JP2004360759A - フランジ用ガスケット - Google Patents
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Abstract
【課題】配管の設置方向に拘わらず、簡単な作業でフランジ用ガスケットの位置決めを行う。
【解決手段】互いに対向して配置されてボルト4等の締結手段5で締め付けられるフランジ3間に挟まれるリング状のガスケット本体11の外周部12に、少なくとも上記フランジ3の外周縁14まで延出された位置決め片15を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに対向して配置されてボルト4等の締結手段5で締め付けられるフランジ3間に挟まれるリング状のガスケット本体11の外周部12に、少なくとも上記フランジ3の外周縁14まで延出された位置決め片15を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管を接続する管継手に用いられるフランジ間に挟み込まれるフランジ用ガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、配管を接続する管継手に用いられるフランジ51間に挟み込まれるフランジ用ガスケット52は、従来リング状に形成されている。このフランジ用ガスケット52は、その外径が、フランジ51に複数形成され円状に配置されたボルト穴54の内接円と同径になるように形成されており、外周面53を各ボルト穴54の内側55に合わせることによって、フランジ用ガスケット52の内周面が、フランジ51の内周面と一致するように構成されている。
【0003】
このフランジ用ガスケット52では、配管が縦に延びて設置されている場合は、図5に示すように、ボルト穴54の内側55と、フランジ用ガスケット52の外周面53とを合わせて、フランジ用ガスケット52のフランジ51に対する位置決め(センター合わせ)を行うことができる。
【0004】
しかし、ボルト穴54に挿入されるボルト56の外周面57と、ボルト穴54の内側55との間には、隙間sができることとなる。そのため、配管が横に延びて設置されている場合には、図6に示すようにフランジ用ガスケット52が、フランジ51の締結時に、自重によって下側に設けられたボルト56の外周面57に当接する位置までずれて、位置決めを行うことができない。そのため、フランジ用ガスケット52の内周面とフランジ51の内周面とで段差58が生じてしまい、内部を流れる流体によっては、段差58に流体が付着して、フランジ51やフランジ用ガスケット52が腐食したり、詰まってしまう場合があった。
【0005】
そこで、本出願人は、配管が横に延びて設置された場合でも、フランジ用ガスケット52の位置合わせを行うことができるセンタリング装置を案出した(特許文献1参照)。
【0006】
このセンタリング装置は、図7に示すように、フランジ61に形成された複数のボルト穴(図示せず)に挿入されるボルト63のうち、少なくとも3箇所のボルト63にセンタリング用プレート64を嵌装するようになっている。これらセンタリング用プレート64は、所定幅を有するリング状に形成されており、その外周面内側65が、フランジ用ガスケット67の外周面68と当接することによって、フランジ用ガスケット67を位置決めするようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−317964号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のセンタリング装置では、センタリング用プレート64は、予めボルト63に嵌装しておくことはできず、フランジ61の締結時に、ボルト63に嵌装しなければならないので、締結作業に多くの手間と時間を要し、改良の余地が残されていた。
【0009】
また、上述のフランジ用ガスケット52(67)は、フランジ51(61)間に挟み込まれるとフランジ51(61)の中心側に位置するため、設備の竣工検査時等に、フランジ51(61)が正確に位置決めされているか、及び正確な型番のものが装着されているか等を確認することができなかった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題を解決するために案出されたものであって、配管の設置方向に拘わらず、簡単な作業で位置決めが行えるフランジ用ガスケットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに対向して配置されてボルト等の締結手段で締め付けられるフランジ間に挟まれるリング状のガスケット本体の外周部に、少なくとも上記フランジの外周縁まで延出された位置決め片を設けたものである。
【0012】
そして、上記位置決め片が、上記ガスケット本体の外周部から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレートからなり、それら鍔プレートの外周縁が上記フランジと同径であるものが好ましい。
【0013】
また、上記位置決め片に、上記ガスケット本体の型番等をマーキングしたものが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な実施の形態を示し、横に延びて設置された配管を接続する管継手に上記フランジ用ガスケットを採用した場合の一方のフランジとフランジ用ガスケットとを横方向から見た側面図である。図2は図1のII−II線断面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、かかるフランジ用ガスケット1は、石油・化学プラントや医薬品プラント等の特殊流体が流れる配管(図示せず)を接続する管継手2に用いられるものであって、互いに対向して配置されるフランジ3間に挟み込まれて管継手2のシール性を確保する。各フランジ3は、ボルト4等の締結手段5によって締め付けられて、フランジ用ガスケット1を挟み込みつつ固定されるようになっている。
【0017】
フランジ3は、各配管の端部にそれぞれ接続される管部6と、管部6の、配管とは逆側端部に形成された円盤状の鍔部7とを有している。管部6の内周面は、配管の内周面と同径に形成されている。フランジ3の鍔部7側端部には、ガスケット側に突出した平面座8が形成されており、フランジ用ガスケット1を効率的に押圧するようになっている。フランジ3の鍔部7には、上記ボルト4が挿通するボルト穴9が複数(本実施の形態では8箇所)形成されている。ボルト穴9は、フランジ3の軸を中心とした円状に等ピッチ(本実施の形態では45°ピッチ)で配置されている。
【0018】
ところで、本実施の形態に係るフランジ用ガスケット1は、フランジ3の平面座8間に挟まれるリング状のガスケット本体11と、そのガスケット本体11の外周部12に、少なくともフランジ3の鍔部7の外周縁14まで延出された位置決め片15を設けたことを特徴とする。
【0019】
ガスケット本体11は、その外径が複数のボルト穴9に内接する内接円と同径になり、内周面が管部6の内周面と同径となるように形成されている。ガスケット本体11を構成する材質は、配管内部を流れる流体に応じて、スチールやステンレス等が適宜選択される。なお、ガスケット本体11は、その外径が、平面座8よりも大径であれば、ボルト穴9に内接する内接円よりも小径になるように形成してもよい。
【0020】
位置決め片5は、ガスケット本体11の外周部12から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレート16から構成されている。本実施の形態では、鍔プレート16は、ガスケット本体11の下部に1箇所、斜め上部両側に1箇所ずつの合計3箇所形成されている。なお、上部2箇所の鍔プレート16は、ガスケット本体11の両側に1箇所ずつ設けてもよい。
【0021】
各鍔プレート16は、隣り合うボルト穴9間に配置され、ボルト穴9と重合しない大きさに形成されている。鍔プレート16の外周縁17は、フランジ3の鍔部7と同径に形成されており、鍔プレート16の外側端部は、鍔部7と同径の円弧状に形成されている。すなわち、フランジ3の鍔部7の外周縁14と、各鍔プレート16の外周縁17とを同一面上に合わせることによって、フランジ用ガスケット1が位置決めされる。
【0022】
鍔プレート16は、本実施の形態では、ガスケット本体11と同等の厚さに構成されている。よって、鍔プレート16とフランジ3の鍔部7との間には所定の隙間が形成される。なお、鍔プレート16は、適度な強度を有していれば、ガスケット本体11よりも薄く形成してもよい。
【0023】
鍔プレート16は、本実施の形態では、溶接或いは接着剤にてガスケット本体11に固定されている。なお、鍔プレート16は、フランジ用ガスケット1の成形時に、ガスケット本体11と一体的に形成するようにしてもよい。
【0024】
鍔プレート16には、フランジ用ガスケット1の材質や形状が判別できる型番や記号等がマーキングされている。マーキングは、鍔プレート16の外周縁17等、フランジ3の締結時に外部から確認できる位置に施されている。マーキング方法は、刻印や文字の書込或いは色分け塗装等、配管内部を流れる流体に応じて、適宜選択される。
【0025】
次に、上記管継手2の接続工程を説明しながら、上記構成に係るフランジ用ガスケット1の作用を説明する。
【0026】
管継手2を用いて、配管を接続するに際しては、まず、接続すべき2本の配管の端部にフランジ3を取り付けて、フランジ3同士を対向させた後に最下部の2箇所或いは下側半分の4箇所のボルト穴9にボルト4をそれぞれ挿入する。
【0027】
その後、フランジ用ガスケット1を上方から下降させながらフランジ3間に移動してセットする。このとき、作業員は、鍔プレート16を把持することによってフランジ用ガスケット1を移動させることができるので、その作業が容易になる。
【0028】
フランジ用ガスケット1のセットが終了した後、ボルト4が挿入されていない残りのボルト穴9にボルト4を挿入して、フランジ用ガスケット1の位置決めのための移動が可能な範囲で、各ボルト4の仮締めを行う。
【0029】
その後、下部の鍔プレート16を下側から押さえて、その外周縁17とフランジ3の鍔部7の外周縁14とを合わせフランジ用ガスケット1の縦方向の位置決めを行うと共に、斜め上部の鍔プレート16を左右両側から押さえて、それらの外周縁17とフランジ3の鍔部7の外周縁14とを合わせフランジ用ガスケット1の横方向の位置決めを行う。このとき、鍔プレート16の外周縁17が、フランジ3の鍔部7の外周縁14と同径に形成されているので、フランジ用ガスケット1の位置決めは、フランジ3の外側三方向から押さえるといった作業だけでよく、従来のようにセンタリング用プレート(図7参照)61を取り付ける必要が無いので、簡単に行うことができる。
【0030】
そして、フランジ用ガスケット1が位置決めされた状態で、ボルト4の本締めを行い、管継手2の締結が終了する。このとき、位置決め片15(鍔プレート16)が、フランジ3のボルト穴9に重合しないように設けられ、且つフランジ3の鍔部7との間に所定の隙間をあけて設けられているので、位置決め片15が、ボルト4の締結を阻害することが無く、ボルト4によってフランジ3同士を確実に締め付けることができる。従って、フランジ用ガスケット1によるシール性を高く保持することができる。
【0031】
さらに、鍔プレート16が、フランジ3の鍔部7の外周縁14まで延出しているので、配管の接続が終了した後でも、フランジ用ガスケット1の位置決めが正確に行われているかを確認することができる。
【0032】
なお、配管が縦に延びて設置されている場合は、下側のフランジ上にフランジ用ガスケットを載せる際に一旦位置決めしておけば、その後、フランジ用ガスケットが動くことはない。
【0033】
このように、上記実施の形態では、配管の設置方向に拘わらず簡単な作業で、フランジ用ガスケット1の位置決め(センター合わせ)を行うことができる。従って、配管、フランジ3及びフランジ用ガスケット1の内周面がそれぞれ同一面状となるので、流路内に段差が発生せず、流体の付着による、配管やフランジ3等の詰まりや腐食を防止することができる。
【0034】
また、鍔プレート16の外周縁17に、フランジ用ガスケット1の型番やフランジ用ガスケット1の種類が確認できる記号等をマーキングしているので、設備の竣工検査や点検時に内部にどのようなフランジ用ガスケット1が装着されているかを一目で確認することができる。従って、万一間違ったフランジ用ガスケットが装着されたとしても、すぐに発見することができる。
【0035】
図3は本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な他の実施の形態を示した側面図である。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態に係るフランジ用ガスケット21は、上述した図1の位置決め片15が3箇所であったのに対して、位置決め片22を2箇所としたものである。なお、その他の構成については、図1のものと同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0037】
位置決め片22は、ガスケット本体11の外周部12から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレート23から構成されている。本実施の形態では、鍔プレート23は、ガスケット本体11の下部に1箇所、上部に1箇所の合計2箇所形成されている。各鍔プレート23は、隣り合うボルト穴9間に配置され、ボルト穴9と重合しない大きさの範囲内で図1の鍔プレート16よりも幅広に形成されている。また、鍔プレート23の外周縁24は、フランジ3の鍔部7と同径に形成されており、外側端部は、図1の鍔プレート16よりも長い円弧状に形成されている。
【0038】
これによって、鍔プレート23の外周縁24と、フランジ3の鍔部7の外周縁14との同径部分が横方向に長くなる。よって、フランジ3の下側からフランジ用ガスケット61を押さえることによって縦方向の位置決めを行うと共に、フランジ3の上部でフランジ用ガスケット61の外周縁24の周方向両端をフランジ3の鍔部7の外周縁14に合わせることで横方向の位置決めを行うことができる。
【0039】
なお、上記位置決め片15、22の形状及び個数は上記実施の形態に限られるものではなく、フランジ3のボルト穴9に重合しない範囲であれば、適宜変更可能である。この場合、フランジ用ガスケット1、21の自重を支えるために、少なくともガスケット本体11の下部には位置決め片15、22を設けるのが好ましい。
【0040】
また、上記実施の形態では、鍔プレート16(23)の外周縁17(24)は、フランジ3の鍔部7の外周縁14と同径となっているが、これに限られるものではない。例えば、鍔プレート16(23)をフランジ3の鍔部7よりも径方向外側まで延出するように長く形成し、鍔プレート16(23)の途中部分にフランジ3の鍔部7の外周縁14位置をマークしておいてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、配管の設置方向に拘わらず、簡単な作業でフランジ用ガスケットの位置決めを行うことができるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な実施の形態を示した側面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な他の実施の形態を示した側面図である。
【図4】従来のフランジ用ガスケットを縦に延びて設置された配管の管継手に適用した状態を示した平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】従来のフランジ用ガスケットを横に延びて設置された配管の管継手に適用した状態を示した側面図である。
【図7】従来の他のフランジ用ガスケットを横に延びて設置された配管の管継手に適用した状態を示した側面図である。
【符号の説明】
1 フランジ用ガスケット
3 フランジ
4 ボルト
5 締結手段
11 ガスケット本体
12 (ガスケット本体の)外周部
14 (フランジの)外周縁
15 位置決め片
16 鍔プレート
17 (鍔プレート)の外周縁
21 フランジ用ガスケット
22 位置決め片
23 鍔プレート
24 (鍔プレート)の外周縁
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管を接続する管継手に用いられるフランジ間に挟み込まれるフランジ用ガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、配管を接続する管継手に用いられるフランジ51間に挟み込まれるフランジ用ガスケット52は、従来リング状に形成されている。このフランジ用ガスケット52は、その外径が、フランジ51に複数形成され円状に配置されたボルト穴54の内接円と同径になるように形成されており、外周面53を各ボルト穴54の内側55に合わせることによって、フランジ用ガスケット52の内周面が、フランジ51の内周面と一致するように構成されている。
【0003】
このフランジ用ガスケット52では、配管が縦に延びて設置されている場合は、図5に示すように、ボルト穴54の内側55と、フランジ用ガスケット52の外周面53とを合わせて、フランジ用ガスケット52のフランジ51に対する位置決め(センター合わせ)を行うことができる。
【0004】
しかし、ボルト穴54に挿入されるボルト56の外周面57と、ボルト穴54の内側55との間には、隙間sができることとなる。そのため、配管が横に延びて設置されている場合には、図6に示すようにフランジ用ガスケット52が、フランジ51の締結時に、自重によって下側に設けられたボルト56の外周面57に当接する位置までずれて、位置決めを行うことができない。そのため、フランジ用ガスケット52の内周面とフランジ51の内周面とで段差58が生じてしまい、内部を流れる流体によっては、段差58に流体が付着して、フランジ51やフランジ用ガスケット52が腐食したり、詰まってしまう場合があった。
【0005】
そこで、本出願人は、配管が横に延びて設置された場合でも、フランジ用ガスケット52の位置合わせを行うことができるセンタリング装置を案出した(特許文献1参照)。
【0006】
このセンタリング装置は、図7に示すように、フランジ61に形成された複数のボルト穴(図示せず)に挿入されるボルト63のうち、少なくとも3箇所のボルト63にセンタリング用プレート64を嵌装するようになっている。これらセンタリング用プレート64は、所定幅を有するリング状に形成されており、その外周面内側65が、フランジ用ガスケット67の外周面68と当接することによって、フランジ用ガスケット67を位置決めするようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−317964号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のセンタリング装置では、センタリング用プレート64は、予めボルト63に嵌装しておくことはできず、フランジ61の締結時に、ボルト63に嵌装しなければならないので、締結作業に多くの手間と時間を要し、改良の余地が残されていた。
【0009】
また、上述のフランジ用ガスケット52(67)は、フランジ51(61)間に挟み込まれるとフランジ51(61)の中心側に位置するため、設備の竣工検査時等に、フランジ51(61)が正確に位置決めされているか、及び正確な型番のものが装着されているか等を確認することができなかった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題を解決するために案出されたものであって、配管の設置方向に拘わらず、簡単な作業で位置決めが行えるフランジ用ガスケットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに対向して配置されてボルト等の締結手段で締め付けられるフランジ間に挟まれるリング状のガスケット本体の外周部に、少なくとも上記フランジの外周縁まで延出された位置決め片を設けたものである。
【0012】
そして、上記位置決め片が、上記ガスケット本体の外周部から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレートからなり、それら鍔プレートの外周縁が上記フランジと同径であるものが好ましい。
【0013】
また、上記位置決め片に、上記ガスケット本体の型番等をマーキングしたものが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な実施の形態を示し、横に延びて設置された配管を接続する管継手に上記フランジ用ガスケットを採用した場合の一方のフランジとフランジ用ガスケットとを横方向から見た側面図である。図2は図1のII−II線断面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、かかるフランジ用ガスケット1は、石油・化学プラントや医薬品プラント等の特殊流体が流れる配管(図示せず)を接続する管継手2に用いられるものであって、互いに対向して配置されるフランジ3間に挟み込まれて管継手2のシール性を確保する。各フランジ3は、ボルト4等の締結手段5によって締め付けられて、フランジ用ガスケット1を挟み込みつつ固定されるようになっている。
【0017】
フランジ3は、各配管の端部にそれぞれ接続される管部6と、管部6の、配管とは逆側端部に形成された円盤状の鍔部7とを有している。管部6の内周面は、配管の内周面と同径に形成されている。フランジ3の鍔部7側端部には、ガスケット側に突出した平面座8が形成されており、フランジ用ガスケット1を効率的に押圧するようになっている。フランジ3の鍔部7には、上記ボルト4が挿通するボルト穴9が複数(本実施の形態では8箇所)形成されている。ボルト穴9は、フランジ3の軸を中心とした円状に等ピッチ(本実施の形態では45°ピッチ)で配置されている。
【0018】
ところで、本実施の形態に係るフランジ用ガスケット1は、フランジ3の平面座8間に挟まれるリング状のガスケット本体11と、そのガスケット本体11の外周部12に、少なくともフランジ3の鍔部7の外周縁14まで延出された位置決め片15を設けたことを特徴とする。
【0019】
ガスケット本体11は、その外径が複数のボルト穴9に内接する内接円と同径になり、内周面が管部6の内周面と同径となるように形成されている。ガスケット本体11を構成する材質は、配管内部を流れる流体に応じて、スチールやステンレス等が適宜選択される。なお、ガスケット本体11は、その外径が、平面座8よりも大径であれば、ボルト穴9に内接する内接円よりも小径になるように形成してもよい。
【0020】
位置決め片5は、ガスケット本体11の外周部12から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレート16から構成されている。本実施の形態では、鍔プレート16は、ガスケット本体11の下部に1箇所、斜め上部両側に1箇所ずつの合計3箇所形成されている。なお、上部2箇所の鍔プレート16は、ガスケット本体11の両側に1箇所ずつ設けてもよい。
【0021】
各鍔プレート16は、隣り合うボルト穴9間に配置され、ボルト穴9と重合しない大きさに形成されている。鍔プレート16の外周縁17は、フランジ3の鍔部7と同径に形成されており、鍔プレート16の外側端部は、鍔部7と同径の円弧状に形成されている。すなわち、フランジ3の鍔部7の外周縁14と、各鍔プレート16の外周縁17とを同一面上に合わせることによって、フランジ用ガスケット1が位置決めされる。
【0022】
鍔プレート16は、本実施の形態では、ガスケット本体11と同等の厚さに構成されている。よって、鍔プレート16とフランジ3の鍔部7との間には所定の隙間が形成される。なお、鍔プレート16は、適度な強度を有していれば、ガスケット本体11よりも薄く形成してもよい。
【0023】
鍔プレート16は、本実施の形態では、溶接或いは接着剤にてガスケット本体11に固定されている。なお、鍔プレート16は、フランジ用ガスケット1の成形時に、ガスケット本体11と一体的に形成するようにしてもよい。
【0024】
鍔プレート16には、フランジ用ガスケット1の材質や形状が判別できる型番や記号等がマーキングされている。マーキングは、鍔プレート16の外周縁17等、フランジ3の締結時に外部から確認できる位置に施されている。マーキング方法は、刻印や文字の書込或いは色分け塗装等、配管内部を流れる流体に応じて、適宜選択される。
【0025】
次に、上記管継手2の接続工程を説明しながら、上記構成に係るフランジ用ガスケット1の作用を説明する。
【0026】
管継手2を用いて、配管を接続するに際しては、まず、接続すべき2本の配管の端部にフランジ3を取り付けて、フランジ3同士を対向させた後に最下部の2箇所或いは下側半分の4箇所のボルト穴9にボルト4をそれぞれ挿入する。
【0027】
その後、フランジ用ガスケット1を上方から下降させながらフランジ3間に移動してセットする。このとき、作業員は、鍔プレート16を把持することによってフランジ用ガスケット1を移動させることができるので、その作業が容易になる。
【0028】
フランジ用ガスケット1のセットが終了した後、ボルト4が挿入されていない残りのボルト穴9にボルト4を挿入して、フランジ用ガスケット1の位置決めのための移動が可能な範囲で、各ボルト4の仮締めを行う。
【0029】
その後、下部の鍔プレート16を下側から押さえて、その外周縁17とフランジ3の鍔部7の外周縁14とを合わせフランジ用ガスケット1の縦方向の位置決めを行うと共に、斜め上部の鍔プレート16を左右両側から押さえて、それらの外周縁17とフランジ3の鍔部7の外周縁14とを合わせフランジ用ガスケット1の横方向の位置決めを行う。このとき、鍔プレート16の外周縁17が、フランジ3の鍔部7の外周縁14と同径に形成されているので、フランジ用ガスケット1の位置決めは、フランジ3の外側三方向から押さえるといった作業だけでよく、従来のようにセンタリング用プレート(図7参照)61を取り付ける必要が無いので、簡単に行うことができる。
【0030】
そして、フランジ用ガスケット1が位置決めされた状態で、ボルト4の本締めを行い、管継手2の締結が終了する。このとき、位置決め片15(鍔プレート16)が、フランジ3のボルト穴9に重合しないように設けられ、且つフランジ3の鍔部7との間に所定の隙間をあけて設けられているので、位置決め片15が、ボルト4の締結を阻害することが無く、ボルト4によってフランジ3同士を確実に締め付けることができる。従って、フランジ用ガスケット1によるシール性を高く保持することができる。
【0031】
さらに、鍔プレート16が、フランジ3の鍔部7の外周縁14まで延出しているので、配管の接続が終了した後でも、フランジ用ガスケット1の位置決めが正確に行われているかを確認することができる。
【0032】
なお、配管が縦に延びて設置されている場合は、下側のフランジ上にフランジ用ガスケットを載せる際に一旦位置決めしておけば、その後、フランジ用ガスケットが動くことはない。
【0033】
このように、上記実施の形態では、配管の設置方向に拘わらず簡単な作業で、フランジ用ガスケット1の位置決め(センター合わせ)を行うことができる。従って、配管、フランジ3及びフランジ用ガスケット1の内周面がそれぞれ同一面状となるので、流路内に段差が発生せず、流体の付着による、配管やフランジ3等の詰まりや腐食を防止することができる。
【0034】
また、鍔プレート16の外周縁17に、フランジ用ガスケット1の型番やフランジ用ガスケット1の種類が確認できる記号等をマーキングしているので、設備の竣工検査や点検時に内部にどのようなフランジ用ガスケット1が装着されているかを一目で確認することができる。従って、万一間違ったフランジ用ガスケットが装着されたとしても、すぐに発見することができる。
【0035】
図3は本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な他の実施の形態を示した側面図である。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態に係るフランジ用ガスケット21は、上述した図1の位置決め片15が3箇所であったのに対して、位置決め片22を2箇所としたものである。なお、その他の構成については、図1のものと同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0037】
位置決め片22は、ガスケット本体11の外周部12から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレート23から構成されている。本実施の形態では、鍔プレート23は、ガスケット本体11の下部に1箇所、上部に1箇所の合計2箇所形成されている。各鍔プレート23は、隣り合うボルト穴9間に配置され、ボルト穴9と重合しない大きさの範囲内で図1の鍔プレート16よりも幅広に形成されている。また、鍔プレート23の外周縁24は、フランジ3の鍔部7と同径に形成されており、外側端部は、図1の鍔プレート16よりも長い円弧状に形成されている。
【0038】
これによって、鍔プレート23の外周縁24と、フランジ3の鍔部7の外周縁14との同径部分が横方向に長くなる。よって、フランジ3の下側からフランジ用ガスケット61を押さえることによって縦方向の位置決めを行うと共に、フランジ3の上部でフランジ用ガスケット61の外周縁24の周方向両端をフランジ3の鍔部7の外周縁14に合わせることで横方向の位置決めを行うことができる。
【0039】
なお、上記位置決め片15、22の形状及び個数は上記実施の形態に限られるものではなく、フランジ3のボルト穴9に重合しない範囲であれば、適宜変更可能である。この場合、フランジ用ガスケット1、21の自重を支えるために、少なくともガスケット本体11の下部には位置決め片15、22を設けるのが好ましい。
【0040】
また、上記実施の形態では、鍔プレート16(23)の外周縁17(24)は、フランジ3の鍔部7の外周縁14と同径となっているが、これに限られるものではない。例えば、鍔プレート16(23)をフランジ3の鍔部7よりも径方向外側まで延出するように長く形成し、鍔プレート16(23)の途中部分にフランジ3の鍔部7の外周縁14位置をマークしておいてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、配管の設置方向に拘わらず、簡単な作業でフランジ用ガスケットの位置決めを行うことができるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な実施の形態を示した側面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明に係るフランジ用ガスケットの好適な他の実施の形態を示した側面図である。
【図4】従来のフランジ用ガスケットを縦に延びて設置された配管の管継手に適用した状態を示した平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】従来のフランジ用ガスケットを横に延びて設置された配管の管継手に適用した状態を示した側面図である。
【図7】従来の他のフランジ用ガスケットを横に延びて設置された配管の管継手に適用した状態を示した側面図である。
【符号の説明】
1 フランジ用ガスケット
3 フランジ
4 ボルト
5 締結手段
11 ガスケット本体
12 (ガスケット本体の)外周部
14 (フランジの)外周縁
15 位置決め片
16 鍔プレート
17 (鍔プレート)の外周縁
21 フランジ用ガスケット
22 位置決め片
23 鍔プレート
24 (鍔プレート)の外周縁
Claims (3)
- 互いに対向して配置されてボルト等の締結手段で締め付けられるフランジ間に挟まれるリング状のガスケット本体の外周部に、少なくとも上記フランジの外周縁まで延出された位置決め片を設けたことを特徴とするフランジ用ガスケット。
- 上記位置決め片が、上記ガスケット本体の外周部から径方向外方に放射状に延出する複数の鍔プレートからなり、それら鍔プレートの外周縁が上記フランジと同径である請求項1記載のフランジ用ガスケット。
- 上記位置決め片に、上記ガスケット本体の型番等をマーキングした請求項1または2いずれかに記載のフランジ用ガスケット。
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---|---|---|---|
JP2003158307A JP2004360759A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | フランジ用ガスケット |
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JP2004360759A true JP2004360759A (ja) | 2004-12-24 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011144870A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Chiyoda Kako Kensetsu Kk | ガスケット |
JP2012184812A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Sekisui Chem Co Ltd | ガスケット |
-
2003
- 2003-06-03 JP JP2003158307A patent/JP2004360759A/ja active Pending
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