記特定地点間の接続を表すリンク情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、
    車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段によって検出された車両の現在位置と、前記記憶手段に記憶された地図データとに基づき、車両乗員に対して車両の走行案内を行う案内手段と、
    を備えたナビゲーション装置であって、
    前記地図データの更新情報と前記地図データを更新するための更新プログラムとをデータ通信により取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した更新プログラムに従って動作し、前記取得手段が取得した更新情報に基づいて前記地図データを更新する更新手段と、
    を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 前記更新情報は、前記記憶手段に記憶された地図データに更にデータを付加するための付加情報を含み、
    前記更新プログラムは、前記更新情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された地図データを、前記付加情報を含んだ地図データに更新するためのプログラムである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
  3. 前記更新情報は、前記記憶手段に記憶された地図データを、所定の地図領域毎に分割した複数の単位地図データと、該複数の単位地図データ間の接続状態を表す管理データとに分割するための情報を含み、
    前記更新プログラムは、前記更新情報と、前記記憶手段に記憶された地図データとを用いて、前記複数の単位地図データと前記管理データとからなる地図データを生成するためのプログラムである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
  4. 前記取得手段は、前記更新手段により更新された地図データに基づいて走行案内を行うための案内プログラムを取得可能に構成され、
    前記案内手段は、前記取得手段が前記案内プログラムを取得すると、前記取得した案内プログラムに従って動作し、車両の走行案内を行う、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3何れかに記載のナビゲーション装置。
  5. 前記取得手段は、無線通信により前記更新情報および前記更新プログラムを取得可能であることを特徴とする請求項1〜請求項4何れかに記載のナビゲーション装置。
  6. 前記取得手段は、書き換え可能な記録媒体から、前記更新情報および前記更新プログラムを取得可能であることを特徴とする請求項1〜請求項5何れかに記載のナビゲーション装置。
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