JP2004353502A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮行程上死点付近の主噴射後に後噴射を実行してパティキュレートフィルタ17の再生を図るようにしたエンジンのグロープラグ8の溶損を防止する。
【解決手段】排気通路3に酸化触媒16とフィルタ17とを設け、第1後噴射により排気ガス温度を上昇させて酸化触媒16を加熱し、その後の第2後噴射により未燃燃料を酸化触媒16に供給しその酸化燃焼によってフィルタ17の温度を高めて該フィルタ17に捕集されているパティキュレートを燃焼させる。フィルタ17の再生中にEGRを抑制するとともに、このEGRの抑制をフィルタ再生終了から所定時間継続することにより、EGR再生中の後噴射燃料がEGR通路21から吸気通路2を経てエンジン燃焼室5に一気に流入して異常燃焼を生ずることを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】排気通路3に酸化触媒16とフィルタ17とを設け、第1後噴射により排気ガス温度を上昇させて酸化触媒16を加熱し、その後の第2後噴射により未燃燃料を酸化触媒16に供給しその酸化燃焼によってフィルタ17の温度を高めて該フィルタ17に捕集されているパティキュレートを燃焼させる。フィルタ17の再生中にEGRを抑制するとともに、このEGRの抑制をフィルタ再生終了から所定時間継続することにより、EGR再生中の後噴射燃料がEGR通路21から吸気通路2を経てエンジン燃焼室5に一気に流入して異常燃焼を生ずることを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路にパティキュレートフィルタを備えたエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記パティキュレートフィルタは、パティキュレート(排気微粒子)の捕集量が所定量以上になったときに、その捕集したパティキュレートを燃焼除去することにより、再生する必要がある。このフィルタの再生に関して、エンジンの排気通路の上記フィルタよりも上流側に酸化触媒を設け、エンジン出力発生のための主噴射の後の膨張行程において燃料の後噴射を実行することによって、排気ガス温度を高めるとともに、酸化触媒にHCを供給して燃焼させることにより上記フィルタの温度を高めること、排気通路から吸気通路への排気ガスの還流を抑制することによって、排気ガス中のNO量を増大させ、上記酸化触媒により酸化生成するNO2量を増大させて該フィルタでのパティキュレートの燃焼を促進することが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−115822号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディーゼルエンジンでは、外気温度が低くエンジン本体が冷えている時の燃料の着火性を改善するために気筒内燃焼室にグロープラグを臨ませ、該グロープラグに通電することにより、吸入空気を暖めることが知られている。
【0005】
しかし、上述の如くフィルタ再生のために後噴射を実行すると、上記グロープラグの溶損を招き易くなるという問題がある。この溶損原因の一つは、フィルタ再生中に行なっていた排気ガス還流の抑制を当該再生終了後に解除したときに、フィルタ再生中の後噴射燃料が排気通路側から吸気系に一気に流入してエンジンの異常燃焼を生じ、それによって燃焼室の温度及び圧力が急に上昇することにあると推定される。
【0006】
この場合、フィルタの再生を終了した時点でエンジンの排気通路における排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料と、フィルタ再生中に排気還流通路に徐々に蓄積された後噴射燃料とが、上記排気ガス還流抑制の解除に伴って吸気系に一気に流入していると考えられる。
【0007】
すなわち、本発明の課題は、上記フィルタ再生のための後噴射によって上記グロープラグが溶損することを防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題に対して、フィルタ再生のための後噴射を停止した後も所定時間は排気ガスの還流を抑制するようにした。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、エンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタと、
上記フィルタに捕集されたパティキュレート捕集量を検出する捕集量検出手段と、
上記フィルタよりも上流側の上記排気通路に設けられた酸化触媒と、
上記酸化触媒よりも上流側の排気通路から当該エンジンの吸気通路に還流させる排気ガス量を調節する還流量調節手段と、
当該エンジンの気筒内燃焼室に臨むように設けられたグロープラグと、
上記還流量調節手段を作動させ当該エンジンの運転状態に応じて上記排気ガスの還流量を制御する還流制御手段と、
上記捕集量検出手段によって検出された上記捕集量が第1所定値以上になったときには、該第1所定値よりも少ない第2所定値以下になるまで、圧縮行程上死点付近で燃料を上記エンジンの気筒内燃焼室に噴射する主噴射後の膨張行程又は排気行程において上記気筒内燃焼室に燃料を噴射する後噴射を実行すると共に、上記還流制御手段による上記排気ガスの還流を抑制することにより、上記フィルタに捕集されたパティキュレートを燃焼させて該フィルタを再生する再生手段とを備えているエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記フィルタ再生のための後噴射を停止する一方、上記フィルタ再生中に後噴射された燃料が上記排気ガスに混入して上記気筒内燃焼室に還流する量が軽減されるように、上記還流制御手段による上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、又は所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除することを特徴とする。
【0010】
従って、フィルタ再生中は排気ガスの還流が抑制されるため、後噴射によって得られる高温の排気ガスの酸化触媒への到達が不十分になること、あるいは後噴射燃料の酸化触媒への到達が不十分になることが防止され、フィルタの再生に有利になる。
【0011】
そうして、フィルタ再生のための後噴射を停止したときでも、所定時間は排気ガスの還流が抑制されるため、或いは所定時間をかけて排気ガスの還流抑制が徐々に解除されるため、後噴射の停止時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料が排気ガスと共に吸気通路を経て気筒内燃焼室に一気に流入してエンジンの異常燃焼を招くことが避けられ、グロープラグの溶損が防止される。
【0012】
また、所定時間をかけて排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにした場合には、排気ガスの吸気通路への還流量が徐々に増大していくことから、フィルタ再生中に排気還流通路に徐々に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路に送られることになり、該後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを避ける上で有利になる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、該所定時間の経過後に上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除することを特徴とする。
【0014】
従って、排気ガスの還流の抑制が所定時間継続されることにより、後噴射の停止時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止され、また、上記所定時間経過後は排気ガスの吸気通路への還流量が徐々に増大していくことから、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路に送られることになり、その後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することが確実に防止される。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、該排気ガスの還流の抑制は、上記排気ガスの還流量を上記フィルタ再生中の排気ガスの還流量よりも多く且つ上記フィルタの再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する目標還流量よりも少なくすることであることを特徴とする。
【0016】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止される。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
上記フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値を検出する手段を備え、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するものであり、且つ上記パラメータ値より判定される後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くすることを特徴とする。
【0018】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、上記後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを確実に防止することができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、請求項2に記載のエンジンの制御装置において、
上記フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値を検出する手段を備え、
上記再生手段は、上記パラメータ値より判定される後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くすることを特徴とする。
【0020】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、上記後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを確実に防止することができる。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項4に記載のエンジンの制御装置において、
上記パラメータ値は、上記フィルタの再生時間、上記フィルタ再生中の後噴射回数、又は上記フィルタ再生中の後噴射量積算値であることを特徴とする。
【0022】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを確実に防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、気筒内燃焼室に臨むグロープラグを備え、フィルタのパティキュレート捕集量が第1所定値以上になったときに後噴射を実行するとともに、排気ガスの還流を抑制することにより、フィルタを再生するようにしたエンジンにおいて、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記フィルタ再生のための後噴射を停止する一方、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、又は所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に徐々に蓄積された後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入してエンジンの異常燃焼を招くことが避けられ、グロープラグの溶損を防止することができる。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、請求項1において、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続するようにしたから、後噴射の停止時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止され、また、上記所定時間の経過後に上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにしたから、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路に送られることになり、その後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが確実に防止される。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、請求項1において、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間は、上記排気ガスの還流量を上記フィルタ再生中の排気ガスの還流量よりも多く且つ上記フィルタの再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する目標還流量よりも少なくするようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止される。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、請求項1において、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにするとともに、フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値に基づいて、上記フィルタ再生中の後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くするようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、グロープラグの溶損を確実に防止することができる。
【0027】
請求項5に係る発明によれば、請求項2において、フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値に基づいて、後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くするようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、グロープラグの溶損を確実に防止することができる。
【0028】
請求項6に係る発明によれば、請求項4又は請求項5において、上記パラメータ値として、フィルタの再生時間、フィルタ再生中の後噴射回数、又はフィルタ再生中の後噴射量積算値を採用するようにしたから、グロープラグの溶損を確実に防止する上で有利になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1に示すエンジン制御装置において、1は多気筒のディーゼルエンジン(図1には1気筒のみを示している。)、2はその吸気通路、3はその排気通路である。エンジン1のピストン4の頂面には深皿形燃焼室5が形成されている。エンジン1のシリンダヘッドには、圧縮行程上死点付近で当該気筒内燃焼室5に燃料を直接噴射供給することができるように燃料噴射弁7が設けられているとともに、エンジン冷間時に吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ8が設けられている。
【0031】
吸気通路2には、その上流側から下流側に向かって順に、エアクリーナー9、エアフローセンサ10、ターボ過給機11のブロア11a、インタークーラ12、吸気絞り弁13、外気温度に関連するパラメータ値を検出する手段としての吸気温度センサ14及び吸気圧力センサ15が配設されている。排気通路3には、その上流側から下流側に向かって順に、ターボ過給機11のタービン11b、酸化触媒16及びパティキュレートフィルタ17が配設されている。
【0032】
パティキュレートフィルタ17の上流側と下流側とには、排気圧力センサ18、19が配設されている。この両排気圧力センサ18,19はパティキュレート捕集量検出手段を構成している。すなわち、この両センサ18,19で検出される排気圧力の差圧に基づいてパティキュレートフィルタ17に捕集されたパティキュレート量を検出するようになっており、差圧が大きいほど当該捕集量が大と判定することができる。
【0033】
また、排気通路3の上記タービン11bよりも上流側の部位と吸気通路2の上記吸気圧力センサ15よりも下流側の部位とが、排気ガスの一部を吸気系に戻すための排気ガス還流通路21によって接続されている。以下、排気ガス還流をEGRという。このEGR通路21の途中には負圧アクチュエータ式のEGR弁(排気ガス還流量調節手段)22と、排気ガスをエンジンの冷却水によって冷却するためのクーラ23とが配設されている。
【0034】
燃料噴射弁7には、燃料噴射ポンプ(図示省略)から蓄圧手段としてのコモンレール(図示省略)を介して燃料供給管25により燃料が供給され、燃料戻し管24で燃料タンク(図示省略)に戻される。26はエンジン水温を検出する水温センサ、27はエンジン回転数を検出するクランク角センサ、28は酸化触媒16に流入する排気ガス温度を検出する第1排気ガス温度センサ、29はパティキュレートフィルタ17に流入する排気ガス温度を検出する第2排気ガス温度センサ、30はパティキュレートフィルタ17から流出する排気ガス温度を検出する第3排気ガス温度センサである。
【0035】
そうして、上記燃料噴射弁7、グロープラグ8、ターボ過給機11及びEGR弁22は、図2に示すマイクロコンピュータを利用したECU(エンジンコントロールユニット)35によって制御されるようになっている。
【0036】
上記ECU35による燃料噴射弁7を用いた燃料噴射制御には、エンジン出力発生のために圧縮行程上死点付近で燃料を噴射する主噴射制御と、パティキュレートフィルタ17の再生のための後噴射制御とがある。
【0037】
主噴射制御は、基本的にはエンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて行なわれ、さらにエンジン水温や吸気温度等に基づいて補正される。エンジン負荷については、アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ32からECU35に検出信号が与えられるようになっている。
【0038】
後噴射制御、すなわち、フィルタ再生制御は、上記吸気温度センサ14、排気圧力センサ18,19、水温センサ26、クランク角センサ27、排気ガス温度センサ28〜29、アクセル開度センサ32等に基づいて行なわれる。このフィルタ再生制御のために、上記ECU35には再生手段36が設けられている。また、上記ECU35には、エンジンの運転状態に応じてEGR量が目標EGR量となるように、EGR弁22の作動を制御するEGR制御手段37が設けられている。
【0039】
再生手段36は、上記フィルタ17のパティキュレート捕集量が第1所定値以上になったときに、燃料噴射弁7を作動させて、酸化触媒16に流入する排気ガス温度が上昇するように燃料を噴射する第1後噴射と、酸化触媒16に未燃燃料が供給されるように燃料を噴射する第2後噴射とを実行する。この後噴射は、エンジンの運転状態に応じて目標後噴射量及び噴射時期を設定して、上記フィルタ17のパティキュレート捕集量が第2所定値以下になるまで行なわれるようになっている。
【0040】
また、再生手段36は、上記フィルタ再生中はEGR制御手段37によるEGRを抑制し(第1抑制)、さらに上記フィルタ再生終了後も所定時間はEGR制御手段37によるEGRを抑制する(第2抑制)。
【0041】
以下、フィルタ17の再生制御及びEGR制御について具体的に説明する。
【0042】
図3はフィルタ再生及びEGRの制御フローを示す。スタート後のステップS1においてパティキュレートフィルタ17の前後の排気圧力センサ18,19で検出される圧力に基づいて差圧ΔPを求め、ステップS2で差圧ΔPに基づいてパティキュレート捕集量Mを算出する。
【0043】
続くステップS3においてパティキュレート捕集量Mが第1所定値(例えばフィルタ1L当たり10g)α以上になっているか否かを判定する。捕集量Mが第1所定値α以上になっていないときはリターンする。捕集量Mが第1所定値α以上になっているときは、ステップS4に進んで後噴射及びEGR抑制(還流量抑制)の制御を実行し、さらにステップS5に進んで再生時間Cのカウントを開始する。但し、排気ガス温度センサ28の出力に基づいて酸化触媒16に流入する排気ガス温度が所定値(酸化触媒16が所定の活性を呈する温度)以上になっていることを条件としてステップS4に進む。
【0044】
上記後噴射としては、第1後噴射及び第2後噴射を実行する。第1後噴射及び第2後噴射の噴射量及び噴射時期はエンジン運転状態に基づいてマップを参照して設定する。図4は第1後噴射量マップの一例を示し、図5は第2後噴射量マップの一例を示す。図4及び図5の各領域に付した数値は1気筒1ストローク(1膨張行程)当たりの燃料噴射量を表す。これらマップでは、基本的にはエンジン負荷が低くなるほど、また、エンジン回転数が低くなるほど後噴射量が多くなるように設定されている。これは、エンジン負荷が低くなるほど、また、エンジン回転数が低くなるほど主噴射による排気ガス温度が低くなり、また、排気ガス量が少なくなるからである。但し、第2後噴射量は第1後噴射量よりも総体的に少なくなるようにしている。
【0045】
図6は第1後噴射時期マップの一例を示し、図7は第2後噴射時期マップの一例を示す。図6及び図7の各領域に付した値はATDC(圧縮行程上死点後)のクランク角を表している。第1後噴射時期については、エンジン出力への影響(トルクショック)を避けながら排気ガス温度を高めるべく、ATDC20〜35゜CA(クランク角)の範囲において、エンジン負荷が高くなるほど、また、エンジン回転数が高くなるほど、遅くなるように設定している。一方、第2後噴射時期については、当該後噴射燃料を酸化触媒で燃焼しやすいように若干熱分解させて排出すべく、ATDC50〜120゜CAの範囲において、エンジン負荷が高くなるほど、また、エンジン回転数が高くなるほど、遅くなるように設定している。
【0046】
上記第1後噴射の実行により、エンジン1の排気ガス温度が上昇し、それに伴って酸化触媒16は温度が上昇して高い活性を示すようになる。よって、第2後噴射によって酸化触媒16に供給される未燃燃料が効率良く酸化燃焼し、フィルタ17に流入する排気ガス温度が高くなって、パティキュレートが着火燃焼し、該フィルタ17の再生が進んでいく。
【0047】
一方、EGRについては、フィルタ再生のための後噴射を実行していない通常時は、EGR制御手段37により、エンジンの運転状態に基づいてマップを参照してEGR弁22の目標開度が設定され、該目標開度となるようにEGR弁22の作動が制御される。図8は通常時のEGR弁22の目標開度マップの一例を示す。なお、図8の各領域に付した数値はEGR弁開度の百分率を示す(全開時が100%,全閉時が0%)。このマップでは、NOxや煤の発生を抑制すべく、エンジン回転数が低くなるほど、また、エンジン負荷が低くなるほど目標開度が大きくなるように設定している。なお、エンジン負荷やエンジン回転数が高いほど気筒への新気の供給量を確保する必要があるので、高負荷側・高速側ほどEGR弁開度は小さくなり、しかも、高速ないし高負荷側ではターボ過給機11による吸気の過給圧が高くなるので、排気の還流は実質的に行われない。
【0048】
そうして、上記フィルタ再生のための後噴射を実行するときは、上記ステップS4においてEGR制御手段37によるEGR制御が抑制され、EGR弁22はEGR量が零(全閉)となるように制御される(EGRの第1抑制状態)。従って、第1後噴射によって得られる高温の排気ガスが酸化触媒16に確実に到達し、また、第2後噴射による未燃燃料が酸化触媒16に確実に供給されることになり、フィルタ17の再生に有利になる。
【0049】
上記ステップS5に続くステップS6では、パティキュレート捕集量Mが第2所定値(例えばフィルタ1L当たり1g)β以下になっているか否かを判定する。捕集量Mが第2所定値β以下になったときはステップS7に進んで第1及び第2の後噴射を停止(フィルタ再生を終了)し、再生時間Cのカウントを終了する一方、当該後噴射を停止してからの経過時間をカウントする。すなわち、フィルタ再生終了後も所定時間はEGRの抑制が継続される(EGRの第2抑制状態)。
【0050】
続くステップS8において、上記後噴射を停止してから所定時間(例えば10秒)を経過したか否かを判定する。所定時間を経過したときは、先に計測した再生時間Cに応じてEGRの抑制を解除する速度、具体的にはEGR弁22の単位時間当たりの開度復帰率を設定し、当該復帰率に基づいてEGR弁22の開度をエンジン運転状態に応じた目標開度(図8参照)になるまで漸次増大させていく。図9は再生時間CとEGR弁開度復帰率(1msec当たりの復帰率(%))との関係を示し、再生時間Cが長くなるほど開度復帰率小さくなるように設定されている。
【0051】
なお、ステップS8の上記所定時間はステップS6で再生終了が判定された時点を起点としてカウントしてもよい。
【0052】
以上のように、上記フィルタ17の再生が終了してから所定時間はEGRを抑制した状態が継続されるから、後噴射を停止した時点でエンジン1の排気ポートからEGR通路21の上流端に至る間の排気通路3に滞留している後噴射燃料は、その後の排気行程で燃焼室5から排出される排気ガスによって酸化触媒16へ送られていき、吸気通路2に流入することが防止される。さらに、上記所定時間経過後はEGR弁22の開度が漸次増大していくから、フィルタ再生中にEGR通路21の上流端からEGR弁22に至る間に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路2に送られることになる。
【0053】
よって、後噴射を停止した時点でエンジン1の排気ポートからEGR通路21の上流端に至る間の排気通路3に滞留している後噴射燃料や、フィルタ再生中にEGR通路21の上流端からEGR弁22に至る間に蓄積された後噴射燃料が、フィルタ再生の終了に伴って排気ガスと共に気筒内燃焼室5に一気に流入することがなくなる。従って、エンジンの異常燃焼が避けられ、グロープラグ8の溶損が防止される。
【0054】
また、上記フィルタ再生時間Cが長くなると、EGR通路21の上流端からEGR弁22に至る間に蓄積される後噴射燃料が多くなるが、当該再生時間Cが長くなるほどEGR弁22の開度復帰率が小さくなるから、つまり、EGR抑制を解除する速度が遅くなるから、その後噴射燃料が気筒内燃焼室5に一時的に多量に流入することが確実に防がれる。
【0055】
(他の実施形態)
本実施形態は、フィルタ再生終了後の所定時間については、フィルタ再生中の排気ガス還流量よりも多く、且つフィルタ17の再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する排気ガス還流量よりも少ない目標還流量を、マップを参照して設定し、EGRの抑制制御を行なう。
【0056】
図10はフィルタ再生終了から所定時間のEGR弁22の目標開度マップの一例を示す。なお、図10の各領域に付した数値はEGR弁開度の百分率を示す(全開時が100%,全閉時が0%)。このマップでは、NOxや煤の発生を抑制すべく、通常時のEGR弁開度マップ(図8)と同様にエンジン回転数が低くなるほど、また、エンジン負荷が低くなるほど目標開度が大きくなるように設定しているが、各エンジン運転状態では通常時のEGR弁開度よりも総体的に小さくなっている。
【0057】
従って、本実施形態においては、フィルタ再生終了から所定時間はEGR弁22の開度が通常時よりも小さくなるから、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートからEGR通路21の上流端に至る間の排気通路3に存在する後噴射燃料が気筒内燃焼室5に一気に流入することがなく、また、フィルタ再生中にEGR通路21に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室5に一気に流入することがなく、グロープラグ8の溶損が防止される。
【0058】
上記所定時間経過後はEGR弁22の開度を通常時の目標開度となるように制御してもよいが、再生時間Cに応じて図9に示すEGR弁開度復帰率を設定し、EGR弁開度を通常時の目標開度に徐々に近づけていくようにしてもよい。
【0059】
また、フィルタ再生終了後のEGRの抑制に関しては、上記各実施形態の方式に代えて、フィルタの再生が終了してから所定時間をかけて、フィルタ再生中のEGR弁開度を通常時の目標開度に徐々に近づけていくようにしてもよい。そのときのEGR弁開度の復帰率は再生時間Cに応じて設定するようにしてもよい。この場合は、再生時間Cに応じて当該所定時間が定められることになる。
【0060】
なお、以上の各実施形態においては、上記再生時間Cに代えて、フィルタ再生中の後噴射回数又はフィルタ再生中の後噴射量積算値を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の全体構成図。
【図2】同制御装置のフィルタ再生制御及びEGR制御に係るブロック図。
【図3】同フィルタ再生及びEGR制御のフロー図。
【図4】同再生制御における第1後噴射量の制御マップ図。
【図5】同再生制御における第2後噴射量の制御マップ図。
【図6】同再生制御における第1後噴射時期の制御マップ図。
【図7】同再生制御における第2後噴射時期の制御マップ図。
【図8】通常運転時のEGR弁開度の制御マップ図。
【図9】再生時間とEGR弁開度復帰率との関係を示すグラフ図。
【図10】フィルタ再生終了から所定時間のEGR弁開度の制御マップ図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
5 気筒内燃焼室
7 燃料噴射弁
8 グロープラグ
14 吸気温度センサ
16 酸化触媒
17 パティキュレートフィルタ
18,19 排気圧力センサ
26 水温センサ
35 ECU
36 再生手段
37 EGR制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路にパティキュレートフィルタを備えたエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記パティキュレートフィルタは、パティキュレート(排気微粒子)の捕集量が所定量以上になったときに、その捕集したパティキュレートを燃焼除去することにより、再生する必要がある。このフィルタの再生に関して、エンジンの排気通路の上記フィルタよりも上流側に酸化触媒を設け、エンジン出力発生のための主噴射の後の膨張行程において燃料の後噴射を実行することによって、排気ガス温度を高めるとともに、酸化触媒にHCを供給して燃焼させることにより上記フィルタの温度を高めること、排気通路から吸気通路への排気ガスの還流を抑制することによって、排気ガス中のNO量を増大させ、上記酸化触媒により酸化生成するNO2量を増大させて該フィルタでのパティキュレートの燃焼を促進することが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−115822号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディーゼルエンジンでは、外気温度が低くエンジン本体が冷えている時の燃料の着火性を改善するために気筒内燃焼室にグロープラグを臨ませ、該グロープラグに通電することにより、吸入空気を暖めることが知られている。
【0005】
しかし、上述の如くフィルタ再生のために後噴射を実行すると、上記グロープラグの溶損を招き易くなるという問題がある。この溶損原因の一つは、フィルタ再生中に行なっていた排気ガス還流の抑制を当該再生終了後に解除したときに、フィルタ再生中の後噴射燃料が排気通路側から吸気系に一気に流入してエンジンの異常燃焼を生じ、それによって燃焼室の温度及び圧力が急に上昇することにあると推定される。
【0006】
この場合、フィルタの再生を終了した時点でエンジンの排気通路における排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料と、フィルタ再生中に排気還流通路に徐々に蓄積された後噴射燃料とが、上記排気ガス還流抑制の解除に伴って吸気系に一気に流入していると考えられる。
【0007】
すなわち、本発明の課題は、上記フィルタ再生のための後噴射によって上記グロープラグが溶損することを防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題に対して、フィルタ再生のための後噴射を停止した後も所定時間は排気ガスの還流を抑制するようにした。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、エンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタと、
上記フィルタに捕集されたパティキュレート捕集量を検出する捕集量検出手段と、
上記フィルタよりも上流側の上記排気通路に設けられた酸化触媒と、
上記酸化触媒よりも上流側の排気通路から当該エンジンの吸気通路に還流させる排気ガス量を調節する還流量調節手段と、
当該エンジンの気筒内燃焼室に臨むように設けられたグロープラグと、
上記還流量調節手段を作動させ当該エンジンの運転状態に応じて上記排気ガスの還流量を制御する還流制御手段と、
上記捕集量検出手段によって検出された上記捕集量が第1所定値以上になったときには、該第1所定値よりも少ない第2所定値以下になるまで、圧縮行程上死点付近で燃料を上記エンジンの気筒内燃焼室に噴射する主噴射後の膨張行程又は排気行程において上記気筒内燃焼室に燃料を噴射する後噴射を実行すると共に、上記還流制御手段による上記排気ガスの還流を抑制することにより、上記フィルタに捕集されたパティキュレートを燃焼させて該フィルタを再生する再生手段とを備えているエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記フィルタ再生のための後噴射を停止する一方、上記フィルタ再生中に後噴射された燃料が上記排気ガスに混入して上記気筒内燃焼室に還流する量が軽減されるように、上記還流制御手段による上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、又は所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除することを特徴とする。
【0010】
従って、フィルタ再生中は排気ガスの還流が抑制されるため、後噴射によって得られる高温の排気ガスの酸化触媒への到達が不十分になること、あるいは後噴射燃料の酸化触媒への到達が不十分になることが防止され、フィルタの再生に有利になる。
【0011】
そうして、フィルタ再生のための後噴射を停止したときでも、所定時間は排気ガスの還流が抑制されるため、或いは所定時間をかけて排気ガスの還流抑制が徐々に解除されるため、後噴射の停止時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料が排気ガスと共に吸気通路を経て気筒内燃焼室に一気に流入してエンジンの異常燃焼を招くことが避けられ、グロープラグの溶損が防止される。
【0012】
また、所定時間をかけて排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにした場合には、排気ガスの吸気通路への還流量が徐々に増大していくことから、フィルタ再生中に排気還流通路に徐々に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路に送られることになり、該後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを避ける上で有利になる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、該所定時間の経過後に上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除することを特徴とする。
【0014】
従って、排気ガスの還流の抑制が所定時間継続されることにより、後噴射の停止時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止され、また、上記所定時間経過後は排気ガスの吸気通路への還流量が徐々に増大していくことから、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路に送られることになり、その後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することが確実に防止される。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、該排気ガスの還流の抑制は、上記排気ガスの還流量を上記フィルタ再生中の排気ガスの還流量よりも多く且つ上記フィルタの再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する目標還流量よりも少なくすることであることを特徴とする。
【0016】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止される。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
上記フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値を検出する手段を備え、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するものであり、且つ上記パラメータ値より判定される後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くすることを特徴とする。
【0018】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、上記後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを確実に防止することができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、請求項2に記載のエンジンの制御装置において、
上記フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値を検出する手段を備え、
上記再生手段は、上記パラメータ値より判定される後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くすることを特徴とする。
【0020】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、上記後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを確実に防止することができる。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項4に記載のエンジンの制御装置において、
上記パラメータ値は、上記フィルタの再生時間、上記フィルタ再生中の後噴射回数、又は上記フィルタ再生中の後噴射量積算値であることを特徴とする。
【0022】
従って、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室に一気に流入することを確実に防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、気筒内燃焼室に臨むグロープラグを備え、フィルタのパティキュレート捕集量が第1所定値以上になったときに後噴射を実行するとともに、排気ガスの還流を抑制することにより、フィルタを再生するようにしたエンジンにおいて、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記フィルタ再生のための後噴射を停止する一方、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、又は所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に徐々に蓄積された後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入してエンジンの異常燃焼を招くことが避けられ、グロープラグの溶損を防止することができる。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、請求項1において、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続するようにしたから、後噴射の停止時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止され、また、上記所定時間の経過後に上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにしたから、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路に送られることになり、その後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが確実に防止される。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、請求項1において、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間は、上記排気ガスの還流量を上記フィルタ再生中の排気ガスの還流量よりも多く且つ上記フィルタの再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する目標還流量よりも少なくするようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートから排気還流通路の上流端に至る間に存在する後噴射燃料や、フィルタ再生中に排気還流通路に蓄積された後噴射燃料が排気ガスと共に気筒内燃焼室に一気に流入することが防止される。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、請求項1において、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するようにするとともに、フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値に基づいて、上記フィルタ再生中の後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くするようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、グロープラグの溶損を確実に防止することができる。
【0027】
請求項5に係る発明によれば、請求項2において、フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値に基づいて、後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くするようにしたから、フィルタ再生のための後噴射を停止した後の排気ガスの還流抑制を必要最小限にしながら、グロープラグの溶損を確実に防止することができる。
【0028】
請求項6に係る発明によれば、請求項4又は請求項5において、上記パラメータ値として、フィルタの再生時間、フィルタ再生中の後噴射回数、又はフィルタ再生中の後噴射量積算値を採用するようにしたから、グロープラグの溶損を確実に防止する上で有利になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1に示すエンジン制御装置において、1は多気筒のディーゼルエンジン(図1には1気筒のみを示している。)、2はその吸気通路、3はその排気通路である。エンジン1のピストン4の頂面には深皿形燃焼室5が形成されている。エンジン1のシリンダヘッドには、圧縮行程上死点付近で当該気筒内燃焼室5に燃料を直接噴射供給することができるように燃料噴射弁7が設けられているとともに、エンジン冷間時に吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ8が設けられている。
【0031】
吸気通路2には、その上流側から下流側に向かって順に、エアクリーナー9、エアフローセンサ10、ターボ過給機11のブロア11a、インタークーラ12、吸気絞り弁13、外気温度に関連するパラメータ値を検出する手段としての吸気温度センサ14及び吸気圧力センサ15が配設されている。排気通路3には、その上流側から下流側に向かって順に、ターボ過給機11のタービン11b、酸化触媒16及びパティキュレートフィルタ17が配設されている。
【0032】
パティキュレートフィルタ17の上流側と下流側とには、排気圧力センサ18、19が配設されている。この両排気圧力センサ18,19はパティキュレート捕集量検出手段を構成している。すなわち、この両センサ18,19で検出される排気圧力の差圧に基づいてパティキュレートフィルタ17に捕集されたパティキュレート量を検出するようになっており、差圧が大きいほど当該捕集量が大と判定することができる。
【0033】
また、排気通路3の上記タービン11bよりも上流側の部位と吸気通路2の上記吸気圧力センサ15よりも下流側の部位とが、排気ガスの一部を吸気系に戻すための排気ガス還流通路21によって接続されている。以下、排気ガス還流をEGRという。このEGR通路21の途中には負圧アクチュエータ式のEGR弁(排気ガス還流量調節手段)22と、排気ガスをエンジンの冷却水によって冷却するためのクーラ23とが配設されている。
【0034】
燃料噴射弁7には、燃料噴射ポンプ(図示省略)から蓄圧手段としてのコモンレール(図示省略)を介して燃料供給管25により燃料が供給され、燃料戻し管24で燃料タンク(図示省略)に戻される。26はエンジン水温を検出する水温センサ、27はエンジン回転数を検出するクランク角センサ、28は酸化触媒16に流入する排気ガス温度を検出する第1排気ガス温度センサ、29はパティキュレートフィルタ17に流入する排気ガス温度を検出する第2排気ガス温度センサ、30はパティキュレートフィルタ17から流出する排気ガス温度を検出する第3排気ガス温度センサである。
【0035】
そうして、上記燃料噴射弁7、グロープラグ8、ターボ過給機11及びEGR弁22は、図2に示すマイクロコンピュータを利用したECU(エンジンコントロールユニット)35によって制御されるようになっている。
【0036】
上記ECU35による燃料噴射弁7を用いた燃料噴射制御には、エンジン出力発生のために圧縮行程上死点付近で燃料を噴射する主噴射制御と、パティキュレートフィルタ17の再生のための後噴射制御とがある。
【0037】
主噴射制御は、基本的にはエンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて行なわれ、さらにエンジン水温や吸気温度等に基づいて補正される。エンジン負荷については、アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ32からECU35に検出信号が与えられるようになっている。
【0038】
後噴射制御、すなわち、フィルタ再生制御は、上記吸気温度センサ14、排気圧力センサ18,19、水温センサ26、クランク角センサ27、排気ガス温度センサ28〜29、アクセル開度センサ32等に基づいて行なわれる。このフィルタ再生制御のために、上記ECU35には再生手段36が設けられている。また、上記ECU35には、エンジンの運転状態に応じてEGR量が目標EGR量となるように、EGR弁22の作動を制御するEGR制御手段37が設けられている。
【0039】
再生手段36は、上記フィルタ17のパティキュレート捕集量が第1所定値以上になったときに、燃料噴射弁7を作動させて、酸化触媒16に流入する排気ガス温度が上昇するように燃料を噴射する第1後噴射と、酸化触媒16に未燃燃料が供給されるように燃料を噴射する第2後噴射とを実行する。この後噴射は、エンジンの運転状態に応じて目標後噴射量及び噴射時期を設定して、上記フィルタ17のパティキュレート捕集量が第2所定値以下になるまで行なわれるようになっている。
【0040】
また、再生手段36は、上記フィルタ再生中はEGR制御手段37によるEGRを抑制し(第1抑制)、さらに上記フィルタ再生終了後も所定時間はEGR制御手段37によるEGRを抑制する(第2抑制)。
【0041】
以下、フィルタ17の再生制御及びEGR制御について具体的に説明する。
【0042】
図3はフィルタ再生及びEGRの制御フローを示す。スタート後のステップS1においてパティキュレートフィルタ17の前後の排気圧力センサ18,19で検出される圧力に基づいて差圧ΔPを求め、ステップS2で差圧ΔPに基づいてパティキュレート捕集量Mを算出する。
【0043】
続くステップS3においてパティキュレート捕集量Mが第1所定値(例えばフィルタ1L当たり10g)α以上になっているか否かを判定する。捕集量Mが第1所定値α以上になっていないときはリターンする。捕集量Mが第1所定値α以上になっているときは、ステップS4に進んで後噴射及びEGR抑制(還流量抑制)の制御を実行し、さらにステップS5に進んで再生時間Cのカウントを開始する。但し、排気ガス温度センサ28の出力に基づいて酸化触媒16に流入する排気ガス温度が所定値(酸化触媒16が所定の活性を呈する温度)以上になっていることを条件としてステップS4に進む。
【0044】
上記後噴射としては、第1後噴射及び第2後噴射を実行する。第1後噴射及び第2後噴射の噴射量及び噴射時期はエンジン運転状態に基づいてマップを参照して設定する。図4は第1後噴射量マップの一例を示し、図5は第2後噴射量マップの一例を示す。図4及び図5の各領域に付した数値は1気筒1ストローク(1膨張行程)当たりの燃料噴射量を表す。これらマップでは、基本的にはエンジン負荷が低くなるほど、また、エンジン回転数が低くなるほど後噴射量が多くなるように設定されている。これは、エンジン負荷が低くなるほど、また、エンジン回転数が低くなるほど主噴射による排気ガス温度が低くなり、また、排気ガス量が少なくなるからである。但し、第2後噴射量は第1後噴射量よりも総体的に少なくなるようにしている。
【0045】
図6は第1後噴射時期マップの一例を示し、図7は第2後噴射時期マップの一例を示す。図6及び図7の各領域に付した値はATDC(圧縮行程上死点後)のクランク角を表している。第1後噴射時期については、エンジン出力への影響(トルクショック)を避けながら排気ガス温度を高めるべく、ATDC20〜35゜CA(クランク角)の範囲において、エンジン負荷が高くなるほど、また、エンジン回転数が高くなるほど、遅くなるように設定している。一方、第2後噴射時期については、当該後噴射燃料を酸化触媒で燃焼しやすいように若干熱分解させて排出すべく、ATDC50〜120゜CAの範囲において、エンジン負荷が高くなるほど、また、エンジン回転数が高くなるほど、遅くなるように設定している。
【0046】
上記第1後噴射の実行により、エンジン1の排気ガス温度が上昇し、それに伴って酸化触媒16は温度が上昇して高い活性を示すようになる。よって、第2後噴射によって酸化触媒16に供給される未燃燃料が効率良く酸化燃焼し、フィルタ17に流入する排気ガス温度が高くなって、パティキュレートが着火燃焼し、該フィルタ17の再生が進んでいく。
【0047】
一方、EGRについては、フィルタ再生のための後噴射を実行していない通常時は、EGR制御手段37により、エンジンの運転状態に基づいてマップを参照してEGR弁22の目標開度が設定され、該目標開度となるようにEGR弁22の作動が制御される。図8は通常時のEGR弁22の目標開度マップの一例を示す。なお、図8の各領域に付した数値はEGR弁開度の百分率を示す(全開時が100%,全閉時が0%)。このマップでは、NOxや煤の発生を抑制すべく、エンジン回転数が低くなるほど、また、エンジン負荷が低くなるほど目標開度が大きくなるように設定している。なお、エンジン負荷やエンジン回転数が高いほど気筒への新気の供給量を確保する必要があるので、高負荷側・高速側ほどEGR弁開度は小さくなり、しかも、高速ないし高負荷側ではターボ過給機11による吸気の過給圧が高くなるので、排気の還流は実質的に行われない。
【0048】
そうして、上記フィルタ再生のための後噴射を実行するときは、上記ステップS4においてEGR制御手段37によるEGR制御が抑制され、EGR弁22はEGR量が零(全閉)となるように制御される(EGRの第1抑制状態)。従って、第1後噴射によって得られる高温の排気ガスが酸化触媒16に確実に到達し、また、第2後噴射による未燃燃料が酸化触媒16に確実に供給されることになり、フィルタ17の再生に有利になる。
【0049】
上記ステップS5に続くステップS6では、パティキュレート捕集量Mが第2所定値(例えばフィルタ1L当たり1g)β以下になっているか否かを判定する。捕集量Mが第2所定値β以下になったときはステップS7に進んで第1及び第2の後噴射を停止(フィルタ再生を終了)し、再生時間Cのカウントを終了する一方、当該後噴射を停止してからの経過時間をカウントする。すなわち、フィルタ再生終了後も所定時間はEGRの抑制が継続される(EGRの第2抑制状態)。
【0050】
続くステップS8において、上記後噴射を停止してから所定時間(例えば10秒)を経過したか否かを判定する。所定時間を経過したときは、先に計測した再生時間Cに応じてEGRの抑制を解除する速度、具体的にはEGR弁22の単位時間当たりの開度復帰率を設定し、当該復帰率に基づいてEGR弁22の開度をエンジン運転状態に応じた目標開度(図8参照)になるまで漸次増大させていく。図9は再生時間CとEGR弁開度復帰率(1msec当たりの復帰率(%))との関係を示し、再生時間Cが長くなるほど開度復帰率小さくなるように設定されている。
【0051】
なお、ステップS8の上記所定時間はステップS6で再生終了が判定された時点を起点としてカウントしてもよい。
【0052】
以上のように、上記フィルタ17の再生が終了してから所定時間はEGRを抑制した状態が継続されるから、後噴射を停止した時点でエンジン1の排気ポートからEGR通路21の上流端に至る間の排気通路3に滞留している後噴射燃料は、その後の排気行程で燃焼室5から排出される排気ガスによって酸化触媒16へ送られていき、吸気通路2に流入することが防止される。さらに、上記所定時間経過後はEGR弁22の開度が漸次増大していくから、フィルタ再生中にEGR通路21の上流端からEGR弁22に至る間に蓄積された後噴射燃料は徐々に吸気通路2に送られることになる。
【0053】
よって、後噴射を停止した時点でエンジン1の排気ポートからEGR通路21の上流端に至る間の排気通路3に滞留している後噴射燃料や、フィルタ再生中にEGR通路21の上流端からEGR弁22に至る間に蓄積された後噴射燃料が、フィルタ再生の終了に伴って排気ガスと共に気筒内燃焼室5に一気に流入することがなくなる。従って、エンジンの異常燃焼が避けられ、グロープラグ8の溶損が防止される。
【0054】
また、上記フィルタ再生時間Cが長くなると、EGR通路21の上流端からEGR弁22に至る間に蓄積される後噴射燃料が多くなるが、当該再生時間Cが長くなるほどEGR弁22の開度復帰率が小さくなるから、つまり、EGR抑制を解除する速度が遅くなるから、その後噴射燃料が気筒内燃焼室5に一時的に多量に流入することが確実に防がれる。
【0055】
(他の実施形態)
本実施形態は、フィルタ再生終了後の所定時間については、フィルタ再生中の排気ガス還流量よりも多く、且つフィルタ17の再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する排気ガス還流量よりも少ない目標還流量を、マップを参照して設定し、EGRの抑制制御を行なう。
【0056】
図10はフィルタ再生終了から所定時間のEGR弁22の目標開度マップの一例を示す。なお、図10の各領域に付した数値はEGR弁開度の百分率を示す(全開時が100%,全閉時が0%)。このマップでは、NOxや煤の発生を抑制すべく、通常時のEGR弁開度マップ(図8)と同様にエンジン回転数が低くなるほど、また、エンジン負荷が低くなるほど目標開度が大きくなるように設定しているが、各エンジン運転状態では通常時のEGR弁開度よりも総体的に小さくなっている。
【0057】
従って、本実施形態においては、フィルタ再生終了から所定時間はEGR弁22の開度が通常時よりも小さくなるから、フィルタ再生のための後噴射を停止した時点で排気ポートからEGR通路21の上流端に至る間の排気通路3に存在する後噴射燃料が気筒内燃焼室5に一気に流入することがなく、また、フィルタ再生中にEGR通路21に蓄積された後噴射燃料が気筒内燃焼室5に一気に流入することがなく、グロープラグ8の溶損が防止される。
【0058】
上記所定時間経過後はEGR弁22の開度を通常時の目標開度となるように制御してもよいが、再生時間Cに応じて図9に示すEGR弁開度復帰率を設定し、EGR弁開度を通常時の目標開度に徐々に近づけていくようにしてもよい。
【0059】
また、フィルタ再生終了後のEGRの抑制に関しては、上記各実施形態の方式に代えて、フィルタの再生が終了してから所定時間をかけて、フィルタ再生中のEGR弁開度を通常時の目標開度に徐々に近づけていくようにしてもよい。そのときのEGR弁開度の復帰率は再生時間Cに応じて設定するようにしてもよい。この場合は、再生時間Cに応じて当該所定時間が定められることになる。
【0060】
なお、以上の各実施形態においては、上記再生時間Cに代えて、フィルタ再生中の後噴射回数又はフィルタ再生中の後噴射量積算値を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の全体構成図。
【図2】同制御装置のフィルタ再生制御及びEGR制御に係るブロック図。
【図3】同フィルタ再生及びEGR制御のフロー図。
【図4】同再生制御における第1後噴射量の制御マップ図。
【図5】同再生制御における第2後噴射量の制御マップ図。
【図6】同再生制御における第1後噴射時期の制御マップ図。
【図7】同再生制御における第2後噴射時期の制御マップ図。
【図8】通常運転時のEGR弁開度の制御マップ図。
【図9】再生時間とEGR弁開度復帰率との関係を示すグラフ図。
【図10】フィルタ再生終了から所定時間のEGR弁開度の制御マップ図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
5 気筒内燃焼室
7 燃料噴射弁
8 グロープラグ
14 吸気温度センサ
16 酸化触媒
17 パティキュレートフィルタ
18,19 排気圧力センサ
26 水温センサ
35 ECU
36 再生手段
37 EGR制御手段
Claims (6)
- エンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタと、
上記フィルタに捕集されたパティキュレート捕集量を検出する捕集量検出手段と、
上記フィルタよりも上流側の上記排気通路に設けられた酸化触媒と、
上記酸化触媒よりも上流側の排気通路から当該エンジンの吸気通路に還流させる排気ガス量を調節する還流量調節手段と、
当該エンジンの気筒内燃焼室に臨むように設けられたグロープラグと、
上記還流量調節手段を作動させ当該エンジンの運転状態に応じて上記排気ガスの還流量を制御する還流制御手段と、
上記捕集量検出手段によって検出された上記捕集量が第1所定値以上になったときには、該第1所定値よりも少ない第2所定値以下になるまで、圧縮行程上死点付近で燃料を上記エンジンの気筒内燃焼室に噴射する主噴射後の膨張行程又は排気行程において上記気筒内燃焼室に燃料を噴射する後噴射を実行すると共に、上記還流制御手段による上記排気ガスの還流を抑制することにより、上記フィルタに捕集されたパティキュレートを燃焼させて該フィルタを再生する再生手段とを備えているエンジンの制御装置において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記フィルタ再生のための後噴射を停止する一方、上記フィルタ再生中に後噴射された燃料が上記排気ガスに混入して上記気筒内燃焼室に還流する量が軽減されるように、上記還流制御手段による上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、又は所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除することを特徴とするエンジンの制御装置。 - 請求項1において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、該所定時間の経過後に上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除することを特徴とするエンジンの制御装置。 - 請求項1において、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、上記排気ガスの還流の抑制を所定時間継続し、該排気ガスの還流の抑制は、上記排気ガスの還流量を上記フィルタ再生中の排気ガスの還流量よりも多く且つ上記フィルタの再生が行なわれていない通常時のエンジン運転状態に対応する目標還流量よりも少なくすることであることを特徴とするエンジンの制御装置。 - 請求項1において、
上記フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値を検出する手段を備え、
上記再生手段は、上記捕集量が上記第2所定値以下になったときに、所定時間をかけて上記排気ガスの還流抑制を徐々に解除するものであり、且つ上記パラメータ値より判定される後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くすることを特徴とするエンジンの制御装置。 - 請求項2において、
上記フィルタ再生中の燃料の後噴射量に関連するパラメータ値を検出する手段を備え、
上記再生手段は、上記パラメータ値より判定される後噴射量が多くなるほど上記排気ガスの還流抑制の解除速度を遅くすることを特徴とするエンジンの制御装置。 - 請求項4又は請求項5において、
上記パラメータ値は、上記フィルタの再生時間、上記フィルタ再生中の後噴射回数、又は上記フィルタ再生中の後噴射量積算値であることを特徴とするエンジンの制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-05-28 JP JP2003150258A patent/JP2004353502A/ja not_active Abandoned
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