JP2004354334A - 電子部品の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁性材料からなるフィルム基材と、該フィルム基材内において互いに絶縁されてフィルム基材の両主面を貫通する複数本の導通路とを有する異方導電性コネクタを、回路基板と側方に端子を有する電子部品との間に挟んで圧力を加え、回路基板と電子部品とを機能検査可能に導通させて行う電子部品の検査方法であって、軸心がフィルム基材の主面の垂線に交差するように傾斜して互いに略平行に配置された導通路を有する異方導電性コネクタを用いることを特徴とする電子部品の検査方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側方に端子を有する電子部品の機能検査を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路の高集積化に伴い、電子部品の電極数は増加しその配置パターンはさらに狭ピッチで微細化している。そのため、電子部品のコストの上昇のみならず、これらを実装するための回路基板も、配線パターンの微細化によって高価なものとなっている。したがって、該電子部品を回路基板に実装した後に機能検査を行なっていたのでは、該電子部品が不良であった場合に、良品であった回路基板も共に処分されるため、回路基板の歩留りが無意味に低下し、金額的な損失も大きくなる。したがって上記機能検査を行う際には、電子部品を回路基板に実装する前の段階で、これら電子部品の種々の機能検査を行なうことが望まれる。
【0003】
電子部品は、回路基板上へ実装される形態からしても、たとえば板状の電子部品の場合にはいずれかの主面(厚み方向に関する面)側など、電子部品の外面において面積の大きい側に端子が形成されるのが一般的である。しかし近年、高機能な電子部品や一部の特殊機能を有する電子部品として、上記面積の大きい側に限らず、たとえば図12(a)に模式的に示すように、電子部品11の外面中でも比較的面積の小さい側(後述するように、本明細書では、電子部品の外面のうち、この比較的面積の小さい側を電子部品の「側方」と総称する。)に端子12が形成される場合もある。
【0004】
電子部品の機能検査方法としては、プローブピンを電子部品の端子と位置を合わせて機能検査を行う方法や、絶縁性のフィルム基材中に複数本の導通路を互いに絶縁してフィルム基材の厚み方向に貫通させた異方導電性コネクタ)を検査用の回路基板と電子部品の端子について位置を合わせた後に、これらの間に挟んで電子部品側または回路基板側より圧力を加えて接触させて機能検査を行う方法が、従来より知られている。異方導電性コネクタとしては、たとえば、本件出願人らが開発してきた、絶縁性材料からなるフィルム基材と、該フィルム基材内において互いに絶縁されてフィルム基材を貫通する複数本の導通路とを備える異方導電性コネクタが使用されてきた(たとえば、特許文献1〜3を参照)。しかしながらこれらの方法は、上記のように面積の大きい側に端子が形成された電子部品を検査対象とする方法であって、上述したような側方に端子を有する電子部品の検査を行うのは困難であった。
【0005】
すなわち、プローブピンを用いて、側方に端子を有する電子部品の機能検査を行おうとすると、まず、電子部品を安定した状態で設置すべく上記面積の大きい側の面11aが下方となるように電子部品11を設置し、電子部品11の端子12に対し側方(端子が形成された側:図12(a)中の矢符Aで示す)、あるいは、下方(図12(a)中の矢符Bで示す)よりプローブピンを近づけて端子と接触させる必要があった。しかしながらこのような方法では、端子にプローブピンを接触させるのに非常に手間であり、正確な機能検査が困難であった。
【0006】
また、上記異方導電性コネクタ51を用いて、側方に端子12を有する電子部品11の機能検査を行おうとすると、図12(b)に簡略化して示すように、電子部品を安定した状態で設置すべく上記面積の大きい側の面が下方となるように電子部品11を検査ステージ13等に設置し、異方導電性コネクタ51、検査用の回路基板16を立てた状態で(換言すれば、それぞれの厚み方向が上下方向と垂直となるように設置して)、電子部品11を、異方導電性コネクタ51を介して検査用の回路基板16に導通せしめるようにせねばならない。すなわち、電子部品11が異方導電性コネクタ51に近接する方向(図12(b),(c)中の白抜きの矢符の方向)に圧力を加え、電子部品11と回路基板16とを異方導電性コネクタ51を挟み、異方導電性コネクタ51の導通路52を介して、電子部品11の端子12と回路基板16の端子17とを導通可能に接触せしめることで、機能検査を行なわねばならない。しかしこの方法では、電子部品11に加えた圧力によって、上記導通せしめようとする際に電子部品11が検査ステージ13より浮き上がってしまい、効率的な機能検査が困難であった。
【0007】
【特許文献1】
国際公開第98/07216号パンフレット
【特許文献2】
特開2002−42921号公報
【特許文献3】
特開2003−77609号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、側方に端子を有する電子部品について簡易に機能検査できる方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)絶縁性材料からなるフィルム基材と、該フィルム基材内において互いに絶縁されてフィルム基材の両主面を貫通する複数本の導通路とを有する異方導電性コネクタを、回路基板と側方に端子を有する電子部品との間に挟んで圧力を加え、回路基板と電子部品とを機能検査可能に導通させて行う電子部品の検査方法であって、軸心がフィルム基材の主面の垂線に交差するように傾斜して互いに略平行に配置された導通路を有する異方導電性コネクタを用いることを特徴とする電子部品の検査方法。
(2)0.1MPa〜50MPaの圧力を加えた際の厚み方向の変形量が1μm〜300μmである異方導電性コネクタを使用することを特徴とする上記(1)に記載の検査方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の検査方法を模式的に示す図であり、図1(a)は検査前、図1(b)は検査時を示す。図2は、図1(a),(b)をそれぞれ一部拡大して示す図である。また図3は、本発明の方法に使用される異方導電性コネクタ1を簡略化して示す図である。本発明は、側方に端子を有する電子部品を機能検査する方法であって、特定の異方導電性コネクタを用いて行うことを特徴とする。ここで、本発明でいう電子部品の「側方」とは、電子部品のうち最大の投影面積を有する側以外の全ての側を指す。上記「投影面積」は、電子部品の各外面に平行な仮想面をその外面を覆う側にそれぞれ想定し、各方向の仮想面につき電子部品を介してその反対側の方向から光を照射したときに上記仮想面上に投影される像の面積を指す。本発明の検査方法においては、この「側方」に端子を有する電子部品であれば、いずれの電子部品をも検査対象とすることができる。また本発明における電子部品は、その側方に端子を有しているならば、該端子は側方の面より露出しているだけでも側方の面より突出していてもよいが、本発明の方法は、側方より端子が突出した電子部品の検査において特に有用である。なお、本発明でいう電子部品は、半導体素子も包含する。
本発明の検査方法に使用される異方導電性コネクタ1は、絶縁性材料からなるフィルム基材2と、該フィルム基材2内において互いに絶縁されてフィルム基材2の両主面2a,2bを貫通する複数本の導通路3とを基本的に備える。本発明においては、上記に加え、各導通路3がその軸心L1がフィルム基材2の主面の垂線T1に交差するように傾斜して、互いに略平行に配置されてなる異方導電性コネクタ1を使用する。かかる異方導電性コネクタ1を、回路基板12と側方に端子を有する電子部品11との間に挟んで圧力を加え、回路基板12と電子部品11とを導通させて、検査を行う。
【0011】
本発明の検査方法によれば、側方に端子を有する電子部品と回路基板との間に異方導電性コネクタを挟んで圧力を加えた際に、異方導電性コネクタの全ての導通路を単一方向に変形させ、フィルム基材を厚み方向に圧縮変形せしめることができる。これによって、上記圧力の負荷を吸収し、従来のように電子部品の浮き上がりが起こってしまうことなく上記電子部品の端子と回路基板の端子とを機能検査可能に導通させることができる。
【0012】
具体的には、図1に示すように、電子部品を安定した状態で設置すべく上記面積の大きい側の面が下方となるように電子部品11を検査ステージ13等に設置し、上記構造を有する異方導電性コネクタ1、検査用の回路基板16を立てた状態で(換言すれば、それぞれの厚み方向が上下方向と垂直となるように設置して)、電子部品11を、異方導電性コネクタ1を介して検査用の回路基板16に導通せしめるよう、圧力を加える。この際に加える圧力としては、電子部品11の端子12が、異方導電性コネクタ1の導通路3を介して回路基板16の端子17と導通可能な程度であれば、特に制限されるものではないが、0.1MPa〜50MPaの範囲内であるのが好ましく、0.1MPa〜20MPaの範囲内であるのがより好ましい。上記圧力が0.1MPa未満であると、電子部品11の端子12、異方導電性コネクタ1、および回路基板16の端子17間の密着が不充分であり、機能検査可能な程度にまで端子12,17間の導通を行うことができない虞があり、また、上記圧力が50MPaを越えると、部品端子に傷をつけたり、部品自体が破損してしまう虞がある。圧力を加える方向は、上記導通が可能であればよいが、上記厚み方向に略平行な方向であるのが好ましい。
【0013】
なお、図1には、電子部品を検査ステージ等に設置し、異方導電性コネクタ、検査用の回路基板を、それぞれの厚み方向が上下方向と垂直となるように設置して検査を行う例を示したが、本発明の検査方法においては、異方導電性コネクタ、検査用の回路基板を、それぞれの厚み方向が上下方向と平行となるように設置しておき、これに上記側方に端子を有する電子部品を上下方向に沿った方向より異方導電性,コネクタに近接させ、上述したように導通可能に加圧して、検査を行うようにしてもよい。
【0014】
本発明の検査方法においては、上記好適な範囲の圧力を加えた際に、厚み方向の変形量が特定範囲内となるような異方導電性コネクタを使用するのが好ましい。すなわち、0.1MPa〜50MPaの圧力を加えた際の厚み方向の変形量が1μm〜300μm(より好適には10μm〜300μm)であるような異方導電性コネクタ1を使用するのが好ましい。具体的には、図2(a)に示すように検査前の状態には、異方導電性コネクタ1は、その厚み(厚み方向Zに沿った長さ)がD1であり、各導通路3は、その軸心L1がフィルム基材2の主面の垂線T1に角度α1を成して交差するように傾斜して、互いに略平行に配置されてなるが、図2(b)に示すように検査の際の上記0.1MPa〜50MPaの加圧時には、各導通路3がいずれも同じ方向に変形し、その軸心L1がフィルム基材2の主面の垂線T1に角度α2を成して(角度α1<角度α2)交差するようにしなり、厚みD2となるまで(厚みD1>厚みD2;厚みD1−厚みD2=1μm〜300μm)フィルム基材2の圧縮変形を許容し得るような異方導電性コネクタを使用するのが、好ましい。
上述したような厚み方向の変形量を許容し得る異方導電性コネクタは、フィルム基材の形成材料、導通路の傾斜角度、導通路のピッチ、導通路のサイズなどの要因を従来公知のように適宜調整することで、実現することができる。
【0015】
ここで本発明における異方導電性コネクタにおいて、フィルム基材の形状に特に制限はないが、通常、断面方形状のフィルム状物に形成される。フィルム基材2の厚みD1は、特に制限されるものではないが、圧縮時にかかる圧力と変形量の観点から、好ましくは0.03mm〜2mm、より好ましくは0.05mm〜2mmである。
【0016】
フィルム基材2を構成する絶縁性樹脂としては、従来から異方導電性コネクタのフィルム基材に用いられている公知の材料が使用される。すなわち、それ自体がそのままの状態で接着性を示すか、あるいはそのままの状態では接着性を示さないが、少なくとも加圧または加熱によって接着可能となる材料であり、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;等が挙げられる。これらの樹脂やエラストマーはいずれかを単独でもあるいは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの樹脂やエラストマーには、各種の充填剤、可塑剤等あるいはゴム材料を添加してもよい。充填剤としては、例えば、SiO2、Al2O3、可塑剤としては、例えばTCP(リン酸トリクレシル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、ゴム材料としては、例えばNBS(アクリロニトリルブタジエンゴム)、SBS(ポリスチレン−ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いる異方導電性コネクタ1において、導通路3の軸心L1とフィルム基材2の主面の垂線T1とが成す角度α1としては、上記減少効果が十分に得られるように5度以上が好ましく、10度以上であるのがより好ましい。また、余り角度が大き過ぎると、電気的に接続させるべき2つの接続対象物(たとえば、電子部品と回路基板)との間の位置調整(オフセット)が必要になるので、当該角度は45度以下であるのが好ましく、40度以下であるのがより好ましい。
【0018】
また本発明における異方導電性コネクタにおける導通路の断面(導通方向に垂直な断面)の形状は、円形状、各種多角形状など特には限定されないが、互いの絶縁を確保しながらも最密に集合させ易く、かつ高品質のものが容易に製造できる点から、円形状が好ましい。異方導電性コネクタは、上記機能検査に際しては、上記端子1個に対し2個以上の導通路を対応させるのが好ましく、これを達成し得るように導通路の断面積や単位面積あたりの本数を決定する。すなわち、導通路のうち少なくともフィルム基材内の部分(後述する基材内導通部)の径(太さ)が、導通路自体の導電性(電気抵抗)等の点から、一般に断面形状が円形の場合で直径10μm〜80μmが好ましく、特に好ましくは12μm〜60μmであり、断面形状が多角形やその他の形状の場合は、その断面が上記範囲内の直径の円の面積に相当する面積となる径(太さ)とするのが適当である。また導通路のピッチは、異方導電性コネクタの変形性(柔軟性)および接続対象物(の端子)との接続信頼性の点から、20μm〜200μmが好ましく、特に好ましくは20μm〜150μmである。
【0019】
フィルム基材中における導通路の集合状態、すなわち、フィルム面を見たときの導通路の配列パターンは、最密状、正方行列状、その他、ランダムな集合状態であってもよいが、検査対象の微細な端子に対応するには、図1に示したような最密状に近い状態が好ましい。
【0020】
導通路を形成する材料としては、公知の導電性材料が挙げられるが、電気特性の点で銅、金、アルミニウム、ニッケルなどの金属材料が好ましく、さらには導電性の点から、銅、金がより好ましい。
【0021】
上述してきたフィルム基材の厚み方向に貫通する複数本の導通路の軸心がフィルム基材の主面の垂線に対して交差する構造を有する異方導電性コネクタは、フィルム基材に穿孔して貫通孔を形成し、該貫通孔内に金属材料をメッキで析出させる、もしくは、金属材料を貫通孔の内壁面にコーティングしていく方法や、多数の絶縁導線(絶縁性樹脂層で被覆した金属線)を密に束ねた状態とし、互いに分離できないように被覆層同士を結合させ、各絶縁導線と交差する面を切断面として、所望のフィルム厚みにスライスする方法(この方法は国際公開第98/07216号パンフレット「異方導電性コネクタおよびその製造方法」に記載の技術を利用してもよい。)など、従来公知の方法にて好適に製造することができ、その製造方法は特に制限されるものではないが、特開2003−77609号公報に記載の製造方法にて製造することで、異方導電性コネクタにおける導通路の傾斜方向が不揃いになることなく、複数の導通路が所定の傾斜角度で傾斜し、かつ、複数の導通路間の傾斜方向のばらつきが小さい異方導電性コネクタを容易に製造できる。また、この特開2003−77609号公報に記載の製造方法によれば、上記国際公開第98/07216号パンフレットに記載された方法とは異なり、ブロック内の線材(の軸心)の方向を考慮してブロックと切断刃の位置を調整しつつ切断したり、切断後に、切り出した異方導電性コネクタのフィルムサイズ(製品サイズ)を統一するための後加工を行う必要がないので、製造作業の煩雑さも解消することができる。従って、接続対象物(回路基板、半導体素子)への接続信頼性の高い、所望の大きさ(フィルムサイズ(製品サイズ))の異方導電性コネクタを高歩留まりに製造できる。
特開2003−77609号公報に記載の製造方法は、以下の▲1▼第1工程(複数枚の導電性線材付きフィルムを作成する工程)、▲2▼第2工程(複数枚の導電性線材付きフィルムが一体化したブロックを作成する工程)、および▲3▼第3工程(ブロックを切断する工程)を含む。
【0022】
▲1▼第1工程
まず、図5(a)に示すように、芯材23の外周に絶縁性フィルム21を巻き、次いで、該絶縁性フィルム21の外周に1本の導電性線材22を一定ピッチで螺旋状に巻き付けて(若しくは、これとは逆に、芯材23の外周に先に1本の導電性線材22を一定ピッチで螺旋状に巻き、次いで該導電性線材22を覆うように絶縁性フィルム21を巻き付けて)、巻重物24(図5(b))を作成する。ここで、巻線は、横型整列巻線機等の公知の巻線装置を用いて行うことができる。次に、この巻重物24に加熱および加圧を施して、芯材23上で絶縁性フィルム21と導電性線材22とを一体化させ、次いで、芯材23から絶縁性フィルム21と導電性線材22とを一体化したロール状物を外して、該ロール状物の一部を切断して平板状物25(図5(c))に展開し、さらに該平板状物25を裁断して、複数枚の導電性線材付きフィルムを切り出す。上記芯材23上で絶縁性フィルム21と導電性線材22とを一体化するための加熱および加圧における加熱温度および加圧力は、導電性線材22および絶縁性フィルム21を構成する材料によっても異なるが、加熱温度は、一般的に50℃〜250℃程度、好ましくは100℃〜200℃程度である。また、加圧力は一般的に0.2MPa〜3MPa程度、好ましくは0.3MPa〜1MPa程度である。
【0023】
図6は、上記切り出した導電性線材付きフィルム26の一例を示す図であり、図6(a)は斜視図、図6(b)は断面図、図6(c)は平面図である。図6に示す例の導電性線材付きフィルム26においては、絶縁性フィルム21の矩形の主面21aに、一定のピッチで互いに平行に並んだ複数本の導電性線材22が固着し、複数の導電性線材22の各軸心L1が、絶縁性フィルム21の主面21aの所定の直線状の一辺L2に対して所定の角度α1を成して交差し、かつ、主面21aと平行に位置している。この角度α1は、上述した異方導電性コネクタ1の導通路13の軸心L1がフィルム基材12の主面の垂線T1と成す角度α1に充当する。ここで、絶縁性フィルム21は、異方導電性コネクタ1のフィルム基材2を構成し、導電性線材22は、異方導電性コネクタ1の導通路3を構成する。
【0024】
なお、芯材23に絶縁性フィルム21および導電性線材22を巻き付けて得られた巻重物24(図5(b))を、そのまま(すなわち、絶縁性フィルム21および導電性線材22を芯材23とともに)減圧または真空状態を形成し得る空間内に配置し、当該空間内を減圧または真空状態にし、しかる後に、上記加熱および加圧を行うのが好ましい。すなわち、加熱および加圧を行う前に、巻重物24を減圧または真空下に置くことによって、芯材23、絶縁性フィルム21および導電性線材22の相互間の空隙を効果的に減少させることができ、製造される異方導電性コネクタの耐久性(導通路の保持力)が向上される。ここで、減圧とは常圧より小さい圧力であり、概ね、(常圧−0.6MPa)以下の圧力を意味し、真空とは減圧のうちでも、特に(常圧−0.9MPa)以下の圧力を意味する。なお、空隙を効率的に除去する観点から、真空下で加熱および加圧を施すのがより好ましい。上記減圧または真空状態を形成するための方法は特に限定されないが、作業性の点からポンプ(真空ポンプ)による吸引が好ましい。
上記減圧または真空状態を形成し得る空間とは、例えば、剛性の箱体(すなわち、減圧または真空状態を形成した時に、それ自体が変形せず、その形状を保持し得る剛性を備えた箱体)の内部空間や、柔軟性のフィルムからなる袋体の内部空間等が挙げられる。剛性の箱体の材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、炭素鋼、青銅等の金属、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。また、柔軟性のフィルムには、アルミニウム等の金属フィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム、ポリエチレンフィルム等にアルミニウムフィルム等をラミネートしたラミネートフィルム等を使用できる。柔軟性のフィルムからなる袋体を使用すれば、その内部空間を真空状態にした場合、袋体が巻重物に密着するので、空隙をより効果的に除去することができる。
【0025】
また、当該加熱および加圧を行う際の加圧においては、導電性線材の巻線状態(ピッチ、巻線方向等)が乱れないよう、芯材に対して均一な圧力が加わるのが好ましく、かかる観点から、上記の空間(減圧または真空状態を形成し得る空間)内に圧縮気体を導入する方法が好適である。この圧縮気体を導入する方法の場合、圧縮気体に窒素ガス等の不活性ガスを使用すれば、導電性線材の酸化を抑制でき、より好ましい。
【0026】
▲2▼第2工程
第2工程は、上記第1工程で作成した複数枚の導電性線材付きフィルム26を隣り合うフィルムの導電性線材22間が互いに平行となるように積み重ね、得られた積重体に加熱および加圧を施して、複数枚の導電性線材付きフィルムが一体化したブロックを作成する工程である。かかる加熱および加圧は、隣り合う導電性線材付きフィルム間において、少なくとも、絶縁性フィルムを導電性線材に融着させる処理であり、好ましくは、絶縁性フィルムが導電性線材に融着し、かつ、絶縁性フィルム同士が融着するように加熱および加圧を行う。上記の加熱および加圧処理において、加熱温度は一般に絶縁性フィルムを構成する樹脂(エラストマー)の軟化点〜300℃程度(具体的には50〜300℃)の範囲で選択される。なお、絶縁性フィルム21に熱硬化性樹脂を使用した場合には、硬化温度よりも低い温度で加熱するのが好ましい。また、加圧力は一般に0.5MPa〜3MPa程度、好ましくは0.7MPa〜2MPa程度である。
図7〜図9は、前記の複数の導電性線材22(の軸心L1)を絶縁性フィルム21の主面21aの所定の直線状の一辺L2に対して角度α1を成すようにして傾斜させた導電性線材付きフィルム26(図6)を、隣り合う絶縁性フィルム21の直線状の一辺L2が平行に重なるように積み重ね(図7)、このようにして得られた積重体27(図8)に加熱および加圧を施して、ブロック28(図9)を作成した様子を示している。図9に示されるように、当該第2工程によって、複数枚の導電性線材付きフィルム26が一体化し、上下(積重方向)および水平方向に互いに平行に配置された複数の導電性線材22の間に絶縁性樹脂Rが介在した構造のブロック28が形成される。
【0027】
当該第2工程では、このように、複数枚の導電性線材付きフィルムの積重体に加熱および加圧を施して複数枚の導電性線材付きフィルムが一体化したブロックを作成するが、当該第2工程においても、加熱および加圧に先立って、複数枚の導電性線材付きフィルムの積重体を減圧または真空状態を形成し得る空間内に配置し、当該空間内を減圧または真空状態にし、しかる後に、当該加熱および加圧を行うのが好ましい。このようにすることで、上下に重なる導電性線材付きフィルムの間の空隙を除去でき、また、導電性線材付きフィルム内に空隙が残存している場合に、この空隙を除去することができ、好ましい。ここで減圧または真空とは、前記第1工程におけるそれと同義であり、また、減圧または真空状態を形成し得る空間も、前記の剛性の箱体の内部空間や柔軟性のフィルムからなる袋体の内部空間を用いることができる。また、減圧または真空状態を形成するための方法は特に限定されないが、前記のポンプによる吸引が作業性の点から好ましい。また、当該第2工程においても、前記第1工程と同様に、減圧または真空状態を形成するために、柔軟性のフィルムからなる袋体を使用するのが好ましい。柔軟性のフィルムからなる袋体を使用すれば、その内部空間を真空状態にした場合、袋体が積重体に密着し、積み重なった導電性線材付きフィルムの間の空隙をより効果的に除去することができる。
【0028】
また、当該第2工程での加熱および加圧処理を次のようにして行えばより好ましい結果が得られる。すなわち、図11に示すように、積重体27を、該積重体27を収容した時にその内面と該積重体27との間に若干の隙間が形成される程度の大きさの耐熱性の箱体であって、積重体27を出し入れするための開口31を有する箱体30内に収容し、この状態(図11の状態)のままで、積重体27を耐熱性の箱体30とともに前記した可撓性フィルムからなる袋体の内部空間に配置し、当該空間内を減圧または真空状態にした後、積重体27に加熱および加圧を施すようにすれば、加圧時の積重体27を構成する複数枚の導電性線材付きフィルム26間の位置ずれを防止でき、製造される異方導電性コネクタにおける複数の導電性線材(導通路)の傾斜方向および傾斜角度の均一性が増す。なお、上記「若干の隙間」とは、積重体の側面と箱体の内側面との間に約0.5mm〜20mm程度の隙間が空くことである。また。耐熱性の箱体における「耐熱性」とは上記の加熱処理時に変形したり、軟化(溶融)することがないことを意味しており、上記耐熱性の箱体の具体例としては、アルミニウム(以下、アルミとも略称する)、鉄、ステンレス等からなる金属製の箱体、セラミックス製の箱体が挙げられる。
【0029】
▲3▼第3工程
第3工程は、上記第2工程で作成したブロックを導電性線材と角度を成して交差する平面を断面として所定のフィルム厚さに切断して異方導電性コネクタを得る工程である。図10は上記導電性線材22(の軸心L1)を絶縁性フィルム21の主面21aの直線状の一辺L2に対して角度(α1)で傾斜させた導電性線材付きフィルム26(図6)を積重して得られたブロック28(図9)を切断している例である。図10の例では切断具36は刃物を示しているが、当該工程において、ブロックからフィルムを切り出すことができるものであれば、刃物に限定されず、各種の切断具(ワイヤーソー、スライサー、かんな、レーザー等)を使用することができる。
【0030】
図10の例では、ブロック28における導電性線材付きフィルムにおける絶縁性フィルム21の主面21aの所定の直線状の一辺L2(図6〜図8参照)より由来する所定の直線状の端辺L2’に対して直交する平面28bが切断面となるようにブロック28を切断している。すなわち、導電性線材付きフィルムとして、導電性線材22(の軸心L1)を絶縁性フィルム21の主面21aの所定の直線状の一辺L2に対して角度(α1)で傾斜させた導電性線材付きフィルム26(図6)を使用することで、絶縁性フィルム21の主面21aの所定の直線状の一辺L2より由来するブロック28の端辺L2’を基準に、これに対して直交する平面28bが切断面となるようにブロック28を切断することで、導電性線材付きフィルム26において設定した導電性線材22の傾斜角度(絶縁性フィルム21の主面21aの所定の直線状の一辺L2に対する導電性線材22の軸心L1の傾斜角度)がそのまま、製造される異方導電性コネクタ1における導通路3の軸心L1のフィルム基材2の主面12aの垂線T1に対して成す角度α1となる。従って、切断作業において、切断面の設定が容易であり、複数の導通路が目的の傾斜角度で傾斜し、かつ、複数の導通路間の傾斜方向が均一性が高い(複数の導通路が一定の方向に揃って傾斜する)異方導電性コネクタを確実に製造することができる。また、切断して得られるフィルムサイズ(製品サイズ)が統一するため、大きく歩留まりが低下する問題もない。
【0031】
本発明における異方導電性コネクタは、フィルム基材の厚み方向他方側における導通路端部の少なくともいずれかがフィルム基材面より突出しているように実現されるのが好ましい。これにより、端子や配線パターンへの接触性が向上される。すなわち、上述したように本発明では、検査の加圧時に、各導通路の同一方向への変形(しなり)によって厚み方向の変形量を許容することで、側方に端子を有する電子部品であっても好適に機能検査を行うことができるが、上記突出部が形成されてなることで、導通路端部については常にフィルムから露出させることができ、上記しなりの際にも導通路がフィルム基材内に潜り込んでしまうことなく端子に確実に接触させることができる。
なお、本明細書において、このように導通路の端部がフィルム基材面より突出するように形成される場合、導通路のうち、フィルム基材内にある部分を「基材内導通部」、フィルム基材より突出した部分を「突出部」と呼ぶ。図4に示す本発明の検査方法に使用される好適な他の例の異方導電性コネクタ1’においては、フィルム基材2の導通路3の端部3bが、いずれもがフィルム基材面より突出し、突出部5を形成している。
【0032】
本発明において、突出部5の平均突出高さは、5μm〜50μmであるのが好ましく、5μm〜30μmであるのがより好ましい。該平均突出高さが5μm未満であると、電子部品に異方導電性コネクタが密着してしまい、連続的に測定を続けることができなくなってしまう虞があるため好ましくなく、50μmを超えると、接触荷重によって導通路が変形してしまう虞があるため好ましくない。
【0033】
かかる突出部5は、たとえば、上述のようにして製造した異方導電性コネクタのフィルム基材を薬液やプラズマなどを利用したエッチングにより削り彫り、導通路の端部を突出せしめることによって形成することができる。上記フィルム基材を削り彫った後、メッキでさらに突起部の先端部分を形成するようにしてもよい。特にフィルムを貫通する基材内導通部の酸化を防止することを考慮した場合、突出部5を形成する最終工程でメッキにより酸化を防止することが好ましい。上記エッチングの方法としては、ウェットエッチングや、プラズマエッチング、アルゴンイオンレーザー、KrFエキシマレーザーなどのドライエッチングなどの手法を単独または併用して使用できる。ウェットエッチングにおけるエッチング液はフィルム基材の材料、導通路の材料を考慮して選択されるが、たとえば、ジメチルアセトアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどが挙げられる。
【0034】
また本発明における異方導電性コネクタにおいて、突出部5の表面を、導通性が高い金属材料や耐腐食性に優れた金やニッケルなどの材料でさらに被覆していてもよい。
【0035】
本発明における異方導電性コネクタはまた、上述したように軸心がフィルム基材の主面の垂線に交差するように傾斜して互いに略平行に配置された導通路を有する異方導電性コネクタであって、フィルム基材主面の70%以上を占める領域内に配置された導通路の厚み方向一方側の端部が、互いに導通(短絡)されたものであってもよい。ここで、上記「領域」は、フィルム基材主面の70%以上を占める面積を有しているのであれば、連なった1個の領域でもよく、また互いに連なっていない複数個の領域であってもよい(複数個の領域を有する場合、各領域の面積の総計がフィルム基材主面の70%以上であるものとする。)。また、領域の形状にも特に制限はなく、方形状、円形状、三角形状、多角形状、その他適宜の形状で実現することができる。上記領域は、上記検査対象の機能検査をより簡便に行い得る観点から、厚み方向一方側の面の80%以上を占めているのが好ましく、厚み方向一方側の全面(100%)を占めているのが特に好ましい。上記領域内に配置される導通路の厚み方向一方側の端部は、互いに導通(短絡)されていればよく、これら端部を導通させる方法については特に制限されるものではない。従来公知の適宜の方法、たとえば、メッキや導電ペースト、蒸着などによって互いに導通させることが可能である。好ましくは、フィルム基材の厚み方向一方側において、上記領域を覆う導電層をさらに有し、この導電層によって導通路の厚み方向一方側の端部が互いに導通されるよう実現される。
【0036】
上記のように導通路の厚み方向一方側の端部が互いに導通(短絡)された異方導電性コネクタを使用することで、側方に端子を有する電子部品に対し、回路基板の端子を短絡させた状態で電子部品を導通させてその短絡または断線を検出する検査を行うことも可能である。かかる態様にて、側方に端子を有する電子部品の検査を行う方法についても、本発明に包含される。この態様の検査方法では、電子部品の端子に上記異方導電性コネクタを接触させて、当該端子が短絡した状態とすることで、電子部品の短絡(ショート)、断線(オープン異常)の有無を検出するというものである。具体的には、異方導電性コネクタの互いに導通されていない導通路の厚み方向他方側端部を電子部品の端子に接触させ、これらを押圧しながら電子部品に電圧を印加し、たとえばプローブピンを使用するなどして、電子部品の短絡(ショート)、断線(オープン異常)の有無を検出する。
このような態様の検査方法では、側方に形成された電子部品の端子の微細化や微細ピッチ化、配線パターンの微細化に併せてプローブピンや検査治具の逐一の製造を要することなく、様々なピッチ、パターンの端子が側方に形成された電子部品について、短絡(ショート)、断線(オープン異常)を簡易に検出することができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
直径320mm、長さ270mmのアルミ製円筒形コアを横型整列巻き線機HPW−02型(日特エンジニアリング(株)製)に取り付け、100μm厚のポリウレタン系熱可塑性エラストマー(モビロンフィルム、日清紡績社製、ゴム硬度:78度、軟化点:120℃)からなるフィルムを1層巻いた後、29μmφの耐熱ポリウレタン被覆線(25μmφの銅線に耐熱ポリウレタンを2μm厚みで被覆したもの)を巻線間隔(ピッチ)100μmで250mm巻いた。このようにしてフィルムと巻線とを46回繰り返して巻いた。そして、さらに該巻線した線材を覆うように離型フィルムとして50μm厚のフッ素樹脂フィルムを巻き、さらにその外側に当て板として1mm厚のアルミ板をコアの円筒形状に沿って配置した。
1000mm×1530mmのサイズで、厚みが80μmの耐熱性ナイロンフィルム(WL8400−003−60−1000−SHT9、エアテック社製、軟化点:220℃)とシールテープGS213(エアテック社製)とによって、真空空間を形成可能な袋体を形成し、この袋体の中に、上記のコア、フィルムおよび線材からなる巻状物と当て板とを一体にした状態で配置し、フィルム空間部を密閉状態にして、真空ホース(真空ポンプに接続)で吸引し、フィルム空間部を真空状態とした。そして、真空状態を保ちながらかかる巻状物および当て板を収容した袋体を、加熱加圧処理可能なオートクレーブ装置(芦田製作所株式会社製)に投入した。該投入後、コアの温度が145℃(管内温度:200℃)となるように管内を加熱するとともに、管内の圧力が0.49MPaとなるように窒素ガスにて加圧し、コアの温度および管内圧力が目標値に到達した後、約30分間保持して冷却し、温度が60℃に達した後、圧力を開放した。
この後、オートクレーブから、コア、フィルムおよび線材からなる巻状物を収容した袋体を取り出し、該袋体から該巻状物を取り出してコアを外し、熱可塑性ウレタンエラストマーフィルムと耐熱ウレタン被覆線とが一体化したロール状ブロックを得た。
次に、前記ロール状ブロックの一辺を切断して平板状物とし、トムソン刃にて、該平板状物から、サイズが120mm×62mmの長方形の熱可塑性ウレタンエラストマーの主面に、ピッチ100μmで互いに平行に並ぶ複数の耐熱ポリウレタン被覆線が、熱可塑性ウレタンエラストマーフィルムの直線状の一辺に対して傾斜角15度で配列し、固着した状態の線材付きフィルムを22枚切り出した。次に、該22枚の線材付きフィルムを、鉛直方向に積み上げ、この積重体をアルミニウム製の箱に入れた。なお、上記アルミ製の箱には、積重体をそのまま内部へ入れることができる開口を上面に有し、積重体を完全に収容できる深さを有し、その内側面と積重体の側面(熱可塑性ウレタンエラストマーフィルムの側面)との間に1.5mm隙間が形成される、全体が直方体の箱を用いた。
次に、上記アルミ製の箱の上面の開口から10mm厚、120mm×62mmサイズのアルミ板を箱体内に入れ、前記積重体の最上面に載せた。そして、この状態で積重体を収容したアルミ製の箱を、前記で使用した真空空間が形成可能なナイロンフィルムからなる袋体の内部に入れ、フィルム空間部を真空状態とし、該真空状態を保ちながら、加熱加圧処理可能なオートクレーブ装置(芦田製作所株式会社製)に投入し、アルミ製の箱の温度が165℃(管内温度が200℃)となるように加熱し、また、管内の圧力が0.98MPaとなるように窒素ガスにて加圧した。管内温度および圧力が目標値に到達した後、管内を冷却した。これによって、積重体が一体化したブロックが形成された。
上記作成したブロックを、ワイヤーソー(F−600型、株式会社安永製)で、当該ブロックの所定の端辺(熱可塑性ウレタンエラストマーフィルムの直線状の一辺に由来する端辺)に対して切断面が直交する方向となるように、所定のフィルム厚さにスライスした。このよにして、フィルム基材の厚みが0.08mmm、サイズが120mm×60mmの構造物(異方導電性コネクタ)を切り出した。
得られた構造物のフィルムを真空プラズマでエッチングした後、ニッケル、金の順で無電解メッキを施して突出部を形成し(平均突出高さ:18μm)、異方導電性コネクタを作製した。
こうして作製された異方導電性コネクタを用いて、図1に示すようにして回路基板と側方に端子を有する電子部品(磁気センサヘッド)との間に挟んで圧力を加え、回路基板と電子部品とを機能検査可能に導通させて、側方に端子を有する電子部品の機能検査を行った(検査対象サンプル数:5000個)ところ、いずれの電子部品の浮き上がりが生じてしまうことなく好適に検査を行うことができた。
【0038】
実施例2
実施例1にて作成された異方導電性コネクタに、導電性ペースト(ドータイト、藤倉化成社製)にてフィルム基材の厚み方向一方側の全面を被覆して導電層を形成し、導通路の厚み方向一方側の端部においていずれも互いに導通せしめた異方導電性コネクタを作製した。
こうして作製された異方導電性コネクタを用いて、導電層が回路基板側となるように、回路基板と側方に端子を有する電子部品との間に挟んで圧力を加え、回路基板と電子部品とを機能検査可能に導通させて、側方に端子を有する電子部品の機能検査を行ったところ、いずれの電子部品も浮き上がりが生じてしまうことなく好適に検査を行うことができた。
【0039】
比較例1
外径25μmの銅線の表面を耐熱性ポリウレタンで被覆して、総外径55μmの絶縁導線を作製した後、該絶縁導線を巻線装置によって、全長(巻き幅)が255mm、断面形状が120mm×120mmの正方形の角柱プラスチック芯材に整列巻きを行い、最密充填して、1層当たりの平均巻き数が4636ターン、巻き層数が50層の巻線コイルを形成し、次に、この巻線コイルを約145℃に加熱しながら、0.49MPaで加圧し、耐熱ポリウレタンを融着させ、室温まで冷却して、巻き付けた線材が一体化した巻線コイルブロックを得た。
巻線コイルブロックより芯材を抜いて角筒状とし、これを120mm×60mm×2.5mmの直方体ブロックに切断した。この直方体ブロックを、線材が同じ向きとなるよう16個重ね合わせた積層物を、約165℃に加熱しながら1.96MPaで加圧し、120mm60mm×40mmの複合ブロックを得た。このブロックをスライスして、導通路が厚み方向に貫通した0.08mm厚みの異方導電性コネクタを得た。
こうして得られた異方導電性コネクタを用いて実施例1と同様に側方に端子を有する電子部品の検査を行ったところ、図12に示したような電子部品の浮き上がりが生じてしまい、検査することができなかった。
【0040】
比較例2
厚みを0.07mmとした以外は比較例1と同様にして異方導電性コネクタを作製した。こうして得られた異方導電性コネクタを用いて実施例1と同様に側方に端子を有する電子部品の検査を行ったところ、比較例1と比べて2割程度の上記電子部品については浮き上がりが生じてしまうことなく検査を行うことができたが、残りの電子部品についてはやはり電子部品の浮き上がりが生じてしまい、検査することができなかった。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、側方に端子を有する電子部品について簡易に機能検査できる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査方法を模式的に示す図であり、図1(a)は検査前、図1(b)は検査時を示す。
【図2】図1(a),(b)をそれぞれ一部拡大して示す図である。
【図3】本発明の検査方法に使用される異方導電性コネクタ1を簡略化して示す図である。
【図4】本発明に使用される好適な他の例の異方導電性コネクタ1’を簡略化して示す図である。
【図5】異方導電性コネクタの好適な製造方法の一例の、第1工程を段階的に示す図である。
【図6】導電性線材付きフィルムの斜視図(図6(a))、断面図(図6(b))および平面図(図6(c))である。
【図7】導電性線材付きフィルムを積重する作業を示す斜視図である。
【図8】導電性線材付きフィルムを積重して得られた積重体の斜視図である。
【図9】積重体を加熱および加圧により一体化したブロックの斜視図である。
【図10】ブロックからフィルムを切り出す作業の斜視図である。
【図11】積重体が耐熱性の箱体に収容された状態を示す斜視図である。
【図12】側方に端子を有する電子部品(図12(a))、ならびにこのような電子部品の従来の検査方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1,1’ 異方導電性コネクタ
2 フィルム基材
3 導通路
11 側方に端子を有する電子部品
16 回路基板
Claims (2)
- 絶縁性材料からなるフィルム基材と、該フィルム基材内において互いに絶縁されてフィルム基材の両主面を貫通する複数本の導通路とを有する異方導電性コネクタを、回路基板と側方に端子を有する電子部品との間に挟んで圧力を加え、回路基板と電子部品とを機能検査可能に導通させて行う電子部品の検査方法であって、軸心がフィルム基材の主面の垂線に交差するように傾斜して互いに略平行に配置された導通路を有する異方導電性コネクタを用いることを特徴とする電子部品の検査方法。
- 0.1MPa〜50MPaの圧力を加えた際の厚み方向の変形量が1μm〜300μmである異方導電性コネクタを使用することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
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