JP2004359771A - 廃棄物を利用した固形化燃料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シュレッダーダストに含まれるヒ素や水銀あるいは塩素等の有害物の無害化を行うとともに、常温で固形化ができ、さらに熱カロリーの高い固形燃料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものと、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させてペレットを製造する第1の工程と、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストと、前記第1の工程で製造したペレットとを混合して所定の圧力で押し出し加工して固形化燃料を製造する第2の工程とにより固形化燃料を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものと、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させてペレットを製造する第1の工程と、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストと、前記第1の工程で製造したペレットとを混合して所定の圧力で押し出し加工して固形化燃料を製造する第2の工程とにより固形化燃料を製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物の再資源化を目的とした高品質固形化燃料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化の対策や、省エネルギーのために、廃棄物の再資源化を図ることが求められている。
例えば使用済み自動車について説明すると、従来のリサイクル方法は、エンジンやボディ部品、電装品などで再使用する部品と、エンジン、触媒、非鉄金属、タイヤなどの再資源化部品と、エンジンやタイヤを取り外した外枠だけの状態の使用済み自動車ガラに分別し、自動車ガラは破砕してシュレッダーダストとして金属やガラスなどの無機材料は埋め立てに使用し、樹脂、繊維、木、紙、ゴム等を含む可燃物は、焼却処理ないし燃料として再利用を図っている。
燃料として利用する際には、シュレッダーダストから金属類を取り除き、それに、例えば150℃程度の熱を加えて固形化燃料(RDF)を製造し、カロリー源の一つとして使用することが試みられている。
【0003】
特開平8−239675号公報(特許文献1)には、可燃性廃棄物を粉砕し、この粉砕物に固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合して固形燃料を製造する際に、吸着性を有する添加物として珪酸カルシウム水和物を添加する廃棄物からの固形燃料の製造方法と、それにより得られた固形燃料をセメントの自然原料及び/又はセメント焼成時の燃料として使用する固形燃料の利用方法が開示されている。
【0004】
特開平9−262566号公報(特許文献2)には、都市ゴミに生石灰または軽焼ドロマイトあるいは消石灰を散布して脱臭、破砕細分化し、適量の珪酸ソーダを噴霧しながら均一撹拌混合し、加圧成型することにより、アルカリ性の圧搾液と珪酸ソーダが反応凝結して無臭の崩壊しづらい固形体ゴミとして活用することができることが開示されている。
【0005】
特開平9−316472号公報(特許文献3)には、可燃性廃棄物と珪酸カルシウムとを混合して大気汚染を引き起こしにくい固形燃料を製造することが開示されている。
【0006】
特開2001−49271号公報(特許文献4)には、可燃性廃棄物を乾燥し圧縮成型して廃棄物固形化燃料を製造する過程において、セメントを添加し、さらにゼオライトおよび炭素質物質から選ばれる少なくとも1種と、セメントとを添加することが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−239675号公報
【特許文献2】
特開平9−262566号公報
【特許文献3】
特開平9−316472号公報
【特許文献4】
特開2001−49271号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜4に記載された固形燃料においては、それ自体では熱カロリーが小さいため、焼成炉にカロリー源の一つとして利用されているにとどまっている。焼成炉にカロリー源として使用している燃焼補給物はバランスが一定でなく高価な重油を補填させるしかなく、コスト高になってしまう。
【0009】
また、従来の固形化燃料の製造方法では、細かな金属類の除去、およびヒ素や水銀などの有害物質の無害化が行われておらず、さらに燃料として使用した際に発生する塩素分によって炉壁を傷め、メンテナンスにコストが掛かりすぎ、さらにはCO2によって大気を汚染してしまうという問題がある。また、固形化には加熱が必要であり、別のエネルギーを要するという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、シュレッダーダストに含まれるヒ素や水銀あるいは塩素等の有害物の無害化を行うとともに、常温で固形化ができ、さらに熱カロリーの高い固形燃料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の産業廃棄物を利用した固形化燃料は、再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものに、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させて製造されたペレットと、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストとを混合して所定の圧力で押し出し加工して製造されたものであることを特徴とする。
また、本発明の固形化燃料の製造方法は、再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものと、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させてペレットを製造する第1の工程と、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストと、前記第1の工程で製造したペレットとを混合して所定の圧力で押し出し加工して固形化燃料を製造する第2の工程とにより固形化燃料を製造することを特徴とする廃棄物を利用した固形化燃料の製造方法である。
【0012】
本発明では、再生油に前記第1および第2の添加剤を使用することによって、有害物質を封じ込め、安全で安定した燃焼カロリーを高めるペレットを製造し、それをシュレッダーダストに混合する。さらに人工ゼオライトを添加する。「ゼオライト」は、シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)を主成分とする結晶であり、非常に微細な多孔質構造から、吸着性、イオン交換性、触媒性に優れている。一方、石炭灰をアルカリである水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中で煮沸処理し、冷却、洗浄することにより、ゼオライトに転換できる。これを人工ゼオライトという。本発明では、人工ゼオライトの持つ吸着機能、触媒活性機能に着目し、シュレッダーダストに含まれる有害物質の発生する塩化水素(HCl)ガスを吸着して無害化し、また難燃成分を可燃性に変換する。さらに前記第2の添加剤を再度添加し、混練し、形成固化させることにより完全に有害性を遮断した高品質の固形化燃料を製造する。
【0013】
本発明の固形化燃料の製造方法は、具体的には、前記第1の工程において、第1の添加剤を30〜40質量部、第2の添加剤を100質量部の割合で混合して水で100〜150倍に希釈し、これにより得た希釈液を再生油1m3に対して200〜300リットル添加し、さらにCaを主成分とする材料としてセメントを再生油1m3に対して100〜200kg添加し、常温で混練して前記固形化したペレットを製造する。また、前記シュレッダーダストを60〜80質量%、前記ペレットを40〜20質量%の比率で混合したものに、前記第2の添加剤を水で100〜150倍に希釈したものを、シュレッダーダスト1m3当たり200〜300リットル加え、さらに前記人工ゼオライトを3〜7質量%混練して押し出し加工により固形化燃料を製造する。
【0014】
シュレッダーダストの成分によって、熱量の高いペレットとシュレッダーダストの混合比率は異なるが、固形化燃料としての熱量が4500〜5000kcalの範囲となるように、調整する。平均的なシュレッダーダストの場合、およそ、前記の範囲で目標の熱量の固形化燃料が得られる。4500kcal未満であると、固形化燃料の熱量としては、自燃性が不足し、5000kcalを超えると、燃焼炉の炉壁を損傷するので好ましくない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は使用済み自動車のシュレッダーダストを高品質固形化燃料とするプラントのフロー図である。
【0016】
ステップ1:搬入されてきたシュレッダーダストを人手と破砕・粉砕機によりペレット状にする。
ステップ2:第2選別機により、金属と混合物に分別する。
ステップ3:磁力選鋼機により最終金属類の選別を行う。
ステップ4:原料と添加剤を混練処理する(詳細は後述)。
ステップ5:混練処理された原料に小圧を加え、成形乾燥させ、固形化燃料の製品とする。
ステップ6:製品をコンテナ保管して出庫を待つ。
ステップ7:コンテナ車で配送する。
【0017】
本発明の特徴は、ステップ4の処理である。この処理について詳細に説明する。
ステップ11:再生油からペレットを製造する。
再生油とは、一度使用して用を足さなくなった機械油、潤滑油、食用油、オイルタンカー等からの流出油から再生した油、あるいは廃棄プラスチック等から再生し、自動車用A重油として使用しうる油を言う。この再生油に、第1の添加剤と第2の添加剤を混合したものの希釈液を添加する。
第1の添加剤は、再生油に防水性および弾性を付与する作用を有するもので、例えばエキソ・エキソロン社のエキソロンEER−A(商品名)を用いる。これは、アルキルスルホン酸系の物質であり、常温では液体である。
【0018】
また第2の添加剤は、再生油に含まれる有害物質の毒性を封じ込める作用を有するもので、例えばエキソ・エキソロン社のエキソロンEER PR−2を用いる。これは、リグノスルホン酸系の物質であり、常温では液体である。それらの混合比は、EER−Aが30〜40質量部に対してEER PR−2が100質量部とし、それを水で100〜150倍に希釈し、再生油1m3当たり200〜300リットル混合する。EER−Aの割合が30質量部未満であると防水性および弾性付与効果が低くなり、40質量部を超えるとその効果が高すぎることになるためこの範囲とする。また、第1の添加物と第2の添加物との混合物を水で100〜150倍に希釈するのは、セメント中のCaとの化学反応が良好に行われるためである。再生油に対する希釈液の混合割合が再生油1m3に対して200リットル未満であると添加剤の効果が低くなり、300リットルを超えても効果が変わらないためにこの範囲とした。
【0019】
なお、同じ再生油でもヒ素が多いとか水銀が多いとかにより、第2の添加剤の割合を変える。
【0020】
以上の原料に、カルシウム成分としてセメントを混合する。その割合は、凝固速度を考慮し、再生油1m3に対して100〜200kgとする。このセメントにより、固形化したペレットが製造される。
【0021】
ステップ12:固形化燃料の製造
シュレッダーダストを70質量%、前記のペレットを30質量%、前記の第3の添加剤としてエキソロンEER PR−2(第2の添加剤と同じ)を水で100〜150倍に希釈したものを、シュレッダーダスト1m3当たり200〜300リットル、人工ゼオライトの粉末を3〜7質量%混練して押し出し加工により固形化燃料を製造する。ここで、人工ゼオライトはシュレッダーダスト中の有害成分であるヒ素や水銀を吸着し、またプラスチック成分が燃焼時に発生する塩化水素ガスを無害化する作用がある。人工ゼオライトが3質量%未満であるとその機能が低くなり、7質量%を超えると燃焼時の熱量が低くなるため、以上の範囲とした。
押し出し加工を行うと、その圧力により、反応熱が出る。一定時間が経つと固まる。固形化燃料の形状は、筒状にすると表面積が広くなり、燃焼効率が高くなるため都合がいい。
以上の固形化燃料の成分を分析すると、4500〜5000kcalの熱量となり、従来の再生油ペレットを有しないものに比べて優位性が認められた。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シュレッダーダストに含まれるヒ素や水銀あるいは塩素等の有害物の無害化を行うとともに、常温で固形化ができ、さらに熱カロリーの高い固形燃料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用済み自動車のシュレッダーダストを高品質固形化燃料とするプラントのフロー図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物の再資源化を目的とした高品質固形化燃料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化の対策や、省エネルギーのために、廃棄物の再資源化を図ることが求められている。
例えば使用済み自動車について説明すると、従来のリサイクル方法は、エンジンやボディ部品、電装品などで再使用する部品と、エンジン、触媒、非鉄金属、タイヤなどの再資源化部品と、エンジンやタイヤを取り外した外枠だけの状態の使用済み自動車ガラに分別し、自動車ガラは破砕してシュレッダーダストとして金属やガラスなどの無機材料は埋め立てに使用し、樹脂、繊維、木、紙、ゴム等を含む可燃物は、焼却処理ないし燃料として再利用を図っている。
燃料として利用する際には、シュレッダーダストから金属類を取り除き、それに、例えば150℃程度の熱を加えて固形化燃料(RDF)を製造し、カロリー源の一つとして使用することが試みられている。
【0003】
特開平8−239675号公報(特許文献1)には、可燃性廃棄物を粉砕し、この粉砕物に固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合して固形燃料を製造する際に、吸着性を有する添加物として珪酸カルシウム水和物を添加する廃棄物からの固形燃料の製造方法と、それにより得られた固形燃料をセメントの自然原料及び/又はセメント焼成時の燃料として使用する固形燃料の利用方法が開示されている。
【0004】
特開平9−262566号公報(特許文献2)には、都市ゴミに生石灰または軽焼ドロマイトあるいは消石灰を散布して脱臭、破砕細分化し、適量の珪酸ソーダを噴霧しながら均一撹拌混合し、加圧成型することにより、アルカリ性の圧搾液と珪酸ソーダが反応凝結して無臭の崩壊しづらい固形体ゴミとして活用することができることが開示されている。
【0005】
特開平9−316472号公報(特許文献3)には、可燃性廃棄物と珪酸カルシウムとを混合して大気汚染を引き起こしにくい固形燃料を製造することが開示されている。
【0006】
特開2001−49271号公報(特許文献4)には、可燃性廃棄物を乾燥し圧縮成型して廃棄物固形化燃料を製造する過程において、セメントを添加し、さらにゼオライトおよび炭素質物質から選ばれる少なくとも1種と、セメントとを添加することが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−239675号公報
【特許文献2】
特開平9−262566号公報
【特許文献3】
特開平9−316472号公報
【特許文献4】
特開2001−49271号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜4に記載された固形燃料においては、それ自体では熱カロリーが小さいため、焼成炉にカロリー源の一つとして利用されているにとどまっている。焼成炉にカロリー源として使用している燃焼補給物はバランスが一定でなく高価な重油を補填させるしかなく、コスト高になってしまう。
【0009】
また、従来の固形化燃料の製造方法では、細かな金属類の除去、およびヒ素や水銀などの有害物質の無害化が行われておらず、さらに燃料として使用した際に発生する塩素分によって炉壁を傷め、メンテナンスにコストが掛かりすぎ、さらにはCO2によって大気を汚染してしまうという問題がある。また、固形化には加熱が必要であり、別のエネルギーを要するという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、シュレッダーダストに含まれるヒ素や水銀あるいは塩素等の有害物の無害化を行うとともに、常温で固形化ができ、さらに熱カロリーの高い固形燃料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の産業廃棄物を利用した固形化燃料は、再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものに、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させて製造されたペレットと、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストとを混合して所定の圧力で押し出し加工して製造されたものであることを特徴とする。
また、本発明の固形化燃料の製造方法は、再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものと、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させてペレットを製造する第1の工程と、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストと、前記第1の工程で製造したペレットとを混合して所定の圧力で押し出し加工して固形化燃料を製造する第2の工程とにより固形化燃料を製造することを特徴とする廃棄物を利用した固形化燃料の製造方法である。
【0012】
本発明では、再生油に前記第1および第2の添加剤を使用することによって、有害物質を封じ込め、安全で安定した燃焼カロリーを高めるペレットを製造し、それをシュレッダーダストに混合する。さらに人工ゼオライトを添加する。「ゼオライト」は、シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)を主成分とする結晶であり、非常に微細な多孔質構造から、吸着性、イオン交換性、触媒性に優れている。一方、石炭灰をアルカリである水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中で煮沸処理し、冷却、洗浄することにより、ゼオライトに転換できる。これを人工ゼオライトという。本発明では、人工ゼオライトの持つ吸着機能、触媒活性機能に着目し、シュレッダーダストに含まれる有害物質の発生する塩化水素(HCl)ガスを吸着して無害化し、また難燃成分を可燃性に変換する。さらに前記第2の添加剤を再度添加し、混練し、形成固化させることにより完全に有害性を遮断した高品質の固形化燃料を製造する。
【0013】
本発明の固形化燃料の製造方法は、具体的には、前記第1の工程において、第1の添加剤を30〜40質量部、第2の添加剤を100質量部の割合で混合して水で100〜150倍に希釈し、これにより得た希釈液を再生油1m3に対して200〜300リットル添加し、さらにCaを主成分とする材料としてセメントを再生油1m3に対して100〜200kg添加し、常温で混練して前記固形化したペレットを製造する。また、前記シュレッダーダストを60〜80質量%、前記ペレットを40〜20質量%の比率で混合したものに、前記第2の添加剤を水で100〜150倍に希釈したものを、シュレッダーダスト1m3当たり200〜300リットル加え、さらに前記人工ゼオライトを3〜7質量%混練して押し出し加工により固形化燃料を製造する。
【0014】
シュレッダーダストの成分によって、熱量の高いペレットとシュレッダーダストの混合比率は異なるが、固形化燃料としての熱量が4500〜5000kcalの範囲となるように、調整する。平均的なシュレッダーダストの場合、およそ、前記の範囲で目標の熱量の固形化燃料が得られる。4500kcal未満であると、固形化燃料の熱量としては、自燃性が不足し、5000kcalを超えると、燃焼炉の炉壁を損傷するので好ましくない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は使用済み自動車のシュレッダーダストを高品質固形化燃料とするプラントのフロー図である。
【0016】
ステップ1:搬入されてきたシュレッダーダストを人手と破砕・粉砕機によりペレット状にする。
ステップ2:第2選別機により、金属と混合物に分別する。
ステップ3:磁力選鋼機により最終金属類の選別を行う。
ステップ4:原料と添加剤を混練処理する(詳細は後述)。
ステップ5:混練処理された原料に小圧を加え、成形乾燥させ、固形化燃料の製品とする。
ステップ6:製品をコンテナ保管して出庫を待つ。
ステップ7:コンテナ車で配送する。
【0017】
本発明の特徴は、ステップ4の処理である。この処理について詳細に説明する。
ステップ11:再生油からペレットを製造する。
再生油とは、一度使用して用を足さなくなった機械油、潤滑油、食用油、オイルタンカー等からの流出油から再生した油、あるいは廃棄プラスチック等から再生し、自動車用A重油として使用しうる油を言う。この再生油に、第1の添加剤と第2の添加剤を混合したものの希釈液を添加する。
第1の添加剤は、再生油に防水性および弾性を付与する作用を有するもので、例えばエキソ・エキソロン社のエキソロンEER−A(商品名)を用いる。これは、アルキルスルホン酸系の物質であり、常温では液体である。
【0018】
また第2の添加剤は、再生油に含まれる有害物質の毒性を封じ込める作用を有するもので、例えばエキソ・エキソロン社のエキソロンEER PR−2を用いる。これは、リグノスルホン酸系の物質であり、常温では液体である。それらの混合比は、EER−Aが30〜40質量部に対してEER PR−2が100質量部とし、それを水で100〜150倍に希釈し、再生油1m3当たり200〜300リットル混合する。EER−Aの割合が30質量部未満であると防水性および弾性付与効果が低くなり、40質量部を超えるとその効果が高すぎることになるためこの範囲とする。また、第1の添加物と第2の添加物との混合物を水で100〜150倍に希釈するのは、セメント中のCaとの化学反応が良好に行われるためである。再生油に対する希釈液の混合割合が再生油1m3に対して200リットル未満であると添加剤の効果が低くなり、300リットルを超えても効果が変わらないためにこの範囲とした。
【0019】
なお、同じ再生油でもヒ素が多いとか水銀が多いとかにより、第2の添加剤の割合を変える。
【0020】
以上の原料に、カルシウム成分としてセメントを混合する。その割合は、凝固速度を考慮し、再生油1m3に対して100〜200kgとする。このセメントにより、固形化したペレットが製造される。
【0021】
ステップ12:固形化燃料の製造
シュレッダーダストを70質量%、前記のペレットを30質量%、前記の第3の添加剤としてエキソロンEER PR−2(第2の添加剤と同じ)を水で100〜150倍に希釈したものを、シュレッダーダスト1m3当たり200〜300リットル、人工ゼオライトの粉末を3〜7質量%混練して押し出し加工により固形化燃料を製造する。ここで、人工ゼオライトはシュレッダーダスト中の有害成分であるヒ素や水銀を吸着し、またプラスチック成分が燃焼時に発生する塩化水素ガスを無害化する作用がある。人工ゼオライトが3質量%未満であるとその機能が低くなり、7質量%を超えると燃焼時の熱量が低くなるため、以上の範囲とした。
押し出し加工を行うと、その圧力により、反応熱が出る。一定時間が経つと固まる。固形化燃料の形状は、筒状にすると表面積が広くなり、燃焼効率が高くなるため都合がいい。
以上の固形化燃料の成分を分析すると、4500〜5000kcalの熱量となり、従来の再生油ペレットを有しないものに比べて優位性が認められた。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シュレッダーダストに含まれるヒ素や水銀あるいは塩素等の有害物の無害化を行うとともに、常温で固形化ができ、さらに熱カロリーの高い固形燃料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用済み自動車のシュレッダーダストを高品質固形化燃料とするプラントのフロー図である。
Claims (4)
- 再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものに、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させて製造されたペレットと、前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストとを混合して所定の圧力で押し出し加工して製造されたものである、廃棄物を利用した固形化燃料。
- 再生油に防水性および弾性を付与する第1の添加剤と塩化カルシウムと界面活性剤を含む毒性を封じ込める第2の添加剤とを混合して水で希釈したものと、再生油と、Caを主成分とする材料とを混合、固形化させてペレットを製造する第1の工程と、
前記第2の添加剤を水で希釈したものと、炭素系の人工ゼオライトの粉末と、シュレッダーダストと、前記第1の工程で製造したペレットとを混合して所定の圧力で押し出し加工して固形化燃料を製造する第2の工程と
により固形化燃料を製造することを特徴とする廃棄物を利用した固形化燃料の製造方法。 - 前記第1の工程において、第1の添加剤を30〜40質量部、第2の添加剤を100質量部の割合で混合して水で100〜150倍に希釈し、これにより得た希釈液を再生油1m3に対して200〜300リットル添加し、さらにCaを主成分とする材料としてセメントを再生油1m3に対して100〜200kg添加し、常温で混練して前記固形化したペレットを製造することを特徴とする請求項2記載の廃棄物を利用した固形化燃料の製造方法。
- 前記シュレッダーダストを60〜80質量%、前記ペレットを40〜20質量%の比率で混合したものに、前記第2の添加剤を水で100〜150倍に希釈したものを、シュレッダーダスト1m3当たり200〜300リットル加え、さらに前記人工ゼオライトを3〜7質量%混練して押し出し加工により固形化燃料を製造することを特徴とする請求項3記載の廃棄物を利用した固形化燃料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003158379A JP2004359771A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 廃棄物を利用した固形化燃料およびその製造方法 |
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