JP2004354908A - 双方向光通信モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入損失を少なくかつ小型化すること。
【解決手段】発光素子と、受光素子と、第一の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに第一の光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する第一の光ファイバ接続部と、第二の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともにボールレンズを有する第二の光ファイバ接続部と、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、発光素子からの出射光を第一の光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、第二のフィルタを透過した第二の波長の光を受光素子に向かって反射する反射膜を有し、第一の光ファイバ接続部と同軸上に配置される第一のプリズムと、第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された第一の波長の光を第二の光ファイバ接続部に向かって反射する第二のプリズムとを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】発光素子と、受光素子と、第一の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに第一の光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する第一の光ファイバ接続部と、第二の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともにボールレンズを有する第二の光ファイバ接続部と、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、発光素子からの出射光を第一の光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、第二のフィルタを透過した第二の波長の光を受光素子に向かって反射する反射膜を有し、第一の光ファイバ接続部と同軸上に配置される第一のプリズムと、第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された第一の波長の光を第二の光ファイバ接続部に向かって反射する第二のプリズムとを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ、発光素子、受光素子、多層膜フィルタ、集光レンズなどを用いた光通信などに用いられる複数波の双方向の光通信モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ通信システムにおいて、例えば、電話通信などの光加入者系システムに双方向の光送受信モジュールが用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2など参照)。
例えば、POTS(Plain Old Telephone Service)サービス(例えば、電話サービスなど)の低速通信サービス、ビデオ信号などの伝送を主とする高速通信サービスを提供するシステムが知られている。
【0003】
その一例を図13に示す。
双方向の光送受信モジュール100は、1芯の光ファイバ101と、発光素子(LD)103を有するボールレンズ104付きLD−CAN102と、受光素子(PD)106を有するボールレンズ107付きPD−CAN105と、多層膜フィルタ108とを金属製筐体109で固定した構造になっている。
【0004】
そして、双方向の光送受信モジュール100には、光ファイバ101がコネクタ110を介して固定し、光ファイバ100を介して送受信される光は、フェルール111を介して入射,出射されるようになっている。
また、双方向の光送受信モジュール100に接続される光ファイバ101には、外部に設置されたWDMカプラ120が接続されている。
【0005】
WDMカプラ120には、例えば、内部にフィルタ121を挟んで2つのGrinレンズ123,124が設けてある。
そして、WDMカプラ120では、例えば、局側から送られてくる双方向通信用の1490nmの光と、双方向通信用とは異なる非通信用の映像信号に用いられる1550nmの光とが1芯の光ファイバ125に多重化されて到来すると、Grinレンズ123において、1550nmの光のみを光ファイバ126を介してビデオなどの映像信号受信装置へ射出し、1490nmの光のみをGrinレンズ123、フィルタ121およびGrinレンズ124を透過して光ファイバ101を介して双方向の光送受信モジュール100に射出する。
【0006】
一方、双方向の光送受信モジュール100から双方向通信用の1310nmの光が到来すると、WDMカプラ120では、1310nmの光をGrinレンズ124、フィルタ121およびGrinレンズ123を透過して1芯の光ファイバ125を介して局側へ射出する。
以上のように、双方向の光送受信モジュール100にWDMカプラ120を光ファイバ101を介して接続することにより、双方通信用の2波の光と、これらとは異なる波長の非通信用の光とに対応することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−180671号公報
【特許文献2】
特開2001−249254号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図13に示す従来の双方向光通信モジュール100では、外部にWDMカプラ120を接続するため、挿入損失が大きく発生するという問題がある。特に、複数波では顕著である。
また、外部に設置するWDMカプラ120を実装するための領域が必要となり、実装の制約となり、小型化の妨げとなっていた。
さらに、双方向光通信モジュール100とWDMカプラ120を接続する光ファイバ101と、局側とWDMカプラ120とを接続する光ファイバ125と、外部装置とWDMカプラ120とを接続する光ファイバ126とを必要とし、これらの余長処理が困難となるという問題があった。
【0009】
さらにまた、双方向光通信モジュール100の他にWDMカプラ120が必要となり、部品点数の増加とこれに起因するコストアップという問題があった。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、挿入損失が少なく小型化が可能な双方向光通信モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、コリメートレンズを有するパッケージに納めた発光素子と、ボールレンズを有するパッケージに納めた受光素子と、第一の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに前記第一の光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する第一の光ファイバ接続部と、第二の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともにボールレンズを有する第二の光ファイバ接続部と、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、前記第二のフィルタを透過した前記第二の波長の光を前記受光素子に向かって反射する反射膜を有し、前記第一の光ファイバ接続部と同軸上に配置される第一のプリズムと、前記第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された前記第一の波長の光を前記第二の光ファイバ接続部に向かって反射する第二のプリズムとを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、コリメートレンズを有するパッケージに納めた発光素子と、ボールレンズを有するパッケージに納めた第一の受光素子と、ボールレンズを有するパッケージに納めた第二の受光素子と、光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに前記光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する光ファイバ接続部と、第一の波長の光のみを前記第二の受光素子に向かって反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、前記第二のフィルタを透過した前記第二の波長の光を前記第一の受光素子に向かって反射する反射膜を有し、前記光ファイバ接続部と同軸上に配置されるプリズムと、前記第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された前記第一の波長の光を前記第二の受光素子に向かって反射する第二のプリズムとを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記発光素子のコリメートレンズは、前記発光素子からの出射光を平行ビームに変え、前記第一の光ファイバ接続部のボールレンズは、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバに結合させることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記発光素子のコリメートレンズは、前記発光素子からの出射光を平行ビームに変え、前記光ファイバ接続部のレセプタクルのボールレンズは、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバに結合させることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記受光素子が、ボールレンズを有するパッケージに納めた複数の受光素子により構成され、前記第一のプリズムは、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタと、第二の波長ないし第nの波長の光を透過し、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバ接続部へ反射する発光素子用のフィルタと、前記発光素子用のフィルタを透過した前記第二の波長ないし第nの波長の光を個別に前記複数の受光素子に向かって順次反射する複数の受光素子用のフィルタとで構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項2記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記第一の受光素子が、ボールレンズを有するパッケージに納めた複数の受光素子により構成され、前記第一のプリズムは、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタと、第二の波長ないし第nの波長の光を透過し、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバ接続部へ反射する発光素子用のフィルタと、前記発光素子用のフィルタを透過した前記第二の波長ないし第nの波長の光を個別に前記複数の受光素子に向かって順次反射する複数の受光素子用のフィルタとで構成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールを示す(請求項1,請求項3に対応)。
本実施形態に係る双方向光通信モジュール1は、2波長の双方向通信用の光(1310nm、1490nm)と、これらと異なる波長の非通信用の映像用の光(1550nm)とを1本の光ファイバに多重化して利用される光ファイバ通信システムに適用される。
【0016】
本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1は、例えばSUSなどの金属製筐体2に、コリメートレンズ4を有するパッケージ5に納めた発光素子(LD)3と、ボールレンズ7を有するパッケージ8に納めた受光素子(PD)6と、フェルール10およびボールレンズ11を有する第一のレセプタクル(光ファイバ接続部)9と、フェルール13およびボールレンズ14を有する第二のレセプタクル(光ファイバ接続部)12と、第一のレセプタクル9と同軸上に配置される第一のプリズム15と、第二のプリズム16とを組み付けることによって構成されている。
【0017】
発光素子3は、金属製筐体2に設けた穴部3aに組み付けられ、光軸調整を行った後に、YAGレーザ溶接により固定される(隅肉溶接)。
受光素子6は、金属製筐体2に設けた穴部3bに組み付けられ、光軸調整を行った後に、UV系の接着剤などで仮固定され、強度確保のためにエポキシ樹脂系の接着剤などで本固定される。
【0018】
第一のレセプタクル9は、金属製筐体2に設けた穴部3cに組み付けられ、光軸調整を行った後に、YAGレーザ溶接により固定される(隅肉溶接)。
第二のレセプタクル12は、金属製筐体2に設けた穴部3dに組み付けられ、光軸調整を行った後に、YAGレーザ溶接により固定される(隅肉溶接)。
第一のプリズム15は、金属製筐体3に設けた穴部3a、穴部3bおよび穴部3cが交差する面3eに、第一のレセプタクル9のボールレンズ10の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定される。
【0019】
第二のプリズム16は、金属製筐体3に設けた穴部3a、穴部3cおよび穴部3fを結ぶ穴部3gに、第二のレセプタクル12のボールレンズ14の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定される。
発光素子3のコリメートレンズ4は、発光素子3からの出射光を平行ビームに変えることができる。
【0020】
第一のレセプタクル9に設けたボールレンズ11は、第一の光ファイバ20からの入射光を平行ビームに変えるとともに、発光素子3からの出射光を第一の光ファイバ20に結合させることができる。
第一のプリズム15は、第一の波長(1550nm)の光のみを反射する第一のフィルタ15aと、第二の波長(1490nm)の光のみを透過し、発光素子3からの出射光(1310nmの光)を第一のレセプタクル9へ反射する第二のフィルタ15bと、第二のフィルタ15bを透過した第二の波長(1490nm)の光を受光素子6に向かって反射する反射膜15cとを有し、第一のフィルタ15aの前後に板ガラス15d,15eを貼り付けた第一の波長用のプリズム15Aを構成し、第二のフィルタ15bの前後に板ガラス15f,15gを貼り付け、さらに板ガラス15gの端面に反射膜15cを貼り付けた双方向用のプリズム15Bを構成している。そして、第一の波長用のプリズム15Aと双方向用のプリズム15Bとは、例えばマッチングオイルなどの接合剤15Cによって接合されている。
【0021】
第二のプリズム16は、第一のプリズム15で反射された第一の波長(1550nm)の光を第二のレセプタクル12に向かって反射する反射膜16aの前後に板ガラス16b,16cを貼り付けることによって構成されている。
第一のレセプタクル9には、局側に接続される第一の光ファイバ20がコネクタを介して接続される。この際、第一のレセプタクル9のフェルール10が第一の光ファイバ20に固定される。
【0022】
第二のレセプタクル12には、ビデオなどの映像信号受信装置に接続される第二の光ファイバ21がコネクタを介して接続される。
次に、図3により本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1の組立方法について説明する。
先ず、第一のプリズム15を、金属製筐体2の内部に形成した面3eに、第一のレセプタクル9のボールレンズ11の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定する。
【0023】
次に、第二のプリズム16を、金属製筐体3に設けた穴部3fに、第二のレセプタクル12のボールレンズ14の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定する。
次に、第一のレセプタクル9を、金属製筐体2に設けた穴部3cに組み付け、同時に、発光素子3を、金属製筐体2に設けた穴部3aに組み付ける。
【0024】
次に、第一のレセプタクル9と発光素子3とを同時に光軸調整を行った後、それぞれYAGレーザ溶接により固定する(隅肉溶接)。
次に、受光素子6を、金属製筐体2に設けた穴部3bに組み付け、光軸調整を行った後、UV系の接着剤などで仮固定し、次いで強度確保のためにエポキシ樹脂系の接着剤などで本固定する(熱硬化)。
【0025】
次に、第二のレセプタクル12を、金属製筐体2に設けた穴部3dに組み付け、光軸調整を行った後、YAGレーザ溶接により固定する(隅肉溶接)。
以上により、本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1を完成させる。次に、斯くして構成された本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1の作用を説明する。
【0026】
本実施形態では、第一のレセプタクル9には、局側へ接続する光ファイバ20がコネクタを介して接続され、第二のレセプタクル12には、ビデオなどの映像信号受信装置に接続される第二の光ファイバ21がコネクタを介して接続されている。
先ず、送信について説明する。
【0027】
発光素子3から射出された1310nmの光は、図4に示すように、コリメートレンズ4により平行ビームにし、第二のフィルタ15bで反射後、第一のレセプタクル9のボールレンズ11によって第一の光ファイバ20に結合される。
次に、受信について説明する。
第一の光ファイバ20を介して局側から送られてくる双方向通信用の1490nmと非通信用の1550nmの光は、第一のレセプタクル9のボールレンズ11によって平行ビームに変えられる。
【0028】
そして、1490nmの光は、図5に示すように、第一のプリズム15の第一のフィルタ15aおよび第二のフィルタ15bを透過し、第一のプリズム15内を移動し、端面に設けた反射膜15cにて受光素子6に向かって反射し、ボールレンズ7を介して受光素子6で受光される。
一方、1550nmの光は、図6に示すように、第一のプリズム15の反射膜15aにて第二のプリズム16に向かって反射し、第二のプリズム16にて第二のレセプタクル12のボールレンズ14によって第二の光ファイバ21に結合される。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1によれば、双方向用の1490nm、1310nmについては、従来の双方向の光送受信モジュールと同様に送受信が行われ、非通信用の1550nmの光については、WDMカプラを用いずに、第二のレセプタクル12に、ビデオなどの映像信号受信装置に接続される第二の光ファイバ21がコネクタを介して接続するだけで、ビデオなどの映像信号受信装置に射出することが可能となる。
【0030】
次に、本発明の第二実施形態に係る双方向光通信モジュール30を示す(請求項5に対応)。
本実施形態に係る双方向光通信モジュール30は、図7に示すように、4つの受光素子61,62,63,64とこれら4つの受光素子61,62,63,64に受光できる波長の光を反射するフィルタ151,152,153および反射膜154を設けた第一のプリズム151とを設けた点で、第一実施形態に係る双方向光通信モジュール1とは相違する。
【0031】
4つの受光素子61,62,63,64は、図1および図2における受光素子6と同様に、ボールレンズ7を有するパッケージ8に納められている。また、受光素子6と同様に、金属製筐体2に設けた穴部3bに組み付けられ、光軸調整を行った後に、UV系の接着剤などで仮固定され、強度確保のためにエポキシ樹脂系の接着剤などで本固定されている。
【0032】
第一のプリズム151は、図1および図2に示す第一のプリズム15と同様に、第一の波長(1550nm)の光のみを反射する第一のフィルタ15aと、第二の波長(1470nm)、第三の波長(1490nm)、第四の波長(1510nm)、第五の波長(1530nm)の光を透過し、発光素子3からの出射光(1310nmの光)を第一のレセプタクル9へ反射する第二のフィルタ15bと、第二のフィルタ15bを透過した光の内で第二の波長(1470nm)の光のみを受光素子61に向かって反射する第三のフィルタ151と、第三のフィルタ15bを透過した光の内で第三の波長(1490nm)の光のみを受光素子62に向かって反射する第四のフィルタ152と、第四のフィルタ151を透過した光の内で第四の波長(1510nm)の光のみを受光素子63に向かって反射する第五のフィルタ153と、第五のフィルタ152を透過した第五の波長(1510nm)の光を受光素子64に向かって反射する反射膜154とを有する。
【0033】
なお、第一のプリズム151の構成は、第一のプリズム15と同様であり、第一のフィルタ15aの前後に板ガラス(図示せず)を貼り付けた第一の波長用のプリズム15Aを構成し、第二のフィルタ15b〜第五フィルタ153の前後に板(図示せず)を貼り付け、さらに最後の板ガラスの端面に反射膜154を貼り付けた双方向用のプリズム15Bを構成している。そして、第一の波長用のプリズム15Aと双方向用のプリズム15Bとは、例えばマッチングオイルなどの接合剤15Cによって接合されている。
【0034】
本実施形態によれば、送信および第一の波長(1550nm)の受信については、第一実施形態と同様に行われる。
なお、受信において、受信すべき波長の光が第二の波長(1470nm)〜第四の波長(1530nm)と異なるため、それに応じて4つの受信素子61,62,63,64を用いて個別に行うが、4つの受信素子61,62,63,64における受信のメカニズムは第一実施形態と同じである。
【0035】
以上のように、本実施形態においても第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、4つの異なる波長の光を受光する場合について説明したが、異なる波長の光の個数は2つ以上であれば任意である。
次に、本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュール40を示す(請求項2,請求項4に対応)。
【0036】
本実施形態に係る双方向光通信モジュール40は、図8〜図11に示すように、非通信用の第一の波長(1550nm)を外部に射出せず、内部に非通信用の第一の波長(1550nm)を受信する受光素子6Aを設けて点で、第一実施形態に係る双方向光通信モジュール1とは相違する。
本実施形態においては、発光素子3と並列するように、第一実施形態における第二のプリズム16に対して直角に折れ曲がった領域に受光素子6Aを設け、第一実施形態における第二のレセプタクル12を取り付ける穴部3dに蓋部材12Aが設けてある。
【0037】
そのため、第二のプリズム16では、反射膜16aの向きが、第一実施形態における第二のプリズム16とは異なっている。すなわち、第一実施形態における第二のプリズム16の反射膜16aは、穴部3cの軸心に沿って光を反射するように構成されているが、本実施形態では、第二のプリズム16の反射膜16aは、穴部3cと直交する穴部3fの軸心に沿って光を反射するように構成されている。従って、本実施形態では、第二のプリズム16の反射膜16aは、受光素子6を組み付ける穴部3bの軸心と平行に光を反射することとなる。
【0038】
その結果、本実施形態においては、図12に示すように、第一のレセプタクル9から射出された非通信用の第一の波長(1550nm)の光は、第一のプリズム15の第一のフィルタ15aにて第二のプリズム16に向かって反射され、さらに第二のプリズム16において受光素子6Aに向かって反射され、ボールレンズ7Aを介して受光素子6Aで受光することが可能となる。
【0039】
以上のように、本実施形態においては、非通信用の第一の波長(1550nm)の光を取り込むことが可能となる。
なお、本実施形態においても、第二実施形態のように、4つの受光素子61,62,63,64とこれら4つの受光素子61,62,63,64に受光できる波長の光を反射するフィルタ151,152,153および反射膜154を設けた第一のプリズム151とを設けることも可能である(請求項6に対応)。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、WDMカプラを用いることなく2波長の双方向通信用の光とこれらと異なる波長の非通信用の映像用などの光とを1本の光ファイバに多重化して利用される光ファイバ通信システムに適用される双方向光通信モジュールを提供することが可能となる。
そのため、本発明によれば、結合回数の減少に伴い光の挿入損失が低減し、実装領域の制限が無くなり小型化された複数波の双方向光通信モジュールを実現できる。
【0041】
また、部材の共通化が可能となり、部材点数の削減によるコストダウンが容易に可能となる。
さらに、平行光を利用することにより、キーデバイスである受光素子、発光素子を平行に並べることが可能となり、実装が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの縦断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの横断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの組立手順を示す説明図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの発光素子からの送信状況を示す説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの受信状況を示す説明図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの非通信用の光をポートアウトする説明図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る双方向光通信モジュールを示す横断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの縦断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの横断面図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの縦断面図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの横断面図である。
【図12】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの非通信用の光の受信状況を示す説明図である。
【図13】従来の双方向光通信モジュールを示す説明図である。
【符号の説明】
1,30,40 双方向光通信モジュール
2 金属製筐体
3 受光素子
4 コリメートレンズ
5 パッケージ
6 受光素子
7 ボールレンズ
8 パッケージ
9 第一のレセプタクル(光ファイバ接続部)
10,13 フェルール
11,14 ボールレンズ
12 第二のレセプタクル(光ファイバ接続部)
15 第一のプリズム
16 第二のプリズム
20 第一の光ファイバ
21 第二の光ファイバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ、発光素子、受光素子、多層膜フィルタ、集光レンズなどを用いた光通信などに用いられる複数波の双方向の光通信モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ通信システムにおいて、例えば、電話通信などの光加入者系システムに双方向の光送受信モジュールが用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2など参照)。
例えば、POTS(Plain Old Telephone Service)サービス(例えば、電話サービスなど)の低速通信サービス、ビデオ信号などの伝送を主とする高速通信サービスを提供するシステムが知られている。
【0003】
その一例を図13に示す。
双方向の光送受信モジュール100は、1芯の光ファイバ101と、発光素子(LD)103を有するボールレンズ104付きLD−CAN102と、受光素子(PD)106を有するボールレンズ107付きPD−CAN105と、多層膜フィルタ108とを金属製筐体109で固定した構造になっている。
【0004】
そして、双方向の光送受信モジュール100には、光ファイバ101がコネクタ110を介して固定し、光ファイバ100を介して送受信される光は、フェルール111を介して入射,出射されるようになっている。
また、双方向の光送受信モジュール100に接続される光ファイバ101には、外部に設置されたWDMカプラ120が接続されている。
【0005】
WDMカプラ120には、例えば、内部にフィルタ121を挟んで2つのGrinレンズ123,124が設けてある。
そして、WDMカプラ120では、例えば、局側から送られてくる双方向通信用の1490nmの光と、双方向通信用とは異なる非通信用の映像信号に用いられる1550nmの光とが1芯の光ファイバ125に多重化されて到来すると、Grinレンズ123において、1550nmの光のみを光ファイバ126を介してビデオなどの映像信号受信装置へ射出し、1490nmの光のみをGrinレンズ123、フィルタ121およびGrinレンズ124を透過して光ファイバ101を介して双方向の光送受信モジュール100に射出する。
【0006】
一方、双方向の光送受信モジュール100から双方向通信用の1310nmの光が到来すると、WDMカプラ120では、1310nmの光をGrinレンズ124、フィルタ121およびGrinレンズ123を透過して1芯の光ファイバ125を介して局側へ射出する。
以上のように、双方向の光送受信モジュール100にWDMカプラ120を光ファイバ101を介して接続することにより、双方通信用の2波の光と、これらとは異なる波長の非通信用の光とに対応することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−180671号公報
【特許文献2】
特開2001−249254号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図13に示す従来の双方向光通信モジュール100では、外部にWDMカプラ120を接続するため、挿入損失が大きく発生するという問題がある。特に、複数波では顕著である。
また、外部に設置するWDMカプラ120を実装するための領域が必要となり、実装の制約となり、小型化の妨げとなっていた。
さらに、双方向光通信モジュール100とWDMカプラ120を接続する光ファイバ101と、局側とWDMカプラ120とを接続する光ファイバ125と、外部装置とWDMカプラ120とを接続する光ファイバ126とを必要とし、これらの余長処理が困難となるという問題があった。
【0009】
さらにまた、双方向光通信モジュール100の他にWDMカプラ120が必要となり、部品点数の増加とこれに起因するコストアップという問題があった。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、挿入損失が少なく小型化が可能な双方向光通信モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、コリメートレンズを有するパッケージに納めた発光素子と、ボールレンズを有するパッケージに納めた受光素子と、第一の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに前記第一の光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する第一の光ファイバ接続部と、第二の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともにボールレンズを有する第二の光ファイバ接続部と、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、前記第二のフィルタを透過した前記第二の波長の光を前記受光素子に向かって反射する反射膜を有し、前記第一の光ファイバ接続部と同軸上に配置される第一のプリズムと、前記第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された前記第一の波長の光を前記第二の光ファイバ接続部に向かって反射する第二のプリズムとを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、コリメートレンズを有するパッケージに納めた発光素子と、ボールレンズを有するパッケージに納めた第一の受光素子と、ボールレンズを有するパッケージに納めた第二の受光素子と、光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに前記光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する光ファイバ接続部と、第一の波長の光のみを前記第二の受光素子に向かって反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、前記第二のフィルタを透過した前記第二の波長の光を前記第一の受光素子に向かって反射する反射膜を有し、前記光ファイバ接続部と同軸上に配置されるプリズムと、前記第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された前記第一の波長の光を前記第二の受光素子に向かって反射する第二のプリズムとを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記発光素子のコリメートレンズは、前記発光素子からの出射光を平行ビームに変え、前記第一の光ファイバ接続部のボールレンズは、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバに結合させることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記発光素子のコリメートレンズは、前記発光素子からの出射光を平行ビームに変え、前記光ファイバ接続部のレセプタクルのボールレンズは、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバに結合させることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記受光素子が、ボールレンズを有するパッケージに納めた複数の受光素子により構成され、前記第一のプリズムは、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタと、第二の波長ないし第nの波長の光を透過し、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバ接続部へ反射する発光素子用のフィルタと、前記発光素子用のフィルタを透過した前記第二の波長ないし第nの波長の光を個別に前記複数の受光素子に向かって順次反射する複数の受光素子用のフィルタとで構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項2記載の双方向光通信モジュールにおいて、前記第一の受光素子が、ボールレンズを有するパッケージに納めた複数の受光素子により構成され、前記第一のプリズムは、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタと、第二の波長ないし第nの波長の光を透過し、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバ接続部へ反射する発光素子用のフィルタと、前記発光素子用のフィルタを透過した前記第二の波長ないし第nの波長の光を個別に前記複数の受光素子に向かって順次反射する複数の受光素子用のフィルタとで構成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールを示す(請求項1,請求項3に対応)。
本実施形態に係る双方向光通信モジュール1は、2波長の双方向通信用の光(1310nm、1490nm)と、これらと異なる波長の非通信用の映像用の光(1550nm)とを1本の光ファイバに多重化して利用される光ファイバ通信システムに適用される。
【0016】
本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1は、例えばSUSなどの金属製筐体2に、コリメートレンズ4を有するパッケージ5に納めた発光素子(LD)3と、ボールレンズ7を有するパッケージ8に納めた受光素子(PD)6と、フェルール10およびボールレンズ11を有する第一のレセプタクル(光ファイバ接続部)9と、フェルール13およびボールレンズ14を有する第二のレセプタクル(光ファイバ接続部)12と、第一のレセプタクル9と同軸上に配置される第一のプリズム15と、第二のプリズム16とを組み付けることによって構成されている。
【0017】
発光素子3は、金属製筐体2に設けた穴部3aに組み付けられ、光軸調整を行った後に、YAGレーザ溶接により固定される(隅肉溶接)。
受光素子6は、金属製筐体2に設けた穴部3bに組み付けられ、光軸調整を行った後に、UV系の接着剤などで仮固定され、強度確保のためにエポキシ樹脂系の接着剤などで本固定される。
【0018】
第一のレセプタクル9は、金属製筐体2に設けた穴部3cに組み付けられ、光軸調整を行った後に、YAGレーザ溶接により固定される(隅肉溶接)。
第二のレセプタクル12は、金属製筐体2に設けた穴部3dに組み付けられ、光軸調整を行った後に、YAGレーザ溶接により固定される(隅肉溶接)。
第一のプリズム15は、金属製筐体3に設けた穴部3a、穴部3bおよび穴部3cが交差する面3eに、第一のレセプタクル9のボールレンズ10の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定される。
【0019】
第二のプリズム16は、金属製筐体3に設けた穴部3a、穴部3cおよび穴部3fを結ぶ穴部3gに、第二のレセプタクル12のボールレンズ14の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定される。
発光素子3のコリメートレンズ4は、発光素子3からの出射光を平行ビームに変えることができる。
【0020】
第一のレセプタクル9に設けたボールレンズ11は、第一の光ファイバ20からの入射光を平行ビームに変えるとともに、発光素子3からの出射光を第一の光ファイバ20に結合させることができる。
第一のプリズム15は、第一の波長(1550nm)の光のみを反射する第一のフィルタ15aと、第二の波長(1490nm)の光のみを透過し、発光素子3からの出射光(1310nmの光)を第一のレセプタクル9へ反射する第二のフィルタ15bと、第二のフィルタ15bを透過した第二の波長(1490nm)の光を受光素子6に向かって反射する反射膜15cとを有し、第一のフィルタ15aの前後に板ガラス15d,15eを貼り付けた第一の波長用のプリズム15Aを構成し、第二のフィルタ15bの前後に板ガラス15f,15gを貼り付け、さらに板ガラス15gの端面に反射膜15cを貼り付けた双方向用のプリズム15Bを構成している。そして、第一の波長用のプリズム15Aと双方向用のプリズム15Bとは、例えばマッチングオイルなどの接合剤15Cによって接合されている。
【0021】
第二のプリズム16は、第一のプリズム15で反射された第一の波長(1550nm)の光を第二のレセプタクル12に向かって反射する反射膜16aの前後に板ガラス16b,16cを貼り付けることによって構成されている。
第一のレセプタクル9には、局側に接続される第一の光ファイバ20がコネクタを介して接続される。この際、第一のレセプタクル9のフェルール10が第一の光ファイバ20に固定される。
【0022】
第二のレセプタクル12には、ビデオなどの映像信号受信装置に接続される第二の光ファイバ21がコネクタを介して接続される。
次に、図3により本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1の組立方法について説明する。
先ず、第一のプリズム15を、金属製筐体2の内部に形成した面3eに、第一のレセプタクル9のボールレンズ11の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定する。
【0023】
次に、第二のプリズム16を、金属製筐体3に設けた穴部3fに、第二のレセプタクル12のボールレンズ14の光軸を一致させてUV系の接着剤で固定する。
次に、第一のレセプタクル9を、金属製筐体2に設けた穴部3cに組み付け、同時に、発光素子3を、金属製筐体2に設けた穴部3aに組み付ける。
【0024】
次に、第一のレセプタクル9と発光素子3とを同時に光軸調整を行った後、それぞれYAGレーザ溶接により固定する(隅肉溶接)。
次に、受光素子6を、金属製筐体2に設けた穴部3bに組み付け、光軸調整を行った後、UV系の接着剤などで仮固定し、次いで強度確保のためにエポキシ樹脂系の接着剤などで本固定する(熱硬化)。
【0025】
次に、第二のレセプタクル12を、金属製筐体2に設けた穴部3dに組み付け、光軸調整を行った後、YAGレーザ溶接により固定する(隅肉溶接)。
以上により、本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1を完成させる。次に、斯くして構成された本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1の作用を説明する。
【0026】
本実施形態では、第一のレセプタクル9には、局側へ接続する光ファイバ20がコネクタを介して接続され、第二のレセプタクル12には、ビデオなどの映像信号受信装置に接続される第二の光ファイバ21がコネクタを介して接続されている。
先ず、送信について説明する。
【0027】
発光素子3から射出された1310nmの光は、図4に示すように、コリメートレンズ4により平行ビームにし、第二のフィルタ15bで反射後、第一のレセプタクル9のボールレンズ11によって第一の光ファイバ20に結合される。
次に、受信について説明する。
第一の光ファイバ20を介して局側から送られてくる双方向通信用の1490nmと非通信用の1550nmの光は、第一のレセプタクル9のボールレンズ11によって平行ビームに変えられる。
【0028】
そして、1490nmの光は、図5に示すように、第一のプリズム15の第一のフィルタ15aおよび第二のフィルタ15bを透過し、第一のプリズム15内を移動し、端面に設けた反射膜15cにて受光素子6に向かって反射し、ボールレンズ7を介して受光素子6で受光される。
一方、1550nmの光は、図6に示すように、第一のプリズム15の反射膜15aにて第二のプリズム16に向かって反射し、第二のプリズム16にて第二のレセプタクル12のボールレンズ14によって第二の光ファイバ21に結合される。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る双方向の光送受信モジュール1によれば、双方向用の1490nm、1310nmについては、従来の双方向の光送受信モジュールと同様に送受信が行われ、非通信用の1550nmの光については、WDMカプラを用いずに、第二のレセプタクル12に、ビデオなどの映像信号受信装置に接続される第二の光ファイバ21がコネクタを介して接続するだけで、ビデオなどの映像信号受信装置に射出することが可能となる。
【0030】
次に、本発明の第二実施形態に係る双方向光通信モジュール30を示す(請求項5に対応)。
本実施形態に係る双方向光通信モジュール30は、図7に示すように、4つの受光素子61,62,63,64とこれら4つの受光素子61,62,63,64に受光できる波長の光を反射するフィルタ151,152,153および反射膜154を設けた第一のプリズム151とを設けた点で、第一実施形態に係る双方向光通信モジュール1とは相違する。
【0031】
4つの受光素子61,62,63,64は、図1および図2における受光素子6と同様に、ボールレンズ7を有するパッケージ8に納められている。また、受光素子6と同様に、金属製筐体2に設けた穴部3bに組み付けられ、光軸調整を行った後に、UV系の接着剤などで仮固定され、強度確保のためにエポキシ樹脂系の接着剤などで本固定されている。
【0032】
第一のプリズム151は、図1および図2に示す第一のプリズム15と同様に、第一の波長(1550nm)の光のみを反射する第一のフィルタ15aと、第二の波長(1470nm)、第三の波長(1490nm)、第四の波長(1510nm)、第五の波長(1530nm)の光を透過し、発光素子3からの出射光(1310nmの光)を第一のレセプタクル9へ反射する第二のフィルタ15bと、第二のフィルタ15bを透過した光の内で第二の波長(1470nm)の光のみを受光素子61に向かって反射する第三のフィルタ151と、第三のフィルタ15bを透過した光の内で第三の波長(1490nm)の光のみを受光素子62に向かって反射する第四のフィルタ152と、第四のフィルタ151を透過した光の内で第四の波長(1510nm)の光のみを受光素子63に向かって反射する第五のフィルタ153と、第五のフィルタ152を透過した第五の波長(1510nm)の光を受光素子64に向かって反射する反射膜154とを有する。
【0033】
なお、第一のプリズム151の構成は、第一のプリズム15と同様であり、第一のフィルタ15aの前後に板ガラス(図示せず)を貼り付けた第一の波長用のプリズム15Aを構成し、第二のフィルタ15b〜第五フィルタ153の前後に板(図示せず)を貼り付け、さらに最後の板ガラスの端面に反射膜154を貼り付けた双方向用のプリズム15Bを構成している。そして、第一の波長用のプリズム15Aと双方向用のプリズム15Bとは、例えばマッチングオイルなどの接合剤15Cによって接合されている。
【0034】
本実施形態によれば、送信および第一の波長(1550nm)の受信については、第一実施形態と同様に行われる。
なお、受信において、受信すべき波長の光が第二の波長(1470nm)〜第四の波長(1530nm)と異なるため、それに応じて4つの受信素子61,62,63,64を用いて個別に行うが、4つの受信素子61,62,63,64における受信のメカニズムは第一実施形態と同じである。
【0035】
以上のように、本実施形態においても第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、4つの異なる波長の光を受光する場合について説明したが、異なる波長の光の個数は2つ以上であれば任意である。
次に、本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュール40を示す(請求項2,請求項4に対応)。
【0036】
本実施形態に係る双方向光通信モジュール40は、図8〜図11に示すように、非通信用の第一の波長(1550nm)を外部に射出せず、内部に非通信用の第一の波長(1550nm)を受信する受光素子6Aを設けて点で、第一実施形態に係る双方向光通信モジュール1とは相違する。
本実施形態においては、発光素子3と並列するように、第一実施形態における第二のプリズム16に対して直角に折れ曲がった領域に受光素子6Aを設け、第一実施形態における第二のレセプタクル12を取り付ける穴部3dに蓋部材12Aが設けてある。
【0037】
そのため、第二のプリズム16では、反射膜16aの向きが、第一実施形態における第二のプリズム16とは異なっている。すなわち、第一実施形態における第二のプリズム16の反射膜16aは、穴部3cの軸心に沿って光を反射するように構成されているが、本実施形態では、第二のプリズム16の反射膜16aは、穴部3cと直交する穴部3fの軸心に沿って光を反射するように構成されている。従って、本実施形態では、第二のプリズム16の反射膜16aは、受光素子6を組み付ける穴部3bの軸心と平行に光を反射することとなる。
【0038】
その結果、本実施形態においては、図12に示すように、第一のレセプタクル9から射出された非通信用の第一の波長(1550nm)の光は、第一のプリズム15の第一のフィルタ15aにて第二のプリズム16に向かって反射され、さらに第二のプリズム16において受光素子6Aに向かって反射され、ボールレンズ7Aを介して受光素子6Aで受光することが可能となる。
【0039】
以上のように、本実施形態においては、非通信用の第一の波長(1550nm)の光を取り込むことが可能となる。
なお、本実施形態においても、第二実施形態のように、4つの受光素子61,62,63,64とこれら4つの受光素子61,62,63,64に受光できる波長の光を反射するフィルタ151,152,153および反射膜154を設けた第一のプリズム151とを設けることも可能である(請求項6に対応)。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、WDMカプラを用いることなく2波長の双方向通信用の光とこれらと異なる波長の非通信用の映像用などの光とを1本の光ファイバに多重化して利用される光ファイバ通信システムに適用される双方向光通信モジュールを提供することが可能となる。
そのため、本発明によれば、結合回数の減少に伴い光の挿入損失が低減し、実装領域の制限が無くなり小型化された複数波の双方向光通信モジュールを実現できる。
【0041】
また、部材の共通化が可能となり、部材点数の削減によるコストダウンが容易に可能となる。
さらに、平行光を利用することにより、キーデバイスである受光素子、発光素子を平行に並べることが可能となり、実装が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの縦断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの横断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの組立手順を示す説明図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの発光素子からの送信状況を示す説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの受信状況を示す説明図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る双方向光通信モジュールの非通信用の光をポートアウトする説明図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る双方向光通信モジュールを示す横断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの縦断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの横断面図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの縦断面図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの横断面図である。
【図12】本発明の第三実施形態に係る双方向光通信モジュールの非通信用の光の受信状況を示す説明図である。
【図13】従来の双方向光通信モジュールを示す説明図である。
【符号の説明】
1,30,40 双方向光通信モジュール
2 金属製筐体
3 受光素子
4 コリメートレンズ
5 パッケージ
6 受光素子
7 ボールレンズ
8 パッケージ
9 第一のレセプタクル(光ファイバ接続部)
10,13 フェルール
11,14 ボールレンズ
12 第二のレセプタクル(光ファイバ接続部)
15 第一のプリズム
16 第二のプリズム
20 第一の光ファイバ
21 第二の光ファイバ
Claims (6)
- コリメートレンズを有するパッケージに納めた発光素子と、
ボールレンズを有するパッケージに納めた受光素子と、
第一の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに前記第一の光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する第一の光ファイバ接続部と、
第二の光ファイバに固定されるフェルールを有するとともにボールレンズを有する第二の光ファイバ接続部と、
第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、前記発光素子からの出射光を前記第一のレセプタクルへ反射する第二のフィルタ、前記第二のフィルタを透過した前記第二の波長の光を前記受光素子に向かって反射する反射膜を有し、前記第一の光ファイバ接続部と同軸上に配置される第一のプリズムと、
前記第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された前記第一の波長の光を前記第二の光ファイバ接続部に向かって反射する第二のプリズムと
を備えたことを特徴とする双方向光通信モジュール。 - コリメートレンズを有するパッケージに納めた発光素子と、
ボールレンズを有するパッケージに納めた第一の受光素子と、
ボールレンズを有するパッケージに納めた第二の受光素子と、
光ファイバに固定されるフェルールを有するとともに前記光ファイバからの入射光を平行ビームに変えるボールレンズを有する光ファイバ接続部と、
第一の波長の光のみを前記第二の受光素子に向かって反射する第一のフィルタ、第二の波長の光のみを透過し、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバ接続部へ反射する第二のフィルタ、前記第二のフィルタを透過した前記第二の波長の光を前記第一の受光素子に向かって反射する反射膜を有し、前記光ファイバ接続部と同軸上に配置される第一のプリズムと、
前記第一のプリズムの第一のフィルタにて反射された前記第一の波長の光を前記第二の受光素子に向かって反射する第二のプリズムと
を備えたことを特徴とする双方向光通信モジュール。 - 請求項1記載の双方向光通信モジュールにおいて、
前記発光素子のコリメートレンズは、前記発光素子からの出射光を平行ビームに変え、
前記第一の光ファイバ接続部のボールレンズは、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバに結合させる
ことを特徴とする双方向光通信モジュール。 - 請求項2記載の双方向光通信モジュールにおいて、
前記発光素子のコリメートレンズは、前記発光素子からの出射光を平行ビームに変え、
前記第一の光ファイバ接続部のボールレンズは、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバに結合させる
ことを特徴とする双方向光通信モジュール。 - 請求項1記載の双方向光通信モジュールにおいて、
前記受光素子が、ボールレンズを有するパッケージに納めた複数の受光素子により構成され、
前記第一のプリズムは、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタと、第二の波長ないし第nの波長の光を透過し、前記発光素子からの出射光を前記第一の光ファイバ接続部へ反射する発光素子用のフィルタと、前記発光素子用のフィルタを透過した前記第二の波長ないし第nの波長の光を個別に前記複数の受光素子に向かって順次反射する複数の受光素子用のフィルタとで構成されている
ことを特徴とする双方向光通信モジュール。 - 請求項2記載の双方向光通信モジュールにおいて、
前記第一の受光素子が、ボールレンズを有するパッケージに納めた複数の受光素子により構成され、
前記第一のプリズムは、第一の波長の光のみを反射する第一のフィルタと、第二の波長ないし第nの波長の光を透過し、前記発光素子からの出射光を前記光ファイバ接続部へ反射する発光素子用のフィルタと、前記発光素子用のフィルタを透過した前記第二の波長ないし第nの波長の光を個別に前記複数の受光素子に向かって順次反射する複数の受光素子用のフィルタとで構成されている
ことを特徴とする双方向光通信モジュール。
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