JP2004356436A - 熱交換部品及びこれを用いた表示装置、放熱フィン及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

熱交換部品及びこれを用いた表示装置、放熱フィン及びこれを用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱部品の実装構造を大きく変更することなく、周囲への放熱性能を向上させて、その温度上昇を抑制することを課題とする。
【解決手段】アドレスIC301は、銅箔層305とフレキシブル絶縁層307,308から成るフレキシブル配線板302に搭載される。アドレスIC301が接続される銅箔305の表面に、例えば、粗面化処理などの熱放射性向上処理を施して着色層401〜404を形成し、熱放射特性を向上させる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気部品に係わり、特に、半導体素子や抵抗性インピーダンスを有する素子や発熱素子、あるいは温度検出素子や吸熱素子などを用いた電気部品である熱交換部品、及びそのような熱交換部品が組み込まれた電子機器、特に平面ディスプレイやブラウン管ディスプレイなどの表示装置全般に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネルを使用した表示装置は、平面ディスプレイの一般的な特長である奥行きが小さいことに加えて、視野角が広くて大画面を作りやすいという特長から、次世代大型テレビの最有力ディスプレイ候補として注目されている。しかし、プラズマディスプレイパネルは、同じ平面ディスプレイである液晶パネルを使用した装置とは異なり、放電現象による表示であるために消費電力が大きい。そのため、表示用信号をパネルに導くドライバICの消費電力が大きい。
【0003】
従来、プラズマディスプレイパネルにおいて、ドライバICはワイヤボンディングにより基板に実装されていた。ところが、先行している液晶パネル装置と同様に、生産量が増すにつれて、ワイヤボンディング方式より生産効率のよいフリップチップ方式を用いてドライバICをプラズマディスプレイパネルに実装することが提案されている。ところが、プラズマディスプレイパネルは、液晶パネルと異なりフリップチップ実装であっても放熱性を追及した構造が求められる。
【0004】
フリップチップ実装において放熱性を改善する方法の一例として、プラズマディスプレイパネルを支えるアルミニウムの一枚板を通常より延ばし、その延ばした部分にドライバICを張り付ける構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この構造は、合理的であるが、熱伝導を確保するための、ドライバICの固定方法については、具体的に開示されていない。
【0005】
一方、熱伝導が目的ではないが、外部から加圧することにより接触を維持する構造が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、熱伝導率の高い接着部材を用いてドライバIC背面から熱を周囲の部材に放出する構造が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この構造について図1を参照しながら説明する。図1(a)及び1(c)は従来のプラズマディスプレイパネルの一部分の断面図であり、図1(b)及び1(d)はそれぞれ図1(a)及び1(c)の一部拡大断面図である。
【0007】
図1において、アドレスIC101とフレキシブル配線板2を合わせたものがアドレスICモジュールである。アドレスIC101は、フレキシブル配線板102にフリップチップ構造で接続されている。すなわち、アドレスIC101の回路形成面に形成された金バンプ105をフレキシブル配線板102の表面に形成された銅配線109に接着することによって電気的な接続を実現している。
【0008】
この構造では、アドレスIC101内で発生した熱を逃がすためには、回路形成面と逆の面を利用する必要がある。すなわち、アドレスIC101の回路形成面側では、熱伝導の良い金バンプ105を使用しているが、この金バンプ105の面積が小さいので、フレキシブル配線板2に熱を伝えるのはACF(異方伝導フィルム)106に頼らなければならない。しかし、ACF106の熱伝導率は小さいのでフレキシブル配線板102に熱が伝わりにくく、さらには、フレキシブル配線板102そのものの熱伝導率が小さい。そこで、熱伝導率の高い接着部材である熱伝導シート103を用いて、アルミニウムシャーシ104に熱を逃がしている。熱伝導シート103は樹脂であるが、熱伝導率が1〜10W/m・Kと、通常の樹脂より桁違いに高い材料を使用した粘着性のあるシートである。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−260641号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平9−27515号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2001−352022号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
熱伝導率を高くするために樹脂に高熱伝導率の粉末(例えば、窒化硼素)を混ぜると、熱伝導シート103の粘着性能を高めることが困難である。すなわち、図1(a)、(b)に示すように熱伝導シート103が接着されている場合でも、図1(b)の拡大図に示すように、アルミニウムシャーシ104の接着面には凹凸があり、この凹凸中に空気層が形成される。この空気層によって、当初アルミニウムシャーシ204と熱伝導シート203が接着されていても、時間が経過するに従って、図1(c)、(d)に示すように熱伝導シート103がアルミニウムシャーシ104から剥離してくるという問題がある。
【0013】
また、図1(b)より明らかなように、アルミニウムシャーシ104と熱伝導シート103の接着部表面の凹凸によって生じた空気層により熱伝導性が悪くなるという問題もある。即ち、空気は熱伝導率が悪いので、熱伝導率の良好な熱伝導シート103を用いても、空気層により充分な熱が伝わらない。
【0014】
以上のように、従来技術には、プラズマディスプレイパネルにフリップチップ実装されたドライバICで発生した熱を有効に逃がすための構造に関する開示例は見当たらない。
【0015】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、発熱部品の実装構造を大きく変更することなく周囲への放熱性能を向上させて、その温度上昇を抑制すること、およびそのような構造をプラズマディスプレイなどの表示装置に適用することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明によれば、動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記導体層より熱放射率が高い熱放射層を前記導体層の表面に形成したことを特徴とする熱交換部品が提供される。
【0017】
また、前記表面絶縁層を熱放射率を高めるための処理がなされた熱放射層として形成してもよい。また、前記電気部品の表面より熱放射率が高い熱放射層を前記電気部品の表面に形成することもできる。さらに、導電性テープを前記基板の表面に貼り付けることとしてもよい。
【0018】
本発明による熱交換部品は、表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置の前記表示デバイスを駆動する回路に用いることが好ましい。
【0019】
また、本発明によれば、動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、該熱交換部品を構成する金属の表面に粗面化処理を施したことを特徴とする熱交換部品及びそのような熱交換部品を有する表示装置が提供される。
【0020】
さらに、本発明によれば、動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に設けたことを特徴とする熱交換部品及びそのような熱交換部品を有する表示装置が提供される。
【0021】
また、本発明によれば、熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、表面に粗面化処理を施した金属よりなることを特徴とする放熱フィンが提供される。さらに、表面反射を低減する着色塗料を表面に塗布したことを特徴とする放熱フィンも提供される。また、光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層を表面に設けたことを特徴とする放熱フィンも提供される。
【0022】
また、本発明によれば、表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、上述のような放熱フィンを設けたことを特徴とする表示装置も提供される。
【0023】
また、本発明によれば、複数のフィンを備えた金属製の放熱フィンであって、前記フィンは中央から周辺に向かって平行に整列して設けられ、中央のフィン表面積が最も広く、周辺に向かってフィン表面積が小さくなるようにフィンの大きさが設定された構造であることを特徴とする放熱フィン、及びそのような放熱フィンが設けられたことを特徴とする表示装置が提供される。
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
まず、本発明が適用されるプラズマディスプレイパネルについて、図2を参照しながら説明する。図2は本発明によるプラズマディスプレイパネルの実施例を背面側から見た斜視図である。
【0025】
図2に示すプラズマディスプレイ装置200は、テレビジョン等、製品の正面となる前面パネル201を有する。前面パネル201の素材はガラスである。前面パネル201の画面サイズが42型である場合、画面の対角寸法は1m10cm弱である。前面パネル201の後ろ側に、約0.1mmの隙間を介して背面パネル202が設けられる。前面パネル201と背面パネル202の間の間隙を減圧し、プラズマ発光の小部屋(セル)が設けられる。セルの数は、縦方向480個、横方向2556個(852個×3原色)であり、セルは格子状に並んでいる。この2枚のガラスパネル201、202を機械的に支えているのは、厚さ1mmのアルミニウムの板である。このアルミニウムの板は例えば1枚板のものやこれに他のアルミニウム板を接続したもの等であり、アルミニウムシャーシ203として形成される。また、アルミニウムシャーシ203は、プラズマディスプレイ装置200の駆動用回路基板も機械的に支持している。
【0026】
プラズマディスプレイ装置200の駆動用回路基板は、中央部上部に位置する電源回路基板204、左右に位置するY側サステイン回路基板206及びX側サステイン回路基板207、中央部下側に位置するロジック回路基板205から構成されている。電源回路基板204は、外部から供給される電圧を利用して、内部で必要とする電圧を作り出す。Y側サステイン回路基板206及びX側サステイン回路基板207は、対になってプラズマ発光のための電力を供給する。また、ロジック回路基板205は、画像信号をプラズマ発光のための信号に変換し、各画素に供給する。
【0027】
本発明が適用されるプラズマディスプレイパネルは、例えば一つの画素に3つの電極が存在する。前面パネル201には、X電極とY電極、背面パネル202には、A(アドレス)電極が配置されている。画像信号をY電極とA電極で記憶させ、X電極とY電極で表示する。画像信号を各画素に記憶させるために、ドライバICが使用される。ドライバICの内、A電極に通じるものをアドレスICモジュール213、Y電極に通じるものをスキャンICモジュール211と称する。また、X電極には、ICを介さず、直接X側サステイン回路基板207からXフレキシブル配線板212で接続する。アドレスICモジュール213とロジック回路基板205の間に、中継用の基板としてアドレスバス基板208が設けられる。また、スキャンICモジュール211とY側サステイン回路基板206との間に、中継基板としてYバス基板209が設けられる。さらに、Xフレキシブル配線板212とX側サステイン回路基板207の間に、中継用の基板としてXバス基板110が設けられる。
【0028】
スキャンICモジュール211及びアドレスICモジュール213は、作動中の発熱が大きい。そのため、放熱構造を設けることが必要となる。図2では、Y押え板214及びアドレス押え板215が、放熱構造の一部として現れている。本発明は、スキャンICモジュール211及びアドレスICモジュール213の放熱構造に適用可能である。基本的にスキャンICモジュール211とアドレスICモジュール213の放熱構造には違いがなく、アドレスICモジュール213の方が発熱量が大きいので、アドレスICモジュール213の放熱構造について以下に詳細に説明する。
【0029】
図3にアドレスICモジュール213の外形を示す。アドレスICモジュール213は、フレキシブル配線板302と、フレキシブル配線板302に実装されたアドレスIC301とよりなる。フレキシブル配線板302の両端には、アドレスバス基板208に接続する入力端子303と、表示パネル(現行では背面パネル202)の電極に接続する出力端子304とが形成されている。
【0030】
フレキシブル配線板302上に実装されたアドレスIC301は、入出力端子間の方向に長い形状に設計することによって素子の実装密度の向上が図られている。しかし、アドレスIC301を入出力端子間の方向の垂直方向に長い形状のスリムチップタイプに設計することによって、ICの入力パッドの位置の設計自由度を向上することもできる。
【0031】
図3に示す例では、3個のアドレスIC301が実装されているが、実装するアドレスICの数は3個に限られず、フレキシブル配線板302の大きさが許す範囲で任意の数だけ実装できる。また、アドレスIC301のフレキシブル配線板302に対する実装面は、図示したように入出力端子と同一面であっても反対面であっても構わない。
【0032】
アドレスICモジュール213へのアドレスIC301の実装法は、ICのボンディングパッドへのボンディング法からワイヤボンディング方式とギャングボンディング方式に大別される。高価な高耐圧LSIであるアドレスIC301と広い面積のフレキシブル配線板302から成るアドレスICモジュール213は、ディスプレイ内に多数配置されており、その部材コストが全回路部材に占める割合は極めて大きい。
【0033】
アドレスICモジュール213を低コスト化するために、ワイヤボンディング方式ではなく、フリップチップ方式を用いることが多い。この場合、ワイヤボンディング方式とは異なり、フレキシブル配線板302に対するチップの実装面を反転して、アドレスIC301の突起電極をフレキシブル配線板302の端子に一括にギャングボンディングする。また、ギャングボンディング方式の方がパッドピッチも小さくでき、アドレスICモジュール213へのICの実装密度も向上する。
【0034】
ギャングボンディング方式により実用化されているアドレスICモジュール213の例としては、図4から図6に示すような構造が挙げられる。
【0035】
図4に示すアドレスICモジュールは、アドレスIC301をAu−SnやAu−Auなどの共晶結合によりフレキシブル配線板302に接続したTAB(Tape Automated Bonding)モジュールの例である。表面にAuやSnなどのメッキ処理が施されて入力端子303や出力端子304となる銅箔層305は、アドレスIC301に形成したパッド306との間で熱圧着や超音波振動摩擦などによって共晶領域を生じ、アドレスIC301と電気的に接続される。
【0036】
銅箔層305はポリイミドなどによるフレキシブル絶縁層307及び308により被覆されている。フレキシブル絶縁層307及び308は銅箔層305に塗装して形成することもできるので、これらの層間に接着剤層は必ずしも必要ではない。また、フレキシブル絶縁層307と308と銅箔層305はアドレスIC301の直下で切断されて、銅箔層305のみがパッド306位置に露出するフライングリード構造となっており、400℃程度の高温で熱圧着できる構造になっている。よって、アドレスIC301はフレキシブル配線板302のどちらの面にも実装できる。
【0037】
アドレスIC301の結合部の補強と回路面の保護のために、アドレスIC301の周囲にはアンダーフィル剤309が充填され固化されている。このアドレスICモジュール213はディスプレイの製造工場にリール状のテープの形で搬入し、工場内で裁断して図示した形状にしてから、パネルに自動実装することができる。
【0038】
図5に示すアドレスICモジュールは、アドレスIC301をACF(異方性導電フィルム)310を介してフレキシブル配線板302に接続したCOF(Chip on Film)モジュールの例である。表面にAuメッキ処理などが施されて入力端子303や出力端子304となる銅箔層305は、アドレスIC301に形成したパッド306との間にACFフィルムを挟んで熱圧着することにより、アドレスIC301と電気的に接続される。
【0039】
銅箔層305はポリイミドなどによるフレキシブル絶縁層307及び308により被覆され、これらの層間に接着剤層は必ずしも必要ではない。ACFは熱圧着時に一度軟化した後に冷えると固まる樹脂であるので、アドレスIC301の結合部の補強と回路面の保護も一度にできる。
【0040】
図5においては、ACFを挟んでいることを強調すべくパッド306と銅箔層305の隙間が実際より大きく示されているが、実際のACFは直径数μmの導電粒子をパッド306と銅箔層305の両者に食い込ませることによって導通を得ている。従って、パッド306と銅箔層305は密着していると見なすことができ、両者の間の熱伝導性も高い。また、フレキシブル絶縁層307及び308と銅箔層305とをアドレスIC301の直下で切断する必要がないので、アドレスICモジュールの製造コストを低く抑えることができる。
【0041】
図6に示すアドレスICモジュールは、アドレスIC301をAu−SnやAu−Auなどの共晶結合によりフレキシブル配線板302に接続したCOF(Chip on Film)モジュールの例である。表面にSnやAuなどのメッキ処理が施されて入力端子303や出力端子304となる銅箔層305は、アドレスIC301に形成したパッド306との間で熱圧着あるいは超音波振動摩擦などによって共晶領域を生じ、アドレスIC301と電気的に接続される。アドレスIC301の結合部の補強と回路面の保護のために、アドレスIC301の周囲にはアンダーフィル剤が充填され固化している。
【0042】
銅箔層305はポリイミドなどによるフレキシブル絶縁層307及び308により被覆され、これらの層間に接着剤層は必ずしも必要ではない。また、フレキシブル絶縁層307及び308と銅箔層305とをアドレスIC301の直下で切断する必要がないので、アドレスICモジュールの製造コストを低く抑えることができる。
【0043】
図5及び図6に示したCOFタイプのアドレスICモジュール213も、技術的にはディスプレイの製造工場にリール状のテープの形で搬入し、工場内で裁断して図示した形状にしてから、パネルに自動実装することができ、さらなる低コスト化を達成することができる。
次に、本発明の第1実施例による熱交換部品について、図7を参照しながら説明する。
【0044】
図7は本発明の第1実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Aの断面図である。本実施例では、銅箔層305の表面に黒化処理(ブラックオキサイド)や茶化処理(ブラウンオキサイド)などの粗面化処理や塗装を施すことにより、銅箔層305からの熱放射率を向上させている。すなわち、本実施例では、銅箔層305の表面の熱放射率より高い熱放射率を有する熱放射層を銅箔銅305の表面に形成することにより、アドレスICモジュールからより多くの熱を放出して冷却効果を得ている。
【0045】
粗面化処理は、銅箔の表面を強アルカリ液などでマイクロエッチングして光の反射率の低い黒や茶色や赤などに変色させる表面処理である。また、銅箔層305の少なくとも一部が導通抵抗が銅ほど低くなくてもよい場合には、銅箔を他の金属箔かあるいは炭素被膜などの抵抗体に替えてもよい。他の金属箔かあるいは炭素被膜などを用いた場合でも、その導体として反射率の低い物質を選定することもできる。また、導体表面をエッチングや塗装することによって着色することができる。特に抵抗素子などに一般的に用いられている炭素被膜の場合には、表面の反射率を極めて低く抑えて熱放射率を最大限に設定することができる。
【0046】
一般的に金属などの熱放射率は光の吸収率との相関が高く、黒体は両者共に100%である。これに対し、光沢面では両者共に零に近い。アルミ放熱板は、その表面をアルマイト処理して低反射率にすることによって熱放射率を増大させることができる。
【0047】
ここで、単位時間当りの熱放射量Qとすると、Q=εσST(ただし、ε:熱放射率,σ:ステファン・ボルツマン定数,S:表面積,T:物体の絶対温度)で表すことができる。図7において、初期には光沢のある銅箔層305の表面に着色層401,402,403,404を設けることによって銅箔パターンからの放熱効果を高めている。
【0048】
例えば、粗面化処理を施して着色層401〜404を設けた銅箔層305の板の表面に、液状のポリイミド材を塗り重ねて固化させることでフレキシブル絶縁層308を形成する。その後、銅箔層305に銅箔パターンをエッチングしてからフレキシブル絶縁層307を貼り合わせ、入力端子303と出力端子304およびICパッド306への接続面に金メッキを施す。最後に、アドレスIC301をAu−Au共晶結合により銅箔層305に接合させる。
【0049】
予め銅箔の貼られたフレキシブル絶縁層308を用いて、銅箔層305の露出表面に着色層401と403のみを設けることとしてもよい。また、アドレスIC301のパッド305が多い出力端子側の着色層401のみを設けることとしてもよい。
【0050】
本実施例のように銅箔層305に着色層を設ける方法は図4〜図6で説明した何れの構造例によるアドレスICモジュール213にも適用できる。
【0051】
また、本実施例を用いることにより、プラズマディスプレイパネルのような表示デバイスを駆動する際に大きな電力消費とそれに伴う発熱を生じるアドレスIC301などの高温部品の放熱効果を、図2に示したようなディスプレイ装置の実装構造に対して大きく変更を加えることなく向上することができる。そのため、高温部品の実装構造の加工に要するコストを低減することができる。
【0052】
また、従来は駆動素子であるアドレスICをアルミニウム放熱板に熱的に強く接合しなければならず、大変に高価であったアドレスICモジュールを、放熱板を搭載しない単純なCOF構造モジュールに変更することができる。アドレスICモジュールのこの構造変更によって、プラズマディスプレイ装置の大幅なコストダウンが可能となる。
次に、本発明の第2実施例による熱交換部品について、図8及び図9を参照しながら説明する。
【0053】
図8は本発明の第2実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュールの斜視図である。図9は図8に示すアドレスICモジュール213Bの断面図である。本実施例では、フレキシブル絶縁層410を、薄くてなお且つ光吸収率が高い膜により形成することにより、アドレスIC301からの熱放射率を向上したアドレスICモジュール213Bとしている。
【0054】
アドレスICモジュール213Bの構造を示した図9において、銅箔層305の上に設けられたフレキシブル絶縁層410には、例えば、リジッド基板では一般的に用いられているソルダーレジスト層の改良品を用いる。ソルダーレジスト層は10μmから15μmと薄くフレキシブル特性も容易に得られ、配合する顔料塗料によって光吸収率を広い範囲で調節可能である。
【0055】
一般のソルダーレジストは、下層の銅箔パターンを溶融半田やゴミ等から、あるいは湿度によるリークや短絡から保護する目的で設けられている。そのため、その光吸収率は下層の銅箔パターンが認識し易いように数%から20%に低く抑えられている。これにより、銅箔層305の熱が薄いソルダーレジスト層の表面に伝わったとしても、その熱を放射する割合もこの光吸収率程度に抑えられていると考えられる。そこで、銅箔層305の上のソルダーレジストへの顔料等の調合材に色の濃いものを選んだり、その調合比を増やすことによって、光吸収率を50%以上に上げることにより、ソルダーレジスト層に伝わった熱を最大限度の半分以上放射することができる。
【0056】
ここで、光吸収率を50%を超えてあまり上げすぎると、すなわちソルダーレジストの色を濃くしすぎると、下層の銅箔パターン等が見えにくくなり認識できなくなってしまうが、光吸収率を50%程度とすることにより、銅箔パターンは認識可能で且つ熱放射率を効果的に向上することができる。
次に、本発明の第3実施例による熱交換部品について、図10を参照しながら説明する。
【0057】
図10は本発明の第3実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Cの断面図である。本実施例によるアドレスICモジュール213Cは、アドレスIC301からの発熱を金属箔テープ420を介して放熱する。熱伝導率の高い銅やアルミニウムなどの金属箔テープ420は、薄い接着剤421を介して、アドレスIC301と銅箔層305の上に設けられたフレキシブル絶縁層307に貼り付けられている。
【0058】
アドレスIC301からの発熱はチップ表面から、およびパッド306から銅箔層305とフレキシブル絶縁層307を介して金属箔テープ420に伝わる。金属箔テープ420の表面からは熱放射と空気対流による熱伝達によって、熱が放散される。もちろん、金属箔テープ420の表面に、粗面化処理や塗装を施すことによって熱放射率を高めることもできる。
【0059】
また、銅箔層305に流れる電流によって生じる磁界を、金属箔420の電磁誘導によってシールドできるので、EMIの低減効果も期待できる。
【0060】
接着剤421の電気伝導率は高くても低くても良く、むしろ放熱性向上の点からは熱伝導率の高い材料を薄く設けることによって、熱抵抗を下げることが好ましい。また、炭素粒子を混入することなどによって接着剤421の電気伝導率を高くした場合には、アドレスIC301のチップ裏面電圧に金属箔が帯電することによって、アドレスICモジュールが静電シールドされ、さらなるEMIの低減効果がある。
次に、本発明の第4実施例による熱交換部品について、図11を参照しながら説明する。
【0061】
図11は本発明の第4実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Dの断面図である。本実施例によるアドレスICモジュール213Dは、アドレスIC301からの発熱を、フレキシブル絶縁層308とアンダーフィル剤309やACF310などの絶縁物を介して、金属箔テープ422から容易に放熱する。熱伝導率の高い銅やアルミニウムなどの金属箔テープ422は薄い接着剤423を介して、アドレスIC301の下にあるアンダーフィル剤309やACF310と、銅箔層305の下に設けられたフレキシブル絶縁層308に貼り付けられる。
【0062】
金属箔テープ422の表面の熱放射率は、フレキシブル絶縁層308の熱放射率よりはるかに高く、アドレスICモジュール213Dから効率的に熱を放出することができ、効率的にアドレスICモジュール213Dを冷却することができる。
【0063】
フレキシブル絶縁層308やアンダーフィル剤309やACF310の表面は平面と見なせるので、金属箔テープ422を貼る工程は短時間で安全に実施でき、機械による自動化も可能であり、加工コストを削減できる。
【0064】
アドレスIC301からの発熱は、チップの回路面からアンダーフィル剤309やACF310を介し、およびパッド306から銅箔層305とフレキシブル絶縁層308を介して金属箔テープ422に伝わる。金属箔テープ422の表面からは熱放射と空気対流による熱伝達によって、熱が放散される。もちろん、金属箔テープ422の表面に、粗面化処理や塗装を施すことによって熱放射率を高めることもできる。また、銅箔層305に流れる電流によって生じる磁界を、金属箔テープ422の電磁誘導によってシールドできるので、EMIの低減効果も期待できる。接着剤423の電気伝導率は低くても零でも良く、むしろ放熱性向上の点からは熱伝導率の高い材料を薄く設けることによって、熱抵抗を下げることが好ましい。
次に、本発明の第5実施例による熱交換部品の実装構造について、図12を参照しながら説明する。
【0065】
図12は本発明の第5実施例による実装構造によりアドレスICモジュール213Cが設けられたプラズマディスプレイ装置の一部拡大側面図である。本実施例によるアドレスICモジュールの実装構造は、図10に示したように金属箔テープを貼ったアドレスICモジュール213Cのディスプレイへの実装に際し、さらに放熱性を向上できる実装構造である。
【0066】
図12において、放電セル220を挟む前面パネル201と背面パネル202は、両面接着剤221を介してアルミニウムなどの金属シャーシ203に固定されている。金属シャーシ203の上に実装されたアドレスバス基板208に、コネクタやACFなどを介してアドレスICモジュール213Cのフレキシブル配線板302が接続されている。金属箔テープ420はフレキシブル配線板302の金属シャーシ103側の面に貼られている。
【0067】
このフレキシブル配線板302の長さを適当に設計して、図12に示すように、金属箔テープ420が金属シャーシ203に接するようにすることで両者の間に熱伝導が生じ、金属箔テープ420からの熱放射と熱伝達と熱伝導による放熱性向上を達成することができる。
【0068】
また、粗面化処理や塗装した金属箔テープ420の表面に炭素粒子や金属粒子などを付着させるなどして導電性を維持したり、これらの粗面化処理や塗装を施さないことによって、金属箔テープ420を低インピーダンスで交流接地して静電シールドに供することができるので、さらなるEMIの抑制効果も得られる。
次に、本発明の第6実施例による熱交換部品の実装構造について、図13を参照しながら説明する。
【0069】
図13は本発明の第6実施例による実装構造によりアドレスICモジュール213Dが設けられたプラズマディスプレイ装置の一部拡大側面図である。本実施例によるアドレスICモジュールの実装構造は、図11に示したように金属箔テープを貼ったアドレスICモジュール213Dのディスプレイへの実装に際し、さらに放熱性を向上できる実装構造である。また、金属箔テープ422は、アドレスIC301からの発熱の放熱性能を向上させるだけでなく、フレキシブル配線板302の銅箔層の外周を覆うことにより、ここから漏れるEMIを大幅に低減できる。
【0070】
金属箔テープ422は、図11に示したようにフレキシブル絶縁層308のみに貼られていても、放熱性の向上することができる。しかし、図13に示すように金属箔テープ422を導電性接着剤424を介して、直流電圧部に電気的に接続すると、さらに大きなEMI低減効果が得られるようになる。図13においては、アドレスバス基板108に接地パターン425を設け、そこに導電性接着剤424を介して金属箔テープ422を接続している。
【0071】
その他の接続方法としては、例えば金属箔テープ422を延長してアドレスバス基板208を乗り越えたところで、金属シャーシ203に導電性接着剤424を介して接続する。または金属箔テープ422を導電性接着剤424を介して、アドレスICモジュール213D近傍の製品筐体グランドに接続する。或いは、金属箔テープ422の端部を、ネジやリベットなどで金属シャーシ203や製品筐体グランドに電気的に接続することとしてもよい。
次に、本発明の第7実施例による熱交換部品について、図14を参照しながら説明する。
【0072】
図14は本発明の第7実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Eの斜視図である。図14に示すアドレスICモジュール213Eには、アドレスIC301の上面に熱放射率を高める表面処理430が施されている。本実施例では、アドレスICモジュール213Eの発熱源であり、最も高温になるアドレスIC301の熱放射率を表面処理430により高めている。
次に、本発明の第8実施例による熱交換部品について、図15を参照しながら説明する。
【0073】
図15は本発明の第8実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Fの断面図である。本実施例では、アドレスIC301の上面に熱放射率を向上させる熱放射率向上塗料431が塗布されている。熱放射率向上塗料431は、例えば粉末セラミックスを含む液体をアドレスIC301の上面に薄く塗布して乾燥させて固めて形成することができる。この場合の塗布厚は、厚くし過ぎると表面までの熱伝導が低下し、薄くし過ぎると表面からの熱放射が低下するので、最適範囲を維持して均等に塗布することが好ましい。実験では0.9以上の熱放射率が得られた。その他の熱放射率向上塗料431としては、反射率を低減する着色塗料等がある。
次に、本発明の第9実施例による熱交換部品について、図16を参照しながら説明する。
【0074】
図16は本発明の第9実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Gの断面図である。図16に示すアドレスICモジュール213Gにおいては、アドレスIC301の上面から側面に至る表面に対して熱放射率向上させる熱放射率向上塗料432が塗布されている。熱放射率向上塗料432の塗布は、アドレスIC301の上面と側面とを同時に行って加工時間を短縮しても良いし、それぞれを分けて塗布して両面の塗布厚を最適化しても良い。発熱源であるアドレスIC301のチップ表面に広く熱放射率向上塗料432を塗布することで、熱放射率が大きく向上する。
次に、本発明の第10実施例による熱交換部品について、図17を参照しながら説明する。(図17:付記17・付記15・付記22)
図17は本発明の第10実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Hの断面図である。図17に示すアドレスICジュール213Hにおいては、アドレスIC301の上面を細かい凸凹面433になるように加工している。表面が細かい凸凹状に処理されることによって、従来の研磨面に比べて、その反射率が大きく低減して、熱放射率も向上する。アドレスICの上面を凸凹に加工する方法としては、化学的なエッチング処理やサンドブラスト加工などが考えられる。本実施例の凸凹面433はICチップの側面にも加工可能である。
次に、本発明の第11実施例による熱交換部品について、図18を参照しながら説明する。
【0075】
図18は本発明の第11実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Iの断面図である。図18に示すアドレスICモジュール213Iにおいては、細かい粒子などを付着させることによってアドレスIC301の上面を細かい凸凹面433に加工している。ここで付着粒子の材料としては、ICチップと同じ半導体や樹脂、金属、セラミックスなどがある。本実施例の凸凹面434も、ICチップの側面に加工することができる。
次に、本発明の第12実施例による熱交換部品について、図19を参照しながら説明する。
【0076】
図19は本発明の第12実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Jの斜視図である。図19に示すアドレスICモジュール213Jにおいては、フレキシブル絶縁層442の表面に熱放射率を高める表面処理440を施している。本実施例ではアドレスIC301からの発熱がパッドを介して広く分布している銅箔層305を覆うフレキシブル絶縁層442の表面全体に表面処理440を施して、アドレスICモジュール213Jからの熱放射率を高めている。
次に、本発明の第13実施例による熱交換部品について、図20を参照しながら説明する。
【0077】
図20は本発明の第13実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Kの断面図である。図20に示すアドレスICモジュール213Kにおいて、フレキシブル絶縁層442の表面に熱放射率向上塗料441が塗布されている。
【0078】
熱放射率向上塗料441としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料441として、反射率を低減する着色塗料などがある。また、銅箔層305から熱放射率向上塗料441までの熱抵抗を低減するために、フレキシブル絶縁層442の材質を一般的なポリイミド類から薄いソルダーレジスト層に替えても良い。
次に、本発明の第14実施例による熱交換部品について、図21を参照しながら説明する。
【0079】
図21は本発明の第14実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Lの断面図である。図21に示すアドレスICモジュール213Lにおいて、銅箔層305の表面に直接に熱放射率向上塗料443が塗られている。銅箔層305から熱放射率向上塗料443までの熱抵抗を零にすることで、銅箔層305に伝わったアドレスIC301の熱を最大限に熱放射率向上塗料443に伝えられる。
【0080】
熱放射率向上塗料442としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。さらに、粉末セラミックスを含む液体に若干の有機溶剤を配合するだけで、乾かした時に密着性と柔軟性がさらに向上する。その他の熱放射率向上塗料442として、反射率を低減する着色塗料などがある。銅箔層305に直接に熱放射率向上塗料443を塗布することで、アドレスICモジュール113の熱放射率を格段に向上することができる。
次に、本発明の第15実施例による熱交換部品について、図22を参照しながら説明する。
【0081】
図22は本発明の第15実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Mの斜視図である。図22に示すアドレスICモジュール213Lおいて、アドレスIC301とフレキシブル絶縁層442の表面の両方に熱放射率を高める表面処理450が施されている。本実施例ではアドレスIC301の表面、およびアドレスIC301からの発熱がパッドを介して広く分布している銅箔層305を覆うフレキシブル絶縁層442の表面を合わせたアドレスICモジュール113の表面に広く表面処理450を施して、アドレスICモジュール113からの熱放射率を高めている。
次に、本発明の第16実施例による熱交換部品について、図23を参照しながら説明する。
【0082】
図23は本発明の第16実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Nの断面図である。図23に示すアドレスICモジュール213Nにおいては、アドレスIC301を含めたフレキシブル絶縁層442の表面に熱放射率向上塗料451が塗布されている。
【0083】
熱放射率向上塗料451としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料451として、反射率を低減する着色塗料などがある。また、銅箔層305から熱放射率向上塗料441までの熱抵抗を低減するために、フレキシブル絶縁層442の材質を一般的なポリイミド類から薄いソルダーレジスト層に替えても良い。
次に、本発明の第17実施例による熱交換部品について、図24を参照しながら説明する。
【0084】
図24は本発明の第17実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Pの斜視図である。図24に示すアドレスICモジュール213Pにおいて、アドレスIC301が搭載されていない側のフレキシブル絶縁層462の表面に対して広く熱放射率を高める表面処理460を施している。フレキシブル絶縁層462の表面は平面と見なすことができ、且つ搭載部品を避けて表面処理するためのマスキングなども省略できるので、表面処理460を施す工程を短時間に安全に実施することができる。
【0085】
また、表面処理を機械によって自動化することもできるので、加工コストも削減することができる。本実施例ではアドレスIC301からの発熱が、アンダーフィル剤309やACF310を介して、およびパッドを介して広く分布している銅箔層305を覆うフレキシブル絶縁層462の表面を介して広く表面処理460から放熱される。
次に、本発明の第18実施例による熱交換部品について、図25を参照しながら説明する。
【0086】
図25は本発明の第18実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Qの断面図である。図25に示すアドレスICモジュール213Qにおいては、フレキシブル配線板のアドレスIC301が実装されていないフレキシブル絶縁層462の表面に熱放射率向上塗料461が塗布されている。熱放射率向上塗料461としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料461として、反射率を低減する着色塗料などがある。
【0087】
また、アドレスICモジュールとしてACFを用いたCOF構造のものを用いた場合にも、アドレスIC301からの発熱はチップの回路面からACF310を介し、およびパッド306から銅箔層305とフレキシブル絶縁層462を介して熱放射率向上塗料461に伝わる。また、銅箔層305から熱放射率向上塗料461までの熱抵抗を低減するために、フレキシブル絶縁層442の材質を一般的なポリイミド類から薄いソルダーレジスト用部材に替えても良い。
次に、本発明の第19実施例による熱交換部品について、図26を参照しながら説明する。
【0088】
図26は本発明の第19実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Rの断面図である。図26に示すアドレスICモジュール213Rにおいては、TAB構造におけるフレキシブル配線板のアドレスIC301が実装されていない面側のフレキシブル絶縁層464の表面に熱放射率向上塗料463が塗布されている。
【0089】
熱放射率向上塗料463としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料463としては、反射率を低減する着色塗料などがある。
【0090】
TAB構造のフレキシブル配線板は、アドレスIC301が実装される部分に開口が形成されているため、アドレスIC301がこの開口から露出した状態となり、この露出した部分はアンダーフィル剤309で覆われている。したがって、フレキシブル基板の裏面において、アドレスIC301が搭載された部分は、アンダーフィル剤309の部分が若干凹んでいるが、ほぼ平面と見なせるので、一括して熱放射率向上塗料463を塗布することができる。また、銅箔層305から熱放射率向上塗料463までの熱抵抗を低減するために、フレキシブル絶縁層464の材質を一般的なポリイミド類から薄いソルダーレジスト用部材に替えても良い。
次に、本発明の第20実施例による熱交換部品について、図27を参照しながら説明する。
【0091】
図27は本発明の第20実施例による熱交換性を向上した熱交換部品であるアドレスICモジュール213Sの断面図である。図27に示すTAB構造によるアドレスICモジュール213Sにおいては、フレキシブル配線板に空けられた穴を埋めているアンダーフィル剤309の表面に熱放射率向上塗料465が塗布されている。発熱するアドレスIC301のチップの回路面と、共晶結合によってパッド306に密着された銅箔層305は、このアンダーフィル剤309のみを介して熱放射率向上塗料464に密着している。従って、アンダーフィル剤309の材質を選び厚みを抑えれば、アドレスICモジュール113の熱放射率を大きく向上させることができる。
【0092】
熱放射率向上塗料465としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料465としては、反射率を低減する着色塗料などがある。
次に、本発明の第21実施例による熱交換部品について、図28を参照しながら説明する。
【0093】
図28は本発明の第21実施例による熱交換性を向上した熱交換部品である電気部品500Aの斜視図である。図2に示したプラズマディスプレイ装置のように搭載部品の電力消費の大きい電子機器には、各種の電力部品が実装されている。図28に示すような円筒形の部品は、例えば抵抗素子などに多用されるが、その内部発熱の放熱様式は、主に円筒表面500aから雰囲気への対流による熱伝達と、リード端子510から搭載基板への熱伝導である。
【0094】
電子機器の小型低コスト化が進展する中、部品実装密度の高い電子機器内部の限られた空間を有効活用して放熱効率を向上するためには、考えられる放熱様式をフル活用する必要がある。そこで、本実施例においては、図28に示した円筒形の部品の円筒表面500aやリード端子510の表面に熱放射率を向上させるための熱交換性向上処理を施す。
【0095】
熱交換性向上処理は、例えば、熱放射率向上塗料の塗布である。熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料とし、反射率を低減する着色塗料などもある。また、金属であるリード端子510の表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0096】
以上の各実施例において説明したように、発熱部品の表面に熱交換性向上処理を施すことにより、部品の実装構造を大きく変更することなく、電気的性能への影響を抑えつつ、部品の周囲への放熱性能を向上させて、その温度上昇を抑制することができる。
【0097】
これまでは、熱交換部品として熱放射率を向上した発熱部品について説明してきたが、熱放射率の向上によって、部品の雰囲気や周囲からの熱の吸収率も向上する。これは、赤外線及び遠赤外線の放射率である熱放射率が、光吸収率に強く依存することからも理解できる。
【0098】
図28に示したような円筒形の温度センサーとして、サーミスタやダイオードのような半導体、熱電対などがある。また、ぺルチェ素子を内蔵した吸熱(放熱)部品やリード端子の部分がヒートパイプや冷媒チューブとなっている吸熱部品も構成できる。
【0099】
ここで、周囲温度がT1で部品表面温度がT2の時、単位時間当りの熱放射吸収量Q’は、Q’=εσSTm(T1−T2)(ただし、ε:熱放射率,σ:ステファン・ボルツマン定数,S:表面積,T:物体の絶対温度,Tm=(T1+T2)/2)で表すことができる。このように、図28に示したような円筒形の部品を温度センサーや吸熱部品として用いる場合にも、上記のように円筒表面500aやリード端子510の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施すことが有効である。
次に、本発明の第22実施例による熱交換部品について、図29を参照しながら説明する。
【0100】
図29は本発明の第22実施例による熱交換性を向上した熱交換部品である電気部品500Bの斜視図である。図29に示すような形状の電気部品500Bは、パワー半導体や被膜抵抗などの発熱部品、あるいはサーミスタなどの温度センサーなどに多用されている。電気部品500Bは、図2に示したようなプラズマディスプレイ装置に搭載されることも多い。
【0101】
発熱部品として機能する場合を例にとると、その構造は、複数の端子530で外部と接続する発熱素子を樹脂などから成る保護パッケージ520に封止してある。さらに、発熱素子が銀ペーストや接着剤で接着されるなどして熱的に強く接合された金属などから成る放熱板540が、部品外部と熱的に接続可能な形状で露出している。
【0102】
放熱板540は、電気的絶縁を必要とする使用法に備えて薄い樹脂などで被服される場合もある。この部品が温度センサーや吸熱部品に使われる場合においても、発熱部品として用いられる場合と同様に、部品外部との間の熱抵抗を下げるように設計されている。
【0103】
図29に示した電気部品500Bの場合、その内部発熱の放熱様式や外部からの熱吸収様式は、主に放熱板540や端子530との熱伝導が担っている。
【0104】
本実施例においては、図29に示したような形状の電気部品500Bの放熱板540や端子530、保護パッケージ520の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料とし、反射率を低減する着色塗料などもある。
【0105】
また、放熱板540や端子530、保護パッケージ520が金属である場合には、その表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0106】
以上のように発熱部品の表面に熱交換性向上処理を施すことにより、部品の実装構造を大きく変更することなく、電気的性能への影響を抑えつつ、部品の周囲への放熱性能と周囲からの吸熱特性である熱交換特性を向上させることができる。熱交換特性の向上によって、部品の温度上昇を抑制したり、温度測定における測定精度や速度を向上したり、熱吸収効率を向上することができる。
次に、本発明の第23実施例による熱交換部品について、図30を参照しながら説明する。
【0107】
図30は本発明の第23実施例による熱交換性を向上した熱交換部品である電気部品500Cの斜視図である。図30に示すような縦型円筒形状の電気部品500Cは各種半導体などの発熱部品、あるいはサーミスタなどの温度センサーなどに多用されている。電気部品500Cは、図2に示したようなプラズマディスプレイ装置に搭載されることも多い。
【0108】
電気部品500Cの構造は、複数のリード端子560で外部と接続する内蔵素子を金属などから成る保護パッケージ550に封止してある。内蔵素子は銀ペーストや接着剤で接着されるなどして熱的に強く保護パッケージ550に接合されている。保護パッケージ550は、内蔵素子との間で電気的絶縁を必要とする場合を除いて、内蔵素子をシールドすべく、リード端子560の少なくとも一端子に接続されていることが多い。
【0109】
図30に示したような形状の電気部品500Cの場合、その内部発熱の放熱様式や外部からの熱吸収様式は、主に保護パッケージ550や端子560との熱伝導が担っている。
【0110】
本実施例においては、図30に示したような形状の電気部品500Cの保護パッケージ550や端子560の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。
【0111】
熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料として、反射率を低減する着色塗料などもある。また、保護パッケージ550や端子560の表面が金属である場合には、その表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0112】
以上のように発熱部品の表面に熱交換性向上処理を施すことにより、部品の実装構造を大きく変更することなく、電気的性能への影響を抑えつつ、部品の周囲への放熱性能と周囲からの吸熱特性である熱交換特性を向上させることができる。熱交換特性の向上によって、部品の温度上昇を抑制したり、温度測定における測定精度や速度を向上したり、熱吸収効率を向上することができる。
次に、本発明の第24実施例による熱交換部品について、図31を参照しながら説明する。
【0113】
図31は本発明の第24実施例による熱交換性を向上した熱交換部品である電気部品500Dの斜視図である。図31に示すような形状の電気部品500Dは、抵抗体や半導体やヒートパイプの発熱部や冷媒圧縮部などの発熱部品、あるいはヒートパイプの吸熱部やサーミスタなどの温度センサーなどに用いられている。電気部品500Dは、図2に示したようなプラズマディスプレイ装置に搭載されることもある。
【0114】
電気部品500Dの構造は、端子580で外部と接続する内蔵物570を、セラミックスや熱伝導樹脂や内蔵物570からは絶縁された金属などから成る絶縁物590に封止してある。内蔵物570は絶縁物590で包囲されたり、接着剤で接着されるなどして熱的に強く絶縁物590に接合されている。
【0115】
図31に示した電気部品500Dの場合、その内部発熱の放熱様式や外部からの熱吸収様式は、主に絶縁物590との熱伝導や熱伝達、および端子580との熱伝導が担っている。
【0116】
本実施例においては、図31に示したような電気部品500Dの絶縁物590や端子580の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料として、反射率を低減する着色塗料などもある。また、絶縁物590や端子580の表面が金属である場合には、その表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0117】
以上のように発熱部品の表面に熱交換性向上処理を施すことにより、部品の実装構造を大きく変更することなく、電気的性能への影響を抑えつつ、部品の周囲への放熱性能と周囲からの吸熱特性である熱交換特性を向上させることができる。熱交換特性の向上によって、部品の温度上昇を抑制したり、温度測定における測定精度や速度を向上したり、熱吸収効率を向上することができる。
次に、本発明の第25実施例による熱交換部品について、図32を参照しながら説明する。
【0118】
図32(a)は本発明の第25実施例による熱交換性を向上した熱交換部品に取り付けられる放熱フィン600の斜視図である。図32(a)に示す放熱フィン600のような形状の部品は、抵抗体や半導体などの各種の発熱部品の放熱に用いられている。
【0119】
例えば、図32(b)に示すように複数の発熱部品を集積することで、その実装コストや放熱に要するコストを削減したハイブリッドIC610の場合を考える。ハイブリッドIC610においては、セラミックスや回路面が被膜絶縁された金属板から成る熱伝導性の高い回路基板611の上に、表面実装部品612やワイヤボンディング実装部品613や金属間共晶で結合された部品614やACFなどの電気接続樹脂を介して接続された部品615が実装され、端子616に接続されている。
【0120】
発熱部品を含むこれらの各種部品612〜615からの発熱を一括して放熱すべく、回路基板611には接着剤やクリップなどを介して放熱フィン600が密着して固定されている。回路基板611と放熱フィン600との間の微細な隙間を埋めて熱的な接合度を向上すべく、両者の間にシリコーングリースや熱伝導シート樹脂などを介在させることが好ましい。
【0121】
また、図29に示したような放熱板540を有する電気部品500Bからの発熱を放熱する場合には、図32(c)に示すように、ネジ621やクリップなどを介して放熱フィン600を放熱板540に密着して取り付け、電気部品620としている。ハイブリッドIC610の場合と同様に、放熱板540と放熱フィン600との間にシリコーングリースや熱伝導シート樹脂などを介在させることが好ましい。
【0122】
さらには、図30に示したような形状の電気部品500Cからの発熱を放熱する場合には、放熱フィン600を円形化した放熱フィン631を保護パッケージ550にはめ込むか、接着剤を用いて保護パッケージ550に密着して取り付け、電気部品630とする。ハイブリッドIC610の場合と同様に、保護パッケージ550と放熱フィン631との間にシリコーングリースなどを挿入することが好ましい。
【0123】
上記のように、実装される放熱フィン600の放熱様式は、何れの場合も雰囲気への熱伝達が主体となっている。そこで、本実施例においては、図33に示すように放熱フィン600の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。
【0124】
熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料として、反射率を低減する着色塗料などもある。また、金属である放熱フィン600の表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0125】
放熱フィン600の熱交換性向上処理を施す面としては、まず各フィンの付け根のある面640(図33の右上から左下方向の斜線部で面積S)が考えられる。次に各フィンの両面641(図33の左上から右下方向の斜線部で各フィンの面積S’)が考えられる。その他に放熱フィン600の断面にも熱交換性向上処理を施すことができる(図33では省略したが、図32には上面側の断面642を示した)。
【0126】
ここで、放熱フィン600を図33の矢印A方向から見た図である図34に定義する放射角θ方向への熱放射量に相当する放射束を定量的に計算してみる。放射角θ方向への熱放射量に相当する放射束は、放射角θ方向への投影面積に比例すると考えられるので、相対放射束の特性は図35に示す曲線で表される。
【0127】
図35に示すように、放射角θが0度の放熱フィン600の真正面方向には面積Sに相当した熱放射があるとすると、放射角sin−1(S’/√(S+S’))に最大の√(S+S’)の熱放射が得られ、放射角θが90度の側面方向には熱放射はS’まで減衰する。なお、放熱フィン600は左右対称の形状なので正負の放射角θで同様の熱放射が生じる。
【0128】
熱交換性向上処理を実施する面としては、図33に示すように発熱体への接続面(面640の裏面)を除いた放熱フィン600の全面が考えられる。放熱フィン600の全面に熱交換性向上処理を実施した場合には、図35に示すように最大の放射束が得られる。
【0129】
その上、各面の間で放射熱のやり取りが生じるので放熱フィン600全体に均等かつ急速に熱が伝わるようになり、熱時定数が下がり放熱が促進される。また、熱交換性向上処理を面640と最外部のフィンの外側だけに施したり、各フィンの片面にのみ施すことにより、熱交換性向上処理に要するコストと加工時間を削減できる。
次に、本発明の第26実施例による熱交換部品について、図36を参照しながら説明する。
【0130】
図36は本発明の第26実施例による熱交換性を向上した熱交換部品に取り付けられる放熱フィン650の斜視図である。放熱フィン650は、周囲に設けられたファン653などを用いて強制的に雰囲気の対流を促進する強制空冷といった放熱様式に適した構造になっている。
【0131】
放熱フィン650の内側には、雰囲気と接するフィンの表面積を極力大きくするために多数のフィン654が設けられている。雰囲気と接するフィン654などの表面積が大きくなって増加する両者の間の粘性抵抗の作用による対流速度の減少を、ファン653によって抑えている。
【0132】
放熱フィン650も、図32に示した放熱フィン600と同様に各種の発熱を伴う電気部品に実装される。この場合も実装される放熱フィン650の放熱様式は、何れの場合も雰囲気への熱伝達が主体となっている。そこで、本実施例においては、図36に示すように放熱フィン650の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。
【0133】
熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料として、反射率を低減する着色塗料などもある。また、金属である放熱フィン650の表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0134】
放熱フィン650の熱交換性向上処理を施す面としては、まず最も広い平面である面651(右上から左下方向の斜線部で面積S)が考えられる。次に面651に接する側面の面652(左上から右下方向の斜線部で一面の面積S’)が考えられる。その他に放熱フィン650の上面655や底面656にも熱交換性向上処理を施すことができる。図36において定義した放熱フィン650の放射角θ方向への熱放射量に相当する放射束を定量的に計算してみると、これは放射角θ方向への投影面積に比例すると考えられるので、相対放射束の特性は図37に示す曲線のようになる。
【0135】
図37に示すように、放射角θが0度の放熱フィン650の真正面方向に面積Sに相当した熱放射があるとすると、放射角sin−1(S’/√(S+S’))に最大の√(S+S’)の熱放射が得られ、放射角θが90度の側面方向には熱放射はS’まで減衰する。なお、放熱フィン600は左右対称の形状なので正負の放射角θで同様の熱放射が生じる。熱交換性向上処理を実施する面としては、他にフィン654が密集した放熱フィン650の内側も考えられる。放熱フィン650の内側に実施すると、各面の間で放射熱のやり取りが生じるので放熱フィン650全体に均等かつ急速に熱が伝わるようになり、放熱フィン650の面651に反対面からの熱が、フィン654の設けられた空間を越えて高速に伝わって放熱が促進される。
次に、本発明の第27実施例による熱交換部品について、図38を参照しながら説明する。
【0136】
図38は本発明の第27実施例による熱交換性を向上した熱交換部品に取り付けられる放熱フィン660の斜視図である。放熱フィン660は、熱放射も大きい上に占有体積が小さい構造を、板状のフィン構成で実現した軽量品となっている。
【0137】
図38において各フィンの付け根のある面661(図38の右上から左下方向の斜線部)の面積をSとする。そして放熱フィン660の中央に面積がS’である最大の放熱フィン662を設け、その左右に放熱フィン663、664、665、666を順次に設ける。
【0138】
図39は放熱フィン660を図38の矢印A方向から見た図である。図39に示すように、これらの放熱フィンの高さを、放熱フィン662の先端部を中心に各フィンの先端部の描く包絡線667が、面661の両端辺で閉じる半円となるように設計する。ここで、放熱フィン660の放射角θ方向への熱放射量に相当する放射束を定量的に計算してみると、相対放射束はS(1+cosθ)/2となり、図40に示すような特性になる(S’=S/2)。図32に示した上記の放熱フィン600を用いて相対放射束の最低値S’をS/2に抑えようとすると、放熱フィンの占有体積は4/π倍に増えてしまう。
【0139】
放熱フィン660も、図32に示した放熱フィン600と同様に各種の発熱部品に実装される。この場合も実装される放熱フィン660の放熱様式は、何れの場合も雰囲気への熱伝達が主体となっている。そこで、本実施例においては、図38に示すように放熱フィン660の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。
【0140】
熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料として、反射率を低減する着色塗料なども考えられる。また、金属である放熱フィン660の表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0141】
放熱フィン660の熱交換性向上処理を施す面としては、まず各フィンの付け根のある面661(図38の右上から左下方向の斜線部で面積S)が考えられる。次に放熱フィン662から666の両面(図38の左上から右下方向の斜線部,放熱フィン662の片側面積S’)が考えられる。その他に放熱フィン660の断面にも熱交換性向上処理を施すことができる(図38では省略)。
次に、本発明の第28実施例による熱交換部品について、図41を参照しながら説明する。
【0142】
図41は本発明の第28実施例による熱交換性を向上した熱交換部品に取り付けられる放熱フィン670の斜視図である。放熱フィン670は、連続した2等辺三角形の断面構造として表面積を増やすことによって、占有体積を抑えながら高い熱放射特性を確保している。また、表面を鉛直方向には摩擦の小さい平面にすることによって、雰囲気の対流による熱伝達特性をも向上している。
【0143】
図41において断面3角形の底辺に平行な面671(図41に示す放熱フィン670の裏側の面)の面積をSとする。そして、断面の2等辺三角形の数をn,頂角をφとする。その場合、放熱フィン670の放射角θ方向への熱放射量に相当する放射束を定量的に計算してみると、相対放射束は図40に示すような特性となる。例えば、放射角θが零度から90度に増えるにつれて、相対放射束はSからS(tan(φ/2))/(2n)に減少する。この時、図32に示した上記の放熱フィン600と比較すると放熱フィン670の占有体積はS/(2nS’)に減り、表面積は√2S/(S+nS’)倍になる。
【0144】
放熱フィン670も、図32に示した放熱フィン600と同様に各種の発熱部品に実装される。この場合も実装される放熱フィン670の放熱様式は、何れの場合も雰囲気への熱伝達が主体となっている。
【0145】
そこで、本実施例においては、図41に示すように放熱フィン670の表面に熱放射率を向上させる熱交換性向上処理を施す。熱交換性向上処理とは、例えば、熱放射率向上塗料を塗布することである。熱放射率向上塗料としては、粉末セラミックスを含む液体を薄く塗布して乾燥させて固めたものがある。その他の熱放射率向上塗料として、反射率を低減する着色塗料などもある。また、金属である放熱フィン670の表面に粗面化処理を施すことによっても熱放射率を向上させることができる。
【0146】
放熱フィン670の熱交換性向上処理を施す面としては、断面3角形の二つの等辺を含む面672(図41の左上から右下方向の斜線部)と673(図41の右上から左下方向の斜線部)が考えられる。その他に放熱フィン670の上側の断面674や下側の断面675にも熱交換性向上処理を施すことができる。
以上のように発熱部品の表面に熱交換性向上処理を施すことにより、部品の実装構造を大きく変更することなく、電気的性能への影響を抑えつつ、部品の周囲への放熱性能を向上させて、その温度上昇を抑制することができる。
【0147】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、上記でアドレスICモジュールを用いて説明した実施例は、スキャンICモジュールやXバス基板、サステイン回路基板や電源回路基板など表示装置の各部の回路基板に適用可能である。
【0148】
また、上記に説明した通り、以上の実施例における発熱部からの放熱性向上処理は、発熱部を温度センサーやヒートパイプやペルチェ素子や冷媒管などの吸熱部に置換えた場合の熱吸収特性の向上に寄与する。従って、上記の放熱性向上処理を熱交換特性向上処理と呼ぶことができる。さらに、各実施例において適用対象としてきた表示装置としては、まずフレキシブル基板を介して表示デバイズを駆動する表示装置が挙げられる。例えばマトリクス電極を有するプラズマ表示パネルや液晶パネル,エレクトロルミネッセンスパネル,電界放射形ディスプレイ(FED)パネルなどが各種のフラットパネル表示装置である。さらに、ブラウン管ディスプレイやDMDなどの表示デバイスやその駆動回路に発熱を伴う一般の表示装置も、本発明の対象となる。
【0149】
以上の如く、本明細書は以下の発明を開示する。
【0150】
(付記1) 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記導体層より熱放射率が高い熱放射層を前記導体層の表面に形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0151】
(付記2) 付記1記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記導体層を粗面化処理することにより形成された着色層であることを特徴とする熱交換部品。
【0152】
(付記3) 付記1記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記導体層の表面反射を低減する着色塗料層であることを特徴とする熱交換部品。
【0153】
(付記4) 付記1記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記導体層の表面にセラミック粒子を含む液体を塗布して個化させたセラミック粒子層であることを特徴とする熱交換部品。
【0154】
(付記5) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記1乃至4のうちいずれか一項記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0155】
(付記6) 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記表面絶縁層を熱放射率を高めるための処理がなされた熱放射層として形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0156】
(付記7) 付記6記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層であることを特徴とする熱交換部品。
【0157】
(付記8) 付記6記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記導体層の表面反射を低減する着色塗料層であることを特徴とする熱交換部品。
【0158】
(付記9) 付記6記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記導体層の表面にセラミック粒子を含む液体を塗布して個化させたセラミック粒子層であることを特徴とする熱交換部品。
【0159】
(付記10) 付記6記載の熱交換部品であって、
前記基板の前記電気部品の実装されている面に前記熱放射層を形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0160】
(付記11) 付記10記載の熱交換部品であって、
前記電気部品の表面も覆うように前記熱放射層を形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0161】
(付記12) 付記6記載の熱交換部品であって、
前記基板の前記電気部品の実装されていない面に前記熱放射層を形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0162】
(付記13) 付記12記載の熱交換部品であって、
前記基板は前記電気部品の搭載部に開口を有し、該開口から露出した前記電気部品の表面にも前記熱放射層を形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0163】
(付記14) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記6乃至14のうちいずれか一項記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0164】
(付記15) 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記電気部品の表面より熱放射率が高い熱放射層を前記電気部品の表面に形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0165】
(付記16) 付記15記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記導体層の表面反射を低減する着色塗料層であることを特徴とする熱交換部品。
【0166】
(付記17) 付記15記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記電気部品の表面に凸凹を設けることにより形成した層であることを特徴とする熱交換部品。
【0167】
(付記18) 付記15記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記電気部品の表面に粒子を塗布して形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0168】
(付記19) 付記15記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記電気部品の表面にセラミック粒子を含む液体を塗布して固化させることにより形成したセラミック粒子層であることを特徴とする熱交換部品。
【0169】
(付記20) 付記15記載の熱交換部品であって、
前記熱放射層は、前記電気部品の上面のみに形成されたことを特徴とする熱交換部品。
【0170】
(付記21) 付記15記載の熱交換部品であって、
前記基板は前記電気部品の搭載部に開口を有し、該開口から露出した前記電気部品の表面に前記熱放射層を形成したことを特徴とする熱交換部品。
【0171】
(付記22) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記15乃至22のうちいずれか一項記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0172】
(付記23) 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、導電性テープを前記基板の表面に貼り付けたことを特徴とする熱交換部品。
【0173】
(付記24) 付記23記載の熱交換部品であって、
前記導電性テープは、前記基板の前記電気部品の実装されていない面の表面に貼り付けられたことを特徴とする熱交換部品。
【0174】
(付記25) 付記24記載の熱交換部品であって、
前記導電性テープは、前記基板の前記電気部品の実装されていない面の表面に貼り付けられるとともに、前記導電性テープは前記熱交換部品の近傍に設けられた基準電位点に接続されることを特徴とする熱交換部品。
【0175】
(付記26) 付記23記載の熱交換部品であって、
前記導電性テープは、前記電気部品を覆うように前記基板の部品実装面に貼り付けられることを特徴とする熱交換部品。
【0176】
(付記27) 付記26記載の熱交換部品であって、
前記導電性テープを前記熱交換部品の近傍に設けられた基準電位点に接続することを特徴とする熱交換部品。
【0177】
(付記28) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記23乃至26のうちいずれか一項記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0178】
(付記29) 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
該熱交換部品を構成する金属の表面に粗面化処理を施したことを特徴とする熱交換部品。
【0179】
(付記30) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記29記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0180】
(付記31) 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
該熱交換部品を構成する金属の表面に、表面反射を低減させる着色塗料を塗布したことを特徴とする熱交換部品。
【0181】
(付記32) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記31記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0182】
(付記33) 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層を表面に設けたことを特徴とする熱交換部品。
【0183】
(付記34) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記33記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0184】
(付記35) 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品を有する表示装置であって、
セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に設けた熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
【0185】
(付記36) 熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、
表面に粗面化処理を施した金属よりなることを特徴とする放熱フィン。
【0186】
(付記37) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記36記載の放熱フィンを有する電気部品を有することを特徴とする表示装置。
【0187】
(付記38) 熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、
表面反射を低減する着色塗料を表面に塗布したことを特徴とする放熱フィン。
【0188】
(付記39) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記38記載の放熱フィンを有する電気部品を有することを特徴とする表示装置。
【0189】
(付記40) 熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、
光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層を表面に設けたことを特徴とする放熱フィン。
【0190】
(付記41) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
前記表示デバイスを駆動する回路が、付記40記載の放熱フィンを有する電気部品を有することを特徴とする表示装置。
【0191】
(付記42) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に有する放熱フィンを設けたことを特徴とする表示装置。
【0192】
(付記43) 複数のフィンを備えた金属製の放熱フィンであって、
前記フィンは中央から周辺に向かって平行に整列して設けられ、中央のフィン表面積が最も広く、周辺に向かってフィン表面積が小さくなるようにフィンの大きさが設定された構造であることを特徴とする放熱フィン。
【0193】
(付記44) 付記43記載の放熱フィンであって、
表面に粗面化処理を施して熱放射層を設けたことを特徴とする放熱フィン。
【0194】
(付記45) 付記43記載の放熱フィンであって、
表面の反射を低減する着色塗料を塗布したことを特徴とする放熱フィン。
【0195】
(付記46) 付記43記載の放熱フィンであって、
光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層を表面に設けたことを特徴とする放熱フィン。
【0196】
(付記47) 付記43記載の放熱フィンであって、
セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に設けたことを特徴とする放熱フィン。
【0197】
(付記48) 複数のフィンを備えた金属製の放熱フィンであって、
該フィンは連続した2等辺三角形の第一の断面を有すると共に、第一の断面と垂直な第2の断面は長方形であり、セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に設けたことを特徴とする放熱フィンを有することを特徴とする表示装置。
【0198】
(付記49) 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
付記43乃至48のうちいずれか一項記載の放熱フィンが設けられたことを特徴とする表示装置。
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、表示デバイスを駆動する際に大きな電力消費とそれに伴う発熱を生じる発熱部品の放熱特性を、その実装構造を大きく変更することなく、コスト増加を抑えながら向上することができる。例えば、従来は駆動素子であるアドレスICをアルミニウム放熱板に熱的に強く接合しなければならず、非常に高価であったアドレスICモジュールを、放熱板を搭載しない単純なCOF構造モジュールに変更することができる。アドレスICモジュールのこの構造変更によって、プラズマディスプレイの大幅なコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラズマディスプレイパネルの一部分を示す図である
【図2】本発明に係るプラズマディスプレイパネルを背面側から見た斜視図である。
【図3】アドレスICモジュールの外形を示す斜視図である。
【図4】アドレスICモジュールの一例を示す断面図である。
【図5】アドレスICモジュールの他の例を示す断面図である。
【図6】アドレスICモジュールのさらに他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図8】本発明の第2実施例によるアドレスICモジュールの斜視図である。
【図9】図8に示すアドレスICモジュールの断面図である。
【図10】本発明の第3実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図11】本発明の第4実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図12】本発明の第5実施例による実装構造によりアドレスICモジュールが設けられたプラズマディスプレイ装置の一部拡大側面図である。
【図13】本発明の第6実施例による実装構造によりアドレスICモジュールが設けられたプラズマディスプレイ装置の一部拡大側面図である。
【図14】本発明の第7実施例によるアドレスICモジュールの斜視図である。
【図15】本発明の第8実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図16】本発明の第9実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図17】本発明の第10実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図18】本発明の第11実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図19】本発明の第12実施例によるアドレスICモジュールの斜視図である。
【図20】本発明の第13実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図21】本発明の第14実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図22】本発明の第15実施例によるアドレスICモジュールの斜視図である。
【図23】本発明の第16実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図24】本発明の第17実施例によるアドレスICモジュールの斜視図である。
【図25】本発明の第18実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図26】本発明の第19実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図27】本発明の第20実施例によるアドレスICモジュールの断面図である。
【図28】本発明の第21実施例による熱交換性を向上した熱交換部品である電気部品斜視図である。
【図29】本発明の第22実施例による電気部品の斜視図である。
【図30】本発明の第23実施例による電気部品の斜視図である。
【図31】本発明の第24実施例による熱交換性を向上した熱交換部品である電気部品の斜視図である。
【図32】本発明の第25実施例による電気部品に取り付けられる放熱フィンの斜視図である。
【図33】図32に示す放熱フィンの変形例を示す斜視図である。
【図34】図33に示す放熱フィンを矢印A方向から見た図である。
【図35】図33に示す放熱フィンの放熱特性を示す図である。
【図36】本発明の第26実施例による電気部品に取り付けられる放熱フィンの斜視図である。
【図37】図36に示す放熱フィンの放熱特性を示す図である。
【図38】本発明の第27実施例による電気部品に取り付けられる放熱フィン斜視図である。
【図39】図38に示す放熱フィンを矢印A方向から見た図である。
【図40】図38に示す放熱フィンの放熱特性を示す図である。
【図41】本発明の第28実施例による電気部品に取り付けられる放熱フィンの斜視図である。
【図42】図41に示す放熱フィンの放熱特性を示す図である。
【符号の説明】
200 プラズマディスプレイ装置
201 前面パネル
202 背面パネル
203 アルミニウムシャーシ
204 電源回路基板
205 ロジック回路基板
206 Y側サステイン回路基板
207 X側サステイン回路基板
208 アドレスバス基板
209 スキャンICモジュール
210 Xバス基板
211 Yフレキシブル配線板
212 Xフレキシブル配線板
213 アドレスICモジュール
214 Y押え板
301 アドレスIC
302 フレキシブル配線板
303 入力端子部
304 出力端子部
305 銅箔層
306 バンプ
307,308 フレキシブル絶縁層
309 アンダーフィル剤
401〜404 着色層
410 フレキシブル絶縁層
420 金属箔テープ
421 接着剤
422 金属箔テープ
424 導電性接着剤
425 接地パターン
431 ,432,441,443,451,461,463,465 熱放射率向上塗料
433,434 凸凹面
600,650,660,670 放熱フィン

Claims (18)

  1. 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
    前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記導体層より熱放射率が高い熱放射層を前記導体層の表面に形成したことを特徴とする熱交換部品。
  2. 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
    前記表示デバイスを駆動する回路が、請求項1記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
  3. 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
    前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記表面絶縁層を熱放射率を高めるための処理がなされた熱放射層として形成したことを特徴とする熱交換部品。
  4. 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
    前記表示デバイスを駆動する回路が、請求項3記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
  5. 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
    前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、前記電気部品の表面より熱放射率が高い熱放射層を前記電気部品の表面に形成したことを特徴とする熱交換部品。
  6. 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
    前記表示デバイスを駆動する回路が、請求項5記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
  7. 動作時に発熱を伴う電気部品を基板に搭載してなる熱交換部品であって、
    前記基板は導体層と該導体層の上に形成された表面絶縁層とを有し、前記電気部品の端子は前記導体層に接続され、導電性テープを前記基板の表面に貼り付けたことを特徴とする熱交換部品。
  8. 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
    前記表示デバイスを駆動する回路が、請求項7記載の熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
  9. 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
    該熱交換部品を構成する金属の表面に粗面化処理を施したことを特徴とする熱交換部品。
  10. 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
    セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に設けた熱交換部品を有することを特徴とする表示装置。
  11. 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
    該熱交換部品を構成する金属の表面に、表面反射を低減させる着色塗料を塗布したことを特徴とする熱交換部品。
  12. 動作時に発熱又は吸熱を伴う電気部品である熱交換部品であって、
    光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層を表面に設けたことを特徴とする熱交換部品。
  13. 熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、
    表面に粗面化処理を施した金属よりなることを特徴とする放熱フィン。
  14. 熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、
    表面反射を低減する着色塗料を表面に塗布したことを特徴とする放熱フィン。
  15. 熱交換を促進するために電気部品に取り付けられる放熱フィンであって、
    光吸収率が50%以上となるように着色濃度を調整したソルダーレジスト層を表面に設けたことを特徴とする放熱フィン。
  16. 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
    セラミック粒子を含む液体を塗布して固化させたセラミック粒子層を表面に有する放熱フィンを設けたことを特徴とする表示装置。
  17. 複数のフィンを備えた金属製の放熱フィンであって、
    前記フィンは中央から周辺に向かって平行に整列して設けられ、中央のフィン表面積が最も広く、周辺に向かってフィン表面積が小さくなるようにフィンの大きさが設定された構造であることを特徴とする放熱フィン。
  18. 表示デバイスを電気的に駆動して表示を行なう表示装置であって、
    請求項17記載の放熱フィンが設けられたことを特徴とする表示装置。
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