JP2004359990A - 繊維強化金属基複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも高強度の金属マトリクス中にセラミックス繊維を安定して所望の方位に配向させて分散させることができる金属基複合材料の製造方法およびそれにより製造された金属基複合材料を提供する。
【解決手段】磁性金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料の製造方法であって、磁性金属粉末とセラミックス繊維との混合粉末を作成する工程、上記混合粉末を非磁性の予備型内に収容して磁場の作用下で振動を付与することにより、上記セラミックス繊維を放射状または同心円状に配向させる工程、上記磁場印加した混合粉末を上記予備型内で加圧して圧粉体とする工程、および得られた予備成形体をホットプレスして焼結体とする工程を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法およびこの方法により製造された繊維強化金属基複合材料。
【選択図】 図1
【解決手段】磁性金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料の製造方法であって、磁性金属粉末とセラミックス繊維との混合粉末を作成する工程、上記混合粉末を非磁性の予備型内に収容して磁場の作用下で振動を付与することにより、上記セラミックス繊維を放射状または同心円状に配向させる工程、上記磁場印加した混合粉末を上記予備型内で加圧して圧粉体とする工程、および得られた予備成形体をホットプレスして焼結体とする工程を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法およびこの方法により製造された繊維強化金属基複合材料。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性または非磁性の金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の用途において、金属マトリクスをセラミックス繊維で強化した複合材料が知られている。具体例としては、AlあるいはAl合金やMgあるいはMg合金から成る金属マトリクスをAl2O3等の酸化物、Si3N4等の窒化物、SiC等の炭化物などのセラミックス繊維で強化した複合材料が種々知られている。
【0003】
これら従来の繊維強化金属基複合材料の製造方法は大別して、(1)予めバインダ等を混合したセラミックス繊維を仮焼して作製した多孔質体にマトリクス金属の溶湯を含浸させる方法、(2)セラミックス繊維にマトリクス金属をスパッタリング等によりコーティングしたものを焼結させる方法が行なわれていた。いずれの方法でも、一般に得られる複合材料は金属マトリクス中にセラミックス繊維がランダムな方位すなわち無配向で分散している。
【0004】
繊維強化金属基複合材料の主用途の1つは、軸、軸受に代表される摺動部材であり、この場合には特に、高い耐摩耗性と低い摩擦係数が要求される。更に、繊維強化金属基複合材料のもう1つの主用途は構造部材であり、この場合には特に曲げ荷重、引張荷重等に対して高い強度が要求される。
【0005】
このように高耐摩耗性、低摩擦係数、高強度(曲げ、引張)を個々の部材に応じて最適のバランスで具備することが要求されるが、各特性はそれぞれ強化繊維の方位に大きく依存しているため、個々の用途に応じて強化繊維を最適な方位に配向させることが望ましい。
【0006】
更に、特性間のバランスを最適化するだけでなく、個々の特性自体を高めることにより、より厳しい要求水準を満たす複合材料の開発が望まれている。例えば、Al系やMg系の金属または合金をマトリクスとした複合材料では、高荷重・高摺動速度の摺動条件ではマトリクスの凝着により急激に摩耗が進行するため、摺動部材への適用に限界があった。
【0007】
従来公知の例として、特許文献1(特開昭63−60244号公報)には、長繊維をウィスカまたは短繊維で包んでマットとし、これを金属マトリクスと重ね合わせることにより、特定方向または方向が一定しない応力に対して強化した複合材料が開示されている。しかし、繊維を種々の方位に配向することはできないため用途が極めて限定される。
【0008】
また、別の公知例として特許文献2(特開平3−219029号公報)には、ウィスカの表面にNi等の強磁性金属をコーティングすることにより表面強磁性化したものを磁界中を自由落下させることにより配向させてマトリクス金属粉末中に混入させた混合粉末を焼結した複合材料が提案されている。しかし、ウィスカへのコーティング処理が煩雑なばかりでなく、短時間の自由落下中の磁力線による配向は安定せず不完全でもあり、かつ下方のマトリクス金属粉末中に落下したときに配向を安定して確保することが困難である。
【0009】
更に、もう1つの公知例として特許文献3(特開平5−105533号公報)には、懸濁液中のウィスカを電界中で沈降させる過程で一方向に配向させて製造した複合材料が提案されている。しかし、これも沈降過程での電界による配向は安定せず不完全でもあり、かつ沈降物を採取し乾燥した後に焼結する過程で沈降物中のウィスカの配向を安定して確保することが困難であるし、ろ過などの煩雑な作業を必要とする。
【0010】
最後に、上記特許文献1、2、3に開示された具体例はマトリクス金属がAl等の軽金属であり、マトリクスを高耐摩耗性、低摩擦係数、高強度にすることにより複合材料全体として高い要求水準を満たすことはできない。
【0011】
【特許文献1】
特開昭63−60244号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平3−219029号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平5−105533号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題を解消し、従来よりも高強度の金属マトリクス中にセラミックス繊維を安定して所望の方位に配向させて分散させることができる金属基複合材料の製造方法およびそれにより製造された金属基複合材料を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1発明によれば、磁性金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料の製造方法であって、下記の工程:
磁性金属粉末とセラミックス繊維との混合粉末を作成する工程、
上記混合粉末を非磁性の予備型内に収容して磁場の作用下で振動を付与することにより、上記セラミックス繊維を放射状または同心円状に配向させる工程、
上記磁場印加した混合粉末を上記予備型内で加圧して圧粉体とする工程、および
得られた予備成形体をホットプレスして焼結体とする工程
を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法およびこの方法により製造された繊維強化金属基複合材料が提供される。
【0014】
第1発明においては、予備型内でマトリクス金属としての磁性金属の粉末とセラミックス繊維との混合粉末に磁場を印加した状態で振動を付与することにより、磁性金属の粉末粒子が個々に磁力線の作用により移動または配向させられ、各磁性粒子の運動によってそれぞれその周囲にある個々のセラミックス繊維が特定方位へ配向させられ、その結果、予備型内の混合粉末中のセラミックス繊維が全体として特定方位に配向する。予備型内でこの状態の混合粉末をそのまま加圧して圧粉体とするので、セラミックス繊維の配向状態が安定に維持され、最終的な焼結体中にそのまま引き継がれる。配向を放射状および同心円状のいずれにするかは、磁場の向きまたは磁場の移動方向により容易に制御できる。
【0015】
更に、マトリクスの磁性金属としてFe基合金(鋼)やNi基合金等の高強度金属を用いることができるので、従来のAl系やMg系に比べてマトリクス強度を大幅に高めることができる。
【0016】
また、第2発明によれば、金属マトリクス中にセラミックスの繊維が配向して分散している焼結複合材料の製造方法であって、下記の工程:
金属粉末、セラミックス繊維およびバインダを含むスラリーを作成する工程、テープキャスト法により、走行するテープ上に上記スラリーを流下させることにより、上記セラミックス繊維が上記テープの走行方向に沿って配向しているグリーンシートを作成する工程、
上記グリーンシートを上記テープから剥離する工程、
上記剥離したグリーンシートを上記配向方向に平行または垂直な方向に巻き回すことにより、上記セラミックス繊維が該巻き回し軸に対して平行または放射状に配向した筒状または柱状のグリーン体とする工程、および
上記グリーン体を予備成形および脱脂した後にホットプレスして焼結体とする工程
を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法が提供される。
【0017】
第2発明においては、金属粉末、セラミックス繊維およびバインダを含むスラリーを、テープキャスト法により、走行するテープ上に流下させることにより、セラミックス繊維がテープの走行方向に沿って配向しているグリーンシートを作成し、テープ剥離後、所望の方向に巻き回すことにより、巻き回し軸に対して平行または垂直にセラミックス繊維を配向させることができる。これによりセラミックス繊維を所望方位に安定して配向させることができる。
【0018】
更に、マトリクスの金属としてFe基合金(鋼)、Ni基合金等の磁性高強度金属に限らずTi基合金等の非磁性高強度金属を用いることができるので、より大きな自由度でマトリクス金属を選定して、従来のAl系やMg系に比べてマトリクス強度を大幅に高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記のように、マトリクス金属は、磁性金属を用いる第1発明ではFe基合金(鋼)やNi基合金が代表的であり、磁性・非磁性を問わない第2発明ではFe基合金(鋼)やNi基合金などの磁性金属だけでなくTi基合金などの非磁性金属を用いることができる。
【0020】
第1発明の方法により製造される典型的な繊維強化金属基複合材料は、筒状または柱状であり、その中心軸に対して放射状または同心円状に上記セラミックス繊維が配向している。
【0021】
第2発明の方法により製造される典型的な繊維強化金属基複合材料は、筒状または柱状であり、その中心軸に対して平行または同心円状にセラミックス繊維が配向している。
【0022】
更に、第2発明に特徴的な構造の繊維強化金属基複合材料は、筒状または柱状であり、その中心軸に対して芯部は平行かつ外縁部は同心円状にセラミックス繊維が配向している。この特徴的な構造の繊維強化金属基複合材料を製造する方法は、上記剥離したグリーンシートを巻き回す工程に代えて、
(1)該グリーンシートの第一片を、上記セラミックス繊維の配向方向に垂直な方向に巻き回すことにより、該セラミックス繊維が巻き回し軸に平行に配向した芯部柱状グリーン体とする第一段階と、
(2)該グリーンシートの第二片を、該セラミックス繊維の配向方向を上記芯部柱状グリーン体の外周に沿わせて上記巻き回し軸の周りに巻き回すことにより、該セラミックス繊維が該巻き回し軸に対して同心円状に配向した外縁部筒状グリーン体とする第二段階と、
を行なうことにより上記深部柱状グリーン体の外周に該外縁部筒状グリーン体が密着した柱状グリーン体とする工程を含むことを特徴とする。
【0023】
セラミックス繊維は第1、第2発明に共通であり、典型的には酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種である。代表例としては、上記酸化物がAl2O3、上記窒化物がSi3N4、上記炭化物がSiCである。
【0024】
第1発明の磁場配向および第2発明のテープキャストによって作製される複合材料の繊維配向形態を図1にまとめて示す。それぞれの発明により実現可能な配向形態を同図中で〇印を付した。同図では、複合材料の形状が円柱状または円筒状(リング状)の場合を典型例として示したが、本発明の複合材料はこれに限定する必要はなく、他の形状にも適用できる。図示した繊維の配向形態は下記のとおりである。
【0025】
A:円柱状複合材料の中心軸から放射状に配向
B:円柱状複合材料の中心軸の周りに同心円状に配向
C:円柱状複合材料の中心軸に平行に配向
D:円柱状複合材料の中心軸に対して芯部は平行で外縁部は同心円状にそれぞれ配向
E:円筒状(リング状)複合材料の中心軸に対して放射状に配向
F:円筒状(リング状)複合材料の中心軸の周りに同心円状に配向
図1中に〇印を付したとおり、上記6種類の配向形態A〜Fのうち、第1発明の磁場配向により実現できるの形態A、B、E、Fの計4種類、第2発明のテープキャストにより実現できるのは形態B、C、D、Fの計4種類であり、同心円状配向B、Fは第1、第2発明のいずれでも実現可能である。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕
第1発明の磁場配向により下記手順で繊維強化金属基複合材料を製造した。
【0027】
<混合粉末の作成>
金属マトリクス原料としてJIS S25C鋼の水アトマイズ粉末(平均粒径20μm)298.2gに、セラミックス繊維としてアルミナ(Al2O3)ウィスカ(α−アルミナ短繊維、平均径3μm、アスペクト比10)36.9gを配合した。この重量配合比は、アルミナ短繊維25vol%に対応する。
【0028】
上記配合粉末をトルエン180mlと、ウィスカ折損防止用の鉄芯入りナイロンボールと共にナイロン製容器に入れ、ボールミルにより36時間混合した。その後、ウォーターバスによりトルエン蒸発後、解砕して混合粉末とした。
【0029】
<磁場配向>
作成した混合粉末を下記予備型内に入れ、表1の条件で磁場配向を行なった。
【0030】
〔予備型〕
円柱(図1のA、B、E、F)用:
内径φ35mm×高さh20mmのアクリル製円筒容器
(円筒(図1のE、F)は円柱をくり抜き加工して作製。)
〔磁場配向条件〕
【0031】
【表1】
【0032】
なお、図2に示すように、円柱用予備型に用いたアクリル製容器10は、円筒部12および底蓋14がアクリル製であり、予め底蓋14上に後工程のホットプレスで用いるグラファイト製スペーサ16を予め敷いておき、その上に上記の混合粉末18を装入した。円筒用の場合も予備型形状が上記のように異なるが、手順は同様である。
【0033】
<予備成形>
磁場配向後の混合粉末をアクリル製容器に入れたまま、上部にパンチ棒をセットし、油圧プレスによって10MPa(980kgf)の加圧をして予備成形し、圧粉体を得た。
【0034】
<ホットプレス焼結>
以下、円柱状複合材料の場合について説明するが、円筒状複合材料の場合は形状のみ異なり手順および条件は同様である。
【0035】
図3に示すように、予備成形した圧粉体18Cをホットプレスに用いるグラファイト製の型に移した。すなわち、先ず図3(1)に示すように、アクリル製容器内の圧粉体18Cの上面にもグラファイト製スペーサ16を載せ、アクリル製容器の底蓋14を外す。ホットプレス用型グラファイト型の上側パンチ22の先端をダイ20の一端から底蓋14の厚さに相当する高さだけ露出させておき、その上に底蓋14を外したアクリル製容器を載せ、矢印F1のように圧粉体18Cを第20のキャビティー内へ押しこむ。
【0036】
次に、図3(2)に示す位置まで押し込んだら、矢印F2のように下側パンチ24をダイ20のキャビティー内に押し込む。
【0037】
そして、図3(3)に示すように、型全体を上下反転させて、ホットプレス装置(図示せず)に装入して焼結を行なった。ここで用いたダイ20のキャビティー内径およびパンチ22、24の外径はφ35であった。焼成条件は下記のとおりであった。
【0038】
〔焼成条件〕
温度:1150℃
雰囲気:〔窒素ガス+2%水素ガス〕の混合ガス雰囲気
圧力:40MPa
保持時間:2時間
ダイ:グラファイト製
圧縮方法:1軸圧縮
上記ホットプレス焼結により真密度98%以上の焼結体を得た。
【0039】
〔磁場配向の装置および原理〕
(1)放射状配向
柱状複合材料においてセラミックス繊維を放射状に配向させる場合(図1の配向形態A)について、磁場配向の装置および原理を説明する。
【0040】
図4(1)に示すように、樹脂製円筒容器10の周囲に複数の電磁コイルCが配置され、コイル巻面が円筒容器10の中心軸と直角になっている。図4(2)に示すように全てのコイルCの磁力線Hが円筒容器10の中心軸から放射状外向きのみになるように各コイルCに電流を流し、樹脂製円筒容器10の内部に中心軸に対して放射状の磁場を形成する。
【0041】
円筒容器10は下端を加振器26に装着されていて、容器10に収容された混合粉末18は振動を付与されながら放射状磁場(または軸集中磁場)の作用により下記メカニズムによりセラミックス繊維が放射状に配向する。
【0042】
すなわち、図5の(1)→(2)→(3)に順を追って示すように、マトリクス金属である磁性金属の粉末粒子mは磁力線Hと平行に連結して整列する。この運動によってアスペクト比の大きいセラミックス繊維fは偶力を受けて、磁力線Hと平行に姿勢を変えて行き、最終的に放射状磁場と同じく放射状に配向する。
【0043】
(2)同心円状配向
柱状複合材料においてセラミックス繊維を同心円状に配向させる場合(図1の配向形態B)について、磁場配向の装置および原理を説明する。
【0044】
図6に示すように、樹脂製円筒容器10の周囲に2組の電磁コイル対A1−A2と電磁コイル対B1−B2を直交配置して交流電流を流す。その際、コイル対A1−A2とコイル対B1−B2に位相を反周期ずらした電流を流すと、円筒容器10の内部にはその中心軸の周りを矢印Rのように回転する回転磁場Hが発生する。
【0045】
円筒容器10は下端を加振器26に装着されていて、容器10に収容された混合粉末18は振動を付与されながら回転磁場の作用により下記メカニズムによりセラミックス繊維が同心円状に配向する。
【0046】
すなわち、混合粉末中の磁性金属粉末粒子同士は点接触によって導通しており、図7に示すように、回転磁場Hが作用すると磁場の変化を打ち消すように渦電流Iが発生する。発生した渦電流Iの円筒軸方向成分と磁界との相互作用により、容器10内の磁性金属粉末粒子には磁場Hの回転Rと同じ向きにローレンツ力によるトルクTが発生し、円周方向への移動を生ずる。磁性粒子の円周方向移動によってセラミックス繊維が偶力を受けて同じく円周方向に姿勢を変えて行き、最終的にセラミックス繊維が同心円状に配向する。
【0047】
放射状および同心円状の磁場配向原理を円柱状複合材料について説明したが、円筒状複合材料の場合にも同様である。
【0048】
〔実施例2〕
第2発明のテープキャストにより下記手順で繊維強化金属基複合材料を製造した。
【0049】
<スラリーの作成>
金属マトリクス原料としてJIS S25C鋼の水アトマイズ粉末(平均粒径20μm)410.7gに、セラミックス繊維としてアルミナ(Al2O3)ウィスカ(α−Al2O3短繊維、平均径3μm、アスペクト比10)36.9gを配合した。この重量配合比は、アルミナ短繊維25vol%に対応する。
【0050】
上記配合粉末を、分散材(ジアミン系)7.5g+トルエン250ml+ブタノール60mlから成る分散媒と、バインダ材(ブチラール樹脂)22.5g+可塑剤5.63gから成るバインダと混合してスラリーとした。
【0051】
このスラリーを、ウィスカ折損防止用の鉄心入りナイロンボールと共にナイロン製容器に入れ、ボールミルにより36時間混合した。
【0052】
<グリーンシートの作成>
混合後のスラリーからテープキャスト法(ドクターブレード法)によりグリーンシートを成形した。条件は下記のとおりであった。
【0053】
スリット:230μm×40mm
テープ速度:7mm/sec
スリットから上記スラリーを走行する樹脂テープ上に流下させた後に乾燥して、幅約40mm×厚さ約80μmのグリーンシートとした。このグリーンシートはアルミナ繊維がテープ走行方向と平行に配向している。得られたグリーンシートを樹脂テープから剥離した。剥離を容易にするために樹脂テープ表面には予め離型剤を塗布しておいた。
【0054】
<予備成形と脱脂>
グリーンシートを円柱状(図1の形態B、C。径φ30mm、長さ50mm)に巻き回した後、下記のダイおよびパンチ棒を用いて130℃にて18MPaで加圧することにより予備成形した。
【0055】
〔ダイ/パンチ棒〕
φ25mmのダイおよびパンチ棒
予備成形体を窒素雰囲気中で600℃に昇温して4時間保持した後、空気中で400℃にて1時間の脱脂処理を行なった。
【0056】
円筒(リング状。図1の形態F)は円柱をくり抜き加工して作製した。
【0057】
<ホットプレス焼結>
脱脂処理後の予備成形体をホットプレスにより下記条件にて焼成した。還元雰囲気中で焼結が行なわれるように混合ガスを調製した。
【0058】
〔焼成条件〕
温度:1150℃
雰囲気:〔窒素ガス+2%水素ガス〕の混合ガス雰囲気
圧力:40MPa
保持時間:2時間
ダイ:グラファイト製
圧縮方法:1軸圧縮
得られた焼結体の密度は6.82g/cm3であった。Fe−25vol%Al2O3の理論密度は6.90g/cm3であるから、焼結体の真密度は99.0%であった。
【0059】
<特性試験>
実施例1および実施例2において作製した円柱状および円筒状の各サンプルからそれぞれ図9のようにブロックおよびリングを切り出し、ブロックを軸受、リングを軸に見立て、様々の組合せで図10に示したようにブロックオンリング式摩耗試験を行い、摩擦係数、耐摩耗性、相手材攻撃性(相手材摩耗量)を評価した。試験条件は下記のとおりであった。
【0060】
比較として、配向なし材およびS25C鋼についても同様の試験を行った。配向なし材は実施例1において磁場配向を行なわずに作製したものであり、S25C鋼はマトリクス材のみを実施例1と同様に焼結した作製したものである。結果を図11〜13にまとめて示す。
【0061】
また、図14および図15にそれぞれ示したように、放射状配向材から切り出した横方向配向試験片および軸方向配向材から切り出した長手方向配向試験片について、下記条件にて4点曲げ試験を行なった。
【0062】
〔四点曲げ試験条件〕
強度測定 :JIS R1601
ヤング率測定 :JIS R1602
試験片 :3mm×4mm×40mm
クロスヘッドスピード:0.5mm/min
繰返し試験数 :n=10
比較として、配向なし材およびS25C鋼についても同様の試験を行った。配向なし材は実施例1において磁場配向を行なわずに作製したものであり、S25C鋼はマトリクス材のみを実施例1と同様に焼結した作製したものである。試験結果を表2にまとめて示す。
【0063】
【表2】
【0064】
図11〜13および表2に示すように、従来の金属基複合材料に用いられていたAlやMg等のマトリクス材料より高強度のS25C鋼をマトリクスとし、アルミナ強化繊維を種々の方位に配向させたことにより、強度レベルを高めると同時に、摺動用途において相手材に応じて最良の繊維配向を安定して得ることができるので、従来よりも厳しい摺動条件にも適用できる金属基複合材料を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来よりも高強度の金属マトリクス中にセラミックス繊維を安定して所望の方位に配向させて分散させることができる金属基複合材料の製造方法およびそれにより製造された金属基複合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1発明の磁場配向および第2発明のテープキャストによって作製される複合材料の繊維配向形態をまとめて示す斜視図である。
【図2】図2は、第1発明による金属基複合材料の作製に用いる予備型の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、第1発明による金属基複合材料の作製におけるホットプレス焼結の手順を示す断面図である。
【図4】図4は、第1発明により放射状配向を行なうための磁場配向装置の構造例を示す(1)斜視図および(2)断面図である。
【図5】図5は、図4の装置構成によるセラミックス繊維の放射状配向過程を示す断面図である。
【図6】図6は、第1発明により同心円状配向を行なうための磁場配向装置の構造例を示す(1)斜視図および(2)断面図である。
【図7】図7は、図6の装置により発生する回転磁場とそれによるローレンツ力(トルク)の発生を示す斜視図である。
【図8】図8は、図6の装置構成によるセラミックス繊維の同心円状配向過程を示す断面図である。
【図9】図9は、ブロックオンリング式摩耗試験に供するブロックおよびリングの種別をまとめて示す斜視図である。
【図10】図10は、ブロックオンリング式摩耗試験の方法を示す断面図である。
【図11】図11は、種々のブロックとリングとの組合せに対する摩擦係数を示す3次元グラフである。
【図12】図12は、種々のブロックとリングとの組合せに対するリング摩耗量(軸の耐摩耗性)を示す3次元グラフである。
【図13】図13は、種々のブロックとリングとの組合せに対するブロック摩耗量(軸の相手攻撃性)を示す3次元グラフである。
【図14】図14は、(1)放射状配向材からの横方向配向試験片の切り出し方法および(2)曲げ試験方位を示す断面図である。
【図15】図15は、(1)軸方向配向材からの長手方向配向試験片の切り出し方法および(2)曲げ試験方位を示す断面図である。
【符号の説明】
10…アクリル製容器(円柱用予備型)
12…円筒部
14…底蓋
16…グラファイト製スペーサ
18…混合粉末
18C…圧粉体
20…ダイ
22…上側パンチ
24…下側パンチ
26…加振器
A1、A2、B1、B2、C…電磁コイル
H…磁力線(磁場)
T…トルク
I…渦電流
m…磁性金属の粉末粒子
f…セラミックス繊維
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性または非磁性の金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の用途において、金属マトリクスをセラミックス繊維で強化した複合材料が知られている。具体例としては、AlあるいはAl合金やMgあるいはMg合金から成る金属マトリクスをAl2O3等の酸化物、Si3N4等の窒化物、SiC等の炭化物などのセラミックス繊維で強化した複合材料が種々知られている。
【0003】
これら従来の繊維強化金属基複合材料の製造方法は大別して、(1)予めバインダ等を混合したセラミックス繊維を仮焼して作製した多孔質体にマトリクス金属の溶湯を含浸させる方法、(2)セラミックス繊維にマトリクス金属をスパッタリング等によりコーティングしたものを焼結させる方法が行なわれていた。いずれの方法でも、一般に得られる複合材料は金属マトリクス中にセラミックス繊維がランダムな方位すなわち無配向で分散している。
【0004】
繊維強化金属基複合材料の主用途の1つは、軸、軸受に代表される摺動部材であり、この場合には特に、高い耐摩耗性と低い摩擦係数が要求される。更に、繊維強化金属基複合材料のもう1つの主用途は構造部材であり、この場合には特に曲げ荷重、引張荷重等に対して高い強度が要求される。
【0005】
このように高耐摩耗性、低摩擦係数、高強度(曲げ、引張)を個々の部材に応じて最適のバランスで具備することが要求されるが、各特性はそれぞれ強化繊維の方位に大きく依存しているため、個々の用途に応じて強化繊維を最適な方位に配向させることが望ましい。
【0006】
更に、特性間のバランスを最適化するだけでなく、個々の特性自体を高めることにより、より厳しい要求水準を満たす複合材料の開発が望まれている。例えば、Al系やMg系の金属または合金をマトリクスとした複合材料では、高荷重・高摺動速度の摺動条件ではマトリクスの凝着により急激に摩耗が進行するため、摺動部材への適用に限界があった。
【0007】
従来公知の例として、特許文献1(特開昭63−60244号公報)には、長繊維をウィスカまたは短繊維で包んでマットとし、これを金属マトリクスと重ね合わせることにより、特定方向または方向が一定しない応力に対して強化した複合材料が開示されている。しかし、繊維を種々の方位に配向することはできないため用途が極めて限定される。
【0008】
また、別の公知例として特許文献2(特開平3−219029号公報)には、ウィスカの表面にNi等の強磁性金属をコーティングすることにより表面強磁性化したものを磁界中を自由落下させることにより配向させてマトリクス金属粉末中に混入させた混合粉末を焼結した複合材料が提案されている。しかし、ウィスカへのコーティング処理が煩雑なばかりでなく、短時間の自由落下中の磁力線による配向は安定せず不完全でもあり、かつ下方のマトリクス金属粉末中に落下したときに配向を安定して確保することが困難である。
【0009】
更に、もう1つの公知例として特許文献3(特開平5−105533号公報)には、懸濁液中のウィスカを電界中で沈降させる過程で一方向に配向させて製造した複合材料が提案されている。しかし、これも沈降過程での電界による配向は安定せず不完全でもあり、かつ沈降物を採取し乾燥した後に焼結する過程で沈降物中のウィスカの配向を安定して確保することが困難であるし、ろ過などの煩雑な作業を必要とする。
【0010】
最後に、上記特許文献1、2、3に開示された具体例はマトリクス金属がAl等の軽金属であり、マトリクスを高耐摩耗性、低摩擦係数、高強度にすることにより複合材料全体として高い要求水準を満たすことはできない。
【0011】
【特許文献1】
特開昭63−60244号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平3−219029号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平5−105533号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題を解消し、従来よりも高強度の金属マトリクス中にセラミックス繊維を安定して所望の方位に配向させて分散させることができる金属基複合材料の製造方法およびそれにより製造された金属基複合材料を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1発明によれば、磁性金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料の製造方法であって、下記の工程:
磁性金属粉末とセラミックス繊維との混合粉末を作成する工程、
上記混合粉末を非磁性の予備型内に収容して磁場の作用下で振動を付与することにより、上記セラミックス繊維を放射状または同心円状に配向させる工程、
上記磁場印加した混合粉末を上記予備型内で加圧して圧粉体とする工程、および
得られた予備成形体をホットプレスして焼結体とする工程
を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法およびこの方法により製造された繊維強化金属基複合材料が提供される。
【0014】
第1発明においては、予備型内でマトリクス金属としての磁性金属の粉末とセラミックス繊維との混合粉末に磁場を印加した状態で振動を付与することにより、磁性金属の粉末粒子が個々に磁力線の作用により移動または配向させられ、各磁性粒子の運動によってそれぞれその周囲にある個々のセラミックス繊維が特定方位へ配向させられ、その結果、予備型内の混合粉末中のセラミックス繊維が全体として特定方位に配向する。予備型内でこの状態の混合粉末をそのまま加圧して圧粉体とするので、セラミックス繊維の配向状態が安定に維持され、最終的な焼結体中にそのまま引き継がれる。配向を放射状および同心円状のいずれにするかは、磁場の向きまたは磁場の移動方向により容易に制御できる。
【0015】
更に、マトリクスの磁性金属としてFe基合金(鋼)やNi基合金等の高強度金属を用いることができるので、従来のAl系やMg系に比べてマトリクス強度を大幅に高めることができる。
【0016】
また、第2発明によれば、金属マトリクス中にセラミックスの繊維が配向して分散している焼結複合材料の製造方法であって、下記の工程:
金属粉末、セラミックス繊維およびバインダを含むスラリーを作成する工程、テープキャスト法により、走行するテープ上に上記スラリーを流下させることにより、上記セラミックス繊維が上記テープの走行方向に沿って配向しているグリーンシートを作成する工程、
上記グリーンシートを上記テープから剥離する工程、
上記剥離したグリーンシートを上記配向方向に平行または垂直な方向に巻き回すことにより、上記セラミックス繊維が該巻き回し軸に対して平行または放射状に配向した筒状または柱状のグリーン体とする工程、および
上記グリーン体を予備成形および脱脂した後にホットプレスして焼結体とする工程
を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法が提供される。
【0017】
第2発明においては、金属粉末、セラミックス繊維およびバインダを含むスラリーを、テープキャスト法により、走行するテープ上に流下させることにより、セラミックス繊維がテープの走行方向に沿って配向しているグリーンシートを作成し、テープ剥離後、所望の方向に巻き回すことにより、巻き回し軸に対して平行または垂直にセラミックス繊維を配向させることができる。これによりセラミックス繊維を所望方位に安定して配向させることができる。
【0018】
更に、マトリクスの金属としてFe基合金(鋼)、Ni基合金等の磁性高強度金属に限らずTi基合金等の非磁性高強度金属を用いることができるので、より大きな自由度でマトリクス金属を選定して、従来のAl系やMg系に比べてマトリクス強度を大幅に高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記のように、マトリクス金属は、磁性金属を用いる第1発明ではFe基合金(鋼)やNi基合金が代表的であり、磁性・非磁性を問わない第2発明ではFe基合金(鋼)やNi基合金などの磁性金属だけでなくTi基合金などの非磁性金属を用いることができる。
【0020】
第1発明の方法により製造される典型的な繊維強化金属基複合材料は、筒状または柱状であり、その中心軸に対して放射状または同心円状に上記セラミックス繊維が配向している。
【0021】
第2発明の方法により製造される典型的な繊維強化金属基複合材料は、筒状または柱状であり、その中心軸に対して平行または同心円状にセラミックス繊維が配向している。
【0022】
更に、第2発明に特徴的な構造の繊維強化金属基複合材料は、筒状または柱状であり、その中心軸に対して芯部は平行かつ外縁部は同心円状にセラミックス繊維が配向している。この特徴的な構造の繊維強化金属基複合材料を製造する方法は、上記剥離したグリーンシートを巻き回す工程に代えて、
(1)該グリーンシートの第一片を、上記セラミックス繊維の配向方向に垂直な方向に巻き回すことにより、該セラミックス繊維が巻き回し軸に平行に配向した芯部柱状グリーン体とする第一段階と、
(2)該グリーンシートの第二片を、該セラミックス繊維の配向方向を上記芯部柱状グリーン体の外周に沿わせて上記巻き回し軸の周りに巻き回すことにより、該セラミックス繊維が該巻き回し軸に対して同心円状に配向した外縁部筒状グリーン体とする第二段階と、
を行なうことにより上記深部柱状グリーン体の外周に該外縁部筒状グリーン体が密着した柱状グリーン体とする工程を含むことを特徴とする。
【0023】
セラミックス繊維は第1、第2発明に共通であり、典型的には酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種である。代表例としては、上記酸化物がAl2O3、上記窒化物がSi3N4、上記炭化物がSiCである。
【0024】
第1発明の磁場配向および第2発明のテープキャストによって作製される複合材料の繊維配向形態を図1にまとめて示す。それぞれの発明により実現可能な配向形態を同図中で〇印を付した。同図では、複合材料の形状が円柱状または円筒状(リング状)の場合を典型例として示したが、本発明の複合材料はこれに限定する必要はなく、他の形状にも適用できる。図示した繊維の配向形態は下記のとおりである。
【0025】
A:円柱状複合材料の中心軸から放射状に配向
B:円柱状複合材料の中心軸の周りに同心円状に配向
C:円柱状複合材料の中心軸に平行に配向
D:円柱状複合材料の中心軸に対して芯部は平行で外縁部は同心円状にそれぞれ配向
E:円筒状(リング状)複合材料の中心軸に対して放射状に配向
F:円筒状(リング状)複合材料の中心軸の周りに同心円状に配向
図1中に〇印を付したとおり、上記6種類の配向形態A〜Fのうち、第1発明の磁場配向により実現できるの形態A、B、E、Fの計4種類、第2発明のテープキャストにより実現できるのは形態B、C、D、Fの計4種類であり、同心円状配向B、Fは第1、第2発明のいずれでも実現可能である。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕
第1発明の磁場配向により下記手順で繊維強化金属基複合材料を製造した。
【0027】
<混合粉末の作成>
金属マトリクス原料としてJIS S25C鋼の水アトマイズ粉末(平均粒径20μm)298.2gに、セラミックス繊維としてアルミナ(Al2O3)ウィスカ(α−アルミナ短繊維、平均径3μm、アスペクト比10)36.9gを配合した。この重量配合比は、アルミナ短繊維25vol%に対応する。
【0028】
上記配合粉末をトルエン180mlと、ウィスカ折損防止用の鉄芯入りナイロンボールと共にナイロン製容器に入れ、ボールミルにより36時間混合した。その後、ウォーターバスによりトルエン蒸発後、解砕して混合粉末とした。
【0029】
<磁場配向>
作成した混合粉末を下記予備型内に入れ、表1の条件で磁場配向を行なった。
【0030】
〔予備型〕
円柱(図1のA、B、E、F)用:
内径φ35mm×高さh20mmのアクリル製円筒容器
(円筒(図1のE、F)は円柱をくり抜き加工して作製。)
〔磁場配向条件〕
【0031】
【表1】
【0032】
なお、図2に示すように、円柱用予備型に用いたアクリル製容器10は、円筒部12および底蓋14がアクリル製であり、予め底蓋14上に後工程のホットプレスで用いるグラファイト製スペーサ16を予め敷いておき、その上に上記の混合粉末18を装入した。円筒用の場合も予備型形状が上記のように異なるが、手順は同様である。
【0033】
<予備成形>
磁場配向後の混合粉末をアクリル製容器に入れたまま、上部にパンチ棒をセットし、油圧プレスによって10MPa(980kgf)の加圧をして予備成形し、圧粉体を得た。
【0034】
<ホットプレス焼結>
以下、円柱状複合材料の場合について説明するが、円筒状複合材料の場合は形状のみ異なり手順および条件は同様である。
【0035】
図3に示すように、予備成形した圧粉体18Cをホットプレスに用いるグラファイト製の型に移した。すなわち、先ず図3(1)に示すように、アクリル製容器内の圧粉体18Cの上面にもグラファイト製スペーサ16を載せ、アクリル製容器の底蓋14を外す。ホットプレス用型グラファイト型の上側パンチ22の先端をダイ20の一端から底蓋14の厚さに相当する高さだけ露出させておき、その上に底蓋14を外したアクリル製容器を載せ、矢印F1のように圧粉体18Cを第20のキャビティー内へ押しこむ。
【0036】
次に、図3(2)に示す位置まで押し込んだら、矢印F2のように下側パンチ24をダイ20のキャビティー内に押し込む。
【0037】
そして、図3(3)に示すように、型全体を上下反転させて、ホットプレス装置(図示せず)に装入して焼結を行なった。ここで用いたダイ20のキャビティー内径およびパンチ22、24の外径はφ35であった。焼成条件は下記のとおりであった。
【0038】
〔焼成条件〕
温度:1150℃
雰囲気:〔窒素ガス+2%水素ガス〕の混合ガス雰囲気
圧力:40MPa
保持時間:2時間
ダイ:グラファイト製
圧縮方法:1軸圧縮
上記ホットプレス焼結により真密度98%以上の焼結体を得た。
【0039】
〔磁場配向の装置および原理〕
(1)放射状配向
柱状複合材料においてセラミックス繊維を放射状に配向させる場合(図1の配向形態A)について、磁場配向の装置および原理を説明する。
【0040】
図4(1)に示すように、樹脂製円筒容器10の周囲に複数の電磁コイルCが配置され、コイル巻面が円筒容器10の中心軸と直角になっている。図4(2)に示すように全てのコイルCの磁力線Hが円筒容器10の中心軸から放射状外向きのみになるように各コイルCに電流を流し、樹脂製円筒容器10の内部に中心軸に対して放射状の磁場を形成する。
【0041】
円筒容器10は下端を加振器26に装着されていて、容器10に収容された混合粉末18は振動を付与されながら放射状磁場(または軸集中磁場)の作用により下記メカニズムによりセラミックス繊維が放射状に配向する。
【0042】
すなわち、図5の(1)→(2)→(3)に順を追って示すように、マトリクス金属である磁性金属の粉末粒子mは磁力線Hと平行に連結して整列する。この運動によってアスペクト比の大きいセラミックス繊維fは偶力を受けて、磁力線Hと平行に姿勢を変えて行き、最終的に放射状磁場と同じく放射状に配向する。
【0043】
(2)同心円状配向
柱状複合材料においてセラミックス繊維を同心円状に配向させる場合(図1の配向形態B)について、磁場配向の装置および原理を説明する。
【0044】
図6に示すように、樹脂製円筒容器10の周囲に2組の電磁コイル対A1−A2と電磁コイル対B1−B2を直交配置して交流電流を流す。その際、コイル対A1−A2とコイル対B1−B2に位相を反周期ずらした電流を流すと、円筒容器10の内部にはその中心軸の周りを矢印Rのように回転する回転磁場Hが発生する。
【0045】
円筒容器10は下端を加振器26に装着されていて、容器10に収容された混合粉末18は振動を付与されながら回転磁場の作用により下記メカニズムによりセラミックス繊維が同心円状に配向する。
【0046】
すなわち、混合粉末中の磁性金属粉末粒子同士は点接触によって導通しており、図7に示すように、回転磁場Hが作用すると磁場の変化を打ち消すように渦電流Iが発生する。発生した渦電流Iの円筒軸方向成分と磁界との相互作用により、容器10内の磁性金属粉末粒子には磁場Hの回転Rと同じ向きにローレンツ力によるトルクTが発生し、円周方向への移動を生ずる。磁性粒子の円周方向移動によってセラミックス繊維が偶力を受けて同じく円周方向に姿勢を変えて行き、最終的にセラミックス繊維が同心円状に配向する。
【0047】
放射状および同心円状の磁場配向原理を円柱状複合材料について説明したが、円筒状複合材料の場合にも同様である。
【0048】
〔実施例2〕
第2発明のテープキャストにより下記手順で繊維強化金属基複合材料を製造した。
【0049】
<スラリーの作成>
金属マトリクス原料としてJIS S25C鋼の水アトマイズ粉末(平均粒径20μm)410.7gに、セラミックス繊維としてアルミナ(Al2O3)ウィスカ(α−Al2O3短繊維、平均径3μm、アスペクト比10)36.9gを配合した。この重量配合比は、アルミナ短繊維25vol%に対応する。
【0050】
上記配合粉末を、分散材(ジアミン系)7.5g+トルエン250ml+ブタノール60mlから成る分散媒と、バインダ材(ブチラール樹脂)22.5g+可塑剤5.63gから成るバインダと混合してスラリーとした。
【0051】
このスラリーを、ウィスカ折損防止用の鉄心入りナイロンボールと共にナイロン製容器に入れ、ボールミルにより36時間混合した。
【0052】
<グリーンシートの作成>
混合後のスラリーからテープキャスト法(ドクターブレード法)によりグリーンシートを成形した。条件は下記のとおりであった。
【0053】
スリット:230μm×40mm
テープ速度:7mm/sec
スリットから上記スラリーを走行する樹脂テープ上に流下させた後に乾燥して、幅約40mm×厚さ約80μmのグリーンシートとした。このグリーンシートはアルミナ繊維がテープ走行方向と平行に配向している。得られたグリーンシートを樹脂テープから剥離した。剥離を容易にするために樹脂テープ表面には予め離型剤を塗布しておいた。
【0054】
<予備成形と脱脂>
グリーンシートを円柱状(図1の形態B、C。径φ30mm、長さ50mm)に巻き回した後、下記のダイおよびパンチ棒を用いて130℃にて18MPaで加圧することにより予備成形した。
【0055】
〔ダイ/パンチ棒〕
φ25mmのダイおよびパンチ棒
予備成形体を窒素雰囲気中で600℃に昇温して4時間保持した後、空気中で400℃にて1時間の脱脂処理を行なった。
【0056】
円筒(リング状。図1の形態F)は円柱をくり抜き加工して作製した。
【0057】
<ホットプレス焼結>
脱脂処理後の予備成形体をホットプレスにより下記条件にて焼成した。還元雰囲気中で焼結が行なわれるように混合ガスを調製した。
【0058】
〔焼成条件〕
温度:1150℃
雰囲気:〔窒素ガス+2%水素ガス〕の混合ガス雰囲気
圧力:40MPa
保持時間:2時間
ダイ:グラファイト製
圧縮方法:1軸圧縮
得られた焼結体の密度は6.82g/cm3であった。Fe−25vol%Al2O3の理論密度は6.90g/cm3であるから、焼結体の真密度は99.0%であった。
【0059】
<特性試験>
実施例1および実施例2において作製した円柱状および円筒状の各サンプルからそれぞれ図9のようにブロックおよびリングを切り出し、ブロックを軸受、リングを軸に見立て、様々の組合せで図10に示したようにブロックオンリング式摩耗試験を行い、摩擦係数、耐摩耗性、相手材攻撃性(相手材摩耗量)を評価した。試験条件は下記のとおりであった。
【0060】
比較として、配向なし材およびS25C鋼についても同様の試験を行った。配向なし材は実施例1において磁場配向を行なわずに作製したものであり、S25C鋼はマトリクス材のみを実施例1と同様に焼結した作製したものである。結果を図11〜13にまとめて示す。
【0061】
また、図14および図15にそれぞれ示したように、放射状配向材から切り出した横方向配向試験片および軸方向配向材から切り出した長手方向配向試験片について、下記条件にて4点曲げ試験を行なった。
【0062】
〔四点曲げ試験条件〕
強度測定 :JIS R1601
ヤング率測定 :JIS R1602
試験片 :3mm×4mm×40mm
クロスヘッドスピード:0.5mm/min
繰返し試験数 :n=10
比較として、配向なし材およびS25C鋼についても同様の試験を行った。配向なし材は実施例1において磁場配向を行なわずに作製したものであり、S25C鋼はマトリクス材のみを実施例1と同様に焼結した作製したものである。試験結果を表2にまとめて示す。
【0063】
【表2】
【0064】
図11〜13および表2に示すように、従来の金属基複合材料に用いられていたAlやMg等のマトリクス材料より高強度のS25C鋼をマトリクスとし、アルミナ強化繊維を種々の方位に配向させたことにより、強度レベルを高めると同時に、摺動用途において相手材に応じて最良の繊維配向を安定して得ることができるので、従来よりも厳しい摺動条件にも適用できる金属基複合材料を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来よりも高強度の金属マトリクス中にセラミックス繊維を安定して所望の方位に配向させて分散させることができる金属基複合材料の製造方法およびそれにより製造された金属基複合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1発明の磁場配向および第2発明のテープキャストによって作製される複合材料の繊維配向形態をまとめて示す斜視図である。
【図2】図2は、第1発明による金属基複合材料の作製に用いる予備型の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、第1発明による金属基複合材料の作製におけるホットプレス焼結の手順を示す断面図である。
【図4】図4は、第1発明により放射状配向を行なうための磁場配向装置の構造例を示す(1)斜視図および(2)断面図である。
【図5】図5は、図4の装置構成によるセラミックス繊維の放射状配向過程を示す断面図である。
【図6】図6は、第1発明により同心円状配向を行なうための磁場配向装置の構造例を示す(1)斜視図および(2)断面図である。
【図7】図7は、図6の装置により発生する回転磁場とそれによるローレンツ力(トルク)の発生を示す斜視図である。
【図8】図8は、図6の装置構成によるセラミックス繊維の同心円状配向過程を示す断面図である。
【図9】図9は、ブロックオンリング式摩耗試験に供するブロックおよびリングの種別をまとめて示す斜視図である。
【図10】図10は、ブロックオンリング式摩耗試験の方法を示す断面図である。
【図11】図11は、種々のブロックとリングとの組合せに対する摩擦係数を示す3次元グラフである。
【図12】図12は、種々のブロックとリングとの組合せに対するリング摩耗量(軸の耐摩耗性)を示す3次元グラフである。
【図13】図13は、種々のブロックとリングとの組合せに対するブロック摩耗量(軸の相手攻撃性)を示す3次元グラフである。
【図14】図14は、(1)放射状配向材からの横方向配向試験片の切り出し方法および(2)曲げ試験方位を示す断面図である。
【図15】図15は、(1)軸方向配向材からの長手方向配向試験片の切り出し方法および(2)曲げ試験方位を示す断面図である。
【符号の説明】
10…アクリル製容器(円柱用予備型)
12…円筒部
14…底蓋
16…グラファイト製スペーサ
18…混合粉末
18C…圧粉体
20…ダイ
22…上側パンチ
24…下側パンチ
26…加振器
A1、A2、B1、B2、C…電磁コイル
H…磁力線(磁場)
T…トルク
I…渦電流
m…磁性金属の粉末粒子
f…セラミックス繊維
Claims (11)
- 磁性金属マトリクス中にセラミックス繊維が配向して分散している繊維強化金属基複合材料の製造方法であって、下記の工程:
磁性金属粉末とセラミックス繊維との混合粉末を作成する工程、
上記混合粉末を非磁性の予備型内に収容して磁場の作用下で振動を付与することにより、上記セラミックス繊維を放射状または同心円状に配向させる工程、
上記磁場印加した混合粉末を上記予備型内で加圧して圧粉体とする工程、および
得られた予備成形体をホットプレスして焼結体とする工程
を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法。 - 請求項1において、上記磁性金属が、Fe基合金またはNi基合金であることを特徴とする方法。
- 請求項1または2において、上記セラミックスが、酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種であることを特徴とする方法。
- 請求項3において、上記酸化物がAl2O3、上記窒化物がSi3N4、上記炭化物がSiCであることを特徴とする方法。
- 請求項1から4までのいずれか1項記載の方法により製造され、筒状または柱状であり、その中心軸に対して放射状または同心円状に上記セラミックス繊維が配向していることを特徴とする繊維強化金属基複合材料。
- 金属マトリクス中にセラミックスの繊維が配向して分散している焼結複合材料の製造方法であって、下記の工程:
金属粉末、セラミックス繊維およびバインダを含むスラリーを作成する工程、
テープキャスト法により、走行するテープ上に上記スラリーを流下させることにより、上記セラミックス繊維が上記テープの走行方向に沿って配向しているグリーンシートを作成する工程、
上記グリーンシートを上記テープから剥離する工程、
上記剥離したグリーンシートを上記配向方向に平行または垂直な方向に巻き回すことにより、上記セラミックス繊維が該巻き回し軸に対して平行または放射状に配向した筒状または柱状のグリーン体とする工程、および
上記グリーン体を予備成形および脱脂した後にホットプレスして焼結体とする工程
を含むことを特徴とする繊維強化金属基複合材料の製造方法。 - 請求項6において、上記剥離したグリーンシートを巻き回す工程に代えて、
(1)該グリーンシートの第一片を、上記セラミックス繊維の配向方向に垂直な方向に巻き回すことにより、該セラミックス繊維が巻き回し軸に平行に配向した芯部柱状グリーン体とする第一段階と、
(2)該グリーンシートの第二片を、該セラミックス繊維の配向方向を上記芯部柱状グリーン体の外周に沿わせて上記巻き回し軸の周りに巻き回すことにより、該セラミックス繊維が該巻き回し軸に対して同心円状に配向した外縁部筒状グリーン体とする第二段階と、
を行なうことにより上記深部柱状グリーン体の外周に該外縁部筒状グリーン体が密着した柱状グリーン体とする工程を含むことを特徴とする方法。 - 請求項6または7において、上記金属が、Fe基合金、Ni基合金、またはTi基合金であることを特徴とする方法。
- 請求項6から8までのいずれか1項において、上記セラミックスが、酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種であることを特徴とする方法。
- 請求項9において、上記酸化物がAl2O3、上記窒化物がSi3N4、上記炭化物がSiCであることを特徴とする方法。
- 請求項6から10までのいずれか1項記載の方法により製造され、筒状または柱状であり、その中心軸に対して平行または同心円状または芯部は平行かつ外縁部は同心円状に、上記セラミックス繊維が配向していることを特徴とする繊維強化金属基複合材料。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008181923A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Fuji Electric Device Technology Co Ltd | 磁気部品およびその製造方法 |
JP2011006786A (ja) * | 2009-05-28 | 2011-01-13 | Jfe Steel Corp | 粉末冶金用鉄基混合粉末 |
CN101787503B (zh) * | 2010-01-14 | 2012-09-26 | 西北工业大学 | 纳米纤维定向和定域增强金属基复合材料制备装置及制备方法 |
WO2021244803A1 (de) * | 2020-06-05 | 2021-12-09 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektrischer motor |
KR20230047269A (ko) * | 2021-09-30 | 2023-04-07 | 한국세라믹기술원 | 광중합 3d 프린터, 광중합 3d 프린팅 방법, 및 광중합 3d 프린팅용 조성물 |
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2003
- 2003-06-03 JP JP2003158114A patent/JP2004359990A/ja active Pending
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