JP2004353241A - Pc橋の外ケーブル定着部における真空ポンプ併用グラウト注入工法 - Google Patents

Pc橋の外ケーブル定着部における真空ポンプ併用グラウト注入工法 Download PDF

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Abstract

【課題】内外2重シースにPC鋼材を挿通する橋梁構造において、内側シースとPC鋼材のすき間を簡易な構造で止水し、止水部からのグラウト漏出を回避し、確実にグラウトを充填できる。
【解決手段】定着部コンクリート15の両端面を貫通して外側シース29を埋設し、その内側にPC鋼材8を挿通する内側シース28を挿入し、各シース28、29の一端部は、アンカープレート30を挿通し、これに結合した余長保護キャップ37内でアンカーヘッド33に定着する。キャップ37の注入口から内側シース28内にグラウト38を圧入し、PC鋼材8がグラウト注入治具46の管体47とグラウト止めスペーサ48を挿通し、管体47を内側シース28に接続したうえ、管体47に設けた排出口49に接続の真空ポンプを用いて内側シース28内を吸引しながらグラウト38を充填する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレストレスコンクリート(PC)橋の外ケーブル定着部における真空ポンプ併用グラウト注入工法に係る。
【0002】
より具体的には、一連のシースに貫通したPC鋼材を緊張することによりポストテンション方式で構造物にプレストレスを与えてプレストレスコンクリート構造物(以下、PC構造物とも記す)とした後、前記シースにグラウトを注入し充填する方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
PC橋は、引張強度に比較的弱く、圧縮強度には強いコンクリートの性能を一層発揮させるために、PC鋼材によりコンクリート躯体にプレストレスを導入してなる構造橋であって近時増加しつつある。
【0004】
このプレストレス構造において、特に、ポストテンション方式かつ外ケーブル方式では、定着部を含む所定区間ではPC鋼材はコンクリート躯体内を挿通するため、この躯体部ではPC鋼材はシース内を挿通し、コンクリート躯体の外部では防食塗装などが施される。
【0005】
図4、図5(a)、(b)によって従来例を説明すると、各図は、外ケーブル方式で、かつポストテンション方式の連続PC版桁橋を示し、その版桁1は上床版2と下部に膨出部9を有するウエブ3が通常コンクリートの打設により構成されており、版桁1の端部は支点4で支持され、中間部は中間支点5で支持されている。版桁1の支間中央部寄りの部位に所定の間隔をあけて、かつ隣り合うウエブ3の間にデビエータ(偏向板)を兼用する中間隔壁6が配置されており、中間支点5では、デビエータ(偏向板)を兼用する中間支点横桁7が設けられている。
【0006】
PC鋼材8は、図のように中立軸の上下に変位しながら橋軸方向に延長して設けられ、PC鋼材端部(図4の左端)は、端部横桁10の上部において定着部11にて定着されている。またPC鋼材8は、支点4と中間支点5の中間部位においては、中間隔壁6の下端部にガイド部12を介して配置されている。したがって、PC鋼材8は支間中央部においては、中立軸(桁上下方向中央部)から下方に離れた部位に配置されている。
【0007】
中間隔壁6からさらに延びるPC鋼材8は、中間支点5に設けられるデビエータ(偏向板)を兼用する中間支点横桁7の上部に開設した挿通孔13を挿通して橋中央部(図4の右側)に向けて延長しており、次の中間隔壁6aの下部に向けて斜め下方向に延長して設けられている。
【0008】
前記PC鋼材8が配置されてなる、PC(またはPRC)版桁形式の橋梁構造において、PC鋼材8の端部は、シース14に納められた状態で、端部横桁10や中間支点横桁7(後述では、定着部コンクリート15という)に定着装置11にて定着されている。
【0009】
図6、図7に示す定着装置11を説明すると、所定長のプラスチック製シース14が接続部(ジョイント部)16において、プラスチック製ジョイントシース17によって接続され、シース14とジョイントシース17の接続部16の間隙を密封するようにビニールテープ18が巻きつけてあり、これらは定着部コンクリート15の内部に配置される。ポストテンション方式の橋梁構造では、該橋梁構造を形成する型枠の内部に、PC鋼材8が挿通したシース14、17を配置し、シースの端部を型枠の外に位置させコンクリートを打設して形成する。
【0010】
図6の左端において、プラスチック製シース17の端部にはPC鋼材8の定着部11aが設けられている。この定着部11aは、プラスチック製シース17に先端が嵌合されるアンカープレート19の外端部に配置されたアンカーヘッド20と、アンカーヘッド20の外側に載置した雄雌コーン部材(図示省略)を介して構成されている。
【0011】
PC鋼材8は、プラスチック製シース14、17の端部から引出され、アンカーヘッド20を通して外方に引出され、該PC鋼材8を両端をジャッキで緊張し、当該PC鋼材8の端部は、雄雌コーンによってプレストレスを導入した状態が保持されている。なお、アンカーヘッド20から突出するPC鋼材8の余長部を切断する。さらに、グラウト注入孔21を具備した余長部保護キャップ22をアンカーヘッド20に被せて取付ける。
【0012】
余長部保護キャップ22のグラウト注入孔21には、グラウトポンプ23の吐出口から導出したホースを開閉弁26を介して接続し、グラウト注入孔21からアンカーヘッド20のグラウト孔24を通して各シース17、14内にグラウト25を充填する。シース14が設置されている先端は、定着部コンクリート15が構築された範囲より僅か突出したところである。つまり、シース端部14aは定着部コンクリート15の外部の近傍で止まっており、シース端部14aから先はPC鋼材8はむき出しの状態となっている。
【0013】
前記PC鋼材8の端部において、グラウト25をシース17、14内に充填するに際し、シース端部14aが開放されていると定着部11a側から圧入されるグラウト25はシース先端側から漏出し、シース内に充填できない。このことからシース端部14aは、熱収縮性プラスチックテープ26などの巻き付けにより閉塞して、PC鋼材8との間のすき間をできるだけ少なくしている。しかし、それでも定着部11a側から高圧で圧入されるグラウト25がシース端部14aのすき間から漏出するのは避けられない。
【0014】
なお、シース14、17内にグラウト25を注入充填する目的は、内部に挿通するPC鋼材8を腐食から保護することと、PC鋼材8とコンクリートをシース(ダクト)を介して一体化し、PC構造物の性能と耐久性とを維持することであり、それにはシース中の空気や水を完全に排除し、シース内をグラウトで満たすことである。
【0015】
シース内へのグラウト注入を円滑に行うために、該シース内の一端側を加圧すると共に他端を吸引しシース内を減圧することで長尺シース内の全長にわたりグラウトを充填する方法は従来公知である。
【0016】
例えば、特開平4−41867号公報(従来技術1)には、コンクリート部材中に埋設されたシースの一端部のグラウト排出口に吸気用ポンプを接続し、他端側のグラウト排出口に吸気用ポンプを接続し、他端側のグラウト注入口にグラウト供給源を接続し、前記吸気ポンプによってシース内の空気を減圧し、シース内にグラウト材を吸引、充填する方法が開示されている。
【0017】
また、特許第2757134号公報(従来例2)には、両端が閉じたシースの一端からシース内の空気を真空引きし、その後、前記一端からシースの内部に真空を利用してグラウトを注入する方法が開示されている。
【0018】
また特開平2002−309777号公報(従来技術3)により、真空ポンプを連続運転してシース内部を減圧し、シース内の気圧が設定負圧以下の真空状態下のみでグラウトポンプを運転してグラウト注入を繰り返して充填することで、シースがどのように長くてもシース内の全断面にグラウトを充填して確実に充填するようにしたものが公知である。
【0019】
【特許文献1】
特開平4−41867号公報
【特許文献2】
特許第2757134号公報
【特許文献3】
特開平2002−309777号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
プレストレスコンクリート橋の定着部は、緊張力を主桁コンクリートへ円滑に伝達できる構造としなければならないため、外ケーブルの定着部は、将来交換可能な内外2重管構造としている(この内外2重管構造については、本発明の実施形態について後に説明する)。この場合、内側シース内は狭小となり、この狭小空間部に収容されたPC鋼材間の狭小空間に部分的にグラウトする構造(部分グラウト構造という)となる。また、内側シースは、複数の分割シースを接続して構成され、この分割シースの接続部や、内側シース先端のPC鋼材との間隙などは発砲ウレタンやビニールテープで簡易に閉塞することで止水部とすることが一般的に行われている。このような簡易な止水方式では、施工が容易な反面、耐圧性に劣り、グラウト注入時に止水部からグラウトが漏れ出すことが予想される。このため、内側シース内にグラウトを高圧で充填する際、前記の各止水部からグラウトが漏出する問題が現実としてある。
【0021】
グラウト漏出の原因は種々考えられるが、(1)止水部分は発砲ウレタンやビニールテープで止める簡易方法であるため、大きな圧力に耐えられないこと。(2)止水部分の養生が弱いため、グラウト注入圧力上げられないこと、などが想定される。そして、この止水部分からグラウトが漏れ出すと、作業性・充填性(品質)の問題が生じ、そうかといて、グラウト注入圧力を低く抑えると円滑な注入が行えない。
【0022】
本発明は、前記の問題点に鑑みて提案されたもので、ポストテンション方式、かつ外ケーブル方式でPC鋼材を配設する橋梁構造において、内側シースの接続部や先端部には、従来同様、施工が容易な簡易止水構造(すなわち発砲ウレタンやビニールテープで簡易に閉塞するグラウト漏出防止構造)を施すに拘わらず、シース内への円滑な充填とシースからの漏出を回避できる方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は次のように構成する。
【0024】
第1の発明は、PC橋の横桁となる所定厚の定着部コンクリートの両端面を貫通して、PC鋼材を挿通する内外2重シースにおける外側シースを埋設し、この外側シース内にPC鋼材を挿通する内側シースを挿入し、かつ内外2重シースの一端部は、定着部コンクリートの一端面に配設されたアンカープレートを挿通したうえ、アンカープレートに結合した余長保護キャップ内において当該アンカープレートに定着し、内側シースの他端部から外方へ導出したPC鋼材は、グラウト注入治具を構成する所定長の管体および、この管体の一端内部に収納したグラウト止めスペーサのPC鋼材挿通孔を挿通し、前記管体を前記内部鋼管の先端部に接続したうえ、グラウト止めスペーサの近傍に設けたグラウト排出口に接続の真空ポンプを用いて内側シース内を吸引しながら、前記余長保護キャップの注入口から前記内側シース内にグラウトを圧入することを特徴とする。
【0025】
第2の発明は、第1の発明において、内側シースは複数の分割シース部材からなり、この分割シース同士の接続部および、内側シースの先端とグラウト注入治具を構成する所定長の管体の接続部は、嵌合方式とテープ巻きつけ方式の併用による簡易接続構造であり、また、管体の他端部とPC鋼材との間隙は発砲ウレタンによる閉鎖構造であることを特徴とする。
【0026】
【作用】
本発明によると、グラウト止めスペーサの近傍に設けたグラウト排出口に接続の真空ポンプを用いて内側シース内を吸引しながら、前記余長保護キャップの注入口から前記内側シース内にグラウトを圧入することにより、低いグラウト注入圧力で注入可能となり、内外各シースにおける分割シースとの接続部や、シースとPC鋼材の間隙の止水部を、従来と同様に発砲ウレタンやビニールテープで簡易に閉塞しても、グラウト注入時に止水部からグラウトが漏れ出すおそれがなく、かつ、確実なグラウト注入が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
【0028】
図1〜図3は、本発明の実施形態示し、図1は、定着装置の断面図、図2は図1の拡大図、図3(a)、(b)は、図1のアンカーヘッドの正面図と断面図である。
【0029】
図1、図2は、ポストテンション方式で、外ケーブル方式のPC版桁橋における端部横桁や中間部横桁(以下、以下定着部コンクリートという)15の一端面15aから他端面15bに貫通するシース(後述する)を介して複数本のPC鋼材8が挿通しており、定着部コンクリート15の一端面15aにおいてPC鋼材8が定着装置11により定着され、他端面15bにおいて、PC鋼材8が一連のシースから露出してPC版桁橋における他端方向に延長している態様を示す。
【0030】
外ケーブル方式におけるPC鋼材8の定着部は、緊張力を主桁コンクリートへ円滑に伝達できる構造としなければならないため、該PC鋼材8の定着部は、将来交換可能な内外2重管構造としている。このため定着部コンクリート15中を貫通して、かつ両端面15a、15bに両端が開口して内側シース28と外側シース29が配設されている。
【0031】
外側シース29は、定着部コンクリート15内において、一端側が拡径したトランペット状の外側ジョイントシース(以下外側第1分割シースという)29aと、これの縮径側に異径ジョイント40と、その外側に巻付けるテーピング(図示せず)により接続された外側分割シース(以下外側第2分割シースという)29aとから構成されている。
【0032】
内側シース28は、一端側が拡径したトランペット状の内側ジョイントシース(以下、内側第1分割シースという)28aと、これの縮径側にゴムリング42を介して嵌合接続された、内側分割シース(以下内側第2分割シースという)28bとから構成されている。内側第1分割シース28aは、外側第1分割シース29aの内部に収容され、内側第2分割シース28bは、外側第2分割シース29bの内部に収容されている。外側第1分割シース29aと内側第1分割シース28aの各一端部29d、28d(図において、右側端部)は、何れも定着部コンクリート15の他端面15b(図の右側)から突出しており、かつ、内側第2分割シース28bの一端部28dは、外側第2分割シース29bの一端部29dよりも長く突出している。外側第1分割シース29aの外周には、補強のためのスパイラル筋43がコンクリート中に埋設されている
【0033】
定着部コンクリート15の一端面15a(図の左側)にはアンカープレート30が埋設され、該アンカープレート30の外面と定着部コンクリート15の一端面15aが揃うように設けられている。外端側が拡径したトランペット状の外側第1分割シース29aと内側第1分割シース28aの拡径側端部28c、29cは、略同径となって近接接合している。この内外側シース28、29の各拡径側端部28c、29cは、アンカープレート30の孔部31を挿通してその外面側において外側に折り曲げた上、ネジ32によりアンカープレート30の外面に固定されている。
【0034】
さらに、アンカープレート30の外面には、アンカーヘッド33が配置され、該アンカーヘッド33に配置された複数の雌コーン部材34にPC鋼材8の端部8aを挿通したうえ、該PC鋼材8の端部をジャッキで緊張しプレストレスを導入したうえ、当該PC鋼材8の端部を、雄コーン部材35によって定着している。アンカーヘッド33から突出するPC鋼材8の余長部は切断する。図3において、アンカープレート30には、雌コーン部材34に連通するPC鋼材用孔41とスリーブ41aが設けられ、さらにグラウト孔44が設けられている。
【0035】
アンカーヘッド33の外方には、グラウト注入口36を具備した余長部保護キャップ37を被せ、このキャップ37の基端部はアンカープレート30の外面に固着している。余長部保護キャップ37内と内側シース28の内部には、グラウト38が充填されている。
【0036】
PC鋼材8を内外2重シース28、29とし、その内側に挿通するのは、コンクリート構造物を構築後、PC鋼材8の取替えを可能にするためである。すなわち、PC鋼材8を取り替える際は、外側シース29を定着部コンクリート15内に残し、グラウト38が充填されたPC鋼材8と内側シース28とをそっくり取り替えることが可能となる。内側と外側のシース28、29間には若干のすき間を介して、かつ外方に内側シース28を引き抜くことで相互に容易に分離できるように構成されている。外側シース29は、所定の部位に配置したうえ型枠にて定着部コンクリート15を打設することで、該コンクリート中に埋設される。
【0037】
内側シース28内にグラウト38を充填する工程を説明する。まず、余長部保護キャップ37のグラウト注入口36には、グラウトポンプの吐出口から導出したホースを接続し(図示省略)、アンカーヘッド33のグラウト44(図3に示す)を通して内側シース28内にグラウト38を充填する。
【0038】
この時、内側シース28の先端部28dは開放されているので、この状態では、内側シース先端開口部45から内側シース28内に充填できない。このため本発明では、内側シース先端部28dにグラウト漏出を防止するためのグラウト注入用治具46を接続する。
【0039】
グラウト注入用治具46は図示のように所定長(L)のポリエチレン管などプラスチック製の管体47と、管体47の一端内部に収納されたグラウト止めスペーサ48と、該グラウト止めスペーサ48の近傍(つまり、管体47の中間部寄り近傍)において、この管体47の外側に突出して設けたグラウト排出口49を有して構成されている。グラウト排出口49には排出ホース50が接続され、この排出ホース50には真空ポンプ(図示せず)が連結される。
【0040】
グラウト止めスペーサ48は円板状で、その板厚部を貫通してPC鋼材挿通孔51が開設されている。PC鋼材8はこのPC鋼材挿通孔51を挿通して管体47からさらに先方に伸長している。
【0041】
グラウト注入用治具46の管体47の一端47aを、グラウト注入作業の準備段階で内側シース先端部28dに少し被せ、その重合部に熱収縮性プラスチックテープなどの簡易止水部材52を巻きつける。さらに、グラウト止めスペーサ48のPC鋼材挿通孔51とPC鋼材8の間にはすき間が存在するので、そこからグラウトが漏出するおそれがある。このため管体47の先端部にも発砲ウレタン等を介して熱収縮性プラスチックテープなどの簡易止水部材53を巻きつけ、グラウトの漏出手段を簡易に施す。
【0042】
こうしてグラウト注入作業の準備が整った後、余長保護キャップ37(図の左側)のグラウト注入口36にグラウト注入ノズルをセットすると共に、グラウト注入用治具46のグラウト排出口49から導出の排出ホース50に真空ポンプ(図示せず)を接続しセットする。
【0043】
グラウト注入作業に際し、まず最初は、グラウト注入口36の切り換え弁(図示せず)を閉じ、真空ポンプを作動させ、グラウト排出口49を介して内部シース内を排気する。このとき、シース内部の気圧を−0.09MPa(−0.09kgf/cm)程度にする。シース内部の気圧が、−0.09MPa(−0.09kgf/cm)程度に確保されたら、グラウト注入口36の切り換え弁を開き、グラウト注入を開始する。
【0044】
この時、グラウト注入量は10リットル/分以下で注入作業を行う。内側シース28と連通するグラウト排出口49に接続した排出ホース50からグラウトが現れたら、グラウト排出口50に設置した3分岐弁(図示せず)を切り換え、グラウト38が真空ポンプに入らないように所定の排出グラウト収納容器(図示せず)へ排出する。
【0045】
こうして本発明では、PC鋼材8の端部8aで、内外側シース28、29を被せた範囲(つまり、部分的グラウト充填範囲)において、当該充填範囲の先端部の近傍にグラウト排出口50を設けて内側シース28内を吸引し、減圧するので、グラウト注入口36からは相対的に低い圧力でグラウトの充填が可能である。
【0046】
したがって、内側シース先端部28dとグラウト注入用治具46の管体一端47aとの接続部や、グラウト止めスペーサ48より先の管体他端47bとPC鋼材8とのすき間を、熱収縮性プラスチックテープや発砲ウレタンなどの簡易な止水部材52、53によって止水しただけにも拘わらず、止水部からグラウト38が漏出せず、したがって、内側シース28内に円滑にグラウト38を充填することが可能となる。
【0047】
なお、実施形態で示した構成を適宜設計変更して実施することは、本発明の範囲に含まれる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると、グラウト止めスペーサの近傍に設けたグラウト排出口に接続の真空ポンプを用いて内側シース内を吸引しながら、前記余長保護キャップの注入口から前記内側シース内にグラウトを圧入することにより、低いグラウト注入圧力で注入可能となり、内外各シースにおける分割シースとの接続部や、シースとPC鋼材の間隙の止水部を、従来と同様に発砲ウレタンやビニールテープで簡易に閉塞しても、グラウト注入時に止水部からグラウトが漏れ出すおそれがなく、かつ、確実なグラウト注入が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るPC橋等におけるPC鋼材の定着部の断面図である。
【図2】図1のPC鋼材の定着部の拡大断面図である。
【図3】(a)、(b)は、図1におけるアンカーヘッドの正面図と断面図である。
【図4】従来の外ケーブル方式で、かつポストテンション方式の連続PC版桁橋の断面側面説明図である。
【図5】(a)、(b)は、図4のA−AとB−Bの拡大断面図である。
【図6】従来の定着装置の側面図である。
【図7】図6に示す定着装置の拡大断面図
【符号の説明】
1 版桁
2 上床版
3 ウエブ
4 支点
5 中間支点
6 中間隔壁
6a 中間隔壁
7 中間支点横桁
8 PC鋼材
8a PC鋼材の端部
9 膨出部
10 端部横桁
11 定着装置
11a 定着部
12 ガイド部
13 挿通孔
14 シース
14a シース端部
15 定着部コンクリート
15a 一端面
15b 他端面
16 接続部
17 ジョイントシース
18 ビニールテープ
19 アンカープレート
20 アンカーヘッド
21 グラウト注入孔
22 余長保護キャップ
23 グラウトポンプ
24 グラウト孔
25 グラウト
26 開閉弁
26 熱収縮性プラスチックチューブ
27 PC鋼材挿通孔
28 内側シース
28a 内側第1分割シース
28b 内側第2分割シース
28c 拡径側端部
28d 内側シース先端部
29 外側シース
29a 外側第1分割シース
29b 外側第2分割シース
29c 拡径側端部
29d 外側シース先端部
30 アンカープレート
31 孔部
32 ネジ
33 アンカーヘッド
34 雌コーン部材
35 雄コーン部材
36 グラウト注入口
37 余長部保護キャップ
38 グラウト
40 異径ジョイント
41 PC鋼材用孔
41a スリーブ
42 ゴムリング
43 スパイラル筋
44 グラウト孔
45 内側シース先端部開口部
46 グラウト注入用冶具
47 管体
47a 管体の一端
47b 管体の他の一端
48 グラウト止めスペーサ
49 グラウト排出口
50 排出ホース
51 PC鋼材挿通孔
52 簡易止水部材
53 簡易止水部材

Claims (2)

  1. PC橋の横桁となる所定厚の定着部コンクリートの両端面を貫通して、PC鋼材を挿通する内外2重シースにおける外側シースを埋設し、この外側シース内にPC鋼材を挿通する内側シースを挿入し、かつ内外2重シースの一端部は、定着部コンクリートの一端面に配設されたアンカープレートを挿通したうえ、アンカープレートに結合した余長保護キャップ内において当該アンカープレートに定着し、内側シースの他端部から外方へ導出したPC鋼材は、グラウト注入治具を構成する所定長の管体および、この管体の一端内部に収納したグラウト止めスペーサのPC鋼材挿通孔を挿通し、前記管体を前記内部鋼管の先端部に接続したうえ、グラウト止めスペーサの近傍に設けたグラウト排出口に接続の真空ポンプを用いて内側シース内を吸引しながら、前記余長保護キャップの注入口から前記内側シース内にグラウトを圧入することを特徴とするPC橋の外ケーブル定着部における真空ポンプ併用グラウト注入工法。
  2. 内側シースは複数の分割シース部材からなり、この分割シース同士の接続部および、内側シースの先端とグラウト注入治具を構成する所定長の管体の接続部は、嵌合方式とテープ巻きつけ方式の併用による簡易接続構造であり、また、管体の他端部とPC鋼材との間隙は発砲ウレタンによる閉鎖構造であることを特徴とする請求項1記載のPC橋の外ケーブル定着部における真空ポンプ併用グラウト注入工法。
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