JP2004351371A - 排ガス浄化用触媒とその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化チタンのシンタリングやゼオライトの水蒸気による劣化などの現象を防止し、かつ低温から活性を発現し得る排ガス浄化用触媒、シンプルサイクルガスタービン発電設備、ディーゼルエンジン、ガスエンジンを用いる車や発電設備からの排ガス中のNOxの尿素やNHによる還元を容易にする、上記高活性の触媒および排ガス浄化方法を提供する。
【解決手段】酸化チタン及び酸化タングステンとの緊密混合物、または酸化チタン、酸化タングステン及び酸化ケイ素の緊密混合物が第一成分、二酸化セリウム(CeO)が第二成分、五酸化ニオブ(Nb)が第三成分の三成分を有する組成物であって、第一成分に対する第二成分の割合が0を超えて40重量%、第一成分に対する第三成分の割合が0を超えて6重量%であることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物の浄化用触媒。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排ガス浄化触媒に係り、特に内燃機関及び外燃機関などのあらゆる排ガス中のNOxを低温から高効率で除去できる、活性と耐熱性とを併せ持つ新規な脱硝触媒とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国では電力不足を補うためや、電力使用量のピークに対応するため、ガスタービンを建設し単独で運転する所謂シンプルサイクルガスタービン発電が増大している。これらに用いられる設備は都市郊外に建設されるため、排ガス中のNOxも高率で分解浄化する必要があり、アンモニア(NH)を還元剤とする脱硝方法が採用されている。また、近年、地球温暖化防止のためエネルギー利用効率の高いディーゼルエンジン(DE)を用いた車や定置式の発電設備が増大し、そこから発生する大量のNOxを尿素やアンモニア(NH)を還元剤として浄化する方法などが採られようとしている。
【0003】
これらの設備では、脱硝装置が燃焼機またはエンジンの出口直後に設置されることが多く、脱硝触媒は450℃〜600℃という高温に曝されることになるので、高い耐熱性が必要となる。特に、DE排ガスの脱硝では、排ガス中の未燃油や煤の燃焼時には触媒が600℃を越える温度になる場合があり、触媒の耐熱性は更に高いものが必要になる。それに加えて、これらの設備は都市近郊や、市街、あるいは市街地を走行する車に車載されるため、排ガス温度の低い起動時から脱硝することが望まれ、低温活性も併せ持つことが必要になる。
【0004】
低温から高活性な触媒として、350℃近辺のボイラ排ガスの脱硝に広く用いられている酸化チタン−酸化バナジウム系触媒があるが、上記の様な高温域では熱劣化が著しく使用することが出来ない。このため高温で劣化しにくい触媒に関する多くの工夫・発明がなされ、特にセリウム(Ce)を活性成分とした触媒が高い温度でも比較的高性能を発揮することが知られている(特許文献1および2)。特許文献1では、可溶性のチタン(Ti)、タングステン(W)、セリウム(Ce)化合物を共沈法で得て、Ce化合物をチタニア中に高分散させて安定化と高活性化を狙ったものである。また、特許文献2はゼオライト細孔内にCeイオンを交換法で分散させて、高活性化と安定化を図ったものである。なお、本発明者らは、Ce酸化物を高分散化して安定・高活性化した触媒を発明し、特許出願しているが(特願2002−56240)、その触媒は耐熱性を有するという観点では優れているものの、本発明者等の目指す、耐熱性と低温活性とを併せもつ触媒と言う観点では、改善すべき点を残していた。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−257402号公報
【特許文献2】
特開平08−27408号公報
【特許文献3】
特開平08−229407号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術の内、Ti、W、Ceの可溶性化合物を共沈法で沈殿させて触媒化する方法では、次の様な問題点がある。
(1)TiとCeが同じ4価の原子であり、両者の化合物は均一に分散した状態を取りやすい。このため、Ce化合物(酸化物)がチタン化合物(酸化物)中に埋没した形になって、Ce化合物の有する優れた活性を十分引き出すことができない。このことは、両者の分離が難しく工業用酸化チタンのなかに、Ce酸化物がしばしば1%近く不純物として残存することからも覗い知れるものである。
(2)Ceイオンで置換したゼオライトとすることにより、Ceイオンを高分散させて用いる例では、極めて高い初期性能が得られるものの、ゼオライト中のアルミニウムがゼオライト構造から細孔内に分離する、所謂脱アルミ現象によって劣化しやすい。特に、脱アルミ現象が温度と水蒸気の存在により促進されるため、水蒸気を5〜10%含む高温の排ガス中で長時間さらされると、長期に亘って高い脱硝活性を維持することが困難である。
(3)また、本発明者になるTiOとWOからゼオライト類似の微細孔内にCeOゾルを担持するという思想に基づく触媒は、耐熱性のみならず活性も優れたものであるが、200〜250℃という内燃機関の起動時の低温排ガスの脱硝を行うには、低温活性を改善する余地がある。
【0007】
本発明の課題は、上記の如き従来技術の有する問題点に鑑み、Ce酸化物がTi酸化物に埋没することを防止して酸化チタン表面にイオン交換ゼオライト並の高度分散を実現すると共に、酸化チタンのシンタリングやゼオライトの水蒸気による劣化などの現象を防止し、かつ低温から活性を発現し得る触媒を提供することにある。さらにシンプルサイクルガスタービン発電設備、ディーゼルエンジン、ガスエンジンを用いる車や発電設備からの排ガス中のNOxの尿素やNHによる還元を容易にする、上記高活性の触媒を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願で特許請求する発明は下記のとおりである。
(1)第一成分として酸化チタン及び酸化タングステンとの緊密混合物、または酸化チタン、酸化タングステン及び酸化ケイ素の緊密混合物、第二成分として二酸化セリウム(CeO)、第三成分として五酸化ニオブ(Nb)の三成分を有する組成物であって、第一成分に対する第二成分の割合が0を超えて40重量%、第一成分に対する第三成分の割合が0を超えて6重量%であることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物の浄化用触媒。
【0009】
(2)第一成分が、含水酸化チタンのスラリもしくはその乾燥体、または酸化チタンを含む膠質に、タングステン(W)のオキソ酸またはその塩類を混合して得られた緊密混合物を乾燥するか、もしくは乾燥に引き続き焼成した物であることを特徴とする(1)記載の触媒。
(3)二酸化ケイ素の水を分散媒とするゾルまたは有機ケイ酸化合物を添加してなることを特徴とする(1)または(2)記載の触媒。
【0010】
(4)含水酸化チタンのスラリもしくはその乾燥体、または酸化チタンを含む膠質に、タングステン(W)のオキソ酸またはその塩類を混合して得られた緊密混合物を乾燥するか、もしくは乾燥に引き続き焼成することを特徴とする(1)記載の触媒の第一成分の調製方法。
【0011】
(5)第二成分の原料として二酸化セリウムのゾル、及び第三成分の原料として五酸化ニオブのゾルを用い、これらを第一成分の粉末に添加後、混練、乾燥、焼成することを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の触媒の調製方法。
(6)(1)ないし(3)のいずれかに記載の触媒を担持したハニカム触媒を用い、排ガス中の窒素酸化物を還元剤の存在下で無害化することを特徴とする排ガスの浄化方法。
【0012】
本発明者等は、酸化チタンを主成分とする耐熱・低温活性とも飛躍的に向上せしめた触媒を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、次のような結論に到った。
(1)高温で高い性能を有する酸化物としてCeOやNbがあるが、これらは酸化チタンに吸着され酸化チタンの結晶促進剤として作用する。このため、酸化チタンにこれらの酸化物が吸着することを防止、もしくは吸着されても結晶化が進行しにくくする手段が耐熱性の向上には有効である。
(2)高分散を目指すため、TiとCe及びNbの化合物とが容易に混合できる状態で混ぜ合わせると、Ce及びNb化合物が酸化チタンに吸着されて、CeとNbの酸化物の複合化が阻害されると共に、酸化チタン内にCe或いはNb化合物が埋まり、ガスとの接触が阻害される。従って高い活性の触媒を得るためには、上記したCe及びNb化合物がTiOに吸着・埋没することを防止し得る手段が必要である。
(3)低温から高い活性を有する触媒を得るには、CeOにNb酸化物を添加して原子価制御することにより、酸素の格子欠陥形成を促進する必要がある。そのためには、CeOとNbとが優先的に接触できるような混合方法が有効である。
【0013】
このような観点から、表面に水酸基を有する酸化チタンとタングステン酸、またはその塩類を水の存在下で混合すると、TiOの水酸基とタングステン酸が縮合してTiO結晶間に架橋が作られ、これを焼成するとゼオライト細孔にも匹敵する50Å以下の微細孔が形成されること(特開平08−229407号公報)に着目し、予め調製したTiOとWOとの、またはこれらとSiOとの緊密混合酸化物にCeO及びNbゾルを担持する方法を取り入れ、(1)〜(3)の要求を満たす触媒を実現した。
【0014】
具体的には、予め調製したTiOとWOとの、またはこれらとSiOとの緊密混合酸化物の状態を模式的に図示すると図1の(a)のようになり、TiOがWO及び/又はSiO酸化物を挟んで配向凝集して微細孔を形成し、TiO結晶同士の接触を防止して熱によるTiO結晶の成長を阻害して高温でも安定な触媒細孔を形成する。
【0015】
また上記緊密混合酸化物にさらにCeO及びNbゾルを担持すると、図1の(b)に示すように、TiOの間隙にNbで原子価制御された、低温で高活性なCeOが高度に分散されて存在することになる。その結果、担持したCeOが活性成分として有効に使用されるだけでなく、CeOとNbとの複合化(Ce−Nb酸化物の生成)が優先的進行し、高い耐熱性と高い低温活性とが実現される。
【0016】
本発明の触媒に用いる第一成分は、メタチタン酸、オルトチタン酸などの含水酸化チタンのスラリ、もしくはその乾燥体、またはチタニアゾルなどの、酸化チタンを含む膠質に、タングステン(W)のオキソ酸またはその塩類、さらに必要に応じて二酸化ケイ素の水を分散媒とするゾルまたはケイ酸エチルなどの有機ケイ酸化合物を添加し、混合もしくは混練後、乾燥するか、または乾燥に引き続き300℃以上の温度で焼成することにより得られる。ここで用いる、酸化チタン原料は、酸化チタン表面に水酸基を有するものであればどのようなものであっても良く、含水酸化チタン、酸化チタンのゾル状物、これらの乾燥体などを用いることができる。たとえば硫酸法により得られたメタチタン酸の乾燥体の様に硫酸根を不純物として含有したものであってもよい。また、W原料には該当する金属のMO型イオン(M:W)を含む酸素酸またはヘテロポリ酸、メタもしくはパラタングステン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩などを用いることができる。タングステン(W)の添加量はTiOに対し、酸化物として1〜50wt%、好ましくは5〜30wt%である。Wの添加量が少ないと耐熱性の悪化を招き、多すぎると活性成分を保持する酸化チタンの比率が減少して活性低下を引き起こす。さらに、必要に応じて添加する二酸化ケイ素は、ケイ酸エチルなどの有機ケイ素化合物、数〜数十nmのコロイダルシリカが使用可能であり、そのTiOに対する添加量はSiOとして0〜20wt%内に抑えることが良い。余り過剰な添加は、添加したシリカのみの集合体を形成し返って活性を低下せしめることになる。
【0017】
一方、第一成分に添加する第二成分である酸化セリウムは、有機アルカリや酸、安定化剤に含む水にCeOを分散させたゾル状物が好ましく、紫外線吸収剤やコーティング剤として市販されているものを用いてもよい。そのチタニアに対する添加量は0〜50wt%、好ましくは5〜40wt%である。添加量が少ない場合は高い活性が得難く、多すぎると500℃以上での活性低下を引き起こしやすい。また、第三成分である五酸化ニオブもNb酸化物を有機アルカリや酸、安定化剤に含む水に分散させたものが使用でき、CeOゾルの場合と同様、市販の透明コーティング皮膜を形成するゾル状物が使用できる。その添加量は、0を超えて10wt%、通常1乃至6wt%の範囲が選ばれる。添加量が少ない場合には低温活性の向上度が小さく、添加量が多くなると低温活性の上昇は顕著になる反面、450℃以上の脱硝性能が低くなる傾向がある。
【0018】
第一成分に第二成分と第三成分とを添加するのは同時であっても良いが、予め第一成分と第二成分を混合後、乾燥及び/又は500℃以下で焼成後、第三成分を添加すると更に好結果を得やすい。
【0019】
上述のように得られた第一から第三成分の緊密混合物は、乾燥後300〜600℃で焼成、粉砕して粉末にし、これに水を加えてスラリまたはペースト状にし、周知の方法で実用触媒の形状に成型される。具体的には、第一成分から第三成分の緊密混合体粉末に、水、シリカゾルなどのバインダーを添加後、スラリ状又はペースト状にしたもの(以下触媒スラリ、触媒ペーストと呼ぶ)を無機繊維シートをコルゲート加工したハニカム状担体、無機繊維製不織布シート担体、コーディエライトやアルミナなどのセラミックハニカム担体、金網やメタルラスなどの網状物、E−ガラス繊維などの無機繊維ヤーンを網状に織った網状物などに、含浸もしくはコーティング、または網状物の目を埋める様に圧延塗布後、乾燥、焼成する方法が採られる。
【0020】
上記化合物を含む触媒スラリまたはペーストを担持する担体には、前述の様に無機繊維シートをコルゲート加工したハニカム状担体、無機繊維製不織布、金網やメタルラスなどの網状物、E−ガラス繊維などの無機繊維ヤーンを網状に織った網状物などが用いられるが、これらは公知の強化剤で強化したり、触媒成分の付着性増加や金属基材の酸化を防止する目的のコーティング層を設けて用いても良い。
【0021】
担持方法はどのようなものであっても良いが、無機繊維製コルゲートハニカムやセラミック製不織布、セラミックハニカム担体などには、30〜50wt%の触媒成分を有するスラリに浸漬して繊維間隙または表面に触媒スラリをコーティングする方法が適する。一方、金属またはセラミック製網状物を用いる場合には、前述のコーティング法の他、水分が30−35%の触媒ペーストに無機繊維を添加したものをローラを用いて網状物の目を埋める様に塗布する方法を採ることができる。
【0022】
以上の方法により、各種基材に触媒スラリまたは触媒ペーストが担持されたものは、必要に応じて切断、成形、変形などの処理を経た後、風乾や熱風乾燥など公知の手段で乾燥され、しかる後に500〜700℃で焼成し、触媒として用いられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下具体例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例1
低温乾燥酸化チタン(ミレニアム社製G5、表面積275m2/g)を100g、メタタングステン酸アンモニウム水溶液((NH・H1240・xHO、WOとして50wt%含有)64g、蓚酸を5g、シリカゾル(日産化学社製、OSゾル、濃度20wt%)を50g混合後、加熱ニーダにより水を蒸発させながら、水分約38wt%の粘度状物を得た。これを押し出し造粒により3φの柱状に成形後、流動層乾燥機で乾燥、500℃で2時間焼成、さらにハンマーミルで粉砕して第一成分原料粉末を得た。
【0024】
得られた第一成分100gに第二成分としてCeOゾル(多木化学社製、CeO含有量30wt%)を120g、第三成分としてNbゾル(多木化学社製、Nb含有量10wt%)を55g添加し、加熱ニーダによりより水を蒸発させながら、水分約38wt%の粘度状物を得た。これを押し出し造粒により3φの柱状に成形後、流動層乾燥機で乾燥後、600℃で2時間焼成、さらにハンマーミルで粉砕して触媒粉末を得た。
【0025】
本触媒粉末30gに水60g、結合剤としてSiOゾル(同上OS−ゾル)を7.5g添加し、触媒スラリを得た。このスラリにコーディエライトハニカム(日立金属社製、セル数:400セル/平方インチ、壁圧6mil)を浸漬後乾燥することを繰り返し、担持量180g/リットルの担持触媒を得た。これをさらに、乾燥後、600℃で2時間焼成して目的とする触媒を得た。
【0026】
実施例2
実施例1の第一成分の調製法に用いた酸化チタンを、硫酸チタンの加水分解スラリ(石原産業社製、TiO含有量30wt%、硫酸8wt%)330gに、メタタングステン酸アンモニウム水溶液((NH・H1240・xHO、WOとして50wt%含有)64gを18gに、シリカゾルを珪酸エチル(Si(OC)にそれぞれ替え、加熱ニーダで混練しながら珪酸エチルを硫酸で加水分解してシリカゾルを発生させ、他は同様にして第一成分を得た。これを用い、実施例と同様の方法でCeO及びNbを含むハニカム触媒を調製した。
【0027】
実施例3
実施例1の第一成分を市販のTiO−WO−SiO化合物(ミレニアム社製DT58、WO:8.5wt%、SiO:9.7wt%)に替え、他は同様にして触媒を調製した。
実施例4
実施例1の第一成分の調製法におけるSiOゾルを添加を行わないで第一成分を調製し、他は同様の方法で触媒を得た。
実施例5及び6
実施例1における第二成分添加量を、それぞれ72gおよび24gに替えた触媒を用い、他は同様にして触媒を調製した。
実施例7〜9
実施例4の触媒における第二成分と第三成分の添加量を、それぞれ72gと55g、72gと18.5g、及び24gと18.5gとに変更し、他は同様にして触媒を調製した。
【0028】
比較例1
実施例1におけるCeOゾル及びNbを、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)90g、及びニオブ酸(Nb含有量75.5%)7.3gに替え、他は同様にして触媒を得た。
比較例2
実施例1における第一成分を市販TiO粉末(石原産業社製、MC90)に替え他は同様にして触媒を得た。
比較例3
実施例4に使用したTiO−WO−SiO酸化物100gに硫酸バナジル(VOSO・xHO、VOSO含有量83%)を7.5g添加し、水を加えて加熱混練、押し出し造粒により3φの柱状に成形後、流動層乾燥機で乾燥後、500℃で2時間焼成、さらにハンマーミルで粉砕して第一成分原料粉末を得た。それ以降の調製法は実施例4と同様の方法でTiO−WO−SiO−V触媒を調製した。
比較例4及び5
実施例1において、第二成分の添加を行わない触媒、及び第三成分の添加を行わない触媒をそれぞれ調製した。
【0029】
実施例1〜9及び比較例1〜5の触媒の低温活性、高温活性及び耐熱性を評価するため、調製したハニカム触媒を縦6セル×横6セル×長さ50mmの直方体に切り出し、水蒸気を10%含む空気中で600℃で50h(時間)保持する耐熱試験を実施し、その前後の触媒の脱硝性能を表1の排ガス条件で測定した。得られた結果の内、耐久試験前後の250℃と450℃における脱硝率の測定結果を纏めると表2に示すようになる。
【0030】
表2において、通常の脱硝に用いられる初期性能こそ高いものTi−W−V系触媒である比較例3及び第一成分として酸化チタンのみを用いた比較例2が耐熱試験で大きな活性低下を起こし、耐熱試験後の性能は極めて低いものになっている。これに対し本発明の実施例1〜9になる触媒は、耐熱試験後も高い性能を維持し、優れた触媒であることが明らかである。
【0031】
また、第三成分または第二成分の添加を行わなかった比較例4と5、第二及び第三成分に可溶性塩類を使用した比較例1と本発明の実施例になる触媒は、耐熱性及び低温活性に優れ、ゾル状物で第二成分と第三成分を添加して選択的に両者を複合化しようとする調製方法が、実用触媒実現の上で優れていることが明らかである。
【0032】
【表1】
Figure 2004351371
【0033】
【表2】
Figure 2004351371
【0034】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の発明によれば、酸化チタンを主成分とする耐熱性および低温活性を併せ持つ排ガス浄化用触媒が得られる。
請求項6記載の発明によれば、例えばシンプルサイクルガスタービン発電設備、ディーゼルエンジン、ガスエンジンを用いる車や発電設備からの排ガス中のNOxの、尿素やNHによる還元除去を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒の使用をモデル的に説明する説明図。

Claims (6)

  1. 第一成分として酸化チタン及び酸化タングステンとの緊密混合物、または酸化チタン、酸化タングステン及び酸化ケイ素の緊密混合物、第二成分として二酸化セリウム(CeO)、第三成分として五酸化ニオブ(Nb)の三成分を有する組成物であって、第一成分に対する第二成分の割合が0を超えて40重量%、第一成分に対する第三成分の割合が0を超えて6重量%であることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物の浄化用触媒。
  2. 第一成分が、含水酸化チタンのスラリもしくはその乾燥体、または酸化チタンを含む膠質に、タングステン(W)のオキソ酸またはその塩類を混合して得られた緊密混合物を乾燥するか、もしくは乾燥に引き続き焼成した物であることを特徴とする請求項1記載の触媒。
  3. 二酸化ケイ素の水を分散媒とするゾルまたは有機ケイ酸化合物を添加してなることを特徴とする請求項1または2記載の触媒。
  4. 含水酸化チタンのスラリもしくはその乾燥体、または酸化チタンを含む膠質に、タングステン(W)のオキソ酸またはその塩類を混合して得られた緊密混合物を乾燥するか、もしくは乾燥に引き続き焼成することを特徴とする請求項1記載の触媒の第一成分の調製方法。
  5. 第二成分の原料として二酸化セリウムのゾル、及び第三成分の原料として五酸化ニオブのゾルを用い、これらを第一成分の粉末に添加後、混練、乾燥、焼成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の触媒の調製方法。
  6. 請求項1ないし3のいずれかに記載の触媒を担持したハニカム触媒を用い、排ガス中の窒素酸化物を還元剤の存在下で無害化することを特徴とする排ガスの浄化方法。
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