JP2004353615A - 内燃機関の2次空気供給制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関1の暖機途中で点火遅角制御が実行されているときには、排気通路12内に2次空気制御弁42を介して2次空気が供給され、三元触媒13の早期暖機が行われる。この際、減速状態が検出され、かつ吸気圧センサ22で検出される吸気圧PMが判定閾値より低くなると2次空気供給が停止される。この判定閾値が、例えば、点火遅角制御中でないときよりも正圧側に設定されると、減速時に2次空気供給が停止されるタイミングを増加させることができる。これにより、排気通路12内で未燃HCが燃焼するときのボソボソ音の発生を抑えつつ、三元触媒13の早期暖機による活性化を達成することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路内の触媒に2次空気を供給し活性化する内燃機関の2次空気供給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の2次空気供給制御装置に関連する先行技術文献としては、実開昭58−75914号公報、実開昭58−163622号公報にて開示されたものが知られている。前者のものでは、内燃機関の暖機状態にかかわらず、減速時に2次空気制御弁を「開」として排気通路(排気流路)に2次空気を供給する技術が示されている。また、後者のものでは、内燃機関の機関回転速度が所定回転速度以上からの減速初期には暖機途中(暖機前)であっても、触媒早期暖機のため理論空燃比よりも濃い空燃比に応じて導入されている2次空気供給を停止する技術が示されている。
【特許文献1】実開昭58−75914号公報(第1頁)
【特許文献2】実開昭58−163622号公報(第1頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の実開昭58−75914号公報では、減速時に増加する未燃HC(炭化水素)を2次空気供給によって燃焼させ、エミッションを改善するものである。ここで、点火遅角による触媒早期暖機を実施する場合、減速時に2次空気を供給すると多量の未燃HCの燃焼により排気通路内でアフタファイヤに至らないまでもボソボソ音が発生するという不具合があった。
【0004】
また、実開昭58−163622号公報では、急減速時には暖機途中であっても2次空気供給を停止することで排気通路におけるアフタファイヤを防止するものである。ここで、点火遅角による触媒早期暖機を実施する場合、減速時に2次空気供給を停止すると未燃HCの燃焼が損なわれることで、結果的に、触媒の早期暖機による活性化が遅れるという不具合があった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、点火遅角による触媒早期暖機を実施する場合、減速時に2次空気供給を適宜、停止することで、触媒早期暖機を損なうことなく排気通路内のボソボソ音の発生を抑えることができる内燃機関の2次空気供給制御装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関の2次空気供給制御装置によれば、暖機状態検出手段で検出される内燃機関の暖機途中では、点火遅角制御手段にて2次空気供給機構により触媒の上流側の排気通路内に2次空気を供給すると共に、内燃機関の点火時期に対する点火遅角量が設定される点火遅角制御が実行され、触媒の早期暖機が行われる。この際、減速状態検出手段で減速状態が検出されると、判定レベル変更手段によって2次空気供給機構による2次空気の供給を停止する際の吸気圧検出手段で検出される吸気圧の判定レベルが変更される。つまり、点火遅角制御中に減速状態となり、このときの吸気圧が判定レベルより低くなる期間だけ2次空気供給が停止される。このため、触媒の早期暖機による活性化を損なうことなく排気通路内で未燃HCが燃焼するときの異音の発生が抑えられる。
【0007】
請求項2の内燃機関の2次空気供給制御装置における判定レベル変更手段では、点火遅角制御手段による点火遅角制御中の判定レベルが、点火遅角制御中でないときよりも正圧側に設定されることで、減速時に2次空気供給が停止されるタイミングが増加されることとなり、排気通路内で未燃HCが燃焼するときの異音の発生が抑えられると共に、触媒の早期暖機による活性化が達成される。
【0008】
請求項3の内燃機関の2次空気供給制御装置における判定レベル変更手段では、点火遅角制御手段による点火遅角制御中の判定レベルが、点火遅角制御中でないときよりも負圧側に設定されることで、減速時に2次空気供給が停止されるタイミングが減少されることとなり、排気通路内で未燃HCが良好に燃焼され、触媒の早期暖機による活性化と共に、エミッションが改善される。
【0009】
請求項4の内燃機関の2次空気供給制御装置における判定レベル変更手段では、点火遅角制御手段による点火遅角量によって変更される判定レベルによれば、内燃機関の排気通路内での未燃HCの燃焼が最適化され、触媒の早期暖機が良好に達成される。
【0010】
請求項5の内燃機関の2次空気供給制御装置では、内燃機関が二輪車に搭載されることで、触媒早期暖機のための点火遅角制御において、特に、バルブオーバラップ量の大きな二輪車に要望される排気通路内の未燃HCの減少によってエミッションの改善が図られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の2次空気供給制御装置が適用された二輪車における内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0013】
図1において、内燃機関1は4サイクル4気筒(#1気筒〜#4気筒)の火花点火式として構成され、その吸入空気は上流側からエアクリーナ2、吸気通路3、スロットルバルブ4を通過して吸気通路3内でインジェクタ(燃料噴射弁)5から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気として吸気ポート6から各気筒内に分配供給される。また、内燃機関1のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ7が配設され、点火タイミング毎に点火コイル/イグナイタ8から高電圧が各気筒の点火プラグ7に印加され、各気筒内の混合気に点火される。そして、内燃機関1の各気筒で燃焼された排気ガスは排気ポート11から排気通路12の下流側に配設された三元触媒13を通過して大気中に排出される。
【0014】
エアクリーナ2内には吸気温センサ21が配設され、吸気温センサ21によってエアクリーナ2内に流入される吸気温THA〔℃〕が検出される。また、吸気通路3には吸気圧センサ22が配設され、吸気圧センサ22によってスロットルバルブ4の下流側の吸気圧PM〔kPa:キロパスカル〕が検出される。そして、スロットルバルブ4にはスロットル開度センサ23が配設され、スロットル開度センサ23によってスロットルバルブ4のスロットル開度TA〔°〕が検出される。また、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24が配設され、水温センサ24によって内燃機関1内の冷却水温THW〔℃〕が検出される。そして、内燃機関1のクランクシャフト(図示略)にはクランク角センサ25が配設され、クランク角センサ25によってクランクシャフトの回転に伴い単位時間当たりに発生されるパルス数からなるクランク角信号に基づく機関回転速度NE〔rpm〕が検出される。更に、内燃機関1のカムシャフト(図示略)にはカム角センサ26が配設され、カム角センサ26によってカムシャフト回転角θ2 〔°CA(Crank Angle:クランク角)〕が検出される。
【0015】
また、排気通路12内の三元触媒13の上流側には酸素(O2 )センサ27が配設され、酸素センサ27によって排気通路12の三元触媒13の上流側の酸素濃度に対応する出力電圧VOX1〔V:ボルト〕が検出される。なお、酸素センサ27に替えて空燃比(A/F)センサを配設し、内燃機関1から排出される排気ガスにおける空燃比をリニアに検出してもよい。
【0016】
この他、変速機(図示略)にはギヤ位置センサ28が配設され、ギヤ位置センサ28によってギヤ位置GPが検出される。また、車載バッテリ(図示略)には電源電圧センサ29が配設され、電源電圧センサ29によって電源電圧VB 〔V〕が検出される。更に、車両の車輪(図示略)または変速機の出力軸(図示略)には車速センサ30が配設され、車速センサ30によって車輪または出力軸の回転に伴い単位時間当たりに発生されるパルス数からなる車速信号に基づく車速SPD〔km/h〕が検出される。
【0017】
一方、燃料タンク31内から燃料ポンプ32で汲上げられた燃料は、燃料配管33、燃料フィルタ34、燃料配管35、デリバリパイプ36の順に圧送され、各気筒のインジェクタ5に分配供給される。デリバリパイプ36内の余剰燃料は、プレッシャレギュレータ37、リターン配管38の経路にて燃料タンク31内に戻される。このプレッシャレギュレータ37によってデリバリパイプ36内の燃圧(燃料圧力)と吸気圧との差圧が一定になるようにデリバリパイプ36内の燃圧が調整される。
【0018】
更に、エアクリーナ2と内燃機関1の排気ポート11直後の排気通路12とが2次空気通路41にて接続され、その2次空気通路41途中にはエアクリーナ2からの空気を2次空気として、排気通路12内に適宜、導入するための2次空気制御弁42が配設されている。
【0019】
内燃機関1の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)50は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU51、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM52、各種データを格納するRAM53、B/U(バックアップ)RAM54等を中心に論理演算回路として構成され、上述の各種センサからの検出信号を入力する入力ポート55及び各種アクチュエータとしてのインジェクタ5に燃料噴射量TAU、燃料ポンプ32に制御信号Ip、2次空気制御弁42に制御信号Iaや点火コイル/イグナイタ8に制御信号Igを出力する出力ポート56に対しバス57を介して接続されている。
【0020】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の2次空気供給制御装置で使用されているECU50内のCPU51における点火時期演算の処理手順を示す図2のフローチャートに基づいて説明する。なお、この点火時期演算ルーチンは各気筒のクランク角信号同期にてCPU51にて繰返し実行される。また、本実施例で用いられる各マップはROM52内に予め記憶されている。
【0021】
図2において、まず、ステップS101でクランク角センサ25にて検出されたクランク角信号に基づく機関回転速度NEが読込まれる。次にステップS102に移行して、負荷としてスロットル開度センサ23にて検出されたスロットル開度TA、吸気圧センサ22にて検出された吸気圧PM等が読込まれる。次にステップS103に移行して、ステップS101で読込まれた機関回転速度NE〔rpm〕とステップS102で読込まれた負荷としてのスロットル開度TA〔°〕、吸気圧PM〔kPa〕等をパラメータとしてマップ(図示略)に基づき基本点火時期ABSE〔°CA〕が算出される。
【0022】
次にステップS104に移行して、水温センサ24にて検出された冷却水温THW〔℃〕が所定温度α未満であるかが判定される。ステップS104の判定条件が成立、即ち、冷却水温THW〔℃〕が所定温度α未満と低く、内燃機関1が冷間始動による暖機途中であるときにはステップS105に移行し、冷却水温THW〔℃〕とステップS101で読込まれた機関回転速度NE〔rpm〕とステップS102で読込まれた負荷としてのスロットル開度TA〔°〕、吸気圧PM〔kPa〕等をパラメータとしてマップ(図示略)に基づき三元触媒13を早期暖機するための点火遅角量ARET〔°CA〕が算出される。
【0023】
一方、ステップS104の判定条件が成立せず、即ち、冷却水温THW〔℃〕が所定温度α以上と高く、内燃機関1が暖機後であるときにはステップS106に移行し、点火遅角量ARET〔°CA〕が「0〔°CA〕」に設定される。ステップS105またはステップS106の処理ののちステップS107に移行し、ステップS103で算出された基本点火時期ABSE〔°CA〕からステップS105またはステップS106による点火遅角量ARET〔°CA〕が減算され最終点火時期AESA〔°CA〕が算出され、本ルーチンを終了する。
【0024】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の2次空気供給制御装置で使用されているECU50内のCPU51における2次空気供給制御の処理手順を示す図3のフローチャートに基づき、図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は図3で点火遅角量ARET〔°CA〕をパラメータとして吸気圧PM〔kPa〕に対する判定閾値β〔kPa〕を設定するマップである。また、図5は図2及び図3の処理に対応し、始動後、加減速を繰返しているときの各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートであり、点火遅角量ARET〔°CA〕が冷却水温THW〔℃〕の上昇に伴って徐々に小さくなっている。なお、この2次空気供給制御ルーチンは所定時間毎にCPU51にて繰返し実行される。
【0025】
図3において、ステップS201では、減速時であるかが判定される。ステップS201の判定条件が成立、即ち、クランク角センサ25にて検出されたクランク角信号に基づく機関回転速度NE、スロットル開度センサ23にて検出されたスロットル開度TA、吸気圧センサ22にて検出された吸気圧PM等の変化量が予め設定された所定量を越え、減速時であると判定されるときにはステップS202に移行する。ステップS202では、図4のマップに基づき、上述の点火時期演算ルーチンで算出された点火遅角量ARET〔°CA〕に応じて2次空気制御弁42を「開」/「閉」させるときの吸気圧PM〔kPa〕に対する判定閾値β〔kPa〕が設定される。なお、図4のマップは、点火遅角量ARET〔°CA〕が大きくなるに連れて判定閾値β〔kPa〕を正圧側とする特性を有している。
【0026】
次にステップS203に移行して、吸気圧センサ22にて検出された吸気圧PM〔kPa〕がステップS202で設定された判定閾値β〔kPa〕未満であるかが判定される。ステップS203の判定条件が成立、即ち、内燃機関1の減速時、かつ吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β〔kPa〕未満と低いときにはステップS204に移行し、排気通路12内の排気ガス中に未燃HCが多く存在する可能性があるため2次空気制御弁42が「閉」とされ、本ルーチンを終了する。
【0027】
上述のルーチンによれば、図5に示すように、減速時では点火遅角量ARET〔°CA〕に応じて、吸気圧PM〔kPa〕に対する判定閾値β〔kPa〕が、通常(点火遅角量ARET〔°CA〕が「0〔°CA〕」で、触媒早期暖機のための点火遅角制御が実施されていないとき)より正圧側に設定され、吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β〔kPa〕未満と低くなると2次空気制御弁42が「閉」とされ2次空気供給が停止される。このように、内燃機関1が暖機途中、かつ触媒早期暖機のための点火遅角制御中では、判定閾値β〔kPa〕が通常より正圧側に設定され、減速時に吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β〔kPa〕未満と低くなるときには2次空気供給が停止される。このため、三元触媒13の早期暖機による活性化を損なうことなく排気通路12内で未燃HCが燃焼するときのボソボソ音の発生を抑えることができる。
【0028】
一方、ステップS201の判定条件が成立せず、即ち、減速時でないとき、またはステップS203の判定条件が成立せず、即ち、吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β〔kPa〕以上と高いときにはステップS205に移行し、排気通路12内の排気ガス中に未燃HCがさほど存在することがないため2次空気制御弁42が「開」とされ、三元触媒13の上流側で内燃機関1の排気ポート11近傍の排気通路12内に2次空気が供給され、本ルーチンを終了する。このように、内燃機関1の減速時でなく、または内燃機関1が暖機後で触媒早期暖機のための点火遅角制御中でなく、吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β〔kPa〕以上と高いときには2次空気供給が継続され、排気通路12内の未燃HCが良好に燃焼されるため、エミッションを改善することができる。
【0029】
このように、本実施例の内燃機関の2次空気供給制御装置は、内燃機関1の排気通路12途中に設置され、内燃機関1から排出される排気ガスを浄化する三元触媒13と、三元触媒13の上流側の排気通路12内に2次空気を供給する2次空気通路41、2次空気制御弁42及びECU50にて達成される2次空気供給機構と、内燃機関1の吸気圧PMを検出する吸気圧検出手段としての吸気圧センサ22と、吸気圧センサ22による吸気圧PMの変化量、またはスロットル開度センサ23によるスロットル開度TAの変化量、またはクランク角センサ25による機関回転速度NEの変化量等に基づき内燃機関1の減速状態を検出するECU50にて達成される減速状態検出手段と、内燃機関1の暖機状態を検出する水温センサ24及びECU50にて達成される暖機状態検出手段と、前記暖機状態検出手段による内燃機関1の暖機途中では、前記2次空気供給機構により2次空気を供給すると共に、内燃機関1の基本点火時期ABSEに対する点火遅角量ARETを設定する点火遅角制御を実行するECU50にて達成される点火遅角制御手段と、前記点火遅角制御手段による点火遅角制御中に前記減速状態検出手段で減速状態が検出されたときには、前記2次空気供給機構による2次空気の供給を停止する際の吸気圧PMの判定レベルとしての判定閾値βを変更するECU50にて達成される判定レベル変更手段とを具備するものである。
【0030】
つまり、内燃機関1の暖機途中で点火遅角制御が実行されているときには、排気通路12内に2次空気が供給され三元触媒13の早期暖機が行われる。この際、減速状態が検出され、このときの吸気圧PMが判定閾値βより低くなると2次空気供給が停止される。このため、三元触媒13の早期暖機による活性化を損なうことなく排気通路12内で未燃HCが燃焼するときのボソボソ音の発生を抑えることができる。
【0031】
また、本実施例の内燃機関の2次空気供給制御装置のECU50にて達成される判定レベル変更手段は、ECU50にて達成される点火遅角制御手段による点火遅角制御中では、その点火遅角制御中でないときよりも判定閾値βを正圧側に変更するものである。つまり、点火遅角制御中の判定閾値βが、点火遅角制御中でない通常より正圧側に設定されることで、減速時に2次空気供給が停止されるタイミングを増加させることができる。これにより、排気通路12内で未燃HCが燃焼するときのボソボソ音の発生を抑えつつ、三元触媒13の早期暖機による活性化を達成することができる。
【0032】
そして、本実施例の内燃機関の2次空気供給制御装置のECU50にて達成される判定レベル変更手段は、ECU50にて達成される点火遅角制御手段による点火遅角量ARETに基づき判定閾値βを変更するものである。つまり、点火遅角制御による触媒早期暖機では、内燃機関1の機関回転速度NEやスロットル開度TA、吸気圧PM等及び冷却水温THWに基づき点火遅角量ARETが算出され、この点火遅角量ARETによって判定閾値βが変更される。このように、内燃機関1の運転状態や負荷及び暖機状態に応じた点火遅角量ARETにて変更される判定閾値βによれば、内燃機関1の排気通路12内での未燃HCの燃焼を最適化することができ、三元触媒13の早期暖機を良好に達成することができる。
【0033】
また、本実施例の内燃機関の2次空気供給制御装置は、内燃機関1が二輪車に搭載されているものである。これにより、触媒早期暖機のための点火遅角制御において、特に、バルブオーバラップ量の大きな二輪車に要望される排気通路12内の未燃HCの減少によってエミッションの改善が図られる。
【0034】
次に、上述のルーチンにおけるステップS202及びステップS203で判定閾値βに替え、図6のマップで設定される判定閾値β′を用いた変形例について、図7のタイムチャートを参照して説明する。なお、図6は図3で点火遅角量ARET〔°CA〕をパラメータとして吸気圧PM〔kPa〕に対する判定閾値β′〔kPa〕を設定するマップである。このマップは、点火遅角量ARET〔°CA〕が大きくなるに連れて判定閾値β′〔kPa〕を負圧側とする特性を有している。また、図7は図2及び図3の処理に対応し、始動後、加減速を繰返しているときの各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートであり、点火遅角量ARET〔°CA〕が冷却水温THW〔℃〕の上昇に伴って徐々に小さくなっている。
【0035】
図6のマップによれば、図7に示すように、減速時では点火遅角量ARET〔°CA〕に応じて、吸気圧PM〔kPa〕に対する判定閾値β′〔kPa〕が、通常(点火遅角量ARET〔°CA〕が「0〔°CA〕」で、触媒早期暖機のための点火遅角制御が実施されていないとき)より負圧側に設定され、吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β′〔kPa〕未満と低くなると2次空気制御弁42が「閉」とされ2次空気供給が停止される。
【0036】
つまり、内燃機関1が暖機途中、かつ触媒早期暖機のための点火遅角制御中では、判定閾値β′〔kPa〕が通常より負圧側に設定されることで、減速時に吸気圧PM〔kPa〕が判定閾値β′〔kPa〕未満と低くなることが少なくなり、2次空気供給が継続される。
【0037】
このように、本変形例の内燃機関の2次空気供給制御装置のECU50にて達成される判定レベル変更手段は、ECU50にて達成される点火遅角制御手段による点火遅角制御中では、その点火遅角制御中でないときよりも判定閾値β′を負圧側に変更するものである。つまり、点火遅角制御中の判定閾値β′が、点火遅角制御中でない通常より負圧側に設定されることで、減速時に2次空気供給が停止されるタイミングを減少させることができる。これにより、排気通路12内で未燃HCが良好に燃焼され、三元触媒13の早期暖機による活性化と共に、エミッションを改善することができる。
【0038】
ところで、上記実施例及び変形例では、図4または図6の何れかのマップを用いて判定閾値をそれぞれ設定し、触媒早期暖機のための点火遅角制御中、内燃機関1の減速時に排気通路12内で未燃HCが燃焼するときのボソボソ音の発生を抑えつつ、未燃HCの良好な燃焼によってエミッションを改善させるものであるが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、触媒早期暖機のための点火遅角制御中、内燃機関1の減速時に排気通路12内で未燃HCが燃焼するときのボソボソ音の発生状況や内燃機関1の運転状態に応じて、図4または図6のマップを適宜、選択または組合わせて判定閾値を設定することで触媒早期暖機のための点火遅角制御を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の2次空気供給制御装置が適用された二輪車における内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の2次空気供給制御装置で使用されているECU内のCPUにおける点火時期演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の2次空気供給制御装置で使用されているECU内のCPUにおける2次空気供給制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は図3で点火遅角量をパラメータとして吸気圧に対する判定閾値を設定するマップである。
【図5】図5は図2及び図3の処理及び図4の判定閾値に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図6】図6は図3で点火遅角量をパラメータとして吸気圧に対する判定閾値を設定するマップの変形例である。
【図7】図7は図2及び図3の処理及び図6の判定閾値に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
12 排気通路
13 三元触媒
22 吸気圧センサ
23 スロットル開度センサ
24 水温センサ
25 クランク角センサ
42 2次空気制御弁
50 ECU(電子制御ユニット)
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路途中に設置され、前記内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒と、
前記触媒の上流側の前記排気通路内に2次空気を供給する2次空気供給機構と、
前記内燃機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
前記内燃機関の減速状態を検出する減速状態検出手段と、
前記内燃機関の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、
前記暖機状態検出手段による前記内燃機関の暖機途中では、前記2次空気供給機構により2次空気を供給すると共に、前記内燃機関の点火時期に対する点火遅角量を設定する点火遅角制御を実行する点火遅角制御手段と、
前記点火遅角制御手段による点火遅角制御中に前記減速状態検出手段で減速状態が検出されたときには、前記2次空気供給機構による2次空気の供給を停止する際の前記吸気圧の判定レベルを変更する判定レベル変更手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の2次空気供給制御装置。 - 前記判定レベル変更手段は、前記点火遅角制御手段による点火遅角制御中では、その点火遅角制御中でないときよりも前記判定レベルを正圧側に変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の2次空気供給制御装置。
- 前記判定レベル変更手段は、前記点火遅角制御手段による点火遅角制御中では、その点火遅角制御中でないときよりも前記判定レベルを負圧側に変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の2次空気供給制御装置。
- 前記判定レベル変更手段は、前記点火遅角制御手段による点火遅角量に基づき前記判定レベルを変更することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の内燃機関の2次空気供給制御装置。
- 前記内燃機関は、二輪車に搭載されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の2次空気供給制御装置。
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