JP2004357790A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の超音波診断装置1では、超音波観察部1Aのコントローラ14は位置検出部3からの位置方向データをそのときに取り込んだ画像と関連付けて同時に画像メモリ15に記録させる。その後、取り込んだデータに対し3次元表示したい領域を設定し、この設定した範囲に対応する位置データを画像メモリ15から読み出し、読み出した位置データに対し、必要な部分に限定されたデータ範囲におけるX,Y,Z軸各方向において多項式近似によるデータの平滑化処理を行なうように画像処理回路8を制御する。そして、この補正にて得られた位置方向データを基に、画像メモリ15からそれに対応して読み出された画像データに処理を施して3次元画像を得る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に関し、詳しくは呼吸等の影響を押えて正確な3次元画像を得ることの出来る超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生体に超音波を照射し、その反射波を受信して超音波断層像を得て、診断や生検等を行う超音波診断装置が知られている。また、近年では、より高精度な診断等を行うために、被検体の2次元的な超音波断層像を用いて3次元データを生成し、この3次元データと位置情報に基づき3次元画像を構築可能とする超音波診断装置も提案されている。
【0003】
この種の超音波診断装置としては、本件出願人によって提案がなされた例えば特開平10−248852号公報に記載の超音波画像診断装置や、特開2002−345725号公報に記載の内視鏡システムがある。
【0004】
前者の特開平10−248852号公報に記載の超音波画像診断装置では、挿入部先端に超音波振動子を設けた超音波内視鏡先端に送信もしくは受信コイルを設け、位置算出手段により先端の位置を算出することで、3次元データを得るための技術が開示されており、画質の良好な超音波画像を取得してその超音波画像から3次元データを構成でき、その他の目的に使用する際も操作性の良く検査を行うことができる目的を達成しようとしている。
【0005】
また、後者の特開2002−345725号公報の記載の内視鏡システムでは、マーカーコイルを患者の体表面に設置し、プローブ先端側に配されたソースコイルとの位置関係から呼吸による移動量を検出し、この検出結果に基づき呼吸によるプローブ先端の位置補正を行い、3次元画像を生成する技術が開示されており、人体に悪影響を与えることなしに、且つ呼吸による肺全体の変動に影響されず、気管支鏡の先端と観察対象部位との位置関係を正確にリアルタイムで表示できる目的を達成しようとしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−248852号公報
【0007】
【特許文献1】
特開2002−345725号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、体腔内では臓器に対してプローブの位置が一定であっても、呼吸や拍動の影響で相対的に臓器が動いてしまう現象が生じることがある。
【0009】
例えば腹部の臓器は患者の呼吸による横隔膜の移動により臓器が呼吸に同期して動いてしまう。一方、位置検出をしているアンテナは固定されているため、プローブを臓器や管腔に沿って動かし複数の2次元像を取得し、それを位置情報に基づいて3次元像に構築した場合画像が歪んでしまうといった問題が生じることになる。
【0010】
しかしながら、前記特開平10−248852号公報に記載の超音波画像診断装置では、上記問題を解決するための技術については開示されてはおらず、また、前記特開2002−345725号後方に記載の内視鏡システムでは、マーカーコイルを用いて位置の補正を行なって3次元画像を構築してはいるものの、腹部の臓器に対して診断を行う場合、腹部にはマーカーを固定できるような骨等がないので結果として補正が行えず、上記問題を解決するには至っていないのが現状である。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で呼吸等の影響を抑えて正確な3次元画像を得ることのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の超音波診断装置は、超音波振動子を移動しながら超音波エコー信号を取得して超音波画像を構築する超音波診断装置において、前記超音波振動子の位置を連続的に検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データに前記超音波エコー信号を関連付ける関連付け手段と、前記検出手段により得られた前記超音波振動子の位置データの不要成分を除去して補正する補正手段と、前記補正手段により補正された位置データを基に前記超音波エコー信号より超音波画像を構築する超音波画像構築手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に記載の発明の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置において、前記補正手段は、前記位置データに対して多項式近似を行うことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置において、前記補正手段は、前記位置データに対し曲線で近似することを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載の発明の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置において、前記補正手段は、前記位置データに対してLPFにより不要成分を除去することを特徴とするものである。
【0016】
この構成により、簡単な構成で呼吸等の影響を抑えて正確な3次元画像を得ることのできる超音波診断装置を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
第1の実施の形態:
(構成)
図1は本発明に係る超音波診断装置の第1の実施の形態を示し、該装置全体のシステム構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施の形態の超音波診断装置1は、図1に示すようにシステムとして構成されたもので、具体的には超音波内視鏡2と、該超音波内視鏡2と電気的に接続される超音波観測部1Aと、前記超音波内視鏡2に対して所定の位置に配される位置検出部3と、前記超音波観測部1Aにより生成された超音波断層像等を表示するモニタ4と、使用者により各種設定や入力操作を行うためのキーボード5,マウス6とを含んで構成されている。
【0020】
超音波内視鏡2は、例えばメカニカルラジアル走査型の超音波内視鏡であり、被検体体腔内への可捲性のある材質で構成された挿入部2Aと、挿入部2A先端に配された超音波振動子20(図2参照)を駆動するモータ2bを備えた駆動部2Bとを設けて構成されている。
【0021】
超音波振動子20により得られた超音波信号は、駆動部2Bを介して超音波観察部1Aに供給される。また駆動部2Bは、前記超音波観察部1A内の後述する制御手段としてのコントローラ14によってその駆動が制御されるようになっている。
【0022】
次に、前記超音波内視鏡2の挿入部2A先端部の構成について図2及び図3を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図2は図1の超音波内視鏡先端部の詳細な構成を示す構成図で、図3は図2の超音波内視鏡の挿入方向(X,Y,Z方向)に対応した位置データを表した図である。
【0024】
図2に示すように、超音波内視鏡2の挿入部2A先端部には、音響的に半透明な先端キャップ21が設けられている。
【0025】
先端キャップ21の内部には超音波振動子20が設けられており、先端キャップ21内にはいわゆる音響媒体(図示せず)が充填されている。
【0026】
超音波振動子20は、挿入部2Aと同様に可撓性のある材質で作られたフレキシブルシャフト2Cに接続されている。
【0027】
フレキシブルシャフト2Cの基端部は、図1に示す駆動部2B内のモータ2bに機械的に接続されている。
【0028】
超音波振動子20は、前記フレキシブルシャフト2C内の信号線(図示せず)を介して駆動部2B経由で超音波観測部1A内の画像構築回路7(後述)と電気的に接続している。
【0029】
また、挿入部2A先端には、空間に磁場を張る送信コイル2aが設けられており、この送信コイル2aは、信号線を介して位置検出部3内のコイル駆動回路3a(後述)と接続している。
【0030】
この送信コイル2aは、図2中の拡大図に示すように、該超音波内視鏡2の体腔内の挿入方向をZ方向、このZ方向に対し略垂直な方向をY方向とすると、これら直交する2方向(図3に示すY方向、Z方向)を軸(Z軸,Y軸)として巻き線が巻回されて構成されており、この場合、Y軸は、該超音波内視鏡2の挿入方向であるz軸に垂直で、ラジアル走査平面R1(後述)に平行な方向となっている。
【0031】
上記超音波内視鏡2と電気的に接続される超音波観測部1Aは、図1に示すように、画像構築回路7,画像処理回路8,表示回路9,3次元データ記憶部10,通信回路11,外部入力制御回路12,バス13,コントローラ14及び画像メモリ15を含んで構成されている。
【0032】
画像構築回路7は、超音波振動子20にパルス電圧状の励起信号を出力するとともに、超音波振動子20からのエコー信号に各種の受信信号処理を施して超音波の画像データを構築し、バス13及び画像メモリ15に供給する。
【0033】
画像メモリ15は、複数枚の画像データを記憶するメモリであり、コントロール13によってその記憶、読み出し制御がなされるようになっている。
【0034】
画像処理回路8は、供給された画像データに各種の画像処理を施し、表示回路9及びバス13に供給する。
【0035】
表示回路9は、前記モニタと電気的に接続されており、供給された画像データにD/A変換処理を施しアナログビデオ信号に変換して前記モニタ4に表示させる。
【0036】
3次元データ記憶部10は、ハードディスクや大容量のメモリで構成されたもので、バス13を介して供給された3次元データを記憶し、この3次元データの記憶、及び読み出しはコントローラ14によって制御されるようになっている。
【0037】
通信回路11は、前記位置検出部3との間で通信を行い位置方向データを受信しバス13を介してコントローラ14に供給する。
【0038】
外部入力制御回路12は、該外部入力制御回路12と電気的に接続されるキーボード5やマウス6からの操作入力に基づく入力情報をバス13を介してコントローラ14に供給する。
【0039】
さらに、超音波観測部1Aにおいては、上述したこれらの各回路、各部に制御命令やデータの授受をするためのバス13が各回路群に接続されており、このバス13を経由して各回路に制御命令を出すコントローラ14が設けられている。このコントローラ14は、該超音波診断装置全体の各種制御を行う制御手段である。
【0040】
一方、位置検出部3は、送信コイル2aにコイル励振信号を出力するコイル駆動回路3aと、所定の配置方法で特定の位置に固定され、送信コイル2aが張る磁場を逐次検知して電気的な受信信号を出力する複数の受信コイル(以下、受信コイル群と称す)3cと、該受信コイル群3cが出力する受信信号から位置方向データを出力する位置算出回路3bと、含んで構成されている。
【0041】
このような構成の位置検出部3では、前記位置算出回路3bにより算出された位置方向データが、前記超音波観測部1A側に送信され、該超音波観測部1A内の通信回路11により受信された後、コントローラ14に供給されるようになっている。
【0042】
(作用)
次に、本実施の形態の超音波診断装置の作用について図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。なお、図1中に示す太破線は画像データの流れ、細破線は位置方向データの流れ、実線はその他の信号/データの流れをそれぞれ示している。
【0043】
先ず、ラジアル断層像を構築する作用について説明する。
【0044】
本実施の形態の超音波診断装置1において、超音波振動子20は、超音波観測部1A内の画像構築回路7からのパルス電圧状の励起信号を受け取って媒体の疎密波である超音波のビームに変換する(図2参照)。
【0045】
超音波ビームは、音響媒体と先端ギャップ21とを伝わり超音波内視鏡2外部へと照射され、被検体内からの反射エコーが超音波ビームとは逆の経路を辿って超音波振動子20へ戻る。
【0046】
そして、超音波振動子20は反射エコーを電気的なエコー信号に変換して励起信号とは逆の経路で画像構築回路7に供給する。
【0047】
さらに、この作用を反復的に繰り返す一方で、駆動部2B内のモータ2bが回転することによりフレキシブルシャフト2Cと超音波振動子20がそれぞれ図2中に示す矢印Aの方向へ回転する。
【0048】
このため、図2に示すように、超音波ビームが、超音波内視鏡2の挿入部2Aに垂直な平面(以下、ラジアル走査平面と称す)R1内を順次放射状に照射され、いわゆるメカニカルラジアル走査(以下、単にラジアル走査と称す)が実行されることになる。
【0049】
その後、画像構築回路7は、超音波振動子20からのエコー信号に包絡線検波・対数増幅・A/D変換・スキャンコンバート(ラジアルスキャンで生成された極座標系のデータを直交座標系の画像データに変換する処理)等の公知の処理を施して超音波の画像データ(以下、ラジアル断層像)を構築する。そして、画像構築回路7は、構築したラジアル断層像をバス13を介して画像メモリ15に出力し、画像メモリ15はコントローラ14の制御によりこれを記憶する。
【0050】
次に、位置方向信号/位置方向データに関わる作用について説明する。
【0051】
図1に示す超音波診断装置1が起動すると、位置検出部3のコイル駆動回路3aは、動作を起動し、送信コイル2aにコイル励振信号を逐次出力する。
【0052】
すると、送信コイル2aは、図1に示すように空間に磁場を張る。そして、受信コイル群3cは、この磁場を逐次検知して位置算出回路3bに電気的な受信信号を出力する。
【0053】
これを受け位置算出回路3bは、受信信号を基に位置方向データを算出し、算出した位置方向データを、超音波観察部1A内の通信回路11ヘ出力する。
【0054】
なお、この位置方向データは、送信コイル2aの受信コイル群3cに対する位置と方向とを含んだデータとする。具体的には、位置方向データは、送信コイル2aの位置だけでなく、超音波内視鏡2の挿入方向(図2に示すZ方向(Z軸方向))と、ラジアル走査平面R1に平行な特定の方向(図2に示すY方向(Y軸方向))とを含んでいるものとする。例えば、図2に示すY軸がラジアル走査平面R1の12時方向(モニタ4に表示されたときの上方向)になるよう送信コイル2aを取り付けると、位置方向データはラジアル断層像の法線方向(図2に示すZ軸方向)と12時方向(図2に示すY軸方向)とを含むことになる。
【0055】
通信回路11は、受信した位置方向データをバス13に出力する。バス13に出力された位置方向データは、コントローラ14の制御により、バス13を介して画像メモリ15に出力され記憶される。このとき、コントローラ14は、ラジアル断層像の画像データと位置方向データとを同期、関連づけて前記画像メモリ15に記憶させるように制御する。
【0056】
次に、本実施の形態の特徴となる3次元画像の生成する作用について図3乃至図6を参照しながら詳細に説明する。
【0057】
図3乃至図6は本実施の形態の特徴となる作用を説明するためのもので、図3は図2の超音波内視鏡の挿入方向(X,Y,Z方向)に対応した位置データを表した図で、図3(a)は呼吸性移動のキャンセルをしないときの位置データを示し、図3(b)は本実施の形態における補正処理を施した位置データを示している。また、図4(a)は図3(a)に示す位置データであるときの3次元画像を示す画面表示図であり、図4(b)は図3(b)に示す位置データであるときの3次元画像を示す画面表示図をそれぞれ示している。さらに、図6は本実施の形態の特徴となるコントローラによる制御動作例を示すフローチャートである。
【0058】
いま、図1に示す超音波診断装置1を用いて診断を行うものとする。
【0059】
すると、図1に示す超音波内視鏡2でラジアルスキャンをしながら順次手引き走査により超音波内視鏡2自体を移動して、ラジアル画像を取得する。
【0060】
このとき、超音波観察部1Aのコントローラ14は、前述したように位置方向データをそのときに取り込んだ画像と関連付けて同時に画像メモリ15に記録させる。そして、コントローラ14は、画像処理回路87によって、この位置方向データを基に、画像メモリ15からそれに対応して読み出された画像データに処理を施して3次元画像を得る。
【0061】
この場合、位置検出部3の受信コイル群3cと臓器が一定の位置関係にある場合はきれいな3次元画像が得られることになる。しかし、実際には、臓器が患者の呼吸により横隔膜等が動いたり、心臓の拍動により手引きで走査している動きだけでなく、呼吸性の移動や心拍性の移動による動きにより波打った画像になってしまう。
【0062】
図3(a)及び図4(a)はこのときの様子が示されている。つまり、図3(a)は図中上から超音波内視鏡2のX軸,Y軸,Z軸方向それぞれの位置検出に対応した位置データをグラフ化したものである。
【0063】
つまり、図3(a)において、通常管腔状の臓器の中を一定方向で走査した場合、X軸,Y軸,Z軸方向の位置データ値はなめらかな曲線を描く。これは超音波内視鏡2が体内の管腔状の臓器を走査し、且つ走査範囲が数センチから数10センチに限られているためにその走査範囲はきわめてなだらかな位置移動になる。しかし、ここで呼吸性の移動が加わると、図3(a)のX軸,Y軸のように一定周期での波打った動きが記録されてしまう。そして、この位置データに基づく3次元画像を構築し表示した場合には、図4(a)に示すようにモニタ4には歪んだ3次元画像50が表示されることになる。
【0064】
そこで、本実施の形態では、コントローラ14によってこれを補正する補正処理制御を行う。具体的には、上述した呼吸性移動をキャンセルするための図6に示す処理ルーチンを実行する。
【0065】
すなわち、コントローラ14は、ステップS101の処理にて、3次元画像を構成するために必要なデータ範囲、つまり、取り込んだデータに対し3次元表示したい領域を、使用者からのキーボード5,あるいはマウス6による操作に基づき設定する。
【0066】
そして、コントローラ14は、続くステップS102の処理にて、画像メモリ15から対応する位置データを読み出し、画像処理回路8に供給して補正処理を行わせる。
【0067】
一般的に、走査開始直後や走査終了間際は不要なデータがあることが多い。したがって、この不要な部分を取り除くことにより、後述する多項式近似等、曲線で近似した場合に有効データ前後の不要なデータによる影響を少なくする目的がある。
【0068】
すなわち、本実施の形態において、コントローラ14は、続くステップS103〜ステップS5の処理で、この必要な部分に限定されたデータ範囲におけるX,Y,Z軸各方向において曲線近似によるデータの平滑化処理を行なうように画像処理回路8を制御する。つまり、ステップS103の処理にてX軸の位置データ(位置情報)に対し曲線近似によるデータの平滑化処理を行い、その後、ステップS104の処理にてY軸の位置データ(位置情報)に対し曲線近似によるデータの平滑化処理を行い、その後、ステップS105の処理にてZ軸の位置データ(位置情報)に対し曲線近似によるデータの平滑化処理を行う。
【0069】
下記に、前述した多項式近似の説明を行う。
【0070】
本実施の形態では、曲線近似としてべき級数の多項式による近似を用いる。
【0071】
図7はx軸方向の位置データを近似する際の説明図である。横軸は位置データが取られた時刻t、位置xである。
【0072】
まず、各測定時刻と位置データの各測定値を測定点P1 (t1 ,x1 )、P2 (t2 ,x2 )、P3 (t3 ,x3 )…PN (tN ,xN )として図7上にプロットする。
【0073】
次に、近似すべき曲線として次式のn次多項式を与える。
【0074】
【式1】
図7中にこの多項式で与えられる曲線が描かれている。
【0075】
課題は、測定点の近くを通るような曲線x=f(t) (以下、回帰曲線と称す)を求めることだが、ここでは最小2乗法を用い、各測定点と回帰曲線との距離を縦方向に測ってその二乗和が最も小さくなるように求めることにする。二乗和Fは、a0 ,a1 ,a2 ,a3 …,an の関数となり、次式で与えられる。
【0076】
【式2】
一般に、多項式の次数を有限のn(nは自然数)にした場合、Fを最小にするa0 ,a1 ,a2 ,a3 …,an は次式で与えられる。なお、本実施の形態では多項式の最大関数nはキーボード5,もしくはマウス6を通じて、操作者が任意の値を入力することができるよう構成されている。
【0077】
【式3】
【0078】
【式4】
【0079】
【式5】
【0080】
【式6】
ステップS104でのy軸方向での多項式近似、ステップS105でのz軸方向での多項式近似は上述と同様である。
【0081】
なお、本実施の形態では、多項式近似としてべき級数による近似を用いたが、この例によらず、他種の多項式で近似しても差し支えない。
【0082】
この際の近似の次数は、あまり少ないと実際の手引き走査の動きからの誤差が大きくなってしまうし、多すぎると呼吸による動きをキャンセルする効果が少なくなってしまう。すなわち、多項式近似では次数を変化させることにより、近似曲線を自由に設定できるが、1次だと回帰曲線は単に直線となってしまい交流成分は全く無くなり、本来の超音波内視鏡2の移動成分も抑制されてしまう。一方、10次では実際の検出された位置データに殆ど近い形になるが、細かい移動成分が除去できない。そのため、対象とする臓器の位置にもよるが5次程度の次数が望ましい。
【0083】
その後、コントローラ14は、続くステップS106の処理にて、上記ステップS103〜ステップS105の処理にて処理されたデータ(図3(b)参照)を、再び対応する画像に関連付けられて画像メモリ15記録し、そして、そのデータを基に3次元画像を構成する。これにより、呼吸性移動の影響を少なくした3次元画像が得られ、モニタ4に表示した場合には、例えば図4(b)に示すように歪みが生じていない良好な3次元画像10Aを表示させることができる。
【0084】
なお、このように生成された3次元画像データは、コントローラ14によって、3次元データ記憶部10に記憶される。
【0085】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、上記のように検出された位置データに対し多項式近似によるデータの平滑化処理等の補正処理を行い、この補正結果に基づき3次元画像を生成するようにしているので、簡単な構成で呼吸等の影響を抑えて正確な3次元画像を得ることが可能となる。
【0086】
第2の実施の形態:
(構成)
図5は本発明に係る超音波診断装置の第2の実施の形態を示し、該装置全体のシステム構成を示すブロック図である。
【0087】
本実施の形態では、図5に示すように、前記第1の実施の形態における通信回路11とバス13のと間に位置データ補正部16を設け、この位置データ補正部16によって、前記第1の実施の形態にて行った多項式近似によるデータの平滑化処理を行わずに、検出した位置データに対し周波性成分を持った呼吸性移動をキャンセルする補正処理を行うように構成したことが特徴である。
【0088】
その他の構成については前記第1の実施の形態と同様である。
【0089】
(作用)
次に、本実施の形態の超音波診断装置の作用について説明する。なお、本実施の形態の特徴となる位置データの補正処理のみを説明する。
【0090】
本実施の形態においては、位置検出部3の位置算出回路3bより送られてきた位置データは、通信回路11を経て位置データ補正部16に入力される。
【0091】
この位置データ補正部16は、図示はしないがローパスフィルタ(LPF)を備えて構成されており、手引きによる移動と呼吸性移動による変化量の差を利用し、該ローパスフィルタ(LPF)に位置データを通すことで、不要成分のデータを除去し、すなわち、周波性成分を持った呼吸性移動をキャンセルする補正処理を行う。
【0092】
これにより、前記第1の実施の形態と同様に、呼吸性移動の影響を少なくした3次元画像が得られ、モニタ4に表示した場合には、例えば図4(b)に示すように歪みが生じていない良好な3次元画像10Aを表示させることができる。
【0093】
なお、位置補正データ補正部16の前記LPFは、一般的に公知の処理を用いる。また該LPFの周波数特性は、手引きの走査スピードと呼吸性移動の特性から十分余裕をもった設定にすることが必要である。
【0094】
その他の作用については前記第1の実施の形態と同様である。
【0095】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、多項式近似によるデータの平滑化処理を行わずに、位置データ補正部16のLPFによる位置データの補正処理を行った場合でも、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0096】
第3の実施の形態:
(構成)
図8は本発明に係る超音波診断装置の第3の実施の形態を示し、前後の位置データを平均化処理することを示した図である。
【0097】
本実施の形態では、図5に示した前記第2の実施の形態と同じ構成ではあるが、位置データ補正部の処理が異なることが特徴である。
【0098】
(作用)
次に、本実施の形態の超音波診断装置の作用について説明する。なお、本実施の形態の特徴となる位置データの補正処理のみを説明する。
【0099】
位置検出部3により送られてきた位置データは、通信回路11を経て位置データ補正部16に入力される。位置データは、外部のノイズや環境条件により様々なノイズ成分を含むことがある。例えばセンサを固定しても位置データは多少変動している。そこで、本実施の形態では、位置データ補正部16は、この揺らぎを除去するための位置データの平均化処理を行う。図8は前後の位置データを平均化することを示している。
【0100】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、位置データの平均化処理により、位置精度の揺らぎを除去する効果がある。その他の効果については前記第2の実施の形態と同様である。
【0101】
なお、本発明は、上記第1,第2,第3の実施の形態では、それぞれ効果が異なるので組み合わせて使用することにより、さらに高い効果が得ることも可能である。
【0102】
また、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、体外式の超音波診断装置への適用、また本発明の範囲を逸脱しない範囲での応用や組み合わせも適用される。
【0103】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0104】
(1) 超音波振動子を備えた体腔内超音波プローブが出力する超音波エコー信号を基に体腔内超音波断層像を構築する画像処理手段を設けた超音波診断装置において、
前記体腔内超音波プローブの走査平面の被検体が持つ座標系に対する位置データを検出する検出手段と、
前記検出手段により得られた位置データのノイズ成分を補正する補正手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0105】
(2) 前記補正手段は、前記位置データを多項式近似による補正によりノイズ成分を補正することを特徴とする(1)に記載の超音波診断装置。
【0106】
(3) 前記補正手段は、前記位置データをLPFによりノイズ成分を補正することを特徴とする(1)に記載の超音波診断装置。
【0107】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、簡単な構成で呼吸等の影響を抑えて正確な3次元画像を得ることのできる超音波診断装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の第1の実施の形態を示し、該装置全体のシステム構成を示すブロック図。
【図2】図1の超音波内視鏡先端部の詳細な構成を示す構成図。
【図3】図3は図2の超音波内視鏡の挿入方向(X,Y,Z方向)に対応した位置データを表した図。
【図4】図3に示す位置データであるときの3次元画像を示す画面表示図。
【図5】本発明に係る超音波診断装置の第2の実施の形態を示し、該装置全体のシステム構成を示すブロック図。
【図6】第1の実施の形態の特徴となるコントローラによる制御動作例を示すフローチャート。
【図7】x軸方向の位置データを近似する際の説明図。
【図8】本発明に係る超音波診断装置の第3の実施の形態を示し、位置データ補正部による位置データの平均化処理を説明するための説明図。
【符号の説明】
1…超音波診断装置、
1A…超音波観察部、
2…超音波内視鏡、
2A…挿入部、
2B…駆動部、
2C…フレキシブルシャフト、
2a…送信コイル、
2b…モータ、
3…位置検出部、
3a…コイル駆動回路、
3b…位置算出回路、
3c…受信コイル群、
4…モニタ、
5…キーボード、
6…マウス、
7…画像構築回路、
8…画像処理回路、
9…表示回路、
10…3次元データ記憶部、
11…通信回路、
12…外部入力制御回路、
13…バス、
14…コントローラ、
20…超音波振動子、
21…先端キャップ、
R1…ラジアル走査平面。
Claims (4)
- 超音波振動子を移動しながら超音波エコー信号を取得して超音波画像を構築する超音波診断装置において、
前記超音波振動子の位置を連続的に検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データに前記超音波エコー信号を関連付ける関連付け手段と、
前記検出手段により得られた前記超音波振動子の位置データの不要成分を除去して補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された位置データを基に前記超音波エコー信号より超音波画像を構築する超音波画像構築手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記補正手段は、前記位置データに対して多項式近似を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記補正手段は、前記位置データに対し曲線で近似することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記補正手段は、前記位置データに対してLPFにより不要成分を除去することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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