JP2004353285A - 礫用掘進機 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、礫や玉石地盤と粘土地盤の互層地盤においても効率良く推進施工のできる礫用掘進機を提供するものである。
【構成】本発明は、外殻の先端に回転自在に設けられたカッタ面板と、前記外殻の内側に、前記カッタ面板の後方から内径が後方に向かって小さくなる円錐状の上部を所定の範囲だけ切込みを設けたアウターコーンと、前記アウターコーンの内側で前記カッタ面板の後方に回転自在に設け、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーンとにより構成される礫用掘進機である。
【選択図】 図1
【構成】本発明は、外殻の先端に回転自在に設けられたカッタ面板と、前記外殻の内側に、前記カッタ面板の後方から内径が後方に向かって小さくなる円錐状の上部を所定の範囲だけ切込みを設けたアウターコーンと、前記アウターコーンの内側で前記カッタ面板の後方に回転自在に設け、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーンとにより構成される礫用掘進機である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、礫や玉石地盤などの推進工事において、粘性土に遭遇した場合でも掘進機のチャンバー内で閉塞することなく、推進施工が行える礫用掘進機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
シールド掘進機は、推進工法などの各種トンネル工事に利用されている。推進工法は、シールド掘進機の後端に推進管を順次接続して、シールド掘進機の推進と同時に推進管を地中に埋設していく方法である。用途としては、下水道管路やガス管路、地中電力管路などに多く使用されている。通常のシールド掘進機の構造は、筒状の外殻の先端に複数個の切削ビットを装備したカッタ面板を回転させて、切羽地盤を切削しながらシールド掘進機を前進させてトンネル口を形成させる。カッタ面板で切削された掘削土は、カッタ面板に設けた取込口よりシールド掘進機内のチャンバーに取り込まれ、後方に連結された推進管内を通して流体輸送などの装置で立坑外に搬出される。
【0003】
土質条件が礫や玉石の場合は、大きな礫が流体輸送などの配管内で詰まるため、前記したシールド掘進機の外殻内部に、内径が後方に向かって小さくなる円錐状のアウターコーンを設け、アウターコーンの内側に外径が後方に向かって大きくなるインナーコーンを回転自在に設けることによって、前記アウターコーンとの間に狭小な破砕空間を構成したシールド掘進機となっている。このため、大きな礫や玉石は前記した狭小な破砕空間で容易に破砕することができる。
【0004】
礫破砕用のアウターコーンとインナーコーンを装備することによって、礫や玉石地盤の推進施工でも効率良く破砕が行え、流体輸送などの配管内で礫や玉石が詰まることもなく、良好の推進施工が行えるようになった。しかし、地中の土質が常に均一なことは少なく、礫層から粘土層へと変化することが時々発生する。特に推進延長が長くなるにつれてその確率は大きくなる。土質が粘土に変化した場合は、カッタ面板の取込口から取り込まれた掘削粘土は、徐々に狭くなっていく破砕空間で圧密されてチャンバー内に充満した状態となって固結し、インナーコーンが空回転した状態となって粘土を後方に搬送できなくなる。このため、推進力が大きくなって推進施工ができなくなるという問題が発生していた。
【0005】
このため、本件特許出願人が先に出願している特願平11−372320号の技術が開発されている。この技術は、礫破砕用のアウターコーンとインナーコーンを装備した機構で構成されている。アウターコーンは、外殻の内周面に当接して推進方向に摺動可能に設置されている。アウターコーンの摺動は、後端に設置した油圧ジャッキの伸縮によって前後に移動可能となっている。礫地盤の場合には、チャンバー内に取り込んだ礫を効率良く破砕するために、アウターコーンとインナーコーンの隙間が狭小になるように設置しておく。土質が粘土層に変わった時は、アウターコーン後端の油圧ジャッキを伸長することによって、アウターコーンを前方に移動させて、アウターコーンとインナーコーンの破砕空間を通常時より大きくする。このため、カッタ面板によりチャンバー内に取り込まれた掘削粘土は、破砕空間で圧密される度合いが少なくてすみ、チャンバー内に充満されて固結したり、閉塞したりすることが少なくなった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記したアウターコーンの摺動機構により、礫や玉石地盤から粘土層に変化してもアウターコーンを後方に摺動させることによって、コーン部での閉塞を防止することが可能となった。しかし、アウターコーンの移動量は、狭い掘進機の外殻内でのものとなり、大きな前後移動は困難となる。このため、アウターコーンとインナーコーンの間の隙間を大きく形成することはできなく、粘土層が長期間続いた場合には、コーン部で粘性土の圧密が徐々に発生し、閉塞することがある。また、アウターコーンの構造が、外殻内を摺動する機構で非常に複雑な機構となるために、製作費用が非常に高価となる点や小中口径の掘進機では組立てが難しくなるという問題がある。さらに、礫地盤から粘土地盤への地層の変化を、オペレータが瞬時に判断することは困難であり、土質の変化からアウターコーンの稼働までの間にズレが生じ、アウターコーンの移動時には既に閉塞が発生しているという問題があった。
【0007】
このため、本発明は、礫掘進機において礫と粘土地盤の互層地盤に遭遇しても、チャンバー内のコーン部での閉塞を発生させない礫用掘進機を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、筒状の外殻の先端に回転自在に設けられたカッタ面板と、前記外殻の内側に、前記カッタ面板の後方から内径が後方に向かって小さくなる円錐状の上部を所定の範囲だけ切込みを設けたアウターコーンと、前記アウターコーンの内側で前記カッタ面板の後方に回転自在に設け、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーンとにより構成される礫用掘進機である。
【0009】
カッタ面板の前面には、複数個のカッタビットなどの掘削手段を備えているとともに、掘削した土砂を背面側に送り込むための取込口を複数箇所に装備している。また、大礫や玉石等の地盤では、カッタビットの他にローラビットが装備されて、大礫等を取込口内より取込み可能な大きさに破砕する。
【0010】
アウターコーンは、外殻の内側に設けられ、カッタ面板の後方に配置されて、内径が後方に向かって小さくなる円錐状をなしている。アウターコーンの上部には、切込みが設けられている。切込みの範囲は、礫率や礫径に応じて変化させ、通常は90°〜120°位が有効とされている。アウターコーンに切込み部を設けることによって、通常のチャンバー内のアウターコーンとインナーコーンが形成する空隙より、大きく変化させることによって、圧密された粘性土を切込み部で解除して閉塞を防止する。また、切込み部に洗浄機構を設けることによって、その閉塞防止効果はより向上する。
【0011】
アウターコーンを切込んだ部分には、礫や玉石がその切込み部分から入らないように、インナーコーンの外径よりも余裕をもった大きさの径で湾曲させた取込制御板が後方の隔壁に固設されている。
【0012】
インナーコーンは、アウターコーンの内側でカッタ面板の後方に回転自在に配置され、外径が後方に向かって大きくなる円錐状をなし、後端でアウターコーンのとの間に狭小な破砕空間を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。図1は、本発明の礫用掘進機を説明する縦断面図である。掘進機1は、筒状の外殻2の先端に円盤状のカッタ面板3が設置されている。カッタ面板3は、掘進機1の内部後方に配置された駆動機及び減速機(図示省略)を通して回転軸9から回転が伝達される。カッタ面板3の前面には、前方の切羽地盤を切削するためのカッタビットなどの切削手段を複数個備えている。カッタ面板3には、カッタビットにより切削された掘削土をカッタ面板3背面のチャンバー11内に送り込むために、複数箇所の取込口が設けられている。また、大礫や玉石地盤の場合には、カッタビットの他にローラビットが装備されて、大礫等をカッタ面板3に設けた取込口内より取込み可能な大きさに破砕する。
【0014】
カッタ面板3の後方で、掘進機1の外殻2の内壁には、内径が後方に向かって小さくなる円錐状のアウターコーン4が設置されている。アウターコーン4の内側でカッタ面板3の背面には、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーン5が設置され、アウターコーン4の後端内周とインナーコーン5の後端外周との間には、狭小な破砕空間12を形成している。アウターコーン4の上部は、円周方向に所定の範囲で切込み13が設けられている。切込み13部分には、インナーコーン5の外径よりも余裕をもった大きさの径で湾曲させた取込制御板6が後方の隔壁7に固設されている。
【0015】
アウターコーン4の切込み13部分には、後方より配管された洗浄機構8が設けられ、カッタ面板3の背面とコーン部分に高圧水を噴射できる構造となっている。また、本実施形態では泥水式の掘進機1を開示しており、アウターコーン4の下方には、泥水をチャンバー11内に送泥する送泥口10が設けられている。掘進機1に土圧系の掘進機を用いる場合には、送泥口10の設置は必要としない。
【0016】
図2は、本発明の礫用掘進機を説明する横断面図である。筒状の外殻2の内壁には、アウターコーン4が固設されている。アウターコーン4の内側でカッタ面板3の後方には、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーン5が回転自在に設けられている。前記アウターコーン4の上部は、円周方向に所定の範囲で切込み13が設けられている。切込み13部分には、礫や玉石が切込み13内に入り込まないように、インナーコーン5の後端の最大外径部に余裕をもたせて、円弧状に湾曲させた取込制御板6が設けられている。取込制御板6としては、れきや玉石の衝撃に対して十分に耐えることができるように、比較的強度のある鋼材が採用される。
【0017】
また、アウターコーン4の切込み13部分には,掘進機1の後方より配管した洗浄機構8が所定の間隔を置いて2箇所装備されている。アウターコーン4の下方には、所定の間隔を置いて2箇所に、泥水をチャンバー11内に送泥するための送泥口10が設けられている。
【0018】
次に、本発明の礫用掘進機1による推進方法について説明する。礫や玉石地盤内では、先端のカッタ面板3を回転駆動させることによって、カッタ面板3に装備したカッタビットやローラビットにより、切羽地盤を切削したり大礫や玉石を大割に破砕して、取込口から掘進機1のチャンバー11内に掘削土を取り込む。チャンバー11内に取り込まれた礫や玉石からなる掘削土は、重力の作用で下方に落ちて、アウターコーン4とインナーコーン5が形成する後端の破砕空間12で小さく破砕される。破砕された礫や玉石は、アウターコーン4の下方から送られた泥水とともに排泥管を通って地上へと流体輸送されていく。取込口から搬入された礫や玉石の一部が、アウターコーン4の上部の切込み13から入り込もうとしても、インナーコーン5の外周に設けられた取込制御板6によって阻止される。
【0019】
土質が粘性土に変化すると、アウターコーン4とインナーコーンが形成する狭小な破砕空間12部分に粘性土が付着しは圧密されていくが、上部のアウターコーン4の切込み13部分ではチャンバー11内の空間が大きくしていることから、下方部分で圧密され始めた粘性土が上部へと移動して、下方の圧密を解除するとともに切込み13部分から粘性土をスムーズに搬出させる。この時、切込み13部に設けた洗浄機構8を稼働して高圧水を噴射することによって、アウターコーン4やインナーコーン5及び取込制御板6への粘性土の付着が解除でき、より効率の良い粘性土の搬出が行える。
【0020】
【発明の効果】
上記したように、本発明の礫用掘進機により、土質が礫や玉石地盤と粘土地盤からなる互層地盤であっても、礫破砕はアウターコーンとインナーコーンの破砕空間で効率良く行い、粘土地盤でもアウターコーンの上部に切込み部分を設けることで、チャンバー内の空間を変化させることによって、チャンバー内の圧密を防止して効率の良い粘性土の搬出を可能とした。さらに、洗浄機構を併用することによって、コーン部分等への粘性土の付着が防止でき、より効率の良い掘進が行える。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の礫用掘進機を説明する縦断面図である。
【図2】本発明の礫用掘進機を説明する横断面図である。
【符号の説明】
1 礫用掘進機
2 外殻
3 カッタ面板
4 アウターコーン
5 インナーコーン
6 取込制御板
7 隔壁
8 洗浄機構
9 回転軸
10 送泥口
11 チャンバー
12 破砕空間
13 切込み
【発明の属する技術分野】
本発明は、礫や玉石地盤などの推進工事において、粘性土に遭遇した場合でも掘進機のチャンバー内で閉塞することなく、推進施工が行える礫用掘進機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
シールド掘進機は、推進工法などの各種トンネル工事に利用されている。推進工法は、シールド掘進機の後端に推進管を順次接続して、シールド掘進機の推進と同時に推進管を地中に埋設していく方法である。用途としては、下水道管路やガス管路、地中電力管路などに多く使用されている。通常のシールド掘進機の構造は、筒状の外殻の先端に複数個の切削ビットを装備したカッタ面板を回転させて、切羽地盤を切削しながらシールド掘進機を前進させてトンネル口を形成させる。カッタ面板で切削された掘削土は、カッタ面板に設けた取込口よりシールド掘進機内のチャンバーに取り込まれ、後方に連結された推進管内を通して流体輸送などの装置で立坑外に搬出される。
【0003】
土質条件が礫や玉石の場合は、大きな礫が流体輸送などの配管内で詰まるため、前記したシールド掘進機の外殻内部に、内径が後方に向かって小さくなる円錐状のアウターコーンを設け、アウターコーンの内側に外径が後方に向かって大きくなるインナーコーンを回転自在に設けることによって、前記アウターコーンとの間に狭小な破砕空間を構成したシールド掘進機となっている。このため、大きな礫や玉石は前記した狭小な破砕空間で容易に破砕することができる。
【0004】
礫破砕用のアウターコーンとインナーコーンを装備することによって、礫や玉石地盤の推進施工でも効率良く破砕が行え、流体輸送などの配管内で礫や玉石が詰まることもなく、良好の推進施工が行えるようになった。しかし、地中の土質が常に均一なことは少なく、礫層から粘土層へと変化することが時々発生する。特に推進延長が長くなるにつれてその確率は大きくなる。土質が粘土に変化した場合は、カッタ面板の取込口から取り込まれた掘削粘土は、徐々に狭くなっていく破砕空間で圧密されてチャンバー内に充満した状態となって固結し、インナーコーンが空回転した状態となって粘土を後方に搬送できなくなる。このため、推進力が大きくなって推進施工ができなくなるという問題が発生していた。
【0005】
このため、本件特許出願人が先に出願している特願平11−372320号の技術が開発されている。この技術は、礫破砕用のアウターコーンとインナーコーンを装備した機構で構成されている。アウターコーンは、外殻の内周面に当接して推進方向に摺動可能に設置されている。アウターコーンの摺動は、後端に設置した油圧ジャッキの伸縮によって前後に移動可能となっている。礫地盤の場合には、チャンバー内に取り込んだ礫を効率良く破砕するために、アウターコーンとインナーコーンの隙間が狭小になるように設置しておく。土質が粘土層に変わった時は、アウターコーン後端の油圧ジャッキを伸長することによって、アウターコーンを前方に移動させて、アウターコーンとインナーコーンの破砕空間を通常時より大きくする。このため、カッタ面板によりチャンバー内に取り込まれた掘削粘土は、破砕空間で圧密される度合いが少なくてすみ、チャンバー内に充満されて固結したり、閉塞したりすることが少なくなった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記したアウターコーンの摺動機構により、礫や玉石地盤から粘土層に変化してもアウターコーンを後方に摺動させることによって、コーン部での閉塞を防止することが可能となった。しかし、アウターコーンの移動量は、狭い掘進機の外殻内でのものとなり、大きな前後移動は困難となる。このため、アウターコーンとインナーコーンの間の隙間を大きく形成することはできなく、粘土層が長期間続いた場合には、コーン部で粘性土の圧密が徐々に発生し、閉塞することがある。また、アウターコーンの構造が、外殻内を摺動する機構で非常に複雑な機構となるために、製作費用が非常に高価となる点や小中口径の掘進機では組立てが難しくなるという問題がある。さらに、礫地盤から粘土地盤への地層の変化を、オペレータが瞬時に判断することは困難であり、土質の変化からアウターコーンの稼働までの間にズレが生じ、アウターコーンの移動時には既に閉塞が発生しているという問題があった。
【0007】
このため、本発明は、礫掘進機において礫と粘土地盤の互層地盤に遭遇しても、チャンバー内のコーン部での閉塞を発生させない礫用掘進機を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、筒状の外殻の先端に回転自在に設けられたカッタ面板と、前記外殻の内側に、前記カッタ面板の後方から内径が後方に向かって小さくなる円錐状の上部を所定の範囲だけ切込みを設けたアウターコーンと、前記アウターコーンの内側で前記カッタ面板の後方に回転自在に設け、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーンとにより構成される礫用掘進機である。
【0009】
カッタ面板の前面には、複数個のカッタビットなどの掘削手段を備えているとともに、掘削した土砂を背面側に送り込むための取込口を複数箇所に装備している。また、大礫や玉石等の地盤では、カッタビットの他にローラビットが装備されて、大礫等を取込口内より取込み可能な大きさに破砕する。
【0010】
アウターコーンは、外殻の内側に設けられ、カッタ面板の後方に配置されて、内径が後方に向かって小さくなる円錐状をなしている。アウターコーンの上部には、切込みが設けられている。切込みの範囲は、礫率や礫径に応じて変化させ、通常は90°〜120°位が有効とされている。アウターコーンに切込み部を設けることによって、通常のチャンバー内のアウターコーンとインナーコーンが形成する空隙より、大きく変化させることによって、圧密された粘性土を切込み部で解除して閉塞を防止する。また、切込み部に洗浄機構を設けることによって、その閉塞防止効果はより向上する。
【0011】
アウターコーンを切込んだ部分には、礫や玉石がその切込み部分から入らないように、インナーコーンの外径よりも余裕をもった大きさの径で湾曲させた取込制御板が後方の隔壁に固設されている。
【0012】
インナーコーンは、アウターコーンの内側でカッタ面板の後方に回転自在に配置され、外径が後方に向かって大きくなる円錐状をなし、後端でアウターコーンのとの間に狭小な破砕空間を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。図1は、本発明の礫用掘進機を説明する縦断面図である。掘進機1は、筒状の外殻2の先端に円盤状のカッタ面板3が設置されている。カッタ面板3は、掘進機1の内部後方に配置された駆動機及び減速機(図示省略)を通して回転軸9から回転が伝達される。カッタ面板3の前面には、前方の切羽地盤を切削するためのカッタビットなどの切削手段を複数個備えている。カッタ面板3には、カッタビットにより切削された掘削土をカッタ面板3背面のチャンバー11内に送り込むために、複数箇所の取込口が設けられている。また、大礫や玉石地盤の場合には、カッタビットの他にローラビットが装備されて、大礫等をカッタ面板3に設けた取込口内より取込み可能な大きさに破砕する。
【0014】
カッタ面板3の後方で、掘進機1の外殻2の内壁には、内径が後方に向かって小さくなる円錐状のアウターコーン4が設置されている。アウターコーン4の内側でカッタ面板3の背面には、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーン5が設置され、アウターコーン4の後端内周とインナーコーン5の後端外周との間には、狭小な破砕空間12を形成している。アウターコーン4の上部は、円周方向に所定の範囲で切込み13が設けられている。切込み13部分には、インナーコーン5の外径よりも余裕をもった大きさの径で湾曲させた取込制御板6が後方の隔壁7に固設されている。
【0015】
アウターコーン4の切込み13部分には、後方より配管された洗浄機構8が設けられ、カッタ面板3の背面とコーン部分に高圧水を噴射できる構造となっている。また、本実施形態では泥水式の掘進機1を開示しており、アウターコーン4の下方には、泥水をチャンバー11内に送泥する送泥口10が設けられている。掘進機1に土圧系の掘進機を用いる場合には、送泥口10の設置は必要としない。
【0016】
図2は、本発明の礫用掘進機を説明する横断面図である。筒状の外殻2の内壁には、アウターコーン4が固設されている。アウターコーン4の内側でカッタ面板3の後方には、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーン5が回転自在に設けられている。前記アウターコーン4の上部は、円周方向に所定の範囲で切込み13が設けられている。切込み13部分には、礫や玉石が切込み13内に入り込まないように、インナーコーン5の後端の最大外径部に余裕をもたせて、円弧状に湾曲させた取込制御板6が設けられている。取込制御板6としては、れきや玉石の衝撃に対して十分に耐えることができるように、比較的強度のある鋼材が採用される。
【0017】
また、アウターコーン4の切込み13部分には,掘進機1の後方より配管した洗浄機構8が所定の間隔を置いて2箇所装備されている。アウターコーン4の下方には、所定の間隔を置いて2箇所に、泥水をチャンバー11内に送泥するための送泥口10が設けられている。
【0018】
次に、本発明の礫用掘進機1による推進方法について説明する。礫や玉石地盤内では、先端のカッタ面板3を回転駆動させることによって、カッタ面板3に装備したカッタビットやローラビットにより、切羽地盤を切削したり大礫や玉石を大割に破砕して、取込口から掘進機1のチャンバー11内に掘削土を取り込む。チャンバー11内に取り込まれた礫や玉石からなる掘削土は、重力の作用で下方に落ちて、アウターコーン4とインナーコーン5が形成する後端の破砕空間12で小さく破砕される。破砕された礫や玉石は、アウターコーン4の下方から送られた泥水とともに排泥管を通って地上へと流体輸送されていく。取込口から搬入された礫や玉石の一部が、アウターコーン4の上部の切込み13から入り込もうとしても、インナーコーン5の外周に設けられた取込制御板6によって阻止される。
【0019】
土質が粘性土に変化すると、アウターコーン4とインナーコーンが形成する狭小な破砕空間12部分に粘性土が付着しは圧密されていくが、上部のアウターコーン4の切込み13部分ではチャンバー11内の空間が大きくしていることから、下方部分で圧密され始めた粘性土が上部へと移動して、下方の圧密を解除するとともに切込み13部分から粘性土をスムーズに搬出させる。この時、切込み13部に設けた洗浄機構8を稼働して高圧水を噴射することによって、アウターコーン4やインナーコーン5及び取込制御板6への粘性土の付着が解除でき、より効率の良い粘性土の搬出が行える。
【0020】
【発明の効果】
上記したように、本発明の礫用掘進機により、土質が礫や玉石地盤と粘土地盤からなる互層地盤であっても、礫破砕はアウターコーンとインナーコーンの破砕空間で効率良く行い、粘土地盤でもアウターコーンの上部に切込み部分を設けることで、チャンバー内の空間を変化させることによって、チャンバー内の圧密を防止して効率の良い粘性土の搬出を可能とした。さらに、洗浄機構を併用することによって、コーン部分等への粘性土の付着が防止でき、より効率の良い掘進が行える。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の礫用掘進機を説明する縦断面図である。
【図2】本発明の礫用掘進機を説明する横断面図である。
【符号の説明】
1 礫用掘進機
2 外殻
3 カッタ面板
4 アウターコーン
5 インナーコーン
6 取込制御板
7 隔壁
8 洗浄機構
9 回転軸
10 送泥口
11 チャンバー
12 破砕空間
13 切込み
Claims (1)
- 筒状の外殻の先端に回転自在に設けられたカッタ面板と、前記外殻の内側に、前記カッタ面板の後方から内径が後方に向かって小さくなる円錐状の上部を所定の範囲だけ切込みを設けたアウターコーンと、前記アウターコーンの内側で前記カッタ面板の後方に回転自在に設け、外径が後方に向かって大きくなる円錐状のインナーコーンとにより構成されることを特徴とする礫用掘進機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151998A JP2004353285A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 礫用掘進機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151998A JP2004353285A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 礫用掘進機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004353285A true JP2004353285A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34047324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003151998A Pending JP2004353285A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 礫用掘進機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004353285A (ja) |
-
2003
- 2003-05-29 JP JP2003151998A patent/JP2004353285A/ja active Pending
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