JP2004356358A - 発光装置及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体の耐久性を向上させ、高輝度光を発生させることのできる発光装置、それを使用した照明装置を提供すること。
【解決手段】ブランケット18と、ブランケット18の上部を覆い、例えばガラス等の光透過性材料でドーム型に形成された外部キャップ13と、ブランケット18に取り付けられたマウントリード16b及びインナーリード16aと、ブランケット18の下部に取り付けられ、マウントリード16b及びインナーリード16aと導通する電気接点19と、マウントリード16b上部のカップ内に収納された半導体発光素子11と、赤色蛍光体がバインダー樹脂中に混合分散され、外部キャップ13の内側に塗布された被膜の蛍光体層12と、インナーリード16aと半導体発光素子11とを導通する導電性ワイヤ15aと、半導体発光素子11とマウントリード16bとを導通する導電性ワイヤ15bと、を有し、外部キャップ13の内部は、真空又は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス14が充填されている発光装置10。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発光装置及び照明装置に関し、より詳しくは、蛍光体の耐久性が改良された発光装置、これを使用した照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放電ランプや半導体発光素子の光を蛍光体で色変換させた発光装置が照明等に使用されている。これらの発光装置は、青、赤及び緑色光を混合し、白色その他の様々な色の光を、広い色再現範囲で、むらなくかつ演色性良く発光させるために多くの検討がなされている。なかでも、発光ダイオード(LED)や半導体レーザー(LD)等の半導体発光素子を用いた発光装置は、発光効率が高く、水銀を使用しない等の環境対策面の利点もあり、LEDやLDと蛍光体を組み合わせた発光装置の開発が盛んに行われている。
【0003】
特に、LEDやLDと、β−ジケトンのアニオンを配位子とするユーロピウム(Eu)錯体を含有する有機赤色蛍光体とを組み合わせて使用する発光装置は、Y:Eu等の無機赤色蛍光体を使用する蛍光灯と比べて、近紫外光から可視光の光を効率よく吸収し、高輝度な発光を得ることができる装置として報告されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−12925号公報
【特許文献2】
特表2000−509912号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような有機赤色蛍光体等に用いられる希土類イオン錯体等の蛍光性錯体は光劣化し易いことが知られており、また、近年、LEDやLDの開発は、より短波長の光を発光する方向に向けられている。その結果、エネルギー的に大きい光が照射された蛍光体や封止材等の劣化が著しくなり、このため、耐久性が要求される発光装置の実用化の必要性が生じている。
【0006】
本発明は、このような蛍光性錯体を使用する発光装置を開発する際に浮き彫りになった問題を解決すべくなされたものである。即ち、本発明の目的は、発光特性に優れるユーロピウム錯体をはじめとする希土類イオン錯体等の蛍光性錯体を含有する蛍光体の耐久性を大幅に向上させ、高強度の発光を発生させることのできる発光装置、それを使用した照明装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、耐久性が高い発光装置を提供すべく、種々の条件下でユーロピウム錯体等の蛍光性錯体の光劣化について検討を行ったところ、光劣化に酸素が関与することが明らかとなり、酸素濃度を下げた減圧下又は窒素ガス、アルゴン等の不活性ガス中で、蛍光性錯体の耐光性が向上することを見出した。即ち、本発明が適用される発光装置は、近紫外光から可視光領域迄の光を発光する発光素子と、この発光素子からの光により発光する少なくとも1種の蛍光性錯体を含有する蛍光体と、を備え、蛍光体が、低酸素濃度雰囲気下に置かれていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明が適用される発光装置に使用する発光素子として、360nmから470nmの範囲にピーク波長を有する光を発光する半導体発光素子を用い、この発光素子と蛍光性錯体とを組み合わせることにより、無機赤色蛍光体を使用する発光装置と比べて、高輝度な発光を得ることができる。また、蛍光性錯体を含有する蛍光体は、光透過性材料により形成された容器内部に設置することを特徴とすれば、近紫外光から可視光の光を効率よく吸収することができる。
【0009】
さらに、本発明が適用される発光装置に使用する蛍光体は、酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下に置かれていることを特徴とすれば、蛍光体に含まれる蛍光性錯体の耐光性が顕著に向上する。また、蛍光体が置かれる酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下とするには、真空又は不活性ガスの雰囲気下であることが好ましい。
【0010】
また、本発明が適用される発光装置に使用する蛍光体に含まれる蛍光性錯体は、希土類イオン錯体から選ばれることが好ましい。特に、本発明が適用される発光装置に使用する蛍光体は、芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトン又は芳香族環を含む置換基を有するカルボン酸から誘導されるアニオンを配位子とする希土類イオン錯体から選ばれる蛍光性錯体を含有することを特徴とすることが好ましい。また、希土類イオン錯体は、ルイス塩基を補助配位子とすることが、輝度向上の点から好ましい。中でも、希土類イオン錯体は、ユーロピウム錯体であることが好ましい。
【0011】
この蛍光体の態様としては、蛍光性錯体を溶解又は分散させて混合した樹脂組成物であることが好ましい。また、本発明が適用される発光装置は、ユーロピウム錯体等の発光素子からの光により赤色に発光する蛍光体と共に、発光素子からの光により発光する青色蛍光体及び緑色蛍光体をさらに備えることを特徴とすれば、白色発光装置とすることができる。
【0012】
一方、本発明が適用される発光装置は、光透過性材料により形成され、内部が低酸素濃度雰囲気に保たれた容器と、この容器の内部に設けられ、近紫外光から可視光領域迄の光を発光する発光素子と、発光素子と空間を隔て又は他の層を介して容器の内部に設けられた蛍光体と、を備えることを特徴とすれば、耐久性に優れ、高強度の発光を発生させることのできる一体型の発光装置として把握することができる。
【0013】
この場合、蛍光体は、発光素子と光拡散層を介して低酸素濃度雰囲気に保たれた容器の内部に設けられていることが好ましい。また、蛍光体は、無機蛍光体と共に使用する場合には、無機蛍光体と蛍光性錯体を含有する蛍光体とを混合してもよい。さらに、蛍光体が半導体発光素子に近接して配置される場合は、無機蛍光体からなる層と蛍光性錯体を含む蛍光体からなる層とがそれぞれ分離された積層体であることが好ましい。
【0014】
そして、本発明が適用される発光装置を備える照明装置を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施の形態が適用される発光装置は、近紫外光から可視光領域迄の光を発光する発光素子と、この発光素子からの光により発光する少なくとも1種の蛍光性錯体を含有する蛍光体と、を備え、蛍光体が、低酸素濃度雰囲気下に置かれている。ここで低酸素濃度雰囲気下とは、空気より酸素濃度が低い雰囲気下のことであり、そのような雰囲気下に蛍光体を置くことにより、蛍光性錯体の耐久性が向上する。減圧又は真空にすることにより、あるいは不活性ガスの雰囲気下とすることにより、低酸素濃度雰囲気下になるが、蛍光性錯体の耐光性をより向上させるためには、酸素濃度が1000ppm以下であることが好ましい。
次に、本実施の形態が適用される発光装置について説明する。図1は、本実施の形態における発光装置を説明するための図である。図1に示された発光装置10は、ブランケット18と、ブランケット18の上部を覆い、例えばガラス等の光透過性材料でドーム型に形成された外部キャップ13と、ブランケット18に取り付けられたマウントリード16b及びインナーリード16aと、ブランケット18の下部に取り付けられ、マウントリード16b及びインナーリード16aと導通する電気接点19と、マウントリード16b上部のカップ内に収納された半導体発光素子11と、マウントリード16b上部のカップ内に充填され、赤色蛍光体がバインダー樹脂中に混合分散され、外部キャップ13の内側に塗布された被膜の蛍光体層12と、インナーリード16aと半導体発光素子11とを導通する導電性ワイヤ15aと、半導体発光素子11とマウントリード16bとを導通する導電性ワイヤ15bと、を有し、外部キャップ13の内部は、真空又は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス14が充填されている。
【0016】
半導体発光素子11は、近紫外光から可視光領域迄の光を発光し、この光を蛍光体層12に含まれる蛍光体が吸収し、より長波長の可視光を発光する。外部キャップ13の内部に窒素ガスを充填する代わりに、真空状態に保つことにより、蛍光体層12の耐光性を向上させ、発光装置10の耐久性を高めることも可能である。外部キャップ13の内部における酸素濃度と蛍光性錯体を含有する蛍光体層12に含まれる蛍光性錯体の劣化挙動との関係は明確ではないが、蛍光性錯体を、酸素濃度100ppm以下、好ましくは20ppm以下の雰囲気下において、半導体発光素子11から光を照射すると、耐光性は著しく向上する。また、低湿度下においても耐光性は向上する。
【0017】
半導体発光素子11としては、発光スペクトルのピーク波長が360nmから470nmの範囲にあるレーザダイオード(LD)又は発光ダイオード(LED)が用いられる。このようなレーザダイオード(LD)又は発光ダイオード(LED)としては、特に限定されないが、例えば、380nmから470nmにピーク波長を有するLD、LEDが好ましい。ピーク波長が過度に短波長側にある半導体発光素子は、錯体及び樹脂等の有機化合物が光劣化しやすい傾向があるので好ましくない。又、ピーク波長が過度に長波長側にある場合は、ユーロピウム錯体の配位子の三重項エネルギーレベルが低くなり、発光可能な配位子の選択の幅が狭くなるので好ましくない。
【0018】
蛍光体層12は、蛍光性錯体と樹脂からなる樹脂組成物を、外部キャップ13の内側に塗布により形成された被膜の形態で設けられている。蛍光性錯体としては、特に限定されないが、通常、1種または2種以上の配位子アニオンと3価の希土類元素のイオンとの錯体である希土類イオン錯体が使用される。希土類元素としては、Sm、Eu、Tb、Ey、Tm等が挙げられる。なかでも、赤色蛍光体としてはEu(ユーロピウム)元素、青色蛍光体としてはTm(ツリウム)元素、緑色蛍光体としては、Tb(テルビウム)元素のイオン錯体が好んで用いられる。尚、蛍光体層12には、希土類イオン錯体の他、その他の有機蛍光体、無機蛍光体を適宜併用することも可能である。
【0019】
希土類イオン錯体の中でも、特に、無機蛍光体では困難である近紫外光照射において高輝度に発光する赤色蛍光体として、ユーロピウム錯体が好ましい。また、希土類イオン錯体は、芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトンのアニオン、あるいは芳香族基を含む置換基を有するカルボン酸イオンを配位子とする錯体であることが好ましい。以下、希土類イオン錯体としてユーロピウム錯体を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
【0020】
芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトンのアニオンを配位子とする錯体としては、例えば、下記一般式(1)、(2)及び(3)のいずれか1つの式で表されるユーロピウム錯体が挙げられる。
(REu (1)
(REu(R (2)
〔(REu〕 (3)
(式(1)、(2)及び(3)中、Rは芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトンのアニオンであり、Rはルイス塩基からなる補助配位子であり、R は4級アンモニウムイオンである。)
【0021】
式(1)、(2)及び(3)における芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトンとしては、芳香族環を含む置換基とβ−ジケトンをその構造中に含めば、その連結方法は、直接でも2価の基で連結してもよいが、少なくとも一方のケトンに直接芳香族環が連結しているものが好ましく、少なくとも1つの芳香族基を有することが好ましく、さらに、この芳香族基としては、置換基を有することがある芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環化合物が挙げられる。芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、ナフタリン、フェナントレン、フルオレン等が挙げられる。芳香族複素環化合物としては、フラン、チオフェン、ピラゾリン、ピリジン、ベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等の酸素、窒素、硫黄原子を含む複素環化合物が挙げられる。
【0022】
また、これらの芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環化合物の置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基;トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等のフルオロアルキル基;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;フェニル、ナフチル基等のアリール基;ベンジル、フェネチル等のアリールオキシ基;ヒドロキシル基;アリル基;アセチル、プロピオニル等のアシル基;アセトキシ、プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基;カルボキシル基;カルバモイル基;アミノ基;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、アセチルメチルアミノ等の置換アミノ基;メチルチオ、エチルチオ、フェニルチオ、ベンジルチオ等の置換チオ基;メルカプト基;エチルスルフォニル、フェニルスルフォニル等の置換スルフォニル基;シアノ基;フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード等のハロゲン基等が挙げられる。これらの置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。
【0023】
β−ジケトンを構成する芳香族基以外の置換基としては、前述した芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環化合物の置換基と同様な置換基(但し、ハロゲン基は除く)が挙げられる。芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトンの具体例(1〜19)を以下に示す。なお、本実施の形態においてはこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化1】
Figure 2004356358
【0025】
一般式(1)で表されるユーロピウム錯体の具体例(1〜7)を以下に示す。なお、本実施の形態においてはこれらに限定されるものではない。
【0026】
【化2】
Figure 2004356358
【0027】
次に、一般式(2)で表されるユーロピウム錯体について説明する。一般式(2)におけるルイス塩基からなる補助配位子(R)としては特に限定されないが、通常、ユーロピウムイオンに配位可能な窒素原子又は酸素原子を有するルイス塩基化合物から選択される。それらの例としては、置換基を有することがあるアミン、アミンオキシド、ホスフィンオキシド、スルホキシド等が挙げられる。補助配位子として使用される2個のルイス塩基化合物は、それぞれ異なる化合物でもよく、又、2個の化合物で1つの化合物を形成していてもよい。
【0028】
具体的には、例えば、アミンとしては、ピリジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フェナントリジン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン等が挙げられる。アミンオキシドとしては、ピリジン−N−オキシド、2,2’−ビピリジン−N,N’−ジオキシド等の上記アミンのN−オキシドが挙げられる。ホスフィンオキシドとしては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリメチルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド等が挙げられる。スルホキシドとしては、ジフェニルスルホキシド、ジオクチルスルホキシド等が挙げられる。これらに置換する置換基としては、前述した置換基が例示される。中でも、特に、アルキル基、アリール基、アルコシキル基、アラルキル基、アリールオキシ基、ハロゲン基等が好ましい。
【0029】
これらのルイス塩基化合物の中でも、ビピリジンやフェナントロリン等のように、分子内に配位する原子、例えば窒素原子等の2個存在する場合は、1つのルイス塩基化合物で2個の補助配位子と同様な働きをさせてもよい。なお、これらのルイス塩基化合物に置換する置換基としては、前述した置換基が例示される。中でも、特に、アルキル基、アリール基、アルコシキル基、アラルキル基、アリールオキシ基、ハロゲン基等が好ましい。
【0030】
補助配位子として使用するルイス塩基化合物(R)の具体例(1〜23)を以下に例示する。なお、本実施の形態において使用するルイス塩基化合物は、これらに限定されるものではない。
【0031】
【化3】
Figure 2004356358
【0032】
一般式(2)で表されるユーロピウム錯体の具体例(1〜13)を以下に示す。なお、本実施の形態においてはこれらに限定されるものではない。
【0033】
【化4】
Figure 2004356358
【0034】
次に、一般式(3)で表されるユーロピウム錯体について説明する。一般式(3)におけるアンモニウムイオンとしては、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルイオンから誘導される4級アンモニウム塩が挙げられる。アミンの置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等のアルキル基;ヒドロキシエチル、メトキシエチル等の置換アルキル基;フェニル、トリル等のアリール基;ベンジル、フェネチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
【0035】
一般式(3)で表されるユーロピウム錯体の具体例(1〜5)を以下に示す。なお、本実施の形態においてはこれらに限定されるものではない。
【0036】
【化5】
Figure 2004356358
【0037】
希土類イオン錯体のもう一つの化合物である、芳香族基を含む置換基を有するカルボン酸イオンを配位子とする錯体としては、例えば、下記一般式(4)で表されるユーロピウム錯体が挙げられる。
(R−(X)−COO)Eu(R (4)
(式中、Rは、置換基を有することがある芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を少なくとも1つ含む基であり、Xは、2価の連結基であり、nは、0又は1であり、Rは、ルイス塩基からなる補助配位子である。)
【0038】
一般式(4)で表される配位子は、芳香族環を少なくとも1つ含み、π電子を8個以上有し、π電子共役系を構成するカルボン酸イオンを配位子として用いることが、吸収波長域の点から好ましい。又、芳香族環の個数は、カルボン酸イオンの母体化合物の三重項エネルギーが、ユーロピウムイオン励起状態エネルギーレベルよりも高いものであれば特に制限されないが、通常、3環式以下の芳香族又は芳香族複素環を用いることが好ましい。芳香族環の個数が4環以上の場合は、例えば、芳香族環を4環以上有するピレン等の化合物は、半導体発光素子11からの光を吸収して励起された三重項エネルギーが低くなり、ユーロピウム錯体が発光しなくなるおそれがある。
【0039】
一般式(4)中のRは、置換基を有することがある3環式以下の芳香族環、又は複素芳香族環から誘導される1価の基であることが好ましい。芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ナフタリン、インデン、ビフェニレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、テトラリン、インダン、インデン等の芳香族単環式炭化水素又は芳香族縮合多環式炭化水素;ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン等の芳香族炭化水素から誘導される化合物等が挙げられる。複素芳香族環としては、フラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、クマリン、ベンゾピラン、カルバゾール、キサンテン、キノリン、トリアジン等の芳香族単環式複素環又は芳香族縮合多環式複素環等が挙げられる。
【0040】
また、Rが有することがある置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基;トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等のフルオロアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;エチニル基;フェニルエチニル、ピリジルエチニル、チエニルエチニル等のアリールエチニル基;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;フェニル、ナフチル等のアリール基;ベンジル、フェネチル等のアラルキル基;フェノキシ、ナフトキシ、ビフェニルオキシ等のアリールオキシ基;ヒドロキシル基;アリル基;アセチル、プロピオニル、ベンゾイル、トルオイル、ビフェニルカルボニル等のアシル基;アセトキシ、プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基;カルボキシル基;カルバモイル基;アミノ基;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、アセチルメチルアミノ等の置換アミノ基;メチルチオ、エチルチオ、フェニルチオ、ベンジルチオ等の置換チオ基;メルカプト基;エチルスルフォニル、フェニルスルフォニル基等の置換スルフォニル基;シアノ基;フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード等のハロゲン基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アラルキル基、エチニル基、ハロゲン基が好ましい。尚、Rは、これらの置換基に限定するものではない。また、これらの置換基はさらに置換基を有することがある。
【0041】
次に、一般式(4)におけるカルボン酸イオンは、2価の連結基であるXを有さない場合(n=0)と有する場合(n=1)とに分けられる。更に、2価の連結基であるXを有する場合(n=1)、Xは、カルボニル基を有する場合及び有さない場合の2種類の形態に分けられる。このため一般式(4)におけるカルボン酸イオンは、さらに、カルボニル基を有さない下記一般式(5)とカルボニル基を有する一般式(6)とで表される。ユーロピウム錯体は、これらのカルボン酸イオンを配位子とする錯体構造のいずれもが使用することができる。
【0042】
【化6】
Figure 2004356358
【0043】
【化7】
Figure 2004356358
【0044】
一般式(5)及び一般式(6)中、Rは、2価の連結基となるものであればよいが、例えば、アルキレン基、環集合炭化水素から誘導される2価の連結基、脂肪族環、芳香族環、複素環から誘導される2価の連結基等が挙げられる。また、一般式(6)中、mは0又は1である。Rの、アルキレン基としては、メチレン、エチレン等が挙げられる。環集合炭化水素としては、ビフェニル、テルフェニル、ビナフチル、シクロヘキシルベンゼン、フェニルナフタレン等が挙げられる。脂肪族環としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ノルボルナン、ビシクロヘキシル等が挙げられる。芳香族環としては、前述した芳香族環の具体例と同様な化合物が挙げられる。複素環としては、前述した芳香族複素環の他に、ピラゾリン、ピペラジン、イミダゾリジン、モルホリン等の脂肪族複素環が挙げられる。その他、−SCH−等のチオアルキレン;−OCH−等のオキシアルキレン;ビニレン(−C=C−)等が挙げられる。尚、Rは、これらの2価の置換基に限定するものではない。また、これらの2価の置換基はさらに置換基を有することがある。
【0045】
一般式(4)におけるカルボン酸イオンが誘導されるカルボン酸の具体例を以下に例示する。なお、本実施の形態において使用するカルボン酸は、これらに限定されるものではない。一般式(4)においてnが0の場合の化合物は、以下のカルボン酸(1〜10)が挙げられる。
【0046】
【化8】
Figure 2004356358
【0047】
次に、一般式(4)においてnが1であり、XがRである場合(一般式(5))の化合物は、以下のカルボン酸(11〜15)が挙げられる。
【0048】
【化9】
Figure 2004356358
【0049】
次に、一般式(6)において、mが0の場合の化合物は、以下のカルボン酸(16及び17)が挙げられる。
【0050】
【化10】
Figure 2004356358
【0051】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがフエニル基、Rがフェニル基の場合の化合物は、以下のカルボン酸(18〜30)が挙げられる。
【0052】
【化11】
Figure 2004356358
【0053】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがフエニル基、Rがナフチル基の場合の化合物は、以下のカルボン酸(31〜34)が挙げられる。
【0054】
【化12】
Figure 2004356358
【0055】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがフエニル基、Rがその他の基の場合の化合物は、以下のカルボン酸(35〜37)が挙げられる。
【0056】
【化13】
Figure 2004356358
【0057】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがナフチル基、Rが芳香族環の場合の化合物は、以下のカルボン酸(38〜41)が挙げられる。
【0058】
【化14】
Figure 2004356358
【0059】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがナフチル基、Rがその他の基の場合の化合物は、以下のカルボン酸(42〜44)が挙げられる。
【0060】
【化15】
Figure 2004356358
【0061】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがアセナフチル基、Rがフェニル基その他の場合の化合物は、以下のカルボン酸(45〜48)が挙げられる。
【0062】
【化16】
Figure 2004356358
【0063】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがフルオレニル基、Rがフェニル基の場合の化合物は、以下のカルボン酸(49〜55)が挙げられる。
【0064】
【化17】
Figure 2004356358
【0065】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rがフェナントレニル基、Rがフェニル基その他の場合の化合物は、以下のカルボン酸(56〜59)が挙げられる。
【0066】
【化18】
Figure 2004356358
【0067】
一般式(6)において、mが1の場合であって、Rが複素環基、Rがフェニル基の場合の化合物は、以下のカルボン酸(60及び61)が挙げられる。
【0068】
【化19】
Figure 2004356358
【0069】
一般式(4)における配位子としてのカルボン酸イオンが誘導されるカルボン酸は、公知の合成方法により合成することが出来る。合成法については、例えば、新実験化学講座第14巻「有機化合物の合成と反応(II)」第921頁(1977)日本化学会編、又は、第4版実験化学講座第22巻「有機合成IV」第1頁(1992)日本化学会編等に記載されている。代表的な合成法としては、対応する第1アルコールやアルデヒドの酸化反応、エステルやニトリルの加水分解反応、酸無水物によるフリーデル・クラフツ反応等が挙げられる。
【0070】
特に、無水フタル酸、ナフタル酸無水物、無水こはく酸、ジフェン酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、2,3−ピリダジンジカルボン酸無水物等のジカルボン酸の環状無水物を用いたフリーデル・クラフツ反応では、分子内にカルボニル基を有するカルボン酸が合成できる。例えば、芳香族炭化水素又は芳香族複素環と無水フタル酸とを用いたフリーデル・クラフツ反応によれば、下記反応式に示すように、ベンゼン環のオルト位にカルボニル基が結合したカルボン酸が容易に合成できる。ベンゼン環のオルト位にカルボニル基が結合したカルボン酸は、パラ位置換体に比べ輝度が高い錯体が得られやすいことから好ましい。尚、式中、Arは、芳香族炭化水素又は芳香族複素環を表す。
【0071】
【化20】
Figure 2004356358
【0072】
一般式(4)におけるルイス塩基からなる補助配位子(R)としては、前述した一般式(2)におけるルイス塩基からなる補助配位子(R)と同様な化合物が挙げられる。
【0073】
本実施の形態が適用される発光装置10において、蛍光体層12は、例えば、ユーロピウム錯体と、必要に応じて、他の希土類イオン錯体、その他の有機蛍光体、無機蛍光体を、適当なバインダー樹脂中に溶解又は分散させて混合した樹脂組成物として調製し、これを、外部キャップ13の内壁等の半導体発光素子11からの光を吸収する位置に塗布その他の方法により配置される。バインダー樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコ−ン樹脂等が挙げられる。
【0074】
本実施の形態が適用される発光装置10は、ユーロピウム錯体等の希土類イオン錯体を含有する赤色蛍光体と共に、さらに、青色蛍光体と緑色蛍光体と備え、これらを組み合わせることにより、白色光を発光することが出来る。尚、必要に応じて、その他の有機赤色蛍光体、無機赤色蛍光体を含有する蛍光体を含んでもよい。青色蛍光体又は緑色蛍光体としては、公知の蛍光体を使用することが出来る。例えば、青色蛍光体としては、ZnS:Ag、Sr(POCl:Eu、BaMgAl1017:Eu等の無機蛍光体が挙げられる。また、緑色蛍光体としては、ZnS:Cu、ZnS:CuAl、BaMgAl1017:Eu,Mn等の無機蛍光体が挙げられる。また、このほかに青色蛍光体としてはツリウム錯体が、緑色蛍光体としてはテルビウム錯体等の有機蛍光体が挙げられる。これらの錯体の配位子としては、公知の配位子の他に、本実施の形態におけるユーロピウム錯体の配位子として使用されるβ−ジケトンアニオンや芳香族基を含むカルボン酸イオンを用いることが出来る。
【0075】
白色光を発光させるには、例えば、赤色蛍光体と青色蛍光体及び緑色蛍光体の混合物を含む蛍光体樹脂層を外部キャップ13の内側に塗布して蛍光体層12を形成する方法、又は、この蛍光体樹脂層を半導体発光素子11上に配置すればよい。この場合、赤色蛍光体は、青色蛍光体、緑色蛍光体とは必ずしも同一の樹脂中に混合されなくてもよく、青色蛍光体と緑色蛍光体を含有する樹脂層の上に赤色蛍光体を含有する樹脂層が積層されていてもよい。
【0076】
次に、本発明が適用される発光装置の他の実施の形態について説明する。図2は、第2の実施の形態における発光装置を説明するための図である。ここには、半導体発光素子上に、無機蛍光体を含む樹脂層と錯体を含む蛍光体層とが順次積層されている。図2に示された発光装置20は、ブランケット28と、ブランケット28の上部を覆い、ガラス等で形成された外部キャップ23と、ブランケット28に取り付けられたマウントリード26b及びインナーリード26aと、マウントリード26b及びインナーリード26aと導通する電気接点29と、マウントリード26b上部のカップ内に収納された半導体発光素子21と、マウントリード26b上部のカップ内に充填された無機蛍光体層27と、希土類イオン錯体等がバインダー樹脂中に混合分散された蛍光体層22と、導電性ワイヤ25a及び導電性ワイヤ25bと、を有し、外部キャップ23の内部は、真空又は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス24が充填されている。
【0077】
尚、半導体発光素子が発光することにより発生する熱の影響を緩和することにより、蛍光性錯体の耐久性をさらに向上させることができる。例えば、半導体発光素子と空間を隔て又は断熱層、光拡散層等の他の層を介して蛍光性錯体を含有する蛍光体層を設ける方法、耐熱性の高い無機蛍光体層と蛍光性錯体を含有する蛍光体層を積層する方法等が挙げられる。これにより、一般的に無機蛍光体に比べ、耐熱性に劣る有機材料からなる錯体を含む蛍光体の熱劣化を抑えることができ、耐久性に優れた発光装置を得ることができる。
【0078】
例えば、図2に示された発光装置20のように、蛍光体が半導体発光素子21に近接して配置される場合は、無機蛍光体からなる層と錯体を含む蛍光体の層がそれぞれ分離された積層体であることが好ましく、無機蛍光体層が発光素子に近い方の層であることが好ましい。つまり、半導体発光素子21と錯体を含む蛍光体層22との間に無機蛍光体を含む無機蛍光体層27を配置することにより、半導体発光素子21の発光により発生する熱が蛍光体層22を局所的に加熱することを緩和することができる。また、LEDの一般的な形態である砲弾型形状の場合には、エポキシ樹脂等の封止樹脂中に蛍光体を混合することもできる。この場合は、蛍光体からの光はより拡散された光となる。
【0079】
本実施の形態が適用される発光装置10及び発光装置20は、単独で、又は複数個を組み合わせることにより、種々の照明装置として使用することができる。照明装置としては、例えば、照明ランプ、液晶パネル用バックライト、超薄型照明等が挙げられる。
【0080】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本実施の形態を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。また、実施例中の部及び%は、特に断らない限り総て重量基準である。
(実施例1〜2、比較例)
下記式で示されるβ−ジケトンを配位子とするユーロピウム(Eu)錯体10部と、ポリビニルブチラール(積水化学社製 エスレックBL−1)のメチルエチルケトン溶液(濃度20%)200部とを混合して混合溶液を調製し、この混合溶液0.2〜0.3gを直径14mmのガラスアンプル内部に塗布し乾燥して蛍光体の被膜を形成した。次に、このアンプルを、表1に示した条件((1)真空封止(2.5×10−5トール)、(2)窒素ガス封入(酸素濃度20ppm以下)、(3)空気封入(酸素濃度約20%))で処理し、Eu錯体を含有する蛍光体の被膜が内面に塗布されたガラスアンプルを作成した。次に、このガラスアンプルを、耐光試験機(アトラス社製Ci4000)を用いて、紫外から可視領域迄の光を、40時間、それぞれ照射し、その後、ユーロピウム(Eu)錯体を含有する蛍光体の蛍光強度を、日立蛍光分光測定器F4500を用いて測定した。蛍光体の蛍光強度は、耐光試験機による光を照射しない場合の蛍光強度を100とした指数として表す。数値が100に近いほど、耐光性が良好である。結果を表1に示す。
【0081】
【化21】
Figure 2004356358
【0082】
【表1】
Figure 2004356358
【0083】
表1の結果から、真空状態に置かれた蛍光体に光を照射する場合(実施例1)及び窒素ガス雰囲気下に置かれた蛍光体に光を照射する場合(実施例2)は、いずれも、蛍光体の耐光性が良好であり、耐久性が向上することが分かる。これに対して、空気中に置かれた蛍光体に光を照射すると(比較例)、40時間後に30%迄に低下し、耐光性が著しく不良であることが分かる。
【0084】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、蛍光性錯体を含有する蛍光体の耐久性を向上させ、高強度の発光を発生させることのできる発光装置、それを使用した照明装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される発光装置を説明するための図である。
【図2】第2の実施の形態の発光装置を説明するための図である。
【符号の説明】
10,20…発光装置、11,21…半導体発光素子、12,22…蛍光体層、13,23…外部キャップ、14,24…不活性ガス、15a,15b,25a,25b…導電性ワイヤ、16a,26a…インナーリード、16b,26b…マウントリード、18,28…ブランケット、19,29…電気接点、27…無機蛍光体層

Claims (16)

  1. 近紫外光から可視光領域迄の光を発光する発光素子と、
    前記発光素子からの光により発光する少なくとも1種の蛍光性錯体を含有する蛍光体と、を備え、
    前記蛍光体が、低酸素濃度雰囲気下に置かれていることを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光素子は、360nmから470nmの範囲にピーク波長を有する光を発光する半導体発光素子であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記蛍光体が、光透過性材料により形成された容器内部に設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の発光装置。
  4. 前記容器内部が、容器内面であることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
  5. 前記蛍光体は、酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下に置かれていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の発光装置。
  6. 前記蛍光体は、真空又は不活性ガスの雰囲気下に置かれていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の発光装置。
  7. 前記蛍光性錯体が、希土類イオン錯体から選ばれることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の発光装置。
  8. 前記希土類イオン錯体が、芳香族環を含む置換基を有するβ−ジケトン又は芳香族環を含む置換基を有するカルボン酸から誘導されるアニオンを配位子とする希土類イオン錯体から選ばれることを特徴とする請求項7記載の発光装置。
  9. 前記希土類イオン錯体は、ルイス塩基を補助配位子とすることを特徴とする請求項7又は8記載の発光装置。
  10. 前記希土類イオン錯体は、前記発光素子からの光により赤色に発光するユーロピウム錯体であることを特徴とする請求項7乃至9いずれか1項記載の発光装置。
  11. 前記蛍光体は、前記蛍光性錯体を溶解又は分散させて混合した樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の発光装置。
  12. 前記発光素子からの光により発光する青色蛍光体及び緑色蛍光体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の発光装置。
  13. 発光素子が容器の内部に設けられ、前記発光素子と蛍光体とが空間を隔て又は他の層を介して前記容器の内部に設けられていることを特徴とする請求項3乃至12いずれか1項記載の発光装置。
  14. 前記蛍光体は、前記発光素子と光拡散層を介して前記容器の内部に設けられていることを特徴とする請求項3乃至13いずれか1項記載の発光装置。
  15. 前記蛍光体は、無機蛍光体からなる層と前記蛍光性錯体を含む蛍光体からなる層との積層体であることを特徴とする請求項1乃至14記載の発光装置。
  16. 請求項1乃至15いずれか1項記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
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