JP4246925B2 - マルチキャリア伝送方法及び伝送装置 - Google Patents

マルチキャリア伝送方法及び伝送装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチキャリア伝送に用いられる特定のキャリアが別の伝送信号の妨害波となる場合に、妨害波の発生を抑止するマルチキャリア伝送方法及びそれに用いる伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、インターネットの普及拡大に伴って、最寄りの電話局やインターネットサービスプロバイダから利用者宅までのアクセス回線が低速でしかも高価であるという問題(いわゆる「ラストワンマイル問題」)がクローズアップされている。そこで、既存の電話線や配電線をアクセス回線に利用して高速データ通信を行う方法が、問題解決策の一つとして注目されてきている。この方法は、電話線や配電線を当初の設置目的よりもはるかに高い周波数を使用して、高ビットレートの信号伝送を行うものである。電話線は最高周波数が4kHzのアナログ信号(音声信号)の伝送を、配電線は50Hz或いは60Hzの電力供給を目的に設置されているが、この高速データ通信を行う方法では、例えば1MHzや数MHzまでの高い周波数を用いる。既存の電話線を用いて高速データ通信を行うものとして、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やVDSL(Very High Rate Digital Subscriber Line)などのデジタル加入者線がある。これらを総称して、xDSL(x Digital Subscriber Line)と呼ぶ。また、配電線を用いて高速データ通信を行うものには電力線通信がある。
【0003】
ところで、電話線や配電線では、特に遮蔽を高めるような被覆をケーブルに施していない。このようなケーブルを用いて高ビットレートの信号伝送を行うと、このケーブルが送信アンテナとして働き、ケーブル近傍に存在する同一周波数帯を使用している別の伝送信号に対する妨害波が発生する。例えば、電話線を用いたADSL(非対称デジタル加入者線)では、ADSL信号を搬送する特定のキャリア(搬送波)が中波放送波と同一周波数帯域であるために、この中波放送波に対して受信妨害を生じる。
【0004】
図7を参照してこの受信妨害について説明する。図7は、中波放送波がADSL信号によって受信妨害を受けることを示すシステム構成図である。図7では、G.dmt方式(Discrete Multitone:マルチキャリアを用いた変調方式)によって伝送されるADSL信号が594kHzの中波放送信号の妨害波となる例を示している。G.dmt方式では、4.3125kHzおきの約250個のキャリア(中心周波数の最大値は1104kHz)を用いた高速データ通信を行っている。一方、594kHzの中波放送信号の周波数帯域幅は15kHzであるので、594kHz±7.5kHzを考慮する必要がある。つまり、キャリア番号136(中心周波数586.5kHz=136×4.3125kHz)から、キャリア番号139(中心周波数599.4375kHz=139×4.3125kHz)までの4個のキャリアの周波数帯域が、594kHzの中波放送信号の周波数帯域と重なっている。
【0005】
図7において、電話局と加入者2(2A,2B,2C)との間は、電話線5(5A,5B,5C)を用いてADSLによる高速データ通信が行われる。加入者2(2A,2B,2C)は、ADSLの利用者であると同時に、放送送信所4から送信される中波放送波6の受信者でもある。また、電話線5(5A,5B,5C)の近傍には、中波放送波6を受信するラジオ受信者3が存在する。電話線5が道路沿いの架空線として敷設されている場合、この道路を走行する車両に搭載されているカーラジオなどがこれに相当する。これらの加入者2やラジオ受信者3では、電話線5から輻射されるADSL信号を受信してしまい、このうち前記した4個のキャリアが594kHzの中波放送信号の妨害波となることから、この中波放送信号を良好に受信できないことがある。特に中波放送波6の電波が弱い地域では、この受信不良が顕著になる。図7では、加入者2A及びラジオ受信者3がADSL信号によって受信妨害を受けることを示している。
【0006】
さらに、電話線5は、複数のメタリックケーブル(線路)を束ねた構成になっているので、多数の加入者2(2A,2B,2C,・・)がADSLを利用して高速データ通信を行っている場合には、電力和で妨害レベルが上昇していくと考えられる。今後、ADSLの利用が拡大するにつれて、加入者2(2A,2B,2C,・・)やラジオ受信者3では、中波放送信号の受信状態がさらに悪化することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような受信妨害の対策として、中波放送波6の送信電力を増力することが考えられる。しかし、中波放送波6の送信電力は、通常数kWから数十kWという大電力であるため、例えばこれを2倍にするには膨大な労力及び莫大な設備費用が必要となる。また、ADSLの加入者2が倍増すれば、その効果が失われてしまうので、この方法では有効な対策にならない。
【0008】
本発明は、前記の問題を解決するために創案されたもので、マルチキャリア伝送を行う第1伝送路に用いられている特定のキャリアが、第2伝送路に対する妨害波となる場合に、第1伝送路と第2伝送路との両方において共に良好な伝送を維持することが可能となるマルチキャリア伝送方法及びそれに用いる伝送装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成するために提供されるものであり、その請求項1に係る発明は、第1伝送路上の第1伝送信号を搬送する特定のキャリアが、第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、前記第1伝送信号のマルチキャリア伝送を行う伝送装置が、所定の指示情報に基づいて前記特定のキャリアを使用停止にするステップと、前記第2伝送信号を受信するステップと、受信した第2伝送信号を前記第1伝送路上に重畳するステップと、を有することである。
【0010】
このように構成されることにより、第1伝送路において使用される特定のキャリアが、第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、伝送装置が、妨害波となる特定のキャリアを指定して、そのキャリアを使用停止にする。そして、残りのキャリアを使用してマルチキャリア伝送が行われる。このとき、伝送装置が、受信妨害を受ける第2伝送信号を受信して、停止したキャリアの周波数帯域にこの受信した第2伝送信号を重畳する。この第2伝送信号は所定のレベルに調整されて第1伝送路上に重畳されるので、これの漏洩を利用して伝送が行われる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、第1伝送路上の第1伝送信号を搬送する特定のキャリアが、第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、前記第1伝送信号のマルチキャリア伝送を行う伝送装置が、前記第2伝送信号を受信するステップと、受信した第2伝送信号を前記第1伝送路上に重畳するステップと、この第2伝送信号が重畳された第1伝送路の伝送品質を測定するステップと、測定した伝送品質に基づいて前記特定のキャリアを使用停止にするステップと、を有するマルチキャリア伝送方法である。
【0014】
このように構成されることにより、第1伝送路において使用される特定のキャリアが、第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、伝送装置が、受信妨害を受ける第2伝送信号を受信して第1伝送路上に重畳する。第2伝送信号が重畳されると、その第2伝送信号と同一周波数帯域を使用している特定のキャリアの伝送品質が低下する。伝送装置は、第1伝送路のキャリアごとに伝送品質を測定して、伝送品質が低下した特定のキャリアを使用停止にする。そして、残りのキャリアを使用してマルチキャリア伝送が行われる。一方、第2伝送信号は所定のレベルに調整されて第1伝送路上に重畳されるので、これの漏洩を利用して伝送が行われる。
【0017】
また、請求項3に係る発明は、第1伝送路に接続して第1伝送信号のマルチキャリア伝送を行う伝送装置であって、前記第1伝送信号を搬送する特定のキャリアの使用を制御する制御手段と、第2伝送路上の第2伝送信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された第2伝送信号を前記制御手段からの制御に基づいて前記第1伝送路上に重畳する結合手段と、を有し、前記制御手段は、前記特定のキャリアが前記第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、前記特定のキャリアを制御する伝送装置である。
【0018】
本発明に係る伝送装置は、第2伝送信号を受信する受信手段と、受信した第2伝送信号を第1伝送路上に重畳する結合手段とを有しているので、制御手段からの指示情報によって、受信手段が第2伝送信号を受信し所定のレベルに調整して結合手段に出力して、結合手段が出力された第2伝送信号を第1伝送路上に重畳する。この第2伝送信号の重畳は、特定のキャリアを使用停止に制御した後でもよい。或いは、この第2伝送信号の重畳による伝送品質の低下を利用して当該特定のキャリアを使用停止に制御してもよい。そして、残りのキャリアを使用してマルチキャリア伝送を行う。一方、第2伝送信号は所定のレベルに調整されて第1伝送路上に重畳されるので、これの漏洩を利用して伝送が行われる。
【0019】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の伝送装置において、前記制御手段が、前記第1伝送路を構成する線路に対して、線路単位に制御を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る伝送装置は、制御手段が、第1伝送路を構成する線路に対して線路単位に制御を行う機能を有しているので、受信妨害の影響範囲や線路の敷設状況などに応じて、制御対象とする線路を指定する。例えば、局所的な受信妨害であれば、それに該当する線路のみを対象として当該キャリアを使用停止にする制御を行う。広範囲な受信妨害であれば、エリア一帯の線路を対象として同様の制御を行う。
【0021】
また、請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に記載の伝送装置において、前記第1伝送路がデジタル加入者線であることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る伝送装置は、デジタル加入者線(xDSL)のマルチキャリア伝送を行う機能を有しているので、例えば、G.dmt方式(ITU−T G922.1規格に準拠)に対応したADSLのように、予め定められたネゴシエーションの手順に従って伝送状態の監視やキャリアを使用停止にする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、妨害波となる特定のキャリアを含む第1伝送路上の第1伝送信号をADSL信号とし、受信妨害を受ける第2伝送路上の第2伝送信号を中波放送信号として説明する。
【0024】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、妨害波となる特定のキャリアを使用停止にして、干渉の原因を取り除くものである。
【0025】
図1は、第1の実施形態の概念を示すシステム構成図である。図1では、図7と同一の構成要素については同一符号としており、これについては説明を省略する。図1において、電話局1は、電話線5の集配線を行うMDF(Main Distribution Frame:主配線盤)11、電話信号とADSL信号との分離/合成を行うスプリッタ12、加入者2(2A,2B,2C)の電話信号を電話網7に接続する加入者交換機13、加入者2(2A,2B,2C)のADSL信号をインターネット8に接続する伝送装置20から構成されている。
【0026】
伝送装置20は、ADSL信号のマルチキャリア伝送を行うADSL局側装置21、制御対象とする電話線5を指定する制御手段22から構成されている。
【0027】
ADSL局側装置21は、4.3125kHzおきの約250個のキャリアを用いてADSL信号を伝送する。ADSL局側装置21は、制御手段22からの指示情報に基づいて特定のキャリアを使用停止にすることができるようになっている。これは、特定のキャリアに送信電力を割り当てないようにして、そのキャリアを使用停止にするものである。
【0028】
制御手段22は、特定のキャリアを使用停止に制御するための指示情報をADSL局側装置21に送出する。制御手段22では、受信妨害の影響範囲や線路の敷設状況などを考慮して、制御対象とする電話線(線路番号)、キャリア(周波数又は番号)、停止理由(干渉対策)などを指示情報に含める。このとき、受信妨害の影響範囲や線路の敷設状況などの情報を予め登録した線路データベース(図示しない)を作成しておき、この線路データベースから制御対象とする電話線5とキャリアとを指定するようにしてもよい。
【0029】
加入者2(2A,2B,2C)には、電話信号とADSL信号との分離/合成を行うスプリッタ41、ADSL信号を伝送するADSL端末側装置43、電話(TEL)42、パソコン(PC)44が設置されている。
【0030】
図1及び図4を参照して第1の実施形態の動作について説明する。図4は、第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。図4において、ADSL局側装置21とADSL端末側装置43との間では、データ通信を行う前に所定のトレーニング(初期設定)を開始する(S101)。このとき、制御手段22が、線路データベースに登録されている受信妨害に関する情報などに基づいて、中波放送波6に受信妨害を与えると予想される電話線5(ここでは5A)と、キャリア(ここではキャリア番号136から139の4個)とを指示情報に含めて、ADSL局側装置21に送出する(S102)。ADSL局側装置21では、この指示情報に基づいて電話線5Aの4個のキャリアを使用停止にする(S103)。
【0031】
ここで、ADSL局側装置21が何らかの理由でリセットされると、キャリアの使用停止状態が解除されることになる。ADSL局側装置21がリセットされた場合(S104)、制御手段22は4個のキャリアの状態変化を検出して、ADSL局側装置21に対して、再度この4個のキャリアを使用停止にするための指示情報を送出する(S105)。ADSL局側装置21では、この指示情報に基づいて電話線5Aの4個のキャリアを再び使用停止にする。
【0032】
このようにすれば、電話線5Aからは594kHzの中波放送と同一周波数帯域にあるADSL信号が輻射されなくなる。したがって、電話線5Aの近傍に存在するラジオ受信者3は、ADSL信号からの受信妨害を受けることなく、従来どおり放送送信所4からの中波放送波6を直接受信することができる。
【0033】
ここで、S102では、電話線5Aを指定したが、受信妨害の影響範囲に応じて、あるエリアにおける電話線5(5A,5B,5C)全てについて、4個のキャリアを使用停止にするように制御してもよい。この場合、制御手段22が、前記した線路データベースを基にして、そのエリアに敷設されている電話線5(5A,5B,5C)全てを指示情報に含める。このようにすれば、そのエリアでは、受信妨害を受けることなく、放送送信所4からの中波放送波6を直接受信することができる。
【0034】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、妨害波となる特定のキャリアを使用停止にして、その停止したキャリアの周波数帯域に中波放送信号を重畳するものである。
【0035】
図2は、第2の実施形態の概念を示すシステム構成図である。図2では、図1及び図7と同一の構成要素については同一符号としており、これについては説明を省略する。図2において、電話局10は、MDF11、スプリッタ12、加入者交換機13、伝送装置30から構成されている。
【0036】
伝送装置30は、ADSL信号のマルチキャリア伝送を行うADSL局側装置31、制御対象とする電話線5を指定する制御手段32、指定された電話線5に中波放送信号を重畳する結合手段33、中波放送信号を受信する放送受信装置34から構成されている。
【0037】
ADSL局側装置31は、4.3125kHzおきの約250個のキャリアを用いてADSL信号を伝送する。ADSL局側装置31は、制御手段32からの指示情報に基づいて特定のキャリアを使用停止にすることができるようになっている。また、電話線5の伝送状態を常時監視して、必要に応じてキャリアの制御を行う。これは、キャリア単位に伝送信号のSN比を測定して、SN比が所定のしきい値以下になった場合に、当該キャリアに対する送信電力の割り当てや、伝送ビット数の割り当てを制御するものである。キャリアに対する送信電力の割り当てを制御することによって、特定のキャリアを使用停止にする。
【0038】
制御手段32は、特定のキャリアを使用停止にするための指示情報をADSL局側装置31に送出する。また、放送受信装置34に対して、受信した594kHzの中波放送信号を結合手段33に出力するための指示情報を送出する。また、結合手段33に対して、放送受信装置34からの出力信号を電話線5に重畳するための指示情報を送出する。制御手段32では、受信妨害の影響範囲や線路の敷設状況などを考慮して、制御対象とする電話線(線路)、キャリア(周波数又は番号)、停止理由(干渉対策)などを指示情報に含める。このとき、受信妨害の影響範囲や電話線5の敷設状況などの情報を予め登録した線路データベース(図示しない)を作成しておき、この線路データベースから制御対象とする電話線5とキャリアとを指定するようにしてもよい。
【0039】
結合手段33は、制御手段32からの指示情報に基づいて、指定された電話線5に対して放送受信装置34からの出力信号を重畳する。重畳の方法としては、抵抗合成回路を用いる方法や電磁界結合による方法などの既知の方法を用いることができる。なお、図2では、結合手段33の出力をMDF11に接続しているが、ADSL局側装置31に接続してもよい。
【0040】
放送受信装置34は、制御手段32からの指示情報に基づいて、中波放送波6を受信して、ADSL信号によって受信妨害を受ける594kHzの中波放送信号を所定のレベルにまで増幅すると共に、不要波をフィルタリングする。そして、所定のレベルに調整した594kHzの中波放送信号を結合手段33に出力する。ここで、所定のレベルとは、この中波放送信号を電話線5に重畳したとき、電話線5からの漏洩によってその中波放送信号が受信できる程度のレベルとする。
【0041】
図2及び図5を参照して第2の実施形態の動作について説明する。図5は、第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。図5において、ADSL局側装置31とADSL端末側装置43との間では、データ通信を行う前に所定のトレーニング(初期設定)を開始する(S201)。このとき、制御手段32が、線路データベースに登録されている受信妨害に関する情報などに基づいて、中波放送波6に受信妨害を与えると予想される電話線5(ここでは5A)と、キャリア(ここではキャリア番号136から139の4個)とを指示情報に含めて、ADSL局側装置31に送出する(S202)。ADSL局側装置31では、この指示情報に基づいて電話線5Aの4個のキャリアを使用停止にする(S203)。
【0042】
制御手段32は、電話線5Aの伝送状態を監視しており、4個のキャリアが使用停止になったことを確認する。そして、放送受信装置34に対して、594kHzの中波放送信号を所定のレベルに調整して結合手段33に出力するための指示情報を送出する。また、結合手段33に対して、放送受信装置34からの出力信号を電話線5Aに重畳するための指示情報を送出する。結合手段33では、この指示情報に基づいて、放送受信装置34から出力される594kHzの中波放送信号を電話線5Aに重畳する(S204)。
【0043】
ここで、ADSL局側装置31が何らかの理由でリセットされると、キャリアの使用停止状態が解除されることになる。ADSL局側装置31がリセットされた場合(S205)、制御手段32は4個のキャリアの状態変化を検出して、ADSL局側装置31に対して、再度この4個のキャリアを使用停止にするための指示情報を送出する(S206)。ADSL局側装置31では、この指示情報に基づいて電話線5Aの4個のキャリアを再び使用停止にする。
【0044】
このようにすれば、電話線5Aからは594kHzの中波放送と同一周波数帯域にあるADSL信号が輻射されなくなる。したがって、加入者2Aや電話線5Aの近傍に存在するラジオ受信者3は、ADSL信号の受信妨害を受けることがない。また、電話線5Aからの漏洩を利用して594kHzの中波放送信号を受信することができる。
【0045】
ここで、S202では、電話線5Aを選定したが、第1の実施形態と同様に、受信妨害の影響範囲に応じて、あるエリアにおける電話線5(5A,5B,5C)全てについて、4個のキャリアを使用停止にして、594kHzの中波放送信号を重畳してもよい。
【0046】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、ADSL信号を伝送する電話線に中波放送信号を重畳し、ADSL信号の伝送品質を利用して妨害波となる特定のキャリアを使用停止にするものである。第3の実施形態のシステム構成は、図2に示した第2の実施形態と同様の構成であり、説明を省略する。
【0047】
図2及び図6を参照して第3の実施形態の動作について説明する。図6は、第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。図6において、ADSL局側装置31とADSL端末側装置43との間では、データ通信を行う前に所定のトレーニング(初期設定)を開始する(S301)。このとき、制御手段32が、線路データベースに登録されている受信妨害に関する情報などに基づいて、中波放送波6に対して受信妨害を与えると予想される電話線5(ここでは5A)を指定して、結合手段33に対して放送受信装置34の出力信号を重畳するための指示情報を送出する(S302)。また、制御手段32は、放送受信装置34に対して594kHzの中波放送信号を所定のレベルに調整して結合手段33に出力するための指示情報を送出する。結合手段33では、この指示情報に基づいて、放送受信装置34から出力される594kHzの中波放送信号を電話線5Aに重畳する(S303)。ここで、所定のレベルとは、この中波放送信号を電話線5に重畳したとき、電話線5からの漏洩によってその中波放送信号が受信でき、かつ、ADSL局側装置31でキャリアを伝送不可能と判定するSN比となるレベルとする。
【0048】
電話線5Aに594kHzの中波放送信号が重畳されると、電話線5Aの伝送状態を常時監視しているADSL局側装置31は、電話線5Aのキャリア単位にADSL信号のSN比(ここでは雑音Nの中に妨害波を含めて考える)を測定する(S304)。このとき、キャリア番号136から139までの4個のキャリアでは、594kHzの中波放送信号が重畳された分だけSN比が低下している。ADSL局側装置31では、このSN比が所定のしきい値以下のキャリアについては、伝送不可能と判定して(S305)、この4個のキャリアを使用停止にする(S306)。
【0049】
ここで、ADSL局側装置31が何らかの理由でリセットされると、キャリアの使用停止状態が解除されることになる。ADSL局側装置31がリセットされた場合(S307)、S304からの処理を繰り返すことで、4個のキャリアを再び使用停止にする。
【0050】
このようにすれば、電話線5Aからは594kHzの中波放送と同一周波数帯域にあるADSL信号が輻射されなくなる。したがって、加入者2Aや電話線5Aの近傍に存在するラジオ受信者3は、ADSL信号の受信妨害を受けることなく、電話線5Aからの漏洩を利用して594kHzの中波放送信号を受信することができる。
【0051】
ここで、S302では、電話線5Aを指定したが、第2の実施形態と同様に、受信妨害の影響範囲に応じて、あるエリアにおける多数の加入者2(2A,2B,2C)に接続される電話線5(5A,5B,5C)全てについて、594kHzの中波放送信号を重畳してもよい。図3にこの様子を示したシステム構成図を示す。図3では、中波放送波6の受信状態が良好でないエリア一帯に敷設されている電話線5(5A,5B,5C)全てに対して594kHzの中波放送信号を重畳している。このようにすれば、元々中波放送波6の受信電波が弱いエリア一帯の加入者2(2A,2B,2C)において、電話線5からの漏洩を利用して594kHzの中波放送信号を受信することができる。
【0052】
以上、本発明のマルチキャリア伝送方法及び伝送装置について、実施の形態例を説明したが、本発明はこれらの実施の形態例に限定されることなく、広く変形して実施可能である。例えば、ADSL信号によって受信妨害を受ける中波放送信号の周波数を594kHzとして説明したが、放送受信装置でこの周波数を別の周波数に変換して結合手段に出力し、この変換された周波数を結合手段によって電話線に重畳しても同様の効果が得られる。また、VDSL信号がアマチュア無線信号に対する妨害波となる場合など、他の周波数帯域における干渉についても同様に適用可能である。また、受信妨害を受ける伝送路は放送波などの無線伝送路に限らず、雑音対策が十分でない構内配線などの有線伝送路においても同様に適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)請求項1のマルチキャリア伝送方法は、第2伝送信号に対する妨害波となる特定のキャリアを使用停止にして、停止したキャリアの周波数帯域に第2伝送信号を重畳するので、妨害波を発生させることなくマルチキャリア伝送を行うことができる。また、第1伝送路からの漏洩を利用して第2伝送信号の伝送を行うことができる。
(2)請求項2のマルチキャリア伝送方法は、受信した第2伝送信号を第1伝送路上に重畳し伝送品質の低下を利用して、妨害波となる特定のキャリアを自動的に使用停止にするので、妨害波を発生させることなくマルチキャリア伝送を行うことができる。また、第1伝送路からの漏洩を利用して第2伝送信号の伝送を行うことができる。
(3)請求項3の伝送装置は、第2伝送信号を受信する受信手段と、受信した第2伝送信号を第1伝送路上に重畳する結合手段とを有しているので、妨害波となる特定のキャリアを使用停止にして、第2伝送信号に対する妨害波を発生することなくマルチキャリア伝送を行うことができる。また、第1伝送路からの漏洩を利用して第2伝送信号の伝送を行うことができる。
(4)請求項4の伝送装置は、第1伝送路を構成する線路に対して線路単位に制御を行う機能を有しているので、受信妨害の影響範囲や線路の敷設状況などに応じて、必要な線路のみを指定して、妨害波となる特定のキャリアを使用停止にするなどの制御を行うことができる。
(5)請求項5の伝送装置は、デジタル加入者線(xDSL)のマルチキャリア伝送を行う機能を有しているので、既存の電話線を取り替えたり電話線に遮蔽を施したりすることなく、妨害波となる特定のキャリアを使用停止に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の概念を示すシステム構成図である。
【図2】第2の実施形態及び第3の実施形態の概念を示すシステム構成図である。
【図3】あるエリアの電話線に対して中波放送信号を重畳する様子を示すシステム構成図である。
【図4】第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】ADSL信号が中波放送波に対する妨害波となることを示すシステム構成図である。
【符号の説明】
1,10 電話局
2 加入者
3 ラジオ受信者
4 放送送信所
5 電話線(第1伝送路)
6 中波放送波(第2伝送路)
11 MDF
12 スプリッタ
13 加入者交換機
20,30 伝送装置
21,31 ADSL局側装置
22,32 制御手段
33 結合手段
34 放送受信装置(受信手段)
43 ADSL端末側装置

Claims (5)

  1. 第1伝送路上の第1伝送信号を搬送する特定のキャリアが、第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、前記第1伝送信号のマルチキャリア伝送を行う伝送装置が、所定の指示情報に基づいて前記特定のキャリアを使用停止にするステップと、前記第2伝送信号を受信するステップと、受信した第2伝送信号を前記第1伝送路上に重畳するステップと、を有することを特徴とするマルチキャリア伝送方法。
  2. 第1伝送路上の第1伝送信号を搬送する特定のキャリアが、第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、前記第1伝送信号のマルチキャリア伝送を行う伝送装置が、前記第2伝送信号を受信するステップと、受信した第2伝送信号を前記第1伝送路上に重畳するステップと、この第2伝送信号が重畳された第1伝送路の伝送品質を測定するステップと、測定した伝送品質に基づいて前記特定のキャリアを使用停止にするステップと、を有することを特徴とするマルチキャリア伝送方法。
  3. 第1伝送路に接続して第1伝送信号のマルチキャリア伝送を行う伝送装置であって、
    前記第1伝送信号を搬送する特定のキャリアの使用を制御する制御手段と、
    第2伝送路上の第2伝送信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された第2伝送信号を前記制御手段からの制御に基づいて前記第1伝送路上に重畳する結合手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記特定のキャリアが前記第2伝送路上の第2伝送信号に対する妨害波となる場合に、前記特定のキャリアを制御することを特徴とする伝送装置。
  4. 前記制御手段が、前記第1伝送路を構成する線路に対して、線路単位に制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の伝送装置。
  5. 前記第1伝送路がデジタル加入者線であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の伝送装置。
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