JP2004353926A - 乾燥品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被乾燥物を出口液分が限界含水率以下まで乾燥させる、すなわち被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えて乾燥を行い、また、乾燥品の状態としては、各種取扱いの面から利便性のよい粒状物として製造する方法を提供する。
【解決手段】恒率乾燥期間では、被乾燥物を円筒若しくは溝型容器中に入れて、容器中のその軸方向に間隔をおいて設けられた回転攪拌翼により、被乾燥物を、攪拌状態で乾燥させる攪拌乾燥機による第1の乾燥工程と、減率乾燥期間では、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管を複数重ねて配管した容器中に、被乾燥物を入れ、当該加熱管から被乾燥物への伝導伝熱によって被乾燥物を乾燥させる加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程との、それぞれの工程により、被乾燥物から乾燥品を製造する。
【選択図】図1
【解決手段】恒率乾燥期間では、被乾燥物を円筒若しくは溝型容器中に入れて、容器中のその軸方向に間隔をおいて設けられた回転攪拌翼により、被乾燥物を、攪拌状態で乾燥させる攪拌乾燥機による第1の乾燥工程と、減率乾燥期間では、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管を複数重ねて配管した容器中に、被乾燥物を入れ、当該加熱管から被乾燥物への伝導伝熱によって被乾燥物を乾燥させる加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程との、それぞれの工程により、被乾燥物から乾燥品を製造する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学工場、下水処理場等で生じる被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化学工場、下水処理場等で生じる被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する装置としては、様々な種類の乾燥機が知られている。
【0003】
特に、被乾燥物として化学工場、下水処理場などで生じる各種汚泥等から乾燥品を製造する場合には、回転攪拌翼を備えた攪拌乾燥機が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特許出願公告平3−49040号(3頁、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被乾燥物を乾燥させ、出口液分を限界含水率以下(汚泥の場合では含水率10%以下)の乾燥品を上記の攪拌乾燥機のみで製造する場合においては、以下のような問題点がある。
【0005】
第1に、限界含水率が含水率10%超の被乾燥物のときには、当該被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間とにわたって、攪拌乾燥機により、この被乾燥物を乾燥させることになるため、限界含水率を境にして減率乾燥期間では、恒率乾燥期間に比して、当然のことながら、乾燥速度(kg/hr・m2)が著しく遅くなる(汚泥の場合では、恒率乾燥期間:約15kg/hr・m2 、減率乾燥期間:約5〜8kg/hr・m2)。したがって、減率乾燥期間でも、乾燥速度(kg/hr・m2)の低下を抑えようとすれば、攪拌乾燥機を大型化する必要があり、製造コストが大幅にアップしてしまうと共に、消費動力が増大するためランニングコストもアップする。
【0006】
第2に、一般に恒率乾燥区間では被乾燥物の表面付着水の蒸発が支配的であるため、この区間では攪拌乾燥機により被乾燥物を乾燥させても支障はない。しかし、減率乾燥区間では被乾燥物の内部に保有する水分の蒸発拡散が支配的であるので、この減率乾燥区間では、乾燥効率の観点から、キャリアガスとの接触をより多く必要とするため、攪拌乾燥機では効率がよくない。
【0007】
第3に、一般に汚泥等の場合、減率乾燥区間では被乾燥物が硬化しており、この被乾燥物が攪拌乾燥機に設けられた回転攪拌翼の表面(伝熱面)と接触することにより、回転攪拌翼の表面(伝熱面)が磨耗し、回転攪拌翼を頻繁にメンテナンスする必要がある。
【0008】
第4に、被乾燥物が、例えば化学工場、下水処理場などで生じる各種汚泥等である場合には、乾燥された乾燥品はコンポスト(堆肥)化され、緑農地の肥料や土地改良材等として有効利用されるが、その際、乾燥品へのカビの繁殖を防ぐためには、含水率10%以下の減率乾燥期間までの乾燥が必要であること、及び乾燥品の状態としては、粉体物よりも粒状物のほうが各種取扱いの面から便利であるため、粒状物で製造される必要がある。
【0009】
しかしながら、上記に述べたように製造コストや、消費動力の増大及びメンテナンス等のランニングコストがかかると共に、攪拌乾燥機の容器内で被乾燥物は、間隔を密に連設された回転攪拌翼との接触により、粉体化してしまうので、乾燥品の状態としては、取扱いの面から不便利である。
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、被乾燥物を出口液分が限界含水率以下まで乾燥させる、すなわち被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えて乾燥を行い、また、乾燥品の状態としては、各種取扱いの面から利便性のよい粒状物として製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する方法であって、前記恒率乾燥期間では、前記被乾燥物を円筒若しくは溝型容器中に入れて、前記容器中のその軸方向に間隔をおいて設けられた回転攪拌翼により、前記被乾燥物を、攪拌状態で乾燥させる攪拌乾燥機による第1の乾燥工程と、前記減率乾燥期間では、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管を複数重ねて配管した容器中に、被乾燥物を入れ、当該加熱管から被乾燥物への伝導伝熱によって当該被乾燥物を乾燥させる加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程とからなる、ことを特徴とする乾燥品の製造方法である。
【0012】
(作用効果)
請求項1記載の発明では、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させることにより、換言すれば、恒率乾燥期間では、攪拌乾燥機を用いて乾燥を行い、また、減率乾燥期間では、加熱管付き回転乾燥機を用いて乾燥を行うことにより、攪拌乾燥機の大型化を避けて製造コストを抑え、また、消費動力を低く抑えられること、回転攪拌翼の磨耗対策が不要であることより、ランニングコストを抑えることができる。すなわち、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0013】
さらに、第2の乾燥工程で用いる加熱管付き回転乾燥機では、主として加熱管との接触により伝導伝熱が行われるが、被乾燥物を回転円筒内で掻きあげ、その蒸発水分を回転円筒内の自然通気又はキャリアガスによって取り除く構造を有している。そのため、減率乾燥区間での乾燥効率が向上すると共に、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがない。
【0014】
また、第1の乾燥工程から排出され、第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0015】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、前記第1の乾燥工程における攪拌乾燥機は、伝熱受熱式又は熱風受熱式である、請求項1記載の乾燥品の製造方法である。
【0016】
(作用効果)
請求項2記載の発明では、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させることにより、換言すれば、恒率乾燥期間では、伝熱受熱式又は熱風受熱式攪拌乾燥機を用いて乾燥を行い、また、減率乾燥期間では、加熱管付き回転乾燥機を用いて乾燥を行うことにより、伝熱受熱式又は熱風受熱式攪拌乾燥機の大型化を避けて製造コストを抑え、また、消費動力を低く抑えられること、回転攪拌翼の磨耗対策が不要であることより、ランニングコストを抑えることができる。すなわち、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0017】
さらに、第2の乾燥工程で用いる加熱管付き回転乾燥機では、主として加熱管との接触により伝導伝熱が行われるが、被乾燥物を回転円筒内で掻きあげ、その蒸発水分を回転円筒内の自然通気又はキャリアガスによって取り除く構造を有している。そのため、減率乾燥区間での乾燥効率が向上すると共に、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがない。
【0018】
また、第1の乾燥工程から排出され、第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0019】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、前記第1の乾燥工程における前記伝熱受熱式攪拌乾燥機は、前記容器の胴部ジャケットによって容器壁を加熱面とするもの、若しくは前記回転攪拌翼が中空構造であり、この中空構造内に熱媒を通し、前記回転攪拌翼面を加熱面とするもの、又はこれらを併用するものである、請求項2記載の乾燥品の製造方法である。
【0020】
(作用効果)
請求項3記載の発明では、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させることにより、換言すれば、恒率乾燥期間では、各種伝熱受熱式攪拌乾燥機を用いて乾燥を行い、また、減率乾燥期間では、加熱管付き回転乾燥機を用いて乾燥を行うことにより、各種伝熱受熱式攪拌乾燥機の大型化を避けて製造コストを抑え、また、消費動力を低く抑えられること、回転攪拌翼の磨耗対策が不要であることより、ランニングコストを抑えることができる。すなわち、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0021】
さらに、第2の乾燥工程で用いる加熱管付き回転乾燥機では、主として加熱管との接触により伝導伝熱が行われるが、被乾燥物を回転円筒内で掻きあげ、その蒸発水分を回転円筒内の自然通気又はキャリアガスによって取り除く構造を有している。そのため、恒率乾燥区間での乾燥効率が向上すると共に、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがない。
【0022】
また、第1の乾燥工程から排出され、第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0023】
<請求項4記載の発明>
請求項4記載の発明は、前記被乾燥物は、余剰汚泥である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乾燥品の製造方法である。
【0024】
(作用効果)
請求項4記載の発明では、被乾燥物が、余剰汚泥であることにより、乾燥された乾燥品はコンポスト(堆肥)化され、緑農地の肥料や土地改良材等として有効利用することができる。
【0025】
さらに、加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程において、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがなく、また、第1の乾燥工程から排出され第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0026】
<請求項5記載の発明>
請求項5記載の発明は、含水率80〜85%の前記余剰汚泥を、前記第1の乾燥工程により含水率20〜40%にまで乾燥させ、前記第2の乾燥工程により含水率0〜5%にまで乾燥させる、請求項4記載の乾燥品の製造方法である。
【0027】
(作用効果)
請求項5記載の発明では、含水率80〜85%の余剰汚泥を、第1の乾燥工程により含水率20〜40%にまで乾燥させ、第2の乾燥工程により含水率0〜5%にまで乾燥させている。一般的に、余剰汚泥の限界含水率は含水率20〜40%程度であるため、この範囲を境に恒率乾燥期間と減率乾燥期間に分けることができる。すなわち、恒率乾燥期間に含まれる含水率20〜40%にまで第1の乾燥工程により乾燥させ、減率乾燥期間に含まれる含水率0〜5%にまで第2の乾燥工程により乾燥させることにより、余剰汚泥の乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0028】
さらに、加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程において、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがなく、また、第1の乾燥工程から排出され第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、各工程のフローの概略を説明する。図1に示すように、まず、被乾燥物を第1の乾燥工程である攪拌乾燥機に連続供給し、被乾燥物の恒率乾燥期間の間は、この攪拌乾燥機で乾燥させる。次に、攪拌乾燥機で乾燥処理されたものを、第2の乾燥工程である加熱管付き回転乾燥機内に連続供給し、被乾燥物の減率乾燥期間の間乾燥させる。そして、乾燥品の用途に合わせた所定の含水率まで乾燥させた後に、加熱管付き回転乾燥機内から乾燥品を連続排出する。なお、限界含水率、恒率乾燥期間及び減率乾燥期間は被乾燥物の物性等によって変化するものであるから、一律に決められるものではない。ここで、被乾燥物が余剰汚泥である場合には、一般的に、余剰汚泥の限界含水率は含水率20〜40%程度であるため、この範囲を境に恒率乾燥期間と減率乾燥期間に分けることができる。具体的には、攪拌乾燥機の入口で含水率80〜85%の余剰汚泥を、恒率乾燥期間に含まれる含水率20〜40%にまでを第1の乾燥工程により乾燥させ、減率乾燥期間に含まれる含水率0〜5%にまでを第2の乾燥工程により乾燥させればよい。
【0030】
次に、各工程について詳述する。
図2(1),図2(2)には、第1の乾燥工程で用いられる攪拌乾燥機のうち伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機であって、容器の胴部ジャケット1によって容器壁を加熱面とすると共に、回転攪拌翼2が中空構造であり、この中空構造内に熱媒を通し、回転攪拌翼面を加熱面としているタイプの乾燥機を示されている。ここで、 図2(1)は、この伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の正面図及び長手方向部分断面図であり、図2(2)には、幅方向断面図を示している。
【0031】
この伝熱受熱式攪拌乾燥機の基本的な構成としては、容器の長手方向に回転軸3が2軸併設されて、この回転軸3に間隔をおいて回転攪拌翼2が設けられている。回転攪拌翼2は、中空構造であり、容器に設けた熱媒入口より蒸気等の熱媒を導入して、この回転攪拌翼2に接触する被乾燥物を加熱できる構造になっている。また、容器の底部には、胴部ジャケット1が設けられており、これにより容器壁を加熱し、容器壁に接触した被乾燥物を乾燥できるようになっている。
【0032】
この種の伝熱受熱式攪拌乾燥機は公知であり、本発明は、上記の基本構成に限定されるものではない。例えば、図2(2)に示したような2軸シャフトでなくともよく、1軸又は4軸等の多軸シャフトでもよい。また、図示はしないが、回転攪拌翼により被乾燥物を攪拌し、跳ね上げて熱風と並流に接触させながら乾燥させる熱風受熱式乾燥機でもよい。
【0033】
図2(1),図2(2)に示した、伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機についての動作説明をすると、蒸気等の熱媒により表面が加熱されている回転攪拌翼2は、駆動モーター4の回転により、回転軸3を介して回転している。この回転により、被乾燥物が攪拌され、そして回転攪拌翼2の表面との被乾燥物の接触や加熱された容器壁との接触により、被乾燥物が乾燥される。
【0034】
ここで、この伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機で、被乾燥物の内部に保有する水分の蒸発、拡散が支配的である減率乾燥期間まで乾燥を行うこととすると、以下の理由で問題がある。
【0035】
第1に、減率乾燥期間では、被乾燥物とキャリアガスとの接触を多く必要とするものであるにもかかわらず、上記伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機では、伝熱効率を上げるために被乾燥物の充填率を80〜100%で運転する必要があり、この場合、容器内の上部と下部とでキャリアガスと被乾燥物との接触の度合いに差が生じてしまい、乾燥効率がよくない。
【0036】
第2に、仮に、充填率を下げても、回転攪拌翼2と容器の隙間に被乾燥物が滞留してしまい、滞留した被乾燥物を攪拌できなくなる等の混合のムラを生じ、やはり、キャリアガスと被乾燥物との接触の度合いに差が生じてしまい、乾燥効率がよくない。
【0037】
第3に、乾燥により被乾燥物が硬化しており、この被乾燥物が攪拌乾燥機に設けられた回転攪拌翼2の表面と接触することにより、回転攪拌翼2の表面が磨耗し、回転攪拌翼2を頻繁にメンテナンスする必要が生じる。
【0038】
第4に、容器内で被乾燥物は、間隔を密に連設された回転攪拌翼2との接触により、粒径1mm以下の粉体になってしまうので、乾燥品の状態としては、取扱いの面から不便利である。
【0039】
そこで、本発明では、伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機での乾燥を恒率乾燥期間に限ることにより、乾燥効率を向上させると共に、回転攪拌翼2の表面が磨耗しない程度までの被乾燥物の個体の硬化に留め、また粉体化を防ぎ、上記の弊害を避けている。
【0040】
なお、被乾燥物が余剰汚泥の場合には、入口で含水率80〜85%の余剰汚泥を投入し、含水率20〜40%にまで乾燥させ、出口から排出する。
【0041】
図3には、第2の乾燥工程で用いられる加熱管付き回転乾燥機が示されている。この加熱管付き回転乾燥機の基本的な構成としては、駆動モーター6により、ピニオンギヤ7、ガースギヤ8を介して回転円筒9がその軸心回りに回転するようになっている。この回転円筒9の内壁には、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管5が複数重ねて配管されている。そして、この加熱管5は、熱媒として蒸気等が導入されることにより、加熱され、被乾燥物に対して熱伝導して凝集した水等はドレーン出口から排出される。
【0042】
さらに、回転円筒9の内部には、キャリアガス入口から、空気(自然通気)やキャリアガスが導入され、これらは個体の内部から移動した水分を吸収して出口より排出される。
【0043】
この種の加熱管付き回転乾燥機は公知であり、本発明は、上記の基本構成に限定されるものではない。また、加熱管付き回転乾燥機ではなく、回転円筒内部に被乾燥物を掻きあげるための、掻きあげ翼を有し、熱風が向流若しくは並流に供給される形式の回転乾燥機であってもよい。
【0044】
図3に示した、加熱管付き回転乾燥機についての動作説明をすると、蒸気等の熱媒により表面が加熱されている加熱管5は、回転円筒9の回転に伴って回転し、この回転により被乾燥物が攪拌され、そして加熱管5の表面との被乾燥物の接触により、個体の温度を上昇させ、個体内部から表面に移動した水分を、空気やキャリアガスが吸収し、個体は乾燥される。このことに伴い、回転円筒9の内部で攪拌された個体は転動造粒されて、粒径2〜5mm程度の砂状の粒体が形成される。
【0045】
減率乾燥期間では、個体の含水率は、回転円筒9の内部の空気やキャリアガスの乾燥条件と平衡した平衡含水率に到達すると変化しなくなるものであるから、被乾燥物の物性及び乾燥品の用途に合わせた所定の含水率まで乾燥させた後に加熱管付き回転乾燥機の出口から乾燥品を排出すればよい。
【0046】
なお、被乾燥物が余剰汚泥の場合には、第1の乾燥工程を経た含水率20〜40%の被乾燥物を投入し、含水率0〜5%にまで乾燥させ、乾燥品を出口から排出する。
【0047】
【実施例】
以下では、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、恒率乾燥を伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機で行い、減率乾燥を加熱管付き回転乾燥機により行う実施例と、恒率乾燥及び減率乾燥を伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機のみで行う従来例を比較した。なお、実施例、従来例とも被乾燥物としては余剰汚泥を用いていた。表1は、実施例と従来例における伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の性能比較を示しており、表2は、実施例における加熱管付き回転乾燥機の性能を示している。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
実施例の伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の入口に、含水率85%まで脱水された汚泥を単位時間当たり2,500(kg/hr)で連続供給し、出口から含水率35%の汚泥を単位時間当たり577(kg/hr)で連続排出した。この間の乾燥速度(kg/hr・m2)は、11kg/hr・m2であった。また、汚泥の性状は、入口では泥状であり、出口では粒径5〜10mm程度の粒状で表面が若干湿った状態であった。
【0051】
そして次に、出口から排出された含水率35%の汚泥を、加熱管付き回転乾燥機の入口に、単位時間当たり577(kg/hr)で連続供給し、出口から含水率10%の汚泥を単位時間当たり416.6(kg/hr)で連続排出した。この間の乾燥速度(kg/hr・m2)は、2.5kg/hr・m2であった。また、汚泥の性状は、出口から排出された乾燥品は粒径2〜5mm程度の砂状の粒状物であった。
【0052】
これに対し、従来例の伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の入口に、含水率85%まで脱水された汚泥を単位時間当たり2,500(kg/hr)で連続供給し、出口から含水率10%の汚泥を単位時間当たり416.6(kg/hr)で連続排出した。この間の乾燥速度(kg/hr・m2)は、8.5kg/hr・m2であった。また、汚泥の性状は、入口では泥状であり、出口から排出された乾燥品は粒径100μ〜1mm程度の粉状であった。
【0053】
また、実施例と従来例とのランニングコスト比較であるが、必要動力としては、それぞれ101kW、150kWであることから、実施例の消費動力は従来例の約67%で済むこととなる。
【0054】
さらに、伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の回転攪拌翼と回転軸の外観比較を行った結果、従来例では、回転攪拌翼と回転軸の磨耗が激しく、傷も多数見受けられた。これに対して、実施例では、磨耗や傷は見受けられなかった。
【0055】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、被乾燥物を出口液分が限界含水率以下まで乾燥させる、すなわち被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えて乾燥を行い、また、乾燥品の状態としては、各種取扱いの面から利便性のよい粒状物として製造できる等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の乾燥工程及び第2の乾燥工程のフロー図である。
【図2】本発明に係る第1の乾燥工程に用いられる伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の概略図である。
【図3】本発明に係る第1の乾燥工程に用いられる加熱管付き回転乾燥機の概略斜視図である。
【符号の説明】
1…胴部ジャケット、2…回転攪拌翼、3…回転軸、4…駆動モーター、5…加熱管、6…駆動モーター、7…ピニオンギヤ、8…ガースギヤ、9…回転円筒。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学工場、下水処理場等で生じる被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化学工場、下水処理場等で生じる被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する装置としては、様々な種類の乾燥機が知られている。
【0003】
特に、被乾燥物として化学工場、下水処理場などで生じる各種汚泥等から乾燥品を製造する場合には、回転攪拌翼を備えた攪拌乾燥機が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特許出願公告平3−49040号(3頁、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被乾燥物を乾燥させ、出口液分を限界含水率以下(汚泥の場合では含水率10%以下)の乾燥品を上記の攪拌乾燥機のみで製造する場合においては、以下のような問題点がある。
【0005】
第1に、限界含水率が含水率10%超の被乾燥物のときには、当該被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間とにわたって、攪拌乾燥機により、この被乾燥物を乾燥させることになるため、限界含水率を境にして減率乾燥期間では、恒率乾燥期間に比して、当然のことながら、乾燥速度(kg/hr・m2)が著しく遅くなる(汚泥の場合では、恒率乾燥期間:約15kg/hr・m2 、減率乾燥期間:約5〜8kg/hr・m2)。したがって、減率乾燥期間でも、乾燥速度(kg/hr・m2)の低下を抑えようとすれば、攪拌乾燥機を大型化する必要があり、製造コストが大幅にアップしてしまうと共に、消費動力が増大するためランニングコストもアップする。
【0006】
第2に、一般に恒率乾燥区間では被乾燥物の表面付着水の蒸発が支配的であるため、この区間では攪拌乾燥機により被乾燥物を乾燥させても支障はない。しかし、減率乾燥区間では被乾燥物の内部に保有する水分の蒸発拡散が支配的であるので、この減率乾燥区間では、乾燥効率の観点から、キャリアガスとの接触をより多く必要とするため、攪拌乾燥機では効率がよくない。
【0007】
第3に、一般に汚泥等の場合、減率乾燥区間では被乾燥物が硬化しており、この被乾燥物が攪拌乾燥機に設けられた回転攪拌翼の表面(伝熱面)と接触することにより、回転攪拌翼の表面(伝熱面)が磨耗し、回転攪拌翼を頻繁にメンテナンスする必要がある。
【0008】
第4に、被乾燥物が、例えば化学工場、下水処理場などで生じる各種汚泥等である場合には、乾燥された乾燥品はコンポスト(堆肥)化され、緑農地の肥料や土地改良材等として有効利用されるが、その際、乾燥品へのカビの繁殖を防ぐためには、含水率10%以下の減率乾燥期間までの乾燥が必要であること、及び乾燥品の状態としては、粉体物よりも粒状物のほうが各種取扱いの面から便利であるため、粒状物で製造される必要がある。
【0009】
しかしながら、上記に述べたように製造コストや、消費動力の増大及びメンテナンス等のランニングコストがかかると共に、攪拌乾燥機の容器内で被乾燥物は、間隔を密に連設された回転攪拌翼との接触により、粉体化してしまうので、乾燥品の状態としては、取扱いの面から不便利である。
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、被乾燥物を出口液分が限界含水率以下まで乾燥させる、すなわち被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えて乾燥を行い、また、乾燥品の状態としては、各種取扱いの面から利便性のよい粒状物として製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する方法であって、前記恒率乾燥期間では、前記被乾燥物を円筒若しくは溝型容器中に入れて、前記容器中のその軸方向に間隔をおいて設けられた回転攪拌翼により、前記被乾燥物を、攪拌状態で乾燥させる攪拌乾燥機による第1の乾燥工程と、前記減率乾燥期間では、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管を複数重ねて配管した容器中に、被乾燥物を入れ、当該加熱管から被乾燥物への伝導伝熱によって当該被乾燥物を乾燥させる加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程とからなる、ことを特徴とする乾燥品の製造方法である。
【0012】
(作用効果)
請求項1記載の発明では、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させることにより、換言すれば、恒率乾燥期間では、攪拌乾燥機を用いて乾燥を行い、また、減率乾燥期間では、加熱管付き回転乾燥機を用いて乾燥を行うことにより、攪拌乾燥機の大型化を避けて製造コストを抑え、また、消費動力を低く抑えられること、回転攪拌翼の磨耗対策が不要であることより、ランニングコストを抑えることができる。すなわち、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0013】
さらに、第2の乾燥工程で用いる加熱管付き回転乾燥機では、主として加熱管との接触により伝導伝熱が行われるが、被乾燥物を回転円筒内で掻きあげ、その蒸発水分を回転円筒内の自然通気又はキャリアガスによって取り除く構造を有している。そのため、減率乾燥区間での乾燥効率が向上すると共に、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがない。
【0014】
また、第1の乾燥工程から排出され、第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0015】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、前記第1の乾燥工程における攪拌乾燥機は、伝熱受熱式又は熱風受熱式である、請求項1記載の乾燥品の製造方法である。
【0016】
(作用効果)
請求項2記載の発明では、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させることにより、換言すれば、恒率乾燥期間では、伝熱受熱式又は熱風受熱式攪拌乾燥機を用いて乾燥を行い、また、減率乾燥期間では、加熱管付き回転乾燥機を用いて乾燥を行うことにより、伝熱受熱式又は熱風受熱式攪拌乾燥機の大型化を避けて製造コストを抑え、また、消費動力を低く抑えられること、回転攪拌翼の磨耗対策が不要であることより、ランニングコストを抑えることができる。すなわち、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0017】
さらに、第2の乾燥工程で用いる加熱管付き回転乾燥機では、主として加熱管との接触により伝導伝熱が行われるが、被乾燥物を回転円筒内で掻きあげ、その蒸発水分を回転円筒内の自然通気又はキャリアガスによって取り除く構造を有している。そのため、減率乾燥区間での乾燥効率が向上すると共に、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがない。
【0018】
また、第1の乾燥工程から排出され、第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0019】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、前記第1の乾燥工程における前記伝熱受熱式攪拌乾燥機は、前記容器の胴部ジャケットによって容器壁を加熱面とするもの、若しくは前記回転攪拌翼が中空構造であり、この中空構造内に熱媒を通し、前記回転攪拌翼面を加熱面とするもの、又はこれらを併用するものである、請求項2記載の乾燥品の製造方法である。
【0020】
(作用効果)
請求項3記載の発明では、恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させることにより、換言すれば、恒率乾燥期間では、各種伝熱受熱式攪拌乾燥機を用いて乾燥を行い、また、減率乾燥期間では、加熱管付き回転乾燥機を用いて乾燥を行うことにより、各種伝熱受熱式攪拌乾燥機の大型化を避けて製造コストを抑え、また、消費動力を低く抑えられること、回転攪拌翼の磨耗対策が不要であることより、ランニングコストを抑えることができる。すなわち、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0021】
さらに、第2の乾燥工程で用いる加熱管付き回転乾燥機では、主として加熱管との接触により伝導伝熱が行われるが、被乾燥物を回転円筒内で掻きあげ、その蒸発水分を回転円筒内の自然通気又はキャリアガスによって取り除く構造を有している。そのため、恒率乾燥区間での乾燥効率が向上すると共に、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがない。
【0022】
また、第1の乾燥工程から排出され、第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0023】
<請求項4記載の発明>
請求項4記載の発明は、前記被乾燥物は、余剰汚泥である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乾燥品の製造方法である。
【0024】
(作用効果)
請求項4記載の発明では、被乾燥物が、余剰汚泥であることにより、乾燥された乾燥品はコンポスト(堆肥)化され、緑農地の肥料や土地改良材等として有効利用することができる。
【0025】
さらに、加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程において、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがなく、また、第1の乾燥工程から排出され第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0026】
<請求項5記載の発明>
請求項5記載の発明は、含水率80〜85%の前記余剰汚泥を、前記第1の乾燥工程により含水率20〜40%にまで乾燥させ、前記第2の乾燥工程により含水率0〜5%にまで乾燥させる、請求項4記載の乾燥品の製造方法である。
【0027】
(作用効果)
請求項5記載の発明では、含水率80〜85%の余剰汚泥を、第1の乾燥工程により含水率20〜40%にまで乾燥させ、第2の乾燥工程により含水率0〜5%にまで乾燥させている。一般的に、余剰汚泥の限界含水率は含水率20〜40%程度であるため、この範囲を境に恒率乾燥期間と減率乾燥期間に分けることができる。すなわち、恒率乾燥期間に含まれる含水率20〜40%にまで第1の乾燥工程により乾燥させ、減率乾燥期間に含まれる含水率0〜5%にまで第2の乾燥工程により乾燥させることにより、余剰汚泥の乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えることができる。
【0028】
さらに、加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程において、乾燥機内部には回転攪拌翼がないので、内部で被乾燥物の個体が粉砕、粉体化されることがなく、また、第1の乾燥工程から排出され第2の乾燥工程に供給される粉体の表面がある程度湿った状態にあれば、乾燥機内部での転動造粒が行われ、乾燥品の状態としては、粒状物が製造される。したがって、乾燥品として各種取扱いの面で利便性がよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、各工程のフローの概略を説明する。図1に示すように、まず、被乾燥物を第1の乾燥工程である攪拌乾燥機に連続供給し、被乾燥物の恒率乾燥期間の間は、この攪拌乾燥機で乾燥させる。次に、攪拌乾燥機で乾燥処理されたものを、第2の乾燥工程である加熱管付き回転乾燥機内に連続供給し、被乾燥物の減率乾燥期間の間乾燥させる。そして、乾燥品の用途に合わせた所定の含水率まで乾燥させた後に、加熱管付き回転乾燥機内から乾燥品を連続排出する。なお、限界含水率、恒率乾燥期間及び減率乾燥期間は被乾燥物の物性等によって変化するものであるから、一律に決められるものではない。ここで、被乾燥物が余剰汚泥である場合には、一般的に、余剰汚泥の限界含水率は含水率20〜40%程度であるため、この範囲を境に恒率乾燥期間と減率乾燥期間に分けることができる。具体的には、攪拌乾燥機の入口で含水率80〜85%の余剰汚泥を、恒率乾燥期間に含まれる含水率20〜40%にまでを第1の乾燥工程により乾燥させ、減率乾燥期間に含まれる含水率0〜5%にまでを第2の乾燥工程により乾燥させればよい。
【0030】
次に、各工程について詳述する。
図2(1),図2(2)には、第1の乾燥工程で用いられる攪拌乾燥機のうち伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機であって、容器の胴部ジャケット1によって容器壁を加熱面とすると共に、回転攪拌翼2が中空構造であり、この中空構造内に熱媒を通し、回転攪拌翼面を加熱面としているタイプの乾燥機を示されている。ここで、 図2(1)は、この伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の正面図及び長手方向部分断面図であり、図2(2)には、幅方向断面図を示している。
【0031】
この伝熱受熱式攪拌乾燥機の基本的な構成としては、容器の長手方向に回転軸3が2軸併設されて、この回転軸3に間隔をおいて回転攪拌翼2が設けられている。回転攪拌翼2は、中空構造であり、容器に設けた熱媒入口より蒸気等の熱媒を導入して、この回転攪拌翼2に接触する被乾燥物を加熱できる構造になっている。また、容器の底部には、胴部ジャケット1が設けられており、これにより容器壁を加熱し、容器壁に接触した被乾燥物を乾燥できるようになっている。
【0032】
この種の伝熱受熱式攪拌乾燥機は公知であり、本発明は、上記の基本構成に限定されるものではない。例えば、図2(2)に示したような2軸シャフトでなくともよく、1軸又は4軸等の多軸シャフトでもよい。また、図示はしないが、回転攪拌翼により被乾燥物を攪拌し、跳ね上げて熱風と並流に接触させながら乾燥させる熱風受熱式乾燥機でもよい。
【0033】
図2(1),図2(2)に示した、伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機についての動作説明をすると、蒸気等の熱媒により表面が加熱されている回転攪拌翼2は、駆動モーター4の回転により、回転軸3を介して回転している。この回転により、被乾燥物が攪拌され、そして回転攪拌翼2の表面との被乾燥物の接触や加熱された容器壁との接触により、被乾燥物が乾燥される。
【0034】
ここで、この伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機で、被乾燥物の内部に保有する水分の蒸発、拡散が支配的である減率乾燥期間まで乾燥を行うこととすると、以下の理由で問題がある。
【0035】
第1に、減率乾燥期間では、被乾燥物とキャリアガスとの接触を多く必要とするものであるにもかかわらず、上記伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機では、伝熱効率を上げるために被乾燥物の充填率を80〜100%で運転する必要があり、この場合、容器内の上部と下部とでキャリアガスと被乾燥物との接触の度合いに差が生じてしまい、乾燥効率がよくない。
【0036】
第2に、仮に、充填率を下げても、回転攪拌翼2と容器の隙間に被乾燥物が滞留してしまい、滞留した被乾燥物を攪拌できなくなる等の混合のムラを生じ、やはり、キャリアガスと被乾燥物との接触の度合いに差が生じてしまい、乾燥効率がよくない。
【0037】
第3に、乾燥により被乾燥物が硬化しており、この被乾燥物が攪拌乾燥機に設けられた回転攪拌翼2の表面と接触することにより、回転攪拌翼2の表面が磨耗し、回転攪拌翼2を頻繁にメンテナンスする必要が生じる。
【0038】
第4に、容器内で被乾燥物は、間隔を密に連設された回転攪拌翼2との接触により、粒径1mm以下の粉体になってしまうので、乾燥品の状態としては、取扱いの面から不便利である。
【0039】
そこで、本発明では、伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機での乾燥を恒率乾燥期間に限ることにより、乾燥効率を向上させると共に、回転攪拌翼2の表面が磨耗しない程度までの被乾燥物の個体の硬化に留め、また粉体化を防ぎ、上記の弊害を避けている。
【0040】
なお、被乾燥物が余剰汚泥の場合には、入口で含水率80〜85%の余剰汚泥を投入し、含水率20〜40%にまで乾燥させ、出口から排出する。
【0041】
図3には、第2の乾燥工程で用いられる加熱管付き回転乾燥機が示されている。この加熱管付き回転乾燥機の基本的な構成としては、駆動モーター6により、ピニオンギヤ7、ガースギヤ8を介して回転円筒9がその軸心回りに回転するようになっている。この回転円筒9の内壁には、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管5が複数重ねて配管されている。そして、この加熱管5は、熱媒として蒸気等が導入されることにより、加熱され、被乾燥物に対して熱伝導して凝集した水等はドレーン出口から排出される。
【0042】
さらに、回転円筒9の内部には、キャリアガス入口から、空気(自然通気)やキャリアガスが導入され、これらは個体の内部から移動した水分を吸収して出口より排出される。
【0043】
この種の加熱管付き回転乾燥機は公知であり、本発明は、上記の基本構成に限定されるものではない。また、加熱管付き回転乾燥機ではなく、回転円筒内部に被乾燥物を掻きあげるための、掻きあげ翼を有し、熱風が向流若しくは並流に供給される形式の回転乾燥機であってもよい。
【0044】
図3に示した、加熱管付き回転乾燥機についての動作説明をすると、蒸気等の熱媒により表面が加熱されている加熱管5は、回転円筒9の回転に伴って回転し、この回転により被乾燥物が攪拌され、そして加熱管5の表面との被乾燥物の接触により、個体の温度を上昇させ、個体内部から表面に移動した水分を、空気やキャリアガスが吸収し、個体は乾燥される。このことに伴い、回転円筒9の内部で攪拌された個体は転動造粒されて、粒径2〜5mm程度の砂状の粒体が形成される。
【0045】
減率乾燥期間では、個体の含水率は、回転円筒9の内部の空気やキャリアガスの乾燥条件と平衡した平衡含水率に到達すると変化しなくなるものであるから、被乾燥物の物性及び乾燥品の用途に合わせた所定の含水率まで乾燥させた後に加熱管付き回転乾燥機の出口から乾燥品を排出すればよい。
【0046】
なお、被乾燥物が余剰汚泥の場合には、第1の乾燥工程を経た含水率20〜40%の被乾燥物を投入し、含水率0〜5%にまで乾燥させ、乾燥品を出口から排出する。
【0047】
【実施例】
以下では、被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、恒率乾燥を伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機で行い、減率乾燥を加熱管付き回転乾燥機により行う実施例と、恒率乾燥及び減率乾燥を伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機のみで行う従来例を比較した。なお、実施例、従来例とも被乾燥物としては余剰汚泥を用いていた。表1は、実施例と従来例における伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の性能比較を示しており、表2は、実施例における加熱管付き回転乾燥機の性能を示している。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
実施例の伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の入口に、含水率85%まで脱水された汚泥を単位時間当たり2,500(kg/hr)で連続供給し、出口から含水率35%の汚泥を単位時間当たり577(kg/hr)で連続排出した。この間の乾燥速度(kg/hr・m2)は、11kg/hr・m2であった。また、汚泥の性状は、入口では泥状であり、出口では粒径5〜10mm程度の粒状で表面が若干湿った状態であった。
【0051】
そして次に、出口から排出された含水率35%の汚泥を、加熱管付き回転乾燥機の入口に、単位時間当たり577(kg/hr)で連続供給し、出口から含水率10%の汚泥を単位時間当たり416.6(kg/hr)で連続排出した。この間の乾燥速度(kg/hr・m2)は、2.5kg/hr・m2であった。また、汚泥の性状は、出口から排出された乾燥品は粒径2〜5mm程度の砂状の粒状物であった。
【0052】
これに対し、従来例の伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の入口に、含水率85%まで脱水された汚泥を単位時間当たり2,500(kg/hr)で連続供給し、出口から含水率10%の汚泥を単位時間当たり416.6(kg/hr)で連続排出した。この間の乾燥速度(kg/hr・m2)は、8.5kg/hr・m2であった。また、汚泥の性状は、入口では泥状であり、出口から排出された乾燥品は粒径100μ〜1mm程度の粉状であった。
【0053】
また、実施例と従来例とのランニングコスト比較であるが、必要動力としては、それぞれ101kW、150kWであることから、実施例の消費動力は従来例の約67%で済むこととなる。
【0054】
さらに、伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の回転攪拌翼と回転軸の外観比較を行った結果、従来例では、回転攪拌翼と回転軸の磨耗が激しく、傷も多数見受けられた。これに対して、実施例では、磨耗や傷は見受けられなかった。
【0055】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、被乾燥物を出口液分が限界含水率以下まで乾燥させる、すなわち被乾燥物の恒率乾燥期間と減率乾燥期間との乾燥において、製造コスト及びランニングコストを抑えて乾燥を行い、また、乾燥品の状態としては、各種取扱いの面から利便性のよい粒状物として製造できる等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の乾燥工程及び第2の乾燥工程のフロー図である。
【図2】本発明に係る第1の乾燥工程に用いられる伝熱受熱式溝型攪拌乾燥機の概略図である。
【図3】本発明に係る第1の乾燥工程に用いられる加熱管付き回転乾燥機の概略斜視図である。
【符号の説明】
1…胴部ジャケット、2…回転攪拌翼、3…回転軸、4…駆動モーター、5…加熱管、6…駆動モーター、7…ピニオンギヤ、8…ガースギヤ、9…回転円筒。
Claims (5)
- 恒率乾燥期間と減率乾燥期間とでそれぞれ別工程にして被乾燥物を乾燥させ、乾燥品を製造する方法であって、
前記恒率乾燥期間では、前記被乾燥物を円筒若しくは溝型容器中に入れて、前記容器中のその軸方向に間隔をおいて設けられた回転攪拌翼により、前記被乾燥物を、攪拌状態で乾燥させる攪拌乾燥機による第1の乾燥工程と、
前記減率乾燥期間では、回転中心の周りの環状位置で長手方向かつ回転円筒の内壁に沿って加熱管を複数重ねて配管した容器中に、被乾燥物を入れ、当該加熱管から被乾燥物への伝導伝熱によって当該被乾燥物を乾燥させる加熱管付き回転乾燥機による第2の乾燥工程とからなる、
ことを特徴とする乾燥品の製造方法。 - 前記第1の乾燥工程における攪拌乾燥機は、伝熱受熱式又は熱風受熱式である、請求項1記載の乾燥品の製造方法。
- 前記第1の乾燥工程における前記伝熱受熱式攪拌乾燥機は、前記容器の胴部ジャケットによって容器壁を加熱面とするもの、若しくは前記回転攪拌翼が中空構造であり、この中空構造内に熱媒を通し、前記回転攪拌翼面を加熱面とするもの、又はこれらを併用するものである、請求項2記載の乾燥品の製造方法。
- 前記被乾燥物は、余剰汚泥である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乾燥品の製造方法。
- 含水率80〜85%の前記余剰汚泥を、前記第1の乾燥工程により含水率20〜40%にまで乾燥させ、前記第2の乾燥工程により含水率0〜5%にまで乾燥させる、請求項4記載の乾燥品の製造方法。
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JP2010096424A (ja) * | 2008-10-16 | 2010-04-30 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 乾燥装置 |
JP2013043178A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Mitsubishi Materials Techno Corp | 含水被処理物処理システムおよび含水被処理物処理方法 |
JP2014065761A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Jsr Corp | 固形燃料の製造方法、及び固形燃料の製造装置 |
JP2015131263A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | 月島機械株式会社 | 有機性廃棄物の処理装置、有機性廃棄物の処理装置に用いられる乾燥機、および有機性廃棄物の処理方法 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151028A patent/JP2004353926A/ja active Pending
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