JP2004360246A - 緑化工法 - Google Patents

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寛 吉田
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Abstract

【課題】裸地等に吹付装置により,自然環境に悪影響を及ぼすことのない、2層からなる生育基盤を造成する緑化工法に関する。
【解決手段】法面斜面等の裸地に少なくとも2層からなる生育基盤を造成する緑化工法において、生育基盤材及び種子潜在表土等を収容及び供給する装置11,12を設置し、かつ生育基盤材等を吹付けるための吹付装置13を設置する。現地及び現地周辺で採取した種子潜在表土等を上記装置11,12に収容し、生育基盤材と適宜混合して、上記吹付装置13で吹付けることで、生育基盤材の表層部に種子潜在表土等を混入することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、裸地等に吹付装置を用いて少なくとも2層からなる生育基盤を造成することにより、法面、斜面等を緑化するための緑化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、法面斜面等の裸地における緑化工法は、生育基盤材と種子とを混合した生育基盤を圧縮空気により圧送することで、裸地等に吹付ける工法が主に採られていた。
【0003】
ここで、生育基盤材とは、種子以外の材料であるピートモス、バーク堆肥、土壌類(肥沃土、砂質土等)、肥料、土壌活性剤、浸食防止剤、その他の添加物等を総称したものである。
【0004】
法面斜面等の裸地に吹付機を用いて2層からなる生育基盤を1工程で造成する緑化工法としては、本願出願人による先行特許である、特許文献1、特許文献2、特許文献3が知られていた。これらの技術は、生育基盤材を含む第1層上に生育基盤材と少なくとも種子を含む第2層を同一作業箇所において1工程の作業で順次吹付けることにより、2層からなる生育基盤を造成する工法である。
【0005】
吹付層が1層のみの場合、吹付層全体に種子が分散し、吹付層の厚みの増加に伴い種子の使用量も増加するので、採取量の少ない種子を使用する場合は高コストになる。一方、一般的な2層吹付工法ではこれらの問題は解消できるものの、第1層表面の乾燥により第2層の剥離という問題が生じる。この問題を解決するために第2層をスラリー状にして吹付ける方法もあるが、第2層が多量の水分を含有するため、第2層の耐浸食性が脆弱となる問題もある。
【0006】
特許文献1〜特許文献3の工法によれば、法面全体と比較して小面積である同一作業箇所において、第1層と第2層の吹付を切り換えることにより順次行うので、第1層の乾燥による第2層の剥離が生じにくく、散水工程や接着性を向上させるための措置も必要としない。
【0007】
特許文献1の工法は、1工程の吹付のみで効率よく2層の生育基盤を造成する工法で、タンク1には生育基盤材のみが収容され、タンク2には生育基盤材及び種子が収容されていることを特徴としている。また、特許文献2の工法も1工程の吹付のみで効率よく2層の生育基盤を造成する工法で、生育基盤材を収容するタンクと種子を収容するタンクとを独立させて、種子を必要に応じて適宜生育基盤材に混合できることを特徴としている。
【0008】
特許文献3の工法は、2層吹付工法による緑化工法であり、1工程の吹付のみで効率よく2層の植生基材を造成することができる。特に、装置の小型化、設備の縮小化により施工適用範囲を拡大することができる。さらに、種子と生育基盤材との混合基材の輸送ポンプや攪拌装置を必要としないので、施工設備の縮小化とともにポンプによる圧送や攪拌で生じる種子の損傷を防止し、種子を有効に発芽させることができる。
【0009】
これらの技術は、過去から多用されてきた外来草本類(牧草類)やマメ科肥料木類等と比較して、単価の高い自生種や地域性系統の種子を用いる自然回復緑化において、高価な種子の有効利用、施工費用の縮減等の点から優れた作用効果を有している。
【0010】
【特許文献1】
特許第2739563号公報
【特許文献2】
特許第2739564号公報
【特許文献3】
特許第3159376号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では自然回復を図るために種子潜在表土等の植物繁殖材料を用いた緑化が行われるケースが多くなってきている。種子潜在表土には、その地域に生育している植物の種子(埋土種子)が多く含まれていることから、緑化工法における植物繁殖材料として評価が高まってきている。
【0012】
法面斜面等の緑化分野においては、従来から植生基材吹付工(厚層基材吹付工ともいう)が広く用いられており、採取された種子潜在表土も、生育基盤材として、あるいは生育基盤材の一部として混合して用いられている。
【0013】
種子潜在表土として採取の対象となるのは、地表に近い表層部の土壌であり、その地域に生育している植物の種子が最も多く含まれている。しかし、その採取量はごく少量に限られてしまう。特に表層土が薄い地域では、採取量が大幅に制限されてしまう。その結果、造成する生育基盤全層に種子潜在表土を混合すると、造成する生育基盤の単位容積当たりに占める種子潜在表土の割合が小さくなり、所望の緑化が実現できないという問題がある。
【0014】
さらに、現地で種子潜在表土を採取し使用する場合には、採取等による現地生態系等の自然環境に与える影響はほとんどない。しかし、周辺の森林等で採取した種子潜在表土を使用する場合には、種子潜在表土の採取量が多くなると、周辺の森林等から表層土が失われ生産性の低下を招き、森林環境の破壊につながるだけではなく、その森林等に生息する動物等をはじめとする生態系に多大な悪影響を及ぼす。
【0015】
以上の問題点に鑑み、本発明は、種子潜在表土等の植物繁殖材料を自然環境に悪影響を及ぼすことなく利用すると共に、採取量が限られる種子潜在表土等の植物繁殖材料を有効に活用することを実現した緑化工法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を実現するために以下の構成を提示する。
(1)法面斜面等の裸地上に複数の作業箇所を設定し、生育基盤材を収容する第1の装置と生育基盤材及び植物繁殖材料を収容する第2の装置とを設け、1の作業箇所にて前記第1の装置を用いて第1層を吹き付け造成した後、前記第2の装置を用いて前記第1層の上に第2層を吹き付け造成する工程を各作業箇所にて繰り返すことにより前記裸地上に少なくとも2層からなる生育基盤を造成する緑化工法において、前記植物繁殖材料として、種子潜在表土、種子付枝条及び非種子植物繁殖材料を含む群から選択された1又は複数を含むことを特徴とする。
(2)法面斜面等の裸地上に複数の作業箇所を設定し、生育基盤材を収容する第1の装置と植物繁殖材料を収容する第2の装置とを設け、1の作業箇所にて前記第1の装置を用いて第1層を吹き付け造成した後、前記第1の装置及び前記第2の装置を用いて前記第1層の上に第2層を吹き付け造成する工程を各作業箇所にて繰り返すことにより前記裸地上に少なくとも2層からなる生育基盤を造成する緑化工法において、前記植物繁殖材料として、種子潜在表土、種子付枝条及び非種子植物繁殖材料を含む群から選択された1又は複数を含むことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、法面斜面等の裸地に、第1層と第2層を含む少なくとも2層からなる生育基盤を造成する緑化工法を基本態様とする。その第1層は生育基盤材から構成される。第1層の上に造成される第2層は、生育基盤材と植物繁殖材料から構成される。さらに、第2層の上に第3層以上の層を造成する場合、それらの層は生育基盤材と植物繁殖材料から構成される。本発明で好適に利用される植物繁殖材料とは、種子潜在表土、種子付枝条、及び種子以外の植物繁殖材料(以下、「非種子植物繁殖材料」という)の3種である。これらの植物繁殖材料については、後に詳述する。
【0018】
本発明の緑化工法では、上記少なくとも2層からなる生育基盤を造成するために、前述の特許文献1、2及び3に開示された吹付工法を応用することが好適である。これらの工法に共通する特徴は、施工対象の裸地上に複数の作業箇所(作業区画)を設定し、1の作業箇所において第1層の吹き付けと第2層の吹き付けを連続的に行い、当該作業箇所における生育基盤造成を終了し、そして引き続き、次の作業箇所へ移動して、同様に第1層の吹き付けと第2層の吹き付けを連続的に行うことである。この吹付工法の長所は、前述の通り、作業性の向上、生育基盤の乾燥防止等である。
【0019】
この少なくとも2層の造成を行う吹付工法を適用するために、本発明では、収容タンク等をそれぞれ含む第1の装置及び第2の装置を少なくとも用意する。
【0020】
先ず、第1の実施形態では、第1の装置に第1層に含まれる生育基盤材を収容し、第2の装置に第2層に含まれる生育基盤材と植物繁殖材料を収容する。そして、1の作業箇所にて第1の装置を用いて第1層を吹き付け造成した後、第2の装置を用いて第1層の上に第2層を吹き付け造成する。この実施形態では、第1の装置と第2の装置は同時には用いられず、第1層と第2層に対して順次用いられる。これを各作業箇所において繰り返すことにより施工対象裸地全体の基盤造成を行う。
【0021】
尚、第1の実施形態において、第3層以上を造成する場合は、第2の装置と同様の別装置を設ければよい。そして、第3層以上の各層は、別装置の各々を用いて造成する。その場合、第2の装置と、追加される別装置のそれぞれに収容する生育基盤材と植物繁殖材料の配合や種類は異なっていてもよい。
【0022】
次に、第2の実施形態では、第1の装置に第1層と第2層に含まれる生育基盤材を収容し、第2の装置に第2層に含まれる植物繁殖材料を収容する。そして、1の作業箇所にて第1の装置を用いて第1層を吹き付け造成した後、第1及び第2の装置の双方を用いて第1層の上に第2層を吹き付け造成する。この実施形態では、第1の装置は、第1層と第2層の吹き付けの双方に用いられ、第2の装置は第2層の吹き付けにのみ用いられる。これを各作業箇所において繰り返すことにより施工対象裸地全体の基盤造成を行う。
【0023】
第2の実施形態において、第3層以上を造成する場合は、第2の装置と同様の別装置を設ければよい。そして、第3層以上の各層は、第1の装置と別装置の各々とを用いて造成する。その場合、第2の装置と、追加される別装置のそれぞれに収容する植物繁殖材料の種類は異なっていてもよい。
【0024】
ここで種子潜在表土について説明する。本発明に使用する種子潜在表土とは、現地に生育する植物の種子を多量に表土中に含有する土壌のことである。一般的に、現場発生土、埋土種子、シードバンク、あるいは単に表土のことをいい、埋土種子等が混入している土壌を総称していう。
【0025】
採取の対象となる種子潜在表土は、最もよく腐植した表層に近い部分、A層乃至A0層の土壌である。具体的には、地表から約5cm乃至15cm程度の範囲であり、この範囲の表層部に、その地域に生育している植物の種子が最も多く含まれている。そのため、緑化工法において、外来種による現地生態系の乱れを未然に防止できるので、種子潜在表土の植物繁殖材料としての利用価値は非常に高い。
【0026】
次に種子潜在表土の採取について述べる。例えば、大規模な造成を必要とする場合は、各種建設機械を使用して種子潜在表土の採取をする。また、造成の規模が比較的小規模な場合には人力による採取をしてもよい。さらに、吸引機等を使用して種子潜在表土を採取してもよい。このような種子潜在表土は播きだしによる施工の場合には、何も手を加えずに使用することもできるが、吹付による施工の場合には、含水量の調整、篩い分け等の処理を加えた上で、生育基盤材と混合して使用することで、よりよい効果が発揮できる。
【0027】
また、植物繁殖材料として、現地及び現地周辺で採取した種子潜在表土の他に、同様に現地及び現地周辺で採取した種子を種子潜在表土とともに使用してもよい。これにより現地生態系を乱すことのない、自然回復に最適な緑化が実現できる。
【0028】
本発明において植物繁殖材料として種子付枝条を使用してもよい。種子付枝条とは、現地及び現地周辺に繁茂する植物の種子を保有している植物体であり、種子が結実している木本植物の枝や草本植物を刈り取るなどして得られた植物材料である。
【0029】
種子付枝条として採取できるものは例えば、種子が実っているススキ等では植物体ごと種子を刈り取ることで採取できる。採取した種子付枝条は裁断し植物繁殖材料とする。
【0030】
本発明において別の植物繁殖材料として、植生や生態系を乱さないものであれば、非種子植物繁殖材料を使用できる。これらの材料を施工場所の環境等を考慮に入れ、適宜選択及び混合することで、現地及び現地周辺の環境や動植物等の生態系を乱すことのない、最適な緑化効果が得られる。
【0031】
非種子植物繁殖材料として使用できるものとしては、栄養繁殖可能な植物体がある。例えば、ヤナギ等の萌芽性の高い樹種であれば枝を裁断したものが使用できる。この他にも、鱗茎、鱗葉(鱗片)、塊茎、塊根等、様々なものを使用できる。
【0032】
本発明では、これら種子潜在表土、種子付枝条及び非種子植物繁殖材料の3種の植物繁殖材料の中からいずれか1つを選択して用いてもよく、又は任意の2種を選択して、若しくは3種全てを組み合わせて用いてもよい。組み合わせる場合の配合割合は適宜設定する。
【0033】
本発明の他の利用方法として、上記の種子潜在表土、種子付枝条、非種子植物繁殖材料等とともに、肥料や基盤補強材料等を混合して第2層を造成することも可能である。また、植物繁殖材料は現地の状況に合わせて、単独又は同時に複数を混合して使用することもできる。
【0034】
【実施例】
以下本発明の実施例について対応する各図を参照して説明する。
<実施例1>
図1は実施例1の概略を図示したものである。
生育基盤材を収容する第1の装置11と、生育基盤材と植物繁殖材料とを収容する第2の装置12を設置する。第1の装置11及び第2の装置12には空気圧縮器17が連結され、さらに該第1の装置11及び該第2の装置12はそれぞれ吐出切替装置15へと連結されている。吐出制御装置16の制御機構により、吐出切替装置15が最初に第1の装置11を吹付装置13へと連通させて、1の作業箇所52にて生育基盤材のみの吹付を開始する。この吹付は予め設定した量又は時間に達するまで、あるいは手動により吐出切替装置の切り替えがなされるまで行われ、第1層31が形成される。この吹付が終了すると、吐出切替装置15が自動的に第2の装置12を吹付装置13に連通させることで、第2の装置12に収容された生育基盤材と植物繁殖材料とが混合された状態で吹付けられ、第2層32が形成される。これにより、裸地50に少なくとも2層からなる生育基盤30を造成することが可能となる。
【0035】
生育基盤材を収容及び供給する第1の装置11として例えば、モルタルコンクリート吹付機(乾式又は湿式吹付機)や客土吹付機(スラリーポンプ)等、生育基盤材を吹付により造成可能な装置が使用できる。
【0036】
図1においては、第1の装置11には生育基盤材を収容し、第2の装置12には生育基盤材及び種子潜在表土、種子付枝条及び/又は非種子植物繁殖材料を収容することで、本発明における緑化工法を実施できる。
【0037】
<実施例2>
図2は実施例2の概略を図示したものである。
生育基盤材を収容する第1の装置11と植物繁殖材料を収容する第2の装置12を設置する。第1の装置11には空気圧縮器21が連結され、さらに該第1の装置11は混合装置18へと連結されている。第2の装置12は混合装置18に連結され、該第2の装置12と該混合装置18との間には種子を送出するためのポンプ20が設置されている。前記混合装置18には、ポンプから送出される植物繁殖材料を第1の装置11から送出される生育基盤材中に供給及び停止することにより、植物繁殖材料の供給量を自動制御するための混合制御装置19が設置されている。造成する生育基盤は、第1層31が生育基盤材のみで構成され、第2層32が生育基盤材と植物繁殖材料で構成されるので、該混合制御装置19は第1層の吹付作業の際には植物繁殖材料の供給を停止し、第2層32の吹付作業の際には種子を適宜供給する。これにより、裸地50に少なくとも2層からなる生育基盤30を造成することができる。
【0038】
生育基盤材を収容及び供給する第1の装置11として例えば、モルタルコンクリート吹付機(乾式又は湿式吹付機)や客土吹付機(スラリーポンプ)等、生育基盤材を吹付により造成可能な装置が使用できる。
【0039】
図2において、第1の装置11には生育基盤材を収容し、第2の装置12には種子潜在表土、種子付枝条及び/又は非種子植物繁殖材料を収容することで、本発明における緑化工法を実施できる。
【0040】
<実施例3>
図3は実施例3の概略を図示したものである。
第1の装置11は、空気圧縮器24と連結されている。第1の装置11は吹付装置13と連結されている。植物繁殖材料を収容及び供給する第2の装置12は、吹付装置13上の任意の位置に設置され、該吹付装置13と合流点23で連結されている。第2の装置12は、第1の装置11より吹付装置13内を圧送されてくる生育基盤材に、適宜の量の植物繁殖材料を混入させる。植物繁殖材料を混入した生育基盤材は、第1の装置11より既に法面斜面等の裸地へと吹付けられた第1層31上へ吹付られることで、第2層32を構成するので、少なくとも2層からなる生育基盤30を造成することができる。
【0041】
生育基盤材を収容及び供給する第1の装置11として例えば、モルタルコンクリート吹付機(乾式又は湿式吹付機)や客土吹付機(スラリーポンプ)等、生育基盤材を吹付により造成可能な装置が使用できる。
【0042】
第2の装置12に収容される植物繁殖材料の供給方法としては、植物繁殖材料の自重により落下させ混合させる方法と、供給機等を設置して強制的に混合させる方法がある。本発明においてはいずれの方法も選択可能である。また、植物繁殖材料を収容及び供給する第2の装置12には、第1の装置11より供給され吹付装置13内を圧送されてくる生育基盤材に、植物繁殖材料の混合量を調整するための制御装置を設けてもよい。
【0043】
植物繁殖材料を収容及び供給する第2の装置12として例えば、スクリューコンベアやロータリーフィーダー等の供給機構を有するような種子供給装置を使用してもよい。
【0044】
図3の装置を使用して第1層を造成する場合には、第1の装置11から供給され吹付装置13内を圧送された生育基盤材のみを吹付可能である。第2層を造成する場合には、第1の装置11から供給され吹付装置13内を圧送された生育基盤材と、第2の装置12より供給された植物繁殖材料とを混合し、第1層上に吹付けることができる。これにより、生育基盤の表層部である第2層に植物繁殖材料を混合させることができる。
【0045】
また、図3において、第1の装置11に生育基盤材を収容し、第2の装置12には種子潜在表土、種子付枝条及び/又は非種子植物繁殖材料を収容することで、本発明における緑化工法を実施できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明による緑化工法は、生育基盤材を収容及び供給する第1の装置と植物繁殖材料を収容及び供給する第2の装置とこれに連結する吹付装置とを設置し使用することで、少なくとも2層からなる生育基盤を造成することを可能とする。この緑化工法は生育基盤層の表層部のみに、現地及び現地周辺で採取された種子潜在表土、種子付枝条及び/又は非種子植物繁殖材料からなる植物繁殖材料を混入させることができる。
【0047】
これにより、現地及び現地周辺の植物等の生育環境や、動物等の生息する生態系を乱すことなく、採取量が限られる種子潜在表土、種子付枝条、非種子植物繁殖材料を効果的に無駄なく活用した緑化が可能となる。また、現地及び現地周辺の土壌から採取する表土の量は必要最小限に抑えることができるので、採取の対象となる地域の生態系を乱すこともない。
【0048】
本発明による緑化工法は、既存の装置等を組み合わせて実行できるので、非常に簡便であり作業性や作業効率もよく、小型の装置で実行でき、コストを低く抑えることが可能であることから、様々な現場状況に適用でき所望の緑化作用を得ることができる。
【0049】
本発明による緑化工法では、現地及び現地周辺で採取した種子潜在表土等を使用できるので、既に現地表土に帰化植物の種子等が混在していた場合を除き、現地環境及び生態系に外来種が混入することがない。そのため、在来植生等が人為的に導入された植物に駆逐されることがなく、在来植生を保護しつつ現地の植生やそれに付随する生態系を擾乱することがない。故に、緑化における環境に対する負荷を大幅に減らすことができる。
【0050】
我が国は昨年、所謂京都議定書の批准書を国連に寄託したことは記憶に新しい。地球温暖化の原因の1つである温室効果ガス削減のための効果的な手段の1つに、森林等の植物により温室効果ガスを吸収させる方法がある。本発明による緑化工法により、森林等の緑化地域の面積を増加させることで温室効果ガス吸収効果をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1の概略図である。
【図2】本発明による実施例2の概略図である。
【図3】本発明による実施例3の概略図である。
【符号の説明】
11 第1の装置
12 第2の装置
13 吹付装置
15 吐出切替装置
16 吐出制御装置
17 空気圧縮器
18 混合装置
19 混合制御装置
20 ポンプ
21 空気圧縮器
23 合流点
24 空気圧縮器
30 生育基盤
31 第1層
32 第2層
50 裸地
52 1つの作業箇所

Claims (2)

  1. 法面斜面等の裸地上に複数の作業箇所を設定し、生育基盤材を収容する第1の装置と生育基盤材及び植物繁殖材料を収容する第2の装置とを設け、1の作業箇所にて前記第1の装置を用いて第1層を吹き付け造成した後、前記第2の装置を用いて前記第1層の上に第2層を吹き付け造成する工程を各作業箇所にて繰り返すことにより前記裸地上に少なくとも2層からなる生育基盤を造成する緑化工法において、
    前記植物繁殖材料として、種子潜在表土、種子付枝条及び非種子植物繁殖材料を含む群から選択された1又は複数を含むことを特徴とする
    緑化工法。
  2. 法面斜面等の裸地上に複数の作業箇所を設定し、生育基盤材を収容する第1の装置と植物繁殖材料を収容する第2の装置とを設け、1の作業箇所にて前記第1の装置を用いて第1層を吹き付け造成した後、前記第1の装置及び前記第2の装置を用いて前記第1層の上に第2層を吹き付け造成する工程を各作業箇所にて繰り返すことにより前記裸地上に少なくとも2層からなる生育基盤を造成する緑化工法において、
    前記植物繁殖材料として、種子潜在表土、種子付枝条及び非種子植物繁殖材料を含む群から選択された1又は複数を含むことを特徴とする
    緑化工法。
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