JP2004358118A - パーマネント用断熱材並びに頭髪に対する電熱ロッドの取付構造及び取付方法 - Google Patents
パーマネント用断熱材並びに頭髪に対する電熱ロッドの取付構造及び取付方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】頭髪Hを巻き付けた電熱ロッド1に対して用いるものであり、柔軟性及び断熱性を有するロッド巻回部21と、ロッド巻回部21に対して連続する位置に間隔保持部23を備えるものであり、電熱ロッド1を頭髪Hに巻きつけた際に、この間隔保持部23を被施術者Pの頭皮Sに当接させることにより、電熱ロッド1を頭皮Sから離して保持できるパーマネント用断熱材2を提供する。これにより、電熱ロッド1から発生する熱が頭皮Sへ過多に伝導されることを防止することができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、パーマネント用断熱材並びに頭髪に対する電熱ロッドの取付構造及び取付方法に関するものである。より詳しくは、美容室などにおけるパーマの施術時に、電熱ロッドから発生する熱が頭皮に対して過多に伝達されることを防止するためのパーマネント用断熱材並びに頭髪に対する電熱ロッドの取付構造及び取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−165221号公報
【0003】
一般的にヘアースタイルは、人の印象を左右する大変重要な要素中の一つであり、特に女性の場合は、ヘアースタイルを装ったり変更したりする為には、多くの時間と苦労を要する。
このようなヘアースタイルは、顔の形態などによって、これに合う形態に変更をして、自身の姿を演出することができるようにしているが、このようなヘアースタイルの変更を行なう代表的な例は、頭髪をカットして長さを調整したり、又は、ウェーブを形成する方法が最も多く利用されており、近日は頭髪を染色したり脱色する方法が多く用いられている。
【0004】
ヘアースタイルを変更することの中で、パーマ、即ち、パーマネントウェーブ処理は、何種類かに分類することができるが、大きく分類するなら下記のようになる。第1は、被施術者Pの頭髪にパーマ液(1剤)を塗布した状態でパーマロッド(以下、ロッドという)に頭髪を巻き付けた後、適当時間経過後に中和剤(2剤)を塗布してウェーブを形成する方法である。この方法の場合には、ロッド自体は発熱しない中空等のロッドに頭髪を巻き付けた自然放置や、促進機等の外部加熱装置によって熱を加えて、パーマ液の反応を促進すると共に頭髪の乾燥を行うものである。これに適するロッドとしては、特許文献1に示すものなどが知られている。
第2は、頭髪に水分がある状態で電熱ロッドで巻き付けた後、熱を発生させて水分を蒸発させ、ウェーブを形成するというものである。この第2の方法は、電源接続時に熱が発生可能な発熱部材を内部に備えた電熱ロッドに頭髪を巻き付け、ロッド自体が発熱する点に特徴がある。
【0005】
図5には、従来のパーマ方式中、第2の場合において、パーマを実施する場合が図示されている。図示されたように、まず、少量の頭髪Hを整然と整えた後、この頭髪Hに適当量のカーリング剤を塗布する。次に、ロットペーパー(図示されていない)等をあてがい、このロットペーパーとともに頭髪Hを円筒形の物品である電熱ロッド101の外周面111に必要な長さだけ巻き付けた後、電熱ロッド101の両端部分にある切欠部112に輪ゴムを引掛け、頭髪Hを電熱ロッド101に固定する。
この状態から、電熱ロッド101に電源を連結させることにより、内部の発熱装置によって熱を発生させ、頭髪Hを乾燥させる。そして、所定時間経過後には、電熱ロッド2の外形の屈曲に応じたウェーブが頭髪Hに形成される。
【0006】
上記に示した第1、第2のパーマ方式は一長一短があるが、第1の方法(加温式)では、加熱のための熱源が頭部より離れた位置にあるのに対して、第2の方法では、頭部の直近のロッドが発熱すると言った基本的な相違がある。そのため、第1の方法では、特許文献1に示されるように、発泡ウレタン等の柔軟な多孔質製の頭髪巻き取りシートを備えたロッドが提案されているものの、この巻き取りシートは、従来より用いられているロットペーパーの代用として開発されているに止まる。即ち、第1の方法では、促進機による加熱即ち、外部からの加熱が頭皮に与える悪影響を考慮する必要は少なく、事実、この特許文献1におけるロッドにあっても、加熱による悪影響を配慮したものではない。
他方、第2のパーマ方式の場合には、頭部の直近に配位される電熱ロッドが熱源となるため、電熱ロッドから発生する熱が頭皮に直接伝導されることにより過多な熱が伝達される場合、頭皮に火傷などの損傷を与えることもあるという問題点があった。
【0007】
上記の第2のパーマ方式における問題点に対し、従来、美容室などでは、頭髪を巻いた状態の電熱ロッドに、断熱性を有するマット状などの形態の断熱材を取り付けて、断熱材越しに電熱ロッドをクリップで留めることにより、電熱ロッドと頭皮との間に断熱材を介在させて、頭皮に過多な熱が伝達されることを防止していた。
しかし、この方法にあっては、電熱ロッドとクリップとの間に断熱材が挟み込まれるという取付構造となるため、電熱ロッドからクリップを取り外した場合には断熱材を床などに落としてしまう場合も多く、取り扱いが煩わしいものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記従来の問題点を解決するために発明されたものであり、電熱ロッドに頭髪を巻き付けて、電熱ロッドと頭皮との間に間隔を持たせることによって、電熱ロッドから発生する熱が頭皮へ過多に伝導されることを防止することのできるパーマネント用断熱材並びに頭髪に対する電熱ロッドの取付構造及び取付方法であって、取り扱いが容易なものを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、電源接続時に加熱する電熱ロッド1を被施術者Pの頭髪Hに巻き付けることにより、パーマネントウェーブ処理を行なうために用いるパーマネント用断熱材2において、柔軟性及び断熱性を有する素材からなるロッド巻回部21とクリップ着脱部22とを備え、ロッド巻回部21は、頭髪Hを巻いた状態の電熱ロッド1の外周面11の少なくとも一部を覆うように取り付られる部分であり、クリップ着脱部22は、電熱ロッド1の外周面11に対して取り付け可能であるクリップ3における挟持部31の少なくとも一部に対して着脱可能な部分であることを特徴とする、パーマネント用断熱材を提供する。
【0010】
また、本願の請求項2に記載の発明は、クリップ着脱部22は、ロッド巻回部21の少なくとも一方側の連続する位置に設けられたものであり、かつ、クリップ3の挟持部31の先端31aが配位される部分であることを特徴とする、請求項1に記載のパーマネント用断熱材を提供する。
ここで、上記の「連続する位置」とは、クリップ着脱部22がロッド巻回部21に対して一体に形成されることなどによる隣接した位置関係と、上記両者間において、他の要素を介在させた位置関係とのどちらも含むものである。
【0011】
また、本願の請求項3に記載の発明は、ロッド巻回部21に対して連続する位置に間隔保持部23を備えるものであり、電熱ロッド1を頭髪Hに巻きつけた際に、この間隔保持部23を被施術者Pの頭皮Sに当接させることにより、電熱ロッド1を頭皮Sから離して保持できることを特徴とする、請求項1または2に記載のパーマネント用断熱材を提供する。
ここで、上記の「連続する位置」とは、間隔保持部23がロッド巻回部21に対して一体に形成されることなどによる隣接した位置関係と、上記の両者間において、他の要素を介在させた位置関係とのどちらも含むものである。
【0012】
また、本願の請求項4に記載の発明は、ロッド巻回部21の一部において、表面側あるいは裏面側の少なくとも一方側に突出したスペーサ部24を設け、このスペーサ部24が備えられた部分のロッド巻回部21にクリップ3の挟持部31を取り付けることにより、ロッド巻回部21に対する、クリップ3の挟持部31の内面31bの全面が密着することを緩和することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のパーマネント用断熱材を提供する。
【0013】
また、本願の請求項5に記載の発明は、電熱ロッド1と断熱材2とクリップ3とが組み合わされたものであって、電熱ロッド1は円筒状のもので、内部に、電源接続時に熱が発生する発熱部材を備え、外周面11に被施術者Pの頭髪Hを巻き付け可能なものであり、断熱材2は、頭髪Hを巻き付けた状態にある電熱ロッド1の、外周面11の少なくとも一部を覆うようにして取り付けられるもので、柔軟性及び断熱性を有する素材からなるマット状のものであり、クリップ3は、電熱ロッド1に取り付け可能なものであって、その少なくとも一部が断熱材2に対して着脱可能となっており、クリップ3を電熱ロッド1から取り外した際においても、クリップ3に断熱材2が付着した状態を維持するものであり、断熱材2が付着した状態のクリップ3の挟持部31を、電熱ロッド1の外周面11を挟むようにして取り付けることにより、電熱ロッド1の外周面11と、クリップ3の挟持部31の内面31bとの間に断熱材2が配位されたものであることを特徴とする、頭髪に対する電熱ロッドの取付構造を提供する。
【0014】
また、本願の請求項6に記載の発明は、内部に、電源接続時に熱が発生する発熱部材を備えた、円筒状の電熱ロッド1と、柔軟性及び断熱性を有する素材からなるマット状の断熱材2と、電熱ロッド1の外周面11に取り付け可能なクリップ3とを用いるものであり、電熱ロッド1の外周面11に、被施術者Pの頭髪Hを巻き付け、断熱材2には、ロッド1の外周面11の少なくとも一部を覆うように取り付られる部分であるロッド巻回部21と、ロッド巻回部21に対して連続する部分である間隔保持部23とを備えるものであり、断熱材2のロッド巻回部21をクリップ3に対して、クリップ3の挟持部31の内面31bに沿うように、少なくとも一部が脱落しないようにして取り付け、頭髪Hを巻きつけた状態の電熱ロッド1の外周面11に対し、ロッド巻回部21をクリップ3と共に取り付けると共に、電熱ロッド1と被施術者Pの頭皮Sとの間に間隔保持部23を配位することにより、電熱ロッド1を頭皮Sから間隔を持って配位可能であることを特徴とする、頭髪に対する電熱ロッドの取付方法を提供する。
【0015】
本願の請求項1に記載の発明にあっては、断熱材2のクリップ着脱部22が、クリップ3における挟持部31の少なくとも一部に対して着脱可能な部分であることより、クリップ3と断熱材2とを一体とでき、電熱ロッド1からクリップ3を取り外した場合などにおいても、断熱材2を床などに落としてしまうことがなく、取り扱いが容易である。
【0016】
また、本願の請求項2に記載の発明にあっては、クリップ着脱部22が、クリップ3の挟持部31の先端31aが配位される部分であることより、クリップ3と断熱材2とを容易に一体とできる。
【0017】
また、本願の請求項3に記載の発明にあっては、電熱ロッド1を頭髪Hに巻きつける際に、この間隔保持部23を被施術者Pの頭皮Sに当接させることにより、電熱ロッド1を頭皮Sから離して保持でき、電熱ロッド1から発生する熱が頭皮Sへ過多に伝導されることを防止することができる。
【0018】
また、本願の請求項4に記載の発明にあっては、スペーサ部24の形成により、ロッド巻回部21に対する、クリップ3の挟持部31の内面31bの全面が密着することを緩和でき、ロッド巻回部21を透過する電熱ロッド1の熱によるクリップ3の過熱を防止できる。
【0019】
また、本願の請求項5に記載の発明にあっては、少なくとも一部が断熱材2に対して着脱可能なクリップ3を用い、頭髪Hを巻き付けた電熱ロッド1の外周面11と、クリップ3の挟持部31の内面31bとの間に断熱材2を配位することにより、取り扱いが容易な、頭髪に対する電熱ロッドの取付構造を提供することができる。
【0020】
また、本願の請求項6に記載の発明にあっては、電熱ロッド1と被施術者Pの頭皮Sとの間に間隔保持部23を配位することにより、電熱ロッド1を頭皮Sから間隔を持って配位し、電熱ロッド1から発生する熱が頭皮Sへ過多に伝導されることを防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1は、本願発明の実施の形態の一例に係るパーマネント用断熱材の斜視図であり、図2は、本例におけるパーマネント用断熱材と電熱ロッドとクリップとを組みあわせた状態を示す斜視図であり、図3は本例におけるクリップの斜視図、図4は本例のパーマネント用断熱材を利用してパーマを施す状態を示す斜視図である。
【0022】
まず、本願発明に係る断熱材2を取り付ける対象である電熱ロッド1について述べる。電熱ロッド1は円筒状のものであり、外周面11に被施術者Pの頭髪Hを巻き付けることができる。また、電熱ロッド1の端面には、電源が供給することのできるソケット(図示しない)が設けられており、電熱ロッド1の内部には電源接続時に発熱する電気ヒータなどの発熱部材が設けられている。よって、パーマ時にソケットを通じて電源を接続させることにより熱を発生させることができ、この熱が電熱ロッド1の外周面11に伝達され、外周面11に巻き付けられた頭髪Hに作用してウェーブさせることができる。
また、電熱ロッド1の両端の枠部分12には、切欠部12aが形成されており、この切欠部12aには、図4に示すように、頭髪Hを電熱ロッド1に巻いた状態で固定するためのリング状のゴム5が掛けられる。
【0023】
次に、本例のパーマネント用断熱材2(以下、断熱材2と記す)は、図1に示すように、電熱ロッド1に巻き付けられるロッド巻回部21と、ロッド巻回部21の一端側に形成されたクリップ着脱部22と、同他端側に形成された間隔保持部23から構成されている。
このような構造を持つ断熱材2において、上記のロッド巻回部21は、電熱ロッド1に対して円滑に巻き付けることのできる材質で構成された矩形のマット状のものである。望ましくは、繊維質又は紙質によって構成されることにより、電熱ロッド1の外周面11に容易に巻き付けられる程度の適切な柔軟性を有するものとする。
【0024】
上記に加え、このロッド巻回部21は、電熱ロッド1から発生する熱を有効に遮断できる程度の断熱性を有する材質で構成される。詳しくは、ロッド巻回部21の一方側の面を電熱ロッド1の外周面11に当接させた際において、電熱ロッド1から発生する熱を反射させるか、あるいは吸収させることにより、ロッド巻回部21の他方側の面まで極力伝達させない程度の断熱性を有するものであり、繊維質やスポンジ質のもの、また織地、編地、不織布のものが例示できる。また、一層構造、多層構造いずれの構造も採用し得る。
また、このロッド巻回部21は、頭髪Hの水分を容易に蒸発させることができるように、水分吸収性若しくは水分透過性を有するものとすることがより望ましい。
このロッド巻回部21の寸法は、電熱ロッド1及び後述するクリップ3の挟持部31の寸法と一致するか、やや大きいものとする。特に、端部に間隔保持部23の形成される長手方向の寸法については、図2に示すように、電熱ロッド1にロッド巻回部21とクリップ3を取り付けた状態において、間隔保持部23がクリップ3と重ならずに、クリップ3の外側に配位できる程度の寸法とすることが望ましい。また、本例においては、このロッド巻回部21を矩形のものとしているが、その形状は適宜変更できる。
【0025】
クリップ着脱部22は、上記のロッド巻回部21に付着されて一体化された部分である。本例においては、ロッド巻回部21の一方側の端部を表面側あるいは裏面側に折り返して形成した部分であり、ロッド巻回部21とクリップ着脱部22とにより、挿入口22bを有するポケット状の空間部22aが形成されている。この空間部22aには、クリップ3の挟持部31の先端31aが差し込まれて配位され、これにより、断熱材2とクリップ3とが容易に脱落しないようになっている。
このクリップ着脱部22によって形成される空間部22aは、図1(A)に示すように、図示手前及び奥側の両側端が開放した形態であっても良いし、この両側端を閉鎖し、挿入口22bのみを開放した形態であっても良い。また、図1(A)に示される手前側の折り返し部分を開放し、図1(B)に示すようにクリップ着脱部22をベルト状とし、そのベルト状のクリップ着脱部22の両端部分22cのみをロッド巻回部21の側端に対して取り付けたものとしても良い。
また、本例においてはロッド巻回部21の一方側の端部にのみクリップ着脱部22を設けたものとしているが、他方側の端部にも設け、クリップ3の挟持部31の両先端共にクリップ着脱部22に取り付けるものとしても良い。
上記のクリップ着脱部22を形成するための方法としては、返し縫いなどの縫製や、接着剤や熱溶着などによる接着等が可能であるが、具体的な方法は自由であり、適宜変更して実施することができる。また、このクリップ着脱部22の材質については、ロッド巻回部21と同一のものとしても良いし、異なる材質のものとしても良い。
【0026】
また、本願発明におけるクリップ着脱部22は、本例のように、ロッド巻回部21の一方側の端部に形成したものに限られず、ベルクロ(Velcro)の登録商標で知られている面状ファスナなどを用いることにより、ロッド巻回部21の、クリップ3の挟持部31の内面31bに接する側の面をクリップ着脱部22とし、このように形成したクリップ着脱部22に対して、クリップ3の挟持部31を取り付け可能としたものであっても良い。このように、本願発明におけるクリップ着脱部22は、クリップ3の挟持部31の少なくとも一部に対して着脱可能な部分であれば良く、その形態は種々に変更して実施が可能である。
【0027】
ここで、本願発明において断熱材2と組み合わせて用いるクリップ3について述べる。本例におけるクリップ3は図3に示すようなものであり、挟持部31と取手部32とを有する。挟持部31は、内面31bが電熱ロッド1の外周面11とほぼ一致する曲率を有するものであり、取手部32は、挟持部31の基端側に一体に形成されたものである。そして、挟持部31と取手部32とを有する第1片3aと、第1片3aとほぼ同一の形態を有する第2片3bとを一組とし、第1片3aと第2片3bとの間がばねを介在させたヒンジ(図示しない)で連結されている。これにより、取手部32をつまむことによって挟持部31を広げ、電熱ロッド1の外周面11にクリップ3を取り付けることができる。
なお、本例においては、挟持部31の先端31aに切欠31cが形成されて櫛状になっており、かつ、第1片3aにおける切欠31cと第2片3bにおける切欠31cとが交互に形成されているため、電熱ロッド1に取り付けを行なわない際においては、第1片3aと第2片3bの挟持部31の各先端31aを、図3に示すように噛み合わせることができるため、コンパクトにできる。
そして本例においては、上記のように、第1片3aあるいは第2片3bにおける挟持部31の先端31aが、断熱材2のクリップ着脱部22における空間部22aに配位されることにより、断熱材2が脱落しないようにクリップ3に取り付けられる。
【0028】
断熱材2における間隔保持部23も、上記のクリップ着脱部22と同様、ロッド巻回部21に付着されて一体化された部分である。本例においては、ロッド巻回部21において、クリップ着脱部22の設けられた側とは逆側の端部に、図1(A)に示すように、ロッド巻回部21と同一の素材を継ぎ足すように取り付け、中空の筒状に形成したものである。本例では、このようにして間隔保持部23に形成された空間部23aに、図2に示すように、小径のロッド4を配位させて使用する。
この間隔保持部23については、上記のクリップ着脱部22と同様に、ロッド巻回部21の端部を表面側あるいは裏面側に折り返し、中空の筒状に形成しても良い。また、空間部23aに間隔保持部23の素材を巻き込むことにより、中実に形成しても良い。
上記の間隔保持部23を形成するための方法としては、上記のクリップ着脱部22と同様、返し縫いなどの縫製や、接着剤や熱溶着などによる接着等が可能であるが、具体的な方法は自由であり、適宜変更して実施することができる。また、この間隔保持部23の材質については、ロッド巻回部21と同一のものとしても良いし、異なる材質のものとしても良い。
【0029】
この間隔保持部23は、図4に示すように、頭髪Hを巻いた電熱ロッド1に断熱材2を取り付けた際において、電熱ロッド1と頭皮Sとの間に挟まれるように配位される。これにより、間隔保持部23を設けない場合に比べて、電熱ロッド1を頭皮Sから離して保持できるため、過多の熱から頭皮Sを守りながら、円滑にパーマを施すことができる。
【0030】
スペーサ部24は、クリップ3の挟持部31の内面31bが当接する部分に対応させて、ロッド巻回部21の表面側あるいは裏面側の一部に設けた突出した部分である。本例では、図2に示すように、クリップ3の挟持部31の先端31aが当接する部分の表面に貼り付けられたパッド状のものである。本例においては、クリップ3の第1片3aと第2片3bの両先端31aに共に当接する部分に設けたものであるが、第1片3aか第2片3bの一方側のみに当接するように設けても良い。
このスペーサ部24の形成により、クリップ3の挟持部31の内面31bが均等にロッド巻回部21に密着するのではなく、スペーサ部24において重点的に密着する。これにより、ロッド巻回部21におけるスペーサ部24以外の部分では、挟持部31の内面31bの全面が密着することを緩和でき、僅かであるが隙間を設けることができるため、ロッド巻回部21を透過する電熱ロッド1の熱をこの隙間で放散できる。よって、クリップ3の挟持部31の内面31bが均等にロッド巻回部21に密着した場合に比べ、ロッド巻回部21を透過する電熱ロッド1の熱によるクリップ3の過熱を防止できる。
【0031】
ここで、上記に説明した断熱材2を利用しパーマを施す方法を説明する。この方法は、電熱ロッド1に対して頭髪Hを巻き付ける工程と、頭髪Hが巻き付けられた電熱ロッド1の外周面に断熱材2を配位させる工程と、電熱ロッド1を発熱させる工程とを含むものである。
まず、被施術者Pの頭髪Hを一定量だけ整え、整えられたこの頭髪Hに所定量のパーマ液(1剤)を塗布する。そして、頭髪Hを電熱ロッド1に必要な分量巻き付け、電熱ロッド1の両側端部に位置する切欠部12aの両側へゴムバンド5を引掛け、頭髪Hを電熱ロッド1へ固定する。
【0032】
ここで、断熱材2のクリップ着脱部22によって形成された空間部22aには、クリップ3の挟持部31の先端31aを配位させておき、あらかじめクリップ3と断熱材2とを一体としておく。また、断熱材2の間隔保持部23における空間部23aには、小型のロッド4を挿入し、間隔保持部23を膨らませておく。
そして、このように頭髪Hを巻き付けた状態の電熱ロッド1に、断熱材2のロッド巻回部21を覆うようにして取り付ける。クリップ3と断熱材2とは既に一体となっているため、クリップ3の取手部32をつまみ、挟持部31の先端31aを広げて挟むようにすることにより、挟持部31の内周面31bと頭髪Hを巻いた電熱ロッド1の外周面11との間にロッド巻回部21を配位することができる。このようにして電熱ロッド1に断熱材2を取り付けた状態を図示したものが図4である。この際、間隔保持部23はロッド巻回部21に取り付けたクリップ3よりも外側に配位される。
ここで、図4に示すように、断熱材2のクリップ着脱部22は、頭皮Sと電熱ロッド1との間に配位され、そして、間隔保持部23は、電熱ロッド1の下方であって頭皮Sとの間に挟まれるように配位される。
【0033】
その後、電熱ロッド1のソケットに電源を接続して通電することにより、電熱ロッド1から熱が発生する。この熱が電熱ロッド1に巻かれた頭髪Hに伝達されることにより、頭髪Hの水分を蒸発させると共に、頭髪Hにウェーブが形成される。
その後、電熱ロッド1からクリップ3と断熱材2を取り外し、電熱ロッド1に巻かれた状態にある毛髪Hに中和液(2剤)を塗布して、頭髪Hに形成されたウェーブを定着させる。
ここで、電熱ロッド1からクリップ3を取り外す場合にも、クリップ3と断熱材2とが一体となっているため、断熱材2を床などに落としてしまうことがなく、取り扱いやすい。
【0034】
上記のように断熱材2の間隔保持部23が、頭皮Sと電熱ロッド1との間に配位されているため、通電中の電熱ロッド1で発生する熱が頭皮Sに到達するまでに一部放散されることにより、頭皮Sに対して過多に熱が伝達されることを防止する。よって、上記のような断熱材2を使用することにより、過多の熱から頭皮Sを守りながら、円滑にパーマを施すことができる。
なお、本例においては、図4に示すように、クリップ着脱部22も頭皮Sと電熱ロッド1との間に配位されるため、このクリップ着脱部22においても副次的に、過多の熱から頭皮Sを守る効果をなす。
【0035】
【発明の効果】
本願の請求項1に記載の発明は、断熱材のクリップ着脱部が、クリップにおける挟持部の少なくとも一部に対して着脱可能な部分であることより、クリップと断熱材とを一体とでき、電熱ロッドからクリップを取り外した場合などにおいても、断熱材を床などに落としてしまうことがなく、取り扱いが容易である。
【0036】
また、本願の請求項2に記載の発明は、上記の効果に加え、クリップ着脱部が、クリップの挟持部の先端が配位される部分であることより、クリップと断熱材とを容易に一体とできる。
【0037】
また、本願の請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明の効果に加え、電熱ロッドを頭髪に巻きつける際に、この間隔保持部を被施術者の頭皮に当接させることにより、電熱ロッドを頭皮から離して保持でき、電熱ロッドから発生する熱が頭皮へ過多に伝導されることを防止することができる。
【0038】
また、本願の請求項4に記載の発明は、上記請求項1から3のいずれかに記載の発明の効果に加え、スペーサ部の形成により、ロッド巻回部に対する、クリップの挟持部の内面の全面が密着することを緩和でき、ロッド巻回部を透過する電熱ロッドの熱によるクリップの過熱を防止できる。
【0039】
また、本願の請求項5に記載の発明は、少なくとも一部が断熱材に対して着脱可能なクリップを用い、頭髪を巻き付けた電熱ロッドの外周面と、クリップの挟持部の内面との間に断熱材を配位することにより、取り扱いが容易な、頭髪に対する電熱ロッドの取付構造を提供することができる。
【0040】
また、本願の請求項6に記載の発明にあっては、電熱ロッドと被施術者の頭皮との間に間隔保持部を配位することにより、電熱ロッドを頭皮から間隔を持って配位し、電熱ロッドから発生する熱が頭皮へ過多に伝導されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本願発明の実施の形態に係るパーマネント用断熱材の斜視図であり、(B)は同パーマネント用断熱材において、クリップ着脱部の形態を変更したものを示す要部の斜視図である。
【図2】本例におけるパーマネント用断熱材と電熱ロッドとクリップとを組みあわせた状態を示す斜視図である。
【図3】本例におけるクリップの斜視図である。
【図4】本例のパーマネント用断熱材を利用してパーマを施す状態を示す斜視図である。
【図5】従来のパーマネントの方法を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 電熱ロッド
11 外周面
2 パーマネント用断熱材
21 ロッド巻回部
22 クリップ着脱部
23 間隔保持部
24 スペーサ部
3 クリップ
31 挟持部
31a 挟持部の先端
31b 挟持部の内面
H 頭髪
P 被施術者
S 頭皮
Claims (6)
- 電源接続時に加熱する電熱ロッド(1)を被施術者(P)の頭髪(H)に巻き付けることにより行なうパーマネントウェーブ処理に用いるパーマネント用断熱材(2)において、
柔軟性及び断熱性を有する素材からなるロッド巻回部(21)とクリップ着脱部(22)とを備え、
ロッド巻回部(21)は、頭髪(H)を巻いた状態の電熱ロッド(1)の外周面(11)の少なくとも一部を覆うように取り付られる部分であり、
クリップ着脱部(22)は、電熱ロッド(1)の外周面(11)に対して取り付け可能であるクリップ(3)における挟持部(31)の少なくとも一部に対して着脱可能な部分であることを特徴とする、パーマネント用断熱材。 - クリップ着脱部(22)は、ロッド巻回部(21)の少なくとも一方側の連続する位置に設けられたものであり、かつ、クリップ(3)の挟持部(31)の先端(31a)が配位される部分であることを特徴とする、請求項1に記載のパーマネント用断熱材。
- ロッド巻回部(21)に対して連続する位置に間隔保持部(23)を備えるものであり、
電熱ロッド(1)を頭髪(H)に巻きつけた際に、この間隔保持部(23)を被施術者(P)の頭皮(S)に当接させることにより、電熱ロッド(1)を頭皮(S)から離して保持できることを特徴とする、請求項1または2に記載のパーマネント用断熱材。 - ロッド巻回部(21)の一部において、表面側あるいは裏面側の少なくとも一方側に突出したスペーサ部(24)を設け、このスペーサ部(24)が備えられた部分のロッド巻回部(21)にクリップ(3)の挟持部(31)を取り付けることにより、ロッド巻回部(21)に対する、クリップ(3)の挟持部(31)の内面(31b)の全面が密着することを緩和することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のパーマネント用断熱材。
- 電熱ロッド(1)と断熱材(2)とクリップ(3)とが組み合わされたものであって、
電熱ロッド(1)は円筒状のもので、内部に、電源接続時に熱が発生する発熱部材を備え、外周面(11)に被施術者(P)の頭髪(H)を巻き付け可能なものであり、
断熱材(2)は、頭髪(H)を巻き付けた状態にある電熱ロッド(1)の、外周面(11)の少なくとも一部を覆うようにして取り付けられるもので、柔軟性及び断熱性を有する素材からなるマット状のものであり、
クリップ(3)は、電熱ロッド(1)に取り付け可能なものであって、その少なくとも一部が断熱材(2)に対して着脱可能となっており、
クリップ(3)を電熱ロッド(1)から取り外した際においても、クリップ(3)に断熱材(2)が付着した状態を維持するものであり、
断熱材(2)が付着した状態のクリップ(3)の挟持部(31)を、電熱ロッド(1)の外周面(11)を挟むようにして取り付けることにより、電熱ロッド(1)の外周面(11)と、クリップ(3)の挟持部(31)の内面(31b)との間に断熱材(2)が配位されたものであることを特徴とする、頭髪に対する電熱ロッドの取付構造。 - 内部に、電源接続時に熱が発生する発熱部材を備えた、円筒状の電熱ロッド(1)と、
柔軟性及び断熱性を有する素材からなるマット状の断熱材(2)と、
電熱ロッド(1)の外周面(11)に取り付け可能なクリップ(3)とを用いるものであり、
電熱ロッド(1)の外周面(11)に、被施術者(P)の頭髪(H)を巻き付け、
断熱材(2)には、ロッド(1)の外周面(11)の少なくとも一部を覆うように取り付られる部分であるロッド巻回部(21)と、ロッド巻回部(21)に対して連続する部分である間隔保持部(23)とを備えるものであり、
断熱材(2)のロッド巻回部(21)をクリップ(3)に対して、クリップ(3)の挟持部(31)の内面(31b)に沿うように、少なくとも一部が脱落しないようにして取り付け、
頭髪(H)を巻きつけた状態の電熱ロッド(1)の外周面(11)に対し、ロッド巻回部(21)をクリップ(3)と共に取り付けると共に、電熱ロッド(1)と被施術者(P)の頭皮(S)との間に間隔保持部(23)を配位することにより、電熱ロッド(1)を頭皮(S)から間隔を持って配位可能であることを特徴とする、頭髪に対する電熱ロッドの取付方法。
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JP2003163199A JP4069018B2 (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | パーマネント用断熱材並びに頭髪に対する電熱ロッドの取付構造及び取付方法 |
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KR200463247Y1 (ko) | 2012-05-04 | 2012-10-25 | 양태광 | 파마용 로드의 클램프 |
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