JP2004359540A - K2NiF4型複合酸化物及び排ガス浄化触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車用触媒として好適な程度に水との反応性や耐熱性に優れ、また製造コストを割高にせず、しかも排ガス浄化触媒として好適に使用できる程度に酸化物の比表面積を十分に確保したKNiF型複合酸化物を提供する。
【解決手段】 下記の式で表されるKNiF型複合酸化物の組成をSr2−XLnMnO(ただし、Lnとは、ランタノイド系希土類元素のうちの少なくとも一種をいい、Xの範囲は、0.1≦X≦0.5する。)とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒や大気汚染物質浄化用触媒に利用されるKNiF型複合酸化物、及びこの複合酸化物を用いた排ガス浄化触媒に係り、特に、比較的低温での合成を可能として、製造コストの低減を図った自動車用触媒として好適な複合酸化物等の開発技術に関する。
複合酸化物の結晶構造の一種であるKNiF型構造は、ペロブスカイト型構造と類似した構造であることが知られている。このKNiF型構造は、ABOという一般式で記載され、ペロブスカイト型のABO格子とAO層とがc軸方向に積み重ねられた層状構造をなす。
この層状構造は、ペロブスカイト型構造と同様に、BO八面体が頂点を共有してc面に平行に連結する構造を有するものである。しかしながら、上記層状構造は、c軸に沿って岩塩型格子と呼ばれるAO層がABO格子同士の間に挿入された構造に起因する二次元的性質を有する点と、AのO配位数が9である点とをペロブスカイト型構造と異にする。また、このような層状構造においては、AサイトをLa、Nd等の希土類金属やSr、Ba、Ca等のアルカリ土類金属とし、BサイトをMn、Ni、Co、Cu等の遷移金属とした組み合わせ構造が知られている。
上記組み合わせ構造の中でも、とくに、AサイトをSrとし、BサイトをMnとしたSrMnOなる示性式の複合酸化物について、種々の研究が行われている。このような複合酸化物に関するある研究報告書には、SrとMnとを2:1で混合した材料を1000℃の空気中で5時間焼成すると、結晶構造不明のα−SrMnOなる複合酸化物が生成されるが、1600℃以上(例えば1700℃)で5時間焼成した後、800℃まで急冷すると、KNiF型構造のβ−SrMnOなる複合酸化物が生成されることが開示されている(非特許文献1参照)。このように、従来技術においては、SrMnOなる示性式で表される化合物は、1600℃以上(例えば1700℃)に加熱して初めてKNiF型構造をとることが可能となる。
工業化学雑誌、Vo173,No.6,1097−1103,1970
しかしながら、上記非特許文献1に記載された化合物において、比較的低温で得られるα相は、水との反応性が高く、しかも耐熱性に劣る。このため、自動車触媒用として上記α相を使用することは好ましくない。一方、比較的高温でβ相を合成した場合には、製造コストが割高となるのみならず、酸化物の比表面積が低下する。このため、排ガス浄化触媒として上記β相を使用することは好ましくない。
よって、本発明は、上記事情に鑑み、自動車用触媒として好適な程度に水との反応性や耐熱性に優れ、また製造コストを割高にせず、しかも排ガス浄化触媒として好適に使用できる程度に酸化物の比表面積を十分に確保したKNiF型複合酸化物及びこの複合酸化物を用いた排ガス浄化触媒を提供することを目的としている。
一般に、ペロブスカイト型構造(ABO)やKNiF型構造(ABO)の複合酸化物については、以下の事実が知られている。すなわち、これらの複合酸化物を構成する元素とイオン半径が近い元素は、結晶中の同じサイトに置換することができる。これを固溶と称する。この場合、A、B以外の元素(以下、単に「第三元素」と称する。)が固溶することにより、結晶構造は変化しないが、固溶する元素により、複合酸化物の性質が大きく変化する場合がある。例えば、KNiF型構造のLaCuOは、反強磁性絶縁体であるが、LaのサイトにLaに対するモル比で0.03のSrを固溶させると、反強磁性が消失し、0.06から0.25の範囲で固溶させると、超電導性が現われ、さらにそれ以上固溶させると、一般の金属としての性質のみがみられる。
また、一定量の第三元素の存在により、結晶構造が劇的に変化する場合がある。例えば、SrとMnとを2:1で混合した材料を、空気中で1000℃で5時間焼成すると、結晶構造不明のα−SrMnOなる複合酸化物が生成されるが、1600℃以上(例えば1700℃)で5時間焼成した後、550℃まで急冷すると、上述したようにKNiF型構造のβ−SrMnOという複合酸化物が生成される。発明者らは、以上の知見に基づき、鋭意研究を重ねた結果、Srとほぼイオン半径が同じであるLaを、Srに対するモル比で0.1〜0.5の範囲でSrの代わりに加えると、加えない場合は1600℃以上(例えば1700℃)の焼成でKNiF型構造をとっていたものが、550℃という非常に低温でKNiF型構造をとるとの知見を得た。すなわち、発明者らは、従来に比してより低温での焼成により、Sr、Mn系でのKNiF型複合酸化物の合成が可能となるとの知見を得た。
さらに、本発明者らは以下の知見を得た。即ち、上記のKNiF型複合酸化物を担体として用い、この上にSrとPdとからなる複合酸化物を担持させた触媒においては、さらに耐久性が向上する。これは、担体中のみならず、Sr−Pd複合酸化物中にもSrが含有されるため、Srを介して二つの複合酸化物が一部固溶することにより、Pd複合酸化物の易動度が低下し、Pd複合酸化物同士が凝集し難くなるためである。
加えて、本発明者らは、KNiF型複合酸化物にSr−Pd複合酸化物を担持した排ガス浄化用触媒の製造態様について、新たな知見を得た。即ち、Sr−Pd複合酸化物には、例えば、SdPd、SrPdO、SrPdOなどがあり、これらは単独で用いることができるのみならず、複数種類を同時に共存させて使用することもできる。従来、担体上に複合酸化物を担持生成させる方法として、複合酸化物を構成する元素の前駆体塩を水に溶解させて水溶液としたものを、担体粉末に含浸し、乾燥、焼成する方法が知られている。KNiF型複合酸化物に、SrPd複合酸化物を担持した本発明の排ガス浄化用触媒では、KNiF型複合酸化物とSr−Pd複合酸化物の密接な相互作用が必要であり、従来の方法ではこの相互作用が得られない。そこで、Srを含有させず、Pdの前駆体塩を水に溶解させた水溶液を、KNiF型複合酸化物に含浸担持する方法により、この密接な相互作用が得られることを見出した。これは、Sr2−XLnMnOを水に浸すと、一部のSrが水に溶解し、これが乾燥時にPdとともに含浸され、Sr−Pd複合酸化物として生成するという知見に基づく。
すなわち、本発明のKNiF型複合酸化物は、下記の式で表されることを特徴としている。
〔数2〕
Sr2−XLnMnO
(ただし、Lnとは、ランタノイド系希土類元素のうちの少なくとも一種をいい、Xの範囲は、0.1≦X≦0.5とする。)
このようなKNiF型複合酸化物においては、焼成温度550℃以上で焼成する工程により得られたことや、Pdを含有し、且つSrを含有しない溶液をSr2−XLnMnOで表される複合酸化物に含浸する工程により得られたことが望ましい。
また本発明は、上記したKNiF型複合酸化物を用いた排ガス浄化触媒に関するものでもある。即ち、本発明の排ガス浄化触媒は、上記の複合酸化物と貴金属とから構成することや、上記の複合酸化物上にSr−Pd複合酸化物を担持することにより得られる。
本発明によれば、Sr、Mn系において従来1600℃以上(例えば1700℃)で得られていたKNiF型複合酸化物が、550℃という低温で合成可能となる。本発明において550℃で得られる複合酸化物は、上記α相でなくβ相であるため、水との反応性が低く、しかも耐熱性に優れることから、自動車触媒用として使用することができる。また、Sr、Mn系KNiF型複合酸化物を例えば排ガス浄化用触媒に用いる場合、従来法によると極めて高温での焼成が必要であるため、酸化物の比表面積の著しい低下が問題となるが、本発明による複合酸化物によれば、低温焼成により生成が可能となるため、酸化物の比表面積の低下を抑制することができる。さらに、排ガス浄化用触媒としての実用化を考慮した場合に、焼成温度を低下させることは、投入熱量を低減し、高温焼成設備を不要とするため、製造コストを低減することもできる。なお、上記焼成温度を550℃未満とした場合には、焼成時に、所望の複合酸化物以外に不純物が生成するおそれがあるため、好適ではない。
なお、上記第3元素を例えばPd等として、Sr、Mn系KNiF型複合酸化物にPdを坦持した場合には、とくに、NOx、COに対する活性が、Pdを坦持した周知のペロブスカイト型酸化物と同等以上となるので好ましい。さらに、Sr、Mn系KNiF型複合酸化物を担持担体として用い、Sr−Pd複合酸化物を担持した排ガス浄化用触媒は、これらの密接な相互件用により、耐熱性、耐還元性が従来に比べ、飛躍的に高まる。
次に、このような複合酸化物と貴金属とから製造した本発明の排ガス浄化触媒は、上述のとおり、水との反応性が低く、しかも耐熱性に優れる複合酸化物を使用していることから、自動車触媒として好適であり、また酸化物の優れた比表面積の実現により、排ガス浄化触媒として好適である。しかも、本発明の排ガス浄化触媒は、焼成温度を低下させて製造した複合酸化物を用いていることから、低廉に製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[β相中へのランタノイド系希土類元素の好適固溶範囲の確認]
図1にペロブスカイト型酸化物であるβ−SrMnOなる複合酸化物のXRDパターンを示す。同図においてXRDパターンを示す複合酸化物は、1000℃で5時間焼成したものである。
さて、Sr2−XLaMnO(0<X≦1.0)系列の酸化物は、単一相が生成した場合には、MnはMn4+/Mn3+の混合原子価状態をとり、その平均価数は+4(X=0)から+3(X=1.0)までLaの添加量の増加により減少する。この系列においてXを0、0.1、0.2、0.4、0.5、0.6,0.8、1.0とした表1に示す組成の化合物1〜8のXRDパターンを図2に示す。なお、各化合物はともに、1000℃で5時間焼成したものである。
Figure 2004359540
図2によれば、La添加量の少ないX=0.1、0.2、0.4及び0.5の試料では、XRDパターンがKNiF型構造のβ−SrMnOなる複合酸化物のXRDパターンと合致することが判明した。これに対し、X=0.6以上では、LaやSrMnO2.5の結晶相が認められ、その生成量はXすなわちLa量とともに増加した。この結果により、Srの一部をLaで置換することにより、Sr−Mn−O系では、1200℃以上を要するβ高温相がより低温で合成できることが明らかになった。また、β相中のLaの固溶限界はXRDの結果から、X=0.4〜0.5であると推測される。
[β相(KNiF相)の生成温度の確認]
Sr1.8La0.2MnO(KNiF型)について、800℃、850℃、900℃、1000℃で10時間焼成し、表2に示す化合物9〜12を得、これrの化合物の構造をXRDで調べた。例として焼成温度800℃と1000℃の試料のXRDを図3,4にそれぞれ示す。
Figure 2004359540
図3,4より明らかなように、いずれの焼成温度の試料においても、KNiF型の酸化物が得られていることが判る。なお、焼成温度800℃、1000℃の試料において、結晶性(ピーク幅)に変化がほとんどないことから、さらに低温での焼成を行い、単一相生成の最低温度を決定する必要がある。
[NO−CO反応に対する触媒活性:その1]
調整したMn系ペロブスカイト及びKNiF型酸化物の基本触媒特性を理解するために、モデル反応としてNO−CO反応を取り上げ、触媒活性を評価した。固定床流通式反応装置の反応管に表3に示す各触媒を0.3gつめ、NO(0.26%)−CO(0.25%)−He(balance)ガスを100mLmin−1で流通させた。反応ガス(NO,CO,N,CO)は、TCDガスクロで検出した。活性測定に供した触媒とともに、触媒の調整条件(調整温度及び調整時間)及びその比表面積を表3に併記する。また、これらの触媒についての、NOのNへの転化率を図5(a)に、COのCOへの転化率を図5(b)にそれぞれ示す。なお、表3中、発明例9及び比較例5〜8は、KNiF型酸化物であり、比較例9.10は、ペロブスカイト型酸化物である。
Figure 2004359540
図5(a),(b)から明らかなように、Pd非坦持触媒間で比較すると、ペロブスカイト型触媒のSr0.5La0.5MnO (比較例9)が、他のKNiF型触媒(比較例5〜8)よりも高活性である。一方、Pd坦持触媒間で比較すると、5wt%Pd/Sr1.8La0.2MnO(発明例9)が、僅かではあるが5wt%Pd/Sr0.5La0.5MnO(比較例10)よりも高活性である。母材の活性についてはSr0.5La0.5MnO の方がSr1.8La0.2MnOよりも高いことに鑑みれば、Pdを坦持させたことにより触媒の活性が向上したことが判る。
[NO−CO反応に対する触媒活性:その2]
所定量の硝酸ストロンチウム、硝酸ランタン六水和物、硝酸マンガンをイオン交換水に溶解させ、混合水溶波を作製した。これをホットプレートスターラにのせ、250℃で攪拌子で攪拌しながら加熱し、水分の蒸発の後、分解乾固させ、乾固物を乳鉢で粉砕した。次いで、これをアルミナ坩堝に移し、マッフル炉にて2.5℃/minで350℃まで昇温し、350℃で3時間熱処理を施した。これにより、硝酸根を除去した仮焼成体を作製した。
上記の仮焼成体を乳鉢で15分間粉砕混合した後、再びアルミナ坩堝に入れ、マッフル炉にて5℃/minで800℃まで昇温し、800℃で10時間熱処理を施した。これにより、Srl.8La0.2MnOで示される組成のKNiF型複合酸化物を得た。
さらに、上記したSrl.8La0.2MnOで示される組成のKNiF型複合酸化物の粉末に、硝酸パラジウムニ水和物をイオン交換水に溶解させた溶液に加え、ロータリーエバポレータで減圧しながら、60℃の湯浴中で蒸発乾固させた。次いで、これをマッフル炉にて5℃/minで750℃まで昇温し、750℃で3時間の熱処理を施して、Sr−Pd複合酸化物が担持されたSrPd/Srl.8La0.2MnOの触媒粉末(発明例10)を作製した。
上記発明例10と同様の方法で、Pd/Sr0.5La0.5MnOの触媒粉末(比較例11)を作製した。
市販のγアルミナに、硝酸パラジウムニ水和物をイオン交換水に溶解させた溶液に加え、ロータリーエバポレータで減圧しながら、60℃の湯浴中で蒸発乾固させた。これをマッフル炉にて5℃/minで750℃まで昇温し、750℃で3時間の熱処理を施し、Pd/A1の触媒粉末(比較例12)を作製した。
発明例10と同様の方法で、Pd/SrLaCoOの触媒粉末(比較例13)を作製した。
発明例10と同様の方法で、Pd/Sr0.2La0.8CoOの触媒粉末(比較例14)を作製した。
以上のようにして得た発明例10と比較例11〜14との各触媒粉末についての、COのCOへの転化率及びNOのNへの転化率と、生成物選択率とを調査した。なお、この生成物選択率を調査するにあたり、その裏付けとなる諸事項を以下のように調査した。
まず、800℃で焼成したSr2−XLnMnO(X=0〜0.8)の不純物生成の有無を調査した。図6にSr2−XLnMnO(X=0〜0.8)のXRDパターンを示す。同図に示すように、X=0.1〜0.5では、KNiF型複合酸化物が単相で生成していることが判る。しかしながら、X=0,0.6〜0.8では、La等の不純物が生成していた。以上より、本発明のXの範囲(0.1≦X≦0.5)においては、単層の複合酸化物が好適に得られることが実証された。
また、焼成温度を変化させた場合の、不純物生成の有無を調査した。図7に500〜700℃の各温度で焼成したSr1.8Ln0.2MnOのXRDパターンを示す。同図に示すように、焼成温度が550℃以上で、KNiF型複合酸化物が単相で生成していることが判る。しかしながら、500℃では、MnO等の不純物が生成していた。以上より、本発明の焼成温度の範囲(550℃以上)においては、単層の複合酸化物が好適に得られることが実証された。
さらに、種々の複合酸化物にPdを担持した場合に、ストロンチウムを含む酸化物が生成されるか否かについての調査を行った。なお、後述するように、ストロンチウムを含む酸化物が生成したPd担持酸化物は、NOやCOに対する反応活性が優れている。
図8は、KNiF型酸化物であるSrl.8La0.2MnOにPdを5wt%、10.8wt%担持した場合のXRDパターンを示すグラフである。同図に示すように、5wt%担持した場合には、SrPdが生成しており、排ガス浄化性能が高いことが推認される。また、10.8wt%担持した場合には、SrPdだけでなく、不純物であるSrMnO2.694も生成していたことから、排ガス浄化性能が低いことが推認される。
これに対し、図9はPdを5wt%、11wt%担持したペロブスカイト型のSr0.5La0.5MnOのXRDパターンを示すグラフであり、図10は、Pdを5wt%担持したγ−A1、Sr0.2La0.8CoO、SrLaCoOのXRDパターンを示すグラフである。これらの図に示すように、Pdを担持しても、ストロンチウムを含む酸化物は新たに生成されない。よって、図9,10に示すPd担持複合酸化物は、図8に示すPd担持複合酸化物に比して、排ガス浄化性能が低いことが推認される。
以上のような種々の結果の基に、発明例10及び比較例11〜14の各触媒粉末について、担持する物質を5wt%Pdとした場合の、COのCOへの転化率とNOのNへの転化率を調査した。これらの結果を図11(a),(b)にそれぞれ示す。これらの図から明らかなように、Srl.8La0.2MnOが、CO活性及びNO活性のいずれについても最も高性能であった。
さらに、発明例10及び比較例11〜14の各触媒粉末について、担持する物質を5wt%Pdとした場合の、250℃における生成物選択性を調査した。その結果を表4に示す。
Figure 2004359540
表4から明らかなように、5wt%Pd/Srl.8La0.2MnO(発明例10)では、N/NOの比率が大きく、完全に還元浄化されたNO量が多いことが判り、他の触媒に比して、優れた結果を示すことが判る。これは、図8で示したように、ストロンチウムを含む酸化物が生成しているためである。
最後に、確認事項として、β−SrMnOと、Sr2−XLaMnO(0.1≦X≦0.8)とについての比表面積を調査した。表5に示す組成の各酸化物(発明例11〜15及び比較例15〜17)を作製し、その比表面積を測定した結果を表5に示す。
Figure 2004359540
表5から明らかなように、高温焼成により作製したβ−SrMnOが極めて小さな比表面積であったのに対し、低温焼成により作製したSr2−XLaMnOは、いずれも十分な比表面積を有していた。なお、本発明例11〜15については、当然に好適な結果が得られている。従って、各発明例11〜15の酸化物に例えばPdを担持した触媒を用いた場合には、優れた触媒性能を示す。
以上説明したように本発明によれば、KNiF型複合酸化物の組成をSr2−XLnMnO(0.1≦X≦0.5)とすることにより、自動車用触媒として好適な程度に水との反応性や耐熱性に優れ、また製造コストを割高にせず、しかも排ガス浄化触媒として好適に使用できる程度に酸化物の比表面積を十分に確保することができる。よって、本発明は、自動車用触媒等に使用することができる点で有望である。
ペロブスカイト型酸化物であるβ−SrMnOなる複合酸化物のXRDパターンを示す図である。 表1に示す各組成の化合物1〜8のXRDパターンを示す図である。 Sr1.8La0.2MnO(KNiF型)について、焼成温度800℃の試料のXRDを示す図である。 Sr1.8La0.2MnO(KNiF型)について、焼成温度1000℃の試料のXRDを示す図である。 表3に示す各触媒について、(a)は、NOのNへの転化率を示す図であり、(b)は、COのCOへの転化率を示す図である。 Sr2−XLnMnO(X=0〜0.8)のXRDパターンを示すグラフである。 500〜700℃の各温度で焼成したSr1.8Ln0.2MnOのXRDパターンを示すグラフである。 NiF型酸化物であるSrl.8La0.2MnOにPdを5wt%、10.8wt%担持した場合のXRDパターンを示すグラフである。 Pdを5wt%、11wt%担持したペロブスカイト型のSr0.5La0.5MnOのXRDパターンを示すグラフである。 Pdを5wt%担持したγ−A1、Sr0.2La0.8CoO、SrLaCoOのXRDパターンを示すグラフである。 (a)は COのCOへの転化率と反応温度との関係を示すグラフであり、(b)はNOのNへの転化率と反応温度との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 下記の式で表されるKNiF型複合酸化物。
    〔数1〕
    Sr2−XLnMnO
    (ただし、Lnとは、ランタノイド系希土類元素のうちの少なくとも一種をいい、Xの範囲は、0.1≦X≦0.5とする。)
  2. 焼成温度550℃以上で焼成する工程により得られたことを特徴とする請求項1に記載のKNiF型複合酸化物。
  3. Pdを含有し、且つSrを含有しない溶液をSr2−XLnMnOで表される複合酸化物に含浸する工程により得られたことを特徴とする請求項1又は2に記載のKNiF型複合酸化物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物と貴金属とからなる排ガス浄化触媒。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物上にSr−Pd複合酸化物が担持されていることを特徴とする排ガス浄化触媒。
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