JP2004360627A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弁ケーシング3の内部に燃料通路2を設け、燃料通路2内に弁体16を開弁位置と閉弁位置との間で移動自在に設け、弁体16を移動させる電磁アクチュエータ5を設け、電磁アクチュエータ5を制御することによって燃料を所定のタイミングで、且つ、所望の量だけ噴射する燃料噴射弁1Aにおいて、電磁アクチュエータ5の可動鉄心21に移動抵抗体27を設け、弁体16と一体に移動抵抗体27が燃料通路2内を移動するようにした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気側に燃料を所定のタイミングで、且つ、所望の量だけ噴射する電磁式の燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電磁式の燃料噴射弁が種々提案されている。実開昭58−29161号公報は、その一例としての燃料噴射弁を開示する。
【0003】
上記公報の燃料噴射弁100は、図6に示すように、弁部101と胴体102とコネクタ103とニップル104とを備え、弁部101と胴体102の外周がゴム製のカバー105で覆われている。そして、弁部101が吸気管110の孔110aに突出された状態で吸気管110に取り付けられており、弁部101と吸気管110の孔110aとの間にはゴム製のカバー105の下端が介在されている。また、燃料噴射弁100の内部には燃料通路(図示せず)が配置され、燃料通路のニップル104側はデリバリパイプ106に接続され、燃料通路の弁部101側には噴射口(図示せず)が形成されている。弁部101内の燃料通路には弁体(図示せず)が配置され、胴体102内には弁体を移動させる電磁アクチュエータ(図示せず)が配置されている。弁体は閉弁位置側に付勢され、電磁アクチュエータの非通電時には閉弁位置に位置し、電磁アクチュエータの通電時にのみ開弁位置に変移するようになっている。
【0004】
次に、燃料噴射弁100の作用を説明する。弁体は閉弁位置に位置され、燃料通路には加圧された燃料が流入されている。この状態にあって、電磁アクチュエータに通電されると、弁体が閉弁位置から開弁位置に変移し、燃料通路内の燃料が噴射口より噴射される。電磁アクチュエータの通電が停止されると、弁体が閉弁位置に戻されて燃料の噴射が停止される。このように電磁アクチュエータの通電・非通電によって燃料が吸気管110内に所定のタイミングで、且つ、所望の量だけ噴射される。
【0005】
ところで、弁体が閉弁位置から開弁位置に移動する際には、電磁アクュエータの可動鉄心が移動規制部材(例えば、固定鉄心)に突き当たり、また、弁体が開弁位置から閉弁位置に移動する際には、弁体が座面に突き当たり、振動が発生する。この振動は燃料噴射弁100の弁ケーシングを伝って外部に放出されると、騒音となる。しかし、上記従来例の燃料噴射弁100では、放出された騒音が燃料噴射弁100を覆うゴム製のカバー105によって吸収され、低騒音化が図られている。
【0006】
【特許文献1】
実開昭58−29161号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の燃料噴射弁100では、燃料噴射弁100の外周にゴム製のカバー105を組み付けなければならないため、製造工程が煩雑であるという問題があった。また、燃料噴射弁100の外周をゴム製のカバー105で覆うため、外観寸法が大型化するという問題があった。
【0008】
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造工程が煩雑にならず、且つ、外観寸法が大型化することなく低騒音化が図れる燃料噴射弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、弁ケーシングの内部に燃料通路を設け、この燃料通路内に弁体を開弁位置と閉弁位置との間で移動自在に設け、この弁体を移動させる電磁アクチュエータを設け、この電磁アクチュエータを制御することによって燃料を所定のタイミングで、且つ、所望の量だけ噴射する燃料噴射弁において、前記燃料通路内を前記弁体と一体に移動する移動抵抗体を設けたことを趣旨とする。
【0010】
上記構成によれば、弁体が開弁位置と閉弁位置との間を移動する際に、移動抵抗体が燃料の流体抵抗を受けながら移動するため、弁体の移動速度が低減されて固定鉄心及び座面との衝突エネルギーが減少し、外部の空間に放出される騒音が低減される。そして、燃料噴射弁の製造に際して、弁体と一体に移動するよう移動抵抗体を付設すれば良いため、組み付け工程の容易な追加のみで製造可能である。また、弁ケーシング内に防音性能を組み込むことができるため、従来例のように弁ケーシングの外周に防音用の部材を配置する必要がない。以上より、製造工程が煩雑にならず、且つ、外観寸法が大型化することなく低騒音化が図れる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料噴射弁において、前記移動抵抗体の最大外径は、前記燃料通路の径より少なくとも小さく設定された構成としている。
【0012】
上記構成によれば、移動抵抗体が弁ケーシングの内壁に干渉されずに流体抵抗のみを受けた状態で移動する。従って、弁体が安定した移動抵抗によって減速され、より安定した低速移動を行うことができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射弁において、前記燃料通路内に前記電磁アクチュエータの可動鉄心を配置し、この可動鉄心に連通孔を設け、前記電磁アクチュエータより上流側の前記燃料通路が前記可動鉄心の前記連通孔を経て前記電磁アクチュエータの下流側の前記燃料通路に燃料を導き、前記連通孔の出口より前記弁体側に前記移動抵抗体を設けた構成としている。
【0014】
上記構成によれば、弁体が閉弁位置から開弁位置に変移し、燃料が噴射されると、可動鉄心の連通孔より燃料通路に燃料が流入し、燃料通路内の燃料が常に移動抵抗体を経て弁体側に流通するため、移動抵抗体が確実に流体抵抗を受けつつ移動する。従って、弁体が安定した移動抵抗によって減速され、更に安定した低速移動を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具現化した第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は燃料噴射弁1Aの断面図、図2は燃料噴射弁1Aの要部の拡大断面図、図3は移動抵抗体27の平面図である。
【0016】
図1において、燃料噴射弁1Aは、内部に燃料通路2が形成された弁ケーシング3と、燃料通路2を開閉する弁手段4と、この弁手段4を開弁位置と閉弁位置との間で移動させる電磁アクチュエータ5と、この電磁アクチュエータ5に通電するためのコネクタ6とから主に構成されている。
【0017】
弁ケーシング3は、金属パイプ(磁性筒体)10と、この金属パイプ10の上半分の全外周を覆うように配置された樹脂モールド部12とを備えている。金属パイプ10は円筒状を有し、その内部が燃料通路2として形成されている。弁ケーシング3の樹脂モールド部12には導電性ロッド13が埋設されている。
【0018】
金属パイプ10の上端にはデリバリパイプ(図示せず)が接続され、フューエルポンプ(図示せず)で圧送された燃料がデリバリパイプを経て燃料通路2の上方より供給されるようになっている。金属パイプ10内の上端にはフィルタ14が配置され、このフィルタ14によって燃料中の不純物がトラップされるようになっている。
【0019】
弁手段4は、図2に示すように、金属パイプ10内の下端部に固定され、上下方向に貫通された弁体用孔15aを有する弁座部材15と、この弁座部材15の弁体用孔15a内で移動自在に配置された略球状の弁体16とから構成されている。弁体用孔15aは、上方から下方に向かって径が段差状に小さく設定され、その段面の一つが座面17として形成されている。弁体用孔15aの下方には噴射口15bを有するオリフィスが設けられている。この噴射口15bは、吸気管(図示せず)内に開口されている。
【0020】
弁体16は、電磁アクチュエータ5の駆動力によって弁座部材15の座面17に密着する閉弁位置(図1の位置)と、弁座部材15の座面17より上方に離間する開弁位置との間で移動される。即ち、弁手段4の閉弁位置では、弁座部材15の座面17が弁体16で閉塞されて燃料が噴射口15bより噴射されず、弁手段4の開弁位置では、弁座部材15の弁体用孔15aが開口されて燃料が噴射口15bより噴射されるようになっている。
【0021】
電磁アクチュエータ5は、図2に示すように、金属パイプ10の内部に固定された固定鉄心(コア筒)20と、金属パイプ10の内部に移動自在に配置された可動鉄心21と、固定鉄心20及び可動鉄心21の外周位置で弁ケーシング3に内装された電磁コイル22と、この電磁コイル22の内周側に配置され、電磁コイル22を巻き付けるためのボビン23と、電磁コイル22の外周側に配置され、磁路を形成するための磁路形成部としてのヨーク24とを備えている。
【0022】
固定鉄心20には、上下面に開口する軸孔20aが形成されている。可動鉄心21には上面に開口する連通孔としての軸孔21aと、この軸孔21aに連通し、且つ、側周面に開口する連通孔としての横孔21bとが形成されている。可動鉄心21は、固定鉄心20の下方に近接配置され、上部側の大径部21cと下部側の小径部21dとが一体に形成されている。大径部21cは、金属パイプ10の内径より若干だけ小さい外径を有し、金属パイプ10の内壁に摺動しつつ移動する。小径部21dは、金属パイプ10の内径より十分に小さい外径を有し、その外周側は燃料通路2に臨んでいる。燃料通路2に臨む小径部21dの側周に横孔21bが開口し、この開口部分が連通孔の出口である。小径部21dの下端は、弁体16に溶接等で固定されている。従って、可動鉄心21と共に弁体16が一体に変移し、可動鉄心21が固定鉄心20に突き当たる位置が開弁位置に、弁体16が座面17に突き当たる位置(密着する位置)が閉弁位置になっている。
【0023】
移動抵抗体27は、フラットなリング形状を有し、その内周側が溶接や圧入等によって小径部21dの外周に固定され、その外周側が自由端とされている。移動抵抗体27の固定位置は、小径部21dの横孔21bの位置より弁体16側に設定されている。移動抵抗体27の最大外径(L1)は、金属パイプ10の内径、つまり、燃料通路2の径(L2)より少なくとも小さく設定されている。また、移動抵抗体27は、図3に示すように、外縁リング部27aを除いてほぼ全域がメッシュ部27bにて形成されており、このメッシュ部27bの網目より燃料が自由に流出入できるようになっている。
【0024】
また、図1に示すように、固定鉄心20の内部にはバネ受け部材25が固定され、このバネ受け部材25に圧縮コイルバネ(付勢手段)26の上端が当接されている。この圧縮コイルバネ26の下端は、可動鉄心21に当接されており、圧縮コイルバネ26のバネ力によって弁体16は閉弁位置側に付勢されている。そして、電磁コイル22に通電されると、可動鉄心21が電磁力によって上方に変位して弁体16が開弁位置に変移し、電磁コイル22への通電が終わると、可動鉄心21が圧縮コイルバネ26のバネ力によって閉弁位置に戻る。
【0025】
また、電磁アクチュエータ5が配置された箇所の燃料通路2間は、バネ受け部材25の貫通孔25a、固定鉄心20の軸孔20a、可動鉄心21の軸孔21a及び可動鉄心21の横孔21bによって連通されている。従って、電磁アクチュエータ5より上方側の燃料通路2の燃料は、バネ受け部材25の貫通孔25a、固定鉄心20の軸孔20a、可動鉄心21の軸孔21a及び可動鉄心21の横孔21bの順に導かれることによって電磁アクチュエータ5の下方側の燃料通路2に流入される。
【0026】
コネクタ6は、導電性ロッド13の一端側によって形成された端子部30と、樹脂モールド部12によって一体成形されたコネクタハウジング部31とから構成されている。導電性ロッド13の他端は電磁アクチュエータ5の電磁コイル22に接続され、コネクタ6より電磁コイル22に通電されるようになっている。
【0027】
尚、弁ケーシング3の外周の上端側及び下端側にはパッキン32,33がそれぞれ嵌合されている。上端側のパッキン32はデリバリパイプ(図示せず)をシールド接続するためのものであり、下端側のパッキン33は燃料噴射弁1Aを吸気管(図示せず)にシールド接続するためのものである。
【0028】
次に、燃料噴射弁1Aの作用を説明する。弁体16は閉弁位置に位置され、燃料通路2には加圧された燃料が流入されている。この状態にあって、電磁アクチュエータ5に通電されると、弁体16が閉弁位置から開弁位置に変移し、燃料通路2内の燃料が噴射口15bより噴射される。電磁アクチュエータ5の通電が停止されると、弁体16が閉弁位置に戻されて燃料の噴射が停止される。このように電磁アクチュエータ5の通電・非通電によって燃料が吸気管内に所定のタイミングで、且つ、所望の量だけ噴射される。
【0029】
上記弁体16が閉弁位置から開弁位置に移動する際には、電磁アクチュエータ5の可動鉄心21が固定鉄心20に突き当たり、また、弁体16が開弁位置から閉弁位置に移動する際には、弁体16が弁座部材15の座面17に突き当たるため、振動が発生する。
【0030】
ここで、弁体16が開弁位置と閉弁位置との間を移動する際に、移動抵抗体27が燃料の流体抵抗を受けながら移動するため、弁体16の移動速度が低減されて衝突エネルギーが減少し、外部の空間に放出される騒音が低減される。そして、燃料噴射弁1Aの製造に際して、弁体16と一体に移動するように移動抵抗体27を付設すれば良いため、組み付け工程の容易な追加のみで製造可能である。また、弁ケーシング3内に防音性能を組み込むことができるため、従来例のように、弁ケーシング3の外周に防音用の部材を配置する必要がない。以上より、製造工程が煩雑にならず、且つ、外観寸法が大型化することなく低騒音化が図れる。さらに、可動鉄心21に移動抵抗体27を組み付ければ良いため、組立ての自動化が容易に可能である。また、従来例のように断熱ゴム製のカバー等を使用する場合に比べて材料コストの低減になる。
【0031】
上記第1実施形態では、移動抵抗体27の最大外径は、燃料通路2の径より少なくとも小さく設定されているので、移動抵抗体27が金属パイプ10の内壁に干渉されずに流体抵抗のみを受けた状態で移動する。従って、弁体16が安定した移動抵抗によって減速され、より安定した低速移動を行うことができる。
【0032】
上記第1実施形態では、燃料通路2内に電磁アクチュエータ5の可動鉄心21を配置し、この可動鉄心21に軸孔21a及び横孔21bを設け、電磁アクチュエータ5より上流側の燃料通路2が可動鉄心21の軸孔21a及び横孔21bを経て電磁アクチュエータ5の下流側の燃料通路2に燃料を導き、横孔21bの出口より弁体16側に移動抵抗体27が設けられている。このような構成により、弁体16が閉弁位置から開弁位置に変移し、燃料が噴射されると、可動鉄心21の横孔21bより燃料通路2に燃料が流入し、燃料通路2内の燃料が常に移動抵抗体27を経て弁体16側に流通するため、移動抵抗体27が確実に流体抵抗を受けつつ移動する。従って、弁体16が安定した移動抵抗によって減速され、更に安定した低速移動を行うことができる。
【0033】
上記第1実施形態は、移動抵抗体27は、メッシュ体にて形成されているので、比較的小さい移動抵抗の移動抵抗体27を得ることができる。
【0034】
(第2実施形態)
以下、本発明を具現化した第2実施形態について図面を参照して説明する。
【0035】
図4は燃料噴射弁1Bの要部の拡大断面図、図5は移動抵抗体28の平面図である。
【0036】
図4及び図5において、この第2実施形態の燃料噴射弁1Bでは、上記第1実施形態と比較して移動抵抗体28の構成のみが異なる。この第2実施形態の移動抵抗体28は、フラットなリング形状を有し、等間隔な各半径方向に沿って多数の小孔28aが形成されている。各小孔28aは貫通孔であり、この各小孔28aより燃料が自由に流出入できるようになっている。また、移動抵抗体28の上面の外縁部で、且つ、半径方向に沿って配置された小孔28a列の間の位置には微小な凹部28bが形成されている。つまり、第1実施形態の移動抵抗体27はメッシュ体として形成されているが、第2実施形態の移動抵抗体28は多孔板として形成されている。
【0037】
移動抵抗体28のそれ以外の構成は、第1実施形態と同様である。つまり、移動抵抗体28は、その内周側が溶接や圧入等によって可動鉄心21の小径部21dの外周に固定され、その外周側が自由端とされている。移動抵抗体28の固定位置は、小径部21dの横孔21bの位置より弁体16側に設定されている。移動抵抗体28の最大外径(L1)は、金属パイプ10の内径、つまり、燃料通路2の径(L2)より少なくとも小さく設定されている。
【0038】
移動抵抗体28以外の構成は、上記第1実施形態と同一であるため、上記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
この第2実施形態でも、弁体16が開弁位置と閉弁位置との間を移動する際に、移動抵抗体28が燃料の流体抵抗を受けながら移動するため、弁体16の移動速度が低減されて衝突エネルギーが減少し、外部の空間に放出される騒音が低減される。従って、上記第1実施形態と同様に、製造工程が煩雑にならず、且つ、外観寸法が大型化することなく低騒音化が図れる。
【0040】
上記第2実施形態では、移動抵抗体28は、多孔板にて形成されているので、小孔28aの径や数によって移動抵抗を容易に調整できる。
【0041】
上記第2実施形態では、移動抵抗体28の上面の外縁部に凹部28bを設けたので、移動抵抗体28の上面側の燃料が凹部28bに沿って同じ流路によって移動抵抗体28の外周面と金属パイプ10の内壁との隙間を流通するため、移動抵抗体28のばたつきを抑えることができる。
【0042】
尚、この発明は、次のような別の実施形態に具現化することができる。以下の別の実施形態において上記実施形態と同様な作用及び効果を得ることができる。
【0043】
(1)上記第1及び第2実施形態において、弁体16と共に移動する移動抵抗体27,28を1枚配置するような構成とした。これに対し、2枚以上の移動抵抗体27,28を配置するような構成にしても良い。このような構成とすることにより、弁体16の移動速度が非常に大きい場合にあって、弁体16の移動速度を十分に減速でき、騒音を有効に抑えることができるという効果が得られる。
【0044】
(2)上記第1及び第2実施形態において、移動抵抗体27,28は偏平なリング形状(ドーナツ形状)に形成としたが、移動抵抗体27,28の形状はこれに限定されるものではなく、所望の移動抵抗力を受けることができれば形状は問わない。
【0045】
さらに、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0046】
(イ)請求項1に記載の燃料噴射弁1Aにおいて、移動抵抗体27は、メッシュ体にて形成されたことを特徴とする燃料噴射弁1A。
【0047】
この構成によれば、比較的小さい移動抵抗の移動抵抗体27を得ることができる。
【0048】
(ロ)請求項1に記載の燃料噴射弁1Bにおいて、移動抵抗体28は、多孔板にて形成されたことを特徴とする燃料噴射弁1B。
【0049】
この構成によれば、小孔28aの径や数によって移動抵抗を容易に調整できる。
【0050】
(ハ)(ロ)に記載の燃料噴射弁1Bにおいて、移動抵抗体28の上面の外縁部に凹部28bを設けたことを特徴とする燃料噴射弁1B。
【0051】
この構成によれば、移動抵抗体28の上面側の燃料が凹部28bに沿って同じ流路によって移動抵抗体28の外周面と金属パイプ10の内壁との隙間を流通するため、移動抵抗体28のばたつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、燃料噴射弁の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、燃料噴射弁の要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、移動抵抗体の平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示し、燃料噴射弁の要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示し、移動抵抗体の平面図である。
【図6】従来例を示し、外周が断熱性ゴムで覆われた燃料噴射弁の側面図である。
【符号の説明】
1A,1B 燃料噴射弁
2 燃料通路
3 弁ケーシング
5 電磁アクチュエータ
16 弁体
21 可動鉄心
21a 軸孔(連通孔)
21b 横孔(連通孔)
27,28 移動抵抗体
Claims (3)
- 弁ケーシングの内部に燃料通路を設け、この燃料通路内に弁体を開弁位置と閉弁位置との間で移動自在に設け、この弁体を移動させる電磁アクチュエータを設け、この電磁アクチュエータを制御することによって燃料を所定のタイミングで、且つ、所望の量だけ噴射する燃料噴射弁において、
前記燃料通路内を前記弁体と一体に移動する移動抵抗体を設けたことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記移動抵抗体の最大外径は、前記燃料通路の径より少なくとも小さく設定されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記燃料通路内に前記電磁アクチュエータの可動鉄心を配置し、この可動鉄心に連通孔を設け、前記電磁アクチュエータより上流側の前記燃料通路が前記可動鉄心の前記連通孔を経て前記電磁アクチュエータの下流側の前記燃料通路に燃料を導き、前記連通孔の出口より前記弁体側に前記移動抵抗体を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射弁。
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Cited By (2)
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JP2010014124A (ja) * | 2009-10-19 | 2010-01-21 | Hitachi Ltd | 電磁式燃料噴射弁のハウジング組立体 |
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