JP2004353435A - サッシ窓 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バリアフリータイプの窓下枠における水密性能の向上を図ることができるサッシ窓を提供すること。
【解決手段】レール部125および側壁部30,128,129の上端が略同一高さ位置に設けられているので、下枠12上面がフラットなバリアフリータイプの窓を構成することができる。また、側壁部30,128と下框17の室内側垂下片172との間に気密材を介在することで、気密ラインが形成されるとともに、室内側および室外側のレール側方空間35A,35B,36A,36Bが室外空間に連通され、かつ垂下片172側方の隙間を介してレール上方空間37A,37Bに連通されているので、これらの各空間における気圧差をなくし、気圧差による各空間同士の間の雨水等の移動が発生し難くなるため、室内側レール側方空間36A,36Bへの雨水等の浸入を防止でき、水密性能の向上を図ることができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、サッシ窓に関する。詳しくは、窓枠の内側に開閉自在に支持された可動障子を備える引違い窓や片引き窓等のサッシ窓に関する。
住宅等のテラスやバルコニー等に面した外壁位置には、居住者が室内からテラス等に出入りするための掃出し窓が設けられている。このような掃出し窓としては、外壁に固定された窓枠と、この窓枠内にスライド自在に支持された可動障子とを備えた、引違い窓や片引き窓等が一般的である。
これらの引違い窓等では、障子の下框に設けられた戸車を案内するガイドレールが下枠上面から突出して形成されている。また、下枠において、室外の雨水等が下框との隙間から室内側に吹き込まないように、室外側に向かって下がる段差が形成され、室外側のガイドレールを室内側のガイドレールよりも低い位置に設ける形態のものが、従来から広く採用されている。
しかし、近年、居住者の高齢化や、車いす利用者の利便性等に配慮したバリアフリータイプの掃出し窓が実用化されている。このようなバリアフリータイプの掃出し窓では、下枠のガイドレールが室内外ともに略同一高さ位置に設けられており、室外側に下がる段差が形成されていないため、段差による止水構造以外の、下枠における水密構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載されたサッシ窓の下枠は、排水凹部を有する下枠本体と、障子を案内するガイドレールとしての機能を有する上面フラット部材とを備えて構成されている。そして、排水凹部の側壁に設けられた気密材(横タイト材)が、障子下框の室内側側壁から垂下された垂下片(スライド片)の室内側面に当接して、気密ラインが形成されている。この気密ラインの下方(室外側)に位置する排水凹部に溜まった雨水等は、排水凹部底面に設けられた排水口から下枠中空部を介して室外に排水されるようになっている。また、上面フラット部材と障子下框の垂下片室外側面との間には、隙間が設けられており、この隙間を介して室外空間と排水凹部とが連通され、排水口を介して排水凹部と下枠中空部とが連通されている。これにより、排水凹部および下枠中空部と室外空間との間の気圧差が小さくなって、排水凹部に流入した雨水等が下枠中空部に排出されやすくなっている。
特許文献2に記載されたサッシ窓の下枠では、室内外の障子を案内するガイドレールと、これらのガイドレールの間に立設された中間立上片と、室内外の側壁とが、段差なく、略同一高さ位置に設けられている。そして、室内側の側壁に設けられた気密材が、室内側障子下框の室内側面に当接し、中間立上片に設けられた気密材が、室外側障子下框の室内側面に当接して、気密ラインが形成されている。また、下枠において、室内側壁と室内側ガイドレールとの間、室内側ガイドレールと中間立上片との間、および中間立上片と室外側ガイドレールとの間には、それぞれ下枠中空部に向かって開口した排水口が設けられている。これにより、下枠の上側に溜まった雨水等は、排水口から下枠中空部を介して室外に排水されるようになっている。
特許第3233921号公報 特開2000−8729号公報
しかしながら、上記したいずれのサッシ窓においても、下枠と障子下框との間に形成された気密ラインの直下位置への雨水等の浸入を防止することは困難である。すなわち、特許文献1のサッシ窓では、上面フラット部材と障子下框の垂下片室外側面との隙間から、気密ラインの直下位置である排水凹部に雨水等が浸入しやすくなっている。また、特許文献2のサッシ窓では、室内側壁と室内側ガイドレールとの間、および中間立上片と室外側ガイドレールとの間に、それぞれガイドレールを越えて雨水等が浸入する可能性がある。このように気密ラインの直下位置に浸入する水の量が、排水口から排出される量を超えるような場合には、障子下框と気密材との間から室内側へ水が浸入する可能性がある。このため、下枠および障子下框間の水密性能が必ずしも十分に確保できないという問題がある。
本発明の目的は、バリアフリータイプの窓下枠における水密性能の向上を図ることができるサッシ窓を提供することにある。
本発明のサッシ窓は、上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内側に開閉自在に支持された障子とを備えたサッシ窓であって、前記下枠は、支持面部と、この支持面部の上面に当該下枠の長手方向略全長に渡って設けられ、前記障子の戸車を案内するレール部と、このレール部の室内側および室外側に略平行に設けられた側壁部とを備え、前記支持面部には、前記レール部と、前記室内側および室外側の側壁部と、の間に形成された室内側および室外側のレール側方空間を、室外空間に連通させる連通孔が設けられ、前記レール部は、前記支持面部から上方に延出する立上部と、この立上部の上端から見込み方向に延出し、かつ前記側壁部との間に隙間を介して設けられた水平面部とを有し、前記水平面部は、前記各側壁部の上端と略同一高さ位置に設けられ、前記障子は、上框、下框、および左右の縦框を備えて構成され、前記下框は、底面と、この底面の室内側および室外側に連続して下方に延出する垂下片とを有し、これらの垂下片は、前記レール部の水平面部と前記側壁部との間に設けられた前記隙間に挿入されており、前記レール部の水平面部と、前記下框の垂下片および底面とで囲まれたレール上方空間が形成されるとともに、前記垂下片のうちの室内側垂下片および前記室内側側壁部のいずれか一方には、他方に当接する気密材が設けられ、前記レール上方空間は、前記レール部の水平面部と、前記垂下片との隙間を介して前記室内側および室外側のレール側方空間に連通され、前記室外側のレール側方空間は、前記室外側側壁部と前記垂下片との隙間を介して、前記下枠上側の室外空間に連通されたことを特徴とする。
ここで、前記レール部は、下枠(支持面部)に一体に形成されていてもよいし、別体に形成されて下枠に対して着脱自在に設けられていてもよい。同様に、前記側壁部も下枠(支持面部)に一体に形成されていてもよいし、別体に形成されて下枠に対して着脱自在に設けられていてもよい。
また、レール部の水平面部は、立上部の上端から室外方向または室内方向のいずれか一方の見込み方向に延出されていてもよいし、両方向に延出されていてもよい。さらに、レール部は、2つの立上部およびこれらの立上部間を連結する水平面部を備えて断面略コ字状に形成されていてもよい。
また、レール部の水平面部と側壁部の上端とが略同一高さ位置に設けられているとは、同一の高さ位置の場合に限らず、居住者や車いす等の移動に際し、障害とならない程度に高さ位置が異なる場合も含む意味である。
さらに、レール部の水平面部と側壁部との間の隙間は、障子下框の垂下片を挿入した際に、この垂下片がレール部や側壁部に当たらず、障子の開閉操作に支障がない程度の、必要最低限の見込み寸法としての所定幅寸法を有することが、下枠上面の溝幅を小さくできてフラット感をより高めることができる点で好ましい。
このような構成によれば、レール部の水平面部および側壁部の上端が略同一高さ位置とされているので、下枠の上面がフラットなバリアフリータイプの窓を構成することができる。
また、側壁部と下框の室内側垂下片との間に気密材を介在することで、気密ラインが形成される。そして、室内側および室外側のレール側方空間が、支持面部の連通孔を介して室外空間に連通され、かつレール部の水平面部および垂下片の隙間を介してレール上方空間に連通されているので、これらのレール側方空間、およびレール上方空間が外気と等圧な空間となっている。このため、室内側および室外側のレール側方空間およびレール上方空間の各空間における気圧差がなくなり、気圧差によって生じる雨水等の移動が、各空間同士の間において発生し難くなっている。
一方、気密ラインの直下位置である室内側のレール側方空間に室外から雨水等が浸入するためには、室外側のレール側方空間、およびレール上方空間を通過する必要がある。このため、室外からの雨水等が室内側のレール側方空間に浸入する浸入経路は、レール部の水平面部よりも下方に位置する室外側のレール側方空間、この室外側のレール側方空間よりも上方に位置するレール上方空間、およびこのレール上方空間よりも下方に位置する室内側のレール側方空間の順になっている。従って、浸入経路が上下、および見込み方向の移動を伴うため、雨水等が一つの空間から次の空間へ浸入する過程ごとに雨水等の運動エネルギーが消費されるので、室外からの雨水等が室内側のレール側方空間に浸入しにくくなる。
その上、これらの各空間は、下框の垂下片と側壁部またはレール部の水平面部との隙間を介して連通されているので、この隙間を通過して各空間に吹き込む際にも、狭い空間から広い空間に吹き出すために雨水等の運動エネルギーが消費され、一つの空間から次の空間へ雨水等がより一層浸入し難くなっている。
さらに、室内側および室外側のレール側方空間に浸入した雨水等は、支持面部の連通孔から排水されるようになっている。
以上のように、気密ライン直下位置への雨水等の浸入を防止することができるとともに、レール側方空間に浸入した雨水等を連通孔から排水することができるので、気密ラインを越えて室内空間に雨水等が浸入せず、水密性能の向上を図ることができる。
また、下框の垂下片と側壁部またはレール部の水平面部との隙間を、障子の開閉操作に支障がない程度に狭く形成し、この隙間に表面張力の作用で雨水等の水の膜を形成することもできる。この場合、水の膜が気密効果を発揮するので、さらに水密性を向上させることができる。
また、本発明のサッシ窓では、前記下枠は、前記支持面部の下側に形成された中空状の下枠中空部を備え、前記室内側および室外側のレール側方空間は、前記支持面部に設けられた連通孔、および前記下枠中空部を介して室外空間と連通されていることが好ましい。
このような構成によれば、支持面部の下側に下枠中空部を形成したことで、支持面部の下方からレール側方空間への雨水等の吹き上げを防止できる。
さらに、本発明のサッシ窓では、前記障子は、前記窓枠内部の室内側および室内側に引違い形式に設けられた2つの障子から構成され、これらの各障子に対応して前記レール部は、互いに対向し、前記下枠の長手方向に沿って設けられた2本のレール部から構成されていることが望ましい。
このような構成によれば、下枠の上面がフラットに形成され、バリアフリー対応可能な引違い窓を構成することができる。
一方、本発明のサッシ窓では、前記障子は、前記窓枠内部に固定された固定面材の室外側または室内側に片引き形式に設けられた1つの障子から構成されており、この障子に対応して前記レール部は、前記下枠の長手方向に沿って設けられた1本のレール部から構成されていることが望ましい。
このような構成によれば、下枠の上面がフラットに形成され、バリアフリー対応可能な片引き窓を構成することができる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングが省略されている。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るサッシ窓としての引違い窓について、図1ないし図26に基づいて説明する。
図1、図2は、本実施形態の引違い窓10を示す縦断面図、および横断面図である。図3は、引違い窓10が設けられた建物の一部を示す斜視図である。
図1ないし図3において、建物の外壁に設けられた引違い窓10は、建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、気密性や水密性、遮音性等について所定の性能を有している。建物は、例えば戸建て住宅であって、引違い窓10の室外にはテラス1が設けられており、このテラス1には、木質材料等からなるデッキ材2が敷かれている。そして、このデッキ材2と引違い窓10との間には、雨水等を図示しない排水溝に導くグレーチング3が設けられており、これらのデッキ材2およびグレーチング3の上面は、室内床面4と略同一の高さ位置となっている。そして、引違い窓10では、後述する下枠12の上面も室内床面4と略同一の高さ位置でフラットに形成されている。従って、居住者が引違い窓10を通って室内外間を往来する際に、室内外床レベルの段差がないので上り下りする必要がなく、楽に出入りできるとともに、車いすを利用する居住者であっても容易に出入りできるようになっている。すなわち、引違い窓10は、室内外の床段差を小さくした、バリアフリータイプの掃出し窓である。
引違い窓10は、それぞれアルミ押出形材製の上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠14と、この窓枠14の内側に開閉自在に支持された1組の障子15とを備えて構成されている。窓枠14は、建物の外壁や柱等の躯体に固定されている。障子15は、それぞれアルミ押出形材製の上框16、下框17、左右の縦框18、および縦框18同士を連結する中桟19を略日字形に框組みした内部に、ガラスパネル20を嵌め込んで構成されている。2つの障子15は、室内側の障子15Aと、室外側の障子15Bとが、窓枠14の見付け方向(図2中、左右方向)略中央位置の召合せ部分21で重なって、閉じるようになっている。
召合せ部分21の縦框18A,18Bには、引戸錠であるクレセント22が設けられている。クレセント22は、室内側の縦框18Aに取り付けられた回動フック22Aを回動し、室外側の縦框18Bに取り付けられた受けフック22Bに係合することで、引違い窓10を施錠できるようになっている。
また、召合せ部分21の縦框18A,18B同士の間には、室内空間の気密性を確保する気密材としてのAT材23、および水切りとしての水切材24が設けられている。これらのAT材23、水切材24は、それぞれ室外側の縦框18Bに形成された凹溝状の取付部23A,24Aに係合され、先端部を室内側の縦框18A側面に当接するようになっている。
窓枠14の上枠11は、断面略コ字形の開口側を下方に向けて設けられ、上辺部分の内面に、下方に延びる2つのガイド片111を備えている。ガイド片111は、上枠11の長手方向(見付け方向)に沿って連続して形成され、障子15の上框16を案内するものである。上框16の上面には、ガイド片111を挿入する凹溝部161が形成されており、この凹溝部161がガイド片111に摺動自在に係合することで、障子15の見込み方向への移動が規制されている。また、凹溝部161の内側には、ガイド片111の室内外両側面に当接して、室内空間の気密性を確保する気密材(AT材)162が、上框16に沿って2つ1組で取り付けられている。
縦枠13は、断面略コ字形の開口側を窓枠14内側に向けて設けられ、見込み方向に沿った側壁部分の内面に、窓枠14内方に延びるガイド片131を備えている。ガイド片131は、障子15の縦框18の見込み方向略中央に対応した位置に、上下方向に連続して形成されている。また、障子15を閉じた際に縦枠13に当接する縦框18の側端面には、ガイド片131を挿入する凹溝部181が形成されている。この凹溝部181の内部には、ガイド片131に当接して、障子15を室内側に案内する傾斜面182が設けられている。また、縦枠13のガイド片131に対向して室内側には、障子15の縦框18の室内側面に当接するAT材132が突片133に支持されて、取り付けられている。これにより、障子15を閉じれば、縦框18の傾斜面182がガイド片131に案内されて障子15が室内側に付勢され、縦框18の室内側面がAT材132に押圧されて、気密性を確保できるようになっている。
下枠12は、中空状の長尺部材で、支持面部としての下枠水平面部121と、室外側に略鉛直に設けられた下枠外側面部122と、室内側から室外側に向かって下方に傾斜した下枠底面部123とを備え、これらの各面で略三角形状の下枠中空部124が形成されている。下枠水平面部121は、上面が略水平に形成されており、この下枠水平面部121上面には、一対の障子15に対応した2本のレール部125が、下枠12の見付け方向略全長に渡って一体に形成されている。これら2本のレール部125は、その上面である戸車案内部126(図4、5)で障子15の下框17に取り付けられた戸車171を転動可能に支持している。また、下框17には、その室内外両側面がレール部125の戸車案内部126より下側まで延びた垂下片172と、戸車案内部126と対向する内部に下框底面173とが形成されている。
次に、引違い窓10の下枠12の構造について、図4ないし図7に基づいて詳しく説明する。図4は、下枠12の一部を拡大して示す斜視図であり、図5は、下枠12の縦断面図である。図6および図7は、それぞれ下枠を示す平面図、および室外側の側面図である。
図4および図5において、下枠12のレール部125は、室内側レール部125Aと、室外側レール部125Bとで構成され、これらの各レール部125は、下枠水平面部121上面に立設され、上方に延びる立上部127と、この立上部127の上端に連続し、略水平方向に延出する戸車案内部126とを備えている。室内側レール部125Aは、戸車案内部126が立上部127上端から室外方向のみに延出して、断面略逆L字形に形成されている。また、室外側レール部125Bは、戸車案内部126が立上部127上端から室内外両方向に延出して、断面略T字形に形成されている。そして、戸車案内部126には、障子15の戸車171を案内する、断面略円弧状の凹溝126Aが形成されている。
なお、戸車案内部126の上面において、戸車171を案内する部分は、凹溝126Aに限らず、平坦面でもよく、また、上方に突出した凸状のガイドレールでもよい。その際、凸状のガイドレールと係合する凹溝を戸車外周に形成すればよい。
室内側レール部125Aの室内側で、下枠12の最も室内側位置には、室内側側壁部128が形成され、室外側レール部125Bの室外側で、下枠12の最も室外側位置には、室外側側壁部129が形成されている。これらの室内側側壁部128、および室外側側壁部129の上端は、各レール部125の戸車案内部126と略同一高さ位置に設けられている。室内側側壁部128の下部は、下枠水平面部121よりも下側まで垂下されており、この垂下された位置が躯体等への固定位置になっている。また、室外側側壁部129は、下枠外側面部122や縦枠13の側面よりも室外側に飛び出した位置に設けられており、この室外側側壁部129で図示しない網戸の下端を案内する網戸レールが構成されている。
室内側レール部125Aと室外側レール部125Bとの間、室内側レール部125Aと室内側側壁部128との間、および室外側レール部125Bと室外側側壁部129との間には、それぞれ着脱部材としての隙間用部材30(31,32,33)が下枠12に対して着脱自在に取り付けられている。これらの各隙間用部材30は、下枠12の長手方向略全長に渡って設けられている。
ここで、室内側レール部125Aと室外側レール部125Bとの間に取り付けられた隙間用部材30を中央隙間用部材31とし、室内側レール部125Aと室内側側壁部128との間に取り付けられた隙間用部材30を室内側隙間用部材32とし、室外側レール部125Bと室外側側壁部129との間に取り付けられた隙間用部材30を室外側隙間用部材33として、以下の説明を行う。
中央隙間用部材31は、その上面を構成する上面部311と、この上面部311の見込み方向略中央位置から下方に延出する第1側面部312と、この第1側面部312の下端から室外方向に延びる底面部313と、この底面部313の室外側縁から上方に延びる第2側面部314とを備えている。
中央隙間用部材31の上面部311は、各レール部125の戸車案内部126と略同一高さ位置に、略水平に設けられ、かつ各戸車案内部126の端縁との間に所定の隙間30Aを介して設けられている。これらの隙間30Aのうち、室内側の隙間30Aには、室内側の障子15Aの下框17に設けられた室外側の垂下片172が挿入されている。また、室外側の隙間30Aには、室外側の障子15Aの下框17に設けられた室内側の垂下片172が挿入されている。すなわち、隙間30Aの幅寸法は、障子15の下框17の垂下片172を挿通可能で、この垂下片172が各戸車案内部126や隙間用部材30に当たらない程度の、必要最低限の寸法となっている。
中央隙間用部材31の第1側面部312は、下枠水平面部121の上面に立設された立上片121Aの室外側側面に沿って設けられている。この立上片121Aの基端部室外側には、下方に向かって室外側に傾斜した傾斜面部121Bが形成されている。そして、第1側面部312は、立上片121Aの上端部と基端部の傾斜面部121Bとの2つの高さ位置で、立上片121Aに当接している。また、第2側面部314の上端は、室外側レール部125Bの立上部127室内側側面に突設された突片127Aに当接している。このように、中央隙間用部材31は、立上片121A上端部、傾斜面部121B、および突片127Aの3箇所を支点にして下枠12に支持されている。
また、底面部313は、下枠水平面部121に沿って設けられており、この底面部313が下枠水平面部121の上面に当接することで、上下方向について位置決めされている。
さらに、中央隙間用部材31は、上面部311の室内側縁近傍から下方に延出し、その下端が室内方向に延びるとともに、上方に折れ曲がって、断面略コ字形に形成された溝状部315を備えている。この溝状部315は、上面部311の室内側に隣接した隙間30Aの間隔寸法と略同一の見込み寸法を有しており、略コ字形の開口を上方に向けて隙間30Aの下方に位置して設けられている。
また、第1側面部312、底面部313、および第2側面部314によっても、上方に開口した断面略コ字形の溝状部316が形成されており、この溝状部316は、上面部311の室外側に隣接した隙間30Aの下方に設けられている。
以上の中央隙間用部材31は、第2側面部314の室外側側面から、溝状部315の室内側側面までの見込み寸法が、室内側レール部125Aの戸車案内部126室外側端縁と、室外側レール部125Bの戸車案内部126室内側端縁との間の寸法と、略同一になっており、室内側の戸車案内部126と、室外側の戸車案内部126との間を通過可能に構成されている。これにより、中央隙間用部材31は、上方から各レール部125の間に挿通して、立上片121Aおよび突片127Aの間に圧入することで下枠12に取り付けられ、逆に上方に引き抜くことで取り外すことができるようになっている。
次に、室内側隙間用部材32は、その上面を構成する上面部321と、この上面部321の室外側縁近傍から下方に延出する第1側面部322と、この第1側面部322の下端から室内方向に延びる底面部323と、この底面部323の室内側縁から上方に延びる第2側面部324とを備えている。
室内側隙間用部材32の上面部321は、室内側レール部125Aの戸車案内部126に接して略同一高さ位置に、略水平に設けられている。そして、上面部321は、室内側側壁部128との間に所定の隙間30Aを介して設けられている。この隙間30Aには、室内側の障子15Aの下框17に設けられた室内側の垂下片172が挿入されている。
室内側隙間用部材32の第1側面部322は、室内側レール部125Aの立上部127室内側側面に沿って設けられている。この立上部127の基端部室内側には、下方に向かって室内側に傾斜した傾斜面部127Bが形成されている。そして、第1側面部322は、立上部127の上端部と基端部の傾斜面部127Bとの2つの高さ位置で、室内側レール部125Aの立上部127に当接している。また、第2側面部324の上端は、室内側側壁部128の室外側側面に当接している。このように、室内側隙間用部材32は、室内側レール部125Aの立上部127上端部、傾斜面部127B、および室内側側壁部128の3箇所を支点にして下枠12に支持されている。
また、底面部323は、下枠水平面部121に沿って設けられており、この底面部323が下枠水平面部121の上面に当接することで、上下方向について位置決めされている。
さらに、室内側隙間用部材32の第1側面部322、底面部323、および第2側面部324によって、上方に開口した断面略コ字形の溝状部325が形成されている。この溝状部325は、上面部321の室内側に隣接した隙間30Aの下方に位置して設けられている。そして、室内側隙間用部材32の見込み寸法は、室内側レール部125Aと室内側側壁部128との間の寸法と、略同一になっており、この間隔部分を通過可能に構成されている。これにより、室内側隙間用部材32は、上方から室内側レール部125Aと室内側側壁部128の間に挿通して、これらの間に圧入することで下枠12に取り付けられ、逆に上方に引き抜くことで取り外すことができるようになっている。
次に、室外側隙間用部材33は、その上面を構成する上面部331と、この上面部331の見込み方向略中央位置から下方に延出する第1側面部332と、この第1側面部322の下端から室外方向に延びる底面部333と、この底面部333の室外側縁から上方に延びる第2側面部334とを備えている。
室外側隙間用部材33の上面部331は、室外側レール部125Bの戸車案内部126と略同一高さ位置に、略水平に設けられ、かつ戸車案内部126の端縁との間に所定の隙間30Aを介して設けられている。この隙間30Aには、室外側の障子15Bの下框17に設けられた室外側の垂下片172が挿入されている。また、上面部331と室外側側壁部129との間にも、網戸を案内するための隙間が設けられている。
さらに、室外側隙間用部材33は、上面部331の室外側縁から下方に延出し、その下端が室外方向に延びるとともに、第2側面部334の室内側側面に連結された部分と、第2側面部334の上端部分とによって断面略コ字形に形成された溝状部335を備えている。この溝状部335は、ゴミ受け部を構成するもので、上面部331の室外側に隣接した隙間の間隔寸法と略同一の見込み寸法を有しており、略コ字形の開口を上方に向けて隙間の下方に位置して設けられている。
室外側隙間用部材33の第1側面部332は、下枠水平面部121の上面に立設された立上片121Cの室外側側面に沿って設けられ、第1側面部332は、立上片121Cの室外側側面上部に当接している。また、第2側面部334は、室外側側壁部129の高さ方向中間部分および基端部の2つの高さ位置で、室外側側壁部129の室内側側面に当接している。この室外側側壁部129の基端部室内側には、下方に向かって室内側に傾斜した傾斜面部129Aが形成されている。このように、室外側隙間用部材33は、立上片121Cの室外側側面上部、室外側側壁部129の高さ方向中間部分、および傾斜面部129Aの3箇所を支点にして下枠12に支持されている。
また、底面部333は、下枠水平面部121に沿って設けられており、この底面部333が下枠水平面部121の上面に当接することで、上下方向について位置決めされている。
さらに、室外側隙間用部材33は、第1側面部332の室内側面から室内方向に延出するとともに、上方に折れ曲がって、断面略コ字形に形成された溝状部336を備えている。この溝状部336は、上面部331の室内側に隣接した隙間30Aの間隔寸法と略同一の見込み寸法を有しており、略コ字形の開口を上方に向けて隙間30Aの下方に位置して設けられている。
また、室外側隙間用部材33は、第2側面部334の室外側側面から、溝状部336の室内側側面までの見込み寸法が、室外側レール部125Bの戸車案内部126室外側端縁と室外側側壁部129との間の寸法と、略同一になっており、この間隔部分を通過可能に構成されている。これにより、室外側隙間用部材33は、上方から室外側レール部125Bと室外側側壁部129の間に挿通して、室外側側壁部129および立上片121Cの間に圧入することで下枠12に取り付けられ、逆に上方に引き抜くことで取り外すことができるようになっている。
一方、図5に示すように、下枠12の室内側側壁部128室外側側面には、室内側の障子15Aの下框17に設けられた室内側の垂下片172側面に当接して、室内空間の気密性を確保するAT材40が、凹溝状の取付部に嵌合して取り付けられている。また、中央隙間用部材31の第1側面部312室外側側面には、室外側の障子15Bの下框17に設けられた室内側の垂下片172側面に当接して、室内空間の気密性を確保するAT材40が、凹溝状の取付部に嵌合して取り付けられている。これらのAT材40は、下枠12の長手方向略全長に渡って設けられており、端部側において、前記した縦枠13のAT材132と連続し、気密ラインを形成するようになっている。
なお、AT材40は、室内側側壁部128および中央隙間用部材31の第1側面部312に限らず、下框17の垂下片172に設けられ、室内側側壁部128および中央隙間用部材31に当接するように構成されてもよい。
次に、図6および図7において、下枠12の下枠水平面部121および下枠外側面部122には、下枠中空部124と下枠12上方空間および室外空間とを連通する複数の連通孔121D〜121H,122Aが設けられている。
連通孔121Dは、下枠12の長手方向略中間位置(障子15の召合せ部分21)で、室内側レール部125Aと室外側レール部125Bとの間に設けられている。この連通孔121Dは、室内側レール部125Aの立上部127基端部室外位置から、室外側レール部125Bの戸車案内部126室内側縁下方位置までの見込み寸法とほぼ等しい見込み寸法を有し、すなわち室内外のレール部125A,125B間に渡って形成された平面略矩形状の孔である。そして、連通孔121Dに対応して、下枠水平面部121の立上片121Aと、室内側レール部125Aの戸車案内部126の一部が切り欠かれている。
連通孔121Eは、連通孔121Dの見込み方向に隣接した室内側レール部125Aと、室内側側壁部128との間に設けられ、連通孔121Dと比較して小さな開口面積を有している。
連通孔121Fは、室内側レール部125Aと立上片121Aとの間で、閉じた状態の室内側の障子15A下方に対応した2箇所と、室外側レール部125Bと立上片121Cとの間の2箇所とに設けられている。
連通孔121Gは、下枠12の長手方向両端部位置に複数設けられている。すなわち、図6中、右側の端部位置において、4つの連通孔121Gが各レール部125の室内外両側に設けられ、図6中、左側の端部位置において、2つの連通孔121Gが室外側レール部125Bの室内外両側に設けられている。
また、図6中、左側の下枠12端部位置には、後述する戸当り42に対応した連通孔121Hが、室内側レール部125Aの延長位置に設けられている。すなわち、室内側レール部125Aは、連通孔121Hの手前(図中、右側)までしか設けられておらず、下枠12端部まで延長されていない。
以上の連通孔121D〜121Hのうち、例えば、各レール部125の室内側に隣接して設けられた連通孔121Gは、上方が隙間用部材30に覆われており、このように連通孔を塞いでしまう位置において、隙間用部材30の一部に切欠きや孔(図8、9)が設けられている。すなわち、連通孔121D〜121H、および隙間用部材30に設けた切欠きや孔を通して、下枠中空部124と下枠12上方空間とが適切に連通されるようになっている。
また、連通孔121D〜121Hには、特に図示しないが、ゴミ等が下枠中空部124に入り込むことを防止するとともに、空気を通過させることができるキャップが必要に応じて取り付けられている。
連通孔122Aは、図7に示すように、下枠外側面部122に複数個(本実施形態において、4つ)設けられている。この連通孔122Aは、その下縁が下枠外側面部122と下枠底面部123との接続位置に対応して設けられており、連通孔121D〜121Hから下枠中空部124内に浸入した雨水等を排水するための排水口としての機能も備えている。
また、連通孔122Aの室外側には、雨水や虫等が下枠中空部124内に浸入することを防止するカバー122B(図10)が取り付けられている。
次に、下枠12における水密構造について、図8および図9に基づいて詳しく説明する。図8および図9は、それぞれ下枠12における水密構造を示す縦断面図である。なお、図8、9中、隙間用部材30に付されたハッチングは、連通孔121Gの上方を覆わないように、隙間用部材30が短く形成され、あるいは隙間用部材30に切り欠きや孔等が形成されて隙間用部材30が存在しない部分を示している。
図8および図9において、室内側および室外側の障子15A,15Bの下框17と、これらの障子15A,15Bを支持するレール部125A,125Bと、隙間用部材30と、室内側側壁部128とによって、下枠12と障子15の下框17との間の水密構造が構成されている。
すなわち、室内側の障子15A位置において、室内側レール部125Aの戸車案内部126と、室内側隙間用部材32の上面部321とで、水平面部が構成されている。そして、この水平面部と、室内側側壁部128および室外側の側壁部としての中央隙間用部材31の上面部311との間に、所定の隙間30Aが形成されており、この隙間30Aには、下框17の垂下片172が挿入されている。これらの垂下片172と、中央隙間用部材31の上面部311、室内側レール部125Aの戸車案内部126、および室内側隙間用部材32の上面部321との間には、障子15Aの開閉移動に支障がない程度の狭い隙間30B,30C,30D(図9)が形成されている。また、室内側の垂下片172の室内側面には、室内側側壁部128に設けられたAT材40が当接している。
そして、室内側レール部125Aと中央隙間用部材31との間に室外側レール側方空間35Aが形成され、この室外側レール側方空間35Aは、隙間30Bを介して室外空間に連通されている。また、室内側隙間用部材32と室内側側壁部128との間に、室内側レール側方空間36Aが形成され、この室内側レール側方空間36Aは、AT材40によって、室内空間との連通が遮断されている。さらに、室内側レール部125Aの戸車案内部126および室内側隙間用部材32の上面部321で構成された水平面部の上側には、下框17の垂下片172および下框底面173によって囲まれたレール上方空間37Aが形成されている。このレール上方空間37Aは、隙間30Cを介して室外側レール側方空間35Aに連通され、隙間30Dを介して室内側レール側方空間36Aに連通されている。
また、室外側の障子15B位置において、室外側レール部125Bの戸車案内部126で、水平面部が構成されている。この水平面部と、中央隙間用部材31の上面部311および室外側隙間用部材33の上面部331との間に、所定の隙間30Aが形成されており、この隙間30Aには、下框17の垂下片172が挿入されている。これらの垂下片172と、室外側隙間用部材33の上面部331、および室外側レール部125Bの戸車案内部126との間には、障子15Bの開閉移動に支障がない程度の狭い隙間30E,30F,30G(図9)が形成されている。また、室内側の垂下片172の室内側面には、中央隙間用部材31に設けられたAT材40が当接している。
そして、室外側レール部125Bと室外側隙間用部材33との間に室外側レール側方空間35Bが形成され、この室外側レール側方空間35Bは、隙間30Eを介して室外空間に連通されている。また、室外側レール部125Bと中央隙間用部材31との間に、室内側レール側方空間36Bが形成され、この室内側レール側方空間36Bは、AT材40によって、室内空間との連通が遮断されている。さらに、室外側レール部125Aの戸車案内部126で構成された水平面部の上側には、下框17の垂下片172および下框底面173によって囲まれたレール上方空間37Bが形成されている。このレール上方空間37Bは、隙間30Fを介して室外側レール側方空間35Bに連通され、隙間30Gを介して室内側レール側方空間36Bに連通されている。
以上のように、室内側および室外側のいずれの障子15A,15B位置においても、下框17の室内側の垂下片172とAT材40とで形成された気密ラインの下方、および室外側に室内側レール側方空間36A,36Bが形成されている。そして、室外空間からこれらの室内側レール側方空間36A,36Bに雨水等が浸入するためには、隙間30B,30Eを通って室外側レール側方空間35A,35Bに一旦入り、そして隙間30C,30Fを通って、レール上方空間37A,37Bに入り、さらに隙間30D,30Gを通らなければならない。すなわち、室外からの雨水等が室内側レール側方空間36A,36Bに浸入する浸入経路は、レール部125の水平面部よりも下方に位置する室外側レール側方空間35A,35B、この室外側レール側方空間35A,35Bよりも上方に位置するレール上方空間37A,37B、およびこのレール上方空間37A,37Bよりも下方に位置する室内側レール側方空間36A,36Bの順になっている。従って、浸入経路が上下、および見込み方向の移動を伴うため、雨水等が一つの空間から次の空間へ浸入する過程ごとに雨水等の運動エネルギーが消費されることとなる。このため、室内側レール側方空間36A,36Bへの雨水等の浸入は非常に困難になっている。
また、室外側および室内側のレール側方空間35A,35B,36A,36Bは、連通孔121D〜121Hを介して下枠中空部124に連通され、さらに下枠外側面部122の連通孔122Aを介して室外空間に連通されている。また、室外側レール側方空間35A,35Bは、隙間30B,30Eを介して室外空間に連通されている。そして、レール上方空間37A,37Bは、隙間30C,30D,30F,30Gを介してレール側方空間35A,35B,36A,36Bに連通され、さらに室外側の障子15Bのレール上方空間37Bは、召合せ部側の縦框18と、戸先側の縦框18において室外空間に連通され、また、室内側の障子15Aのレール上方空間37Aは、戸先側の縦框18において室外空間に連通されている。このため、レール側方空間35A,35B,36A,36B、およびレール上方空間37A,37Bは、室外空間と気圧差が小さい等圧空間となっている。このような等圧空間が構成されることで、室内側および室外側のレール側方空間35A,35B,36A,36Bおよびレール上方空間37A,37Bの各空間における気圧差がなくなり、気圧差によって生じる雨水等の移動が、各空間同士の間において発生しにくくなっている。
さらに、レール側方空間35A,35B,36A,36Bと、レール上方空間37A,37Bとの間の隙間30C,30D,30F,30G、および室外側レール側方空間35A,35Bと室外空間との隙間30B,30Eは狭くなっているので、これらの隙間30B〜30Gに水が入り込んだ場合、この水が表面張力の作用により気密効果を発揮する。このため、室外空間から室外側レール側方空間35A,35Bに、室外側レール側方空間35A,35Bからレール上方空間37A,37Bに、レール上方空間37A,37Bから室内側レール側方空間36A,36Bに、向かって水が移動しにくくなり、雨水等が室内側レール側方空間36A,36Bにより一層浸入しにくくなっている。また、狭くなった隙間30B〜30Gにおいて、万一、毛細管現象が発生しても、これらの隙間30B〜30Gは、レール側方空間35A,35B,36A,36Bおよびレール上方空間37A,37Bの広い空間に開口しているので、室外からの雨水等が毛細管現象で室内側に向かって移動しないようになっている。
次に、隙間用部材30としての中央隙間用部材31、室内側隙間用部材32、および室外側隙間用部材33について、図10ないし図13に基づいて詳しく説明する。図10は、引違い窓10の下枠12を室外側から見た斜視図である。図11および図12は、それぞれ隙間用部材30を室内側から見た斜視図である。図13は、隙間用部材32,33の端部に設けられた端部部材34を示す側面図である。なお、図10において、障子15の図示を省略した。
図10ないし図12において、隙間用部材30は、下枠12の長手方向略中央位置で二分割されており、室外側から見て図中右側には、中央隙間用部材31A、室内側隙間用部材32A、および室外側隙間用部材33Aが配置され、図中左側には、中央隙間用部材31B、室内側隙間用部材32B、および室外側隙間用部材33Bが配置されている。なお、室内側側壁部128および中央隙間用部材31に設けられたAT材40は、それぞれ下枠12の長手方向略全長に渡って設けられている。すなわち、障子15を閉じた際に、室内外の障子15A,15Bが位置しない側(図2中、室内側の障子15Aに対して図中左側、室外側の障子15Bに対して図中右側)の室内側側壁部128および中央隙間用部材31にも、AT材40が取り付けられている。このような位置に設けられたAT材40は、障子15を閉じた際には垂下片172に当接せず、気密ラインを構成するものではないが、室内側側壁部128と室内側隙間用部材32との隙間30A、および中央隙間用部材31と室外側レール部125Bの戸車案内部126との隙間30Aを小さくして、下枠12の外観を良好にすることができるという効果を有している。また、左右の中央隙間用部材31A,31Bの間、および室内側隙間用部材32A,32Bの間には、風止板41が設けられている。この風止板41は、下枠12にビス止め固定されており、図8中、右側の中央隙間用部材31Aおよび室内側隙間用部材32Aの下枠12中央側端面が風止板41に当接して、位置決めされている。図8中、左側の中央隙間用部材31Bおよび室内側隙間用部材32Bの下枠12中央側端面は、下枠12に固定された図示しない当接片に当接して、位置決めされている。また、室外側隙間用部材33の下枠12中央側端面同士は、互いに当接して位置決めされるようになっている。
また、各中央隙間用部材31A,31Bの縦枠13側の端部には、戸当り42,43が設けられている。これらの戸当り42,43は、それぞれ室内側および室外側の障子15A,15Bを開放した際に、召合せ部分21の縦框18A,18Bが当接することで、縦框18A,18Bが縦枠13に衝突することを防止するものである。さらに、戸当り42,43は、中央隙間用部材31を下枠12から取り外す際に、手で掴むための取手としても機能するようになっている。
室内側隙間用部材32、および室外側隙間用部材33の縦枠13側端部には、戸当り42または縦枠13に当接する端部部材34が取り付けられている。この端部部材34は、室内側隙間用部材32および室外側隙間用部材33を下枠12から取り外す際の取手としての機能を有している。
端部部材34は、図13に示すように、本体部341と、この本体部341に回動自在に取り付けられたつまみ部342とを備え、つまみ部342は、回動軸343を中心にして上下に回動するようになっている。本体部341の基端側(隙間用部材32,33側)には、係合部344が形成されており、この係合部344を隙間用部材32,33の上面部321,331、第1側面部322,332、底面部323,333、および第1側面部322,332と第2側面部324,334との間で鉛直方向に延びた片で囲まれた内部に圧入することで、本体部341が隙間用部材32,33に固定されている。
また、つまみ部342の基端面には、上下に並んだ2つの凹部345が形成されており、これら2つの凹部345は、つまみ部342が水平になった状態と、上方に回動した状態とにおいて、本体部341に設けられた突起346に係止され、つまみ部342の回動移動が規制されるようになっている。そして、つまみ部342は、回動軸343よりも基端側を上方から押し下げることで、先端側が上方に回動して、下枠12上面から突出する。このようなつまみ部342の先端側には、つまみ穴347が設けられており、先端側が突出した状態で、つまみ穴347に指を掛けて隙間用部材32,33を引き上げることができるようになっている。
また、本体部341の先端側には、先端側上方に向かって傾斜した弾性部材348が設けられている。この弾性部材348は、本体部341の下面を構成する部材を延長するとともに、上方に曲げ加工して形成されたもので、隙間用部材32,33取付状態において、戸当り42または縦枠13の側面に当接して、つまみ部342方向に付勢される。従って、戸当り42または縦枠13に当接した弾性部材348の付勢力により、隙間用部材32,33が下枠12の中央側に向かって押圧されるようになっている。
次に、引違い窓10における召合せ部分21の気密構造について、図14ないし図18に基づいて詳しく説明する。図14ないし図16は、引違い窓10の召合せ部分21における下枠12を室内側上方から見た斜視図である。図17(A),(B)および図18(A),(B)は、それぞれ召合せ部分21における下枠12に設けられた風止板41を示す平面図、および側面図である。なお、図14および図15において、室内側の障子15Aの図示を省略した。
図14ないし図16において、召合せ部21の下枠12には、各レール部125間に設けられた側壁部としての中央隙間用部材31が左右に分割され、分割された中央隙間用部材31A,31B同士が間隔を介して配置され、また、室内側隙間用部材32A,32B同士の間にも間隔が設けられている。そして、中央隙間用部材31A,31B同士の間隔部分に設けられた風止板41は、中央風止板41Aであり、室内側隙間用部材32A,32B同士の間隔部分に設けられた風止板41は、室内側風止板41Bであり、これらの風止板41A,41Bは、ともに室外側の障子15Bの室内側で、障子15を閉じた際に室内側の障子15Aの召合せ部分21側端部が位置する箇所の下方に設けられている。中央風止板41Aは、室内側の障子15Aの底面、および室外側の障子15Bの室内側側面に当接して設けられ、下枠水平面部121に設けられた連通孔121Dに隣接配置されている。そして、中央風止板41Aには、中央隙間用部材31Aに取り付けられたAT材40の端面が当接している。また、室内側風止板41Bは、室内側の下框17底面に当接可能で、下枠水平面部121に設けられた連通孔121Eに隣接配置されている。そして、この室内側風止板41Bには、下枠12の室内側側壁部128に取り付けられたAT材40が当接している。
また、室外側の縦框18Bの室内側下端部には、AT材23に連続する気密部材25が取り付けられ、この気密部材25の底面が中央風止板41A上面に当接されている。気密部材25は、AT材23のヒレ部分側面に当接し、AT材23のヒレ先端部は、気密部材25の室外側面から室内側に所定寸法(例えば、0.5mm)だけ突出し、室内側の縦框18Aに当接している。そして、障子15を閉じてクレセント22を施錠した際、室外側の縦框18Bが室内方向に引き寄せられて、AT材23が室内側の縦框18Aに密接されるようになっている。なお、気密部材25は、クレセント22を施錠した状態で、気密部材25と室内側の縦框18Aとの間に隙間が形成されるようになっている。また、風圧によって室外側の障子15Bが室内側に押圧された際には、気密部材25が室内側の縦框18Aに密接されるようになっている。
また、気密部材25は、上下方向に長い長孔に挿通したねじで室外側の縦框18Bに取り付けられ、上下方向の取付位置を調整可能に構成されている。すなわち、障子15の戸車171の高さ位置を調整したような場合にも、気密部材25の取付位置を調整することで、気密部材25の底面と中央風止板41Aとの当接状態を良好に維持することができるようになっている。また、気密部材25の取付位置を調整しても、気密部材25とAT材23との当接面が上下方向に所定の長さ寸法を有しているため、これらの部材間の当接状態が維持される。
風止板41A,41Bは、図17、18に示すように、下枠水平面部121にビス止め固定されるベース部411と、連通孔121D,121Eに係合するための係合部412と、上方に突出して室内側の障子15Aの底面および垂下片172に当接する複数のフィン部413とを備えている。そして、風止板41A,41Bは、それぞれ中央隙間用部材31Aまたは室内側隙間用部材32Aの端部を係止するための係止片414を備えている。また、中央風止板41Aは、中央隙間用部材31AのAT材40が接続される側面部415、および室外側の障子15Bの垂下片172に当接する側面フィン部416を備えている。このような風止板41A,41Bは、下枠水平面部121の連通孔121D,121Eに係合部412を係合し、ベース部411をビス止めすることで、下枠12に固定されている。風止板41A,41Bのフィン部413は、可撓性を有しており、室内側の障子15Aの開閉移動に伴って下框17の底面や垂下片172に追従して撓み、室内側の障子15Aとの当接状態を維持できるようになっている。
召合せ部分21における下枠12の気密構造は、以上のように構成されており、障子15を閉じた状態では、室外側の縦框18BのAT材23と、気密部材25と、中央風止板41Aと、下枠12の中央隙間用部材31AのAT材40とが連続し、かつ縦框18BのAT材23が室内側の縦框18Aに当接する。そして、室内側の障子15Aの下框17側が、室内側側壁部128のAT材40に連続するとともに、中央風止板41Aと室内側風止板41Bに当接することとなる。従って、召合せ部分21の下枠12における気密ラインが連続して形成され、気密性、水密性、遮音性等を確保できるようになっている。
次に、召合せ部分21における障子15の構造について、図19ないし図21に基づいて詳しく説明する。図19は、引違い窓10の召合せ部分21における障子15の下部を室内側上方から見た斜視図である。図20は、召合せ部分21における障子15の下部を室内側下方から見た斜視図である。図21は、召合せ部分21における室外側の縦框18Bの一部を拡大して示す斜視図である。なお、図19および図20において、室内側および室外側の障子15は、見込み方向に離隔した状態で図示されている。
図19および図20において、召合せ部分21を構成する障子15の縦框18下端には、下框17の垂下片172と略同一形状に射出成形により製造された樹脂製の摺動片26が取り付けられている。この摺動片26は、下框17の垂下片172に連続して設けられており、下框17の垂下片172と同様に、下枠12の隙間30Aに挿入され、中央隙間用部材31Aおよび室内側側壁部128に取り付けられたAT材40に当接するものである。すなわち、摺動片26により縦框垂下片が構成され、この摺動片26と下框17の垂下片172とが連続配置されて、障子15下端縁の略全長に渡って設けられる垂下片が形成されている。そして、室外側の障子15Bに設けられた摺動片26のうち、室内側の摺動片26Aは、垂下片172から障子15の外側に向かって延びる長さ(見付け寸法)が、縦框18Bの見付け寸法よりも短く、かつ室外側の障子15Bを閉じた際に連通孔121Dの上方にほとんど位置しない程度の長さに形成されている。つまり、室内側の摺動片26Aは、室外側の障子15Bを閉じた際に、中央風止板41Aと対向する位置のみに設けられる程度の見付け寸法で形成されている。従って、摺動片26Aが短く形成された部分において、縦框18Bの室内側下端縁と室外側のレール部125Bの戸車案内部126上面との間に隙間(隙間部)が形成される。このため、下框17と下枠12との間に大きな空間が形成され、下枠水平面部121の連通孔121Dにより室外空間と等圧になる等圧空間を大きくすることができるようになっている。
また、室内側の縦框18Aの外側(図19、20中、左側)面には、室内側の障子15A開放時に、前述の戸当り42と当接する当接部材27が取り付けられている。この当接部材27の下端には、摺動片26に連続する2つの突片27Aが設けられている。
図21において、室外側の縦框18Bに設けられたクレセント22の受けフック22Bは、上下に延びるAT材23の一部が切り欠かれた途中部分に交差して設けられている。そして、受けフック22Bの室内側面には、室内側の縦框18Aに当接して気密を保持する気密部材28が、切り欠かれたAT材23の位置に取り付けられている。この気密部材28は、弾性を有する樹脂製で、室内側の縦框18Aに当接した際に変形して、室内側の縦框18Aとの間に隙間ができないようになっている。
次に、下枠12端部に設けられた室内側の障子15A用の戸当り42について、図22ないし図26に基づいて詳しく説明する。図22および図23は、それぞれ下枠12の端部位置を室外側上方から見た斜視図である。図24および図25は、それぞれ戸当り42を示す上方から見た斜視図、および下方から見た斜視図である。図26は、戸当り42の一部を断面して示す下方から見た斜視図である。
図22および図23において、戸当り42は、その室内側側面を室内側側壁部128に当接し、見付け方向外側面を縦枠13の内部側面に当接して、下枠12の端部に設けられている。そして、戸当り42の見付け方向内側面は、室内側レール部125Aの端縁に当接し、戸当り42の室外側側面は、中央隙間用部材31Aの上面部311室外側端縁と略同一位置に設けられている。そして、戸当り42は、下枠水平面部121に設けられた連通孔121Hの上側を覆って設置されている。また、戸当り42の室外側には、縦枠13の突片133に対応した、平面視で略L字形の切り欠き42A(図24、25)が形成されている。この切り欠き42Aは、突片133の室内側側面および先端面の二面に沿って設けられ、突片133に支持されたAT材132に接触している。
戸当り42は、図24、25に示すように、戸当り本体421と、この戸当り本体421に嵌合固定された戸当り気密部422とを備えて構成されている。戸当り本体421は、合成樹脂製の中空状部材であって、中央隙間用部材31Aの端部で、溝状部315が切り欠かれた第1側面部312の室内側面に固定されている。そして、戸当り本体421は、下方および室外側に向かって開口されており、この室外側の開口部分に戸当り気密部422が取り付けられている。戸当り気密部422は、弾性を有したゴム等から形成され、縦枠13の突片133およびAT材132と、中央隙間用部材31Aに取り付けられたAT材40とに接触して設けられている。さらに、戸当り気密部422の室外側面は、戸当り本体421よりも室外側に若干突出して設けられており、この室外側面が、閉じた状態における室外側の障子15の下框17室内側面に当接するようになっている。
戸当り42の室外側には、戸当り本体421と戸当り気密部422上面とで形成された開口部423が設けられている。この開口部423の内側には、図26に示すように、室内側に延びるとともに、折れ曲がって下方に延びる通気路424が戸当り本体421内部に設けられている。この通気路424の下端は、下枠水平面部121の連通孔121Hの上方位置に開口しており、連通孔121H上側の下枠12内部空間と、戸当り42の室外側の空間とが通気路424で連通されている。すなわち、下枠外側面部122の連通孔122Aから下枠中空部124に吹き込んだ外気が、連通孔121Hから上方に吹き出した際に、この吹き出した空気が通気路424を通って、開口部423から戸当り42の室外側の空間に導かれることとなる。これにより、万一、下枠水平面部121上に雨水等が溜まった状態で外気が連通孔121Hから吹き出し、溜まった水がしぶいたとしても、このしぶきを戸当り42の内部で受け止めて、室内空間への水の浸入を防止できるようになっている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)下枠12に形成したレール部125の戸車案内部126と、下枠12に取り付けられる隙間用部材30の上面部311,321,331とが略同一高さ位置に設けられるので、下枠12の上面がフラットに形成されている。さらに、レール部125や室内側側面部128と隙間用部材30との隙間30Aの見付け方向幅寸法が、障子15の下框17の垂下片172を挿通できる必要最低限の寸法になっているので、下枠12の上面を足で踏んだ際の違和感や、車いすで通過する際のがたつき等を減少させて、バリアフリー対応可能な引違い窓10を構成することができる。
(2)また、室外空間から室内側レール側方空間36A,36Bに雨水等が浸入するためには、隙間30B,30Eを通って室外側レール側方空間35A,35Bに一旦入り、そして隙間30C,30Fを通って、レール上方空間37A,37Bに入り、さらに隙間30D,30Gを通らなければならない。このため、浸入経路が上下、および見込み方向の移動を伴うため、雨水等が一つの空間から次の空間へ浸入する過程ごとに雨水等の運動エネルギーが消費されることとなる。このため、室内側レール側方空間36A,36Bへの雨水等の浸入は非常に困難になっている。従って、下枠12および下框17の間から、室内側への雨水等の浸入を防止でき、水密性能の向上を図ることができる。
(3)さらに、レール側方空間35A,35B,36A,36B、およびレール上方空間37A,37Bは、室外空間と気圧差が小さい等圧空間となっているので、室内側および室外側のレール側方空間35A,35B,36A,36Bおよびレール上方空間37A,37Bの各空間における気圧差がなくなり、気圧差によって生じる雨水等の移動が、各空間同士の間において発生しにくくなり、下枠12位置の水密性能をさらに向上させることができる。
(4)そして、レール側方空間35A,35B,36A,36Bと、レール上方空間37A,37Bとの間の隙間30C,30D,30F,30G、および室外側レール側方空間35A,35Bと室外空間との間の隙間30B,30Eが狭くなっているので、この隙間30B〜30Gに入り込んだ水が表面張力の作用により気密効果を発揮することができ、室内側レール側方空間36A,36Bに雨水等が浸入しにくくなって、水密性能をより一層向上させることができる。
(5)さらに、狭い隙間30B〜30Gから広い空間35A,35B,36A,36B,37A,37Bに吹き出す際には、雨水等の運動エネルギーがより消費されるので、室内側レール側方空間36A,36Bへの雨水等の浸入を防止することができる。
(6)また、下枠水平面部121にレール部125を立設することで、障子15の戸車171を案内するレール部125を下枠12に一体に形成することができるので、レール部125および下枠水平面部121が十分な強度で接合されるため、複雑な取り付け構造等が不要になり、一体のレール部125の強度も確保でき、製造コストを減少することができる。
さらに、レール部125が下枠12と一体であれば、障子15を開閉する際のがたつきや軋み等が生じず、レール部125で障子15を確実に支持して、障子15の開閉操作を円滑に実施することができる。また、レール部125を下枠12の長手方向途中位置で分割する必要もないので、レール部125の上面に不必要な段差が発生せず、より円滑な障子15の開閉操作を実現できる。
(7)また、隙間用部材30を取り外すことができるので、隙間30Aから下枠12内に入り込んだゴミや埃を、隙間用部材30の溝状部315,316,325,335,336で受け止め、隙間用部材30とともにゴミ等を取り出すことができる。この際、レール部125は取り外されないため、清掃時に障子15が脱落する不安もなく、清掃作業を安心して実行することができる。
(8)また、下枠12のレール部125や立上片121A,121C、レール部125の突片127A、室内側および室外側の側壁部128,129の間に隙間用部材30を圧入して取り付けることで、ビス等を用いなくても簡単かつ確実に隙間用部材30を下枠12に取り付けることができるので、通常使用時においては、不用意に外れることがなく、清掃時には、居住者が簡単に隙間用部材30を脱着することができる。
(9)また、隙間用部材30がレール部125の戸車案内部126同士の間や、レール部125と室内側および室外側の側壁部128,129との間を通過できるので、隙間用部材30を脱着する際に、真上に引き上げて取り外す、または上方からまっすぐ下降させて取り付けることができ、脱着をさらに容易に実施することができる。
(10)さらに、隙間用部材30に形成された溝状部315,316,325,335,336をゴミ受けとして機能させることで、隙間30Aから下枠12内に入るゴミや埃を溝状部315,316,325,335,336で受け止めることができる。従って、隙間用部材30を取り外すことで、溝状部315,316,325,335,336に溜まったゴミ等を隙間用部材30とともに取り出すことができるので、下枠12の外部で隙間用部材30を洗浄することができ、室内を汚すことなく容易に掃除することができる。
(11)また、隙間用部材30に設けた第1側面部312,322,332および第2側面部314,324,334が、見込み方向および高さ方向に離れた3箇所で下枠12に当接して、これらの当接位置を支点として隙間用部材30が下枠12に取り付けられてので、室外側あるいは室外側から見込み方向に沿った力が隙間用部材30に作用しても、隙間用部材30が外れたり、傾斜したりすることなく、確実に下枠12への取り付け状態を維持することができる。
(12)さらに、第1側面部312,322および第2側面部334が下枠に設けられた傾斜面部121B,127B,129Aに当接することで、隙間用部材30を下枠12上方から取り付ける際に、第1側面部312,322および第2側面部334が傾斜面部に沿って案内され、隙間用部材30が当接位置で下枠12に押圧され、この押圧力により生じる摩擦力で下枠12に保持されるので、隙間用部材30をより確実に取り付けることができる。
(13)そして、第1側面部312,322、第2側面部314,324、底面部313,323で、溝状部316,325を構成すれば、隙間用部材30を下枠12に取り付けるための側面部312,322,314,324および底面部313,323と、ゴミ受け部としての溝状部316,325とを共通部材から形成できるので、隙間用部材30の構造をより簡単にすることができる。
(14)また、隙間用部材30を下枠12の長手方向略中間位置で二分割したので、障子15を窓枠14の見付け方向一方側に移動させた状態で、分割された他方側の隙間用部材30(31A,32A,33A)を脱着でき、また、障子15を他方側に寄せれば、一方側の隙間用部材30(31B,32B,33B)を脱着できるので、窓枠14から障子15を外さなくても隙間用部材30を容易に脱着することができる。
(15)また、隙間用部材30の縦枠13側端部に戸当り42,43または端部部材34を取り付けたので、これらの戸当り42,43および端部部材34を手で掴むことで、隙間用部材30を容易に取り外すことができる。
また、端部部材34の先端に弾性部材348を設けたので、縦枠13に弾性部材が当接することにより隙間用部材30(32,33)を下枠12の中央側に向かって付勢して、下枠12の長手方向に関して隙間用部材30(32,33)をがたつきなく取り付けることができる。また、弾性部材348が付勢力をもって縦枠13に当接することで、縦枠13と弾性部材348との間に所定の摩擦力が生じるので、隙間用部材30(32,33)が不用意に外れることを防止することができる。
(16)また、下框17の室内外両側に形成された垂下片172を、下枠12の隙間30Aに挿入することで、引違い窓10の外観上、下框17の下側と下枠12上面との隙間が見えず、外観の意匠性を向上させることができる。また、下框17の下側に隙間がないことから、下框17の下側にバール等の工具を差し込んで障子を外す行為を防止でき、防犯性を向上させることができる。
(17)また、下枠中空部124を連通孔122Aを介して室外空間に連通させ、また連通孔121D〜121Hを介して下枠水平面部121の上側空間に連通させたことで、レール部125間や、レール部125と室内側および室外側の側壁部128,129との間の空間の気圧を、室外空間と等圧にすることができ、気圧差によって生じる雨水等の移動が各空間同士の間において発生しにくくなり、下枠12における防水性を向上させることができる。また、下枠12のレール部125間やレール部125と側壁部128,129との間に雨水等が浸入した場合でも、浸入した水を下枠水平面部121の連通孔121D〜121Hから下枠中空部124側に排水できるので、下枠12と障子15の下框17との間から室内側への水の浸入を防止することができる。
(18)さらに、室外側の障子15Bの室内側摺動片26Aを縦框18Bの見付け寸法よりも短く形成したので、召合せ部分21における下框17と下枠12との間に大きな等圧空間を設け、室外側から吹き込む雨水等の運動エネルギーを減衰させることができ、下枠12における防水性をより向上させることができる。
(19)また、下枠12の中央隙間用部材31AのAT材40、中央風止板41A、気密部材25、縦框18BのAT材23、室内側の障子15A、および室内側側壁部128のAT材40が連続して、召合せ部分21の下枠12における気密ラインが形成されるので、引違い窓10の気密性、水密性、遮音性等を確保できる。
(20)また、戸当り気密部422が、縦枠13の突片133およびAT材132と、中央隙間用部材31AのAT材40とに接触するので、見付け方向端部における気密ラインが形成され、引違い窓10の気密性、水密性、遮音性等を確保できる。
(21)さらに、戸当り42に通気路424および開口部423を設けたので、下枠外側面部122の連通孔122Aから吹き込んだ外気による水のしぶきが室内空間に浸入することを防止できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るサッシ窓としての片引き窓について、図27ないし図31に基づいて説明する。
図27、図28は、本実施形態の片引き窓50を示す縦断面図、および横断面図である。図29は、片引き窓50を構成する下枠52の縦断面図である。
本実施形態の片引き窓50は、開閉可能な障子が1枚で構成された点が前述の第1実施形態と相違し、それ以外の構成は略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
図27および図28において、片引き窓50は、それぞれアルミ押出形材製の上枠51、下枠52、および左右の縦枠53を四周枠組みした窓枠54と、この窓枠54の内側に開閉自在に支持された1つの障子55と、窓枠54の内側に固定された固定面材としての固定障子61とを備えて構成されている。障子55は、それぞれアルミ押出形材製の上框56、下框57、左右の縦框58、および縦框58同士を連結する中桟59を略日字形に框組みした内部に、ガラスパネル60を嵌め込んで構成されている。固定障子61は、左右の縦框としての縦骨62およびガラス支持材63と、縦骨62およびガラス支持材63を連結する中桟64と、上枠51、下枠52、縦骨62、ガラス支持材63、および中桟64で囲まれた内部に嵌め込まれたガラスパネル60とで構成されている。なお、固定障子61のガラス支持材63は、室外側のアタッチメントと、室内側の押縁とから構成されている。
障子55は、固定障子61の室外側面に沿って開閉移動できるようになっており、窓枠54の見付け方向略中央位置の召合せ部分65で固定障子61の縦骨62と重なって、閉じるようになっている。召合せ部分65の縦框58および縦骨62には、引戸錠であるクレセント22が設けられている。
また、召合せ部分65の縦框58と縦骨62の間には、室内空間の気密性を確保するAT材23、および水切りとしての水切材24が設けられている。これらのAT材23および水切材24は、それぞれ室外側の縦框58の取付部23A,24Aに係合され、先端部を固定障子61の縦骨62側面に当接するようになっている。
固定障子61の召合せ部分65の縦骨62は、上枠51および下枠52間に架設され、上下端部が上枠51および下枠52に固定されている。ガラス支持材63は、縦枠53に沿って設置され、縦枠53にビス止め固定されている。そして縦骨62およびガラス支持材63は、互いの対向面に断面略コ字形の溝状に形成されたパネル保持部621,631を備え、パネル保持部621,631にシール材622,632を介してガラスパネル60が保持されている。
窓枠54の上枠51には、障子55を案内する1本のガイド片511と、固定障子61のガラスパネル60を保持するためのパネル保持部512とが設けられている。パネル保持部512は、下方に開口した断面略コ字形の溝状に形成され、シール材513を介してガラスパネル60を保持している。障子55の上框56上面には、ガイド片511を挿入する凹溝部561が形成されており、この凹溝部561がガイド片511に摺動自在に係合することで、障子55の見込み方向への移動が規制されている。また、凹溝部561の内側には、ガイド片511に当接するAT材562が、上框56に沿って2つ1組で取り付けられている。 また、固定障子61の中桟64上下面には、ガラスパネル60を保持するためのパネル保持部641が設けられている。このパネル保持部641は、シール材642を介して上下のガラスパネル60を保持している。
縦枠53のうち、障子55を閉じたときに縦框58が当接する側(図28中、左側、固定障子61の反対側)の縦枠53は、見込み方向に沿った側壁部分の内面に、ガイド片531と、縦框58の室内側面に当接するAT材532と、このAT材532を保持する突片533とを備えている。これにより、障子55を閉じれば、縦框58の室内側面にAT材532が当接して、片引き窓50の気密性を確保できるようになっている。
下枠52は、図29に示すように、支持面部としての下枠水平面部521と、下枠外側面部522と、下枠底面部523とを備え、これらの各面で下枠中空部524が形成されている。下枠水平面部521は、上面が略水平に形成されており、この下枠水平面部521上面には、障子55に対応した1本のレール部525が、下枠52の見付け方向略全長に渡って一体に形成されている。レール部525は、その上面である戸車案内部526で障子55の下框57に取り付けられた戸車571を転動可能に支持している。また、下框57には、その室内外両側面がレール部525の戸車案内部526より下側まで延びた垂下片572と、戸車案内部526と対向する内部に下框底面573とが形成されている。
レール部525は、下枠水平面部521上面に立設され、上方に延びる立上部527と、この立上部527の上端に連続し、略水平方向に延出する戸車案内部526とを備えている。戸車案内部526は、立上部527上端から室外方向のみに延出しており、レール部525は、断面略逆L字形に形成されている。そして、戸車案内部526には、障子55の戸車571を案内する、断面略円弧状の凹溝526Aが形成されている。
また、レール部525の室内側には、固定障子61に対応したパネル保持部528が形成され、このパネル保持部528にシール材528Aを介してガラスパネル60が保持されている。パネル保持部528は、上方に開口した断面略コ字形に形成されており、固定障子61が固定されていない側のパネル保持部528には、カバー部材66が取り付けられている。このカバー部材66は、略水平でレール部525の戸車案内部526と略同一高さとなるカバー上面部66Aと、カバー上面部66Aから下方に延びてパネル保持部528に係合する2本のカバー係合片66Bとを備えている。そして、カバー部材66は、カバー係合片66Bをパネル保持部528に係合して下枠52に取り付けられている。また、パネル保持部528のレール部525に対向した側面は、室内側側壁部528Bとなっており、下框57の室内側の垂下片572に当接するAT材40が下枠52長手方向に連続して取り付けられている。そして、レール部525と室内側側壁部528Bとの間には、隙間用部材30が介挿されている。この隙間用部材30は、前記した室内側隙間用部材32と同一の部材から構成されている。
レール部525の室外側で、下枠52の最も室外側位置には、室外側側壁部529が形成されている。この室外側側壁部529の上端は、レール部525の戸車案内部526と略同一高さ位置に設けられている。レール部525と室外側側壁部529との間には、隙間用部材30が介挿されている。この隙間用部材30は、前記した室外側隙間用部材33と同一の部材から構成されている。
次に、下枠52における水密構造について、図30ないし図32に基づいて詳しく説明する。図30および図31は、それぞれ下枠52における水密構造を示す縦断面図である。図32は、下枠52を示す平面図である。なお、図30、31中、隙間用部材30に付されたハッチングは、連通孔521Gの上方を覆わないように、隙間用部材30が短く形成され、あるいは隙間用部材30に切り欠きや孔等が形成されて隙間用部材30が存在しない部分を示している。
図30および図31において、障子55の下框57と、この障子55を支持するレール部525と、隙間用部材30と、室内側側壁部528Bとによって、下枠52と障子55の下框57との間の水密構造が構成されている。
すなわち、レール部525の戸車案内部526と、室内側隙間用部材32の上面部321とで、水平面部が構成されている。そして、この水平面部と、室内側側壁部528Bおよび室外側の側壁部としての室外側隙間用部材33の上面部331との間に、所定の隙間30Aが形成されており、この隙間30Aには、下框57の垂下片572が挿入されている。これらの垂下片572と、室外側隙間用部材33の上面部331、レール部525の戸車案内部526、および室内側隙間用部材32の上面部321との間には、障子55の開閉移動に支障がない程度の狭い隙間30B,30C,30D(図31)が形成されている。また、室内側の垂下片572の室内側面には、室内側側壁部528Bに設けられたAT材40が当接している。
そして、レール部525と室外側隙間用部材33との間に室外側レール側方空間35が形成され、この室外側レール側方空間35は、隙間30Bを介して室外空間に連通されている。また、室内側隙間用部材32と室内側側壁部528Bとの間に、室内側レール側方空間36が形成され、この室内側レール側方空間36は、AT材40によって、室内空間との連通が遮断されている。さらに、レール部525の戸車案内部526および室内側隙間用部材32の上面部321で構成された水平面部の上側には、下框57の垂下片572および下框底面573によって囲まれたレール上方空間37が形成されている。このレール上方空間37は、隙間30Cを介して室外側レール側方空間35に連通され、隙間30Dを介して室内側レール側方空間36に連通されている。
以上のように、障子55位置において、下框57の室内側の垂下片572とAT材40とで形成された気密ラインの下方、および室外側に室内側レール側方空間36が形成されている。そして、室外空間からこの室内側レール側方空間36に雨水等が浸入するためには、隙間30Bを通って室外側レール側方空間35に一旦入り、そして隙間30Cを通って、レール上方空間37に入り、さらに隙間30Dを通らなければならない。このため、室外からの雨水等が室内側レール側方空間36に浸入する浸入経路が上下、および見込み方向の移動を伴うので、雨水等が一つの空間から次の空間へ浸入する過程ごとに雨水等の運動エネルギーが消費されることから、室内側レール側方空間36への雨水等の浸入は非常に困難になっている。
また、室外側および室内側のレール側方空間35,36は、図32に示すように、下枠水平面部521に形成された連通孔521D,521F,521Gを介して下枠中空部524に連通され、さらに下枠外側面部522の連通孔122Aを介して室外空間に連通されている。また、室外側レール側方空間35は、隙間30Bを介して室外空間に連通されている。そして、レール上方空間37は、隙間30C,30Dを介してレール側方空間35,36に連通され、さらに召合せ部分65側の縦框58と、戸先側の縦框58において室外空間に連通されている。このため、レール側方空間35,36、およびレール上方空間37は、室外空間と気圧差が小さい等圧空間となっている。このような等圧空間が構成されることで、室内側および室外側のレール側方空間35,36およびレール上方空間37の各空間における気圧差がなくなり、気圧差によって生じる雨水等の移動が、各空間同士の間において発生しにくくなっている。
さらに、レール側方空間35,36と、レール上方空間37との間の隙間30C,30D、および室外側レール側方空間35と室外空間との間の隙間30Bは狭くなっているので、この隙間30B〜30Dに水が入り込んだ場合、この水が表面張力の作用により気密効果を発揮する。このため、室外空間から室外側レール側方空間35に、室外側レール側方空間35からレール上方空間37に、レール上方空間37から室内側レール側方空間36に、向かって水が移動しにくくなり、雨水等が室内側レール側方空間36により一層浸入しにくくなっている。
このような本実施形態によれば、前述の効果と略同様の効果を奏する片引き窓50を構成することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1実施形態の引違い窓10では、下枠12に2本のレール部125が形成されており、これら2本のレール部125間に中央隙間用部材31を取り付け、レール部125および室内外の側壁部128,129間に、室内側および室外側の隙間用部材32,33を取り付けた。また、前記第2実施形態の片引き窓50では、下枠52に形成した1本のレール部525と室内側および室外側の側壁部528B,529との間に、室内側および室外側の隙間用部材32,33を取り付けた。しかし、このような構成に限らず、レール部125,525を下枠と一体に形成せず、下枠に対して着脱自在に取り付けてもよく、また、隙間用部材31,32,33を下枠に対して着脱自在に構成せずに、下枠と一体に構成してもよい。また、レール部125の戸車案内部126を室内側あるいは室外側に向かって延長する、または室内外の側壁部128,129にレール部125に向かって延びる水平面を形成することで、レール部125および室内外の側壁部128,129間の隙間を小さくする構成も採用できる。このような構成によれば、室内側および室外側の隙間用部材を省略することができ、これらの隙間用部材を省略しても、フラットな上面を有し、かつ水密性能に優れた下枠とすることができるようになる。
また、前記各実施形態では、下枠12,52の支持面部としての下枠水平面部121,521を略水平に形成したが、これに限らず、例えば、支持面部が室外方向に下がる傾斜を有していてもよく、また、室内外方向について段差を有していてもよい。この際、前記第1実施形態の引違い窓10のように、支持面部に複数本のレール部が形成されていれば、各々のレール部の立上部の高さ寸法を適宜調整することで、戸車案内部の高さ位置を揃えることが可能なので、下枠上面をフラットに形成することができ、本願発明の目的を達成することができる。
また、前記第1実施形態では、室内側のレール部125Aを断面略逆L字形に形成し、室外側のレール部125Bを断面略T字形に形成し、また前記第2実施形態では、レール部525を断面略逆L字形に形成したが、レール部の断面形状はこれらに限定されない。すなわち、レール部を断面略コ字形や、I字形に形成してもよく、その際、レール部の形状に応じて隙間用部材の大きさや形状等を適宜設定することが可能である。
また、前記各実施形態では、隙間用部材30を下枠12,52に圧入して取り付けたが、これに限らず、例えば、フック付きの係止片等で隙間用部材を下枠に係止してもよく、また、ビス止め固定や固定具を用いた固定により隙間用部材を下枠に固定してもよい。
また、本発明の隙間用部材の断面形状は、前記各実施形態に限定されるものではない。すなわち、上面部や側面部、底面部、溝状部等を必要に応じて設ければよい。ただし、ゴミ受け機能を有した溝状部を備えることで、レール部等との隙間から下枠内に入ったゴミ等を受けて清掃を容易に実施でき、上面部を備えることで下枠上面をフラットに形成できるという効果を奏する。さらに、第1側面部や第2側面部、底面部を備えることで、下枠に対して3箇所以上で当接し、隙間用部材を取り付けることができるので、下枠への取り付け状態を良好に維持できるという効果も得ることができる。
さらに、前記各実施形態では、隙間用部材30の見込み寸法がレール部125同士の間隔寸法や、レール部125、525と室内外の側壁部128,129,528B,529との間隔寸法と略同一となっていたが、隙間用部材30の見込み寸法は、これに限られない。すなわち、レール部同士の間隔寸法やレール部と室内外の側壁部との間隔寸法より、隙間用部材30の見込み寸法を小さく形成してもよい。この際、隙間用部材に設けられたゴミ受けとしての溝状部にゴミ等を案内する部材を、隙間用部材と別に設けてもよい。このようにすれば、隙間用部材を下枠に対して容易に着脱することができるとともに、ゴミ受けとしての機能を維持することができる。一方、レール部同士の間隔寸法やレール部と室内外の側壁部との間隔寸法より、隙間用部材30の見込み寸法を大きく形成してもよい。この場合でも、隙間用部材を見込み方向に傾けながら引き上げ、下げることで、下枠に対して脱着可能であり、さらに、隙間の下方を広くカバーすることができるようになるため、より確実にゴミを受け止めることができるようになる。
また、前記各実施形態では、隙間用部材30を下枠12,52の長手方向略中間位置で二分割したが、これに限らず、分割しなくてもよく、また、三分割以上に分割してもよい。隙間用部材を分割しない場合、隙間用部材の脱着に際して、障子15,55を窓枠14,54から外すように構成してもよいが、隙間用部材を可撓性を有した材料から形成し、脱着に際して隙間用部材を撓ませながら下枠から引き抜くように構成することもできる。さらに、隙間用部材を三分割以上に分割した場合には、障子を窓枠見付け方向に関して片寄せしなくても、着脱できるようになるので、隙間用部材の着脱をさらに容易に実施することができるようになる。
また、下枠12,52に設けられた風止板41や戸当り42,43は、本発明の必須要件ではなく、省略可能であり、また、前記各実施形態で説明した形態以外であっても、同様の機能を有する部材であれば代用することができる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、引違い窓や片引き窓等のサッシ窓であって、下枠の上面が略フラットに形成され、室内外の床材上面との段差を小さくしたバリアフリータイプの掃出し窓に利用可能である。
本発明の第1実施形態に係る引違い窓を示す縦断面図である。 前記引違い窓を示す横断面図である。 前記引違い窓が設けられた建物の一部を示す斜視図である。 前記引違い窓を構成する下枠の一部を拡大して示す斜視図である。 前記下枠を示す縦断面図である。 前記下枠を示す平面図である。 前記下枠を示す室外側の側面図である。 前記下枠における水密構造を示す縦断面図である。 図8の一部を拡大して示す縦断面図である。 前記下枠を室外側から見た斜視図である。 前記下枠に設けられる隙間用部材を室内側から見た斜視図である。 前記隙間用部材を室内側から見た斜視図である。 前記隙間用部材の端部に設けられた端部部材を示す側面図である。 前記引違い窓の召合せ部分における下枠を室内側から見た斜視図である。 前記引違い窓の召合せ部分における下枠を室内側から見た斜視図である。 前記引違い窓の召合せ部分における下枠を室内側から見た斜視図である。 (A),(B)は、前記召合せ部分における下枠に設けられた風止板を示す平面図、および側面図である。 (A),(B)は、図15とは異なる風止板を示す平面図、および側面図である。 前記引違い窓の召合せ部分における障子の下部を室内側上方から見た斜視図である。 前記引違い窓の召合せ部分における障子の下部を室内側下方から見た斜視図である。 前記引違い窓の召合せ部分における室外側の縦框の一部を拡大して示す斜視図である。 前記下枠の端部位置を室外側上方から見た斜視図である。 前記下枠の端部位置を室外側上方から見た斜視図である。 前記下枠の端部位置に設けられる戸当りを上方から見た斜視図である。 前記戸当りを下方から見た斜視図である。 前記戸当りの一部を断面して示す下方から見た斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る片引き窓を示す縦断面図である。 前記片引き窓を示す横断面図である。 前記片引き窓を構成する下枠の縦断面図である。 前記下枠における水密構造を示す縦断面図である。 図30の一部を拡大して示す縦断面図である。 前記下枠を示す平面図である。
符号の説明
10…サッシ窓である引違い窓、11,51…上枠、12,52…下枠、13,53…縦枠、14,54…窓枠、15,55…障子、16,56…上框、17,57…下框、18,58…縦框、30(31,32,33)…着脱部材である隙間用部材、30A〜30G…隙間、35,35A,35B…室外側レール側方空間、36,36A,36B…室内側レール側方空間、37,37A,37B…レール上方空間、40…気密材であるAT材、50…サッシ窓である片引き窓、61…固定面材である固定障子、121,521…支持面部である下枠水平面部、121A,121C…立上片、121D〜121H,521D,521F,521G…連通孔、124,524…下枠中空部、125,525…レール部、126,526…戸車案内部、127,527…立上部、128,528B…室内側側壁部、129,529…室外側側壁部、171,571…戸車、172,572…垂下片、173,573…下框底面。

Claims (4)

  1. 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内側に開閉自在に支持された障子とを備えたサッシ窓であって、
    前記下枠は、支持面部と、この支持面部の上面に当該下枠の長手方向略全長に渡って設けられ、前記障子の戸車を案内するレール部と、このレール部の室内側および室外側に略平行に設けられた側壁部とを備え、
    前記支持面部には、前記レール部と、前記室内側および室外側の側壁部と、の間に形成された室内側および室外側のレール側方空間を、室外空間に連通させる連通孔が設けられ、
    前記レール部は、前記支持面部から上方に延出する立上部と、この立上部の上端から見込み方向に延出し、かつ前記側壁部との間に隙間を介して設けられた水平面部とを有し、
    前記水平面部は、前記各側壁部の上端と略同一高さ位置に設けられ、
    前記障子は、上框、下框、および左右の縦框を備えて構成され、前記下框は、底面と、この底面の室内側および室外側に連続して下方に延出する垂下片とを有し、これらの垂下片は、前記レール部の水平面部と前記側壁部との間に設けられた前記隙間に挿入されており、前記レール部の水平面部と、前記下框の垂下片および底面とで囲まれたレール上方空間が形成されるとともに、前記垂下片のうちの室内側垂下片および前記室内側側壁部のいずれか一方には、他方に当接する気密材が設けられ、
    前記レール上方空間は、前記レール部の水平面部と、前記垂下片との隙間を介して前記室内側および室外側のレール側方空間に連通され、
    前記室外側のレール側方空間は、前記室外側側壁部と前記垂下片との隙間を介して、前記下枠上側の室外空間に連通されたサッシ窓。
  2. 前記下枠は、前記支持面部の下側に形成された中空状の下枠中空部を備え、前記室内側および室外側のレール側方空間は、前記支持面部に設けられた連通孔、および前記下枠中空部を介して室外空間と連通されている請求項1に記載のサッシ窓。
  3. 前記障子は、前記窓枠内部の室内側および室内側に引違い形式に設けられた2つの障子から構成され、これらの各障子に対応して前記レール部は、互いに対向し、前記下枠の長手方向に沿って設けられた2本のレール部から構成されている請求項1または請求項2に記載のサッシ窓。
  4. 前記障子は、前記窓枠内部に固定された固定面材の室外側または室内側に片引き形式に設けられた1つの障子から構成されており、この障子に対応して前記レール部は、前記下枠の長手方向に沿って設けられた1本のレール部から構成されている請求項1または請求項2に記載のサッシ窓。
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