JP2004356843A - データ送受信回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】広域高速網の端局装置における狭域網とのインタフェース部において、同期・非同期を問わず任意のクロック速度で2値信号を収容する。
【解決手段】狭域網に接続される低速通信装置から伝送速度B(bit/s)の2値ディジタル信号である低速側データ信号を入力し、広域高速網に接続される高速通信装置からC(Hz)(C>B)の高速側クロック信号を入力し、この高速側クロック信号の所定の位相ごとに低速側データ信号の値をサンプリングしかつ次の所定の位相までその値を保持することにより高速側データ信号を生成し、高速通信装置へ出力する高速側データ信号生成手段と、高速通信装置から高速側データ信号生成手段により生成された形態の高速側データ信号を入力し、そのままあるいは所定のフィルタリング処理を経て低速側データ信号を再生し、低速通信装置へ出力する低速側データ信号再生手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OTN(Optical Transport Network)のような広域高速網に狭域網の非同期信号を簡易に収容して伝送するデータ送受信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠隔地の狭域網間でディジタル通信を行うときは、通信業者が提供する広域高速網に狭域網の信号を収容した上で遠隔地へ伝送する方法が一般的である。このとき、狭域網の信号を一旦広域高速網に収容可能な信号および同期クロックに変換する必要があり、ネットワークの透過性が損なわれている。
【0003】
例えば、図6において、狭域網1および狭域網2がIP/イーサネット(登録商標)で構成されており、かつ両者はその規格で通信可能な距離以上離れているものとする。このとき、狭域網1と狭域網2間で通信を行うには、例えば広域高速網のSDH網50を利用し、POS(Packet over Sonet)によりIP信号をSDH信号に収容する方法がある。具体的には、狭域網1のゲートでイーサネットフレームが終端され、上位のIPフレームのみがSDH網50に渡される。SDH網50の端局装置51では狭域網1の同期クロックからSDH網50の同期クロックへのクロック乗せ換えが行われ、端局装置52ではSDH網50の同期クロックから狭域網2の同期クロックへのクロック乗せ換えが行われる。
【0004】
図7に示すSDH網50では、イーサネットフレームが終端されるため、透過的なネットワークが実現できない。例えば、狭域網1から狭域網2へ通信を行う場合、常に狭域網1のゲートのアドレスを使う必要があり、しかも狭域網2が別のネットワークであることを考慮しながら使う必要が生じる。これを解決するために、図7に示すOTNのような透過性を重視した広域高速網が提案されている。OTN60では、狭域網で用いられているイーサネットフレームをほぼそのまま収容して伝送することが可能であり、狭域網1から狭域網2内のMACアドレスを直接指定することができる。しかし、信号の多重化および同期クロックの乗せ換えのために、専用のインタフェースボートが必要であった。
【0005】
図8は、広域高速網の端局装置61の構成例を示す。広域高速網から受信した高速信号は、高速受信インタフェース62を介して分離部63−1に入力され、複数のチャネルの低速信号に分離され、スイッチ部64−1でチャネルごとの宛先にスイッチングされる。この分離およびスイッチの過程は、信号の多重度や多重方式により複数階層が存在する場合もある。ここでは2階層を示す。宛先が端局装置61の収容する狭域網内であれば、狭域網の専用インタフェース65を介して信号が渡され、宛先が他の端局装置に収容される狭域網内であれば、多重化部66−1で再び多重化され、高速送信インタフェース67を介して広域高速網に送信される。
【0006】
一般に、端局装置内部は、広域高速網の同期クロックに従って動作しているが、狭域網と信号の送受信を行う際には 狭域網で用いられている信号の伝送速度、すなわち狭域網の同期クロックに応じたインタフェースボードを用意する必要がある。例えば、GbE(Gigabit Ethernet) 信号を、専用のインタフェースボードを用いてOTNに収容する方法が提案されている(非特許文献1)。
【0007】
【非特許文献1】
M.Tomizawa, T.Kataoka, T.Ono, A.Matsuura, Y.Kisaka, Y.Yamada, Y.Miyamoto, K.Yonenaga, S.Kuwahara and H.Toba,”43−Gbit/s OTN Interface Prototype”,OFC2001,Anaheim, WDD53−1, 2001
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、狭域網で用いられる信号には多くの種類があり、専用のインタフェースボードなどを用いてそれらのすべてに対応することは際限がなく、コストパフォーマンスの観点からも負担が大きい。
【0009】
本発明は、広域高速網の端局装置における狭域網とのインタフェース部において、同期・非同期を問わず任意のクロック速度で2値信号を収容することができるデータ送受信回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、広域高速網に接続される高速通信装置と狭域網に接続される低速通信装置との間でデータ信号の送受信を行うデータ送受信回路において、低速通信装置から伝送速度B(bit/s)の2値ディジタル信号である低速側データ信号を入力し、高速通信装置からC(Hz)(C>B)の高速側クロック信号を入力し、この高速側クロック信号の所定の位相ごとに低速側データ信号の値をサンプリングしかつ次の所定の位相までその値を保持することにより高速側データ信号を生成し、高速通信装置へ出力する高速側データ信号生成手段と、高速通信装置から高速側データ信号生成手段により生成された形態の高速側データ信号を入力し、そのままあるいは所定のフィルタリング処理を経て低速側データ信号を再生し、低速通信装置へ出力する低速側データ信号再生手段とを備える。
【0011】
ここで、高速側データ信号生成手段は、高速側クロック信号の所定の位相ごとに低速側データ信号の値をサンプリングしかつ次の所定の位相までその値を保持するDフリップフロップとしてもよい。
【0012】
また、低速側データ信号再生手段は、遮断周波数がB(Hz)である低域通過フィルタ、あるいは通過帯域の中心周波数が高速側データ信号のキャリア周波数であり、通過帯域幅が2B(Hz)である帯域通過フィルタとしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のデータ送受信回路の実施形態を示す。ここでは、狭域網内の低速通信装置が遠隔地にある別の狭域網内の低速通信装置にデータを送信する際に、広域高速網に接続される高速通信装置とのデータ送受信を想定する。
【0014】
図において、本実施形態のデータ送受信回路10は、高速側データ信号生成手段11および低速側データ信号再生手段12により構成される。高速側データ信号生成手段11は、低速通信装置20−1から狭域網内の通信と同じ形態の伝送速度B(bit/s)の2値ディジタル信号である低速側データ信号を入力し、高速通信装置30−1から広域高速網に同期したC(Hz)(C>B)の高速側クロック信号を入力し、低速側データ信号から変換された高速側データ信号を高速通信装置30−1へ出力する。低速側データ信号再生手段12は、高速通信装置30−2から高速側データ信号を入力し、低速通信装置20−2へ低速側データ信号を出力する。
【0015】
高速側データ信号生成手段11では、高速側クロック信号の所定の位相ごとに低速側データ信号の値をサンプリングし、かつ次の所定の位相までその値を保持することにより高速側データ信号を生成する。このような機能は、図2に示すDフリップフロップ41により実現することができる。Dフリップフロップ41のクロック端子に高速側クロック信号を入力し、低速側データ信号をラッチして高速側データ信号として出力する。その動作例を図3に示す。
【0016】
高速側クロック信号が「0」から「1」に変わる瞬間に低速側データ信号のサンプリングを行うものとする。低速側データ信号の速度は、高速側クロック信号より低ければよく同期・非同期は任意である。ここに示す低速側データ信号は、高速側クロック信号のほぼ4/9の伝送速度になっており、低速側データ信号1ビット当たり、2〜3点のサンプリングが行われる。生成された高速側データ信号は、例えば図8に示す多重化部66−2に送出され、多重化されて広域高速網へ送信される。
【0017】
広域高速網を介して伝送された高速側データ信号は、高速通信装置30−2で分離されて低速側データ信号再生手段12に入力される。低速側データ信号再生手段12では、この高速側データ信号をそのまま低速側データ再生信号として低速通信装置20−2へ出力する。これにより、低速通信装置20−2では、自身が属する狭域網内の信号と同様に、この低速側データ再生信号を受信することができる。
【0018】
ここで、高速側データ信号生成手段11で生成される高速側データ信号には、図4に示すように、本来は低速側データ信号に存在しないような高い周波数成分を含む場合がある。このような周波数成分が低速通信装置20−2の受信特性に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、低速側データ信号再生手段12として図5(1) に示すような低域通過フィルタ42を用いる。この低域通過フィルタ42の遮断周波数はB(Hz)とする。これにより、図4に示すように高速側データ信号に含まれる高周波成分を除去し、元の信号成分のみを再生することができる。
【0019】
また、高速側データ信号にビット誤りが生じていたとしても、低速側データ信号からみれば単なる波形歪みとして、高周波成分と一緒に除去することができ、誤り率を低減することができる。
【0020】
また、低速側データ信号がベースバンドでなく、所定のキャリア成分をもっていたとしても、IM−DD光送受信のような包絡線検波を行う構成であれば、図5(2) に示すような通過帯域の中心周波数が高速側データ信号のキャリア周波数であり、通過帯域幅が2B(Hz)である帯域通過フィルタ43により対応することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のデータ送受信回路は、広域高速網の同期クロックを用いて低速側データ信号をサンプリングして送信し、高速側データ信号を受信する際にはそのままあるいは所定のフィルタリング処理を行うことにより、任意の低速側データ信号のクロック乗せ換えを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ送受信回路の実施形態を示すブロック図。
【図2】高速側データ信号生成手段11の構成例を示す図。
【図3】高速側データ信号生成手段11の動作例を示すタイムチャート。
【図4】低速側データ信号再生手段12の機能を説明する図。
【図5】低速側データ信号再生手段12の構成例を示す図。
【図6】従来の伝送方式(SDH)を示す図。
【図7】従来の伝送方式(OTN)を示す図。
【図8】広域高速網の端局装置61の構成例を示す図。
【符号の説明】
10 データ送受信回路
11 高速側データ信号生成手段
12 低速側データ信号再生手段
20 低速通信装置
30 高速通信装置
41 Dフリップフロップ
42 低域通過フィルタ
43 帯域通過フィルタ
50 SDH網
51,52,61,62 端局装置
60 OTN
62 高速受信インタフェース
63 分離部
64 スイッチ
65 専用インタフェース
66 多重化部
67 高速送信インタフェース

Claims (4)

  1. 広域高速網に接続される高速通信装置と狭域網に接続される低速通信装置との間でデータ信号の送受信を行うデータ送受信回路において、
    前記低速通信装置から伝送速度B(bit/s)の2値ディジタル信号である低速側データ信号を入力し、前記高速通信装置からC(Hz)(C>B)の高速側クロック信号を入力し、この高速側クロック信号の所定の位相ごとに低速側データ信号の値をサンプリングしかつ次の所定の位相までその値を保持することにより高速側データ信号を生成し、前記高速通信装置へ出力する高速側データ信号生成手段と、
    前記高速通信装置から前記高速側データ信号生成手段により生成された形態の高速側データ信号を入力し、そのままあるいは所定のフィルタリング処理を経て低速側データ信号を再生し、前記低速通信装置へ出力する低速側データ信号再生手段と
    を備えたことを特徴とするデータ送受信回路。
  2. 請求項1に記載のデータ送受信回路において、
    前記高速側データ信号生成手段は、高速側クロック信号の所定の位相ごとに低速側データ信号の値をサンプリングしかつ次の所定の位相までその値を保持するDフリップフロップである
    ことを特徴とするデータ送受信回路。
  3. 請求項1に記載のデータ送受信回路において、
    前記低速側データ信号再生手段は、遮断周波数がB(Hz)である低域通過フィルタである
    ことを特徴とするデータ送受信回路。
  4. 請求項1に記載のデータ送受信回路において、
    前記低速側データ信号再生手段は、通過帯域の中心周波数が前記高速側データ信号のキャリア周波数であり、通過帯域幅が2B(Hz)である帯域通過フィルタである
    ことを特徴とするデータ送受信回路。
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