JP2004358595A - ボルト残片取外し方法並びにドリルガイド及びレンチ - Google Patents

ボルト残片取外し方法並びにドリルガイド及びレンチ Download PDF

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Abstract

【課題】被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちナットに螺着しているボルト部分がボルト破断により残片として残されたとき、該ボルト残片を従来より簡単、確実に取り外せる方法を提供する。さらに該方法実施に用いるドリルガイド及びレンチを提供する。
【解決手段】ボルト破断によりボルト頭を含む部分940が脱落等したあとに現れるボルト通し穴96にドリル案内路を有するドリルガイドDGを設定し、これに穴あけドリル61を案内させつつボルト残片941にレンチピン挿入穴941aを形成し、次いでガイドDGを外し、ボルト通し穴96にレンチWRを挿入し、そのピン4をボルト残片の穴941aへ嵌入し回すことで残片941を取り外す。ガイドDGはドリル案内路としてドリルガイド孔11を有している。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法並びに該方法の実施に用いるドリルガイド及びレンチに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日各種部材をボルトナットで連結することが広く行われている。かかるボルトナットによる部材連結態様の中には、ナットが被連結部材と一体的に形成されていたり、被連結部材に溶接等で固定されていたり、ボルトナットによる連結後にナット部分がコンクリート等の他の材料中に埋め込まれる、と言うようにボルトナットを分解するにあたってナットを回すことが不可能又は極めて困難な態様が種々見られる。
【0003】
例えば、橋梁構造においては、図9に例示するように、二つの突き合わせ状に配置された橋板等の部材91、92を連結するにあたり、該二つの部材の突き合わせ状配置部分に跨がる、目継ぎ部材などと称される接続部材93が該二つの部材91、92の突き合わせ状配置部分の両側に当てがわれ、一方の部材91とこれを挟む二つの接続部材93が高張力鋼等からなる高強度のボルト94とナット95を用いて強固に連結されるとともに他方の部材92とこれを挟む二つの接続部材93もボルト94とナット95を用いて強固に連結される。
【0004】
そして、部材91、92の上にコンクリート等の道路構築材料が敷設されるときには、通常、図9(A)に示すように、ナット95が上側に、ボルト頭942が下側に配置され、該ナット95はこれに螺合したボルトの一部941とともにコンクリート90等の材料中に埋設される。
【0005】
このようにボルトナットによる被連結部材の連結態様には様々のものがあるが、いずれにしても、ボルトナット連結された被連結部材の使用を重ねるうちに、ボルトナットが破断することがある。例えば、図9(A)に例示する橋梁構造においては、図9(B)に例示するように、ボルト94のナット95に螺合されている部分941の直ぐ近くの部位943でボルト破断が生じ、ナット95に螺合している部分941を残してボルト94の頭部942を含む部分940が脱落してしまうことがある。
【0006】
このようなボルト破断が発生すると、ナットに螺合しているボルト残片を取り外し、新しいボルトを装着しなければならない。かかるボルト残片の除去を行う現場では、従来次のような方法が採用されていた。
【0007】
すなわち、ボルト残片が奥にあるボルト通し穴を介してボルト残片にその破断面からボルトとは逆ネジの穴を刻設し、次いで、ボルト通し穴に挿入した逆ネジの取出し用ボルトを挿入して該逆ネジ穴に螺着し、さらに回すことで該ボルト残片をナットから取り外す方向に回し、それにより該ボルト残片を取り出す方法や、ボルト通し穴を介してボルト残片に放電加工により六角穴を形成し、該六角穴に六角レンチを係合し、該レンチをボルト残片取外し方向に回すことでボルト残片を取り出す方法である。
【0008】
しかし、ボルト残片は狭いボルト通し穴の奥まった深い位置にあり、ボルトは通常硬い材質のものである。従って、前者方法では、ボルト残片に逆ネジを刻設するのに手間どるうえ、精度よく逆ネジを刻設し難い。さらに、該逆ネジに螺着する取出し用ボルトはボルト残片より細い径のものとならざる得ず、ボルト残片に十分な回転力を伝達しようとするとネジが潰れてしまうことがあり、これらによりボルト残片取り出しは困難をきわめる。
【0009】
また、放電加工により六角穴を形成する後者方法においても、ボルト残片回し用六角レンチに対応させて該六角穴を大きさ、形状、位置、向き等の点で精度良く形成することは実際には困難であり、その結果、六角穴は大きくなりすぎたり、位置が狂ったり、向きが狂ったりし、このような六角穴に六角レンチを係合させてボルト残片を回そうとしても、レンチに加えられる回転力がボルト残片に確実に伝わり難く、また、レンチが六角穴から滑り抜け出ることもあり、さらに、これらにより六角穴が損傷してますますボルト残片の取り出しが困難になる。
【0010】
そこで本発明は、複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法であって、従来より簡単、確実に該ボルト残片を取り外せる方法を提供することを課題とする。
【0011】
また、本発明は、複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外すために、該ボルト残片に従来より簡単に精度良く、ボルト残片回し用レンチのピンを係合できるレンチピン挿入穴を形成でき、ひいては従来より簡単、確実なボルト残片取外しを可能にするドリルガイドを提供することを課題とする。
【0012】
さらに本発明は、かかるボルト残片に形成されるレンチピン挿入穴に嵌合して該ボルト残片を取り外し方向に回すレンチであって、レンチピン部分が該レンチピン挿入穴に丁度嵌合でき、その嵌合状態でボルト残片取り外しのために回転させても破損し難く、それだけ簡単、確実にボルト残片を取り外せるレンチを提供することを課題とする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解決するため、次の第1及び第2のボルト残片取外し方法を提供する。
(1)第1のボルト残片取外し方法
複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法であり、
前記ボルトの一部を前記被連結部材から取り外したあとに、又は前記ボルトの一部が前記被連結部材から外れたあとに現れる該被連結部材のボルト通し穴に対してドリルガイドを設定するガイド設定工程と、
前記ガイド設定工程により設定された前記ドリルガイドに穴あけドリルを案内させつつ該穴あけドリルで前記ボルト残片の複数の部位にレンチピン挿入穴を形成する穴あけ工程と、
前記穴あけ工程後、前記ドリルガイドを前記ボルト通し穴から取り外すガイド取外し工程と、
該ガイド取外し工程後、先端に前記ボルト残片に形成された複数個のレンチピン挿入穴に嵌合可能の複数のレンチピンを有するレンチを前記ボルト通し穴に挿入し、該レンチピンを該レンチピン挿入穴に嵌め、該レンチをボルト残片取外し方向に回すことで該ボルト残片を取り外すボルト取外し工程とを含み、
前記ドリルガイドは、前記ボルト通し穴に挿入されて前記レンチピン挿入穴の形成に供される前記穴あけドリルの該ボルト通し穴内での位置を定め振れを抑制するように該穴あけドリルを案内するドリル案内路を有しているボルト残片取外し方法。
【0014】
この第1のボルト残片取外し方法の対象となるボルト残片は、代表的には、複数の被連結部材を重ね連結固定しているボルトナットにおけるボルト残片である。この点は、後述する第2のボルト残片取り外し方法についても同じである。
第1のボルト残片取外し方法によると、ボルト残片にレンチを係合させるためのレンチピン挿入穴を形成するにあたり、ボルト残片が奥にあるボルト通し穴に対しドリルガイドが設置され、このドリルガイドのドリル案内路にドリルを案内させながらボルト残片(より詳しくはその破断露出端面)の複数の所定部位にレンチピン挿入穴を形成するので、該ボルト通し穴が内径に比べて深さが大きい場合でも、該レンチピン挿入穴は、穴サイズ、形状、位置、向き等の点で精度良く、且つ、簡単に形成される。
【0015】
従ってまた、このように精度良く形成されたレンチピン挿入穴にレンチの先端ピンを容易に簡単に、また、従来より確実に挿入させることができる。次いで、該レンチをボルト残片取外し方向に回すと、レンチに加えられる回転力がボルト残片に全体的に十分伝達され、該ボルト残片を従来より簡単、確実に回して取り外すことができる。
【0016】
ボルト残片のレンチピン挿入穴は、該穴に前記レンチのレンチピンを嵌めて該レンチを回せるように複数設けるが、レンチに加えられる回転力がボルト残片にできるだけ全体的に均一に伝達され、それによりボルト残片が容易、確実に回されるように、ボルト残片の回転中心から等距離に且つ等中心角度間隔で、代表的には三つ設けることが好ましい。該穴の数はボルト残片に対し偶力を及ぼし得るように少なくとも二つ以上あればよいが、三つ設ける方がより容易、確実にボルト残片を回すことができる。レンチピン挿入穴は4っつ以上あってもよいが、狭いボルト残片破断面に多くの穴を精度良く形成することはそれだけ困難で、工数もかかり、容易、確実にボルト残片を回すという点では穴数をあまり多くする必要はない。
【0017】
用いるレンチに関して言えば、それは前記ボルト残片に形成されるレンチピン挿入穴の数と同数のレンチピンが該残片の複数のレンチピン挿入穴に丁度嵌合できるように配列されたものであるが、かかるレンチピンはレンチシャフト部の先端に一体的に形成されていることが好ましい。また、レンチピンを先端に支持するレンチシャフトの外径は、レンチピンをボルト残片のレンチピン挿入穴に挿入して該レンチシャフトを回すとき、できるだけボルト通し穴内でぐらつかないように、換言すればボルト通し穴により案内されて、ぐらつきが抑制されるごとく回せるように、該ボルト通し穴の内径より僅かに小さいもの、例えばボルトの外径(ネジ山径)と実質上同径程度であることが好ましい。
【0018】
前記ドリルガイドは、前記ドリル案内路を有するガイド本体部がボルト通し穴に挿入されるものでもよい。また、ドリル案内路は一つだけでもよく、複数設けられていてもよい。ドリル案内路が一つだけ設けられている、或いは複数設けられているがボルト残片に形成すべきレンチピン挿入穴の数よりは少ないというようなドリルガイドについては、該ドリル案内路を有するガイド本体部を例えばボルト通し穴の入口部位及び(又は)その外側の定位置に設置可能の支持部材に回動可能に、且つ、ボルト残片に形成すべきレンチピン挿入穴の配列に対応させて回動可能に支持させてもよい。これにより、ガイド本体部を回してボルト案内路の位置を変更しながら、最終的にボルト残片の複数の所定部位にレンチピン挿入穴を形成できる。
【0019】
本発明は、前記第1のボルト残片取外し方法に用いる前記ドリルガイドとして、構造が簡単で前記ボルト通し穴に対して固定し易く、穴あけドリルを精度良く案内できるものの代表例として次のもの提供する。
【0020】
すなわち、前記ドリル案内路として前記ボルト残片に設ける複数のレンチピン挿入穴に対応する複数のドリルガイド孔を有するとともに、外周面に、それには限定されないが、好ましくは所定中心角度間隔で複数(代表的には3本)形成された楔案内溝を有するガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内されて前記ボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入される楔部材とを含んでいるドリルガイドである。
【0021】
このドリルガイドを採用する場合、前記ボルト残片取外し方法における前記ガイド設定工程では、該ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに該各楔部材を該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入することで該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定すればよい。前記ガイド取外し工程では、前記圧入された楔部材を該圧入位置から緩めることで該楔部材及び前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴から取り外せばよい。
【0022】
例えば、図9(B)に示すボルト通し穴96において、部材91に対し上下の部材93がずれている等により穴96の内面に凹凸が発生しているような場合でも、かかるドリルガイドにおけるガイド本体部をボルト通し穴の奥側及び入口側のそれぞれにおいてより確実に固定できるようにすることで、ドリルガイド全体をボルト通し穴に対し一層確実に固定するために、各楔部材は次のものとしてもよい。
【0023】
すなわち、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用中間部分とからなっており、該先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分がこの順序で該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように前記ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内されて該先端側楔部分及び後端側楔部分がボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入される楔部材である。この場合、中間部分は、例えばガイド本体部の楔案内溝から突出せず、該溝に入り込んでしまえるなど、要するにボルト通し穴内面に圧接されない厚さのものとしておけばよい。
【0024】
このドリルガイドを採用する場合、本発明に係る第1ボルト残片取外し方法における前記ガイド設定工程では、前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに各楔部材について前記先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分をこの順序で、該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ、例えば該後端側楔部分に加圧することで、該先端側楔部分及び後端側楔部分をそれぞれボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入して該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定すればよい。
【0025】
前記ガイド取外し工程では、例えば、前記圧入された各楔部材について前記後端側楔部分をその圧入位置から緩めて取り外し、これに続いて前記中間部分も取り外し、次いで前記ガイド本体部の後端部を動かすことで前記先端側楔部分をその圧入位置から緩めるとともに該先端側楔部分及びガイド本体部をボルト通し穴から取り外せばよい。
【0026】
いずれにしても、ガイド本体部におけるドリル案内路或いはドリルガイド孔はは、ボルト残片に形成すべきレンチピン挿入穴に対応させて形成しておく。すなわち、例えば、ボルト残片に形成するレンチピン挿入穴がボルト残片回転中心線から等距離位置に且つ120°の等中心角度間隔で三つ設けられるべきであるとすると、ガイド本体部におけるドリル案内路或いはドリルガイド孔は、そのような三つのレンチピン挿入穴の形成を可能とする位置に合計三つ形成しておけばよい。
【0027】
なお、ガイド本体部における楔案内溝はガイド本体部をボルト通し穴に挿入配置したとき、該ボルト通し穴の深さ方向に形成されていることが望ましいことは勿論である。
【0028】
(2)第2のボルト残片取り外し方法
複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法であり、
前記ボルトの一部を前記被連結部材から取り外したあとに、又は前記ボルトの一部が前記被連結部材から外れたあとに現れる該被連結部材のボルト通し穴に対して第1ドリルガイドを設定する第1ガイド設定工程と、
前記第1ガイド設定工程により設定された前記第1ドリルガイドに第1穴あけドリルを案内させつつ該穴あけドリルで前記ボルト残片の複数の部位に第1ピン挿入穴を形成する第1穴あけ工程と、
前記第1穴あけ工程後、前記第1ドリルガイドを前記ボルト通し穴から取り外す第1ガイド取外し工程と、
前記第1ガイド取外し工程後、前記被連結部材のボルト通し穴に対して第2ドリルガイドを設定する第2ガイド設定工程と、
前記第2ガイド設定工程により設定された前記第2ドリルガイドに第2穴あけドリルを案内させつつ該穴あけドリルで前記ボルト残片の中央部に、前記第1ピン挿入穴のそれぞれの一部に重ねて中央の第2ピン挿入穴を形成することで、該第2ピン挿入穴の周囲に該各第1ピン挿入穴の残部が一体的に連続するレンチピン挿入穴を形成する第2穴あけ工程と、
前記第2穴あけ工程後、前記第2ドリルガイドを前記ボルト通し穴から取り外す第2ガイド取外し工程と、
前記第2ガイド取外し工程後、前記ボルト残片に形成された前記レンチピン挿入穴に嵌合可能のレンチピンを先端に有するレンチを該レンチピン挿入穴に嵌め、該レンチをボルト残片取外し方向に回すことで該ボルト残片を取り外すボルト取外し工程とを含み、
前記第1ドリルガイドは、前記ボルト通し穴に挿入されて前記第1ピン挿入穴の形成に供される前記第1穴あけドリルの該ボルト通し穴内での位置を定め振れを抑制するように該第1穴あけドリルを案内する第1ドリル案内路を有しており、
前記第2ドリルガイドは、前記ボルト通し穴に挿入されて前記第2ピン挿入穴の形成に供される前記第2穴あけドリルの該ボルト通し穴内での位置を定め振れを抑制するように該第2穴あけドリルを案内する第2ドリル案内路を有しているボルト残片取外し方法。
【0029】
この第2のボルト残片取外し方法によると、ボルト残片にレンチを係合させるためのレンチピン挿入穴は前記第1穴あけ工程及び第2穴あけ工程を経て形成される。このとき、第1穴あけ工程では、ボルト残片が奥にあるボルト通し穴に対し第1ドリルガイドが設置され、この第1ドリルガイドの第1ドリル案内路に第1穴あけドリルを案内させながらボルト残片(より詳しくはその破断露出端面)の複数の所定部位に第1ピン挿入穴を形成し、第2穴あけ工程においても、ボルト通し穴に対し第2ドリルガイドが設置され、この第2ドリルガイドの第2ドリル案内路に第2穴あけドリルを案内させながらボルト残片(より詳しくはその破断露出端面)の中央部に、前記第1ピン挿入穴のそれぞれの一部に重ねて(重複して)第2ピン挿入穴を形成し、これらにより、第2ピン挿入穴の周囲に各第1ピン挿入穴の残部が一体的に連続してなるレンチピン挿入穴を形成する。従って、ボルト通し穴が内径に比べて深さが大きい場合でも、該レンチピン挿入穴は、穴サイズ、形状、位置、向き等の点で精度良く、且つ、簡単に形成される。
【0030】
従ってまた、このように精度良く形成されたレンチピン挿入穴にレンチの先端レンチピンを容易に簡単に、また、従来より確実に挿入させることができる。次いで、該レンチをボルト残片取外し方向に回すと、レンチに加えられる回転力がボルト残片に全体的に十分伝達され、該ボルト残片を従来より簡単、確実に回して取り外すことができる。
【0031】
ボルト残片の前記第1ピン挿入穴は、前記第1方法におけるボルト残片のレンチピン挿入穴と同様、レンチに加えられる回転力がボルト残片にできるだけ全体的に均一に伝達され、それによりボルト残片が容易、確実に回されるように、ボルト残片の回転中心から等距離に且つ等中心角度間隔で複数(代表的には三つ)設けることが好ましい。
【0032】
第2のボルト残片取り外し方法で用いる第1ドリルガイドについては前記第1のボルト残片取り外し方法で用いるドリルガイドと同じものでもよく、該第1方法実施に用いるドリルガイドについての既述の説明はこの第1ドリルガイドについても当てはまる。
【0033】
本発明は、前記第2のボルト残片取外し方法に用いる前記第1ドリルガイドとして、構造が簡単で前記ボルト通し穴に対して固定し易く、第1穴あけドリルを精度良く案内できるものの代表例として次のものを提供する。
【0034】
すなわち、前記第1ドリル案内路として前記ボルト残片に設ける複数の第1ピン挿入穴に対応する複数のドリルガイド孔を有するとともに外周面に複数本形成された楔案内溝を有するガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内される楔部材とを含んでいるドリルガイドである。
【0035】
この第1ドリルガイドを採用する場合、前記第1ガイド設定工程では、該ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに該各楔部材を該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入することで該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定すればよい。前記第1ガイド取外し工程では、前記圧入された楔部材を該圧入位置から緩めることで該楔部材及び前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴から取り外せばよい。
【0036】
該楔部材としては、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用中間部分とからなっており、該先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分がこの順序で該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように前記ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内されて該先端側楔部分及び後端側楔部分がボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入される楔部材を代表例として挙げることができる。この場合、中間部分は、例えばガイド本体部の楔案内溝から突出せず、該溝に入り込んでしまえるなど、要するにボルト通し穴内面に圧接されない厚さのものとしておけばよい。
【0037】
かかる楔部材を含む第1ドリルガイドを採用する場合、第2ボルト残片取外し方法における前記第1ガイド設定工程では、ガイド本体部をボルト通し穴に嵌入するとともに各楔部材について前記先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分をこの順序で、該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ、例えば該後端側楔部分に加圧することで、該先端側楔部分及び後端側楔部分をそれぞれボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入して該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定すればよい。
【0038】
前記1ガイド取外し工程では、例えば、前記圧入された各楔部材について前記後端側楔部分をその圧入位置から緩めて取り外し、これに続いて前記中間部分も取り外し、次いで前記ガイド本体部の後端部を動かすことで前記先端側楔部分をその圧入位置から緩めるとともに該先端側楔部分及びガイド本体部をボルト通し穴から取り外せばよい。
【0039】
いずれにしても、ガイド本体部におけるドリル案内路或いはドリルガイド孔はは、ボルト残片に形成すべき第1ピン挿入穴に対応させて形成しておく。すなわち、例えば、ボルト残片に形成する第1ピン挿入穴がボルト残片回転中心線から等距離位置に且つ120°の等中心角度間隔で三つ設けられるべきであるとすると、ガイド本体部におけるドリル案内路或いはドリルガイド孔は、そのような三つの第1ピン挿入穴の形成を可能とする位置に合計三つ形成しておけばよい。
【0040】
第2のボルト残片取り外し方法で用いる第2ドリルガイドについても前記第2ドリル案内路を有するガイド本体部がボルト通し穴に挿入されるものでもよい。また、第2ドリルガイドは、例えばボルト通し穴の入口部位及び(又は)その外側の定位置に設置可能の支持部材に、ボルト残片に形成すべき第2ピン挿入穴の位置に対応させて支持させてもよい。これによってもボルト残片の中央部に第2ピン挿入穴をを形成できる。
【0041】
本発明は、前記第2のボルト残片取外し方法に用いる前記第2ドリルガイドとして、構造が簡単で前記ボルト通し穴に対して固定し易く、第2穴あけドリルを精度良く案内できるものの代表例として次のもの提供する。
前記第2ドリル案内路として前記ボルト残片の中央部に設ける第2ピン挿入穴に対応する中央ドリルガイド孔を有するとともに外周面に複数本形成された楔案内溝を有し、さらに前記ボルト残片における前記レンチピン挿入穴の形成に供される前記各第1ピン挿入穴に嵌合する位置決めピンがドリルガイド先端において前記中央ドリルガイド孔の周囲に突設されたガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内される楔部材とを含んでいるドリルガイドである。
【0042】
この第2ドリルガイドを採用する場合、前記第2ガイド設定工程では、該ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入して該位置決めピンを前記第1ピン挿入穴に嵌めて位置決めするとともに該各楔部材を該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入することで該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定すればよい。前記第2ガイド取外し工程では、前記圧入された楔部材を該圧入位置から緩めることで該楔部材及び前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴から取り外せばよい。
【0043】
該楔部材としては、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用中間部分とからなっており、該先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分がこの順序で該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように前記ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内されて該先端側楔部分及び後端側楔部分がボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入される楔部材を代表例として挙げることができる。この場合も、中間部分は、例えばガイド本体部の楔案内溝から突出せず、該溝に入り込んでしまえるなど、要するにボルト通し穴内面に圧接されない厚さのものとしておけばよい。
【0044】
かかる第2ドリルガイドを採用する場合、第2ボルト残片取外し方法における前記第2ガイド設定工程では、前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入して該位置決めピンを前記第1ピン挿入穴に嵌めて位置決めするとともに各楔部材について前記先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分をこの順序で、該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ、例えば該後端側楔部分に加圧することで、該先端側楔部分及び後端側楔部分をそれぞれボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入して該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定すればよい。
【0045】
前記2ガイド取外し工程では、例えば、前記圧入された各楔部材について前記後端側楔部分をその圧入位置から緩めて取り外し、これに続いて前記中間部分も取り外し、次いで前記ガイド本体部の後端部を動かすことで前記先端側楔部分をその圧入位置から緩めるとともに該先端側楔部分及びガイド本体部をボルト通し穴から取り外せばよい。
【0046】
以上説明した第2のボルト残片取り外し方法においても、用いるレンチに関して言えば、レンチピンを先端に支持するレンチシャフト部の外径は、前記第1方法の実施に使用するレンチと同様に、レンチピンをボルト残片のレンチピン挿入穴に挿入して該レンチシャフトを回すとき、できるだけボルト通し穴内でぐらつかないように、換言すればボルト通し穴により案内されて、ぐらつきが抑制されるごとく回せるように、該ボルト通し穴の内径より僅かに小さいもの、例えばボルトの外径(ネジ山径)と実質上同径程度であることが好ましい。
【0047】
また、第2のボルト残片取り外し方法に用いるレンチとして次のものを例示できる。
すなわち、前記第1及び第2の穴あけ工程を経て前記ボルト残片に形成されるレンチピン挿入穴に嵌合可能の前記レンチピンとして、前記レンチピン挿入穴のうち前記第2ピン挿入穴に丁度嵌合可能の中央ピン部及び該第2ピン挿入穴に一体的に連続する前記各第1ピン挿入穴の残部に丁度嵌合可能の、該中央ピン部と一体的に形成された周辺ピン部からなり、レンチシャフト部と一体的に形成されているレンチピンを有するレンチである。
【0048】
このレンチは、レンチピン部分がレンチピン挿入穴に丁度嵌合でき、その嵌合状態でボルト残片取り外しのために回転させても破損し難く、それだけ簡単、確実なボルト残片取外しを可能とする。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
以下に説明する本発明実施の形態は、図9(B)に例示するように、橋梁構造において突き合わせ状に配置された橋板等の部材91、92の両側に接続部材93が当てがわれ、これらがボルトナット94、95により連結されているとき、ボルト94が破断してボルト頭を含む部分940が抜け落ちた状態或いはボルト頭を含む部分940を取り外した状態において、コンクリート90中に埋設されたナット95とともに残されたボルト残片941をボルト通し穴96から取り外す場合を例にとって説明するものである。
【0050】
図9に示す例においては、部材91及びその両側の接続部材93、93の3者を重ねて連結固定しているボルト94は、例えば、外径(ネジ山径)22mmで頭部942より下側の長さ(首下長さ)が100mm程度のものである。部材91、93に形成されているボルト通し穴96の内径はボルト94の外径より僅かに大きい。
【0051】
図1はかかるボルト残片941の取り外しに用いるドリルガイド例の斜視図であり、図2は該ドリルガイドの断面図である。図3はドリル残片を最終的に取り外すためのレンチ例の斜視図である。図4はドリル残片取り外し方法を示す工程図である。
【0052】
図1及び図2に示すドリルガイドDGは、ガイド本体部1と3本の楔部材2とからなっている。ガイド本体部1は全体として外径が実質上ボルト94の外径と同程度のものが好ましく、ここでは外径22mmである。長さはボルト通し穴96の入口から奥のボルト残片941までの深さより少し長い。
【0053】
ガイド本体部1は長手方向中心線CLから等距離の位置に、120°の中心角度間隔で合計3本のドリルガイド孔11を有しているとともに、外周部にガイド本体部長手方向に延びる3本の楔案内溝12を有している。楔案内溝12は120°の等中心角度間隔で形成されている。各ドリルガイド孔11はガイド本体部中心線CLと平行に延びている。
【0054】
各ドリルガイド孔11は本例では断面形状円形であり、内径が6mmより僅かに大きいものである。また、各楔案内溝12は、図2に示すようにガイド本体部1の先端部13から後端部14へかけて次第に深く形成されている。換言すれば、楔案内溝12の底面121がガイド本体部中心線CLに対し角度θをなして、ガイド本体部の先端部13から後端部14へかけて次第に該中心線CLへ近づくように斜面に形成されている。角度θは、後述するように先端側楔部分21を取り外すとき、それをできるだけ容易に行えるように、且つ、ガイド本体部1をしっかりとボルト通し穴96に固定できるように設定すればよい。ここで先端部13とはボルト通し穴96の奥へ挿入される先端部であり、後端部14とはその反対側の端部である。各楔案内溝12の溝幅は各部同じである。
【0055】
各楔部材2は図2に示すように、先端側楔部分21と、後端側楔部分22と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用の中間部分23とからなっている。これら部分21〜23のそれぞれは別個に形成されており、先端側楔部分21、中間部分23及び後端側楔部分22の順序で楔案内溝12に配列して用いられる。
【0056】
楔部分21、22のそれぞれは楔案内溝12の前記斜面である底面121に当接する内側斜面211、221を有しているとともに断面円弧形状を呈する外側面212、222を有している。外側面212、222は楔部分21、22を楔案内溝12に設置するとガイド本体部中心線CLと実質上平行姿勢をとって楔案内溝12から少し外側へ突出できる。楔部分21は外側面212に逃げ凹所212aを有するとともに内側斜面211にも逃げ凹所211aを有している。楔部分22は外側面222に逃げ凹所222aと後述するように楔部分22を取り外すための引っ掛け溝222bを有しているとともに内側斜面221にも逃げ凹所221aを有している。
【0057】
中間部分23も楔案内溝12の底面121に当接する内側斜面231を有しているとともに外側面232を有しているが、この中間部材23は楔案内溝12内に嵌まり込んでしまう厚さのもので、後述するように後端側楔部分22に加えられる押圧力を先端側楔部分21に伝達するものであり、これ自体は楔として機能しない。
【0058】
図3に示すレンチWRは、レンチシャフト3の先端面からレンチピン4を突出させたものである。レンチシャフト3の後端部にはハンドル5が設けられている。それには限定されないが、ここではレンチシャフト3は外径が22mmの断面円形を呈しており、レンチピン4は外径が6mmより僅かに小さい断面円形を呈している。ピン4はレンチシャフト3の長手方向中心線(レンチの回転中心線)clから等距離の位置に120°の中心角度間隔で合計3本突設されている。中心線clから各ピン4の中心までの距離は、前記ドリルガイドDGにおける中心線CLからドリルガイド孔11の中心までの距離に実質上一致している。
【0059】
次に図4を参照してボルト残片941を取り外す方法例について説明する。なお、図4では楔部材2は図示簡略化のため一本だけ示してある。
先ず、図4(A)に示すように、ボルト94のボルト頭を含む部分940(図5参照)が抜け落ちた、或いは取り外されたあとのボルト通し穴96にドリルガイドDGのガイド本体部1をその先端部13から挿入するとともに、ガイド本体部1の各楔案内溝12に楔部材2を嵌めて各楔部材2もボルト通し穴96中へ挿入していく。このとき各楔部材2は、先端側楔部分21、中間部分23及び後端側楔部分22をこの順序で、該先端側楔部分21がボルト通し穴26の奥側に位置し得るように楔案内溝12に嵌める。
【0060】
そして、ガイド本体部1及び楔部材2がボルト通し穴96から脱落しないように作業者がこれらを手で支えつつ、ガイド本体部1の中心線CLがボルト通し穴96の深さ方向中心線に実質上合致するように、ボルト通し穴96からはみ出している各楔部材2の後端側楔部分22を適当な順序で少しずつボルト通し穴96内へハンマー等で叩くなどして圧入していく。
【0061】
このようにして図4(A)に示すように、各楔部材2の先端側楔部分21を穴96の奥側においてガイド本体部1の先端側部分と穴96の内面との間に圧入するとともに、後端側楔部分22を穴96の入口側においてガイド本体部1の後端側部分と穴96の内面との間に圧入し、ドリルガイドDG全体をボルト通し穴96に固定する。
【0062】
次いで図4(B)に示すように、ドリル61を装着した穴あけ機6をドリルガイドDG下方に配置して、それには限定されないが(例えば作業者が手で支えててもよいが)、ここではX−Yテーブル7に搭載し、該テーブルを図示省略の定位置部材に設置する。このときドリル61がボルト通し穴96に固定されたガイド本体部1の中心線CLと同方向に、従ってドリルガイド孔11と同方向に向くように穴あけ機6を設置する。
【0063】
ドリル61は所定径の穴(本例では内径6mmの穴)をあけるものである。穴あけ機6は、それには限定されないが、ここではドリル61を回転ハンドル62の操作にて昇降させることができるもので、前記X−Yテーブル7の操作によりドリル61をガイド本体部1の3本のドリルガイド孔11のいずれにでも臨ませることができる。
【0064】
このような準備をして、先ず、ガイド本体部1のいずれかのドリルガイド孔11にドリル61を臨ませ、上昇させて該孔11へ挿入する。このようにしてドリル61を孔11により所定位置で振れを抑制するように案内しつつ回転させてボルト残片941の破断面から該残片941に所定深さの穴941a(図4(C)等参照)をあける。穴941aの深さは前記レンチWRのレンチピン4が十分嵌入できる深さとする。このようにしてドリルガイド孔11を順次利用して、合計3個の穴941aをボルト残片941に穿設する。かかる穴穿設作業はボルト通し穴96の所定位置に固定されたドリルガイドDGのドリルガイド孔11を利用して行えるので、簡単容易に精度よく行える。
【0065】
かくしてボルト残片への穴あけが終了すると、図4(C)に示すように、楔部材2における後端側楔部分22の、ボルト通し穴96からはみ出している部分を利用して、例えば前記引っ掛け凹所222bに図示省略の梃子棒を引っ掛け、該梃子棒を操作するなどして、該楔部分22を緩めてボルト通し穴96から取り出す。落ちてくる中間部分23についてはそれも取り出せばよい。
【0066】
さらに、図4(D)に示すように、ガイド本体部1のボルト通し穴96からはみ出している部分をハンマーで横方向に叩くなどしてボルト本体部1を揺らすことで先端側楔部分21を緩めるとともに該本体部1及び楔部分21、さらには中間部分23が未だ残っているとすればそれもボルト通し穴96から取り出す。
このようにドリルガイドDGは簡単に取り外せる。
【0067】
次いで図4(E)に示すように、前記のレンチWRをボルト通し穴96内へ挿入し、先端の3本のレンチピン4をボルト残片941に形成した三つの穴941aへしっかりと嵌入し、ハンドル5の操作にてレンチWRをボルト残片取り出し方向に回し、図4(F)に示すようにボルト残片941をナット95から外してボルト通し穴96外へ取り出す。その後は穴96に新たなボルト94を挿入し、ナット95に螺合させることができる。
【0068】
ボルト残片941に形成した中心から等距離、且つ、等中心角度間隔で形成した穴941aにレンチピン4を嵌入させて回すので、レンチWRに加える回転力がボルト残片941に全体的、均一的に伝達され、それだけボルト残片を簡単、確実に回すことができ、たやすく取り出すことができる。
【0069】
また、レンチシャフト3はボルト94の外径と同外径であり、ボルト通し穴96を略埋め得るものであるからレンチWRの回転操作をボルト通し穴96に案内させて振れ少なく行うことができ、この点でもボルト残片941の取り出しを簡単、確実に行える。
【0070】
以上説明したボルト残片取外しにおいては図1、図2に示すドリルガイドDGを採用したが、これに代えて例えば図5に示すドリルガイドDG’を採用することもできる。図5(A)はガイドDG’の平面図であり、図5(B)は図5(A)のX−X線に沿う断面図である。
【0071】
図5のドリルガイドDG’は、図1、図2に示すドリルガイドと同様にガイド本体部1’及び三つの楔部材2’を含むものである。ガイド本体部1’は、楔案内溝としてその底面がガイド本体部中心線CLと平行な、従って深さが各部同じである楔案内溝12’が設けられている点を除けば、ガイドDGの本体部1と同構造のものである。図1、図2におけると同じ部分にはそれら図と同じ参照符号を付してある。
【0072】
各楔部材2’は、図9(B)に示すボルト通し穴96において、部材91に対し上下の部材93がずれている等により穴96の内面に凹凸が発生しているような場合でも、ドリルガイド本体部をボルト通し穴の奥側及び入口側のそれぞれにおいて一層確実に固定できるようにするものであり、次のように構成されている。
【0073】
すなわち、各楔部材2’は、図5に示すように、先端側楔部分21’と、後端側楔部分22’と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用の中間部分23’とからなっている。そして、先端側楔部分21’は二つの小楔部分211’からなり、これらは互いに向きを逆にし、それらの斜面が互いに接触せしめられ、且つ、先端側楔部分21’全体として、内面s1及び外面s2がそれぞれガイド本体部中心線CLと平行となるように楔案内溝12’に配置される。
【0074】
後端側楔部分22’も二つの小楔部分221’、221”からなり、これらは互いに向きを逆にし、それらの斜面が互いに接触せしめられ、且つ、先端側楔部分22’全体として、内面S1及び外面S2がそれぞれガイド本体部中心線CLと平行となるように楔案内溝12’に配置される。小楔部分221”は外側面に取外しのための引っ掛け溝221”bを有している。中間部分23’は楔案内溝12’内に嵌まり込んでしまう厚さのもので、これ自体は楔として機能しない。
【0075】
この楔部材2’は、先端側楔部分21’、後端側楔部分22’がそれぞれ小楔部分に分割されているので、被連結部材のボルト通し穴96の内面に凹凸が発生しているような場合でも、より決め細かく、確実にドリルガイド本体部1’をボルト通し穴の奥側及び入口側のそれぞれにおいて固定できる。
なお、各小楔部分211’、221’、221”における斜面のガイド本体部中心線CLに対する傾斜角度θ’は、それには限定されないが、楔部材2’のボルト通し穴からの取り外し易さと、ガイド本体部1’のボルト通し穴への固定との双方を考慮すると、例えば13°程度を挙げることができる。
【0076】
以上説明したボルト残片取り外し方法においては、ボルト残片941の破断端面943に三つのレンチピン挿入穴941a(図4参照)を形成し、これらに図3に示すレンチWRの3本のレンチピン4を嵌合して該ボルト残片を回して外すのであるが、このとき、レンチピン4には曲げモーメントが加わる。そこでこの曲げモーメントによるレンチピン4の破損が懸念される場合、換言すれば、それほど強固にボルト残片941がナット95に螺着している場合には、図6に示す第2のドリルガイドDG”及び図7に示すレンチWR’を用いるボルト残片取り外し方法を実施してもよい。これについて以下説明する。
【0077】
図6(A)は第2ドリルガイドDG”の平面図であり、図6(B)は図6(A)のY−Y線に沿う断面図であり、図6(C)はドリルガイドDG”の本体部の頂部の斜視図である。
図6に示す第2ドリルガイドDG”はガイド本体部1”及び楔部材2’を含むものである。第2ドリルガイドDG”は、そのガイド本体部1”を図5のドリルガイドDG’のガイド本体部1’において、3本のドリルガイド孔11に代え、本体部中心線CLと平行な中央ドリルガイド孔15を設け、さらに、先端13に本体部1”と一体的に形成された3本の位置決めピン16を突設したものである。楔案内溝は図5に示すガイド本体部1’における楔案内溝12’と同じであり、これに嵌合案内される各楔部材も図5に示すドリルガイドDG’の楔部材2’と同じである。なお、楔案内溝や楔部材はこれに限定されるものではなく、図1、図2に示すようなものでもよい。
【0078】
図7に示すレンチWR’は、レンチシャフト3’の先端にレンチピン4’を一体的に形成し、レンチシャフト3’の後端部に装着したハンドル5’で全体を回転させ得るものである。それには限定されないが、ここではレンチシャフト3’は外径が22mmの断面円形を呈している。レンチピン4’は、図6に示すドリルガイドDG”における位置決めピン16と同様の周辺ピン部41’及びこれらと一体的に形成された中央ピン部42’とからなっており、曲げモーメントに十分耐え得る形状、構造に形成されている。中央ピン部42’はそれ自体断面円形の部分で、丁度3本の周辺ピン部41’に囲まれる空間を埋める位置をとっており、周辺ピン部41’は該中央ピン部42’の周囲に120°中心間隔で一体的に形成された恰好となっている。
【0079】
これら第2ドリルガイドDG”及びレンチWR’を用いるボルト残片取り外しは次のように実施する。
すなわち、先に説明したボルト残片取り外しに用いたドリルガイドDG(或いはドリルガイドDG’)を第1ドリルガイドとして、図4に示す工程中、図4(A)〜図4(D)までの工程を実施し、これにより、ボルト残片94に三つの第1ピン挿入孔(941a)(既述のボルト残片取り外し方法においてレンチピン挿入穴と称していた穴)を形成する。第1ピン挿入孔941aの深さは前記レンチWR’のピン4’における周辺ピン部41’が十分嵌入できる深さとする。
【0080】
その後、図8(A)に示すように、ボルト通し穴96に第2ドリルガイドDG”のガイド本体部1”を嵌入して位置決めピン16を第1ピン挿入穴941aに嵌めて位置決めするとともに各楔部材2’をガイド本体部1”の楔案内溝12’に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴96の内面とガイド本体部1”との間に圧入することで該ガイド本体部1”をボルト通し穴96にに固定する。
【0081】
次いで、ドリル61’を装着した穴あけ機6をドリルガイドDG”下方に配置して、それには限定されないが(例えば作業者が手で支えててもよいが)、ここではX−Yテーブル7に搭載し、該テーブルを図示省略の定位置部材に設置する。このときドリル61’がボルト通し穴96に固定されたガイド本体部1”の中心線CLと同方向に、従ってガイド本体部1”の中央ドリルガイド孔15と同方向に向くように穴あけ機6を設置する。なお、ドリルガイド孔15の内径はドリル61’径より僅かに大きく形成しておく。
【0082】
ドリル61’は既述のレンチWR’におけるレンチピン4’の中央ピン部42’が丁度嵌合できる穴をボルト残片端面に形成するものである。穴あけ機6は、それには限定されないが、ここではドリル61’を回転ハンドル62の操作にて昇降させることができるもので、前記X−Yテーブル7の操作によりドリル61’をガイド本体部1”のドリルガイド孔15に臨ませることができる。
【0083】
このような準備をして、ドリル61’を上昇させてガイド本体部1”のドリルガイド孔15へ挿入する。このようにしてドリル61’を孔15により所定位置で振れを抑制するように案内しつつ回転させてボルト残片941の破断面から該残片941の中央部に所定深さの第2ピン挿入穴941bをあける。このとき、図8(B)に示すように、第2ピン挿入穴941bは既に形成されている前記の各第1ピン挿入穴941aの一部(ボルト残片中央側の一部)941a’に重複してあける。穴941bの深さは前記レンチWR’のレンチピン4’の中央ピン部42’が十分嵌入できる深さとする。
【0084】
かくして、断面円形の第2ピン挿入穴941bの周囲に各第1ピン挿入穴941aの残部941a”が120°中心角度間隔で一体的に連続した形態の、前記レンチWR’のレンチピン4’が丁度嵌合できるレンチピン挿入穴941cを形成する。
かかる第2ピン挿入穴の形成は、ボルト通し穴96の所定位置に固定されたドリルガイドDG”のドリルガイド孔15を利用して行えるので、簡単容易に精度よく行える。
【0085】
このようにしてボルト残片へのレンチピン挿入穴の形成が終了すると、楔部材2’におけるボルト通し穴96からはみ出している部分を利用して、例えば、後端側楔部分の小楔部分221”の前記引っ掛け凹所221”bに図示省略の梃子棒を引っ掛け、該梃子棒を操作するなどして、該楔部分221”を緩めてボルト通し穴96から取り出す。落ちてくる小楔部分221’及び中間部分23’についてはそれも取り出せばよい。
【0086】
さらに、ガイド本体部1”のボルト通し穴96からはみ出している部分をハンマーで横方向に叩くなどしてガイド本体部1”を揺らすことで先端側楔部分21’を緩めるとともに該本体部1”及び楔部分21’、さらには中間部分23が未だ残っているとすればそれもボルト通し穴96から取り出す。
【0087】
次いで図8(C)に示すように、レンチWR’をボルト通し穴96内へ挿入し、先端のレンチピン4’をボルト残片941に形成したレンチピン挿入穴941cへしっかりと嵌入し、ハンドル5’の操作にてレンチWR’をボルト残片取り外し方向に回し、ボルト残片941をナット95から外してボルト通し穴96外へ取り出す。その後は、必要に応じ、穴96に新たなボルト94を挿入し、ナット95に螺合させることができる。
【0088】
このようにボルト残片941に形成した中心から等距離、且つ、等中心角度間隔で形成した第1ピン挿入穴941aの残部941a”にレンチピン4’の周辺ピン部41’を嵌入させて回すので、レンチWR’ に加える回転力がボルト残片941に全体的、均一的に伝達され、それだけボルト残片を簡単、確実に回すことができ、たやすく取り出すことができる。また、レンチピン4’は曲げモーメントによる破損の恐れが少ない形態のものであるから、図3に示すレンチWRによる場合よりも一層確実にボルト残片を取り外すことができる。
【0089】
また、レンチシャフト3’はボルト94の外径と同外径であり、ボルト通し穴96を略埋め得るものであるからレンチWR’の回転操作をボルト通し穴96に案内させて振れ少なく行うことができ、この点でもボルト残片941の取り出しを簡単、確実に行える。
【0090】
以上説明した実施形態は、橋梁構造におけるボルト残片の取り出しに関するものであるが、本発明は橋梁構造におけるボルト残片の取り出しに限定されるものではなく、複数の被連結部材を連結固定(代表的には重ね連結固定)しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して該被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す場合に広く適用できる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法であって、従来より簡単、確実に該ボルト残片を取り外せる方法を提供することができる。
【0092】
また、本発明によると、複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外すために、該ボルト残片に従来より簡単に精度良く、ボルト残片回し用レンチのピンを係合できるレンチピン挿入穴を形成でき、ひいては従来より簡単、確実なボルト残片取外しを可能にするドリルガイドを提供することができる。
【0093】
さらに本発明によると、かかるボルト残片に形成されるレンチピン挿入穴に嵌合して該ボルト残片を取り外し方向に回すレンチであって、レンチピン部分が該レンチピン挿入穴に丁度嵌合でき、その嵌合状態でボルト残片取り外しのために回転させても破損し難く、それだけ簡単、確実にボルト残片を取り外せるレンチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボルト残片の取り外しに用いるドリルガイド例の斜視図である。
【図2】図1に示すドリルガイドの断面図である。
【図3】ボルト残片を最終的に取り外すためのレンチ例の斜視図である。
【図4】ドリル残片取り外し方法を示す工程説明図である。
【図5】ドリルガイドの他の例を示すもので、図5(A)は該ドリルガイドの平面図であり、図5(B)は図5(A)のX−X線に沿う断面図である。
【図6】第2ドリルガイドの1例を示すもので、図6(A)は該第2ドリルガイドの平面図であり、図6(B)は図6(A)のY−Y線に沿う断面図であり、図6(C)は該第2ドリルガイドの本体部の頂部の斜視図である。
【図7】レンチの他の例の、一部を切除して示す斜視図である。
【図8】図6に示すドリルガイド及び図7に示すレンチを用いるボルト残片取り外し工程の一部を示す図であり、特に図8(B)は、レンチピン挿入穴の形成を示している。
【図9】図9(A)は二つの部材両側に接続部材を当てがってこれらをボルトナットで連結している状態を示す図であり、図9(B)は一部のボルトが破断した状態を示す図である。
【符号の説明】
DG、DG’ドリルガイド(第1ドリルガイド)
1、1’ガイド本体部
11 ドリルガイド孔
12、12’ 楔案内溝
121 溝12の底面(斜面)
13 ガイド本体先端部
14 ガイド本体後端部
CL ガイド本体部の長手方向中心線
2 楔部材
21 先端側楔部分
211 内側斜面
212 外側面
211a、212a 逃げ凹所
22 後端側楔部分
221 内側斜面
222 外側面
221a、222a 逃げ凹所
222b 引っ掛け凹所
23 加圧力伝達用の中間部分
231 内側斜面
232 外側面
2’ 楔部材
21’ 先端側楔部分
s1 楔部分21’の内面
s2 楔部分21’の外面
211’ 先端側楔部分を構成する小楔部分
22’ 後端側楔部分
S1 楔部分21’の内面
S2 楔部分21’の外面
221’、221”後端側楔部分を構成する小楔部分
221”b 引っ掛け凹所
23’ 加圧力伝達用の中間部分
WR、WR’ レンチ
3、3’ レンチシャフト
4、4’ レンチピン
41’ 周辺ピン部
42’ 中央ピン部
5、5’レンチハンドル
cl レンチシャフトの回転中心線
6 穴あけ機
61、61’ ドリル
62 回転ハンドル
7 X−Yテーブル
91、92 橋板等の部材
93 接続部材
94 ボルト
941 ボルト残片
941a レンチピン挿入穴(或いは第1ピン挿入穴)
941a’ 第1ピン挿入穴の一部
941a” 第1ピン挿入穴の残部
941b 第2ピン挿入穴
941cレンチピン挿入穴
942 ボルト頭
940 ボルト頭を含む部分
943 ボルト破断面
95 ナット
96 ボルト通し穴

Claims (15)

  1. 複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法であり、
    前記ボルトの一部を前記被連結部材から取り外したあとに、又は前記ボルトの一部が前記被連結部材から外れたあとに現れる該被連結部材のボルト通し穴に対してドリルガイドを設定するガイド設定工程と、
    前記ガイド設定工程により設定された前記ドリルガイドに穴あけドリルを案内させつつ該穴あけドリルで前記ボルト残片の複数の部位にレンチピン挿入穴を形成する穴あけ工程と、
    前記穴あけ工程後、前記ドリルガイドを前記ボルト通し穴から取り外すガイド取外し工程と、
    該ガイド取外し工程後、先端に前記ボルト残片に形成された複数個のレンチピン挿入穴に嵌合可能の複数のレンチピンを有するレンチを前記ボルト通し穴に挿入し、該レンチピンを該レンチピン挿入穴に嵌め、該レンチをボルト残片取外し方向に回すことで該ボルト残片を取り外すボルト取外し工程とを含み、
    前記ドリルガイドは、前記ボルト通し穴に挿入されて前記レンチピン挿入穴の形成に供される前記穴あけドリルの該ボルト通し穴内での位置を定め振れを抑制するように該穴あけドリルを案内するドリル案内路を有していることを特徴とするボルト残片取外し方法。
  2. 前記ドリルガイドは、前記ドリル案内路として前記ボルト残片に設ける複数のレンチピン挿入穴に対応する複数のドリルガイド孔を有するとともに外周面に複数本形成された楔案内溝を有するガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内される楔部材とを含んでおり、前記ガイド設定工程では、該ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに該各楔部材を該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入することで該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定し、前記ガイド取外し工程では、前記圧入された楔部材を該圧入位置から緩めることで該楔部材及び前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴から取り外す請求項1記載のボルト残片取外し方法。
  3. 前記楔部材は、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用の中間部分とからなっており、前記ガイド設定工程では、前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに各楔部材について前記先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分をこの順序で、該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該先端側楔部分及び後端側楔部分をそれぞれボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入して該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定する請求項2記載のボルト残片取外し方法。
  4. 請求項1記載のボルト残片取外し方法に用いるドリルガイドであり、前記ボルト残片に設ける複数のレンチピン挿入穴に対応する複数のドリルガイド孔を有するとともに外周面に所定中心角度間隔で複数形成された楔案内溝を有するガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内されて前記ボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入される楔部材とを含んでいることを特徴とするドリルガイド。
  5. 前記楔部材は、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用中間部分とからなっており、該先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分はこの順序で該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内されて該先端側楔部分及び後端側楔部分がボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入され得る請求項4記載のドリルガイド。
  6. 複数の被連結部材を連結固定しているボルトナットのうちボルトの一部が、ボルト破断により、回り止め状態とされているナット及びこれに螺合しているボルト残片を残して前記被連結部材から外れ得る状態となったとき、又は外れたとき、該ボルト残片を取り外す方法であり、
    前記ボルトの一部を前記被連結部材から取り外したあとに、又は前記ボルトの一部が前記被連結部材から外れたあとに現れる該被連結部材のボルト通し穴に対して第1ドリルガイドを設定する第1ガイド設定工程と、
    前記第1ガイド設定工程により設定された前記第1ドリルガイドに第1穴あけドリルを案内させつつ該穴あけドリルで前記ボルト残片の複数の部位に第1ピン挿入穴を形成する第1穴あけ工程と、
    前記第1穴あけ工程後、前記第1ドリルガイドを前記ボルト通し穴から取り外す第1ガイド取外し工程と、
    前記第1ガイド取外し工程後、前記被連結部材のボルト通し穴に対して第2ドリルガイドを設定する第2ガイド設定工程と、
    前記第2ガイド設定工程により設定された前記第2ドリルガイドに第2穴あけドリルを案内させつつ該穴あけドリルで前記ボルト残片の中央部に、前記第1ピン挿入穴のそれぞれの一部に重ねて中央の第2ピン挿入穴を形成することで、該第2ピン挿入穴の周囲に該各第1ピン挿入穴の残部が一体的に連続するレンチピン挿入穴を形成する第2穴あけ工程と、
    前記第2穴あけ工程後、前記第2ドリルガイドを前記ボルト通し穴から取り外す第2ガイド取外し工程と、
    前記第2ガイド取外し工程後、前記ボルト残片に形成された前記レンチピン挿入穴に嵌合可能のレンチピンを先端に有するレンチを該レンチピン挿入穴に嵌め、該レンチをボルト残片取外し方向に回すことで該ボルト残片を取り外すボルト取外し工程とを含み、
    前記第1ドリルガイドは、前記ボルト通し穴に挿入されて前記第1ピン挿入穴の形成に供される前記第1穴あけドリルの該ボルト通し穴内での位置を定め振れを抑制するように該第1穴あけドリルを案内する第1ドリル案内路を有しており、
    前記第2ドリルガイドは、前記ボルト通し穴に挿入されて前記第2ピン挿入穴の形成に供される前記第2穴あけドリルの該ボルト通し穴内での位置を定め振れを抑制するように該第2穴あけドリルを案内する第2ドリル案内路を有していることを特徴とするボルト残片取外し方法。
  7. 前記第1ドリルガイドは、前記第1ドリル案内路として前記ボルト残片に設ける複数の第1ピン挿入穴に対応する複数のドリルガイド孔を有するとともに外周面に複数本形成された楔案内溝を有するガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内される楔部材とを含んでおり、前記第1ガイド設定工程では、該ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに該各楔部材を該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入することで該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定し、前記第1ガイド取外し工程では、前記圧入された楔部材を該圧入位置から緩めることで該楔部材及び前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴から取り外す請求項6記載のボルト残片取外し方法。
  8. 前記楔部材は、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用の中間部分とからなっており、前記第1ガイド設定工程では、前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに各楔部材について前記先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分をこの順序で、該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該先端側楔部分及び後端側楔部分をそれぞれボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入して該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定する請求項7記載のボルト残片取外し方法。
  9. 前記第2ドリルガイドは、前記第2ドリル案内路として前記ボルト残片の中央部に設ける第2ピン挿入穴に対応する中央ドリルガイド孔を有するとともに外周面に複数本形成された楔案内溝を有し、さらに前記ボルト残片における前記レンチピン挿入穴の形成に供される前記各第1ピン挿入穴に嵌合する位置決めピンがドリルガイド先端において前記中央ドリルガイド孔の周囲に突設されたガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内される楔部材とを含んでおり、前記第2ガイド設定工程では、該ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入して該位置決めピンを前記第1ピン挿入穴に嵌めて位置決めするとともに該各楔部材を該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該ボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入することで該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定し、前記第2ガイド取外し工程では、前記圧入された楔部材を該圧入位置から緩めることで該楔部材及び前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴から取り外す請求項6記載のボルト残片取外し方法。
  10. 前記楔部材は、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用の中間部分とからなっており、前記第2ガイド設定工程では、前記ガイド本体部を前記ボルト通し穴に嵌入するとともに各楔部材について前記先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分をこの順序で、該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内させつつ該先端側楔部分及び後端側楔部分をそれぞれボルト通し穴内面と該ガイド本体部との間に圧入して該ガイド本体部を該ボルト通し穴に固定する請求項9記載のボルト残片取外し方法。
  11. 請求項6記載のボルト残片取外し方法において前記第1ドリルガイドとして用いるドリルガイドであり、前記ボルト残片に設ける複数の第1ピン挿入穴に対応する複数のドリルガイド孔を有するとともに外周面に所定中心角度間隔で複数形成された楔案内溝を有するガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内されて前記ボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入される楔部材とを含んでいることを特徴とするドリルガイド。
  12. 前記楔部材は、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用中間部分とからなっており、該先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分はこの順序で該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内されて該先端側楔部分及び後端側楔部分がボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入され得る請求項11記載のドリルガイド。
  13. 請求項6記載のボルト残片取外し方法において前記第2ドリルガイドとして用いるドリルガイドであり、前記ボルト残片の中央部に設ける第2ピン挿入穴に対応する中央ドリルガイド孔を有するとともに外周面に所定中心角度間隔で複数形成された楔案内溝を有し、さらに前記ボルト残片における前記レンチピン挿入穴の形成に供される前記各第1ピン挿入穴に嵌合する位置決めピンがドリルガイド先端において前記中央ドリルガイド孔の周囲に突設されたガイド本体部と、該ガイド本体部の各楔案内溝に嵌合案内される楔部材とを含んでいることを特徴とするドリルガイド。
  14. 前記楔部材は、それぞれが独立して形成されている先端側楔部分と、後端側楔部分と、該先端側及び後端側の楔部分の間に配置される加圧力伝達用中間部分とからなっており、該先端側楔部分、中間部分及び後端側楔部分はこの順序で該先端側楔部分が前記ボルト通し穴の奥側に位置するように該ガイド本体部の楔案内溝に嵌合案内されて該先端側楔部分及び後端側楔部分がボルト通し穴内面と前記ガイド本体部との間に圧入され得る請求項13記載のドリルガイド。
  15. 請求項6記載のボルト残片取外し方法において用いるレンチであり、前記第1及び第2の穴あけ工程を経て前記ボルト残片に形成される前記レンチピン挿入穴に嵌合可能の前記レンチピンとして、前記レンチピン挿入穴のうち前記第2ピン挿入穴に丁度嵌合可能の中央ピン部及び該第2ピン挿入穴に一体的に連続する前記各第1ピン挿入穴の残部に丁度嵌合可能の、該中央ピン部と一体的に形成された周辺ピン部からなり、レンチシャフト部と一体的に形成されているレンチピンを有することを特徴とするレンチ。
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