JP2004358063A - 治療用被着体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光力学療法などによる治療のため有機EL装置を光源として有効に利用し、治療の容易化などを可能にした、治療用被着体を提供する。
【解決手段】身体に被着される被着体2であり、赤色光を発光する有機EL装置3を備えた治療用被着体1である。有機EL装置3は、例えば発光した光が身体に投与された光感受性薬剤を照射してこれを活性化するよう、その光照射面が身体に対して向けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】身体に被着される被着体2であり、赤色光を発光する有機EL装置3を備えた治療用被着体1である。有機EL装置3は、例えば発光した光が身体に投与された光感受性薬剤を照射してこれを活性化するよう、その光照射面が身体に対して向けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣服や靴、サポータ等の身体に被着される被着体に係り、詳しくはこれら被着体に有機EL装置が備えられてなる治療用被着体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)装置としては、基板上に陽極、正孔注入層、EL物質などの電気光学物質からなる発光層、及び陰極等が積層され、さらにこれらが封止基板等によって封止された構造のものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
具体的には、ガラス基板等の透明基板上に、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料からなる陽極と、ポリチオフェン誘導体(以下、PEDOTと略記する)のドーピング体などからなる正孔輸送層と、LEP等の発光物質からなる発光層と、Al等の高融点金属材料や金属化合物からなる陰極とを順次積層したものである。
このような電気光学装置では、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とが、蛍光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失活する際に発光する現象を利用し、表示をなすように構成されている。
【0004】
ところで、近年では光力学療法(photo−dynamic therapy;PDT)と呼ばれる治療法が提案され一部に実施されている。この光力学療法は、例えばポルフェリンを悪性腫瘍の患部組織に注射し、これに光を照射して活性化させることにより、病巣を破壊する方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−87063号公報
【特許文献2】
特開2000−106278号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような光力学療法では、ポルフェリン等の光感受性薬剤を活性化させるための光源として、例えば低出力の赤色光レーザーが用いられている。
しかしながら、レーザー光源は高価でその使用方法も難しく、当然ながら病院等の医療機関で医師等の専門の者に治療を行ってもらう必要がある。したがって、治療の時間が限定されてしまい、またその時間についても長くとることが難しいなど多くの制限を受けてしまう。
一方、前記の有機EL装置では、例えばこれを衣服等に付け、飾りとして用いることは考えられるものの、光力学療法における光源として用いることはもちろん考えられていない。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光力学療法などによる治療のため有機EL装置を光源として有効に利用し、治療の容易化などを可能にした、治療用被着体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の治療用被着体は、身体に被着される被着体において、赤色光を発光する有機EL装置を備えたことを特徴としている。
この治療用被着体によれば、身体に被着される被着体に有機EL装置が備えられているので、この有機EL装置を、特に光力学療法において、投与されたポルフェリン等の光感受性薬剤を活性化させるための光源として用いることができる。その場合に、身に付ける(被着する)被着体に有機EL装置が備えられているので、レーザー光源などの場合と異なり、病院で専門の者に直接治療を受けなくても、例えば家で寝ている間などにこの被着体を単に身に付けておくだけで光感受性薬剤を活性化させることが可能になる。
【0009】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置は、発光した光が身体に投与された光感受性薬剤を照射してこれを活性化するよう、その光照射面が身体に対して向けられているのが好ましい。
このようにすれば、この被着体を単に身に付けておくだけで光感受性薬剤を活性化させることが可能になり、したがって、治療時間に制限を受けることなく任意の時間に治療を行うことが可能になる。
【0010】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置が発光する赤色光は近遠赤外光も含んでいるのが好ましい。
このようにすれば、近遠赤外光の温熱効果により、光力学療法に適用せず、したがって光感受性薬剤を投与しない場合にも、有機EL装置から患部に近遠赤外光を照射することで、治療効果をあげることが可能になる。
【0011】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置の発光層を形成する発光材料が、高分子材料からなっているのが好ましい。
このようにすれば、発光層の形成を、スピンコート法や液滴吐出法等の低温での処理が可能な湿式法で行うことができ、したがって、発光層等を形成する基板として、樹脂フィルムなどの薄くてフレキシブルなものを用いることが可能になる。
【0012】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置が、基板上に一対の電極とこれら電極間に設けられた発光層とを有してなり、前記基板がフレキシブル基板からなっているのが好ましい。
このようにすれば、基板がフレキシブル基板からなっていることにより有機EL装置自体をフレキシブルなものにすることが可能になる。そして、このように有機EL装置自体をフレキシブルにすることにより、例えば被着体が身体の動きに合わせて湾曲するような場合にも、その動きに追従して有機EL装置も変形するようになり、したがって身体の動きに制限が与えられず、これにより通常の生活を続けつつ治療を行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の治療用被着体を詳しく説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の治療用被着体を帯状のものに適用した場合の一実施形態を示す図であり、図1(a)、(b)中符号1は治療用被着体である。この治療用被着体は、被着体2に有機EL装置3を備えて構成されたものである。
【0014】
被着体2は、本実施形態では身体の腹部などに巻き付けることができるよう形成された帯状のもので、布やメッシュ、樹脂シートなどのフレキシブル性や伸縮性を有したもので形成されている。この被着体2には、その両端部に綿ファスナー(マジックテープ(登録商標))やボタンなどの留め具(図示せず)が設けられている。このような構成のもとに、後述するように有機EL装置3の光照射側が患部に向くようにして体に巻き付けた後、図1(b)に示したようにその両端部を留め具で止めることにより、この被着体2を腹部などに固定できるようになっている。
【0015】
有機EL装置3は、フレキシブル性を有した薄いシート状のもので、赤色域の光、すなわち赤色光を発光するものである。この有機EL装置3は、図2に示すように透明基板4上に透明電極5、正孔輸送層5、発光層7、陰極8をこの順に積層して発光素子、すなわち有機EL素子を形成したもので、発光した光を透明基板4側から出射させる、いわゆるボトムエミッション型のものである。
透明基板4としては、特に本実施形態ではフレキシブル性を有したもの、例えば樹脂製のシートやフィルムからなるものが用いられている。なお、特にフレキシブル性を必要としない場合には、透明ガラスや石英等が用いられる。
【0016】
透明電極5は、後述するように発光層7で発光した光を透過させるため、透明導電材料によって形成されたものである。透明導電材料としてはITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。
【0017】
この透明電極5の膜厚については、特に限定されることなく、例えば50〜200nm程度とされる。また、ITO(透明電極5)の表面にはO2プラズマ処理が施されており、これによって電極表面の洗浄、及び仕事関数の調整がなされ、さらに親液性が付与されている。
【0018】
正孔注入層6は、例えばポリチオフェン誘導体やポリピロール誘導体などにポリスチレンスルフォン酸が添加されてなるものから形成されたものである。すなわち、正孔注入層6の形成材料として具体的には、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS=1/20)[商品名;バイトロン−p(Bytron−p):バイエル社製]の分散液、つまり、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオシチオフェンを分散させ、さらにこれを極性溶媒(分散媒)である水に分散させた分散液が好適に用いられる。
【0019】
なお、極性溶媒(分散媒)としては、前記の水に代えてイソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類等を用いることもできる。
また、正孔注入層6の形成材料についても、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
【0020】
発光層7は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料によって形成されている。具体的には、特に高分子材料が好適に用いられ、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等が用いられる。また、これら高分子材料にルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープして用いることもできる。なお、本実施形態では、特に630nm〜670nm程度の波長域の赤色光を発光する材料、例えばペリレン、ローダミン系色素によって形成されている。
【0021】
このような材料を液状化するための溶媒としては、前記正孔注入層6を再溶解しないよう、該正孔注入層6に対して不溶な非極性溶媒が用いられる。特に、発光層形成材料を後述するようにスピンコート法やディップ法によって塗布する場合には、前記非極性溶媒として、トルエン、キシレン等が好適に用いられる。また、インクジェット法等の液滴吐出法によって塗布する場合には、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物が用いられる。
【0022】
陰極8としては、発光層7側(下部側)に仕事関数が小さい材料を形成することが望ましく、例えばCa、Baなどが用いられる。また、上部側には発光層7側よりも仕事関数が高い材料、例えばAlが用いられる。ここで、Alは発光層7からの光を反射する反射層としても機能するものとなる。このような陰極8の膜厚については、100〜1000nmとするのが好ましく、特に200〜500nm程度とするのが好ましい。なお、本実施形態はボトムエミッション型であることから、この陰極50は特に光透過性である必要はない。
【0023】
また、このようにして透明基板4上に形成された有機EL素子には、その透明電極5と陰極8との間に電圧を印加するための電源9が設けられている。この電源9は、有機EL装置3に一体に設けられ、あるいは別に設けられて該有機EL装置3に接続されるもので、透明電極5と陰極8との間に電圧を印加して電流を流すことにより、発光層7で発光をなさせるものである。すなわち、透明電極5と陰極8との間に電圧が印加されると、陽極(透明電極5)側から正孔注入層6を経て注入された正孔と、陰極8側から注入された電子とが発光層7内で結合することにより、発光するようになっている。なお、有機EL素子は基本的に低消費電力のものであるので、この電源9としては携行が可能な小型のもので十分となる。
【0024】
また、このようにして透明基板4上に積層された各層の上には、図示しないものの、これら各層からなる有機EL素子を覆って封止部材が設けられている。この封止部材としては、例えば電気絶縁性を有する板状の封止基板が用いられる。封止基板を用いた場合、この封止基板は前記の有機EL素子を覆った状態で封止樹脂により透明基板4に固定される。封止樹脂としては、例えば熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂が用いられ、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂が好適に用いられる。また、封止基板を用いずに封止樹脂のみを用い、有機EL素子を覆ってこれを封止するようにしてもよい。なお、封止基板を用いる場合、前記の透明基板4と同様に薄くてフレキシブル性を有したもの、例えば樹脂製のシートやフィルムからなるものが用いられる。
【0025】
このような構成からなる有機EL装置3を製造するには、まず、透明基板4を用意する。続いて、これの上に透明導電膜としてITOを蒸着法あるいはスパッタ法等によって成膜し、これにより透明電極5を形成する。
次に、この透明電極5上にプラズマ処理を施し、透明電極5の表面を洗浄するとともに、これに親液性を付与する。このO2プラズマ処理については、例えばプラズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行う。
【0026】
次いで、正孔注入層形成工程によって正孔注入層6を形成する。この正孔注入層形成工程としては、液相プロセスによって数nm〜数百nmオーダーの薄膜を作製する方法が採用される。液相プロセスとは、成膜したい材料を溶解もしくは分散させることで液状体とし、この液状体をスピンコート法やディップ法、あるいは液滴吐出法(インクジェット法)等により、薄膜を作製する方法である。なお、液滴吐出法は任意の箇所に薄膜をパターニングすることができるのに対し、スピンコート法やディップ法は全面塗布に適していることから、この正孔輸送層形成工程においては、スピンコート法やディップ法によって前記の正孔注入層材料を透明電極5上に塗布するようにする。
【0027】
このようにして正孔注入層材料を透明電極5上に塗布したら、続いて乾燥処理および熱処理を行い、正孔輸送層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、透明電極5上に正孔注入層6を例えば数nm〜数百nmオーダーの薄膜に形成する。この乾燥処理については、窒素雰囲気中にて室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度とする条件で行うのが好ましい。また、この乾燥処理後の熱処理については、真空中にて200℃で10分間程度とする条件で行うのが好ましい。
なお、この正孔輸送層形成工程以降は、正孔注入層6および発光層7の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。
【0028】
次いで、発光層形成工程によって発光層7を形成する。この発光層形成工程では、発光材料として高分子材料を用いているので、成膜法として特にスピンコート法やディップ法等の湿式法を採用することができる。すなわち、発光層形成材料をスピンコート法やディップ法で正孔注入層6上に塗布し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、正孔注入層6上に発光層7を形成することができる。ここで、特にスピンコート法やディップ法で発光層形成材料を塗布した場合、透明基板4に窒素を吹き付けるか、あるいは透明基板4を回転させて基板表面に気流を生じさせることにより、乾燥処理を行うのが好ましい。
【0029】
このように、先の正孔注入層6の形成や発光層の形成を、スピンコート法や液滴吐出法等の低温での処理が可能な湿式法で行うことにより、蒸着法やスパッタ法で行う場合に比べて透明基板4に対しての熱的負荷を小さくすることができる。したがって、透明基板4として前述した樹脂フィルムなどの薄くてフレキシブルなものを支障なく使用することができる。
なお、この発光層形成工程では、正孔注入層6の再溶解を防止するため、発光層形成材料に用いる溶媒として、前述したように正孔注入層6に対して不溶な非極性溶媒を用いる。
【0030】
次いで、陰極層形成工程によって陰極8を形成し、有機EL素子を形成する。この陰極層形成工程では、例えば蒸着法やスパッタ法等によってAl等の陰極材料を成膜することにより、陰極8を得る。
その後、封止工程によって有機EL素子の封止を行う。この封止工程では、作製した有機EL素子内部に水や酸素が浸入するのを防ぐため、封止基板と透明基板4とを封止樹脂にて封止する。あるいは、封止基板を用いずに封止樹脂で直接有機EL装置を覆い、これを封止する。なお、この封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。
【0031】
以上の工程を経て作製された有機EL装置3は、両電極間に10V以下の電圧を印加することにより、透明電極5側から特に赤色の光を良好に出射させることができた。
また、このような有機EL装置3は、図1(a)、(b)に示したようにその光照射側、すなわち透明基板4側を外側(被着体2と反対の側)に向け、被着体2の所定箇所、本実施形態では特にその中央部に取り付けられている。ここで、この有機EL装置3の被着体2への取り付けは、接着剤等を用いた接着(貼着)による固定や、綿ファスナー(マジックテープ(登録商標))を用いた着脱可能な取り付けなどが採用される。
【0032】
また、有機EL装置3には、電源9からの電圧印加のオン・オフをなすスイッチ(図示せず)が設けられている。このような構成により、非使用時には、スイッチをオフにして光の照射(発光)が起こらないようにしておくことができるようになっている。また、電源9によって印加する電圧の高低を制御する制御装置を設けておき、発光層7での発光強度、すなわち光の照射強度を変えられるようにしてもよい。
【0033】
なお、この有機EL装置3としては、前述のものに限定されることなく、従来公知の種々のものが採用可能である。例えば、ボトムエミッションタ型に代えてトップエミッション型としてもよく、また、発光効率を高めるため、電子輸送層や電子注入層、正孔輸送層を設けた構成としてもよい。
また、発光層7については、赤外光だけでなく例えば波長が1200nmから1400nm程度の近遠赤外光を発光するものを用いるようにしてもよい。このような波長の近遠赤外光を発光する発光材料としては、例えばネオジム錯体が好適に用いられる。
【0034】
また、発光層7の形成材料についても、高分子材料に代えて低分子材料を用いてもよく、その場合には、特にこの発光層7と陰極8との間に電子注入層又は電子輸送層を設けるのが好ましい。
さらに、有機EL装置3が比較的小さい場合などでは、その透明基板5としてフレキシブル基板でなくガラス基板等を用いてもよく、また、このように小さい場合、複数の有機EL装置3を被着体2に設けるようにしてもよい。
【0035】
次に、このような構成の治療用被着体1の使用方法について説明する。
この治療用被着体1では、その第1の使用方法として光力学療法への適用が挙げられる。この光力学療法は、前述したように例えばポルフェリン等の光感受性薬剤を悪性腫瘍等の患部組織に注射し、この光感受性薬剤に光を照射して活性化させることにより、病巣を破壊する方法である。そして、ポルフェリン等の光感受性薬剤を活性化させるための光照射手段として、本発明では前記の有機EL装置3を用いているのである。
【0036】
すなわち、前記の有機EL装置3は、赤色光を発光してこれを出射するため、青色光や近紫外線に比べて赤色光が生体組織のより深いところにまで到達し、患部に存在するポルフェリン(光感受性薬剤)を活性化させる。すると、有機EL装置3からの赤色光を吸収したポルフェリン(光感受性薬剤)は光エネルギーを細胞内の酸素分子に渡す。エネルギーを受け取った酸素は一重項酸素となり、細胞内の他の物質と反応して破壊性の酸素フリーラジカルを生じ、フリーラジカル作用によって患部におけるガン細胞などを死滅させる。
【0037】
したがって、このような作用により、ポルフェリン等の光感受性薬剤が成長の速い細胞や組織を破壊することから、この治療用被着体1を用いた光力学療法は加齢性黄斑変性症、ガン、動脈硬化の原因となるアテローム斑などの病気の治療に効果が期待されるものとなる。
また、特に本発明の治療用被着体1にあっては、この被着体1を単に身に付けておき、有機EL装置3から患部に向けて光を照射するだけで、光感受性薬剤を活性化させることができる。したがって、当初において医師による診断及び光感受性薬剤の投与を受け、さらに治療に関する指導等を受けておくことにより、その後は例えば家でも一人で簡単に治療を行うことができ、また就業中に治療を行うこともできる。したがって、治療時間に制限を受けることなく任意の時間、例えば寝ている時間に治療を行うことができる。
【0038】
また、被着体2がフレキシブル性や伸縮性を有しており、さらに有機EL装置3もフレキシブル性を有した薄いシート状のものとなっているので、治療用被着体1全体が身体の動きに合わせて変形するものとなる。したがって、身体の動きに制限が与えられず、これにより歩行等の動作が可能となり、よって通常の生活を続けつつ治療を行うことができる。なお、有機EL装置3がフレキシブル性を有していない場合にも、特にこれが小さい場合には、この有機EL装置3が身体の動きに追従可能となり、したがって身体の動きを大きく制限するものとはならない。
また、このように身体の動きを制限せず、よって通常の生活を続けつつ治療を行うことができることから、長時間の光照射が可能になる。したがって、照射する光の強度を低く設定することにより、有機EL装置3の長寿命化を図ることもできる。
【0039】
また、治療用被着体1の第2の使用方法では、特に発光層7として、前記した例えば波長が1200nmから1400nm程度の近遠赤外光を発光するものを用いる。近遠赤外線には、人体の皮膚に浸透して細胞を共振、活性化させ、身体を芯から温める大きな温熱効果がある。そこで、この第2の使用方法では、光感受性薬剤を投与することなく、単に有機EL装置3から患部に近遠赤外光を照射することで、その温熱効果によって治療効果をあげるようにしている。
このように治療用被着体1によって患部に近遠赤外光を照射することにより、毛細血管の血流を盛んにすることができ、したがって疲労回復、筋肉痛、腰痛、リュウマチ、痔、更年期障害、水虫等に効果をあげることができる。
【0040】
なお、前記実施形態では有機EL装置3を備える被着体2として、身体の腹部などに巻き付けることができるように帯状のものとしたが、本発明の治療用被着体はこれに限定されることなく、身体に被着されるものであればその形態や形状など種々のものが適用可能である。
例えば、被着体として下着や上着、靴下などの衣服を用い、これの内側に有機EL装置3を設けてもよく、さらに、被着体としての衣服が薄い場合には、これの外側に有機EL装置3を設けて被着体を透過させて身体に光を照射させるようにしてもよい。さらに、衣服以外にも、リストバンドや腹巻、ベルト、手袋、靴、帽子などの身に付けるもの、包帯や絆創膏など直接身体に付けるものを被着体とし、これに有機EL装置3を設けるようにしてもよい。
【0041】
また、特に前記実施形態では、有機EL装置3として、単に赤色光(近遠赤外光を含む)を出射する光源としての機能のみを持たせたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、有機EL装置3に前記の光源として機能する部分とは別に文字等を表示する部分を設けてもよく、あるいは、光源としての有機EL装置3とは別に文字等を表示する有機EL装置を設けてもよい。このように文字等を表示する部分あるいは有機EL装置を設けることにより、例えば治療を行っている人(患者)の病状や体調などを記録しておき、電子カルテとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は治療用被着体の一実施形態を示す図である。
【図2】有機EL装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…治療用被着体、2…被着体、3…有機EL装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣服や靴、サポータ等の身体に被着される被着体に係り、詳しくはこれら被着体に有機EL装置が備えられてなる治療用被着体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)装置としては、基板上に陽極、正孔注入層、EL物質などの電気光学物質からなる発光層、及び陰極等が積層され、さらにこれらが封止基板等によって封止された構造のものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
具体的には、ガラス基板等の透明基板上に、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料からなる陽極と、ポリチオフェン誘導体(以下、PEDOTと略記する)のドーピング体などからなる正孔輸送層と、LEP等の発光物質からなる発光層と、Al等の高融点金属材料や金属化合物からなる陰極とを順次積層したものである。
このような電気光学装置では、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とが、蛍光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失活する際に発光する現象を利用し、表示をなすように構成されている。
【0004】
ところで、近年では光力学療法(photo−dynamic therapy;PDT)と呼ばれる治療法が提案され一部に実施されている。この光力学療法は、例えばポルフェリンを悪性腫瘍の患部組織に注射し、これに光を照射して活性化させることにより、病巣を破壊する方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−87063号公報
【特許文献2】
特開2000−106278号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような光力学療法では、ポルフェリン等の光感受性薬剤を活性化させるための光源として、例えば低出力の赤色光レーザーが用いられている。
しかしながら、レーザー光源は高価でその使用方法も難しく、当然ながら病院等の医療機関で医師等の専門の者に治療を行ってもらう必要がある。したがって、治療の時間が限定されてしまい、またその時間についても長くとることが難しいなど多くの制限を受けてしまう。
一方、前記の有機EL装置では、例えばこれを衣服等に付け、飾りとして用いることは考えられるものの、光力学療法における光源として用いることはもちろん考えられていない。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光力学療法などによる治療のため有機EL装置を光源として有効に利用し、治療の容易化などを可能にした、治療用被着体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の治療用被着体は、身体に被着される被着体において、赤色光を発光する有機EL装置を備えたことを特徴としている。
この治療用被着体によれば、身体に被着される被着体に有機EL装置が備えられているので、この有機EL装置を、特に光力学療法において、投与されたポルフェリン等の光感受性薬剤を活性化させるための光源として用いることができる。その場合に、身に付ける(被着する)被着体に有機EL装置が備えられているので、レーザー光源などの場合と異なり、病院で専門の者に直接治療を受けなくても、例えば家で寝ている間などにこの被着体を単に身に付けておくだけで光感受性薬剤を活性化させることが可能になる。
【0009】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置は、発光した光が身体に投与された光感受性薬剤を照射してこれを活性化するよう、その光照射面が身体に対して向けられているのが好ましい。
このようにすれば、この被着体を単に身に付けておくだけで光感受性薬剤を活性化させることが可能になり、したがって、治療時間に制限を受けることなく任意の時間に治療を行うことが可能になる。
【0010】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置が発光する赤色光は近遠赤外光も含んでいるのが好ましい。
このようにすれば、近遠赤外光の温熱効果により、光力学療法に適用せず、したがって光感受性薬剤を投与しない場合にも、有機EL装置から患部に近遠赤外光を照射することで、治療効果をあげることが可能になる。
【0011】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置の発光層を形成する発光材料が、高分子材料からなっているのが好ましい。
このようにすれば、発光層の形成を、スピンコート法や液滴吐出法等の低温での処理が可能な湿式法で行うことができ、したがって、発光層等を形成する基板として、樹脂フィルムなどの薄くてフレキシブルなものを用いることが可能になる。
【0012】
また、前記治療用被着体においては、前記有機EL装置が、基板上に一対の電極とこれら電極間に設けられた発光層とを有してなり、前記基板がフレキシブル基板からなっているのが好ましい。
このようにすれば、基板がフレキシブル基板からなっていることにより有機EL装置自体をフレキシブルなものにすることが可能になる。そして、このように有機EL装置自体をフレキシブルにすることにより、例えば被着体が身体の動きに合わせて湾曲するような場合にも、その動きに追従して有機EL装置も変形するようになり、したがって身体の動きに制限が与えられず、これにより通常の生活を続けつつ治療を行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の治療用被着体を詳しく説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の治療用被着体を帯状のものに適用した場合の一実施形態を示す図であり、図1(a)、(b)中符号1は治療用被着体である。この治療用被着体は、被着体2に有機EL装置3を備えて構成されたものである。
【0014】
被着体2は、本実施形態では身体の腹部などに巻き付けることができるよう形成された帯状のもので、布やメッシュ、樹脂シートなどのフレキシブル性や伸縮性を有したもので形成されている。この被着体2には、その両端部に綿ファスナー(マジックテープ(登録商標))やボタンなどの留め具(図示せず)が設けられている。このような構成のもとに、後述するように有機EL装置3の光照射側が患部に向くようにして体に巻き付けた後、図1(b)に示したようにその両端部を留め具で止めることにより、この被着体2を腹部などに固定できるようになっている。
【0015】
有機EL装置3は、フレキシブル性を有した薄いシート状のもので、赤色域の光、すなわち赤色光を発光するものである。この有機EL装置3は、図2に示すように透明基板4上に透明電極5、正孔輸送層5、発光層7、陰極8をこの順に積層して発光素子、すなわち有機EL素子を形成したもので、発光した光を透明基板4側から出射させる、いわゆるボトムエミッション型のものである。
透明基板4としては、特に本実施形態ではフレキシブル性を有したもの、例えば樹脂製のシートやフィルムからなるものが用いられている。なお、特にフレキシブル性を必要としない場合には、透明ガラスや石英等が用いられる。
【0016】
透明電極5は、後述するように発光層7で発光した光を透過させるため、透明導電材料によって形成されたものである。透明導電材料としてはITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。
【0017】
この透明電極5の膜厚については、特に限定されることなく、例えば50〜200nm程度とされる。また、ITO(透明電極5)の表面にはO2プラズマ処理が施されており、これによって電極表面の洗浄、及び仕事関数の調整がなされ、さらに親液性が付与されている。
【0018】
正孔注入層6は、例えばポリチオフェン誘導体やポリピロール誘導体などにポリスチレンスルフォン酸が添加されてなるものから形成されたものである。すなわち、正孔注入層6の形成材料として具体的には、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS=1/20)[商品名;バイトロン−p(Bytron−p):バイエル社製]の分散液、つまり、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオシチオフェンを分散させ、さらにこれを極性溶媒(分散媒)である水に分散させた分散液が好適に用いられる。
【0019】
なお、極性溶媒(分散媒)としては、前記の水に代えてイソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類等を用いることもできる。
また、正孔注入層6の形成材料についても、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
【0020】
発光層7は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料によって形成されている。具体的には、特に高分子材料が好適に用いられ、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等が用いられる。また、これら高分子材料にルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープして用いることもできる。なお、本実施形態では、特に630nm〜670nm程度の波長域の赤色光を発光する材料、例えばペリレン、ローダミン系色素によって形成されている。
【0021】
このような材料を液状化するための溶媒としては、前記正孔注入層6を再溶解しないよう、該正孔注入層6に対して不溶な非極性溶媒が用いられる。特に、発光層形成材料を後述するようにスピンコート法やディップ法によって塗布する場合には、前記非極性溶媒として、トルエン、キシレン等が好適に用いられる。また、インクジェット法等の液滴吐出法によって塗布する場合には、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物が用いられる。
【0022】
陰極8としては、発光層7側(下部側)に仕事関数が小さい材料を形成することが望ましく、例えばCa、Baなどが用いられる。また、上部側には発光層7側よりも仕事関数が高い材料、例えばAlが用いられる。ここで、Alは発光層7からの光を反射する反射層としても機能するものとなる。このような陰極8の膜厚については、100〜1000nmとするのが好ましく、特に200〜500nm程度とするのが好ましい。なお、本実施形態はボトムエミッション型であることから、この陰極50は特に光透過性である必要はない。
【0023】
また、このようにして透明基板4上に形成された有機EL素子には、その透明電極5と陰極8との間に電圧を印加するための電源9が設けられている。この電源9は、有機EL装置3に一体に設けられ、あるいは別に設けられて該有機EL装置3に接続されるもので、透明電極5と陰極8との間に電圧を印加して電流を流すことにより、発光層7で発光をなさせるものである。すなわち、透明電極5と陰極8との間に電圧が印加されると、陽極(透明電極5)側から正孔注入層6を経て注入された正孔と、陰極8側から注入された電子とが発光層7内で結合することにより、発光するようになっている。なお、有機EL素子は基本的に低消費電力のものであるので、この電源9としては携行が可能な小型のもので十分となる。
【0024】
また、このようにして透明基板4上に積層された各層の上には、図示しないものの、これら各層からなる有機EL素子を覆って封止部材が設けられている。この封止部材としては、例えば電気絶縁性を有する板状の封止基板が用いられる。封止基板を用いた場合、この封止基板は前記の有機EL素子を覆った状態で封止樹脂により透明基板4に固定される。封止樹脂としては、例えば熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂が用いられ、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂が好適に用いられる。また、封止基板を用いずに封止樹脂のみを用い、有機EL素子を覆ってこれを封止するようにしてもよい。なお、封止基板を用いる場合、前記の透明基板4と同様に薄くてフレキシブル性を有したもの、例えば樹脂製のシートやフィルムからなるものが用いられる。
【0025】
このような構成からなる有機EL装置3を製造するには、まず、透明基板4を用意する。続いて、これの上に透明導電膜としてITOを蒸着法あるいはスパッタ法等によって成膜し、これにより透明電極5を形成する。
次に、この透明電極5上にプラズマ処理を施し、透明電極5の表面を洗浄するとともに、これに親液性を付与する。このO2プラズマ処理については、例えばプラズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行う。
【0026】
次いで、正孔注入層形成工程によって正孔注入層6を形成する。この正孔注入層形成工程としては、液相プロセスによって数nm〜数百nmオーダーの薄膜を作製する方法が採用される。液相プロセスとは、成膜したい材料を溶解もしくは分散させることで液状体とし、この液状体をスピンコート法やディップ法、あるいは液滴吐出法(インクジェット法)等により、薄膜を作製する方法である。なお、液滴吐出法は任意の箇所に薄膜をパターニングすることができるのに対し、スピンコート法やディップ法は全面塗布に適していることから、この正孔輸送層形成工程においては、スピンコート法やディップ法によって前記の正孔注入層材料を透明電極5上に塗布するようにする。
【0027】
このようにして正孔注入層材料を透明電極5上に塗布したら、続いて乾燥処理および熱処理を行い、正孔輸送層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、透明電極5上に正孔注入層6を例えば数nm〜数百nmオーダーの薄膜に形成する。この乾燥処理については、窒素雰囲気中にて室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度とする条件で行うのが好ましい。また、この乾燥処理後の熱処理については、真空中にて200℃で10分間程度とする条件で行うのが好ましい。
なお、この正孔輸送層形成工程以降は、正孔注入層6および発光層7の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。
【0028】
次いで、発光層形成工程によって発光層7を形成する。この発光層形成工程では、発光材料として高分子材料を用いているので、成膜法として特にスピンコート法やディップ法等の湿式法を採用することができる。すなわち、発光層形成材料をスピンコート法やディップ法で正孔注入層6上に塗布し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、正孔注入層6上に発光層7を形成することができる。ここで、特にスピンコート法やディップ法で発光層形成材料を塗布した場合、透明基板4に窒素を吹き付けるか、あるいは透明基板4を回転させて基板表面に気流を生じさせることにより、乾燥処理を行うのが好ましい。
【0029】
このように、先の正孔注入層6の形成や発光層の形成を、スピンコート法や液滴吐出法等の低温での処理が可能な湿式法で行うことにより、蒸着法やスパッタ法で行う場合に比べて透明基板4に対しての熱的負荷を小さくすることができる。したがって、透明基板4として前述した樹脂フィルムなどの薄くてフレキシブルなものを支障なく使用することができる。
なお、この発光層形成工程では、正孔注入層6の再溶解を防止するため、発光層形成材料に用いる溶媒として、前述したように正孔注入層6に対して不溶な非極性溶媒を用いる。
【0030】
次いで、陰極層形成工程によって陰極8を形成し、有機EL素子を形成する。この陰極層形成工程では、例えば蒸着法やスパッタ法等によってAl等の陰極材料を成膜することにより、陰極8を得る。
その後、封止工程によって有機EL素子の封止を行う。この封止工程では、作製した有機EL素子内部に水や酸素が浸入するのを防ぐため、封止基板と透明基板4とを封止樹脂にて封止する。あるいは、封止基板を用いずに封止樹脂で直接有機EL装置を覆い、これを封止する。なお、この封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。
【0031】
以上の工程を経て作製された有機EL装置3は、両電極間に10V以下の電圧を印加することにより、透明電極5側から特に赤色の光を良好に出射させることができた。
また、このような有機EL装置3は、図1(a)、(b)に示したようにその光照射側、すなわち透明基板4側を外側(被着体2と反対の側)に向け、被着体2の所定箇所、本実施形態では特にその中央部に取り付けられている。ここで、この有機EL装置3の被着体2への取り付けは、接着剤等を用いた接着(貼着)による固定や、綿ファスナー(マジックテープ(登録商標))を用いた着脱可能な取り付けなどが採用される。
【0032】
また、有機EL装置3には、電源9からの電圧印加のオン・オフをなすスイッチ(図示せず)が設けられている。このような構成により、非使用時には、スイッチをオフにして光の照射(発光)が起こらないようにしておくことができるようになっている。また、電源9によって印加する電圧の高低を制御する制御装置を設けておき、発光層7での発光強度、すなわち光の照射強度を変えられるようにしてもよい。
【0033】
なお、この有機EL装置3としては、前述のものに限定されることなく、従来公知の種々のものが採用可能である。例えば、ボトムエミッションタ型に代えてトップエミッション型としてもよく、また、発光効率を高めるため、電子輸送層や電子注入層、正孔輸送層を設けた構成としてもよい。
また、発光層7については、赤外光だけでなく例えば波長が1200nmから1400nm程度の近遠赤外光を発光するものを用いるようにしてもよい。このような波長の近遠赤外光を発光する発光材料としては、例えばネオジム錯体が好適に用いられる。
【0034】
また、発光層7の形成材料についても、高分子材料に代えて低分子材料を用いてもよく、その場合には、特にこの発光層7と陰極8との間に電子注入層又は電子輸送層を設けるのが好ましい。
さらに、有機EL装置3が比較的小さい場合などでは、その透明基板5としてフレキシブル基板でなくガラス基板等を用いてもよく、また、このように小さい場合、複数の有機EL装置3を被着体2に設けるようにしてもよい。
【0035】
次に、このような構成の治療用被着体1の使用方法について説明する。
この治療用被着体1では、その第1の使用方法として光力学療法への適用が挙げられる。この光力学療法は、前述したように例えばポルフェリン等の光感受性薬剤を悪性腫瘍等の患部組織に注射し、この光感受性薬剤に光を照射して活性化させることにより、病巣を破壊する方法である。そして、ポルフェリン等の光感受性薬剤を活性化させるための光照射手段として、本発明では前記の有機EL装置3を用いているのである。
【0036】
すなわち、前記の有機EL装置3は、赤色光を発光してこれを出射するため、青色光や近紫外線に比べて赤色光が生体組織のより深いところにまで到達し、患部に存在するポルフェリン(光感受性薬剤)を活性化させる。すると、有機EL装置3からの赤色光を吸収したポルフェリン(光感受性薬剤)は光エネルギーを細胞内の酸素分子に渡す。エネルギーを受け取った酸素は一重項酸素となり、細胞内の他の物質と反応して破壊性の酸素フリーラジカルを生じ、フリーラジカル作用によって患部におけるガン細胞などを死滅させる。
【0037】
したがって、このような作用により、ポルフェリン等の光感受性薬剤が成長の速い細胞や組織を破壊することから、この治療用被着体1を用いた光力学療法は加齢性黄斑変性症、ガン、動脈硬化の原因となるアテローム斑などの病気の治療に効果が期待されるものとなる。
また、特に本発明の治療用被着体1にあっては、この被着体1を単に身に付けておき、有機EL装置3から患部に向けて光を照射するだけで、光感受性薬剤を活性化させることができる。したがって、当初において医師による診断及び光感受性薬剤の投与を受け、さらに治療に関する指導等を受けておくことにより、その後は例えば家でも一人で簡単に治療を行うことができ、また就業中に治療を行うこともできる。したがって、治療時間に制限を受けることなく任意の時間、例えば寝ている時間に治療を行うことができる。
【0038】
また、被着体2がフレキシブル性や伸縮性を有しており、さらに有機EL装置3もフレキシブル性を有した薄いシート状のものとなっているので、治療用被着体1全体が身体の動きに合わせて変形するものとなる。したがって、身体の動きに制限が与えられず、これにより歩行等の動作が可能となり、よって通常の生活を続けつつ治療を行うことができる。なお、有機EL装置3がフレキシブル性を有していない場合にも、特にこれが小さい場合には、この有機EL装置3が身体の動きに追従可能となり、したがって身体の動きを大きく制限するものとはならない。
また、このように身体の動きを制限せず、よって通常の生活を続けつつ治療を行うことができることから、長時間の光照射が可能になる。したがって、照射する光の強度を低く設定することにより、有機EL装置3の長寿命化を図ることもできる。
【0039】
また、治療用被着体1の第2の使用方法では、特に発光層7として、前記した例えば波長が1200nmから1400nm程度の近遠赤外光を発光するものを用いる。近遠赤外線には、人体の皮膚に浸透して細胞を共振、活性化させ、身体を芯から温める大きな温熱効果がある。そこで、この第2の使用方法では、光感受性薬剤を投与することなく、単に有機EL装置3から患部に近遠赤外光を照射することで、その温熱効果によって治療効果をあげるようにしている。
このように治療用被着体1によって患部に近遠赤外光を照射することにより、毛細血管の血流を盛んにすることができ、したがって疲労回復、筋肉痛、腰痛、リュウマチ、痔、更年期障害、水虫等に効果をあげることができる。
【0040】
なお、前記実施形態では有機EL装置3を備える被着体2として、身体の腹部などに巻き付けることができるように帯状のものとしたが、本発明の治療用被着体はこれに限定されることなく、身体に被着されるものであればその形態や形状など種々のものが適用可能である。
例えば、被着体として下着や上着、靴下などの衣服を用い、これの内側に有機EL装置3を設けてもよく、さらに、被着体としての衣服が薄い場合には、これの外側に有機EL装置3を設けて被着体を透過させて身体に光を照射させるようにしてもよい。さらに、衣服以外にも、リストバンドや腹巻、ベルト、手袋、靴、帽子などの身に付けるもの、包帯や絆創膏など直接身体に付けるものを被着体とし、これに有機EL装置3を設けるようにしてもよい。
【0041】
また、特に前記実施形態では、有機EL装置3として、単に赤色光(近遠赤外光を含む)を出射する光源としての機能のみを持たせたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、有機EL装置3に前記の光源として機能する部分とは別に文字等を表示する部分を設けてもよく、あるいは、光源としての有機EL装置3とは別に文字等を表示する有機EL装置を設けてもよい。このように文字等を表示する部分あるいは有機EL装置を設けることにより、例えば治療を行っている人(患者)の病状や体調などを記録しておき、電子カルテとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は治療用被着体の一実施形態を示す図である。
【図2】有機EL装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…治療用被着体、2…被着体、3…有機EL装置
Claims (5)
- 身体に被着される被着体において、
赤色光を発光する有機EL装置を備えたことを特徴とする治療用被着体。 - 前記有機EL装置は、発光した光が身体に投与された光感受性薬剤を照射してこれを活性化するよう、その光照射面が身体に対して向けられていることを特徴とする請求項1記載の治療用被着体。
- 前記有機EL装置が発光する赤色光は近遠赤外光も含んでいることを特徴とする請求項1又は2記載の治療用被着体。
- 前記有機EL装置の発光層を形成する発光材料が、高分子材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の治療用被着体。
- 前記有機EL装置が、基板上に一対の電極とこれら電極間に設けられた発光層とを有してなり、前記基板がフレキシブル基板からなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の治療用被着体。
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