JP2004351815A - シリカ分散液の製造方法及びインク吸収層塗液の製造方法 - Google Patents

シリカ分散液の製造方法及びインク吸収層塗液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目詰まり、コンタミネーション、エロージョン等の問題がなく、インク吸収性、平滑性、光沢性に優れたインク受像層となる適切な粒径範囲にシリカを容易に分散することができるシリカ微細分散液の製造方法及びこのシリカ微細分散液を用いたインク吸収層用塗液の製造方法を提供すること。
【解決手段】タンク(分散槽本体)10内に、開口部40を有する外筒38と該外筒内に回転自在に設けられた回転部材とを備え、前記外筒38と前記回転部材との間隙で生じる剪断力でシリカを分散する方式の分散機と、タンク(分散槽本体)10の内壁に沿って前記回転部材よりも低速で回転するアンカー翼28とを備えた分散装置によって前記剪断念力を2000〜20000Paの範囲でシリカ予備分散液を微細分散する。得られたシリカ微細分散液に界面活性剤を添加するまでにシリカ微細分散液を25〜35℃、15〜50時間保管する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録材料を製造する際に用いられるのに好適なシリカ微細分散液の製造方法、およびこのシリカ微細分散液を用いたインクジェット記録材料のインク吸収層塗液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録材料のインク受像層を構成するシリカは、水中分散液として調液された後に支持体に塗布、乾燥されてインク受像層となるが、分散液中のシリカ粒子の粒径が小さすぎるとインクジェットペーパーのインク吸収性が悪くなり、粒径が大きすぎるとインクジェットペーパーの平滑性、光沢性が悪くなる。
【0003】
このため適切な範囲の粒径にシリカを分散する必要があり、そのための種々の分散機が用いられている。(例えば、特許文献1,特許文献2等)
しかし、高圧分散機では分散圧力を高くするとシリカの粒径が小さくなりすぎ、分散圧力を低くすると機器内の流路で目詰まりが起こってしまう。またメディア分散機ではビーズやローター、ベッセルの磨耗とこれによるコンタミネーションの、超音波分散機ではエロージョンとこれによるコンタミネーションの問題があることから、メンテナンスの負荷が大きく品質への懸念も生じるためシリカ分散液の製造機としては向いていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−80204号公報
【特許文献2】
特開2001−19421号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、目詰まり、コンタミネーション、エロージョン等の問題がなく、インク吸収性、平滑性、光沢性に優れたインク受像層となる適切な粒径範囲にシリカを容易に分散することができるシリカ微細分散液の製造方法及びこのシリカ微細分散液を用いたインク吸収層塗液の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリカ分散液の製造方法は、タンク内に、開口部を有する外筒と該外筒内に回転自在に設けられた回転部材とを備え、前記外筒と前記回転部材との間隙で生じる剪断力でシリカを分散する方式の分散機と、タンク内壁に沿って前記回転部材よりも低速で回転するアンカー翼とを備えた分散装置によって前記剪断念力2000〜20000Paの範囲でシリカ予備分散液を微細分散することを特徴とする。
また、本発明のインク吸収層塗液の製造方法は、前記のシリカ微細分散液の製造方法で製造されたシリカ微細分散液を界面活性剤を添加するまでに25〜35℃、15〜50時間保管することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のシリカ微細分散液を製造するための分散装置の一実施の形態を示す概略的構成図である。図1において、分散槽本体(タンク)10の外側面にはジャケット12が覆設されており、このジャケット12には入口配管14と出口配管16が設けられ、入口配管14から導入された冷却水は、ジャケット12内を流れた後、出口配管16から排出されるようになっている。また、ジャケット12の外側面は、空隙部を有する断熱部材18で覆われており、この断熱部材18の外側に分散槽本体10を支持する支柱20が固定されている。
【0008】
分散槽本体10の底部には、分散槽本体10内の分散液を排出させるための排出管22が設けられている。分散槽本体10の中心部には、モータ24に連結された回転軸26が設けられており、この回転軸26にアンカー翼28が固定されている。
【0009】
また、図1および図2に示すように、モータ30に連結された回転軸32の先端部には駒状の回転部材34が設けられており、この回転部材34の外周面には、回転方向側に曲面部を有する複数の凸状部36が形成されている。これらの回転軸32と回転部材34は、外筒38内に配置されている。回転部材34は、動力源の負荷等の面から筒状体であることが望ましい。
回転部材34近傍の回転軸32の外周側に位置する外筒38の部分には、複数の開口部40が形成されており、また、回転部材34の外周側に位置する外筒38の部分には、多数のスリット42が形成されている。
【0010】
次にこの分散装置を用いてシリカ微細分散液を製造する方法について説明する。
本発明において、シリカ微細分散液の原料であるシリカは、合成シリカが望ましい。合成シリカには、湿式法によるものと、気相法によるものがあり、湿式法によるシリカは、けい酸ナトリウムの酸等の複分解やイオン交換樹脂によるシリカゾル、またはこのシリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えて数μm〜10μmの一次粒子がシロキサン結合した三次元的な2次粒子となったシリカゲル、さらには、シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成して得られたケイ酸を主体とする合成ケイ酸ナトリウム等がある。
【0011】
また、気相法シリカは、一般的に火炎加水分解法によって製造される。具体的には、四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して製造する方法が一般的に知られているが、四塩化けい素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も単独または四塩化けい素と混合した状態で使用することができる。これらのシリカ微粒子の市販品としてはアエロジル[日本アエロジル(株)製]、QSタイプ[トクヤマ(株)製]等が挙げられる。
【0012】
まず、分散槽本体10内に水(イオン交換水等)を主体とし、この他に必要に応じて分散剤、バインダー、pH調整剤等が添加された分散媒が投入され、この分散媒体中にシリカが投入される。また、同時に入口配管14から冷却水を導入させると共に出口配管16から冷却水を排出し、分散槽本体10内の液温を所定の温度に保持する。分散槽本体10内の液温は、20℃以下が好ましい。特に15℃以下が好ましい。この場合、シリカ微粒子を添加する前の分散媒を20℃以下の温度にしておいてもよいし、予備混合中に冷却して20℃以下に冷却してもよい。また、シリカスラリーの温度を20℃以下、好ましくは15℃以下状態で分散槽本体10に注入してもよい。
【0013】
さらに、モータ24の回転に伴ってアンカー翼28が低速度で回転されており、シリカ予備分散液が全体的に流動し、分散槽本体10内で均一な分散状態に保たれるように予備分散される。その後、シリカ予備分散液中に分散剤、バインダー等が添加され、シリカ予備分散液は所定の剪断念力で微細分散される。
【0014】
シリカ予備分散液を微細分散する際に、シリカ予備分散液に添加される成分としては、少なくとも分散剤とバインダーを含む成分が添加されてシリカ微細分散液が調製されるが、分散剤とバインダー以外のその他の成分としては、シリカ微細分散液が用いられる用途によって異なり、例えば、シリカ微細分散液をインクジェット記録材料のインク吸収層塗液に用いる場合、通常、インク受像層を構成する成分が添加される。
【0015】
シリカ予備分散液は、分散槽本体10内で予備分散されつつ、回転部材34の高速回転によって外筒38に形成された開口部40から筒内に吸引される。回転軸32の先端部は駒状に形成されており、その駒状部分の側表面には波状の突状部36が所定の間隔をおいて複数本設けられている。シリカ予備分散液は高速回転する回転部材34の駒状部分の側表面に設けられた突状部36と外筒38の内周面との間で生じる剪断力によって微細分散されながら、外筒38に形成されたスリットから分散槽本体10内に排出される。シリカ微細分散液中のシリカの平均粒径が所定の範囲になるまでシリカ微細分散液は、分散槽本体10内と外筒40内を循環しながら、微細分散される。
【0016】
このとき、剪断力は、上記した定義による剪断念力の値としては、2000〜20000Paであり、好ましくは5000〜15000Pa、より好ましくは8000〜12000Paである。剪断念力が2000〜20000Paの範囲であると、得られたシリカ微細分散液を用いて形成されるインク受像層を有するインクジェット記録材料はインク吸収性、平滑性、光沢性に優れたものとなる。
剪断念力が2000Paよりも小さいと、シリカ微細分散液中のシリカ粒径が大きすぎて、得られたシリカ微細分散液を用いて形成されるインク受像層を有するインクジェット記録材料は平滑性、光沢性に劣るものとなり、一方、剪断念力が20000Paよりも大きいと、シリカ微細分散液中のシリカ粒径が小さくなりすぎ、得られたシリカ分散液を用いて形成されるインク受像層を有するインクジェット記録材料のインク吸収性が悪くなる。
【0017】
図に示す分散装置においては、剪断念力(τ)は、下記の式(1)で表すことができる。
【0018】
【数1】
Figure 2004351815
【0019】
式(1)中、μ:粘度(Pa・s)、Δl:回転部材の突状部表面と外筒内壁面との距離(mm)、v:回転部材の周速(m/sec)である。
したがって、剪断力を調整するには、回転部材の突状部表面と外筒内壁面との距離Δlを設定し、回転数モータ30による回転部材34の周速を調整することによって適切な剪断念力の範囲とすることができる。
【0020】
本発明によるシリカ微細分散液の製造方法においては、回転部材34の突状部表面と外筒38内壁面との距離が0.2mmの場合、モータ30の回転数の制御によって回転部材34の周速を20〜30m/sec、好ましくは25〜30m/sec程度の高速回転とすることが好ましい。また、このとき、モータ24の回転数の制御によってアンカー翼28の回転数を15〜60r.p.m、好ましくは20〜30r.p.m程度の低速回転とすることが好ましい。
シリカ微細分散液におけるシリカの平均粒径は、好ましくは0.14〜0.24μm、より好ましくは0.16〜0.22μmである。
【0021】
本発明のインク吸収層塗液の製造方法は、シリカ微細分散液をインクジェット記録材料のインク受像層に用いる場合、シリカ微細分散液を調液後、界面活性剤を添加するまでのシリカ微細分散液の保管条件を25〜35℃の温度で15〜50時間とすることを特徴とする。シリカ微細分散液を保管するには、シリカ微細分散液を調液した分散槽本体10に保管し、この分散槽本体10に界面活性剤を添加してもよく、また、この分散槽本体10から排出管22を介してシリカ微細分散液を取りだして他のタンクに保管し、このタンクに界面活性剤を添加してもよいが、作業性、洗浄性、設備コスト等の点からシリカ微細分散液を調液した分散槽本体10に保管し、この分散槽本体10に界面活性剤を添加することが望ましい。
【0022】
シリカ微細分散液の保管条件として、25〜35℃の温度で15〜50時間、好ましくは27〜33℃の温度で20〜40時間、より好ましくは29〜31℃の温度で25〜35時間である。
シリカ微細分散液の保管条件として、温度が25℃未満では、得られるインク受像層の光沢性が劣り、温度が35℃を超えるとシリカ微細分散液がゲル化して実質的に塗布不可能となり、保管時間が15時間未満では、得られるインク受像層の光沢性が劣り、保管時間が50時間を超えると、シリカ微細分散液がゲル化して実質的に塗布不可能となる。
【0023】
ここで使用される界面活性剤としては、シリカ微細分散液の組成によって異なるが、ノニオン系界面活性剤が好適であり、特にフッ素系ノニオン系界面活性剤が好適である。
また、これらの界面活性剤は、シリカ微細分散液100質量部に対して0.05〜0.5質量部、好ましくは0.05〜0.2質量部が、より好ましくは0.05〜0.1質量部添加するのが望ましい。
【0024】
シリカ微細分散液に界面活性剤を添加しながら、あるいは添加した後、シリカ微細分散液と界面活性剤が混合される。このとき、混合の手段としては、インラインミキサー、アンカー翼、プロペラ羽根等の発泡を起こしにくい手段が好ましく、特に好ましくはインラインミキサーである。
【0025】
図1及び図2に示す分散装置は、本発明におけるシリカ予備分散液の製造方法の一実施の形態を示すものであって、タンク内に、開口部を有する外筒と該外筒内に回転自在に設けられた回転部材とを備え、前記外筒と前記回転部材との間隙で生じる剪断力でシリカを分散する方式の分散機と、タンク内壁に沿って前記内筒よりも低速で回転するアンカー翼とを備えた分散装置である限り、特に制約はなく、例えば、クレアミックス、ロボミックス、ホモミキサー等の分散装置も挙げることができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
下記に示すシリカ、アンモニア水溶液、PVA水溶液、及び水からなる処方液を分散槽内に投入し、アンカー翼の回転によってシリカを予備分散させた後、外筒内に設けられた回転部材の高速回転によってシリカを微細分散させてシリカ微細分散液を得た。このとき、剪断念力を10000Paとしたところ、シリカの平均粒径0.18μmになり、シリカ微細分散液を分散槽内で30℃で20時間保管後に界面活性剤(F−144D)をシリカ微細分散液100質量部に対して0.1質量部添加、混合して調液し、インク吸収層塗液を得た。このインク吸収層塗液を支持体に塗布、乾燥してインク受像層を形成した。
なお、シリカの予備分散時、微細分散時の分散機内の液温度を14〜16℃の範囲に保持した。
その結果、インク吸収性、平滑性、光沢性に優れたインク受像層ができた。
(分散機)
・エム・テクニック(株)クレアミックスCLM−7.5S
(調液量)
・300L
(処方)
・シリカ …8.3質量%
(日本アエロジル(株)製 AEROSIL300)
・アンモニア水溶液(2.6%) …4.4質量%
・PVA水溶液 …26.4質量%
((株)クラレ製 PVA420 9%水溶液)
・水(イオン交換水) …60.9質量%
(界面活性剤)
・フッ素系ノニオン界面活性剤(大日本インキ化学製 F−144D)
【0028】
(比較例1)
剪断念力を1000Paとし、他の条件は実施例1と同様にシリカの微細分散を行ったところ、シリカの平均粒径が0.26μmとなり、インク吸収性は良いものの、平滑性、光沢性に劣ったインク受像層となった。
【0029】
(比較例2)
剪断念力を30000Paとし、他の条件は実施例1と同様にシリカの微細分散を行ったところ、シリカの平均粒径が0.10μmとなり、平滑性、光沢性は良いものの、インク吸収性に劣ったインク受像層となった。
【0030】
(比較例3)
分散機をナノマイザー(株)ナノマイザーLA−31、剪断力を9.8×10Pa(100kgf/cm)とし、処方は実施例1と同様にシリカの微細分散を行ったところ、目詰まりが起こってしまい分散不可能となった。
【0031】
(比較例4)
分散機をナノマイザー(株)ナノマイザーLA−31、剪断力を19.6×10Pa(200kgf/cm)とし、処方は実施例1と同様にシリカ分散を行ったところ、シリカの平均粒径が0.12μmとなり、平滑性、光沢性は良いものの、インク吸収性に劣ったインク受像層となった。
【0032】
以下、実施例1及比較例1〜4の結果を表1に纏めて示す。
なお、表中の評価方法は、下記の通りである。
[評価方法]
−平滑性−
印画前の記録シートのインク受像層の表面を目視で観察し、粒状態の程度により下記基準に従って評価した。
○ :表面に粒状態はなく、滑らかであった。
× :表面に粒状態があり、滑らかではなかった。
【0033】
−光沢度−
印画前の記録シートのインク受像層の表面における60°光沢度を、デジタル変角光沢度計(UGV−50DP,スガ試験機(株)製)にて測定した。
◎ :45〜50
○ :35〜45未満
× :35未満
【0034】
−インク吸収性−
インクジェットプリンタ(PM−770C、セイコーエプソン(株)製)を用いて、各記録シートのインク受像層上にY(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G(緑)及びR(赤)のベタ画像を印字し、その後(約10秒後)、該画像上に紙を接触押圧し、インクの紙への転写の程度により下記基準に従って評価した。
〔基準〕
○: 紙上へのインクの転写は認められなかった。
×: 紙上へのインクの一部転写が認められた。
【0035】
【表1】
Figure 2004351815
【0036】
(実施例2)
以下の処方でシリカの微細分散を行った以外は、実施例1と同様にしてシリカ微細分散液を得た。このシリカ微細分散液中のシリカの平均粒径0.18μmであった。このシリカ微細分散液を分散槽内で30℃で20時間保管後に界面活性剤(F−144D)を添加、混合して調液し、インク吸収層塗液を得た。このインク吸収層塗液を支持体に塗布、乾燥してインク受像層を形成した。
なお、シリカの予備分散時、微細分散時の分散機内の液温度を14〜16の範囲に保持した。
その結果、インク吸収性、平滑性、光沢性に優れたインク受像層ができた。
(分散機)
・エム・テクニック(株)クレアミックスCLM−7.5S
(調液量)
・300L
(処方)
・シリカ …9.9質量部
(日本アエロジル(株)製 AEROSIL300)
・アンモニア水溶液(2.6%) …5.3質量部
・PVA水溶液 …31.4質量部
((株)クラレ製 PVA420 9%水溶液)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル …7.2質量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル …0.6質量部
・水(イオン交換水) …72.6質量部(界面活性剤)
・フッ素系ノニオン界面活性剤(大日本インキ化学製 F−144D)
【0037】
(比較例5)
剪断念力を1000Paとし、他の条件は実施例2と同様にシリカの微細分散を行ったところ、シリカの平均粒径が0.26μmとなり、インク吸収性は良いものの、平滑性、光沢性に劣ったインク受像層となった。
【0038】
(比較例6)
剪断念力を30000Paとし、他の条件は実施例2と同様にシリカの微細分散を行ったところ、シリカの平均粒径が0.10μmとなり、平滑性、光沢性は良いものの、インク吸収性に劣ったインク受像層となった。
【0039】
(比較例7)
分散機をナノマイザー(株)ナノマイザーLA−31、剪断力を9.8×10Pa(100kgf/cm)とし、処方は実施例2と同様にシリカの微細分散を行ったところ、目詰まりが起こってしまい分散不可能となった。
【0040】
(比較例8)
分散機をナノマイザー(株)ナノマイザーLA−31、剪断力を19.6×10Pa(200kgf/cm)とし、処方は実施例2と同様にシリカの微細分散を行ったところ、シリカの平均粒径が0.12μmとなり、平滑性、光沢性は良いものの、インク吸収性に劣ったインク受像層となった。
【0041】
以下、実施例2及び比較例5〜比較例8の結果を表2に纏めて示す。
【表2】
Figure 2004351815
【0042】
(実施例3)
界面活性剤を添加するまでの保管条件を30℃、30時間とした以外は実施例2と同様にしてシリカの微細分散を行ったところ、さらに光沢性に優れたインク受像層となった。
【0043】
(比較例9)
界面活性剤を添加するまでの保管条件を30℃で10時間とした以外は実施例2と同様にしてシリカの微細分散を行ったところ、光沢性に劣ったインク受像層となった。
【0044】
(比較例10)
界面活性剤を添加するまでの保管条件を20℃で30時間とした以外は実施例2と同様にしてシリカの微細分散を行ったところ、光沢性に劣ったインク受像層となった。
【0045】
(比較例11)
界面活性剤を添加するまでの保管条件を30℃で60時間とした以外は実施例2と同様にしてシリカの微細分散を行ったが、シリカ微細分散液がゲル化してしまい塗布不可能となった。
【0046】
(比較例12)
界面活性剤を添加するまでの保管条件を40℃で30時間とした以外は実施例2と同様にしてシリカの微細分散を行ったが、シリカ微細分散液がゲル化してしまい塗布不可能となった。
【0047】
以下、実施例3及び比較例9〜比較例12の結果を表3に纏めて示す。
【表3】
Figure 2004351815
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明のシリカ微細分散液の製造方法によれば、目詰まり、コンタミネーション、エロージョン等の問題がなく、インク吸収性、平滑性、光沢性に優れたインク受像層となる適切な粒径範囲にシリカを容易に分散することができ、また、このシリカ微細分散液を用いたインク吸収層用塗液によってインク吸収性、平滑性、光沢性に優れたインク受像層とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリカ微細分散液の製造方法に使用される分散装置の一実施の形態を示す概略的構成図である。
【図2】図1における要部概略的構成図である。
【符号の説明】
10 分散槽本体(タンク)
12 ジャケット
14 入口配管
16 出口配管
18 断熱部材
20 支柱
22 排出管
24 モータ
26 回転軸
28 アンカー翼
30 モータ
32 回転軸
34 回転部材
36 突状部
38 外筒
40 開口部
42 スリット

Claims (2)

  1. タンク内に、開口部を有する外筒と該外筒内に回転自在に設けられた回転部材とを備え、前記外筒と前記回転部材との間隙で生じる剪断力でシリカを分散する方式の分散機と、タンク内壁に沿って前記回転部材よりも低速で回転するアンカー翼とを備えた分散装置によって前記剪断念力2000〜20000Paの範囲でシリカ予備分散液を微細分散することを特徴とするシリカ微細分散液の製造方法。
  2. 請求項1記載のシリカ分散液の製造方法で製造されたシリカ微細分散液を保管した後に界面活性剤を添加する方法であって、界面活性剤を添加するまでにシリカ微細分散液を25〜35℃、15〜50時間保管することを特徴とするインク吸収層塗液の製造方法。
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JP2013543909A (ja) * 2010-11-10 2013-12-09 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 疎水化二酸化ケイ素粒子含有分散液および塗料調製物

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