JP2004358686A - 成形型および積層成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形型30は、対を成す型31,41と、一方の型31の突合せ面34から突出してキャビティ面32の外周に沿って延びる引張り部51と、引張り部51を断絶するようにキャビティ面32から突合せ面34の外側まで延びる凹状に形成されたガス抜き部52とを備える。積層成形体を成形するとき、シート部材18を張った状態で型31に接触させ、基材原料20を他方の型41側に配置して型締めする。このとき、シート部材18は、引張り部51によって張った状態が維持されるとともに、ガス抜き部52ではより小さい引張り力を受ける又は力を受けないため、シート部材18とシート部材18に基材原料20との間に滞留するガスをキャビティの外に逃がすことができ、ガス膨れの発生を抑制できる。
【選択図】図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、成形と同時に複数の層を一体化する積層成形のための型および積層成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両や建築物の室内の内装材などとして、木質材料を含む基材の表面に表皮材が積層一体化された成形体が用いられている。このような成形体の製造方法には、予めシート状に形成した表皮材を、基材を成形する型に設置しておき、基材原料の成形と同時に基材と表皮材とを一体化する方法がある。この方法では、型締めのときに、表皮材と基材との間に空気が残留することがあり、この場合、成形体にガス膨れができて、不良となってしまう。したがって、表皮材と基材との間のガスを抜くために、例えば、表皮材を型に設置した状態で基材原料を溶融樹脂として射出するタイプの成形金型には、表皮材の裏面、すなわち溶融樹脂射出用のゲートを備える側の金型の周縁面にキャビティと外部とに連通する溝を設けたものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この金型によれば、樹脂がキャビティ内に充填されるにしたがって型の周縁に押出されるガスが、溝を通って外部に排出される。
【0003】
【特許文献1】
特許第3400020号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基材原料は、射出可能な溶融樹脂に限定されず、繊維などの充填材を含んだ原料や、加熱によっても十分な粘性の低下が得られない材料もある。これらの材料を用いるときは、表皮材との同時成形の前に、マット状、ボード状などに予備成形した後で、成形型に配置して、表皮材とともに所定の温度領域でプレス成形する。したがって、この方法では、基材原料は、最初から金型の周縁部分に位置しているため、上記構成の金型では、表皮材と基材原料との間に位置するガスを抜くことができない。
【0005】
そこで、本発明では、種々の状態の基材原料とシート部材とを用いて基材原料とシート部材との間のガスを抜きながら同時成形できる成形型を提供することを課題とする。
また、本発明では、種々の状態の基材原料とシート部材とを用いて基材原料と表皮材との間のガスを抜きながら同時成形する積層成形体の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、積層成形体の製造方法であって、加圧成形のための対を成す型の間にシート部材と、ガスが流通可能な空間を有する中間材と、基材原料とをこの順で配し、型締めのときに前記シート部材の中間材と反対の面から成形部位の外周に沿って部分的に引張り部材を圧接させてシート部材を張った状態に設けておくことを特徴とする積層成形体の製造方法を提供する。
この方法では、引張り部材と基材原料側の成形型との間でシート部材、中間材、及び基材原料が挟まれるときに、シート部材と基材原料との間のガスを中間材を介して引張り部材が当接されていないシート部材部分と基材原料との間から成形空間外に排出することができる。したがって、シート部材のシワ、たるみを抑制すると同時にシート部材にガス膨れが発生することを抑制して積層成形体を製造することができる。
また、本発明では、基材原料に接触する側にガスが流通可能な空間を有する中間材を備えるシート部材を、成形型の対を成す型であって、前記対を成す型の一方に、突合せ面から突出してキャビティ面の外周に沿って伸びる引張り部と、この引張り部を断絶するようにキャビティ面から突合せ面の外側まで延びる凹状に形成されたガス抜き部とを備える型の間に設ける用意工程と、前記シート部材を前記引張り部とガス抜き部とを備える一方の型に接触させて張った状態に維持して、シート部材と他方の型との間に基材原料を配した状態で成形型を型締めして成形および積層一体化する成形工程とを備える成形体の製造方法を提供する。
この方法で使用する対を成す成形型は、一方の型に引張り部とガス抜き部とを備えており、この一方の型にシート部材が接触するように型締めすることにより、引張り部によってシート部材を張った状態に維持してシワの発生を抑制することができる。このとき、ガス抜き部はシートに圧接しないため、中間材のガスが流通可能な空間を通してガス抜き部に対応する部分からシート部材と基材原料との間のガスを抜くことができる。したがって、成形と同時に積層一体化する方法において、シート部材のシワやガス膨れの発生を抑制して良好に積層成形体を製造することができる。また、本発明のように中間材を一体に備えるシート部材を用いることにより、中間材をも容易に張った状態に保持できる。
また、前記基材原料として、所定の形状を保持する板状物を用い、成形工程では、シート部材と基材原料とを対を成す成形型でプレス成形することにより、シート部材のシワやガス膨れを抑制して、プレスによって種々の形状を備えるボード状の積層成形体を製造することができる。特に、予め固体状態に形成されている基材原料を用いることにより、中間材のガスの流通可能な空間が基材原料によって埋まってしまうことが良好に回避でき、ガスの流通経路を良好に保って成形することができる。
【0007】
また、本発明では、ガスが流通可能な空間を有する中間材を備える複数層からなる積層成形体を製造するための成形型であって、対を成す型と、対を成す型の一方の突合せ面から突出してキャビティ面の外周に沿って延びる引張り部と、前記引張り部を断絶するようにキャビティ面から突合せ面の外側まで延びる凹状に形成されたガス抜き部とを備える成形型を提供する。
この成形型では、キャビティ面から突出する引張り部は、型締め時にキャビティ面に接触する前にシート部材に接触することができ、シート部材を張った状態に設けることができる。一方、ガス抜き部は、引張り部に比して凹状で、且つキャビティ面から突合せ面の外側まで延びているため、シート部材が引張り部で張った状態となったときも、ガス抜き部では、シート部材にかかる張力が小さく、ガスが流通できる空間を提供できる。したがって、引張り部を備えない側の型とシート部材との間に他の成形原料(例えば、基材原料)を配置して成形するとき、他の成形原料とシート部材との間に滞留するガスを型締めの作業中に、ガス抜き部に対応する部分のシート部材と基材原料との間からガス抜き部を通して外部に排出することができる。したがって、ガス膨れやシワなどの成形不良を低減して積層成形体を成形できる型となっている。この成形型では、少なくともキャビティの外周の突出部分に引張り部を設けることにより、ガス抜き部が設けられていてもシート部材のたるみやシワを良好に抑制して、より確実にシート部材を張った状態に維持することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の成形型および積層成形体の製造方法によって成形できる成形体の一実施形態を示す。図1は、建物の内装ドア1であり、図示しない骨格部材と、骨格部材の表面全体を覆う積層成形体10とで形成されている。
本実施形態の積層成形体10は、図2に示すように基材12と、中間材14と、表面材16とをこの順で備える三層構造になっている。基材12は、木質材料、具体的には木質繊維材料が熱可塑性樹脂をバインダとして結合されて形成されている。基材12は、種々の樹脂材料やチップ、繊維などとこれらを結合するバインダとの混合材料など、射出成形やプレス成形によって形成できる種々の材料で形成することができる。
【0009】
中間材14は、本実施形態では、不織布であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)との混合繊維など、ポリエステルやポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の繊維より形成されている。中間材14は、ガスを流通可能な構成であり、具体的には、不織布や連泡タイプの発泡材を選択することができる。また、中間材14は、成形体の表面に柔軟性を付与したり、隣接する他層との接着性を向上させたりする材料から構成することができる。
【0010】
表面材16は、積層成形体10の表面を形成する材料であり、種々の外観、意匠を備えるシート状物より形成される。例えば、本実施形態では木目調の色彩及びシボ模様を備えるポリプロピレン製で形成されている。表面材16としては、植毛や起毛を備える材や、種々の色、模様が付与されている材、また、シボ模様のように立体的な凹凸形状が付与されている材を利用することができる。また、材料としては、製造時、すなわち後述する製造方法の成形工程での成形条件に耐えうる性質(例えば、耐熱性)を有する種々の材料から選択することができる。
【0011】
次に、本発明の一実施形態である成形型30を用いてこの積層成形体10を製造する方法について説明する。
まず、図4,5を参照して成形型30について詳細に説明する。成形型30は、対を成す型31,41を備えている。対を成す型31,41は、公知のコア型とキャビティ型より成る。また、対を成す型31,41は、図5に示すように、成形と同時に積層一体化する装置と同様、シート部材18を型31,41の周囲で挟持して張った状態に保つ公知のクランプ37を装着できるようになっている。なお、本実施形態の対を成す型31,41は、プレス用の公知の型であるが、例えば、射出プレス成形用の型を用いることもできる。
【0012】
対を成す型31,41のうち、積層成形体10を成形するときにシート部材18と当接する側の型31には、引張り部51とガス抜き部52とが設けられている。
引張り部51は、図4に示すように、キャビティ面32の外周に沿って、突合せ面34から突出して設けられる部分である。本実施形態の引張り部51は、外周面に沿って所定の間隔で、複数設けられている。具体的には、図5,6に示すように、断面長方形のブロックによって形成されており、突合せ面34に図示しないボルトによって固定されている。引張り部51は、好ましくは、キャビティ面32に連続し、シート部材18に圧接できるように突出する角部を備えている。角部を備えると、より確実にシート部材18を張った状態に維持することができる。図4に示す型31では、キャビティ面32の外周に連続するブロックの直角の角部分が、シート部材18が圧接可能な角部分51aに形成されている。また、引張り部51は、好ましくは、キャビティ面32の外周形状において他の部分から突出している部分に設けられると、シート部材18を良好に張った状態に維持できる。本実施形態では、図4に示すように、長方形状のキャビティ面32の各角部分を囲うように引張り部51bが設けられている。
【0013】
ガス抜き部52は、引張り部51を断絶するようにキャビティ面32から突合せ面34の外側まで延びる凹状部分である。図4の型31では、引張り部51を突合せ面34に固定したブロックで形成し、ガス抜き部52をブロックを有しない突合せ面34とブロックの壁面とで形成している。ガス抜き部52は、成形形状に合わせて種々の部位に設けることができる。本実施形態では、引張り部51とガス抜き部52とが交互に等間隔で並ぶように設けられている。
【0014】
なお、ガス抜き部52の形状としては、本実施形態のような矩形状断面を有する溝状空間を備える形態に限定されず、扇形の断面を有する溝状空間や細長いスリット状の空間を複数備える形態など、特に限定されない。ガス抜き部52は、少なくとも引張り部51にシート部材18が圧接されるときに圧接されない形状部分である。したがって、突合せ面34よりは突出し、引張り部5よりは突出しない形状でも良い。例えば、突合せ面34全体を被覆する枠体を設け、突合せ面34より突出量がより高い部分を引っ張り部に形成し、この突出量がより低い部分を設けてガス抜き部としても良い。あるいは、型31の突合せ面34に直接凹凸を付与し凸部を引張り部に、凹部をガス抜き部に形成することも可能である。
【0015】
次に、この成形型30を用いて積層成形体10を製造する方法について説明する。
まず、図3に示すように、基材原料20とシート部材18とを用意する。
基材原料20は、型31,41の間に良好に設置でき、且つプレス成形によって所望の形状に成形できるように形成された板状物である。基材原料20としては、種々の熱可塑性樹脂材料および加熱によって架橋する熱硬化性樹脂材料を含む材料を選択することができる。また、これらの樹脂材料をバインダに有し、チップ状、薄片状、繊維状、粒状などに形成された種々の材料、例えば、プラスチック、ゴム、金属、セラミック、ガラス、木質材料などを含む材料でも良い。好適には、木質材料、特に木質繊維材料とバインダとしての熱可塑性樹脂材料とを含有する材料を選択できる。この場合、バインダとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸などのポリエステルを好適に使用できる。
【0016】
図3に示す基材原料20は、予備成形体であり、ケナフの繊維材料とPPの繊維材料とを均一に混合してウェブを形成し、ニードルパンチング等によって締めた後、PPの軟化温度以上の温度で、後で成形できる程度に加圧して得たものである。この基材原料20は、形状が安定化しておりハンドリング性が良い。基材原料20は、成形型30によって成形できれば良いため、例えば、ウェブをニードルパンチングなどによって締めて得られるマット様の柔軟性を備える板状物でも良いし、樹脂材料のみからなる板状ブロックでも良い。
なお、射出プレス成形によって製造する場合は、基材原料は、射出可能な公知の材料であり、溶融もしくは軟化状態でキャビティに供給する。
【0017】
シート部材18は、公知のいわゆる表皮材を用いることができる。例えば、延伸ロールなどによって形成された熱可塑性樹脂シートとすることができる。本実施形態のシート部材18は、図3に示すように、PP製の表面材16と、PET繊維とPP繊維とが混合された不織布より成る中間材14とがラミネートによって一体化されている、いわゆる表皮材である。これは、本明細書における中間材を備えるシート部材に対応する。
【0018】
(用意工程)
まず、シート部材18をクランプ37に張った状態となるように挟んで保持する。次に、クランプ37によって保持されたシート部材18を型31と型41との間に配置する。これにより、シート部材18を対を成す型31,41の間に張った状態で配置することができる。シート部材18は、予めヒータ、オーブンなどで加熱しておいても良い。
【0019】
(成形工程)
プレス成形する本実施形態では、基材原料20を対を成す型31,41の間に配置する。本実施形態では、少なくともバインダであるPPが軟化する温度以上の温度で加圧成形する。加熱は、対を成す型31,41を所定の温度に加熱するホットプレスでも良いが、好ましくは、成形前に基材原料20を加熱しておきコールドプレスする。
【0020】
図5に示すように、基材原料20を引張り部51及びガス抜き部52を備えない型41側に配置し、型締めする。型締めで、型31と型41とが重なりはじめるとき、まず、型41のキャビティ面42の外周端42aと型31の引張り部51(角部分51a)とが近接する。このとき、シート部材18は、引張り部51に圧接して、よりぴんと張った状態となる。また、シート部材18及び基材原料20は、引張り部51とキャビティ面42とで挟みつけられ、キャビティ面42の外周端42aと引張り部51の角部分51aとの間では、基材原料20とシート部材18とが強く挟みつけられて圧着状態となる。このときのようすを図6に示す。
【0021】
図6と同じだけ型31,41が重なり始めたとき、ガス抜き部52の部分では、図7に示すように、型41のキャビティ面42の外周端42aとガス抜き部52との間に隙間があり、シート部材18に加わる張力が小さく、シート部材18と基材原料20との間に圧力が加わらない又はより小さい圧力が加わる。このため、シート部材18と基材原料20との間に滞留していたガスは、シート部材18と基材原料20との圧着圧力が相対的に小さいガス抜き部52に向かって逃げ、ガス抜き部52から外部に排出される。本実施形態では、特に、シート部材18は、基材原料20との接触面にガスが流通可能な中間材14を備えているため、中間材14によってガスが流通する空間をより安定に確保して、良好にガスを抜くことができる。
【0022】
その後もさらに型31,41を締めていき、所定の圧力で図8に示す型締め完了の位置までプレスして、基材原料20及びシート部材18を成形する。この成形工程では、基材原料20の熱によって軟化した熱可塑性樹脂と、シート部材18の加熱又は基材原料20からの熱移動によって軟化した中間材14とを、成形のための圧力を利用して良好に溶着することができる。したがって、型締め後、所定の時間だけ加圧状態を保持してから型開きし、冷却することで、成形と同時にシート部材18と基材12とが一体化された積層成形体10を得ることができる。
【0023】
この製造方法では、シート部材18に接触する側の型31のキャビティ面32の外周に沿って、引張り部51およびガス抜き部52を設けた成形型30を用いることにより、従来と同様の操作による型締めおよび成形を行って、シート部材18の張りを維持したままガス抜き部52からシート部材18と基材原料20との間のガスを抜くことができる。したがって、シート部材18にガス膨れとシワの両方の発生を抑制して積層成形体10を製造することができる。特に、シート部材18と基材原料20との間にガスが流通可能な中間材14を配置しておくことにより、引張り部51と型41側との間で基材原料20とシート部材18とが挟みつけられて気密状態となるときも、基材原料20とシート部材18とにかかる圧力がより小さいガス抜き部52では、中間材14によってガスの流通空間を良好に確保することができる。よって、より確実にガスを抜いて積層一体化することができ、外観の良い積層成形体10を得ることができる。
【0024】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。
引張り部51及びガス抜き部52が設けられる型は、シート部材に直接接する側であり、キャビティ型に限定されず、コア型であっても良い。射出プレス成形型の場合は、溶融樹脂射出用のゲートを備えない側の型である。
また、引張り部51及びガス抜き部52は、成形型に一体化される形態に限定されず、型とは別体で形成された引張り部材とされていても良い。(すなわち、本実施形態の成形型を、引張り部材が一体化された成形型と言うこともできる。)引張り部材は、例えば、図5に示す型31の引張り部51が設けられている部分を図中上下方向に延びる線mで切断した引張り部51側の部分とすることができる。型と別体で形成された引張り部材は、従来の成形型に適用させることも可能である。この場合、引張り部材は、一方の型に対して固定されていても良いし、型締めのときにシート部材18に圧接可能な位置に固定して設けられても良い。
また、中間材は、シート部材に一体化されている場合に限定されず、板状物に形成された基材原料側に予め一体化されていても良いし、あるいは、別体とされて、張った状態のシート部材と基材原料との間に配置されても良い。
また、基材原料、シート部材ともに、単層体、多層体の所望の形態を選択できることはもちろんである。
【0025】
【発明の効果】
本発明では、種々の状態の基材原料とシート部材とを用いて基材原料とシート部材との間のガスを抜きながら同時成形できる成形型を提供することにより、あるいは、種々の状態の固体状態の基材原料とシート部材とを用いて基材原料と表皮材との間のガスを抜きながら同時成形する積層成形体の製造方法を提供することにより、シート部材を用いて積層成形体を製造するときにシート部材にしわが寄ったり、ガス膨れができたりすることを抑制して積層成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層成形体の製造方法で製造される積層成形体の一実施の形態である内装材を備えるドアの斜視図である。
【図2】図1のドアの内装材を拡大した部分断面図である。
【図3】本発明に係る積層成形体の製造方法において用意する基材と表皮材とを示す平面図である。
【図4】本発明に係る積層成形型の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】図4の積層成形型に図3に示す基材及び表皮材をセットした状態を示す断面図である。
【図6】図4の積層成形型を型締めしているときの引張り部部分の断面図である。
【図7】図4の積層成形型を型締めしているときのガス抜き部部分の断面図である。
【図8】図4の積層成形型の型締めを完了して成形するようすを示す断面図である。
【符号の説明】
1 内装ドア
10 積層成形体
12 基材
14 中間材
16 表面材
18 シート部材
20 基材原料
30 成形型
31,41 型
32,42 キャビティ面
34 突合せ面
37 クランプ
51,51b 引張り部
51a 角部分
52 ガス抜き部
Claims (4)
- 積層成形体の製造方法であって、
加圧成形のための対を成す型の間にシート部材とガスが流通可能な空間を有する中間材と基材原料とをこの順で配し、型締めのときに前記シート部材の中間材と反対の面から成形部位の外周に沿って部分的に引張り部材を圧接させてシート部材を張った状態に設けておくことを特徴とする積層成形体の製造方法。 - 基材原料に接触する側にガスが流通可能な空間を有する中間材を備えるシート部材を、成形型の対を成す型であって、前記対を成す型の一方に、突合せ面から突出してキャビティ面の外周に沿って伸びる引張り部と、この引張り部を断絶するようにキャビティ面から突合せ面の外側まで延びる凹状に形成されたガス抜き部とを備える型の間に設ける用意工程と、
前記シート部材を前記引張り部とガス抜き部とを備える一方の型に接触させて張った状態に維持して、シート部材と他方の型との間に基材原料を配した状態で成形型を型締めして成形および積層一体化する成形工程と
を備える、積層成形体の製造方法。 - 前記基材原料として、所定の形状を保持する板状物を用い、成形工程では、シート部材と基材原料とを対を成す成形型でプレス成形する、請求項2に記載の積層成形体の製造方法。
- 複数層からなる積層成形体を製造するための成形型であって、
対を成す型と、
対を成す型の一方の突合せ面から突出してキャビティ面の外周に沿って延びる引張り部と、
前記引張り部を断絶するようにキャビティ面から突合せ面の外側まで延びる凹状に形成されたガス抜き部と
を備える、成形型。
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