JP2004351712A - 化粧合板用樹脂組成物およびトップコート用樹脂組成物 - Google Patents

化粧合板用樹脂組成物およびトップコート用樹脂組成物 Download PDF

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Takao Oyama
孝夫 大山
Fumio Matsui
二三雄 松井
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Akihiro Shimizu
明浩 清水
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OTANI TORYO KK
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Abstract

【課題】浸透性、接着性、破断伸び等に優れた化粧合板用樹脂組成物、および改良された耐熱性、耐摩耗性等を有し、傷などの凹凸が生じた場合でも早急かつ簡便に修復可能なトップコート用樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)数平均分子量が800以上のビスフェノールA型ビニルエステル樹脂と、(B)例えばブトキシエチルアクリレートと、(C)ラジカル重合開始剤とを含む化粧合板用樹脂組成物であって、(1)木材単板上に、化粧合板用樹脂組成物を塗布し;および(2)台板上に、木材単板の樹脂組成物塗布面を接触させて載置し、加圧および加熱して樹脂組成物を台板および木材単板に含浸させ、台板と木材単板とを接着および硬化すること含む化粧合板の製造方法に使用する組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧合板用樹脂組成物およびトップコート用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球環境を守る上で、二酸化炭素排出側の規制は無論のこと、森林資源の保護も極めて重要な項目であり、森林資源の有効利用に関しては極限に迫る高度な技術開発が求められている。
【0003】
建設分野において、床、家具等のすり傷が問題となる部位には、樫、楢、欅、桜、チーク等に代表される硬質の樹種が利用されてきた。しかしながら、これら硬質の樹種は成長が遅く、その再生産は容易でない。一方、寒冷地でも生育の早い針葉樹等の樹種は、密度や硬度が低く傷がつきやすいため、天井材、壁材等の部位に限定して用いられているが、資源の有効利用の点からも幅広い利用が期待されている。
【0004】
そのような木材の有効利用において、木材を強化する技術としては、樹脂(例えばウレタンアクリレート樹脂等)を木材に含浸させ、硬化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、該樹脂の浸透性が不足しているために十分な強化特性が得られない問題がある。また、木材として突き板または集成材単板等の突き合わせ部分は、基材の研磨仕上げ工程、あるいは寒熱および乾湿工程の繰り返しを受けると割れ、剥離等の問題点が生じることが指摘されている。この突き合わせ部分の割れ、剥離は、接着加工に用いる接着剤の接着性能が不足していること、あるいはコーティング用樹脂性能において破断伸びと接着性とが不足していることに起因している。さらに、パソコンや介護用の椅子等が汎用品となるライフスタイルの変遷等も加わって、それらの木材表面に与える傷などの凹凸に対する早急かつ簡便な対処が一層求められている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭49−32924号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、浸透性、接着性、破断伸び等に優れた化粧合板用樹脂組成物、および改良された耐熱性、耐摩耗性等を有し、かつ傷などの凹凸が生じた場合でも早急かつ簡便に修復可能なトップコート用樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討をした結果、上記の課題を解決できた。
すなわち、本発明は、(A)数平均分子量が800以上であるビスフェノールA型ビニルエステル樹脂と、(B)(アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを含む化粧合板用樹脂組成物であって、(1)木材単板上に、前記化粧合板用樹脂組成物を塗布する工程;および(2)台板上に、前記木材単板の樹脂組成物塗布面を接触させて載置し、加圧および加熱して前記樹脂組成物を前記台板および前記木材単板に含浸させ、前記台板と前記木材単板とを接着および硬化する工程を含む化粧合板の製造方法に使用する化粧合板用樹脂組成物を提供するものである。
また、前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーの(メタ)アクリロイル基以外の炭素原子数が、6〜12の範囲である前記化粧合板用樹脂組成物を提供するものである。
また、前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が−20℃以下のものと120℃以上のものとの混合物である前記化粧合板用樹脂組成物を提供するものである。
また、前記化粧合板の製造方法が、(1)’圧力容器内において木材単板を加圧および/または減圧し、前記化粧合板用樹脂組成物を前記木材単板に含浸させる工程;および(2)’台板上に、前記樹脂組成物含浸木材単板を載置し、加圧および加熱して前記台板と前記木材単板とを接着および硬化する工程を含む前記化粧合板用樹脂組成物を提供するものである。
また、(A)数平均分子量が800以上であるビスフェノールA型ビニルエステル樹脂と、(B)(アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを含むトップコート用樹脂組成物であって、(イ)化粧合板上に、前記トップコート用樹脂組成物を塗布する工程;および(ロ)前記化粧合板の樹脂組成物塗布面に紫外線を照射して、前記塗布面を硬化する工程を含む化粧合板の表面保護に使用するトップコート用樹脂組成物を提供するものである。
また、前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーの(メタ)アクリロイル基以外の炭素原子数が、6〜12の範囲である前記トップコート用樹脂組成物を提供するものである。
また、前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が−20℃以下のものと120℃以上のものとの混合物である前記トップコート用樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧合板用樹脂組成物およびトップコート用樹脂組成物は、(A)数平均分子量が800以上であるビスフェノールA型ビニルエステル樹脂と、(B)(アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを構成成分として含むものである。
【0009】
(A)ビニルエステル樹脂
本発明の化粧合板用およびトップコート用樹脂組成物に使用する(A)成分は、数平均分子量が800以上であるビスフェノールA型ビニルエステル樹脂である。数平均分子量が800未満の場合には、本発明の化粧合板用およびトップコート用樹脂組成物がタフさ、破断伸びの発現が不十分となるので好ましくない。また、好ましくは数平均分子量が800〜50,000の範囲であり、50,000を超える場合には、増粘が著しくなり本発明の目的とする浸透性(含浸性)等が不充分となる。
【0010】
一般的にビニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂と呼ばれることもあり、各種のエポキシ化合物を原料としてアクリル酸またはメタクリル酸を用いてエステル化し、重合性モノマーを加えて付加重合型としたものである。原料のエポキシ化合物には、通常のノボラック型エポキシ化合物とビスフェノールA型エポキシ化合物とが利用されているが、本発明の目的にはビスフェノールA型エポキシ化合物から製造されるビニルエステル樹脂が好適に用いられる。その理由は、ビスフェノールA型の分子構造がタフさを有している点により、本発明の目的に合致しているためである。
また、市販のものが使用でき、例えばリポキシVR−60、リポキシVR−90(商品名、昭和高分子(株)製)等が好ましい。
【0011】
(A)成分の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して10〜60質量部、好ましくは20〜40質量部である。この範囲外であると、本発明に必要な破断伸びの発現が不充分となり、また、浸透性に支障をきたすため好ましくない。
【0012】
(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマー
本発明の化粧合板用およびトップコート用樹脂組成物に使用する(B)成分は、(アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーである。(B)成分を使用することにより樹脂組成物の硬化性、耐水性、接着性、粘度、難燃性等の性能を改良することができる。また、難燃化の為にはこれらのモノマーのハロゲン置換化合物を利用することもできる。
【0013】
また、特に(B)成分の(メタ)アクリロイル基以外の炭素原子数が、6〜12の範囲であるものが好ましい。例えば、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、および2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
本発明において、(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が−20℃以下のものと120℃以上のものとの混合物を用いると、樹脂組成物の破断伸びが一層改良されるため好ましい。ガラス転移温度が−20℃以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、上記したモノマーの大部分が該当する。ガラス転移温度が120℃以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、イソボルニルメタクリレート、モルホリンアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、アクリルアミド、およびN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0015】
また、(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、上記の他に、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス−オキシエチレン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、および各種のウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0016】
本発明の化粧合板用およびトップコート用樹脂組成物には、上記(B)成分の他に一般的に用いられているビニルモノマー、オリゴマーを併用することができる。例えば、ビニルモノマーとして、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0017】
(B)成分の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して40〜90質量部、好ましくは60〜80質量部である。この範囲外であると、硬化物の破断伸びが不充分となり、また、浸透性に支障をきたすため好ましくない。
【0018】
(C)ラジカル重合開始剤
本発明の化粧合板用およびトップコート用樹脂組成物に使用する(C)成分は、ラジカル重合開始剤である。ラジカル重合開始剤は、加熱によりラジカルを生じる熱重合開始剤、紫外線等の光照射によりラジカルを生じる光重合開始剤が有用であり、これらは本発明の樹脂組成物の硬化の仕様に応じて選択され、または組み合わせて利用することができる。
【0019】
熱重合開始剤としては、ジアゾ化合物を使用することもできるが、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステルなど有機過酸化物を用いるのが実用的である。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5ジ(2−エチルヘキサノイル)パーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジブチルパーオキシヘキサン等が挙げられる。
【0020】
光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
また、市販のものが使用でき、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173、チバ社製)等が好ましい。
【0021】
(C)成分の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して0.2〜4質量部が好ましい。この範囲外であると、硬化性が不充分となり、また、着色が顕著に生じるため好ましくない。
【0022】
本発明の化粧合板用およびトップコート用樹脂組成物には、硬度、耐久性、耐候性、耐光性、美観、耐水性、防黴性、防菌性等を改良するために、コロイダルシリカ、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防黴剤、防菌剤、着色剤、消泡剤、レベリング剤、はっ水剤等を加えてさらに一層の性能改善を図ることもできる。
【0023】
上記(A)ビニルエステル樹脂、(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(C)ラジカル重合開始剤および所望により添加される各種成分を撹拌混合して、化粧合板用樹脂組成物およびトップコート用樹脂組成物を得ることができる。化粧合板用樹脂組成物の粘度は、2〜100ポイズ、好ましくは2〜40ポイズである。
【0024】
本発明の化粧合板用樹脂組成物は、以下の化粧合板の製造方法に使用することができる。該製造方法は、(1)木材単板上に、上記の化粧合板用樹脂組成物を塗布する工程;および(2)台板上に、前記木材単板の樹脂組成物塗布面を接触させて載置し、加圧および加熱して前記樹脂組成物を前記台板および前記木材単板に含浸させ、前記台板と前記木材単板とを接着および硬化する工程を含むことができる。
該製造方法の(2)工程は、化粧合板用樹脂組成物の台板および木材単板への含浸工程、台板と木材単板との接着および硬化工程を同時に含むことが特徴である。
【0025】
本発明において使用される木材単板は、一般的な突き板、集成材単板等でよく、厚さ0.1〜5mm程度のものが好ましい。材質としては、特に限定するものではなく、好ましくは針葉樹のような比較的密度が低いものである。また、木材単板を貼り付けるための台板は、木材単板と同じ材質または異質のもの、あるいは合板、ファイバーボード、パーティクルボード等が例示しうる。
【0026】
本発明の化粧合板用樹脂組成物を木材単板上に塗布する方法は、特に限定されなく、例えば、ロールコーター、カーテンコーター、スポンジロールコーター、リバースロールコーター、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装、刷毛塗装等の公知の塗装手段を利用することができる。また、該樹脂組成物を台板上に塗布する場合の厚さは、10〜100ミクロンであることが好ましい。
【0027】
上記(1)工程において化粧合板用樹脂組成物が塗布された木材単板を、次に(2)工程では、台板上に塗布面を接触させて載置し、加圧および加熱して、台板と木材単板とを接着および硬化することにより一体化する。加圧には熱プレスを用いるのが実用的であり、圧力は1〜30kg/cm程度をかけるのが望ましい。加熱温度は、化粧合板用樹脂組成物の構成成分である(C)ラジカル重合開始剤の種類と加工時間とを考慮して決定することができる。一般的には、80〜120℃で2〜10分間と設定するのが工業的である。
【0028】
また、本発明の化粧合板用樹脂組成物は、以下の化粧合板の製造方法にも使用することができる。該製造方法は、(1)’圧力容器内において木材単板を加圧および/または減圧し、上記の化粧合板用樹脂組成物を前記木材単板に含浸させる工程;および(2)’台板上に、前記樹脂組成物含浸木材単板を載置し、加圧および加熱して前記台板と前記木材単板とを接着および硬化する工程を含むことができる。
【0029】
該製造方法の(1)’工程は、圧力容器等の装置を用いて木材単板を加圧および/または減圧することにより、樹脂組成物の含浸が困難である緻密な材質の木材単板にも低圧、短時間で容易に含浸することができる利点を提供する。圧力容器内における加圧または減圧については、例えば、約0.1〜0.9気圧の減圧を行い、続いて約2〜10気圧の加圧を行うことが、短時間で木材単板を処理するために好ましい。
なお、(2)’工程の加圧および加熱処理の条件は、上記の(2)工程での処理条件と同様でよい。
【0030】
本発明の化粧合板用樹脂組成物は含浸剤および接着剤を兼ねるため、従来から台板と木材単板との接着に一般的に使用されている尿素樹脂を使用する必要が無くなる。これにより、尿素樹脂がもたらす遊離ホルマリンの問題を解決することができる。
【0031】
上述のようにして製造した化粧合板の表面は、サンドペーパー等による研磨処理を施すことが好ましい。浸透性、接着性、破断伸び等に優れた本発明の化粧合板用樹脂組成物を使用して得られた化粧合板は、使用時に経時により木材単板、例えば突き板や集成材単板の突き合わせ部分において割れや剥離が発生しない。
【0032】
さらに、本発明のトップコート用樹脂組成物は、化粧合板の表面保護に使用することができる。その際にトップコート用樹脂組成物の構成成分である(C)ラジカル重合開始剤は、上記の光重合開始剤を選択することが好ましい。
該表面保護方法は、(イ)化粧合板上に、上記のトップコート用樹脂組成物を塗布する工程;および(ロ)前記化粧合板の樹脂組成物塗布面に紫外線を照射して、前記塗布面を硬化する工程を含むことができる。
【0033】
本発明のトップコート用樹脂組成物を木材単板上に塗布する方法は、特に限定されなく、上記の化粧合板用樹脂組成物の塗布方法に例示した手段と同様の手段が挙げられる。また、該樹脂組成物を台板上に塗布する場合の厚さは、10〜100ミクロンであることが好ましい。
上記(イ)工程においてトップコート用樹脂組成物を塗布した後、(ロ)工程では、樹脂組成物塗布面に紫外線を照射して、硬化して化粧合板の表面を仕上げることが特に好ましい。照射装置は通常使用されているものでよい。
【0034】
このようにトップコート用樹脂組成物を表面に施した化粧合板は、改良された耐磨耗性が付与されるので、表面が極めて傷つきにくくなっており、これは硬度が高いだけでなく、弾性的に外力の悪影響を回避しうるような特性を内在していることに起因すると考えられる。すなわち、傷を付けるような外力に対して高い表面硬度で対抗するよりも、弾性で柔らかく受け止めることで対処することである。さらに、興味深い特性としては、硬質のものを押し付けたり、摺ったりして生じる凹み傷などの凹凸状態が、温水、ドライヤー、ポリッシャなどで加温、好ましくは約40℃程度で加温すると、傷などの凹凸状態が元の状態に修復され、ほとんど傷が目立たなくなる。この自己修復性は、床材、家具等にあっては、極めて有用な特性であるといえる。
接着剤、含浸剤、アンダーコート剤としてだけでなく、トップコート剤としても本発明の樹脂組成物を使用することによって、早急かつ簡便に凹凸の修復が可能である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例でさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
5Lガラスフラスコ中で下記の各構成成分を混合攪拌して、粘度11ポイズ、無色透明の化粧合板用樹脂組成物を得た。
【0036】
(A)ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂 41質量部
(リポキシVR−60 昭和高分子(株)製品、数平均分子量1950)
(B)ブトキシエチルアクリレート 32質量部
(B)モルホリンアクリレート 15質量部
(B)フェノキシエチルアクリレート 10質量部
(C)t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート 2質量部
【0037】
パイン集成材単板(厚さ2mm)の裏面に約200ミクロンの厚みに上記化粧合板用樹脂組成物を刷毛塗りし、これを同じ材質の厚さ5mmの台板に重ね、次いで、単板表面上に厚さ100ミクロンのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを重ねて、130℃、10kg/cmとなるよう設定された熱プレスを用いて5分間加圧および加熱し、接着および硬化を行なった。
硬化後の表面を#240サンドペーパーを用いて研磨を行なったが、集成材単板接着部分の剥離、割れ等の現象は全く見られなかった。
【0038】
(実施例2)
上記化粧合板用樹脂組成物の構成成分中のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート2質量部を添加する代わりとして、光重合開始剤としてダロキュア1173(チバ社製)2質量部を添加してトップコート用樹脂組成物液を別途用意した。
上記の研磨した集成材単板表面に厚さ30ミクロンになるようコーティングし、高圧水銀灯(8KW)の照射装置を用いて、ランプ高さ10cm、コンベアスピード2m/分で硬化して、化粧合板のテストピースを作成した。
【0039】
得られた化粧合板の表面硬度を試験した。その結果、化粧合板に硬度4Hの鉛筆を用いて試験したが傷がつかず、化粧合板の表面硬度が大幅に改良されていた。また、化粧合板に硬度7Hの鉛筆を用いて傷をつけた後、斜めに立てかけ70℃の温水を流下させた。傷はすぐに消失し、目視ではほとんど傷が認められなかった。
次に、化粧合板に赤と黒のマジックインキでマークをつけ、アセトンを浸した脱脂綿で拭き取ったところ、ほとんど痕跡が残らなかった。
【0040】
また、実施例2で表面仕上げに用いたトップコート用樹脂組成物を2枚の透明ガラス板間に挟み、両面から紫外線照射して、厚さ2mmの透明シートを得た。このシートから物性測定用試験体を切り出して性能試験を行なったところ、下記に示すデータを得た。
引張り強度:31MPa、引張り弾性率:760MPa、破断伸び:48%、ガラス転移温度:48℃。
【0041】
(実施例3)
5Lガラスフラスコ中で下記の各構成成分を混合攪拌して、粘度9.5ポイズの無色透明な化粧合板用樹脂組成物を得た。
【0042】
(A)ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂 50質量部
(リポキシVR−90 昭和高分子(株)製品、数平均分子量1100)
(B)エトキシジエチレングリコールアクリレート 35質量部
(B)モルホリンアクリレート 10質量部
(B)トリメチロールプロパントリアクリレート 3質量部
(C)メチルエチルケトンパーオキサイド 2質量部
【0043】
樺桜材質の集成材単板(厚さ1mm)を加圧含浸装置中に入れ、先ず減圧(0.2気圧)して5分間保持した後、上記の化粧合板用樹脂組成物を単板上に流下させると同時に該単板が完全に該樹脂組成物中に浸漬するようにした。続いて、コンプレッサーからの圧縮空気を導入し、装置内を5気圧とし、10分間保持した。
圧力を解除して単板を取り出し、ラワン合板の台板(厚さ3mm)に重ね、表面には実施例1で用いたのと同様のPETフィルムを重ね、100℃、10kg/cmとなるよう設定された熱プレスを用いて5分間加圧および加熱し、接着および硬化を行なった。
得られた化粧合板の表面を#240サンドペーパーを用いて研磨して状態を整えた後、実施例2で用いたのと同様のトップコート用樹脂組成物を塗布し、実施例2と同じ条件で紫外線硬化を行なった。
【0044】
完成した化粧合板は、美観に優れるだけでなく、鉛筆硬度は7Hと極めて良好な表面硬度を示した。さらに、煙草に火をつけ、化粧合板上に横たえ、一本が完全に燃焼するまで放置する、いわゆるシガレットテストを行なったが、化粧合板表面には何の影響も見られず、耐熱性も良好であることが確認された。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、浸透性、接着性、破断伸び等に優れた化粧合板用樹脂組成物、および改良された耐熱性、耐摩耗性等を有し、かつ傷などの凹凸が生じた場合でも早急かつ簡便に修復可能なトップコート用樹脂組成物が提供される。

Claims (7)

  1. (A)数平均分子量が800以上であるビスフェノールA型ビニルエステル樹脂と、(B)(アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを含む化粧合板用樹脂組成物であって、
    (1)木材単板上に、前記化粧合板用樹脂組成物を塗布する工程;および
    (2)台板上に、前記木材単板の樹脂組成物塗布面を接触させて載置し、加圧および加熱して前記樹脂組成物を前記台板および前記木材単板に含浸させ、前記台板と前記木材単板とを接着および硬化する工程を含む化粧合板の製造方法に使用する化粧合板用樹脂組成物。
  2. 前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーの(メタ)アクリロイル基以外の炭素原子数が、6〜12の範囲である請求項1に記載の化粧合板用樹脂組成物。
  3. 前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が−20℃以下のものと120℃以上のものとの混合物である請求項1または2に記載の化粧合板用樹脂組成物。
  4. 前記化粧合板の製造方法が、(1)’圧力容器内において木材単板を加圧および/または減圧し、請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧合板用樹脂組成物を前記木材単板に含浸させる工程;および
    (2)’台板上に、前記樹脂組成物含浸木材単板を載置し、加圧および加熱して前記台板と前記木材単板とを接着および硬化する工程を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧合板用樹脂組成物。
  5. (A)数平均分子量が800以上であるビスフェノールA型ビニルエステル樹脂と、(B)(アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(C)ラジカル重合開始剤とを含むトップコート用樹脂組成物であって、
    (イ)化粧合板上に、前記トップコート用樹脂組成物を塗布する工程;および
    (ロ)前記化粧合板の樹脂組成物塗布面に紫外線を照射して、前記塗布面を硬化する工程を含む化粧合板の表面保護に使用するトップコート用樹脂組成物。
  6. 前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーの(メタ)アクリロイル基以外の炭素原子数が、6〜12の範囲である請求項5に記載のトップコート用樹脂組成物。
  7. 前記(B)(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が−20℃以下のものと120℃以上のものとの混合物である請求項5または6に記載のトップコート用樹脂組成物。
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