JP2004357424A - 光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置 - Google Patents
光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】CD、MD等の情報が記録された光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で安定して回転させることができ、しかも、構成が簡単で、さらなる小型化、薄型化が可能な光ディスクの駆動装置、及び、この光情報記録媒体の駆動装置を備えて、さらなる小型化、薄型化が可能な光情報記録/再生装置を提供する。
【解決手段】本発明の光ディスクの駆動装置は、シャフト2とコイル3とを備えた固定部4と、ラジアル軸受け11とロータ12とターンテーブル13と駆動マグネット14とスラスト軸受け16とを備えた回転部17とを備え、このスラスト軸受け16は、その凹部21の曲面21a部分で、シャフト2の上端部の周縁部にある曲面2aを回転自在に支持してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の光ディスクの駆動装置は、シャフト2とコイル3とを備えた固定部4と、ラジアル軸受け11とロータ12とターンテーブル13と駆動マグネット14とスラスト軸受け16とを備えた回転部17とを備え、このスラスト軸受け16は、その凹部21の曲面21a部分で、シャフト2の上端部の周縁部にある曲面2aを回転自在に支持してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置に関し、特に詳しくは、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることを可能とし、さらなる小型化、薄型化を可能とする光情報記録媒体の駆動装置、及び、この光情報記録媒体の駆動装置を備えることで、光情報記録媒体に対して高密度の記録・再生を可能とし、さらなる小型化、薄型化を可能とする光情報記録/再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の光ディスクにおいては、この光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心がずれる、いわゆるディスクのセンターずれ(偏心)が問題となっている。また、回転軸がぶれることによるディスクの回転面の傾きが問題となっている。このディスクのセンターずれや回転面の傾きは、より小型かつ薄厚の次世代光ディスクにおいては、さらに大きな問題となる。
そこで、このディスクのセンターずれを小さくするために、例えば、次の様な装置(1)〜(4)が提案されている。
【0003】
(1)モータのステータ部側にシャフトを圧入し、電磁子ロータ部に軸受けを持たせ、モータの軸方向のスペースを圧縮した構成。これにより、薄型化、及びシャフトのねじれ共振に対する強度を高めることが可能となる(特許文献1参照)。
(2)モータにおけるシャフトとステータとの間の吸引力を偏らせ、このシャフトを片側に押し付けることにより、シャフトの振れを抑制する構成(特許文献2参照)。
(3)シャフトを含油軸受けを含む2つの軸受けにより回転自在に支持し、このシャフトと軸受けとの間のクリアランスにより発生するシャフトの首振り運動を抑制するために、2つの軸受けのうち一方に与圧を掛け、この軸受けの中心軸をずらした構成(特許文献3参照)。
(4)シャフトを含油軸受けを含む2つの軸受けにより回転自在に支持し、このシャフトと軸受けとの間のクリアランスにより発生するシャフトの首振り運動を抑制するために、2つの軸受けのうち一方の一部を切り欠き、別部材でシャフトを押しつけることにより、クリアランスを無くした構成(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−285091号公報
【特許文献2】
特開平10−164790号公報
【特許文献3】
特開平7−126329号公報
【特許文献4】
特開平9−70745号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のモータでは、モータの回転軸を支えるために、2つの含油軸受けまたは2つのベアリングによりシャフトを受ける構成としているために、回転軸の高さを圧縮するには限度があり、さらなる薄型化が難しいという問題点があった。例えば、カード式光ディスク装置の様な小型かつ薄厚の次世代光ディスクの記録・再生を行う光ディスク装置の場合、モータの軸受けを2つ設けるだけの高さ余裕は無く、また、余裕があったとしても、2つの軸受け間の間隔が非常に狭くなるために、シャフトの垂直精度が出ないという問題点が生じる。
【0006】
また、上記の装置(1)では、ディスクのセンターずれを小さくすることはできるものの、軸受けとシャフトとの間にクリアランスがあるために、シャフトの芯ぶれが発生し易いという問題点があった。また、上記の装置(2)及び(3)では、シャフトの芯ぶれは抑制されるものの、軸受け構造が複雑であるために、小型化が難しく、また、加圧しているために、動摩擦が大きくなるという問題点があった。また、上記の装置(4)には、ラジアルタイプには適用可能であるが、アキシャルタイプには適用できないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の情報が記録された光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で安定して回転させることができ、しかも、構成が簡単で、さらなる小型化、薄型化が可能な光情報記録媒体の駆動装置、及び、この光情報記録媒体の駆動装置を備えることで、光情報記録媒体に対して高密度の記録/再生を行うことができ、さらなる小型化、薄型化が可能な光情報記録/再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のような光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置を提供した。
すなわち、請求項1記載の光情報記録媒体の駆動装置は、光情報記録媒体を回転駆動させる駆動装置であって、軸と、当該軸の周囲に配置されたコイル部とを備えた固定部と、前記軸を回転自在に支持する第1の軸受けと、該第1の軸受けと一体に回転するロータ部と、該ロータ部に固定され前記光情報記録媒体を載置するターンテーブルと、前記ロータ部に設けられかつ前記コイル部に対向して配置された駆動マグネットと、前記ターンテーブル上に設けられて前記軸の上端部を回転自在に支持する第2の軸受けとを備えた回転部とを備え、前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持してなることを特徴とする。
【0009】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第2の軸受けが、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持したことにより、前記軸に対して回転する第2の軸受けの中心軸と、前記ターンテーブルに載置される光情報記録媒体の中心軸とは常に概略一致することとなり、この第2の軸受けを前記軸を軸として回転させても、前記光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間には、ずれが殆ど発生しない。
これにより、前記光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることが可能になる。
また、前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の外周部の少なくとも一部を回転自在に支持したものであるから、構成が簡単になり、さらなる小型化、薄型化が可能である。
【0010】
請求項2記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記軸は、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持されていることを特徴とする。
【0011】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記軸を、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持したことにより、この軸の外周の一部が第1の軸受けの内周の一部に常に接触した状態となり、この軸と第1の軸受けとのクリアランスが部分的に小さくなる。これにより、軸の回転方向の軸受けを第1の軸受けのみにより構成しても、軸と軸受けとの間のクリアランスが部分的に小さく抑えられ、軸受けの高さを圧縮することが可能となる。
【0012】
請求項3記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1または2記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記第2の軸受けの回転中心は、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置していることを特徴とする。
【0013】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第2の軸受けの回転中心を、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置したことにより、この第2の軸受けが、その回転中心を中心として傾いた場合においても、この第2の軸受けの回転中心は、前記軸の中心軸近傍に常に位置することになり、この第2の軸受けに元の傾斜しない位置に戻ろうとする復帰力が働く。これにより、この第2の軸受けの回転中心と、前記軸の中心軸との間にずれが生じることが無くなり、前記光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間にずれが発生する虞がなくなる。
【0014】
また、この第2の軸受けの回転中心の位置は、第2の軸受けを軸の上端部の外周部の少なくとも一部で受けることで調整可能であるから、この第2の軸受けの回転中心と前記軸の中心軸とを常に一致させることが可能となる。
また、軸の傾斜防止のために当該軸を第1の軸受けに押し付ける必要がなくなるので、軸と第1の軸受けとの間の摩擦力も増加しない。
【0015】
請求項4記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1、2または3記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記第1の軸受けは、焼結含油軸受けであることを特徴とする。
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第1の軸受けを焼結含油軸受けとしたことにより、軸受けがより小型化され、その結果、装置全体がより薄型化される。
また、磁気回路の占有空間が広がることにより、駆動効率が向上する。
【0016】
請求項5記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1、2または3記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記第1の軸受けは、金属製の筒状体からなり、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも前記軸に接触する領域は、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆されていることを特徴とする。
【0017】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第1の軸受けを金属製の筒状体とし、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも前記軸に接触する領域を、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆したことにより、軸受けが更に小型化され、その結果、装置全体が更に薄型化される。
また、磁気回路の占有空間が広がることにより、駆動効率が向上する。
【0018】
請求項6記載の光情報記録/再生装置は、請求項1ないし5のいずれか1項記載の光情報記録媒体の駆動装置を備えてなることを特徴とする。
この光情報記録/再生装置では、請求項1ないし5のいずれか1項記載の光情報記録媒体の駆動装置を備えたことにより、前記光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることが可能になり、その結果、この光情報記録媒体に対して高密度の記録/再生が可能となる。
また、この光情報記録/再生装置の構成は簡単であるから、さらなる小型化、薄型化を図ることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置の一実施形態について、図面に基づき説明する。
なお、係る実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0020】
図1は本発明の一実施形態の光ディスク記録/再生装置(光情報記録/再生装置)に設けられたアキシャル型のディスク駆動装置の分解した状態を示す分解断面図、図2は同装置の組み立てた状態を示す断面図であり、図において、符号1はベースプレート、2はベースプレート1の中央の孔1aに立設されたシャフト(軸)、3はベースプレート1上かつシャフト2の周囲に配置されたコイルであり、これらベースプレート1〜コイル3により固定部4が構成されている。
【0021】
また、符号11はシャフト2を回転自在に支持するラジアル軸受け(第1の軸受け)、12はラジアル軸受け11と一体に回転するロータ、13はロータ12に固定され光ディスク(光情報記録媒体:図示せず)を載置するターンテーブル、14はロータ12内かつラジアル軸受け11の周囲に設けられコイル3に対向して配置された駆動マグネット、15はターンテーブル13上かつラジアル軸受け11の周囲に配置された吸着マグネット、16はターンテーブル13上に設けられてシャフト2の上端部を回転自在に支持するスラスト軸受け(第2の軸受け)であり、これらラジアル軸受け11〜スラスト軸受け16により回転部17が構成されている。
【0022】
シャフト2の上端部の周縁部は、その中心軸Axを回転軸とする曲面2aとされている。この曲面2aは、その測線が中心軸Axに対して所定の角度(θ)傾斜する円錐面とされ、スラスト軸受け16の底部と線接触する様になっている。この曲面2aの形状は、スラスト軸受け16と線接触する形状であればよく、上記の円錐面の他、球面、放物面、双曲面であってもよい。
【0023】
このラジアル軸受け11は、オイルレス・ベアリング(焼結含油軸受け)により構成されているが、このオイルレス・ベアリングの他、内面をコーティングした筒状部材を用いてもよい。
この筒状部材としては、例えば、ステンレススチール等からなる金属板(金属製の板状体)の一方の表面全面、あるいは該表面のシャフト2に接触する領域を、この金属より動摩擦係数の低い物質、例えば、フッ素樹脂等により被覆し、この被覆膜を内側にして丸め、この金属板の側面同士を溶接して筒状体としたものが好適である。
【0024】
ロータ12及びターンテーブル13には、その中心部にラジアル軸受け11及びスラスト軸受け16を挿通するための孔12a、13aがそれぞれ形成されている。また、スラスト軸受け16の底部には、シャフト2の上端部を受けるための略円筒状の凹部21が形成され、この凹部21の底面の周縁部は、シャフト2の上端部と線接触するように曲面21aとされている。
【0025】
この曲面21aは、シャフト2の上端部と線接触するためには、その測線が中心軸Axに対して上記角度(θ)と異なる角度(φ)傾斜する円錐面とされている。
これら曲面2a、21a同士は点接触であってもよい。この場合、いずれか一方を、中心軸Axを回転軸とする円錐面、球面、放物面、双曲面等の曲面とし、いずれか他方を、中心軸Axを回転対称軸とする24角錐、36角錐等の多角錐面とすればよい。
【0026】
このディスク駆動装置では、シャフト2を、ラジアル軸受け11に挿通することにより回転自在に支持するとともに、スラスト軸受け16にてその上端部を回転自在に支持している。
このディスク駆動装置では、回転部17の駆動マグネット14と固定部4のベースプレート1との間に生じる吸引力がスラスト圧となる。したがって、このスラスト圧により回転部17を固定部4に回転自在に軸支するとともに、回転部17が浮き上がるのを防止することができる。したがって、スラスト圧を発生させるための装置を別途設ける必要が無くなる。
【0027】
このシャフト2に対して回転するスラスト軸受け16の中心軸は、ターンテーブル13に載置される光ディスクの中心軸と常に概略一致しているので、このスラスト軸受け16をシャフト2を軸として回転させても、光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心との間には、ずれが殆ど発生しない。
したがって、光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができる。
【0028】
このディスク駆動装置では、薄型化のために、回転方向の軸受けをラジアル軸受け11のみとしているので、このラジアル軸受け11とシャフト2との間のクリアランスが問題となるが、図3に示すように、シャフト2の軸Asをラジアル軸受け11の中心軸Axに対してずらして配置することで、一方の側のクリアランスt1を他方の側のクリアランスt2と比べて十分に小さくすることができる。
【0029】
このシャフト2は、その上端部がスラスト軸受け16により支持されているのみで、その本体部分はラジアル軸受け11に挿通されているから、図4に示すように、このシャフト2の上端部の曲面2aは、スラスト軸受け16の凹部21の底部の曲面21aと常に線接触することになる。この線接触の位置を調整することで、スラスト軸受け16の回転中心Cの位置を調整することが可能である。
【0030】
このスラスト軸受け16の回転中心Cが、ラジアル軸受け11の高さH、すなわち上端と下端との間に位置していると、スラスト軸受け16が、その回転中心Cを中心として傾いた場合においても、図5に示すように、このスラスト軸受け16の回転中心Cは、シャフト2の中心軸Axに常に位置することになり、このスラスト軸受け16に元の傾斜しない位置に戻ろうとする復帰力Fが働く。これにより、このスラスト軸受け16の回転中心Cと、シャフト2の中心軸Axとの間にずれが生じることが無くなり、光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心との間にずれが発生する虞がなくなる。
また、このシャフト2をラジアル軸受け11に接触させた場合、回転中心Cがラジアル軸受け11の上端と下端との間に位置していると、ターンテーブル13が傾かない。
【0031】
このスラスト軸受け16の回転中心Cの位置は、このスラスト軸受け16の曲面21aをシャフト2の上端部の曲面2aで受けることで調整可能であるから、このスラスト軸受け16の回転中心Cとシャフト2の中心軸Axとを常に一致させることができる。
また、シャフト2の傾斜防止のために、このシャフト2をラジアル軸受け11に押し付ける必要がなくなるので、シャフト2とラジアル軸受け11との間の摩擦力も増加しない。
【0032】
ラジアル軸受け11として、筒状の金属板の内面をフッ素樹脂でコーティングしたものを用いれば、この軸受けをより小型化することができ、その占有体積をより小さくすることができる。したがって、磁気回路により大きな空間を割くことができ、駆動装置の効率を向上させることができる。
【0033】
ここで、図6に示すように、スラスト軸受け16の回転中心Cと光ディスク(光情報記録媒体)31が遠い場合にターンテーブル13に傾きが発生すると、このターンテーブル13に載置された光ディスク31の情報記録領域の中心とスラスト軸受け16の回転中心Cとの間に大きなずれが発生する。一方、図7に示すように、スラスト軸受け16の回転中心Cと光ディスク31が近い場合、ターンテーブル13に傾きが発生しても、光ディスク31の情報記録領域の中心とスラスト軸受け16の回転中心Cとの間のずれの発生量は小さくなる。
【0034】
このディスク駆動装置を光ディスク記録/再生装置に搭載することで、光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることが可能になる。その結果、この光ディスクに対して高密度の記録/再生が可能となる。
また、このディスク駆動装置の構成が簡単で、しかも小型化が可能であるから、このディスク駆動装置を搭載した光ディスク記録/再生装置についても、さらなる小型化、薄型化が可能である。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のディスク駆動装置によれば、スラスト軸受け16の凹部21の曲面21aがシャフト2の上端部の曲面2aと常に線接触することで、このスラスト軸受け16がシャフト2を回転自在に支持する構成としたので、このスラスト軸受け16をシャフト2を軸として回転させた場合においても、光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心との間にずれが発生するのを防止することができる。
【0036】
また、本実施形態の光ディスク記録/再生装置によれば、本実施形態のディスク駆動装置を搭載したので、光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができ、高密度の記録/再生を実現することができる。
また、搭載するディスク駆動装置の構成が簡単で、小型化が可能であるから、このディスク駆動装置を搭載した光ディスク記録/再生装置についても、さらなる小型化、薄型化を図ることができる。
【0037】
なお、本実施形態では、ディスク駆動装置として、アキシャル型のディスク駆動装置を例にとり説明したが、ラジアル型のディスク駆動装置についても同様に適用可能である。
ラジアル型のディスク駆動装置の場合、回転側のマグネットを固定側のヨーク中央に引っ張る引張力が働き、この引張力がスラスト圧となる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の光情報記録媒体の駆動装置によれば、前記第2の軸受けが、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持したので、光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間のずれを極めて小さくすることができ、この光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができる。
また、前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の外周部の少なくとも一部を回転自在に支持したので、構成を簡単化することができ、さらなる小型化、薄型化を図ることができる。
【0039】
また、軸を、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持することにより、この軸と第1の軸受けとのクリアランスを部分的に小さくすることができ、その結果、軸受けの高さを圧縮することができる。
【0040】
また、第2の軸受けの回転中心を、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置したことにより、第2の軸受けの回転中心と、前記軸の中心軸との間のずれを無くすことができ、光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間のずれの発生を防止することができる。
また、軸の傾斜防止のために、この軸を第1の軸受けに押し付ける必要が無く、軸と第1の軸受けとの間の摩擦力の増加を抑制することができる。
【0041】
また、第1の軸受けを焼結含油軸受けとしたことにより、軸受けをより小型化することができ、その結果、装置全体をより薄型化することができる。
また、第1の軸受けが小型化されるので、磁気回路の占有空間を広げることができ、駆動効率を向上させることができる。
【0042】
また、第1の軸受けを金属製の筒状体とし、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも軸に接触する領域を、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆したので、第1の軸受けを更に小型化することができ、その結果、装置全体を更に薄型化することができる。
また、第1の軸受けを更に小型化するので、磁気回路の占有空間を広げることができ、その結果、駆動効率を向上させることができる。
【0043】
本発明の光情報記録/再生装置によれば、本発明の光情報記録媒体の駆動装置を備えたので、光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができ、光情報記録媒体に対して高密度の記録/再生を行うことができる。
また、この光情報記録/再生装置の構成を簡単化することができ、さらなる小型化、薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のディスク駆動装置を示す分解断面図である。
【図2】本発明の一実施形態のディスク駆動装置を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態のディスク駆動装置のシャフトとラジアル軸受けの位置関係を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態のディスク駆動装置のシャフト及びラジアル軸受けの動作を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態のディスク駆動装置のシャフト及びラジアル軸受けの動作を示す断面図である。
【図6】スラスト軸受けの回転中心と光ディスクとの位置関係を示す模式図である。
【図7】スラスト軸受けの回転中心と光ディスクとの位置関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 シャフト(軸)
2a 曲面
3 コイル
4 固定部
11 ラジアル軸受け(第1の軸受け)
12 ロータ
13 ターンテーブル
14 駆動マグネット
15 吸着マグネット
16 スラスト軸受け(第2の軸受け)
17 回転部
21 凹部
21a 曲面
31 光ディスク
Ax 中心軸
C 回転中心
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置に関し、特に詳しくは、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることを可能とし、さらなる小型化、薄型化を可能とする光情報記録媒体の駆動装置、及び、この光情報記録媒体の駆動装置を備えることで、光情報記録媒体に対して高密度の記録・再生を可能とし、さらなる小型化、薄型化を可能とする光情報記録/再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の光ディスクにおいては、この光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心がずれる、いわゆるディスクのセンターずれ(偏心)が問題となっている。また、回転軸がぶれることによるディスクの回転面の傾きが問題となっている。このディスクのセンターずれや回転面の傾きは、より小型かつ薄厚の次世代光ディスクにおいては、さらに大きな問題となる。
そこで、このディスクのセンターずれを小さくするために、例えば、次の様な装置(1)〜(4)が提案されている。
【0003】
(1)モータのステータ部側にシャフトを圧入し、電磁子ロータ部に軸受けを持たせ、モータの軸方向のスペースを圧縮した構成。これにより、薄型化、及びシャフトのねじれ共振に対する強度を高めることが可能となる(特許文献1参照)。
(2)モータにおけるシャフトとステータとの間の吸引力を偏らせ、このシャフトを片側に押し付けることにより、シャフトの振れを抑制する構成(特許文献2参照)。
(3)シャフトを含油軸受けを含む2つの軸受けにより回転自在に支持し、このシャフトと軸受けとの間のクリアランスにより発生するシャフトの首振り運動を抑制するために、2つの軸受けのうち一方に与圧を掛け、この軸受けの中心軸をずらした構成(特許文献3参照)。
(4)シャフトを含油軸受けを含む2つの軸受けにより回転自在に支持し、このシャフトと軸受けとの間のクリアランスにより発生するシャフトの首振り運動を抑制するために、2つの軸受けのうち一方の一部を切り欠き、別部材でシャフトを押しつけることにより、クリアランスを無くした構成(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−285091号公報
【特許文献2】
特開平10−164790号公報
【特許文献3】
特開平7−126329号公報
【特許文献4】
特開平9−70745号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のモータでは、モータの回転軸を支えるために、2つの含油軸受けまたは2つのベアリングによりシャフトを受ける構成としているために、回転軸の高さを圧縮するには限度があり、さらなる薄型化が難しいという問題点があった。例えば、カード式光ディスク装置の様な小型かつ薄厚の次世代光ディスクの記録・再生を行う光ディスク装置の場合、モータの軸受けを2つ設けるだけの高さ余裕は無く、また、余裕があったとしても、2つの軸受け間の間隔が非常に狭くなるために、シャフトの垂直精度が出ないという問題点が生じる。
【0006】
また、上記の装置(1)では、ディスクのセンターずれを小さくすることはできるものの、軸受けとシャフトとの間にクリアランスがあるために、シャフトの芯ぶれが発生し易いという問題点があった。また、上記の装置(2)及び(3)では、シャフトの芯ぶれは抑制されるものの、軸受け構造が複雑であるために、小型化が難しく、また、加圧しているために、動摩擦が大きくなるという問題点があった。また、上記の装置(4)には、ラジアルタイプには適用可能であるが、アキシャルタイプには適用できないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の情報が記録された光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で安定して回転させることができ、しかも、構成が簡単で、さらなる小型化、薄型化が可能な光情報記録媒体の駆動装置、及び、この光情報記録媒体の駆動装置を備えることで、光情報記録媒体に対して高密度の記録/再生を行うことができ、さらなる小型化、薄型化が可能な光情報記録/再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のような光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置を提供した。
すなわち、請求項1記載の光情報記録媒体の駆動装置は、光情報記録媒体を回転駆動させる駆動装置であって、軸と、当該軸の周囲に配置されたコイル部とを備えた固定部と、前記軸を回転自在に支持する第1の軸受けと、該第1の軸受けと一体に回転するロータ部と、該ロータ部に固定され前記光情報記録媒体を載置するターンテーブルと、前記ロータ部に設けられかつ前記コイル部に対向して配置された駆動マグネットと、前記ターンテーブル上に設けられて前記軸の上端部を回転自在に支持する第2の軸受けとを備えた回転部とを備え、前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持してなることを特徴とする。
【0009】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第2の軸受けが、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持したことにより、前記軸に対して回転する第2の軸受けの中心軸と、前記ターンテーブルに載置される光情報記録媒体の中心軸とは常に概略一致することとなり、この第2の軸受けを前記軸を軸として回転させても、前記光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間には、ずれが殆ど発生しない。
これにより、前記光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることが可能になる。
また、前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の外周部の少なくとも一部を回転自在に支持したものであるから、構成が簡単になり、さらなる小型化、薄型化が可能である。
【0010】
請求項2記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記軸は、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持されていることを特徴とする。
【0011】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記軸を、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持したことにより、この軸の外周の一部が第1の軸受けの内周の一部に常に接触した状態となり、この軸と第1の軸受けとのクリアランスが部分的に小さくなる。これにより、軸の回転方向の軸受けを第1の軸受けのみにより構成しても、軸と軸受けとの間のクリアランスが部分的に小さく抑えられ、軸受けの高さを圧縮することが可能となる。
【0012】
請求項3記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1または2記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記第2の軸受けの回転中心は、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置していることを特徴とする。
【0013】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第2の軸受けの回転中心を、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置したことにより、この第2の軸受けが、その回転中心を中心として傾いた場合においても、この第2の軸受けの回転中心は、前記軸の中心軸近傍に常に位置することになり、この第2の軸受けに元の傾斜しない位置に戻ろうとする復帰力が働く。これにより、この第2の軸受けの回転中心と、前記軸の中心軸との間にずれが生じることが無くなり、前記光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間にずれが発生する虞がなくなる。
【0014】
また、この第2の軸受けの回転中心の位置は、第2の軸受けを軸の上端部の外周部の少なくとも一部で受けることで調整可能であるから、この第2の軸受けの回転中心と前記軸の中心軸とを常に一致させることが可能となる。
また、軸の傾斜防止のために当該軸を第1の軸受けに押し付ける必要がなくなるので、軸と第1の軸受けとの間の摩擦力も増加しない。
【0015】
請求項4記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1、2または3記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記第1の軸受けは、焼結含油軸受けであることを特徴とする。
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第1の軸受けを焼結含油軸受けとしたことにより、軸受けがより小型化され、その結果、装置全体がより薄型化される。
また、磁気回路の占有空間が広がることにより、駆動効率が向上する。
【0016】
請求項5記載の光情報記録媒体の駆動装置は、請求項1、2または3記載の光情報記録媒体の駆動装置において、前記第1の軸受けは、金属製の筒状体からなり、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも前記軸に接触する領域は、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆されていることを特徴とする。
【0017】
この光情報記録媒体の駆動装置では、前記第1の軸受けを金属製の筒状体とし、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも前記軸に接触する領域を、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆したことにより、軸受けが更に小型化され、その結果、装置全体が更に薄型化される。
また、磁気回路の占有空間が広がることにより、駆動効率が向上する。
【0018】
請求項6記載の光情報記録/再生装置は、請求項1ないし5のいずれか1項記載の光情報記録媒体の駆動装置を備えてなることを特徴とする。
この光情報記録/再生装置では、請求項1ないし5のいずれか1項記載の光情報記録媒体の駆動装置を備えたことにより、前記光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることが可能になり、その結果、この光情報記録媒体に対して高密度の記録/再生が可能となる。
また、この光情報記録/再生装置の構成は簡単であるから、さらなる小型化、薄型化を図ることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置の一実施形態について、図面に基づき説明する。
なお、係る実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0020】
図1は本発明の一実施形態の光ディスク記録/再生装置(光情報記録/再生装置)に設けられたアキシャル型のディスク駆動装置の分解した状態を示す分解断面図、図2は同装置の組み立てた状態を示す断面図であり、図において、符号1はベースプレート、2はベースプレート1の中央の孔1aに立設されたシャフト(軸)、3はベースプレート1上かつシャフト2の周囲に配置されたコイルであり、これらベースプレート1〜コイル3により固定部4が構成されている。
【0021】
また、符号11はシャフト2を回転自在に支持するラジアル軸受け(第1の軸受け)、12はラジアル軸受け11と一体に回転するロータ、13はロータ12に固定され光ディスク(光情報記録媒体:図示せず)を載置するターンテーブル、14はロータ12内かつラジアル軸受け11の周囲に設けられコイル3に対向して配置された駆動マグネット、15はターンテーブル13上かつラジアル軸受け11の周囲に配置された吸着マグネット、16はターンテーブル13上に設けられてシャフト2の上端部を回転自在に支持するスラスト軸受け(第2の軸受け)であり、これらラジアル軸受け11〜スラスト軸受け16により回転部17が構成されている。
【0022】
シャフト2の上端部の周縁部は、その中心軸Axを回転軸とする曲面2aとされている。この曲面2aは、その測線が中心軸Axに対して所定の角度(θ)傾斜する円錐面とされ、スラスト軸受け16の底部と線接触する様になっている。この曲面2aの形状は、スラスト軸受け16と線接触する形状であればよく、上記の円錐面の他、球面、放物面、双曲面であってもよい。
【0023】
このラジアル軸受け11は、オイルレス・ベアリング(焼結含油軸受け)により構成されているが、このオイルレス・ベアリングの他、内面をコーティングした筒状部材を用いてもよい。
この筒状部材としては、例えば、ステンレススチール等からなる金属板(金属製の板状体)の一方の表面全面、あるいは該表面のシャフト2に接触する領域を、この金属より動摩擦係数の低い物質、例えば、フッ素樹脂等により被覆し、この被覆膜を内側にして丸め、この金属板の側面同士を溶接して筒状体としたものが好適である。
【0024】
ロータ12及びターンテーブル13には、その中心部にラジアル軸受け11及びスラスト軸受け16を挿通するための孔12a、13aがそれぞれ形成されている。また、スラスト軸受け16の底部には、シャフト2の上端部を受けるための略円筒状の凹部21が形成され、この凹部21の底面の周縁部は、シャフト2の上端部と線接触するように曲面21aとされている。
【0025】
この曲面21aは、シャフト2の上端部と線接触するためには、その測線が中心軸Axに対して上記角度(θ)と異なる角度(φ)傾斜する円錐面とされている。
これら曲面2a、21a同士は点接触であってもよい。この場合、いずれか一方を、中心軸Axを回転軸とする円錐面、球面、放物面、双曲面等の曲面とし、いずれか他方を、中心軸Axを回転対称軸とする24角錐、36角錐等の多角錐面とすればよい。
【0026】
このディスク駆動装置では、シャフト2を、ラジアル軸受け11に挿通することにより回転自在に支持するとともに、スラスト軸受け16にてその上端部を回転自在に支持している。
このディスク駆動装置では、回転部17の駆動マグネット14と固定部4のベースプレート1との間に生じる吸引力がスラスト圧となる。したがって、このスラスト圧により回転部17を固定部4に回転自在に軸支するとともに、回転部17が浮き上がるのを防止することができる。したがって、スラスト圧を発生させるための装置を別途設ける必要が無くなる。
【0027】
このシャフト2に対して回転するスラスト軸受け16の中心軸は、ターンテーブル13に載置される光ディスクの中心軸と常に概略一致しているので、このスラスト軸受け16をシャフト2を軸として回転させても、光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心との間には、ずれが殆ど発生しない。
したがって、光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができる。
【0028】
このディスク駆動装置では、薄型化のために、回転方向の軸受けをラジアル軸受け11のみとしているので、このラジアル軸受け11とシャフト2との間のクリアランスが問題となるが、図3に示すように、シャフト2の軸Asをラジアル軸受け11の中心軸Axに対してずらして配置することで、一方の側のクリアランスt1を他方の側のクリアランスt2と比べて十分に小さくすることができる。
【0029】
このシャフト2は、その上端部がスラスト軸受け16により支持されているのみで、その本体部分はラジアル軸受け11に挿通されているから、図4に示すように、このシャフト2の上端部の曲面2aは、スラスト軸受け16の凹部21の底部の曲面21aと常に線接触することになる。この線接触の位置を調整することで、スラスト軸受け16の回転中心Cの位置を調整することが可能である。
【0030】
このスラスト軸受け16の回転中心Cが、ラジアル軸受け11の高さH、すなわち上端と下端との間に位置していると、スラスト軸受け16が、その回転中心Cを中心として傾いた場合においても、図5に示すように、このスラスト軸受け16の回転中心Cは、シャフト2の中心軸Axに常に位置することになり、このスラスト軸受け16に元の傾斜しない位置に戻ろうとする復帰力Fが働く。これにより、このスラスト軸受け16の回転中心Cと、シャフト2の中心軸Axとの間にずれが生じることが無くなり、光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心との間にずれが発生する虞がなくなる。
また、このシャフト2をラジアル軸受け11に接触させた場合、回転中心Cがラジアル軸受け11の上端と下端との間に位置していると、ターンテーブル13が傾かない。
【0031】
このスラスト軸受け16の回転中心Cの位置は、このスラスト軸受け16の曲面21aをシャフト2の上端部の曲面2aで受けることで調整可能であるから、このスラスト軸受け16の回転中心Cとシャフト2の中心軸Axとを常に一致させることができる。
また、シャフト2の傾斜防止のために、このシャフト2をラジアル軸受け11に押し付ける必要がなくなるので、シャフト2とラジアル軸受け11との間の摩擦力も増加しない。
【0032】
ラジアル軸受け11として、筒状の金属板の内面をフッ素樹脂でコーティングしたものを用いれば、この軸受けをより小型化することができ、その占有体積をより小さくすることができる。したがって、磁気回路により大きな空間を割くことができ、駆動装置の効率を向上させることができる。
【0033】
ここで、図6に示すように、スラスト軸受け16の回転中心Cと光ディスク(光情報記録媒体)31が遠い場合にターンテーブル13に傾きが発生すると、このターンテーブル13に載置された光ディスク31の情報記録領域の中心とスラスト軸受け16の回転中心Cとの間に大きなずれが発生する。一方、図7に示すように、スラスト軸受け16の回転中心Cと光ディスク31が近い場合、ターンテーブル13に傾きが発生しても、光ディスク31の情報記録領域の中心とスラスト軸受け16の回転中心Cとの間のずれの発生量は小さくなる。
【0034】
このディスク駆動装置を光ディスク記録/再生装置に搭載することで、光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることが可能になる。その結果、この光ディスクに対して高密度の記録/再生が可能となる。
また、このディスク駆動装置の構成が簡単で、しかも小型化が可能であるから、このディスク駆動装置を搭載した光ディスク記録/再生装置についても、さらなる小型化、薄型化が可能である。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のディスク駆動装置によれば、スラスト軸受け16の凹部21の曲面21aがシャフト2の上端部の曲面2aと常に線接触することで、このスラスト軸受け16がシャフト2を回転自在に支持する構成としたので、このスラスト軸受け16をシャフト2を軸として回転させた場合においても、光ディスクの情報記録領域の中心と回転中心との間にずれが発生するのを防止することができる。
【0036】
また、本実施形態の光ディスク記録/再生装置によれば、本実施形態のディスク駆動装置を搭載したので、光ディスクを、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができ、高密度の記録/再生を実現することができる。
また、搭載するディスク駆動装置の構成が簡単で、小型化が可能であるから、このディスク駆動装置を搭載した光ディスク記録/再生装置についても、さらなる小型化、薄型化を図ることができる。
【0037】
なお、本実施形態では、ディスク駆動装置として、アキシャル型のディスク駆動装置を例にとり説明したが、ラジアル型のディスク駆動装置についても同様に適用可能である。
ラジアル型のディスク駆動装置の場合、回転側のマグネットを固定側のヨーク中央に引っ張る引張力が働き、この引張力がスラスト圧となる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の光情報記録媒体の駆動装置によれば、前記第2の軸受けが、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持したので、光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間のずれを極めて小さくすることができ、この光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができる。
また、前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の外周部の少なくとも一部を回転自在に支持したので、構成を簡単化することができ、さらなる小型化、薄型化を図ることができる。
【0039】
また、軸を、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持することにより、この軸と第1の軸受けとのクリアランスを部分的に小さくすることができ、その結果、軸受けの高さを圧縮することができる。
【0040】
また、第2の軸受けの回転中心を、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置したことにより、第2の軸受けの回転中心と、前記軸の中心軸との間のずれを無くすことができ、光情報記録媒体の情報記録領域の中心と回転中心との間のずれの発生を防止することができる。
また、軸の傾斜防止のために、この軸を第1の軸受けに押し付ける必要が無く、軸と第1の軸受けとの間の摩擦力の増加を抑制することができる。
【0041】
また、第1の軸受けを焼結含油軸受けとしたことにより、軸受けをより小型化することができ、その結果、装置全体をより薄型化することができる。
また、第1の軸受けが小型化されるので、磁気回路の占有空間を広げることができ、駆動効率を向上させることができる。
【0042】
また、第1の軸受けを金属製の筒状体とし、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも軸に接触する領域を、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆したので、第1の軸受けを更に小型化することができ、その結果、装置全体を更に薄型化することができる。
また、第1の軸受けを更に小型化するので、磁気回路の占有空間を広げることができ、その結果、駆動効率を向上させることができる。
【0043】
本発明の光情報記録/再生装置によれば、本発明の光情報記録媒体の駆動装置を備えたので、光情報記録媒体を、その情報記録領域の中心と回転中心との間のずれが殆ど無い状態で回転させることができ、光情報記録媒体に対して高密度の記録/再生を行うことができる。
また、この光情報記録/再生装置の構成を簡単化することができ、さらなる小型化、薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のディスク駆動装置を示す分解断面図である。
【図2】本発明の一実施形態のディスク駆動装置を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態のディスク駆動装置のシャフトとラジアル軸受けの位置関係を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態のディスク駆動装置のシャフト及びラジアル軸受けの動作を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態のディスク駆動装置のシャフト及びラジアル軸受けの動作を示す断面図である。
【図6】スラスト軸受けの回転中心と光ディスクとの位置関係を示す模式図である。
【図7】スラスト軸受けの回転中心と光ディスクとの位置関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 シャフト(軸)
2a 曲面
3 コイル
4 固定部
11 ラジアル軸受け(第1の軸受け)
12 ロータ
13 ターンテーブル
14 駆動マグネット
15 吸着マグネット
16 スラスト軸受け(第2の軸受け)
17 回転部
21 凹部
21a 曲面
31 光ディスク
Ax 中心軸
C 回転中心
Claims (6)
- 光情報記録媒体を回転駆動させる駆動装置であって、
軸と、当該軸の周囲に配置されたコイル部とを備えた固定部と、
前記軸を回転自在に支持する第1の軸受けと、該第1の軸受けと一体に回転するロータ部と、該ロータ部に固定され前記光情報記録媒体を載置するターンテーブルと、前記ロータ部に設けられかつ前記コイル部に対向して配置された駆動マグネットと、前記ターンテーブル上に設けられて前記軸の上端部を回転自在に支持する第2の軸受けとを備えた回転部とを備え、
前記第2の軸受けは、前記軸の上端部の周縁部の少なくとも一部を回転自在に支持してなることを特徴とする光情報記録媒体の駆動装置。 - 前記軸は、前記第1の軸受けに対して偏心した状態で支持されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の駆動装置。
- 前記第2の軸受けの回転中心は、前記第1の軸受けの上端と下端との間に位置していることを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体の駆動装置。
- 前記第1の軸受けは、焼結含油軸受けであることを特徴とする請求項1、2または3記載の光情報記録媒体の駆動装置。
- 前記第1の軸受けは、金属製の筒状体からなり、かつ、この筒状体の内面のうち少なくとも前記軸に接触する領域は、前記金属より動摩擦係数の低い物質により被覆されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の光情報記録媒体の駆動装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項記載の光情報記録媒体の駆動装置を備えてなることを特徴とする光情報記録/再生装置。
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JP2003152774A JP2004357424A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置 |
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JP2003152774A JP2004357424A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置 |
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JP2003152774A Withdrawn JP2004357424A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 光情報記録媒体の駆動装置及びそれを備えた光情報記録/再生装置 |
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Cited By (3)
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JP2007282335A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Sanyo Electric Co Ltd | 小形モータ |
JP2009273310A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Seiko Precision Inc | アクチュエータ |
DE102009034021A1 (de) * | 2009-07-21 | 2011-01-27 | Minebea Co., Ltd., Miyota-machi | Fluiddynamisches Lagersystem |
-
2003
- 2003-05-29 JP JP2003152774A patent/JP2004357424A/ja not_active Withdrawn
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