JP2004356445A - 半導体レーザー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、半導体レーザーの出力端面には特定の波長に対して反射防止効果を有した薄膜を形成することが一般的に行われていたが、半導体レーザ装置から高出力の光を得ようとする場合には、より反射防止効果が優れたものが必要であるという問題があった。
【解決手段】半導体レーザー1と、この半導体レーザー1のレーザー光の出力端面2に形成された保護反射防止膜11と、この保護反射防止膜11上に重ねて形成された少なくとも2層からなる反射防止用の交互多層膜12とを具備した。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体レーザー1と、この半導体レーザー1のレーザー光の出力端面2に形成された保護反射防止膜11と、この保護反射防止膜11上に重ねて形成された少なくとも2層からなる反射防止用の交互多層膜12とを具備した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子である半導体レーザーから出射される光を光ファイバ等の光導波路の一端側から入射させ、同光導波路の他端側に設けたミラーによって反射させて再び半導体レーザーに入力させることで共振状態を作りだし、半導体レーザーの出力光の増加を図ったいわゆる外部共振型の半導体レーザー装置が知られている。この場合、半導体レーザーの出力端面には特定の波長に対して反射防止効果を有した薄膜を形成することが一般的に行われている。特許文献1には、上述した如き半導体レーザー装置が開示されている。しかしながら半導体レーザー装置から高出力の光を得ようとする場合には、より反射防止効果が優れたものが必要であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−119096号公報(第4頁〜第5頁、図1〜図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、半導体レーザー装置から高出力の光を得ようとする場合には、より反射防止に優れたものが必要であった。
【0005】
本発明はこのような要望を解決するためになされたもので、この発明は、反射防止効果を高めた半導体レーザー装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる半導体レーザー装置は、半導体レーザーと、この半導体レーザーのレーザー光出射面に形成された保護膜と、この保護膜上に重ねて形成された少なくとも2層からなる反射防止用の薄膜層とを具備したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記反射防止用の薄膜層は、第1の屈折率を有する薄膜層と第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する薄膜層が積層されたものであることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記反射防止用の薄膜層は、第1の屈折率を有する薄膜層と第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する薄膜層とが交互に積層されたものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4にかかる半導体レーザー装置は、請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第1の屈折率は前記保護膜の屈折率よりも小さく、前記第2の屈折率は前記保護膜の屈折率と同じか若しくは大きいことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5にかかる半導体レーザー装置は、請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第1の屈折率を有する薄膜層は、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、又はフッ化アルミニウムのいずれかから成ることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6にかかる半導体レーザー装置は、請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第2の屈折率を有する薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、又は酸化チタンのいずれかから成ることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記薄膜層の膜厚はそれぞれ以下の式を満足する範囲にあることを特徴とするものである。
【0013】
0.375mλ≧nidi≧0.125mλ
ここでniは前記薄膜層の前記保護膜に近い方から第i番目の薄膜層の屈折率、diは第i番目の薄膜層の物理膜厚、λは前記半導体レーザーの使用波長、mは自然数である。
【0014】
請求項8にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記薄膜層の分光反射率は前記半導体レーザーの使用波長±10nmの範囲内において1%以下であることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明になる半導体レーザー装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明になる半導体レーザー装置の一実施の形態を示す斜視図であり、図2はその要部断面図である。図1において、1はAlGaAs等の屈折率3.5以上の材料からなる半導体レーザー、2は半導体レーザー1からの出力光が出射される出力端面(出射面)である。また、3は出力端面2から出射される光に対して平行光化や集光を行う複数のレンズからなる光学系(記載の便宜上、四角形状で示している)、4は光学系3からの出力光が入射される光ファイバである。
【0017】
図2は、図1の半導体レーザー1の出力端面2部分を詳細に示すもので、11は半導体レーザー1の出力端面2の保護及び反射防止のための保護反射防止膜、12は保護反射防止膜11上に積層して形成された交互多層膜である。この交互多層膜12は、Al2O3からなる保護反射防止膜11よりも屈折率の低い、例えばSiO2等からなる低屈折率の膜13、14、…と、保護反射防止膜11と屈折率が同程度か若しくは高いAl2O3からなる中・高屈折率の膜15、16、…、17が交互に積層されたものとなっている。
【0018】
さらに、上記交互多層膜12の各層の光学的膜厚は、以下の式(1)で示す関係を満足するように設定されている。
【0019】
0.375mλ≧nidi≧0.125mλ (1)
ここでniは交互多層膜12のi番目(保護反射防止膜11に近い膜から順番に1番目、2番目、…とする)の膜の屈折率、diは同じく交互多層膜12のi番目の膜の物理的膜厚、λは半導体レーザー1の使用波長、mは自然数である。
【0020】
交互多層膜12のうちの高屈折率の膜15、16、…、17の材料としては、保護反射防止膜11の膜材料の屈折率に比較的近いか、もしくは上記屈折率よりも高い屈折率を有する材料が望ましく、酸化アルミニウム(Al2O3)以外に、酸化イットリウム(Y2O3)や、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)等を用いることが出来る。また、交互多層膜12のうち低屈折率の膜13、14の材料としては、酸化ケイ素(SiO2)以外にフッ化マグネシウム(MgF2)又はフッ化アルミニウム(AlF3)、またはこれらの混合物等を用いることが出来る。但し、各層の成膜材料は、いずれも保護反射防止膜11の屈折率よりも低い屈折率の材料を低屈折率の膜に、保護反射防止膜11の屈折率と同じか或いは高い屈折率の材料を中・高屈折率の膜に選択する必要がある。
【0021】
また、光学薄膜である上記交互多層膜12の形成には、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の従来公知の手法によれば良い。真空蒸着法では、所望の酸化物を蒸着源として使用し、抵抗加熱、電子ビーム加熱等により、加熱蒸着させることで、簡便に酸化物薄膜を形成することが出来る。スパッタリング法を用いる場合はターゲットに所望の酸化物ターゲットを用いるか、或いは所望の金属ターゲットを用い、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガス或いは、アルゴン、ネオン等の不活性ガスと酸素の混合ガスを使用し、直流スパッタリング法や高周波スパッタリング法を用いて酸化物薄膜を形成する。成膜速度を上昇させるために、直流マグネトロンスパッタリング法や、高周波マグネトロンスパッタリング法を用いればよい。
【0022】
薄膜の形成については、形成される薄膜の緻密さ、或いは水分による反射率特性の波長シフト、薄膜の密着性等の耐環境性の面からスパッタリング法、或いは、スパッタリング法に準ずる薄膜形成方法で薄膜を形成するのが望ましい。
【0023】
上記交互多層膜12の各光学薄膜層の膜厚は接触式測定法、例えば、段差測定器等、非接触式測定法であれば光干渉式膜厚計、エリプソメトリック等の方法で測定され、上記方法で形成された反射防止膜の反射率特性は、分光光度計、及び半導体レーザーに通電することによってそのレーザーから得られる光出力から調べることが出来る。また、分光反射率については、光学薄膜層の中間層の膜厚が精度的に設定値からずれてしまうことがあっても、最終層である中・高屈折率層の膜厚を調整することで所望の分光反射率を得ることができる。
【0024】
図3は、図2に示す半導体レーザー1の基材として屈折率3.6(λ=850nm)のAlGaAsを用い、保護反射防止膜11としてはAl2O3を用い、さらにこの膜11上に積層して形成される交互多層膜12として低屈折率材料のSiO2を使用した低屈折率の膜及び中・高屈折率材料のAl2O3を使用した中・高屈折率の膜を各々1層ずつ光学的膜厚を最適に形成した場合の半導体レーザー1の波長と反射率との関係を示す測定データである。この図から上記構成の半導体レーザー装置(の反射防止膜)は、近赤外線領域の波長825nmから845nmにおいて反射率が0.5%以下の優れた反射防止特性を持ち得ることが理解される。
【0025】
本実施の形態によれば、優れた反射防止特性を有した反射防止膜を得ることが出来、もって優れた反射防止特性を有した半導体レーザー装置を得ることが出来る。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、反射防止効果を高めた半導体レーザー装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる半導体レーザー装置の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1における半導体レーザー1の出力端面2部分を拡大して示す要部断面図。
【図3】半導体レーザー1の波長と反射率との関係を示す測定データの一例を示す図。
【符号の説明】
1: 半導体レーザー
2: 出力端面
11: 保護反射防止膜
12: 交互多層膜
13、14: 低屈折率の膜
15乃至17: 中・高屈折率の膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子である半導体レーザーから出射される光を光ファイバ等の光導波路の一端側から入射させ、同光導波路の他端側に設けたミラーによって反射させて再び半導体レーザーに入力させることで共振状態を作りだし、半導体レーザーの出力光の増加を図ったいわゆる外部共振型の半導体レーザー装置が知られている。この場合、半導体レーザーの出力端面には特定の波長に対して反射防止効果を有した薄膜を形成することが一般的に行われている。特許文献1には、上述した如き半導体レーザー装置が開示されている。しかしながら半導体レーザー装置から高出力の光を得ようとする場合には、より反射防止効果が優れたものが必要であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−119096号公報(第4頁〜第5頁、図1〜図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、半導体レーザー装置から高出力の光を得ようとする場合には、より反射防止に優れたものが必要であった。
【0005】
本発明はこのような要望を解決するためになされたもので、この発明は、反射防止効果を高めた半導体レーザー装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる半導体レーザー装置は、半導体レーザーと、この半導体レーザーのレーザー光出射面に形成された保護膜と、この保護膜上に重ねて形成された少なくとも2層からなる反射防止用の薄膜層とを具備したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記反射防止用の薄膜層は、第1の屈折率を有する薄膜層と第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する薄膜層が積層されたものであることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記反射防止用の薄膜層は、第1の屈折率を有する薄膜層と第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する薄膜層とが交互に積層されたものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4にかかる半導体レーザー装置は、請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第1の屈折率は前記保護膜の屈折率よりも小さく、前記第2の屈折率は前記保護膜の屈折率と同じか若しくは大きいことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5にかかる半導体レーザー装置は、請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第1の屈折率を有する薄膜層は、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、又はフッ化アルミニウムのいずれかから成ることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6にかかる半導体レーザー装置は、請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第2の屈折率を有する薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、又は酸化チタンのいずれかから成ることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記薄膜層の膜厚はそれぞれ以下の式を満足する範囲にあることを特徴とするものである。
【0013】
0.375mλ≧nidi≧0.125mλ
ここでniは前記薄膜層の前記保護膜に近い方から第i番目の薄膜層の屈折率、diは第i番目の薄膜層の物理膜厚、λは前記半導体レーザーの使用波長、mは自然数である。
【0014】
請求項8にかかる半導体レーザー装置は、請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記薄膜層の分光反射率は前記半導体レーザーの使用波長±10nmの範囲内において1%以下であることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明になる半導体レーザー装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明になる半導体レーザー装置の一実施の形態を示す斜視図であり、図2はその要部断面図である。図1において、1はAlGaAs等の屈折率3.5以上の材料からなる半導体レーザー、2は半導体レーザー1からの出力光が出射される出力端面(出射面)である。また、3は出力端面2から出射される光に対して平行光化や集光を行う複数のレンズからなる光学系(記載の便宜上、四角形状で示している)、4は光学系3からの出力光が入射される光ファイバである。
【0017】
図2は、図1の半導体レーザー1の出力端面2部分を詳細に示すもので、11は半導体レーザー1の出力端面2の保護及び反射防止のための保護反射防止膜、12は保護反射防止膜11上に積層して形成された交互多層膜である。この交互多層膜12は、Al2O3からなる保護反射防止膜11よりも屈折率の低い、例えばSiO2等からなる低屈折率の膜13、14、…と、保護反射防止膜11と屈折率が同程度か若しくは高いAl2O3からなる中・高屈折率の膜15、16、…、17が交互に積層されたものとなっている。
【0018】
さらに、上記交互多層膜12の各層の光学的膜厚は、以下の式(1)で示す関係を満足するように設定されている。
【0019】
0.375mλ≧nidi≧0.125mλ (1)
ここでniは交互多層膜12のi番目(保護反射防止膜11に近い膜から順番に1番目、2番目、…とする)の膜の屈折率、diは同じく交互多層膜12のi番目の膜の物理的膜厚、λは半導体レーザー1の使用波長、mは自然数である。
【0020】
交互多層膜12のうちの高屈折率の膜15、16、…、17の材料としては、保護反射防止膜11の膜材料の屈折率に比較的近いか、もしくは上記屈折率よりも高い屈折率を有する材料が望ましく、酸化アルミニウム(Al2O3)以外に、酸化イットリウム(Y2O3)や、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)等を用いることが出来る。また、交互多層膜12のうち低屈折率の膜13、14の材料としては、酸化ケイ素(SiO2)以外にフッ化マグネシウム(MgF2)又はフッ化アルミニウム(AlF3)、またはこれらの混合物等を用いることが出来る。但し、各層の成膜材料は、いずれも保護反射防止膜11の屈折率よりも低い屈折率の材料を低屈折率の膜に、保護反射防止膜11の屈折率と同じか或いは高い屈折率の材料を中・高屈折率の膜に選択する必要がある。
【0021】
また、光学薄膜である上記交互多層膜12の形成には、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の従来公知の手法によれば良い。真空蒸着法では、所望の酸化物を蒸着源として使用し、抵抗加熱、電子ビーム加熱等により、加熱蒸着させることで、簡便に酸化物薄膜を形成することが出来る。スパッタリング法を用いる場合はターゲットに所望の酸化物ターゲットを用いるか、或いは所望の金属ターゲットを用い、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガス或いは、アルゴン、ネオン等の不活性ガスと酸素の混合ガスを使用し、直流スパッタリング法や高周波スパッタリング法を用いて酸化物薄膜を形成する。成膜速度を上昇させるために、直流マグネトロンスパッタリング法や、高周波マグネトロンスパッタリング法を用いればよい。
【0022】
薄膜の形成については、形成される薄膜の緻密さ、或いは水分による反射率特性の波長シフト、薄膜の密着性等の耐環境性の面からスパッタリング法、或いは、スパッタリング法に準ずる薄膜形成方法で薄膜を形成するのが望ましい。
【0023】
上記交互多層膜12の各光学薄膜層の膜厚は接触式測定法、例えば、段差測定器等、非接触式測定法であれば光干渉式膜厚計、エリプソメトリック等の方法で測定され、上記方法で形成された反射防止膜の反射率特性は、分光光度計、及び半導体レーザーに通電することによってそのレーザーから得られる光出力から調べることが出来る。また、分光反射率については、光学薄膜層の中間層の膜厚が精度的に設定値からずれてしまうことがあっても、最終層である中・高屈折率層の膜厚を調整することで所望の分光反射率を得ることができる。
【0024】
図3は、図2に示す半導体レーザー1の基材として屈折率3.6(λ=850nm)のAlGaAsを用い、保護反射防止膜11としてはAl2O3を用い、さらにこの膜11上に積層して形成される交互多層膜12として低屈折率材料のSiO2を使用した低屈折率の膜及び中・高屈折率材料のAl2O3を使用した中・高屈折率の膜を各々1層ずつ光学的膜厚を最適に形成した場合の半導体レーザー1の波長と反射率との関係を示す測定データである。この図から上記構成の半導体レーザー装置(の反射防止膜)は、近赤外線領域の波長825nmから845nmにおいて反射率が0.5%以下の優れた反射防止特性を持ち得ることが理解される。
【0025】
本実施の形態によれば、優れた反射防止特性を有した反射防止膜を得ることが出来、もって優れた反射防止特性を有した半導体レーザー装置を得ることが出来る。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、反射防止効果を高めた半導体レーザー装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる半導体レーザー装置の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1における半導体レーザー1の出力端面2部分を拡大して示す要部断面図。
【図3】半導体レーザー1の波長と反射率との関係を示す測定データの一例を示す図。
【符号の説明】
1: 半導体レーザー
2: 出力端面
11: 保護反射防止膜
12: 交互多層膜
13、14: 低屈折率の膜
15乃至17: 中・高屈折率の膜
Claims (8)
- 半導体レーザーと、この半導体レーザーのレーザー光出射面に形成された保護膜と、この保護膜上に重ねて形成された少なくとも2層からなる反射防止用の薄膜層とを具備したことを特徴とする半導体レーザー装置。
- 請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記反射防止用の薄膜層は、第1の屈折率を有する薄膜層と第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する薄膜層が積層されたものであることを特徴とする半導体レーザー装置。
- 請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記反射防止用の薄膜層は、第1の屈折率を有する薄膜層と第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する薄膜層とが交互に積層されたものであることを特徴とする半導体レーザー装置。
- 請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第1の屈折率は前記保護膜の屈折率よりも小さく、前記第2の屈折率は前記保護膜の屈折率と同じか若しくは大きいことを特徴とする半導体レーザー装置。
- 請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第1の屈折率を有する薄膜層は、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、又はフッ化アルミニウムのいずれかから成ることを特徴とする半導体レーザー装置。
- 請求項2乃至3記載の半導体レーザー装置において、前記第2の屈折率を有する薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、又は酸化チタンのいずれかから成ることを特徴とする半導体レーザー装置。
- 請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記薄膜層の膜厚はそれぞれ以下の式を満足する範囲にあることを特徴とする半導体レーザー装置。
0.375mλ≧nidi≧0.125mλ
ここでniは前記薄膜層の前記保護膜に近い方から第i番目の薄膜層の屈折率、diは第i番目の薄膜層の物理膜厚、λは前記半導体レーザーの使用波長、mは自然数である。 - 請求項1記載の半導体レーザー装置において、前記薄膜層の分光反射率は前記半導体レーザーの使用波長±10nmの範囲内において1%以下であることを特徴とする半導体レーザー装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003153395A JP2004356445A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 半導体レーザー装置 |
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JP2003153395A JP2004356445A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 半導体レーザー装置 |
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JP (1) | JP2004356445A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113549862A (zh) * | 2020-04-08 | 2021-10-26 | 北京理工大学 | 一种高能激光防护多层复合材料涂层结构及其制造方法 |
-
2003
- 2003-05-29 JP JP2003153395A patent/JP2004356445A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113549862A (zh) * | 2020-04-08 | 2021-10-26 | 北京理工大学 | 一种高能激光防护多层复合材料涂层结构及其制造方法 |
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