JP2004355155A - 車両内情報サービス提供方法ならびにシステム - Google Patents

車両内情報サービス提供方法ならびにシステム Download PDF

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Abstract

【課題】広告情報や乗客への有料サービス情報を提供して機器供給事業者や車両運転管理事業者へ利益を与える。
【解決手段】機器供給事業者Bは、通信装置および表示装置を運転室あるいは乗務員室や車両に設置すると共に工事を行い、広告情報や乗客への有料サービス情報を表示装置に表示させる。一方、車両運転管理事業者Aは、機器提供事業者Bに対してこれら装置を運転室あるいは乗務員室や車両に取り付けるためのスペースを貸与する。そして、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対し、機器供給事業者Bと車両運転管理事業者A間での取り決めに従い、広告主あるいは有料サービス情報の利用者によって支払われる利用料金の配分処理を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両内情報サービス提供方法ならびにシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両内の乗客に対し各種情報の提供サービスが行われるようになり、専用の通信ケーブルを新たに敷設して出入り口の上部に設置したテロップ表示器に情報を表示させ、あるいは、無線を利用して情報通信が行われている。
また、従来技術として、専用の通信ケーブルを利用して各車両に動画像を配信する技術(例えば、特許文献1参照)、車両内の乗客が座ったまま所望の商品を無線通信により注文する技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−209193号公報(段落〔0012〕−〔0017〕、[図1])
【特許文献2】
特開2002−215914号公報(段落〔0005〕−〔0012〕、[図1])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来技術によれば、各車両に動画像を配信するために、専用の通信ケーブルを新たに敷設する必要がある。また、ケーブルは、各車両の床下に敷設する構造となっており、従って狭隘部での敷設作業になり、その工事費が膨大になるという問題がある。
さらに、各車両のケーブルは、車両連結部の各電気コネクタにより相互に接続されるが、空き端子がない場合には新たに敷設する専用の通信ケーブルを連結できず、情報の配信ができない等の問題が生じる。
【0005】
一方、車両の床下には、走行性能向上や快適な走行のために、モータ駆動用、各種制御用の各種容量のインバータが取り付けてある。このインバータを構成するスイッチング素子(例えばIGBT、バイポーラトランジスタ、FET、サイリスタ等の半導体スイッチング素子)からは、そのオン・オフ動作によって電磁ノイズが発生する。
この電磁ノイズは、スイッチング素子がオンあるいはオフした際に、回路内の配線によるインダクタンスや浮遊容量およびスイッチング素子のスイッチング速度によって決まる高周波ノイズである。この周波数を実験により評価した結果、数百kHzから数十MHz、場合によっては数百MHzまで及ぶことが分かった。
【0006】
また、車両は速度制御のためにモータ電圧の周波数が可変になっており、この周波数の基本波やその高調波が発生することにより数十kHz以下の電磁ノイズも発生する。
ノイズは低周波成分ほどパワーが高く、車両走行時における電磁ノイズは数MHz以下が主体であることも分かった。さらに、車両走行中に、トロリー線(電車線とも言う)とパンタグラフ間の放電によって数MHz程度までの電磁ノイズ、場合によっては数百MHzまでの電磁ノイズが発生し、これが前記通信ケーブルを用いた通信に影響を及ぼすことがある。
【0007】
このように、各車両の床下は、強い電磁ノイズ環境下であるため、専用ケーブルは耐ノイズ性を確保するために、ツイストペア線、シールド付きツイストペア線、あるいは同軸ケーブルが必要となり、通信ケーブル自体が高価になる。既存の車両に対して、このような通信ケーブルを新たに敷設しようとすると、その工事費が膨大になるといった問題もある。この結果、広告情報や有料サービス情報を提供して利益を出そうとしても利益が出づらく、投資ができなくなる。
【0008】
また、無線による通信については、車両内での通信はあまり障害がなく通信することが可能であるが、車両自体が金属であるため電波が遮断され、車両間の通信ができなくなり、無線から有線による通信に変換して車両間を有線で通信し、再び無線に変換しなければならず、無線通信機器および有線通信機器の数が増え、通信システムが高価なものになるという問題が生じる。既存の車両に対して、このような工事をするとその工事費が膨大になるという問題もある。この結果、広告情報や有料サービス情報を提供して利益を出そうとしても利益が出づらく、投資ができないという問題がある。
【0009】
一方、各車両には昔から放送線が敷設されており、最近では、文字情報を表示するテロップ表示器に情報を通信するためのテロップ表示用通信線も敷設されている。従って、これらのケーブルをそのまま利用して情報を伝送することが実現できれば、新たなケーブル敷設工事が発生することもなく、各車両への情報配信を可能とするシステムを容易にかつ短時間で構築することが可能になる。
【0010】
そこで、本発明の課題は、車両に設置したスピーカへ音声信号を送信するための放送線、テロップ情報を送信するためのテロップ表示用通信線、あるいは直流電源線、交流電源線のいずれかを利用して、車両走行中にも、広告情報や乗客への有料サービス情報を提供することにより、表示装置等の機器を供給する事業者や車両を運転管理する事業者が十分な利益を期待することのできる車両内情報サービス提供方法ならびにシステムを提供することにある。
なお、ここで車両とは、電車およびディーゼル車等、鉄道の列車に限らず、モノレール車両、トロリー電車、タイヤ電車等も含む。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は、運転室あるいは乗務員室と各車両に通信装置を設け、これらの通信装置を、例えば、放送線あるいはテロップ表示用通信線、直流電源線、交流電源線のいずれかで接続し、各車両に設置された通信装置に広告情報や乗客への有料サービス情報を伝送して通信装置に接続される表示装置にこれらの情報を表示させるようにした。
ここで、機器供給事業者は、通信装置および表示装置を運転室あるいは乗務員室や車両に設置すると共に工事を行い、広告情報や乗客への有料サービス情報を該表示装置に表示させる。一方、車両の運転および管理を行う車両運転管理事業者は、機器提供事業者に対してこれら装置を運転室あるいは乗務員室や車両に取り付けるためのスペースを貸与する。そして、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対し、機器供給事業者と車両運転管理事業者間での取り決めに従い、広告主あるいは有料サービス情報の利用者によって支払われる利用料金の配分処理を行うこととした。
【0012】
本発明によれば、既設の放送線あるいは既設のテロップ表示用通信線を用いて車両内へ広告情報や乗客への有料サービス情報を安定に提供することが可能になる。この通信のために車両間を接続するような新たな大きなケーブル敷設工事を行う必要がない。そのため、車両内へ広告情報や乗客への有料サービス情報の提供に対し、その導入コストを低減できると共に早期に実現できる。
また、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対し、広告掲載料や有料サービス情報の課金に応じて契約者間であらかじめ取決めた契約内容に従って情報提供装置の貸与料あるいは販売料と車両スペース貸与料が機器供給事業者と車両運転管理事業者に支払われる。この結果、車両運転管理事業者は初期投資なしに、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対する利益を得ることが可能となる。また、機器供給事業者は、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対する情報提供装置の貸与料あるいは販売料の配分を得ることが可能となり、両事業者共に十分な利益を期待できる。
なお、既存の放送線あるいは既設のテロップ表示用通信線は、文字通りの既存に限定されるものではなく、新たに放送線等を備えた車両を製造する場合や既存の車両に新たに放送線等を設ける場合に、この放送線等を用いて車両内へ広告情報や乗客への有料サービス情報を提供する場合も既存の…に含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1、図2は、本実施形態の車両内情報サービス提供方法を実現するビジネスモデルの例を説明するために引用した図であり、事業者A、Bが連帯して責任を負うケース(図1)、事業者Bが責任を負うケース(図2)のそれぞれを示す。
ここでは、両図共に、事業者Aは、車両の運転および管理を運営する車両運転管理事業者であり、事業者Bは、通信装置や表示装置等の機器を供給する機器供給事業者である。
事業者Aと事業者Bはあらかじめ所定の契約を結び、料金授受はファイナンス会社C経由で行われる。事業者A、事業者Bおよびファイナンス会社Cの3者で締結された契約を矢印14で示す。ここでは、事業者Bは事業者Aに機器を貸与(レンタル)する場合を示している。販売する場合については後記するが、料金の支払いが異なるだけであり、その他は同一である。
【0014】
図1において、事業者Bは通信装置、表示装置、配線等からなる情報提供のための機器類を事業者Aが所有あるいは運営している車両に取り付け、その後の機器の保守を行う。この結果、矢印15に示すように工事を含む機器貸与および保守が事業者Bから事業者Aになされる(機器貸与)。
一方、事業者Aは、矢印16に示すように、所有あるいは運営している車両に機器を取り付けるためのスペースを事業者Bに貸与する(スペース貸与)。このため、矢印17に示すようにそのための対価がファイナンス会社Cから事業者Aに支払われる(スペース貸与の対価)。また、矢印18に示すように工事費を含む機器貸与および保守の対価がファイナンス会社Cから事業者Bに支払われる(機器貸与の対価)。
【0015】
ファイナンス会社Cは、後記するが広告主から得られる広告掲載料を基にスペース貸与や工事費を含む機器貸与および保守のための対価を支払う。この対価支払いについては、事業者Aと事業者B間で、工事費を含む機器貸与料および保守費と、車両のスペース貸与料を事前にあらかじめ取決めた契約内容に応じて配分するが、車両内広告情報並びに有料サービス情報の提供運営を開始後に変更することも可能である。
【0016】
図2において、事業者Bは、矢印15に示すように、通信装置、表示装置、配線等からなる情報提供のための機器類を事業者Aが所有あるいは運営している車両に取り付け、その後の機器の保守を行う(機器設置)。
一方、事業者Aは、矢印16に示すように、所有あるいは運営している車両に機器を取り付けるためのスペースを事業者Bに貸与する(スペース貸与)。このため、矢印17に示すようにそのためのスペース貸与料がファイナンス会社Cから事業者Aに支払われる(スペース貸与料支払い)。また、矢印18に示すように工事費を含む機器貸与料および保守費用の支払いがファイナンス会社Cから事業者Bに対して支払われる(機器貸与料支払い)。
【0017】
ファイナンス会社Cは、後記するが広告主から得られる広告掲載料を基にスペース貸与や工事費を含む機器貸与および保守のための料金を支払う。この料金支払いについては、事業者Aと事業者B間で、工事費を含む機器貸与料および保守費と、車両のスペース貸与料を事前にあらかじめ取決めた契約内容に応じて配分するが、車両内広告情報並びに有料サービス情報の提供運営を開始後に変更することも可能である。
【0018】
以下、本発明における車両内情報サービス提供システムの実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明の実施形態は、(1)車両内の放送線を利用して運転室あるいは乗務員室から各車両に広告情報や乗客への有料サービス情報を提供する第1の実施形態と、(2)通信装置間で一度プロトコール変換された信号で相互にデータ授受を行い、車両内の放送線を利用して、運転室あるいは乗務員室から各車両に広告情報や乗客への有料サービス情報を提供する第2の実施形態と、(3)運転室あるいは乗務員室から各車両に伝送されてきた広告情報や乗客への有料サービス情報を各乗客に個別に提供できる第3の実施形態とに大別して説明する。
【0019】
また、本発明の実施形態における放送線は、車両に設置したスピーカへ音声信号を送信するための通信線であり、テロップ表示用通信線は、テロップ表示機にテロップ情報を送信するための通信線である。
さらに、本発明の実施形態における車両とは、電車およびディーゼル車等の鉄道車両に限らず、モノレール車両、トロリー電車、タイヤ電車等も含む。
【0020】
〔第1の実施形態〕
図3は、第1の実施形態における車両内情報サービス提供システムの装置構成を示す図である。
図3において、事業者Aが所有あるいは運営している車両の運転室あるいは乗務員室1には、放送装置2が設置されており、各車両9,10(N台の車両として図示している)に設置しているスピーカ12a,12b(各車両に複数台設置されるが図では1台を示している)までを放送線4で接続し、この放送装置2を利用して各車両の乗客や乗務員に音声による必要事項(次の停車駅の告知、呼び出し等)の連絡がなされるが、この放送線4を共有して利用して、音声信号の伝送以外に乗客へ広告情報並びに有料サービス情報の提供ための通信を運転室あるいは乗務員室1から各車両9,10に行う。
【0021】
運転室あるいは乗務員室1の放送装置2は、後記する周波数スプリッタ3aを介して放送線4に接続されている。放送線4は、各車両9,10の周波数スプリッタ3b,3cを介してアンプ11a,11bに接続される。なお、放送線4は、2本の電線であるが、ここでは単線図で示している。アンプ11a,11bは、音声信号を増幅させるためのものであり、スピーカ12a,12bに接続される。さらに、運転室あるいは乗務員室1には通信装置5aが設置され、通信装置5aは前記の放送線4に接続されている。この通信装置5aは情報提供装置6にも接続されている。
【0022】
本発明実施形態の車両内サービス提供システムの中枢となる情報提供装置6は、主に、各車両の乗客に車両内広告情報並びに有料サービス情報を提供するためのものであり、広告情報、映画、録画情報、娯楽情報、等の各種データがそれぞれ記録されているVTRやCDROM、ハードディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体からの情報信号7を取り込んで通信装置5aに出力し、あるいは広告情報、映画、録画情報、娯楽情報等の各種情報を車両に取り付けた無線受信機(図示せず)や電車線(トロリー線)を利用して通信する有線通信装置(図示せず)で受信し、その出力信号として取り込み、これを内部の記憶部に保存して、通信装置5aに出力する。
【0023】
また、情報提供装置6は、広告主や有料サービス情報の利用者に対する課金処理を実行し、かつ、後記する事業者Aと事業者Bとの取り決めに従い、広告主や有料サービス情報の利用者によって支払われる利用料金の配分のための演算処理も行う。課金および配分のための演算処理の詳細については広後記する。
【0024】
図4は、図3に示した情報提供装置の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
情報提供装置6は、機能的に大別すれば、情報配信処理部61と、課金データ送受信部62と、課金演算処理部63と、配分演算処理部64で構成される。また、演算装置69は、課金演算処理部63および配分演算処理部64で構成される。この演算装置69は、特許請求の範囲のコンピュータに相当する。
情報配信処理部61は、記録媒体(DB:データベース65)から広告情報、有料サービス情報、広告情報付き有料サービス情報の少なくとも1つを取得して通信装置5aに出力し、もしくは無線で受信した広告情報、有料サービス情報、広告情報付き有料サービス情報のいずれかを通信装置5aに出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを放送線4として表示装置13a〜13dへ配信する機能を持つ。
【0025】
一方、課金データ送受信部62は、例えば、表示装置13a〜13dからそれぞれ通信装置5b〜5eを介して送信されるサービス計測時間を受信して、DB66へ格納すると共に、課金演算処理部63へ供給し、あるいは受信したサービス計測時間を図示せぬ通信網を介してセンタ装置へ送信して課金を含む配分処理を依頼する。
また、課金演算処理部63は、広告情報や有料サービス情報の配信時間について、情報配信処理部61から、あるいは表示装置13a〜13dから課金データ送受信部62を介して受信し、その累積時間から広告情報掲載料、あるいは有料サービス情報利用料を算出し、広告主、あるいは利用者に対して課金を行うための処理を実行する。
なお、課金データ(配信時間)は、有料サービス情報等、利用者の個人データが必要な場合は各表示装置13a〜13dを介して受信し、また、個人データを必要としない広告情報や有料サービス情報のうち一括配信するものについては情報配信処理部61から課金データを受信することとする。
【0026】
また、広告主や利用者への課金については、期間貸しを含む一括課金、従量制課金が考えられるが、ここでは従量制課金とし、単純にサービス時間や回数をカウントして課金する他に、サービスの形態や車両の運行状況を反映させる方法も考えられる。
ここでいう、サービスの形態とは、カラーと白黒の別、音声付きと音声無しの別、手話付きと手話無し表示の別、動画と静止画の別、先頭車両やグリーン車等車両における表示場所のそれぞれに応じて重み付け係数を設定し料金単価を変えて課金するものである。また、車両の運行状況とは、例えば、ドア出入り口近傍に位置する乗客の人数、混雑期と閑散期の別、ラッシュ時間帯と閑散時の別のそれぞれに応じて重み付けを設定し、料金単価を変えて課金するものである。
【0027】
配分演算処理部64は、その広告情報掲載料、有料サービス情報利用料を、車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行する機能を持つ。事業運用形態、演算式等についてはDB67に契約情報として格納されている。課金演算処理部63あるいは配分演算処理部69で演算された課金額あるいは配分額のそれぞれは、情報提供装置6から外部へ、すなわち、広告主や事業者A、Bに対して図示せぬ通信インフラを使用し、あるいは後日郵送で通知される。
なお、ここに示す実施形態では、情報提供装置6は、情報提供と課金や配分のための処理を実行する機能を共に持つ構成を採用することとしたが、それぞれの機能を実行する装置(情報提供装置と配分処理装置)を独立して設ければ付加分散がはかれ、トータル的なスループットの向上が期待できる。
【0028】
図5は、図4に示した情報提供装置の基本的な動作の流れをフローチャートで示した図である。
以下、図5に示すフローチャートを参照しながら図4に示す情報提供装置の動作について説明する。
まず、情報提供装置6では、情報配信処理部61がDB65から広告情報、有料サービス情報、広告情報付き有料サービス情報のいずれかを取得通信装置5aに出力し、もしくは無線で受信した広告情報等を通信装置5aに出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線(放送線4)のいずれかを介して表示装置13a〜13dへ配信する(S51)。
【0029】
一方、表示装置13a〜13d側では、測定(計測)された広告等の配信時間を、各通信装置5b〜5eを介して情報提供装置6に送信しており、情報提供装置6はこの情報を、課金データ送受信部62を介して受信して課金演算処理部63へ供給する(S52でYes)。なお、前記したように情報配信処理部61から受信することもあり、この場合も課金データ送受信部62を介して課金演算処理部63へ供給される。
課金演算処理部63は、その累積時間から広告情報掲載料や有料サービス利用料を算出し、課金データとして生成して(S53)、広告主やサービス利用者に課金すべくその課金データを通知する(S55)。課金データの通知にあたり、広告主や利用者が端末装置を所持し、インターネット等、オープンなネットワークへの接続環境を持つ場合、その端末装置へ直接送信してもよい。
なお、広告掲載料や利用料の算出については、前記したように、単に時間の他に、サービスの形態、あるいは車両の運行状態についても監視し、その監視結果に重み付けを行い、料金に反映させる(S54)。
【0030】
続いて、前記により支払われた広告情報掲載料あるいは利用料について、車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と表示装置13a〜13d、通信装置5a〜5eを含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、情報提供装置6は、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行して配分処理を実行する。
配分処理の実行については、情報提供装置6が持つ配分演算処理部64で実行する方法と(S56でONLINE)、センタ処理に委ねる方法(S56でOFFLINE)がある。
【0031】
前者の場合、配分演算処理部64が、後記する事業者間の契約によって決まる、例えば、e×(1+d)等の演算式(d、eについては後記)を実行することで車両運転管理事業者と機器供給事業者間の料金配分が決定される(S57)。そして、両事業者にそれぞれ配分が通知される。通知については、前記した課金同様、両事業者が端末装置を所持し、インターネット等、オープンなネットワークへの接続環境を持つ場合、課金データ送受信部62、通信装置5a、そして、図示せぬ通信網を介してその端末装置へ直接送信される(S58)。勿論郵送による方法もある。
なお、センタ処理の場合は、通信装置5a、図示せぬ通信網を介してセンタに対して配分処理依頼が発行され(S59)、センタからの配分処理結果の送信を待って事業者間へ配分の通知がなされる(S60でYes,S58)。また、課金処理についても配分処理同様、センタに委ねることが可能である。
【0032】
説明を図3に戻す。各車両9,10においては、通信装置5b,5c,5d,5eは、放送線4に接続されていると共に表示装置13a,13bにも接続されている。
通信装置5b,5c,5d,5eは、通信装置5aから送信されてくる情報を受信し、表示装置13a,13b,13c,13dに出力する。この結果、前記した各種情報が表示装置13a,13b,13c,13dに表示される。2列シートや3列シートで座席が構成される特急車両や新幹線車両のように乗客が着座したときに前席の背もたれが見える車両の場合には、表示装置13a,13b,13c,13dは、前席の背もたれの部分に設置され、これ以外の車両、例えば通勤車両に代表される車両の場合には、ドア上部およびその付近に表示装置13a,13b,13c,13dが設置される。図1では、通信装置5b,5c,5d,5eと表示装置13a,13b,13c,13dは1対1で対応しているが、通信装置の台数を少なくしてコストを低減させるために、車両ごとに通信装置が複数の表示装置に情報を表示させるように構成してもよい。車両9を例にとれば、通信装置5cを削除し、通信装置5bに表示装置13a,13bを接続する構成にする。
【0033】
通信装置5aと通信装置5b,5c,5d,5e間で通信する情報は、広告情報、映画、録画情報、娯楽情報等であり、画像情報を含むため、少なくとも通信速度は1Mbps以上が要求される。特に広告情報は画像情報とすることにより文字情報による広告よりはるかに宣伝効果が出る。このため、通信装置5aと通信装置5b,5c,5d,5eは、後記するメガヘルツ(MHz)帯域を利用して大容量通信を行う。
一方、車両内放送である音声信号は、約4kHz以下の信号であり、両者の周波数に大きな差がある。この周波数の差を利用し、通信装置5aと通信装置5b,5c,5d,5e間で通信するメガヘルツ(MHz)帯域の通信信号が放送装置2、アンプ11a,11bに通信されないように、周波数を分離して通信することにより、両者の信号を一本の放送線4を利用して通信することが可能になる。この周波数分離のために周波数スプリッタ3a,3b,3cを放送線4に接続している。なお、アンプ11a,11bは、音声信号の減衰を補償するために設けている。
【0034】
放送線4は各車両の床下に敷設する構造となっており、床下から分岐してアンプ11a,11bを介してスピーカ12a,12bに接続されている。各車両間は、車両連結部の各電気コネクタにより相互に接続されている。前記車両の床下には、走行性能向上や快適な走行のために、モータ駆動用、各種制御用の各種容量のインバータが取り付けてある。
インバータを構成するスイッチング素子(例えばIGBT、バイポーラトランジスタ、FET、サイリスタ等の半導体スイッチング素子)は、そのオン・オフ動作によって電磁ノイズが発生する。この電磁ノイズは、スイッチング素子がオンあるいはオフした際に、回路内の配線によるインダクタンスや浮遊容量およびスイッチング素子のスイッチング速度によって決まる高周波ノイズである。この周波数を実験により評価した結果、数百kHzから数十MHz、場合によっては数百MHzまで及ぶことが分かった。
【0035】
さらに、速度制御のためにモータ電圧の周波数が可変になっており、この周波数の基本波やその高調波が発生することにより数十kHz以下の電磁ノイズも発生する。
ノイズは、低周波成分ほどパワーが高く、車両走行時における電磁ノイズは数MHz以下が主体であることも分かった。その一例を図4に示す。図4では、放送線4に重畳されるノイズと通信の送信信号および受信信号を合わせて示している。これらの関係については後記する。ノイズは、約1MHz以下のパワーが高く、約5MHz以上ではあまり高くないことが分かる。通信帯域としては1MHz以上および30MHz以下が望ましいが、5MHz以上および30MHz以下とすればさらによい。しかし、両帯域でもノイズは重畳しており、この帯域を利用する通信にとって障害になってしまう。
【0036】
通信装置5a,5b,5c,5d,5eは、このようなノイズの影響を非常に低減した通信を可能にするものであり、図7を参照して以下に説明する。
図3で示した通信装置5a,5b,5c,5d,5eは同一構成であり、図7に示す通信装置5aを基に説明する。通信装置5aは、バンドパスフィルタ(BPフィルタ)50,60、受信アンプ51、送信アンプ59、アナログ/ディジタル変換器(A/D)52、ディジタル/アナログ変換器(D/A)58、等化器53、復調器54、変調器57、アクセスコントローラ55、プロトコール変換器56からなっている。
【0037】
通信装置5aは、情報提供装置6とのインタフェースをとるために、プロトコール変換器56を設けている。情報提供装置6は、パソコンをベースとした装置で構成すると各種汎用ソフトウェアを利用でき、情報管理やデータ処理等が容易になるため、プロトコール変換器56は、例えばイーサ(R)やUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースとすることが有効である。プロトコール変換器56は、情報提供装置6から車両の乗客に提供するためのデータを受け取ると、このデータを通信装置5aで扱う所定フォーマットの通信パケットに変換する。アクセスコントローラ55は、プロトコール変換器56からの通信パケットを受信すると、このデータを変調器57に出力する。
変調器57は、別途入力している搬送波へのデータ割り付け量情報55bに基づいて、単一あるいは複数の搬送波に前記データを割り付ける。このことをビット割り付けともいう。搬送波にデータが割り付けられた信号はD/A58によりアナログ信号に変換され、送信アンプ59によって増幅され、BPフィルタ60を介して放送線4に出力され、通信装置5b,5c,5d,5eに送信される。
【0038】
一方、通信装置5b,5c,5d,5eから送信されてきた信号は、BPフィルタ50によって通信帯域以外の信号を抑制し通信帯域の信号を受信アンプ51に出力する。受信アンプ51は、受信信号を増幅してA/D52に出力し、A/D52によってディジタル信号に変換された信号が等化器53に出力される。
等化器53は、放送線4の通信路歪(伝送路歪ともいう)を補正するためのものであり、通信路歪の補正処理を行った信号が復調器54に出力される。
【0039】
復調器54では、別途入力している搬送波へのデータ割り付け量情報55aに基づいて、各搬送波に割り付けられているデータを取り出し、アクセスコントローラ55に出力する。
アクセスコントローラ55では、この取り出したデータを所定フォーマットの通信パケットに変換し、プロトコール変換器56に出力する。プロトコール変換器56は、この通信パケットを、情報提供装置6とのインタフェース(例えばイーサ(R)やUSB等)が取れるようにプロトコールの変換をして情報提供装置6に情報を出力する。通信装置5b,5c,5d,5eにおける受信処理は、前記と同一であり、プロトコール変換器56からの出力信号が表示装置に出力されることになる。
【0040】
アクセスコントローラ55は、復調器54および変調器57にデータ割り付け量情報55a,55bを出力するが、この情報で示されるデータ割り付け量は常に一定ではなく、一定時間ごとに通信装置5aと5b間の通信特性に対するトレーニング(学習ともいう)を行って単一あるいは複数の搬送波ごとにS/Nを推定(測定あるいは判定という)するか、あるいは通信時の伝送誤り率を評価し、これらの結果に応じて、単一あるいは複数の搬送波ごとあるいは全搬送波に対してデータ割り付け量を変更する。またS/N(信号とノイズの強さの比)の推定と伝送誤り率の評価を併用してデータ割り付け量を変更してもよい。
このように、通信装置5aと5b,5c間で放送線4の通信特性(伝送誤りやS/N)をダイナミックに評価し、この結果に基づいて変復調の処理(データ割り付け量の変更)を変更することで伝送エラーを発生させないように通信することが可能になる。以下では、この点を詳細に説明する。また、単一の搬送波を用いるか、あるいは複数の搬送波を用いるかはS/Nを考慮して設計するが、ノイズ環境下での通信を考慮すると複数の搬送波を用いる方が通信性能はよい。
【0041】
なお、通信装置5b,5c,5d,5eは、車両9,10の内側壁と外側壁の二重構造でできている空間を利用して設置する。すなわち、車両9,10の天井と屋根(車両外部)との間の空間、車両9,10の床と床下機器取り付け部との間の空間またはドアの戸袋等の空間に設置する。これらの個所は、いずれも二重構造であり、この空間に設置することにより新たなスペースを必要とすることがなく、また車内の美観を損なうこともない。
【0042】
図6に示したように、放送線4に重畳されるノイズは低周波ほどパワーが高い。具体的には、1MHz以下が高く、7MHz近傍でノイズの部分的なピークがあるものの5MHz以上ではあまり高くない。
通信装置5aから通信装置5bにデータを送信するとして、通信装置5aが放送線4に送信した信号の強さが図4に示したように一定であっても、放送線4の特性が周波数依存性を持っているため、通信装置5bで受信した信号の強さは、高周波ほど低下し、かつ変動している。これは、通信線のインダクタンスや通信線の往路および復路間の静電容量により通信信号の減衰や、放送線4の分岐点や端点での反射等によるものである。
【0043】
安定した監視画像の通信(通信速度は1Mbps程度以上)のためには、受信信号とノイズの強さの比(dB表現では差)であるS/Nを所定以上とする必要があり、受信信号の高周波帯域での減衰を評価すると、30MHz以下の周波数帯域を通信帯域として使用することが望ましい。帯域を狭くすると、通信速度が低くなるという問題があるため、通信帯域としては少なくとも1MHz以上で30MHz以下が望ましい。さらに、通信帯域として5MHz以上で30MHz以下の帯域を利用すると、ノイズの影響が低くなり、より安定した高速通信が可能である。
また、前記したように通信の使用帯域として1MHz以上で30MHz以下を利用しているために、この帯域は短波帯域と同一の周波数であり、車両の連結部のところで放送線のコネクタが車両走行中に接触不良(ごみが挟まったり、空隙が生じたりする)を一時的に起こしても、その分離距離が1mm程度以下であるため、無線として十分に通信することが可能となる。1MHzから30MHzの通信帯域であるため、数cmは離れても無線通信は可能である。従って、コネクタが車両走行中に接触不良が発生しても通信性能に影響をあまり及ぼすことなく通信し続ける効果がある。
【0044】
等化器53は、放送線4の通信路歪を補正し、復調器54が正しくデータを復調するために必要である。等化器53は、通信におけるプリアンブル信号を用いて通信路歪を評価し、この評価の結果を用いて通信路歪を補正する。図6のように、等化器53は減衰した受信信号の通信路歪を補正するが、その際ノイズ成分も増幅されるためS/Nは改善されない。この等化器53がなければ、通信路歪の影響でデータの復元にエラーが生じる。つまり伝送エラーになってしまう。この点についても後記する。
【0045】
搬送波として使用帯域内で複数の搬送波(マルチキャリア)を用いる場合を例に、S/Nを評価してデータ割り付け量を変更する仕組みについて以下に説明する。
図8にマルチキャリアのスペクトルを示す。帯域Δfの搬送波は、使用帯域に複数割り当てるが、搬送波と搬送波が重ならないようにするために、搬送波間で所定帯域だけスペースを取るのが一般的である。各搬送波には所定の送信データのビットが割り付けられる。
マルチキャリアの特殊なケースであるOFDM(直交周波数多重分割)は、図9に示すように、搬送波のピーク点では、他の搬送波のパワーがゼロとなるように各搬送波が配置され、各搬送波の帯域をΔfとすると、時間1/(Δf/2)での逆フーリエ変換による直交性の維持を図っている。このため、一般のマルチキャリアとは異なって、各搬送波が重なり合っても信号が復元可能であるため、使用帯域が一般のマルチキャリアより狭くてよく、周波数利用効率が一般のマルチキャリアより高いという特徴をもっている。なお、OFDMもマルチキャリアの一種である。
【0046】
搬送波を用いて通信する方式として、前記のような複数の搬送波を用いて通信する方式(マルチキャリア通信方式という)と、単一の搬送波(単一キャリアともいう)を用いて通信する方式(単一キャリア通信方式という)があり、いずれも搬送波(キャリア)にデータ(ビット)を割り付けて伝送する。
単一キャリア通信方式の場合には、図8に示す搬送波のうちひとつを設定することになるが、搬送波の帯域は図8より広く最大で使用帯域ΔF1となる。このように搬送波(キャリア)にデータを割り付けて伝送するわけであるが、キャリアごとのS/Nによりそのデータ割り付け量には制限がある。
【0047】
マルチキャリア通信方式は、使用帯域内で複数の狭帯域のキャリアを設けて通信する方式である。このため、放送線4に重畳したノイズの内、特定の周波数のノイズパワーが高いと、そのノイズの周波数に合致するキャリアのS/Nが他のキャリアよりも低くなり、そのキャリアへのデータ割り付け量が低くなるだけであり、全キャリアとして高いデータ割り付け量を維持できる。
この結果、高い通信速度を確保することが可能である。このように、マルチキャリア通信方式は、複数のキャリアを用いて通信しているため、S/Nの低くなった特定の搬送波(キャリア)に対してデータ割り付け量が低くなるだけである。
【0048】
これに対して、単一キャリア通信方式では、特定の周波数のノイズのレベルが高いだけであっても、キャリアが一つであるため、そのキャリアに割り付けるデータ量が低くなり、マルチキャリア通信方式と比べ、かなり通信速度が低下する。特に車両における動きのある監視画像を伝送するためには1Mbps以上の通信速度が必要であるために、単一キャリア通信方式より、マルチキャリア通信方式の方が適している。
各搬送波(キャリア)ごとに複数の波形(振幅と位相が異なる)を使用し、この波形にデータ(ビット)を割り付けて伝送するが、多数の送信波形を用いて伝送する際の変調は多値変調と呼ばれ、キャリア毎のS/Nによりそのデータ割り付け量(ビット割り付け量ともいう)には制限があり、図10のような関係になっている。
【0049】
例えば、伝送誤り率を1/10に設定すれば、256QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、16QAM、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、BPSK(Binary Phase Shift Keying)では、S/Nがそれぞれ約22.5dB、約17.7dB、約13.5dB、約9.5dB、約6.3dB必要である。
256QAMでは8ビットの割り付けが可能であり、64QAMは6ビット、16QAMは4ビット、QPSKは2ビット、BPSKは1ビットの割り付けが可能であり、S/Nが約6.3dB未満であれば、ビットの割り付けをしない。
【0050】
なお、QAMは振幅変調、QPSKおよびBPSKは位相変調である。前記例では128QAM、32QAM等を示していないが、その他のQAMもある。また、誤り訂正機能を付加することにより、伝送誤り率を1/10から1/10程度にすることが可能である。従って、例えば、通信速度が1Mbpsであれば、確率的に10秒に1回誤りが発生することになり、誤りが発生した伝送フレームあるいはパケットを再送することにより、何ら問題なく安定した通信が可能になる。
【0051】
〔S/Nの推定評価〕
次に、図11を用いて、S/Nの評価について説明する。図11は、通信装置5aから通信装置5bにS/Nを評価するためのトレーニングデータを送信してS/Nを算出する例を示している。
通信装置5aから通信装置5c,5d,5eにS/Nを評価するためのトレーニングデータを送信してS/Nを算出する場合も同一である。逆に、通信装置5b,5c,5d,5eから通信装置5aにS/Nを評価するためのトレーニングデータを送信してS/Nを算出する場合も同一である。通信装置5aから通常のデータを送信する場合は、ステップ1からステップ5の手順により実施しており、S/N評価のための処理は割込み処理によって実施する。ここでは、割込み処理として、一定時間で起動する割込み処理を例にしている。
【0052】
図11に示す処理は、アクセスコントローラ55によってなされる。通常のデータ送信においては、まずステップ1にて、プロトコール変換器56から取り込んだデータを基に通信装置内のパケットデータを作成する。次にステップ2で、作成したパケットデータを変調器57に出力する。これによって、データが変調され通信装置5bに送信される。
通信装置5bから送信されてくるデータについては、ステップ3で復調器54からのパケットデータを取り込む。ステップ4にてCRC(Cycle Redundancy Check:巡回冗長検査)の評価を実施して、伝送誤り検出を行う。ステップ5にて、伝送誤りがあれば、通信装置5bに再送要求をし、伝送誤りがなければ取り込んだデータをプロトコール変換器56に出力する。
【0053】
このような通常のデータ通信処理を実施している状態で、S/N評価のための割込み処理を実施する。
ステップ6で、あらかじめ用意しているトレーニングデータを変調器57に出力する。この結果、トレーニングデータが変調されて、通信装置5bに送信される。これに対して、通信装置5bは、ステップ10でトレーニングデータを受信し、ステップ11で搬送波ごとのS/Nを計算する。この計算については後記する。さらに、ステップ12で、搬送波番号とビット割り付け量をペアとしてパケットデータに変換し、変調器に出力する。搬送波番号とビット割り付け量のペアをビット割り付け情報とよぶ。この結果、通信装置5bから通信装置5aにビット割り付け情報(搬送波番号とビット割り付け量)が送信されてくる。
【0054】
また、自局である、通信装置5b自体のビット割り付け情報を更新するためにビット割り付け情報テーブルの書き換えを実施する。このビット割り付け情報は、通信装置5aから伝送されてきたデータを通信装置5bの復調器で復調する際に使用する。
その後、通信装置5aは通信装置5bから送信されてくるビット割り付け情報をステップ7で受信し、ステップ8にてビット割り付け情報テーブルの書き換えを実施する。この処理が終了すると、ステップ9にてビット割り付け情報テーブルの書き換え完了を示すACKを送信する。
【0055】
通信装置5bでは、ステップ13にてACKを受信し、処理を終了する。この処理が終了すると、通信装置5bから通信装置5aにトレーニング情報を送信し、通信装置5bから通信装置5aへの伝送に対するS/Nを評価する。これは、通信線のS/Nが対称になっていれば必要はないが、S/Nに対称性がないが場合には有効である。
車両の場合、ノイズ源であるインバータが通信装置5b側にあることが多く、インバータは、通信装置5b側のノイズが通信装置5aのノイズより強いことが考えられる。従って、通信装置5bにおけるS/Nが低くなるため、通信装置5aから通信装置5bにデータを送信する場合には、各搬送波に割り付けるビットをS/Nに応じて低くする必要が生じる。このように各通信装置でのS/Nに差がある場合には、双方向でのS/N評価を実施し、この結果得られるビット割り付け情報を各アクセスコントローラに記憶しておき、変調および復調に対応して利用する。
【0056】
トレーニングデータを送信するか通常のデータを送信するかを区別する必要があるが、これは図12のように伝送フォーマットを構成することにより実現できる。
この伝送フォーマットは、プリアンブル信号、ヘッダ、データ、CRCからなっており、ヘッダの中にトレーニング情報か通常のデータ情報かを示すようにしている。ヘッダがトレーニング情報を示せば、データの中にはトレーニング用データが入っており、ヘッダがデータ情報を示せば、データの中には通常の送信データが入っている。
トレーニング用データとしては、256QAM、64QAM、QPSK等があるが、ここでは理解を容易にするために、QPSKを例に説明する。なお、プリアンブル信号はシンボル同期のために用いる。
【0057】
QPSKは各搬送波に2ビットを割り付ける変調方式であり、信号点配置は図13のようになっている。
I軸は信号の同相成分を表し、Q軸は信号の直交成分を表している。信号点へのデータ割り付けは、例えば、第1象限の信号点でデータ“00”を示し、第2象限の信号点でデータ“01”、第3象限の信号点でデータ“11”、第4象限の信号点でデータ“10”を表す。そこで、全ての象限のデータを送信した方がS/Nをより一層正確に評価することが可能である。厳密でなければ、2ビットからなる適当なデータを利用してもよい。例えば、第1象限と第3象限のデータで構成し、“00”、“11”としてもよいし、すべて第1象限のデータとし、“00”としてもよい。
【0058】
ここでは、トレーニング用データとして“00”、“01”、“11”、“10”が設定される。そして、この場合、図7において、アクセスコントローラ55から変調器57に出力するビット割り付け情報として搬送波毎に2ビットの割り付け(QPSKである)であることを出力する。これにより、変調器57はQPSK変調により、2ビットづつのトレーニング用データを、各搬送波に2ビットを割り付け伝送する。
トレーニングの場合には、各搬送波のS/Nを評価することが目的であるため、全搬送波に対してQPSK変調を施してデータを送信する。トレーニングの際にはあらかじめQPSK変調で伝送することが決まっているため、受信側ではQPSKで復調する。なお、QPSKではどの信号点に対しても振幅が一定であり、位相のみが異なるだけであり、復調処理が簡単であるが、256QAM、64QAM等を利用してトレーニングを実施してもよい。
【0059】
S/Nの評価は以下のように実施される。QPSKの場合、通信線上にノイズもなく減衰もなければ、復調した際の信号点は図14のようになる。しかし、通信線上にはノイズがあり、かつ減衰もする。減衰については図7の等化器53によって補正されるため、復調された信号は信号点配置において、基本的には真値の周りに復元されることになる。
図14において、丸で示した範囲が復調後の信号点位置である。原点から真値までの距離が信号の強さSであり、真値から復調後の信号点位置までの距離がノイズの強さNである。従って、両者の比を計算すればS/Nが求まる。トレーニングでは、変調方式をあらかじめ定めているので、真値がどこにあるかをあらかじめ通信装置に記憶させておくことができる。
【0060】
真値を用いてS/Nを計算する方式の他には、平均値を用いる方式がある。これは、復調後の信号点位置の平均を算出し、この結果を用いて原点からの距離をSとし、各復調後の信号点位置からの距離をNとする方式である。
なお、いずれの方式においても、ノイズをより正確に評価(推定あるいは測定)するためには、各搬送波に対して何度もトレーニングデータを送信する必要がある。車両走行時のノイズ発生状況が時々刻々と変化するために数十秒から秒オーダごとにトレーニングを実施するのがよい。
【0061】
〔伝送誤り率評価〕
次に、トレーニングをイベントで実施する方式について説明する。このための処理を図15に示す。
図11と異なる点は、一定時間毎にトレーニングを実施するのではなく、通常のデータ伝送を実施し、伝送誤りが多数発生する場合に、トレーニングを実施させるようにしている点である。このために、ステップ4でのCRCによる誤りチック結果を基に、ステップ5で所定時間内での誤り発生頻度(伝送誤り率)を算出し、この結果があらかじめ定めた所定値以上の場合にトレーニングを実施する。トレーニングについては、図9と同様に、ステップ6からステップ13を実施することにより達成される。このトレーニングが終了したら、通常のデータ通信を実施する。
【0062】
なお、この例では、通信装置5bから通信装置5aへのデータ送信時に発生した伝送誤り率に基づいて、通信装置5aから通信装置5bへのトレーニングを示したが、逆に、通信装置5aから通信装置5bへのデータ送信時に発生した伝送誤り率に基づいて、通信装置5bから通信装置5aへのトレーニングも同様にして実施される。
このように、伝送誤り率に応じてトレーニングをすること(イベント駆動のトレーニング)、つまり、S/Nが悪化したときにトレーニングをするため、一定時間毎にトレーニングを実施する方式に比べ伝送効率が高くなるとういう特徴がある。
【0063】
さらに、このイベント駆動のトレーニングと一定時間毎にトレーニングを併用するとさらに伝送効率がよくなる。
つまり、イベント駆動のトレーニングによりS/Nが悪化したときのトレーニングが可能であり、S/Nが改善した場合には一定時間のトレーニングにより、高いS/N状態でのデータ割り付けが可能になるため、通信速度をより一層速くできる。
【0064】
イベント駆動のトレーニングのみでは悪化したときのトレーニングによって決まるデータ割り付け量のみになってしまうため、伝送路のS/Nが向上しても既にトレーニング済のデータ割り付け量のままであり、通信速度の改善ができないが、両方式を併用することにより、S/N低下時にイベント駆動のトレーニングによりデータ割り付け量が低下しても、一定時間ごとのトレーニングにより、伝送路のS/Nが向上していれば、データ割り付け量は多くなる。
このように伝送路のS/N状態に応じて最適なデータ割り付け量が決定できる。このための処理は、アクセスコントローラ55により、イベント駆動のトレーニングを図15の処理で実施し、一定時間毎のトレーニングを割込み処理(図11)で実施すればよい。
【0065】
〔OFDM通信〕
前記に加え、OFDMを含むマルチキャリア通信方式を利用して通信装置5a,5b間で通信することにより、十分なS/Nが確保できない周波数が存在し、この結果、データの割り付けのできないキャリアが存在しても、その他の周波数のS/Nが高ければ、これらの周波数の搬送波に多くのデータ割り付けが可能になり、全体として1Mbps以上の十分な通信速度を確保できる効果がある。
さらに、OFDMは周波数利用効率が高いため、一般のマルチキャリア通信方式より狭い帯域で同等の通信速度を確保することが可能になる。車両の場合、インバータノイズによりS/Nが周波数によって変化するが、そのS/Nの変化がある程度の周波数範囲にわたっていても、OFDMでは比較的S/Nの高い周波数帯域を使用周波数帯域として設定して利用することにより、車両内通信として高い通信速度を確保できるという特徴がある。
【0066】
〔単一搬送波のS/N評価〕
次に、単一キャリア(単一搬送波)を使用した場合のS/N評価について説明する。単一キャリアを使用して、マルチキャリアと同一の通信速度を実現するには単一キャリアの帯域を広くする必要がある。単一キャリアの帯域を広くすることにより、通信速度を速くすることが可能になる。変調方式としては、マルチキャリアと変わらないため、図11および図15に示したトレーニングがそのまま適用できる。また、S/N評価も図14に示す通りである。
【0067】
〔搬送波周波数の変更方式〕
次に、S/N評価結果に基づいて搬送波(キャリア)周波数を変更する方式を説明する。
図11および図15ではデータ割り付け量を変更することを示したが、この代わりに、データ割り付け量を変更せずに搬送波の周波数をS/Nが同等以上の周波数帯に変更(シフトともいう)することも可能である。この場合、図7に示したデータ割り付け量情報55a,55bの代わりに搬送波周波数変更情報がアクセスコントローラ55から変調器57、復調器54に出力される。なお、あらかじめS/Nの測定を実施しておき、どの周波数帯に変更するかを決めておく。
この方式では、単一キャリアの場合、搬送波が1本であるため、この変更処理は容易である。ただし、通信の使用帯域は、周波数変更が可能なように十分広い帯域である必要がある。
【0068】
〔周波数スプリッタ〕
放送装置2から出力される音声信号は約4kHz以下の信号であり、図3で示した通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信信号はメガヘルツ(MHz)帯域を利用した通信であり、両者の周波数に大きな差があり、周波数の差を利用し、周波数を分割して通信することにより、両者の信号を一本の放送線4を利用して通信している。
このために、図3で示したように周波数スプリッタ3a,3b,3cを用いているが、3aを例としてその構成を図16に示す。
【0069】
放送線4は単線図でなく、2本の電線で示している。周波数スプリッタ3aは、放送線4の途中に高周波遮断フィルタ3a1を備え、高周波遮断フィルタ3a1を介して放送装置2に接続される。
高周波遮断フィルタ3a1は、通信装置間で通信するメガヘルツ(MHz)以上の信号を遮断させ、約4kHz以下の音声信号を通過させることが目的である。このため、高周波遮断フィルタ3a1の代わりに低周波通過フィルタであってもよい。高周波遮断フィルタ3a1の遮断周波数は100kHzで十分である。低周波通過フィルタの場合には遮断周波数は100kHzで十分であるが、不必要な高周波を抑制させるために40kHz程度(4kHzの10倍)で十分である。
【0070】
通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信は、各周波数スプリッタ3a,3b,3c間の高周波遮断フィルタ3a1間で挟まれる放送線4を利用して通信することになる。
通信装置5a,5b,5c,5d,5eには、通信帯域のみを通過させるためのバンドパスフィルタ(BPフィルタ)50,60が設けられているため、音声信号が通信装置内に取り込まれることはない。
以上のように構成することにより、音声信号と、通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信信号が混信することなく、周波数を分離して通信することが可能になる。
【0071】
なお、放送装置2およびアンプ11a,11bは音声信号を通信するために、この音声信号の帯域のみを通過させるように、フィルタが組み込まれている場合がある。
このフィルタは低周波通過、つまり高周波遮断フィルタであり、通信装置5aのBPフィルタ50および60で示したように、放送線とのインタフェースをとるところに設置されることになる。従って、図16に示した高周波遮断フィルタ3a1の機能をこのフィルタによって達成することが可能になる。この結果、図16の高周波遮断フィルタ3a1は取り外すことが可能になる。つまり、周波数スプリッタ3aそのものが不要になり、通信装置5aのBPフィルタ50および60を放送線4に接続するだけで、放送線4を利用して、通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信が可能になる。当然、図3に示す放送装置2およびアンプ11a,11b間で、通信装置5a,5b,5c,5d,5eの通信に何ら影響を受けることなく、音声通信が可能である。
【0072】
以上の実施形態では、放送線4を利用して通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信を可能とした。しかし、放送線4の代わりに、予備のペア線あるいは直流電圧や交流電圧を供給する電線を利用し、通信装置5a,5b,5c,5d,5e間で通信することが可能になる。
この場合、通信装置5aと予備のペア線あるいは直流電圧や交流電圧を供給する電線とのインタフェースが異なるだけであり、その他は同一である。予備のペア線を利用する場合には、通信装置5a,5b,5c,5d,5eが予備のペア線に接続されるだけであり、周波数スプリッタ3a,3b,3cが不要である。また、直流電源線または交流電源線を利用する場合については、その構成を図17に示す。
【0073】
図17において、通信装置5aは結合器655を備え、この結合器655を介して直流電源線あるいは交流電源線41に接続される。
結合器655はコンデンサで直流電源あるいは商用周波数の交流電源の電圧をカットあるいは十分抑制させ、トランスのインダクタンスとこのコンデンサの静電容量の値で決まる高周波通過特性を持たせることにより、メガヘルツ(MHz)の高周波を減衰させることなしに直流電源線あるいは交流電源線41に重畳させるようにしている。直流電源あるいは交流電源がメガヘルツ(MHz)帯域の通信信号に対して何ら影響されなければ、周波数スプリッタ3aが不要になり、通信装置5aを直流電源線あるいは交流電源線41に接続するだけで通信が可能となる。
このように、予備のペア線や直流電源線あるいは交流電源線41を利用して、通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信が可能になり、新たなケーブルを敷設する必要がなく、安価な通信手段を提供できる。
【0074】
最近では、車両でのテロップ表示がなされるようになっているが、情報の出力元である運転室あるいは乗務員室1からの各車両のテロップ表示まで専用のテロップ用通信線が敷設されている。
テロップ表示とは文字表示であり、時間当たりの情報量はあまり多くなく、例えば、9.6Kbps程度の通信速度でデータを送信している。通信信号としては、一般にパルスコード変調された通信信号である。2値AMI符号やその他の符号を使用しても通信帯域は2倍の19.2KHz程度である。通信信号のパワースペクトルの96%はこの19.2KHzの帯域であり、残りの4%が側波帯であり、ほぼ通信帯域は19.2KHz程度と考えてよい。従って、音声信号の帯域4kHzと異なるものの、通信装置5a,5b,5c,5d,5eによる通信帯域であるメガヘルツ(MHz)帯域とは周波数帯域が大きく異なっている。
【0075】
このため、テロップ情報の通信信号と通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信信号は図16に示す周波数スプリッタで分離することができる。従って、テロップ用通信線を利用して、図3に示す構成で通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信が可能になる。
但し、この場合には、放送装置2がテロップ情報出力装置となり、放送線4はテロップ用通信線となり、アンプ11a,11bとスピーカ12a,12bがテロップ表示装置になり、その他は変更ない。つまり、テロップ用通信線を利用して、通信装置5a,5b,5c,5d,5e間の通信が可能になり、新たなケーブルを敷設する必要がないという効果がある。
【0076】
〔スペクトル拡散通信方式〕
通信装置5a,5b,5c,5d,5eとして、スペクトル拡散通信方式を適用した実施形態について、通信装置5aを代表としてその構成を図18に示す。
図7と異なる点は、変調器57および復調器54に係わる部分であり、その他は同一である。OFDMを含めたマルチキャリア方式は、搬送波毎にビット割り付け変更を行ったが、スペクトル拡散通信方式はこのような処理はなく、その代わりにベースバンドの帯域をより広い帯域に拡散して通信し、復調時に帯域をベースバンドの帯域に圧縮して、データを復元する方式である。
【0077】
このスペクトル拡散通信方式は、通信路上にランダムのノイズが重畳される状況下での通信に対してS/Nを高くでき、安定した通信が可能であり、インバータ機器から特定周波数帯域でのノイズ(周波数選択性ノイズという)のレベルが高くなるような場合の通信に好適である。
図7との相違点を説明する。変調器57はスペクトル拡散通信方式の場合、1次変調器とも呼ばれ、通常の伝送で用いられる振幅変調、周波数変調、位相変調(BPSK、QPSK)、位相と振幅を同時に変調する16QAM、64QAM、256QAM等の各種変調方式が採用される。
変調器57の出力信号(1次変調された信号)は、スペクトル拡散変調器663に入力される。スペクトル拡散変調器663は、1次変調された信号に対して拡散符号発生器664から出力されるPN(Pseudorandom Noise)系列と呼ばれる特殊な波形を乗積されてD/A58に出力する。この処理をアナログ処理回路で実現することも可能であり、その場合にはD/A58が不要である。
これらの処理により、拡散変調された信号が通信装置5aから通信装置5bに通信されることになる。
【0078】
拡散変調後の帯域幅は、1次変調の帯域幅とPN系列のそれの和になる。通常は帯域拡散の倍率が大きいので、実質的にPN系列の帯域幅が拡散信号の帯域幅になる。従って、使用帯域は1次変調の帯域幅(ベースバンドの帯域)より広い帯域にする必要があり、拡散率は5倍以上とするが、車両の場合、ノイズレベルが比較的高いため、少なくとも10倍以上が望ましい。
車両内への情報提供(映像情報含む)、車両からの監視画像伝送や保守データ等の伝送のために、通信装置5aから通信装置5b,5c,5d,5eへの通信に対し、最低でも1Mbpsの通信速度が要求されるため、ベースバンドの帯域は少なくとも1MHz以上が必要であり、その10倍の帯域である10MHz以上の帯域が使用帯域として必要である。しかも図6に示したように、その測定結果から判断して1MHz以上、望ましくは5MHz以上を使用することが有効である。つまり、車両の場合、少なくとも5MHz以上の帯域を使用帯域として使用することが望ましい。
【0079】
一方、復調については、次のように処理される。A/D52の出力信号はタイミング/同期回路661およびスペクトル拡散逆拡散器662に出力される。スペクトル拡散逆拡散器662では送信側で用いたものと全く同一のPN系列を再度乗積して、1次変調の信号を復元する。この処理を帯域圧縮とも呼ぶ。
この帯域圧縮により、S/NのうちSが向上し、車両走行時のインバータノイズのような周波数選択性ノイズのNが抑制される。このため、復調器54での復調処理でのS/Nが十分高く、通信路上でのノイズの影響を受けることなく、元の信号を復元することが可能になる。なお、タイミング/同期回路661は、スペクトル拡散逆拡散器662にてPN系列を再度乗積するための同期をとるために用いられる。また、タイミング/同期回路661およびスペクトル拡散逆拡散器662がアナログ回路で実現される場合にはA/D52は不要になる。
【0080】
以上のように、スペクトル拡散通信方式を用いて通信装置5a,5b,5c,5d,5e間で通信することにより、マルチキャリア通信方式の時に必要であったビット割り付け量を決定するためのトレーニングを実施する必要がない。このため情報通信においてトレーニングのために一時的に伝送中断が発生することがないという特徴をもたせることが可能になる。
【0081】
さらに、通信帯域としては少なくとも1MHz以上で30MHz以下とし、通信装置はバンドパスフィルタ50,60を備えて、これ以外の周波数の信号が、放送線、テロップ用通信線、予備のペア線、直流電源線あるいは交流電源線を伝送されないようにしているために、車両に設置するその他の機器に影響を与えないようにしている。
例えば、車両無線は、約330MHzから350MHz、さらに415MHz前後が利用され、誘導無線は数百KHzが利用されており、これらの無線機器への影響はない。さらに、シングルキャリア、マルチキャリアやその特殊形態であるOFDMを利用すれば、通信信号は正弦波であるために、これ以外の高周波成分が存在しないために、いわゆるサイドローブが発生しなく、車両に設置するその他の機器への影響が極めて低くなるという効果がある。
【0082】
加えて、列車運転保安装置としてATC(Automatic Train Control:列車自動制御装置)やATS−P(Automatic Train Stop:列車自動停止装置)があるが、これはレール側に設置する地上信号機と列車下部に設置した専用の通信装置間で無線通信が行われるが、この通信周波数は、1.7MHzと3MHz程度であり、上記の通信帯域を5MHz以上で30MHz以下とし、通信装置はバンドパスフィルタ50,60を備えて、これ以外の周波数の信号が、放送線、テロップ用通信線、予備のペア線、直流電源線あるいは交流電源線を伝送されないようにすることにより、列車運転保安装置への影響も無視できるほど極めて低くできるという効果がある。
【0083】
〔第2の実施形態〕
次に、車両内の放送線4を利用して、運転室あるいは乗務員室1から各車両9,10に広告情報や乗客への有料サービス情報を提供する第2の実施形態について図19を用いて説明する。
図19では車両9を示し、車両10を示していないが、同一構成である。ただし、最終車両には、通信装置5c1は不要である。車両は新幹線に代表されるように多数の車両が連結されており、新幹線の場合には現状で最大16両編成であり、400mの長さになる。従って、放送線4も同等あるいはそれ以上の長さになる。つまり、通信装置5a,5cとしては、通信距離が長く、通信信号の減衰が多くなり、かつインバータ機器からのノイズの影響を受けやすい環境である。この結果、編成車両台数が多い場合には、通信エラーが発生する可能性が高い。
【0084】
この問題を解決するために、各車両、あるいは所定間隔の車両に対して、図19の車両9に示すように、通信装置5cと5c1間で一度プロトコール変換された信号で相互にデータ授受を行い、再び放送線4を利用して通信するようにしている。これにより、一度、通信信号がディジタル信号に変換され、S/Nが向上した後に、再び放送線4を利用して通信を行うことができ、前記問題を解決できる。
【0085】
フィルタ18aは、例えば、放送線4を利用して通信装置5aから通信されてきた通信信号と通信装置5c1から出力される通信信号が衝突しないようにするために、通信信号を遮断するためのブロッキングフィルタである。つまり通信信号であるメガヘルツ(MHz)帯域の高周波のみを抑制し、音声信号はそのまま通過させるものである。従って、このフィルタの特性としては、図16に示した高周波遮断フィルタ3a1(低周波通過フィルタでもよい)と同じである。
【0086】
また、通信装置5aから通信装置5bまでの通信においては、例えば1MHzから15MHzの周波数帯域を利用して通信し、通信装置5b1とそれ以降(図示していない)の通信装置を例えば15MHzから30MHzの周波数帯域を利用して通信するように、使用する周波数帯域を分離して通信することも可能である。この場合、通信周波数が異なっているために、フィルタ18aを不要とすることが可能となる。この結果、放送線を途中で切断してフィルタ18aを接続するような作業が発生することがなく、作業効率を高くできる効果もある。
なお、この場合に、図7に示したバンドパスフィルタ50、60はそれぞれ利用する周波数帯域に対応させた特性にする必要がある。
【0087】
〔第3の実施形態〕
次に、図20を用いて、運転室あるいは乗務員室1から各車両9,10に伝送されてきた広告情報や乗客への有料サービス情報を各乗客に個別に提供できる第3の実施形態について説明する。
図20は、特急車両や新幹線車両のように乗客が着座したときに前席の背もたれが見える車両への適用を対象としている。図20では、車両9を示し、車両10を示していないが、同一構成である。
【0088】
図3と異なる点は、各車両に無線送信装置20、無線端末26,27を設けている点である。無線送信装置20はチャネル配分装置21、送信部22,23、送信アンテナ24,25からなる。無線端末26,27は同一構成であり、受信アンテナ28、選局部29、表示部30、選局入力手段31からなる。
チャネル配分装置21は、通信装置5bの提供情報を一連の情報(映画、録画情報、娯楽情報等)毎に配分し、送信部22,23にそれぞれの情報を出力する。広告情報はこれらの情報の中にあらかじめ組み込んでもよい。
送信部22,23は、無線端末26,27と無線により通信するために、入力した情報を無線通信の搬送波に割り付け、送信アンテナ24,25に出力する。送信アンテナ24,25から出力される電波は無線端末26,27で受信可能である。
【0089】
無線端末26,27はそれぞれの乗客が利用可能なように前席背もたれの部分に取り付けておく。表示装置13aは客室ドア上部のところに設置し、広告情報を表示させる。車両は金属でできているため、電波が遮蔽され、この電波が別の車両内に伝播されることがなく混信の問題も生じない。
乗客は無線端末26,27の選局入力手段31からの操作により無線通信装置から送信されてくる複数チャネルの電波の内から任意のチャネルを選局する。選局部29は、選局操作に従って、対応するチャネルを選局し、表示部30にその選局した信号を出力する。表示部30は受信した信号を表示情報とし表示する。これにより、乗客ごとに異なった情報を提供することが可能になる。新幹線や特急車両を利用する乗客は車両利用時間が比較的長いため、このような手段により乗客に対するサービス向上が図れ、効果大である。
【0090】
以下に、事業の運営形態とそれによって決まる演算式、および配分処理の詳細について説明する。
〔鉄道の列車を対象とした料金の流れ〕
次に、鉄道の列車で代表されるような、2列シートや3列シートがない車両を対象とした料金の流れを説明する。図21は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式(事業者Bが事業者Aに対して機器を貸与する)において事業者A(車両運転管理事業者)およびB(機器供給事業者)の両者責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。
図21によれば、広告依頼主が広告会社に広告掲載料を払い、広告を制作してもらう。広告会社は広告掲載料から広告制作費と広告会社手数料を引いた料金をファイナンス会社に支払う。この支払い料金を支払いAとする。従って、広告会社は広告制作費と広告会社手数料が収益となる。事業者Aは機器を車両に設置するためのスペースを貸与し、事業者Bは工事を含め機器の貸与とその保守を行う。
【0091】
このため、スペース貸与の対価がファイナンス会社から事業者Aに支払われる。また、工事費を含む機器貸与および保守に対する対価がファイナンス会社から事業者Bに支払われる。ファイナンス会社は広告会社から受け取った支払いAからファイナンス会社手数料を引いた料金を支払いaとして、事業者AとBに支払う。
事業者AとBへの配分については、事業者Aに対しては(a×b/100)であり、事業者Bに対しては(a×(100−b)/100)である。ここで、bの値は事業者Aと事業者B間でビジネス開始前に決定される配分であり、運用開始後に変更できるものとする。
【0092】
図22は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Bの責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。
図21と異なるのは、事業者Aがスペースの貸与をしているのみである。このため、ファイナンス会社から事業者AとBに支払われる料金の配分が図21と異なる。事業者AとBへの配分については、事業者Aに対しては(c+d)であり、事業者Bに対しては{a−(c+d)}である。ここで、cは、このビジネスを従来通り紙による広告を実施した場合に得られる収入であり、dは、事業者Aが受け取るビジネスの付加価値分収入である。つまり、スペース貸与料が事業者Aに支払われる。
【0093】
図23は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Aの責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。
図21と異なるのは、事業者Bが工事を含め情報提供装置の貸与とその保守をしているのみである。このため、ファイナンス会社から事業者AとBに支払われる料金の配分が図21とは異なる。事業者AとBへの配分については、事業者Aに対しては(a−e×(1+f))であり、事業者Bに対しては(e×(1+f))である。ここで、eは(機器費)/(レンタル契約月数)であり、fは金利である。つまり工事費含む機器貸与料と保守費用が事業者Bに支払われる。
【0094】
図24は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式においてファイナンス会社の責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。事業者Aは、機器を車両に設置するためのスペースを貸与し、事業者Bは、工事を含機器の貸与とその保守を行う。
図21と異なるのは、ファイナンス会社から事業者AとBに支払われる料金の配分である。具体的に、事業者AとBへの配分については、事業者Aに対しては{e×(1+d)}であり、事業者Bに対しては{e×(1+f)}である。従って、ファイナンス会社の収入は、{A−e×(1+d)−e×(1+f)}となる。
つまり、スペース貸与料がファイナンス会社から事業者Aに支払われ、工事費を含む機器貸与料および保守費がファイナンス会社から事業者Bに支払われる。
【0095】
図25は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Bおよびファイナンス会社の責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示す図である。
ここでは、事業者AとBへの配分について、事業者Aに対してはスペース貸与料として(c+d)、事業者Bに対しては{A−(c+d)}×(b/100)である。従って、ファイナンス会社の収入は、{A−(c+d)}×{(100−b)/100}となる。
【0096】
図26は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Aおよびファイナンス会社の責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示す図である。ここでは、事業者AとBへの配分について、事業者Aに対しては{A−(e+f)}×(b/100)、事業者Bに対しては機器の貸与料として(e+f)である。従って、ファイナンス会社の収入は、{A−(e+f)}×{(100−b)/100}となる。
【0097】
図27は、鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者A、事業者Bおよびファイナンス会社の3者責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示す図である。
ここでは、事業者AとBへの配分について、事業者Aに対してはA×(b/100)、事業者Bに対しては、A×(b‘/100)である。従って、ファイナンス会社の収入は、A×{(100−b−b’)/100}となる。
【0098】
図28は、鉄道の列車を対象とし、売り切り方式においてファイナンス会社の責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。つまり、事業者Bが機器を販売し、事業者Aは機器を車両に設置するためのスペースを貸与する。事業者Bはまた工事と機器の保守も行うものとする。
このため、スペース貸与料がファイナンス会社から事業者Aに支払われ、工事費および保守費を含む機器費がファイナンス会社から事業者Bに支払われる。ファイナンス会社から事業者AとBに支払われる料金の配分は図22と同一である。
【0099】
具体的に、事業者AとBへの配分については、事業者Aに対し{c×(1+d)}であり、事業者Bに対し{e×(1+f)}である。従って、ファイナンス会社の収入は、{A−c×(1+d)−e×(1+f)}となる。
なお、広告掲載料については、売り切り方式の場合には、広告放送時間に応じて課金することも可能である。具体的には、表示装置13a〜13dで広告放送時間を測定し、この測定結果を通信装置5b〜5d、そして、通信装置5aを介して情報提供装置6へ送信し、情報提供装置6で累積広告時間を算出することにより、広告掲載料を算出することができる。また、広告掲載料の算出については、前記したように、時間の他に、広告の形態あるいは車両の運行状態についても監視し、その監視結果を広告掲載料に反映させることもできる。
【0100】
さらに、測定された広告放送時間を、各通信装置5b〜5eを介して情報提供装置6に送信し、情報提供装置6で累積広告時間を算出し、図示せぬ通信網を介しファイナンス会社のサーバと通信し、サーバにより広告掲載料を算出してもよい。また、累積広告時間をメモリーカード等の記録媒体に取り込み、ファイナンス会社あるいは広告会社でこのメモリーカードのデータを基に広告掲載料を算出することも可能である。
なお、情報提供装置6で広告情報を通信装置5b〜5eに出力した合計時間と表示装置13a〜13dの数の積を求めて累積時間を算出してもよい。広告放送時間の測定においては、例えば事故等により表示装置13a〜13dに事故情報を表示した場合には、この事故情報の表示時間を全体の表示時間から減算し、正味の広告放送時間を測定する。このように、広告放送時間が減ればその分広告掲載料金は安くなる。
【0101】
さらに、路線ごとに広告掲載料を変更することも可能である。例えば、池袋の店の広告を掲載する場合に、池袋と御茶ノ水間でこの店の広告情報を通信して表示させることも可能である。この場合には、このような特定区間では広告掲載料を高くする。
これについては、図示していないが、情報提供装置6に運行中の区間情報が取り込まれ、この情報を元に広告情報を選択して通信装置5b〜5eに出力するようにする。情報提供装置6から特定区間での広告情報出力回数を測定し、この測定結果を、情報提供装置6にてメモリーカード等の記録媒体に取り込んで、広告会社でこのメモリーカードのデータを基に広告掲載料を算出することも可能である。
【0102】
図29は、鉄道の列車を対象とし、売り切り方式において事業者Aの責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。つまり、事業者Bは機器を販売し、その工事と機器の保守も行う。
ファイナンス会社から事業者AとBに支払われる料金の配分については図23と同一であり、事業者Aに対しては{a−e×(1+f)}、事業者Bに対しては{e×(1+f)}である。従って、ファイナンス会社の収入は、{A−c×(1+d)−e×(1+f)}となる。すなわち、工事費および保守費を含む機器費がファイナンス会社から事業者Bに支払われる。
【0103】
図30は、鉄道の列車を対象とし、売り切り方式においてファイナンス会社と事業者Aの両者責任で車両内広告を実施する場合の料金の流れを示した図である。
事業者Bは機器を販売し、その工事と機器の保守も行う。ファイナンス会社から事業者AとBに支払われる料金の配分については、事業者Aに対しては{A−e×(1+f)×PR/100}であり、事業者Bに対しては{e×(1+f)}である。ここで、PRの値は、事業者Aとファイナンス会社間でビジネス開始前に決定し、運用開始後に変更することも可能である。ここでは、工事費および保守費を含む機器費がファイナンス会社から事業者Bに支払われる。
【0104】
図31は、鉄道の列車を対象とした情報の流れを示した図である。運転室あるいは乗務員室1に設置される情報提供装置6には、無線あるいはトロリー線(電車線ともいう)を利用した通信等による地上局と車両間の通信や可搬型記録媒体からのデータ入力により、広告情報が入力される。この情報提供装置6から通信装置5aに広告情報が出力される。
通信装置5aからの送信される広告情報は既存の放送線、または既存のテロップ表示用通信線、または既存の直流電源線、または既存の交流電源線を介して、各客車(車両)に設置する通信装置5b〜5eに送信される。通信装置5b〜5eを介して受信した広告情報は、専用ケーブルを介して各客車(車両)ドア上部等に取り付けられた表示装置に出力され、広告情報が表示される。
【0105】
図32についても鉄道の列車を対象とした情報の流れを示した図であるが、図31と異なるところは、運転室あるいは乗務員室1に設置された通信装置5aから送信される広告情報を受信する通信装置5b〜5eを各客車(車両)ドア上部に取り付ける表示装置13a〜13dに近接されて設置している点である。
このために、既存の放送線または既存のテロップ表示用通信線、あるいは既存の直流電源線、または既存の交流電源線に新線を接続し、各客車(車両)ドア上部近傍に取り付けられる通信装置5b〜5dに接続するようにしている。この場合、表示装置13a〜13dと通信装置5b〜5dを一体の装置で製作することが可能になり、別々に製作するより小型化が図れる効果がある。
【0106】
図33は、鉄道の列車を対象とした機材の流れを示した図である。事業者Bにより以下の機材が提供される。
すなわち、情報提供装置6への情報(広告情報)入力手段は車両外部かつまたは運転室あるいは乗務員室に設置され、情報提供装置6および通信装置5aは、運転室あるいは乗務員室1に設置される。通信装置5b〜5eと、新線および専用ケーブルは、例えば、客車(車両)内ドア上部あるいは車両の内側壁と外側壁の二重構造でできている空間に設置し、表示装置13a〜13eは、客車(車両)内ドア上部に設置する。
【0107】
前記した本発明実施形態によれば、車両内情報サービスの形態として広告情報についてのみ説明したが、映画、録画情報、娯楽情報等の有料サービス情報について、また、広告情報付き有料サービス情報についても同様に応用できる。
図34は、特急車両を対象とし、広告情報付き有料サービス情報の料金の流れを示した図である。
乗客は、前記した映画、録画情報、娯楽情報等のサービス情報を利用するが、これらの番組の中には広告情報が織り込んである。このため、コンテンツ会社ではその番組に広告情報を織り込んで、映画、録画情報、娯楽情報等の有料サービス情報を作成する。
有料サービス情報を視聴した乗客は、その利用に対しサービス情報使用料kを事業者Aに対して支払う。また、事業者Aは機器を車両に設置するためのスペースを貸与している。そのため、サービス情報使用料kからスペース貸与料mを減算した料金が支払いDとして事業者Aからファイナンス会社に支払われる。
【0108】
広告主、広告会社、ファイナンス会社間での料金の支払いは、図21と同一である。なお、事業者Bは、機器を事業者Aに販売し、工事と機器の保守を行うものとする。
従って、サービス情報作成費Pがファイナンス会社からコンテンツ会社に支払われ、工事費および保守費を含む機器費Oがファイナンス会社から事業者Bに支払われる。この結果、ファイナンス会社の収入は(D+A−O−P)となる。
【0109】
図35は、特急車両を対象とした情報の流れを示した図である。図31と異なるところは、表示装置13a〜13dが前席の背もたれ部に設置した点であり、その他は同一である。
図36も特急車両を対象とした情報の流れを示した図であるが、図32と異なるところは、表示装置13a〜13dと、サービス情報を受信する通信装置5b〜5eを前席の背もたれ部に設置した点であり、その他は同一である。
【0110】
図37は、特急車両を対象とした機材の流れを示した図である。図33と異なるところは、通信装置5b〜5eが客車(車両)内の前席背もたれ部あるいは車両の内側壁と外側壁の二重構造でできている空間に設置されることと、表示装置13a〜13dが客車(車両)内の前席背もたれ部に設置されることであり、その他は同一である。
【0111】
以上説明のように本発明は、運転室あるいは乗務員室1と各車両に通信装置5a〜5dを設け、これらの通信装置5a〜5dを、例えば、放送線あるいはテロップ表示用通信線、直流電源線や交流電源線等で接続し、各車両に設置された通信装置5b〜5dに広告情報や乗客への有料サービス情報を伝送して通信装置5b〜5dに接続される表示装置13a〜13dにこれらの情報を表示させるようにしたものである。
ここで、機器供給事業者は、通信装置および表示装置を運転室あるいは乗務員室や車両に設置すると共に工事を行い、広告情報や乗客への有料サービス情報を該表示装置に表示させる。一方、車両の運転および管理を行う車両運転管理事業者は、機器提供事業者に対してこれら装置を運転室あるいは乗務員室や車両に取り付けるためのスペースを貸与する。そして、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対し、機器供給事業者と車両運転管理事業者間での取り決めに従い、広告主あるいは有料サービス情報の利用者によって支払われる利用料金の配分処理を行うこととしたものである。
【0112】
このことにより、既設の放送線あるいは既設のテロップ表示用通信線、さらには直流電源線、交流電源線のいずれかを用いて車両内へ広告情報や乗客への有料サービス情報を安定に提供することが可能になる。また、この通信のために車両間を接続するような新たな大きなケーブル敷設工事を行う必要がない。そのため、車両内へ広告情報や乗客への有料サービス情報の提供に対し、その導入コストを低減できると共に早期に実現できる。
さらに、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対し、広告掲載料や有料サービス情報の課金に応じて契約者間であらかじめ取決めた契約内容に従って情報提供装置の貸与料あるいは販売料と車両スペース貸与料が機器供給事業者と車両運転管理事業者に支払われる。この結果、車両運転管理事業者は初期投資なしに、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対する利益を得ることが可能となる。また、機器供給事業者は、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対する情報提供装置の貸与料あるいは販売料の配分を得ることが可能となり、両事業者共に十分な利益を期待できる。ちなみに、列車の新規車両の生産量は減少といった状況であるが、本発明によれば、既存車両の有効利用を図ることができる。
【0113】
また、本発明は、都市間列車、特急列車、通勤列車、行楽列車とか、都市内・都市間交通機関としての列車やバス等とかに広く適用することができる。また、表示装置は、ドアの上の部分や前席の背もたれの場所ばかりでなく、あらゆる場所に設置することができる。例えば、現在ある紙の中吊り広告に替えて、中吊り広告の位置に、ルックアップディスプレイとして表示装置を吊り下げるなどしてもよい。
【0114】
なお、図4に示す情報配信処理部61、課金データ送受信部62、課金演算処理部63、配分演算処理部64のそれぞれで実行される手順をコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明の車両内情報サービス提供システムが実現されるものとする。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0115】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、車両の運転および管理を行う車両運転管理事業者は、初期投資なしに広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対する利益を得ることが可能となる。また、機器を供給する機器供給事業者は、広告情報や乗客への有料サービス情報の提供行為に対する情報提供装置の貸与料あるいは販売料の配分を得ることが可能となる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実現するビジネスモデルの一例を示す図である。
【図2】本発明方法を実現するビジネスモデルの他の例を示す図である。
【図3】本発明システムの第1の実施形態を説明する図である。
【図4】図3に示す情報提供装置の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図5】情報提供装置の基本動作を示すフローチャートである。
【図6】通信特性を説明する図である。
【図7】図3の通信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】一般のマルチキャリアのスペクトルを説明する図である。
【図9】OFDMのスペクトルを説明する図である。
【図10】ガウス雑音下での通信誤り特性を説明する図である。
【図11】一定時間毎のS/N評価のための処理フロー図である。
【図12】伝送フォーマットを説明する図である。
【図13】QPSKの信号点配置を説明する図である。
【図14】QPSKのS/N評価を説明する図である。
【図15】イベント駆動によるS/N評価のための処理フロー図である。
【図16】図3の周波数スプリッタの構成例を示す図である。
【図17】直流電源線または交流電源線との接続構成例を示す図である。
【図18】スペクトル拡散通信方式を適用した通信装置の構成を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図21】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者AおよびBの両者が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図22】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Bが責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図23】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Aが責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図24】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式においてファイナンス会社が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図25】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Bおよびファイナンス会社が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図26】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者Aおよびファイナンス会社が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図27】鉄道の列車を対象とし、レンタル方式において事業者A、B、およびファイナンス会社の3社が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図28】鉄道の列車を対象とし、売切り方式においてファイナンス会社が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図29】鉄道の列車を対象とし、売切り方式において事業者Aが責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図30】鉄道の列車を対象とし、売切り方式においてファイナンス会社および事業者Aの両者が責任を負う場合の料金の流れを示した図である。
【図31】鉄道の列車を対象とした情報の流れを示した図である。
【図32】鉄道の列車を対象とした情報の流れを示した図である。
【図33】鉄道の列車を対象とした機材の流れを示した図である。
【図34】鉄道の特急車両を対象とした場合の料金の流れを示した図である。
【図35】鉄道の特急車両を対象とした情報の流れを示した図である。
【図36】鉄道の特急車両を対象とした情報の流れを示した図である。
【図37】鉄道の特急車両を対象とした機材の流れを示した図である。
【符号の説明】
1…運転室/乗務員室、2…放送装置、3a,3b,3c…周波数スプリッタ、4放送線、5a,5b,5c,5d,5e…通信装置、6…情報提供装置、9,10…車両、11a,11b…アンプ、12a,12b…スピーカ、13a,13b,13c,13d…表示装置、15a,15b…データ収集装置、26,27…無線端末、30…表示部

Claims (11)

  1. 車両内の任意の場所に設置される複数の表示装置に通信装置を介して広告情報サービスを行う車両内情報サービス提供方法であって、
    記録媒体から広告情報を取得して前記通信装置に出力し、もしくは無線で受信した広告情報を前記通信装置に出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを通信線として前記表示装置へ配信し、
    コンピュータにより、前記広告情報を配信した時間を計測して前記通信装置を介して受信し、少なくともその累積時間から広告情報掲載料を算出し、その広告情報掲載料を前記車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と前記表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行して配分処理を実行すること、
    を特徴とする車両内情報サービス提供方法。
  2. 車両内の任意の場所に設置される複数の表示装置に通信装置を介して有料情報サービスを行う車両内情報サービス提供方法であって、
    記録媒体から広告情報を取得して前記通信装置に出力し、もしくは無線で受信した有料情報を前記通信装置に出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを通信線として前記表示装置へ配信し、
    コンピュータにより、前記有料情報を配信した時間を計測して前記通信装置を介して受信し、少なくともその累積時間から有料情報サービス利用料を算出して課金処理を行い、前記有料情報サービス利用料を前記車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と前記表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行して配分処理を実行すること、
    を特徴とする車両内情報サービス提供方法。
  3. 車両内の任意の場所に設置される複数の表示装置に通信装置を介して広告情報付き有料情報サービスを行う車両内情報サービス提供方法であって、
    記録媒体から広告情報を取得して前記通信装置に出力し、もしくは無線で受信した広告情報付き有料情報を前記通信装置に出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを通信線として前記表示装置へ配信し、
    コンピュータにより、前記広告情報付き有料情報を配信した時間を広告情報と有料情報とに分けて計測して前記通信装置を介して受信し、それぞれの累積時間から広告情報掲載料および有料情報サービス利用料を算出して課金処理を行い、前記算出された広告情報掲載料および有料情報サービス利用料を前記前記車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と前記表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行して配分処理を実行すること、
    を特徴とする車両内情報サービス提供方法。
  4. 前記課金処理は、
    前記広告情報あるいは有料サービス情報の累積時間に、サービスの形態、あるいは前記車両の運行状況を反映させて算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両内情報サービス提供方法。
  5. 前記課金処理の結果算出される課金額データは、前記通信装置を介し前記通信線に出力することを特徴とする請求項4に記載の車両内情報サービス提供方法。
  6. 前記課金処理の結果算出される課金額データは、通信網および前記通信線を介して取り込み、外部に出力することを特徴とする請求項項4に記載の車両内情報サービス提供方法。
  7. 車両内の任意の場所に設置される複数の表示装置に通信装置を介して広告情報サービスを行う車両内情報サービス提供システムであって、
    記録媒体から広告情報を取得して前記通信装置に出力し、もしくは無線で受信した広告情報を前記通信装置に出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを通信線として前記表示装置へ配信する広告情報配信処理部と、
    前記広告情報を配信した時間を計測して前記通信装置を介して受信し、少なくともその累積時間から広告情報掲載料を算出し、その広告情報掲載料を前記車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と前記表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行する課金および配分演算処理部と、
    を備えたことを特徴とする車両内情報サービス提供システム。
  8. 車両内の任意の場所に設置される複数の表示装置に通信装置を介して有料情報サービスを行う車両内情報サービス提供システムであって、
    記録媒体から広告情報を取得して前記通信装置に出力し、もしくは無線で受信した有料情報を前記通信装置に出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを通信線として前記表示装置へ配信する有料情報配信処理部と、
    前記有料情報を配信した時間を計測して前記通信装置を介して受信し、少なくともその累積時間から有料情報サービス利用料を算出して課金処理を行い、前記有料情報サービス利用料を前記車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と前記表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行する課金および配分演算処理部と、
    を備えたことを特徴とする車両内情報サービス提供システム。
  9. 車両内の任意の場所に設置される複数の表示装置に通信装置を介して広告情報付き有料情報サービスを行う車両内情報サービス提供システムであって、
    記録媒体から広告情報を取得して前記通信装置に出力し、もしくは無線で受信した広告情報付き有料情報を前記通信装置に出力し、既設の放送線、既設のテロップ表示用通信線、もしくは既存の直流電源線、交流電源線のいずれかを通信線として前記表示装置へ配信する広告情報付き有料情報配信部と、
    前記広告情報付き有料情報を配信した時間を広告情報と有料情報とに分けて計測して前記通信装置を介して受信し、それぞれの累積時間から広告情報掲載料および有料情報サービス利用料を算出して課金処理を行い、前記算出された広告情報掲載料および有料情報サービス利用料を前記前記車両の運転管理を行う車両運転管理事業者と前記表示装置を含む機器の供給を行う機器供給事業者間で配分するために、その事業運用形態によって決まる所定の演算式を実行する課金および配分演算処理部と、
    を備えたことを特徴とする車両内情報サービス提供システム。
  10. 前記配分演算処理部は、
    前記通信装置を介して前記通信線に接続されて成ることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の車両内情報サービス提供システム。
  11. 前記配分演算処理部は、
    外部の通信網を介して前記通信線に接続して成ることを特徴とする請求項項7〜9のいずれか1項に記載の車両内情報サービス提供システム。
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