JP2004358854A - メタルマスクの製造方法、メタルマスク及びメタルマスク印刷版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電鋳法でメタルマスクを製造する際に、導電性基板に成膜された感光層を露光する時、380nm以上の波長の紫外線で露光する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品や半導体チップを高密度に実装するための接続用のはんだ端子を形成する際や接着剤を塗布する際に使用されるスクリーン印刷用のメタルマスクの製造方法、及びこの製造方法により製造されたメタルマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を筆頭に、電子回路の小型軽量化の要請から、プリント配線基板に電子部品を高密度に、特にプリント配線基板の両面に電子部品を高密度に実装することが広く行われている。この高密度実装においては、プリント配線基板面に電子部品を実装するために、プリント配線基板にクリームはんだを印刷し、はんだ端子の高精細な配線パターンを形成し、該はんだ端子に電子部品や半導体チップを搭載し、はんだリフロー炉を通して電子部品や半導体チップの実装を行う。
この際、はんだ端子の配線パターンを高精細に印刷するための印刷版が種々提案され、実用に供されている。
【0003】
例えば、印刷パターンが形成された金属板(メタルマスク)を紗を介して金属枠に貼り付けたメタルマスク印刷版は、高精細印刷性、印刷精度の耐久性、印刷版の作り易さ等のために広く用いられている。金属板に配線パターンを形成する方法(メタルマスクの製造法)としては、金属板にフォトリソグラフ法を用いて金属をエッチングして作られるエッチング法、レーザーによりパターン状に直接金属板に穴を開けるレーザー法、導電性金属表面にフォトレジスト膜で配線パターンを形成し、電鋳により製作する方法等があり、電子部品の実装密度と経済性の点から使い分けられている。この中で電鋳法によるメタルマスクは高精細なパターンの加工がし易く、高密度な配線パターンの印刷に用いられている。
【0004】
電子部品の実装密度が高くなれば、はんだ端子のピッチが狭くなり、且つはんだ端子の数が増加する。一方で、はんだ量は少なくすることはできない。このような場合、クリームはんだを印刷した際、印刷版の版離れが悪くなったり、クリームはんだの版からの抜けが悪くなったりして、クリームはんだの転写性の悪化を招く。その結果形成されたはんだ端子に欠け、割れ、抜け等の欠陥が発生した。
一方、従来の電鋳法で作られるメタルマスクは、開口部の上面(スキージ側)の大きさと下面(被印刷面側)の大きさに比較的大きな差、例えば直径100μmの開口において5〜10μm程度の差が生じたり、開口部の壁面が波打つ(ギザギザする)と言う特性を有していた。
【0005】
前記した電鋳法によるメタルマスク製造上の特性を利用して、例えば、特開平10−129140には、開口部により大きなテーパーをつけたメタルマスクが提案されている。即ち、メタルマスクの開口部の大きい面を被印刷面側に、小さいほうをスキージ側にして、前記したような印刷時の版離れ性やクリームはんだの版から抜け性の低下を改良する提案である。確かに印刷性は改良されるが、実装密度が増加し、はんだ端子のピッチがより狭くなるに従って、はんだの滲みによる端子間にブリッジが生じると言う問題が発生する。一方、該はんだ端子のブリッジを防止するために、開口部に逆テーパー(開口部の被印刷面の側の形状をスキージ側より小さくする)を付与すると、クリームはんだの版からの抜け性が益々低下し、はんだ端子に割れ、欠け、抜けが発生する。
【0006】
又、最近、前記した印刷版の版離れ、及びクリームはんだの版からの抜け性を改良し、印刷の高速化とロングラン運転を目的として、密閉スキージ方式の印刷機が開発されている。この密閉スキージ式印刷機はスキージ設置空間の圧、温度を一定に保持することにより、前記目的を達成している。しかし、この印刷機を用いても、開口部のピッチが狭くなった場合はクリームはんだの滲みによるはんだ端子のブリッジを改善することは難しい。
【0007】
更に、本願出願人は特願2002−333067号に、前記した印刷版の版離れ、及びクリームはんだの版からの抜け性を改良するためにメタルマスクの硬度、表面粗さ、及びメタルマスク印刷版のテンションに関して提案しているが、該メタルマスク印刷版を用いても、はんだの滲みによる端子間のブリッジは改善されない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子部品の接続用のはんだ端子等をスクリーン印刷で高密度に形成する際に、端子間のブリッジが発生しないメタルマスクの簡便な製造方法を開発することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記したようなはんだ端子のブリッジ問題を解決するために、メタルマスクを電鋳法で作る際の開口部を形成するための感光層の露光条件を検討することにより、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
1.電鋳法により作られるスクリーン印刷用のメタルマスクの製造方法において、リソグラフ法により開口部のパターン形成を行う際に、380nm以上の波長の紫外線で露光することを特徴とするメタルマスクの製造方法、
2.露光する際に380nm以下の波長域にも発光する光源を用い、380nm未満の紫外線をカットするフィルターを使用する前記1記載のメタルマスクの製造方法、
3.前記フィルターが紫外線カットフィルムである前記2記載のメタルマスクの製造方法、
4.前記1〜3記載のいずれかの方法で製造されたメタルマスク、
5.大きさが40〜150μm及び繰返しピッチが70〜250μmの開口部を有する前記4記載のメタルマスク、及び
6.前記5記載のメタルマスクを金属枠に取り付けてなるメタルマスク印刷版、である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスクリーン印刷に用いられるメタルマスク、特に電子部品の高密度実装用のメタルマスクの製造方法、及びその製造方法で作られたメタルマスク、及びメタルマスク印刷版について詳細に説明する。
本発明のメタルマスクは電鋳法で製造されるが、通常電鋳法においては、リソグラフ法で開口部のパターン形成を行う。即ち、導電性基板に感光層を成膜し、開口部の印刷パターンを有するマスクを通して、紫外線露光、現像を行い、導電性基板にメタルマスクの開口部の形状で、且つ高さは作られるメタルマスクの厚さより高い凸状の突起膜を感光層材料で配線パターン状に設ける。次にこの配線パターンが形成された導電性基板を電気めっき浴に入れてメタルマスク素材でめっきを行い、基板から剥離してメタルマスクは作られる。
【0012】
本発明のメタルマスクの製造方法をより具体的に説明する。前記した導電性基板としては、表面がフラットで、導電性を有する金属、例えば、ステンレス、銅、アルミ、ニッケル等からなる基板、又はガラス、プラスチック等の非導電性の基材に蒸着、スパッター、又は無電解めっき法で導電性の金属薄膜を形成した基板が挙げられる。
【0013】
又、前記導電性基板上に感光層を成膜するが、感光剤を塗布、又は積層等により成膜する。感光剤としてはドライフィルムレジストや液状レジストがあり、それぞれネガ型、ポジ型のどちらでも用いることができる。
【0014】
次に該感光層を成膜した基板に、開口部の印刷パターンを有するマスクを通して、紫外線露光を行う。この際用いられるマスクには、樹脂フィルム製マスク、ガラスマスク等があり、且つガラスマスクには銀塩乳剤でパターンを形成したエマルジョンマスクと金属クロムでパターンを形成したクロムマスク等があり、本発明では該マスクには特に制限はない。
【0015】
又、本発明における紫外線露光に際しては、380nm以上の波長の紫外線を照射するのが好ましい。380nm未満の紫外線を含有した紫外線を照射して作ったメタルマスクでは、クリームはんだを印刷した際にクリームはんだが滲み、形成されたはんだ端子間にブリッジが生じたりして好ましくない。
【0016】
本発明の方法で作ったメタルマスクは、はんだ端子間にブリッジが発生せず、且つはんだ端子に割れ、欠け、抜け等の不良も発生しにくい。その理由としては、前記した本発明の照射条件で作ったメタルマスクの開口部の形状は、上面と下面の大きさの差が小さく、且つ壁面に波打等は観察されず、非常に均一な開口部が形成されている。この開口部の均一性が前記作用効果に結び付いたものと思われる。
【0017】
本発明のメタルマスクの開口部の上面(スキージ側)の大きさと下面(被印刷面側)の大きさの差は、メタルマスクの板厚によって異なり、当然板厚が厚くなれば大きくなる。メタルマスクの板厚は20〜300μm程度であり、電子部品の実装方法や目的、用途によって決まりる。例えば、フリップチップ方式の場合のはんだバンプの形成においては板厚は20〜80μmで、その際のメタルマスクの前記した差は+2〜−2μmが好ましい。又、表面実装の場合のはんだ端子の形成においては板厚は80〜150μmで、その際のメタルマスクの前記した差は−5〜+15μmが好ましい。更に、樹脂の穴埋め、接着剤の塗布等の場合は、板厚が最大で300μm程度のメタルマスクが用いられる。本発明のメタルマスクの用途は特に制限はない。
尚、メタルマスクは面積が比較的大きく、且つ開口部の数も多い。本発明の該差は開口部を16個測定した平均値とする。又、該差の+は下面が上面より大きく、−は下面が小さいことを意味する。
【0018】
本発明の紫外線露光に用いられる光源として、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザー等のレーザーや高圧又は超高圧水銀灯、又はメタルハライドランプが挙げられる。これらの光源の中で、汎用の露光機に搭載されている高圧又は超高圧水銀灯、又はメタルハライドランプが好ましいが、250〜450nmの波長域に種々の波長(主な波長は436nm、405nm、365nm)の紫外線を発光し、このまま用いると本発明において好ましくない365nmの紫外線も照射される。
【0019】
前記したような250〜450nmに種々の波長の紫外線を発光する光源を用いる場合は、380nm以下の紫外線をカットするためにフィルターを使用するのが好ましい。
該フィルターの具体例としては、ガラス、樹脂フィルムに無機薄膜を成膜してなる紫外線カットフィルターが挙げられ、種々の波長をカットできるフィルターが市場に供されている。本発明においては、作られるメタルマスクが比較的大きく、従って大きな面積のフィルターを必要とするが、例えば、民生用に市場に供されている380nm以下の紫外線をカットするフィルムを好適に使用することができる。尚、本発明の効果を発現させるには、380nm以下の紫外線を完全にカットする必要はなく、20%程度は透過してもよい。
該フィルターの設置位置は、感光層とマスクとの間、マスクと光源の間のいずれでもよく、設置方法としては接着しても、密着して置いても、又、空間に設置することもできる。
【0020】
紫外線露光後、感光層をアルカリ溶液、溶剤等により現像し、導電性基板上に開口部の印刷パターン状に感光層材料で突起膜を形成する。即ち、クリームはんだが通過する開口部に相当する部分には感光層が残り、その他のクリームはんだが印刷されない部分は感光層が除去され、導電性基板の表面が露呈した状態になる。
【0021】
次に、この感光層で開口部の印刷パターンが形成された基板を金属めっきの浴に浸漬し、通電しながら、電気めっきを行う。この際凸状の突起膜の個所はめっきされず、開口部となる。所望のメタルマスク厚さまでめっきを行った後、導電性基板からめっき板を剥離するとメタルマスクが得られる。
金属めっきに用いられる金属としては、ニッケル、銅、クロム、亜鉛等を主成分にする金属が好ましく、特にメタルマスクの硬度等の点からニッケルを主成分にする金属、又は合金が好ましい。
ニッケルめっきをする際に用いられるめっき浴としては、通常のワット浴、スルファミン酸浴、酢酸ニッケル浴等が用いられる。
【0022】
本発明のメタルマスクはクリームはんだ印刷用の開口部を有するが、その形状は特に制限はなく、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形及び八角形等の多角形、その他瓢箪形、ダンベル形等の不定形等が挙げられる。そしてその大きさは、高密度実装のためには、前記した種々の形状の最大の開口部が40〜150μmで、開口部の繰り返しピッチは70〜250μmである。
【0023】
本発明の方法で作られたメタルマスクを用いてクリームはんだを印刷して高密度実装用のはんだ端子を形成してもクリームはんだの滲みに起因するはんだ端子間のブリッジは生じない。又、クリームはんだの転写性の不良によるはんだ端子の割れ、欠け、抜け等の不良も発生しにくい。
しかし印刷スピードを速くしたり、開口部の数がよりいっそう多い高密度実装用のメタルマスクにおいては、印刷版からのクリームはんだの抜け性、及び印刷版の版離れ性が悪くなり、クリームはんだの転写性の不良を生じ易くなる。この転写性の不良はメタルマスクの表面粗さ、及びビッカース硬度をコントロールすることにより改良することができる。
【0024】
前記した転写性の不良の改良するためには、本発明のメタルマスクの被印刷面側の表面粗さRzは1μm以上が好ましい。表面粗さRzが1μm未満の場合は版離れが悪くなり、転写性の不良を生じる。一方、該表面粗さを粗くし過ぎるとクリームはんだに滲みが生じ、形成されるはんだ端子間にブリッジが生じて好ましくない。この点からは該表面粗さは8μm以下が好ましい。スキージ面側の表面粗さには特に制限はないが、粗すぎるとスキージがスムースに動かず、クリームはんだを均一に引き難い。この点からはスキージ面側の表面粗さはRyで2μm以下が好ましく、1μm以下が更に好ましい。
【0025】
又、本発明のメタルマスクのスキージ−面側のビッカース硬度は450HV以下が好ましい。該硬度が450HVを超える場合はメタルマスクの基板への追従性が低下し、クリームはんだの未転写が生じて好ましくない。該硬度の下限に関しては、印刷中にメタルマスクが延伸し、はんだ端子の位置精度が低下したり、印刷耐久性が悪くなる等から200HV以上が好ましい。
被印刷面側のビッカース硬度は特に制限はなく、スキージ−側の硬度と同じでも、硬くても、柔らかくても良い。電鋳法でメタルマスクを製作すると両側の表面硬度は通常はそれ程大きくは変化しない。
【0026】
本発明において、表面粗さの測定方法は触針式、光学式、二次電子式等種々提案されており、測定範囲、感度、使い勝手等が異なり、使用目的に応じて使い分けられている。本発明では光学式であるレーザー顕微鏡を用いた。表面粗さRzとは、JIS B0660:1998に規程されている10点平均粗さを、又Ryは同規格に規定されている粗さ曲線の最大高さを言う。一方、ビッカース硬度の測定方法は、JIS Z2244に準拠して測定した値とする。尚、メタルマスクの面積の大きさに比して表面粗さ、ビッカース硬度共に測定範囲が狭いので、メタルマスクの偏らない多数の点を測定し、その平均値で表示した。具体的には表面粗さは27点以上、ビッカース硬度は5点以上である。
【0027】
更に、本発明においては、前記したメタルマスクを金属枠に取り付けてメタルマスク印刷版になるが、金属枠に取り付ける方法としては、直接取り付けても、又紗を介して取りつけてもよい。金属枠としてはアルミ、ステンレス、銅等が、紗としてはポリエステル、ナイロン、シルク、金属等からなる100〜300メッシュの網目からなるメッシュスクリーンが挙げられる。メタルマスクを貼り付けた後の版のテンションは、0.25〜0.32mmが好ましい。版のテンションが0.25mm未満の場合は、印刷版の版離れが急激起こり、はんだ端子に欠けが生じ、一方、該テンションが0.32mmを越える場合は、印刷時に版離れが悪くなり、転写不良を起こし、はんだ端子に欠け、割れ等の欠陥が生じ、好ましくない。これらの印刷版の急激な版離れ、及び版離れの悪さの点からは、版のテンションは0.28〜0.30mmが更に好ましい。
【0028】
印刷版のテンションは種々の測定法、測定機が提案されているが、本発明における印刷版のテンションとは、印刷版の中央部に一定の荷重を付加した際の印刷版のたわみ量で表示し、(株)プロテック製のテンションゲージSTG−80Bを用いて測定した値とする。又、版のテンションは金属枠に紗を貼り付ける際のテンションを変えることによって所望のテンションに制御することができる。
【0029】
本発明のメタルマスク印刷版をスクリーン印刷機に取り付けて、プリント配線基板上にクリームはんだを印刷すれば、プリント配線基板上にはんだ端子が形成される。形成されたはんだ端子の形状は通常、直径40〜150μm、ピッチ70〜250μm程度である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
【0031】
〔実施例1〕
板厚0.2mm、550×650mmのSUS304の基板の表面を整面(バフ研磨)し、ドライフィルムレジスト(ORDYL FP240、東京応化工業(株)製)をラミネートした。次に、電子部品搭載用のはんだ端子パターンとして、直径100μmの紫外線を透過する円を繰り返しピッチ150μmで2500(50×50)個からなる基本パターンを4つ面取りしたパターンをガラスに金属クロムで形成したクロムマスクをレジスト面に設置し、更に該クロムマスクの上に紫外線カットフィルターとして紫外線カットフィルム(マジカルタックシートP−116、(株)ワコー製)を重ね合わせて、超高圧水銀シートアークランプを光源としたミラー反射型平行光露光機で露光し、15分エージングした後、1.0%の炭酸ナトリウム水溶液で現像、水洗してSUS304の基板にドライフィルムレジスト膜のはんだ端子パターンを形成した。尚、前記マジカルタックシートP−116は380nm以下の紫外線の透過率は10%以下、405nm(h線)の透過率は約75%、410nm以上の紫外線の透過率は80%以上であった。
【0032】
次に、スルファミン酸ニッケルメッキ浴に入れて、2A/dm2、浴温度45℃で前記基板上に厚さ30μmのニッケル膜を形成した。該ニッケル膜が形成された基板(母材)からニッケル膜を剥離し、得られたニッケル膜を50℃の5.0%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してレジスト膜を除去して400×480mmのニッケル製のメタルマスクを作製した。
該メタルマスクのビッカース硬度は300HV(ビッカース硬度計MVK−G1、(株)アカシ製)であった。又、開口部の上面と下面の大きさの差は平均+0.5μmであった。又、開口部の壁面には波打ち等の不均一性はなく、滑らかであった。
【0033】
次に、180メッシュのポリエステル製の紗が張られた外形550×650mmのアルミ製枠に、前記メタルマスクを導電性基板面側がスキージ−面になるようにエポキシ系接着剤を用いて貼り付けてメタルマスク印刷版を作製した。該印刷版の被印刷面(プリント配線基板面)側のメタルマスクの表面粗さRzは5μm(超深度形状測定顕微鏡 VK−8500、(株)キーエンス製で測定)、版のテンションは0.29mm(テンションゲージSTG−80B、(株)プロテック製で測定)であった。
【0034】
前記して作られたメタルマス印刷版を用いて、通常の方法に従って基板上に平均粒径が11μmの鉛フリーのクリームはんだ(LF−71S−3、タムラ化研株式会社製)をスクリーン印刷機(SP28P−DH、パナソニックファクトリーソリューション株式会社製)を用いて印刷し、乾燥し、直径略100μmのはんだ端子1万個を形成した。該1万個の端子を観察したが、クリームはんだの滲み、はんだ端子のブリッジ、割れ、抜け、欠け等の欠陥は全く生じなかった。
【0035】
〔比較例1、2〕
実施例1において、紫外線カットフィルムを用いないで(比較例1)、及び紫外線カットフィルターの変わりに厚さ175μmのポリエステルフィルムを用いて(比較例2)メタルマスク、及びメタルマスク印刷版を作り、クリームはんだの印刷評価を行った。比較例1及び2のメタルマスクの開口部の上面と下面の大きさの差はそれぞれ、平均で+4.0μm、+6.0μmであった。又、開口部の壁面には波打ちの凹凸が観察された。一方、メタルマスクの表面粗さRz、及びビッカース硬度、印刷版のテンションはそれぞれ実施例1の場合と同じであった。クリームはんだの印刷結果はいずれの印刷版もクリームはんだの滲みが観察され、その結果形成されたはんだ端子間にブリッジが発生した。しかしはんだ端子の割れ、抜け、欠け等の欠陥は生じなかった。尚、ポリエステルフィルムは365nm、及び380nmの紫外線の透過率はそれぞれ72%、74%であった。
【0036】
〔実施例2〕
紫外線カットフイルムとして、レフテル ZC06T(帝人(株)製) を用いる以外は実施例1と同じ方法でメタルマスク、及びメタルマスク印刷版を作り、クリームはんだの印刷評価を行った。メタルマスクの開口部の上面と下面の大きさの差は平均で+1.5μmであった。又、開口部の壁面には波打ち等の不均一性はなく、滑らかであった。一方、メタルマスクの表面粗さRz、及びビッカース硬度、印刷版のテンションは実施例1の場合と同じであった。クリームはんだの印刷結果も実施例1と同様、クリームはんだの滲み、はんだ端子のブリッジ、割れ、抜け、欠け等の欠陥は生じなかった。尚、レフテル ZC06Tの380nm以下の紫外線の透過率は1%以下、400nm以上の紫外線透過率は約80%以上であった。
【0037】
〔実施例3〕
感光層としてドライフィルムレジスト(ORDYL E4025、東京応化工業(株)製)を用いる以外は実施例1と同じ方法でメタルマスク、及びメタルマスク印刷版を作り、クリームはんだの印刷評価を行った。メタルマスクの開口部の上面と下面の大きさの差は平均で+0.8μmであった。又、開口部の壁面には波打ち等の不均一性はなく、滑らかであった。一方、メタルマスクの表面粗さRz、及びビッカース硬度、印刷版のテンションは実施例1の場合と同じであった。クリームはんだの印刷結果も実施例1と同様、クリームはんだの滲み、はんだ端子のブリッジ、割れ、抜け、欠け等の欠陥は生じなかった。
【0038】
【発明の効果】
スクリーン印刷に用いられるメタルマスクを電鋳法で作る際に、導電性基板に成膜した感光層を露光する時、380nm以上の波長の紫外線で露光することにより、上面側と下面側の大きさの差が小さく、且つ滑らかな壁面の開口部を有するメタルマスクを作ることができる。その結果高密度実装向けの接続用のはんだ端子を形成するために、該メタルマスクを用いてクリームはんだを印刷してもクリームはんだの滲みは発生せず、又、形成されるはんだ端子にはブリッジの発生や転写性不良に由来する割れ、抜け、欠け等の欠陥の発生がない。
Claims (6)
- 電鋳法により作られるスクリーン印刷用のメタルマスクの製造方法において、リソグラフ法により開口部のパターン形成を行う際に、380nm以上の波長の紫外線で露光することを特徴とするメタルマスクの製造方法。
- 露光する際に380nm以下の波長域にも発光する光源を用い、380nm未満の紫外線をカットするフィルターを使用する請求項1記載のメタルマスクの製造方法。
- 前記フィルターが紫外線カットフィルムである請求項2記載のメタルマスクの製造方法。
- 請求項1〜3記載のいずれかの方法で製造されたメタルマスク。
- 大きさが40〜150μm及び繰返しピッチが70〜250μmの開口部を有する請求項4記載のメタルマスク。
- 請求項5記載のメタルマスクを金属枠に取り付けてなるメタルマスク印刷版。
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2003
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