JP2004354007A - 保存庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】庫内温度の制御態様を、冷却スピードを重視したものと、保存物の乾燥防止を重視したものとに切り替えられるようにする。
【解決手段】第1制御部51では、庫内温度センサ53の検知温度が庫内温度の設定温度と比較され、冷凍機17がオンオフされることで庫内温度が設定温度に保持され、すなわち庫内温度優先制御が行われる。第2制御部52では、ブライン温度センサ54の検知温度がブライン温度の設定温度と比較され、冷凍機17がオンオフされることでブライン温度が設定温度に保持され、すなわちブライン温度優先制御が行われる。切替スイッチ55により第1または第2制御部51,52を選択することにより、庫内温度の制御態様を、冷却スピードを重視したものと、保存物の乾燥防止を重視したものとに切り替えられる。
【選択図】 図5
【解決手段】第1制御部51では、庫内温度センサ53の検知温度が庫内温度の設定温度と比較され、冷凍機17がオンオフされることで庫内温度が設定温度に保持され、すなわち庫内温度優先制御が行われる。第2制御部52では、ブライン温度センサ54の検知温度がブライン温度の設定温度と比較され、冷凍機17がオンオフされることでブライン温度が設定温度に保持され、すなわちブライン温度優先制御が行われる。切替スイッチ55により第1または第2制御部51,52を選択することにより、庫内温度の制御態様を、冷却スピードを重視したものと、保存物の乾燥防止を重視したものとに切り替えられる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブライン等の二次冷媒により庫内を冷却する保存庫に関し、特にその庫内温度制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
恒温高湿庫は、例えば生鮮食品の鮮度を長期にわたって維持できるように、庫内を高湿度に保ちつつ冷却するものであって、例えば特許文献1に記載されている。
これを概略的に示すと、図6のように、室外機として冷凍装置1と断熱性のタンク2とが設けられ、タンク2内に貯留されたブラインが、冷凍装置1の一部をなす蒸発器1Aと熱交換されて一次冷却され、この一次冷却されたブラインが、ポンプ3によりブライン配管4を介して保存庫本体5に設けられた冷却器6(室内機)に循環供給される。それとともに冷却ファン7が駆動され、吸引された庫内空気が冷却器6と熱交換して冷却されたのち庫内に吹き出されて循環され、庫内全体が二次冷却されるようになっている。この間、庫内温度の検知温度に基づいて冷凍装置1がオンオフ制御され、庫内温度が設定温度に維持される。通常の冷蔵庫とは異なり、庫内水分が蒸発器に霜として付着することが回避され、上記のように庫内が高湿度に保たれるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特公平3−56394号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、庫内に保存物を出し入れするために扉を開けた際、特に夏場等の外気温度が高いときには、庫内が大幅に温度上昇する。そうすると、上記のように、庫内温度に基づいて冷凍装置を制御するものでは、冷凍装置の駆動が継続されてブラインが急速に冷却され、それに伴い冷却器も低温となる。それにより、庫内温度は比較的早期に低下するが、冷却器の温度までは追随できずに温度差ができ、その結果冷却器に結露が生じ、すなわち庫内が除湿されてしまうおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、冷凍装置の一次冷媒により一次冷却された二次冷媒が、庫内に設けられた冷却器に循環供給されることで庫内が二次冷却されるようにした保存庫において、庫内温度を検知する庫内温度センサを備え、この庫内温度センサの検知温度に基づいて前記冷凍装置を制御運転することにより庫内温度を設定温度に保持する庫内温度優先制御手段と、二次冷媒の温度を検知する二次冷媒温度センサを備え、この二次冷媒温度センサの検知温度に基づいて前記冷凍装置を制御運転することにより二次冷媒の温度を設定温度に保持する二次冷媒温度優先制御手段とが備えられ、かつ前記両制御手段を選択的に切り替え可能な切替手段が設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
庫内温度優先制御では、庫内温度の検知温度に基づいて冷凍装置がオンオフ制御され、庫内温度が設定温度に維持される。二次冷媒の温度すなわち冷却器の温度が下げ止まりされず、庫内を急速に設定温度まで冷却することができる。冷却スピードを重視する場合に有効となる。
二次冷媒温度優先制御では、二次冷媒の検知温度に基づいて冷凍装置がオンオフ制御され、二次冷媒の温度が設定温度に維持される。二次冷媒の温度すなわち冷却器の温度が下げ止まりされるから、冷却時間は長くなる可能性はあるが、庫内温度と冷却器との温度差は小さく抑えられ、庫内が除湿されること、すなわち保存物が乾燥することが最小限に抑えられる。
そして両制御手段を切り替え可能であることにより、外気温度等の条件に応じて、冷却スピードを重視したものと、保存物の乾燥防止を重視したものとに、温度制御の態様を選択することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施形態はプレハブ式の恒温高湿庫を例示している。
図1において、符号10は複数枚の断熱パネルを箱形に組み付けてなる本体10であって、内部が保存室11となっており、保存室11内は基本的には、冷凍装置15により一次冷却されたブラインの冷熱を介して二次冷却されるようになっている。冷凍装置15は、圧縮機、凝縮器、膨張弁43及び蒸発器(内管38)を冷媒配管16によって循環接続することにより、公知の冷凍サイクルを構成したものである。なお、圧縮機と凝縮器とを合わせて冷凍機17という。
【0008】
本体10内の天井面には、ユニット化された室内機20が装備されているとともに、本体10の外部には、同じくユニット化された室外機13が設置されている。室外機13には、上記した冷凍装置15のうちの冷凍機17(圧縮機と凝縮器)のみが装備されている。
一方の室内機20は、図2及び図3に示すように、冷却器21、タンク27、ポンプ30及び熱交換部35とから構成されている。
冷却器21は、多数枚のフィン22が並設されるとともに、それらのフィン22をブライン配管23が蛇行状に貫通して配され、全体としてブロック状に形成されており、基板24の下面に取り付けられている。冷却器21内に配されたブライン配管23は、下端に入口25A、上端に出口25Bがそれぞれ設けられている。
【0009】
冷却器21の側方(図2の右側)には、ブラインを貯留するタンク27が隣接して配され、同じく基板24の下面にブラケット28により取り付けられている。また、タンク27の下面には、ブラインを圧送するポンプ30がブラケット31により取り付けられている。タンク27の底面に設けられた出口27Bには、ポンプ30の吸引口32Aが接続され、ポンプ30の吐出口32Bが、上記したブライン配管23の入口25Aと接続されている。
【0010】
タンク27の側面(図2の右側)には、熱交換部35が配設されている。この熱交換部35は、図4に示すように、ヘアピン状に形成された二重管36を、上下2組接続した構造となっている。二重管36は詳細には、ヘアピン状に回曲された外管37の中心に、内管38が同心に挿通された構造であり、この内管38は、上記した冷凍装置15の蒸発器を構成する蒸発管からなっている。外管37は、両端面が閉鎖されている一方、両端部の周面に流入口37Aと流出口37Bとが開口されている。
そして、1つの二重管36について見ると、ブラインは、図4の矢線X(太字)に示すように、流入口37Aから流入したのち、外管37と内管38(蒸発管)との間の外側管路39を流通して流出口37Bから流出し、一方、冷凍装置15の冷媒が、同図の矢線Y(白抜き)に示すように、内管38(蒸発管)内である内側管路40をブラインと対向する方向に流通するようになっている。
【0011】
上記のような二重管36が、図2及び図3に示すように上下に並んで配され、外管37については、下側の外管37の流出口37Bが上側の外管37の流入口37Aと接続管41により接続され、一方、蒸発管である内管38は、1本が両外管37の内部にわたって連続して挿通され、これにより熱交換部35が完成される。
また、上側の外管37の流出口37Bがタンク27の入口27Aと接続され、下側の外管37の流入口37Aに、上記した冷却器21内に配されたブライン配管23の上端の出口25Bが接続されている。
【0012】
上記の冷凍機17側から引き出された冷媒配管16の吸引端16Aと吐出端16Bとは、それぞれ本体10内に配管され、吐出端16Bが熱交換部35における内管38(蒸発管)の入口38Aと接続され、一方の吸引端16Aが、内管38(蒸発管)の出口38Bと接続されている。なお、内管38(蒸発管)の入口38Aには膨張弁43が設けられる一方、出口38Bには、膨張弁43の開度を調整することに機能する感温筒44が設けられている。
また、冷却器21における、タンク27が配設されたのとは隣接した側面(図1の右側)には、冷却ファン46が装備されている。
【0013】
なお、図3の3箇所の領域Aに示すように、冷媒配管16における庫内に導入された吸引端16Aと吐出端16B、さらには熱交換部35における外管37から突出した内管38(蒸発管)等、すなわち庫内において露出された冷媒配管16には、断熱材を巻装する等、断熱処理を施すとよい。
また、この実施形態では除霜運転が可能とされ、そのために冷却器21における冷却ファン46を配した側と反対側の面には、除霜ヒータ47が取り付けられているとともに、室内機20の下方には、除霜水を受けるドレンパン48が配設されている。
【0014】
さて、本実施形態では、庫内温度を制御する部分に改良が施されている。そのため、図5に示すように、ともにマイクロコンピュータ等を搭載して所定のプログラムを実行する第1制御部51と第2制御部52とが設けられている。
第1制御部51は庫内温度優先制御を行うものであって、上記した保存室11内に庫内温度を検知する庫内温度センサ53が設けられ、この庫内温度センサ53が第1制御部51の入力側に接続されている。そして、庫内温度センサ53による検知温度が庫内温度の設定温度よりも低くなると冷凍機17が停止され、一方検知温度が設定温度よりも高くなると冷凍機17が駆動されるようになっている。
【0015】
第2制御部52は、ブライン温度優先制御を行うものであって、上記したタンク27内に、貯留されたブラインの温度を検知するブライン温度センサ54が設けられ、このブライン温度センサ54が第2制御部52の入力側に接続されている。そして、ブライン温度センサ54による検知温度がブライン温度の設定温度(上記の庫内温度の設定温度よりも1℃低い)よりも低くなると、冷凍機17が停止され、一方、検知温度が設定温度よりも高くなると、冷凍機17が駆動されるようになっている。
上記のように第1制御部51と第2制御部52の出力側には冷凍機17が配されることになるが、その間には、冷凍機17を、第1制御部51と第2制御部52とに選択的に切替接続可能な切替スイッチ55が介設されている。
【0016】
続いて、本実施形態の作用を説明する。
冷却運転は、以下のようにして行われる。まず、冷凍装置15が駆動されることで、図1の矢線Yに示すように冷媒が循環され、庫内では、熱交換部35の内側管路40を、図2,3の矢線Yに示す方向に流通する。それとともに、ポンプ30が駆動されることで、ブラインが、同図の矢線Xに示すように、タンク27、冷却器21のブライン配管23、熱交換部35にわたって循環流通する。
すなわちブラインは、熱交換部35の外側管路39を流通する間に、内側管路40を対向状に流通する冷媒との間で熱交換されることによって一次冷却され、この一次冷却されたブラインが一旦タンク27に貯留されたのち冷却器21のブライン配管23に循環供給され、すなわち冷却器21が冷却される。それとともに、冷却ファン46が駆動され、図1の矢線Z(細字)に示すように、吸引された庫内空気が冷却器21と熱交換して冷却されたのち庫内に吹き出されて循環され、庫内全体が高湿度を維持しつつ二次冷却される。
【0017】
ここで例えば、外気温度がさほど高くない通常時には、切替スイッチ55を第1制御部51に切替接続する。これにより庫内温度優先制御が行われ、この庫内温度優先制御では、庫内温度センサ53により庫内温度が検知され、その検知温度が庫内温度の設定温度よりも低くなると冷凍機17が停止され、一方検知温度が設定温度よりも高くなると冷凍機17が駆動され、以上の繰り返しにより、庫内温度がほぼ設定温度に維持される。特に、ブラインの温度すなわち冷却器21の温度が下げ止まりされないから、庫内が急速に設定温度まで冷却される。
すなわち、外気温度がさほど高くない通常時では、保存物を出し入れすべく扉を開けた場合にも庫内温度の上昇が小さく抑えられ、庫内温度による制御を行ってもブラインすなわち冷却器21の温度はさほど低下しなくて、庫内温度との間に温度差ができるおそれが少ないから、庫内の不必要な除湿を防止し、すなわち保存物の乾燥を防止しつつ、冷却スピードを重視した制御が行える。
【0018】
それに対して、夏場等の外気温度が高い時には、切替スイッチ55を第2制御部52に切替接続する。これによりブライン温度優先制御が行われ、このブライン温度優先制御では、ブライン温度センサ54によりブラインの温度が検知され、その検知温度がブライン温度の設定温度よりも低くなると冷凍機17が停止され、一方検知温度が設定温度よりも高くなると冷凍機17が駆動され、以上の繰り返しにより、ブラインの温度がほぼ設定温度に維持される。特に、ブラインの温度すなわち冷却器21の温度が下げ止まりされる。
【0019】
すなわち外気温度が高い場合は、扉を開けた場合の庫内温度の上昇が大きく、上記のような庫内温度制御を行うとブラインすなわち冷却器21の温度低下が顕著となって、庫内温度との間に大きな温度差ができるおそれがあるから、ブライン温度制御に切り替える。そうすると、ブラインの温度が設定温度以下に下がることが抑えられるから、冷却時間は長くなる可能性はあるが、庫内温度と冷却器21との温度差は小さく抑えられ、庫内が除湿されること、すなわち保存物が乾燥することが最小限に抑えられる。
【0020】
このように本実施形態では、庫内温度制御を行うに当たり、直接に庫内温度に基づく庫内温度優先制御手段と、ブラインの温度に基づくブライン温度優先制御手段とを備え、選択的に切り替えができるようにしたから、冷却スピードを重視する場合、あるいは保存物の乾燥防止を重視する場合といったように、外気温度等の条件に応じて、最適の制御形態を選択することができる。
【0021】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)制御形態を切り替える条件としては、例えば恒温高湿庫を初めに稼働する場合や、除霜運転の終了後冷却運転を再開する場合等には、冷却スピードが重視されるから、このような場合には、自動的に庫内温度優先制御に切り替えられるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ブライン温度優先制御を行う場合におけるブラインの設定温度を、庫内温度の設定温度よりも1℃低く設定した場合を例示したが、これは一例であって、ブラインが庫内を冷却する機能を果たしつつ、庫内温度との温度差を最小限に抑え得るように、ブライン温度の設定温度は、庫内温度の設定温度よりも僅かに低く設定すればよい。
(3)本発明は、ブラインのタンク、ポンプ等を室外機に備えた形式のものにも、同様に適用することができる。
(4)さらに二次冷媒としては、上記実施形態に例示したブライン以外にも、水等の液状冷媒、空気等の気体冷媒を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図
【図2】室内機の正面図
【図3】その側面図
【図4】二重管の一部切欠側面図
【図5】温度制御機構部のブロック図
【図6】従来例の概略構成図
【符号の説明】
10…本体 11…保存室 15…冷凍装置 17…冷凍機 21…冷却器 23…ブライン配管 27…タンク 30…ポンプ 35…熱交換部 51…第1制御部(庫内温度優先制御手段) 52…第2制御部(ブライン温度優先制御手段) 53…庫内温度センサ 54…ブライン温度センサ 55…切替スイッチ(切替手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブライン等の二次冷媒により庫内を冷却する保存庫に関し、特にその庫内温度制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
恒温高湿庫は、例えば生鮮食品の鮮度を長期にわたって維持できるように、庫内を高湿度に保ちつつ冷却するものであって、例えば特許文献1に記載されている。
これを概略的に示すと、図6のように、室外機として冷凍装置1と断熱性のタンク2とが設けられ、タンク2内に貯留されたブラインが、冷凍装置1の一部をなす蒸発器1Aと熱交換されて一次冷却され、この一次冷却されたブラインが、ポンプ3によりブライン配管4を介して保存庫本体5に設けられた冷却器6(室内機)に循環供給される。それとともに冷却ファン7が駆動され、吸引された庫内空気が冷却器6と熱交換して冷却されたのち庫内に吹き出されて循環され、庫内全体が二次冷却されるようになっている。この間、庫内温度の検知温度に基づいて冷凍装置1がオンオフ制御され、庫内温度が設定温度に維持される。通常の冷蔵庫とは異なり、庫内水分が蒸発器に霜として付着することが回避され、上記のように庫内が高湿度に保たれるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特公平3−56394号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、庫内に保存物を出し入れするために扉を開けた際、特に夏場等の外気温度が高いときには、庫内が大幅に温度上昇する。そうすると、上記のように、庫内温度に基づいて冷凍装置を制御するものでは、冷凍装置の駆動が継続されてブラインが急速に冷却され、それに伴い冷却器も低温となる。それにより、庫内温度は比較的早期に低下するが、冷却器の温度までは追随できずに温度差ができ、その結果冷却器に結露が生じ、すなわち庫内が除湿されてしまうおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、冷凍装置の一次冷媒により一次冷却された二次冷媒が、庫内に設けられた冷却器に循環供給されることで庫内が二次冷却されるようにした保存庫において、庫内温度を検知する庫内温度センサを備え、この庫内温度センサの検知温度に基づいて前記冷凍装置を制御運転することにより庫内温度を設定温度に保持する庫内温度優先制御手段と、二次冷媒の温度を検知する二次冷媒温度センサを備え、この二次冷媒温度センサの検知温度に基づいて前記冷凍装置を制御運転することにより二次冷媒の温度を設定温度に保持する二次冷媒温度優先制御手段とが備えられ、かつ前記両制御手段を選択的に切り替え可能な切替手段が設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
庫内温度優先制御では、庫内温度の検知温度に基づいて冷凍装置がオンオフ制御され、庫内温度が設定温度に維持される。二次冷媒の温度すなわち冷却器の温度が下げ止まりされず、庫内を急速に設定温度まで冷却することができる。冷却スピードを重視する場合に有効となる。
二次冷媒温度優先制御では、二次冷媒の検知温度に基づいて冷凍装置がオンオフ制御され、二次冷媒の温度が設定温度に維持される。二次冷媒の温度すなわち冷却器の温度が下げ止まりされるから、冷却時間は長くなる可能性はあるが、庫内温度と冷却器との温度差は小さく抑えられ、庫内が除湿されること、すなわち保存物が乾燥することが最小限に抑えられる。
そして両制御手段を切り替え可能であることにより、外気温度等の条件に応じて、冷却スピードを重視したものと、保存物の乾燥防止を重視したものとに、温度制御の態様を選択することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施形態はプレハブ式の恒温高湿庫を例示している。
図1において、符号10は複数枚の断熱パネルを箱形に組み付けてなる本体10であって、内部が保存室11となっており、保存室11内は基本的には、冷凍装置15により一次冷却されたブラインの冷熱を介して二次冷却されるようになっている。冷凍装置15は、圧縮機、凝縮器、膨張弁43及び蒸発器(内管38)を冷媒配管16によって循環接続することにより、公知の冷凍サイクルを構成したものである。なお、圧縮機と凝縮器とを合わせて冷凍機17という。
【0008】
本体10内の天井面には、ユニット化された室内機20が装備されているとともに、本体10の外部には、同じくユニット化された室外機13が設置されている。室外機13には、上記した冷凍装置15のうちの冷凍機17(圧縮機と凝縮器)のみが装備されている。
一方の室内機20は、図2及び図3に示すように、冷却器21、タンク27、ポンプ30及び熱交換部35とから構成されている。
冷却器21は、多数枚のフィン22が並設されるとともに、それらのフィン22をブライン配管23が蛇行状に貫通して配され、全体としてブロック状に形成されており、基板24の下面に取り付けられている。冷却器21内に配されたブライン配管23は、下端に入口25A、上端に出口25Bがそれぞれ設けられている。
【0009】
冷却器21の側方(図2の右側)には、ブラインを貯留するタンク27が隣接して配され、同じく基板24の下面にブラケット28により取り付けられている。また、タンク27の下面には、ブラインを圧送するポンプ30がブラケット31により取り付けられている。タンク27の底面に設けられた出口27Bには、ポンプ30の吸引口32Aが接続され、ポンプ30の吐出口32Bが、上記したブライン配管23の入口25Aと接続されている。
【0010】
タンク27の側面(図2の右側)には、熱交換部35が配設されている。この熱交換部35は、図4に示すように、ヘアピン状に形成された二重管36を、上下2組接続した構造となっている。二重管36は詳細には、ヘアピン状に回曲された外管37の中心に、内管38が同心に挿通された構造であり、この内管38は、上記した冷凍装置15の蒸発器を構成する蒸発管からなっている。外管37は、両端面が閉鎖されている一方、両端部の周面に流入口37Aと流出口37Bとが開口されている。
そして、1つの二重管36について見ると、ブラインは、図4の矢線X(太字)に示すように、流入口37Aから流入したのち、外管37と内管38(蒸発管)との間の外側管路39を流通して流出口37Bから流出し、一方、冷凍装置15の冷媒が、同図の矢線Y(白抜き)に示すように、内管38(蒸発管)内である内側管路40をブラインと対向する方向に流通するようになっている。
【0011】
上記のような二重管36が、図2及び図3に示すように上下に並んで配され、外管37については、下側の外管37の流出口37Bが上側の外管37の流入口37Aと接続管41により接続され、一方、蒸発管である内管38は、1本が両外管37の内部にわたって連続して挿通され、これにより熱交換部35が完成される。
また、上側の外管37の流出口37Bがタンク27の入口27Aと接続され、下側の外管37の流入口37Aに、上記した冷却器21内に配されたブライン配管23の上端の出口25Bが接続されている。
【0012】
上記の冷凍機17側から引き出された冷媒配管16の吸引端16Aと吐出端16Bとは、それぞれ本体10内に配管され、吐出端16Bが熱交換部35における内管38(蒸発管)の入口38Aと接続され、一方の吸引端16Aが、内管38(蒸発管)の出口38Bと接続されている。なお、内管38(蒸発管)の入口38Aには膨張弁43が設けられる一方、出口38Bには、膨張弁43の開度を調整することに機能する感温筒44が設けられている。
また、冷却器21における、タンク27が配設されたのとは隣接した側面(図1の右側)には、冷却ファン46が装備されている。
【0013】
なお、図3の3箇所の領域Aに示すように、冷媒配管16における庫内に導入された吸引端16Aと吐出端16B、さらには熱交換部35における外管37から突出した内管38(蒸発管)等、すなわち庫内において露出された冷媒配管16には、断熱材を巻装する等、断熱処理を施すとよい。
また、この実施形態では除霜運転が可能とされ、そのために冷却器21における冷却ファン46を配した側と反対側の面には、除霜ヒータ47が取り付けられているとともに、室内機20の下方には、除霜水を受けるドレンパン48が配設されている。
【0014】
さて、本実施形態では、庫内温度を制御する部分に改良が施されている。そのため、図5に示すように、ともにマイクロコンピュータ等を搭載して所定のプログラムを実行する第1制御部51と第2制御部52とが設けられている。
第1制御部51は庫内温度優先制御を行うものであって、上記した保存室11内に庫内温度を検知する庫内温度センサ53が設けられ、この庫内温度センサ53が第1制御部51の入力側に接続されている。そして、庫内温度センサ53による検知温度が庫内温度の設定温度よりも低くなると冷凍機17が停止され、一方検知温度が設定温度よりも高くなると冷凍機17が駆動されるようになっている。
【0015】
第2制御部52は、ブライン温度優先制御を行うものであって、上記したタンク27内に、貯留されたブラインの温度を検知するブライン温度センサ54が設けられ、このブライン温度センサ54が第2制御部52の入力側に接続されている。そして、ブライン温度センサ54による検知温度がブライン温度の設定温度(上記の庫内温度の設定温度よりも1℃低い)よりも低くなると、冷凍機17が停止され、一方、検知温度が設定温度よりも高くなると、冷凍機17が駆動されるようになっている。
上記のように第1制御部51と第2制御部52の出力側には冷凍機17が配されることになるが、その間には、冷凍機17を、第1制御部51と第2制御部52とに選択的に切替接続可能な切替スイッチ55が介設されている。
【0016】
続いて、本実施形態の作用を説明する。
冷却運転は、以下のようにして行われる。まず、冷凍装置15が駆動されることで、図1の矢線Yに示すように冷媒が循環され、庫内では、熱交換部35の内側管路40を、図2,3の矢線Yに示す方向に流通する。それとともに、ポンプ30が駆動されることで、ブラインが、同図の矢線Xに示すように、タンク27、冷却器21のブライン配管23、熱交換部35にわたって循環流通する。
すなわちブラインは、熱交換部35の外側管路39を流通する間に、内側管路40を対向状に流通する冷媒との間で熱交換されることによって一次冷却され、この一次冷却されたブラインが一旦タンク27に貯留されたのち冷却器21のブライン配管23に循環供給され、すなわち冷却器21が冷却される。それとともに、冷却ファン46が駆動され、図1の矢線Z(細字)に示すように、吸引された庫内空気が冷却器21と熱交換して冷却されたのち庫内に吹き出されて循環され、庫内全体が高湿度を維持しつつ二次冷却される。
【0017】
ここで例えば、外気温度がさほど高くない通常時には、切替スイッチ55を第1制御部51に切替接続する。これにより庫内温度優先制御が行われ、この庫内温度優先制御では、庫内温度センサ53により庫内温度が検知され、その検知温度が庫内温度の設定温度よりも低くなると冷凍機17が停止され、一方検知温度が設定温度よりも高くなると冷凍機17が駆動され、以上の繰り返しにより、庫内温度がほぼ設定温度に維持される。特に、ブラインの温度すなわち冷却器21の温度が下げ止まりされないから、庫内が急速に設定温度まで冷却される。
すなわち、外気温度がさほど高くない通常時では、保存物を出し入れすべく扉を開けた場合にも庫内温度の上昇が小さく抑えられ、庫内温度による制御を行ってもブラインすなわち冷却器21の温度はさほど低下しなくて、庫内温度との間に温度差ができるおそれが少ないから、庫内の不必要な除湿を防止し、すなわち保存物の乾燥を防止しつつ、冷却スピードを重視した制御が行える。
【0018】
それに対して、夏場等の外気温度が高い時には、切替スイッチ55を第2制御部52に切替接続する。これによりブライン温度優先制御が行われ、このブライン温度優先制御では、ブライン温度センサ54によりブラインの温度が検知され、その検知温度がブライン温度の設定温度よりも低くなると冷凍機17が停止され、一方検知温度が設定温度よりも高くなると冷凍機17が駆動され、以上の繰り返しにより、ブラインの温度がほぼ設定温度に維持される。特に、ブラインの温度すなわち冷却器21の温度が下げ止まりされる。
【0019】
すなわち外気温度が高い場合は、扉を開けた場合の庫内温度の上昇が大きく、上記のような庫内温度制御を行うとブラインすなわち冷却器21の温度低下が顕著となって、庫内温度との間に大きな温度差ができるおそれがあるから、ブライン温度制御に切り替える。そうすると、ブラインの温度が設定温度以下に下がることが抑えられるから、冷却時間は長くなる可能性はあるが、庫内温度と冷却器21との温度差は小さく抑えられ、庫内が除湿されること、すなわち保存物が乾燥することが最小限に抑えられる。
【0020】
このように本実施形態では、庫内温度制御を行うに当たり、直接に庫内温度に基づく庫内温度優先制御手段と、ブラインの温度に基づくブライン温度優先制御手段とを備え、選択的に切り替えができるようにしたから、冷却スピードを重視する場合、あるいは保存物の乾燥防止を重視する場合といったように、外気温度等の条件に応じて、最適の制御形態を選択することができる。
【0021】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)制御形態を切り替える条件としては、例えば恒温高湿庫を初めに稼働する場合や、除霜運転の終了後冷却運転を再開する場合等には、冷却スピードが重視されるから、このような場合には、自動的に庫内温度優先制御に切り替えられるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ブライン温度優先制御を行う場合におけるブラインの設定温度を、庫内温度の設定温度よりも1℃低く設定した場合を例示したが、これは一例であって、ブラインが庫内を冷却する機能を果たしつつ、庫内温度との温度差を最小限に抑え得るように、ブライン温度の設定温度は、庫内温度の設定温度よりも僅かに低く設定すればよい。
(3)本発明は、ブラインのタンク、ポンプ等を室外機に備えた形式のものにも、同様に適用することができる。
(4)さらに二次冷媒としては、上記実施形態に例示したブライン以外にも、水等の液状冷媒、空気等の気体冷媒を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図
【図2】室内機の正面図
【図3】その側面図
【図4】二重管の一部切欠側面図
【図5】温度制御機構部のブロック図
【図6】従来例の概略構成図
【符号の説明】
10…本体 11…保存室 15…冷凍装置 17…冷凍機 21…冷却器 23…ブライン配管 27…タンク 30…ポンプ 35…熱交換部 51…第1制御部(庫内温度優先制御手段) 52…第2制御部(ブライン温度優先制御手段) 53…庫内温度センサ 54…ブライン温度センサ 55…切替スイッチ(切替手段)
Claims (1)
- 冷凍装置の一次冷媒により一次冷却された二次冷媒が、庫内に設けられた冷却器に循環供給されることで庫内が二次冷却されるようにした保存庫において、
庫内温度を検知する庫内温度センサを備え、この庫内温度センサの検知温度に基づいて前記冷凍装置を制御運転することにより庫内温度を設定温度に保持する庫内温度優先制御手段と、
二次冷媒の温度を検知する二次冷媒温度センサを備え、この二次冷媒温度センサの検知温度に基づいて前記冷凍装置を制御運転することにより二次冷媒の温度を設定温度に保持する二次冷媒温度優先制御手段とが備えられ、
かつ前記両制御手段を選択的に切り替え可能な切替手段が設けられていることを特徴とする保存庫。
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