JP2004351345A - 電磁振動装置 - Google Patents

電磁振動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004351345A
JP2004351345A JP2003153235A JP2003153235A JP2004351345A JP 2004351345 A JP2004351345 A JP 2004351345A JP 2003153235 A JP2003153235 A JP 2003153235A JP 2003153235 A JP2003153235 A JP 2003153235A JP 2004351345 A JP2004351345 A JP 2004351345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron core
iron piece
shaped
vibration device
electromagnetic vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003153235A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3809869B2 (ja
JP2004351345A5 (ja
Inventor
Akita Namioka
顕太 波岡
Isatada Iwasaki
軍忠 岩崎
Hiroshi Matsui
博 松井
Yasuhiro Shindo
泰宏 進藤
Akihiko Nakayama
明彦 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON ACR KK
Original Assignee
NIPPON ACR KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON ACR KK filed Critical NIPPON ACR KK
Priority to JP2003153235A priority Critical patent/JP3809869B2/ja
Publication of JP2004351345A publication Critical patent/JP2004351345A/ja
Publication of JP2004351345A5 publication Critical patent/JP2004351345A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3809869B2 publication Critical patent/JP3809869B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

【課題】小型の電磁振動装置に関し、所定の振動を発生し、安定して大量生産できるものの提供を目的とする。
【解決手段】棒状鉄芯部11Cが励磁コイル13の貫通孔に挿通固定され、両端が平行な第一起立部11Aおよび第二起立部11Bとなった高透磁率・軟質磁性材料製の凹字状鉄芯11と、凹字状鉄芯11の前記第一起立部11Aの頂面に一端部が固定され、中間の対向部15Cが第二起立部11Bの頂面と対峙して磁気ギャップ部を構成すると共に他端部15Bが取付部となった、凹字状鉄芯11よりも高硬度で高弾性の高透磁率・軟質磁性材料製の平板状鉄片15からなり、励磁コイル13に供給されるパルス電流によって磁気回路に発生する断続的な磁束の吸引力と平板状鉄片15の弾発力により振動を発生する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として携帯電話等の呼出し用やタッチパネルの入力応答用としての振動装置に好適な電磁振動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の振動装置として、特許文献1に記載された電磁振動装置が知られており、その内容について、図36および図37を用いて説明する。
図36は従来の電磁振動装置の正面断面図、図37は分解斜視図である。
同図において、1は中間部分がコイル装着部1Aとなり、略中心部に長手方向に貫通した空洞部1Bを有する樹脂製筒状のボビンで、コイル装着部1Aには励磁コイル2としての被覆電線3が巻きつけられて、その端末はボビン1一端の接続用端子としてのリード線4A,4Bにそれぞれ接続されている。
そして5は高透磁率・軟質磁性材料である電磁鋼板から形成され、両端が離間する方向に弾発特性を有するようにU字状に折り曲げられたU字状鉄片で、U字状の一辺5Aがリード線4A,4B側からボビン1の空洞部1B内に励磁コイル2の軸線方向に沿って挿通されて他方側へ突出し、他辺5Bはコイル装着部1Aの上部を超えて伸び、一辺5Aとほぼ同長さとなっている。
一方6は、高透磁率・軟質磁性材料である電磁軟鉄から形成された略L字状の鉄芯で、U字状鉄片5の一辺5Aと磁気結合するように重ね合わせてボビン1の空洞部1B内に圧入固定されると共に、一端部がU字状鉄片5の他辺5Bに向けて折り曲げられた起立部6Aとなり、その頂面6BはU字状鉄片5の他辺5B先端の内側面5Cと対峙して所定寸法aの磁気ギャップを構成しており、励磁コイル2とU字状鉄片5および鉄芯6で磁気回路を構成している。
また、7は本電磁振動装置を使用電子機器に装着するための樹脂製の取付台である。
【0003】
そして、このような構成の電磁振動装置の励磁コイル2に所定の波形のパルス電流を供給することによって、通電時には磁気回路に発生する磁束の吸引力により、図36に点線で示すように、U字状鉄片5の他辺5Bは鉄芯6の起立部6Aの頂面6Bに近接する位置まで変位し、通電が遮断されると磁束が消滅して、U字状鉄片5の他辺5Bは自身の弾発力により、図36に実線で示す位置まで戻る。
このように、パルス電流による励磁コイル2への通電・遮断に対応して、U字状鉄片5の他辺5Bが上記の変位を繰り返すことにより振動を発生するものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−39019号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電磁振動装置においては、供給されるパルス電流が一定の場合に、発生する振動の大きさはU字状鉄片5の他辺5Bの変位量によって決まるが、この他辺5Bの変位量は、鉄芯6の起立部6Aの頂面6BがU字状鉄片5の他辺5B先端の内側面5Cと対峙している磁気ギャップの寸法aによって決まるものであり、磁気ギャップの寸法aを所定の値に製作することが重要である。
すなわち、磁気ギャップの寸法aが所定の値よりも大きいと、鉄芯6の起立部6Aの頂面6BがU字状鉄片5の他辺5B先端の内側面5Cを引張る磁束の吸引力が小さいので、U字状鉄片5の他辺5Bは僅かしか変位せず、小さい振動になってしまい、また、磁気ギャップの寸法aが所定の値よりも小さいと、起立部6Aの頂面6Bが他辺5B先端の内側面5Cを引張る磁束の吸引力が大きいので、U字状鉄片5の他辺5Bは大きく変位しようとするが、内側面5Cが起立部6Aの頂面6Bに当たってしまって異音を発生する。
【0006】
このため、磁気ギャップの寸法aを10μm単位で管理しなければならないが、磁気ギャップを構成する弾性部材であるU字状鉄片5の他辺5Bは、硬くて・弾性を有する電磁鋼板をU字状に折り曲げ加工して製作されるものであるから、材料の厚さ等の僅かな差で折り曲げ加工後の寸法にバラツキを生じ、また、組み立て時に加わる圧入力等によっても僅かに変化することがあり、電磁振動装置を大量生産する場合に、磁気ギャップの寸法aの確保に手間がかかり、ネック工程になるという課題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、磁気ギャップ寸法の確保が容易で、所定の振動を発生するものを安定して大量生産をすることができる電磁振動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、筒状の励磁コイルと、棒状鉄芯部が絶縁体を介して励磁コイルの貫通孔に挿通固定されると共に、両端がそれぞれ垂直方向に突出して略平行な第一および第二起立部となった高透磁率・軟質磁性材料製の凹字状鉄芯と、凹字状鉄芯の第一起立部の先端に一端部が固定され、中間の対向部が第二起立部の頂面と所定のギャップを空けて対峙して磁気ギャップ部を構成すると共に対向部の近傍が取付部となった、高硬度で弾性を有する高透磁率・軟質磁性材料製の平板状鉄片からなる電磁振動装置としたものであり、励磁コイルに供給されるパルス電流によって凹字状鉄芯と平板状鉄片とで構成する磁気回路に発生する断続的な磁束による吸引力と平板状鉄片の弾発力により、凹字状鉄芯の第二起立部の頂面と平板状鉄片の中間の対向部との磁気ギャップが連続的に変化することによって、平板状鉄片が連続的に弾性変形し、凹字状鉄芯および励磁コイルが可動体となって強い振動を発生すると共に、磁気ギャップ部を構成する弾性部材である平板状鉄片は、硬くて弾性を有する高透磁率・軟質磁性材料を平板状に打抜き加工して凹字状鉄芯の第一起立部の先端に固定するだけであるから、個片加工時および組み立て時の寸法変化が少なくて磁気ギャップ寸法の確保が容易であり、所定の振動を発生するものを安定して大量生産することができる電磁振動装置を実現できるという作用を有する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、凹字状鉄芯の第一起立部の頂面が棒状鉄芯部の長手方向に沿って中央が窪んだ形状で、中心にネジ穴を有しており、ネジ穴に対応した径のネジを、第一起立部の頂面に載せられた平板状鉄片の一端部に設けられた、ネジ穴と同心の穴に通してネジ穴にねじ込むことにより平板状鉄片を凹字状鉄芯の第一起立部頂面に固定するものであり、ネジを締め付けて、凹字状鉄芯の第一起立部の頂面に載せられた平板状鉄片の一端部の中央を反らせ、第一起立部の窪み内に少し入り込むように部分変形させると、平板状鉄片の磁気ギャップ部を構成している対向部が磁気ギャップ寸法を大きくする方向に動くので、構成部材が少ない簡単な構成で、ネジの締付け量を加減して磁気ギャップ寸法を調整し、所定の振動状態を実現できるという作用を有する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第一起立部の頂面が平面で中心部にネジ穴を有する凹字状鉄芯と、第一起立部の頂面に載せられた一端部にネジ穴と同心の孔を有する平板状鉄片と、第一起立部頂面よりも大きい平板状で、第一起立部頂面から第二起立部側に外れた位置で下面端部の突出部が平板状鉄片の上面に当接するように平板状鉄片に重ねて配設され、ネジ穴と同心の孔を有する調整板とを備えており、ネジ穴に対応した径のネジを、調整板および平板状鉄片の孔に通してネジ穴にねじ込むことによって平板状鉄片を凹字状鉄芯の第一起立部頂面に固定するものであり、ネジを少し付けて、第一起立部の頂面から第二起立部側へ少し寄った位置で、調整板の下面端部の突出部が当接している部分の平板状鉄片を下方へ少し曲げ変形させると、平板状鉄片の磁気ギャップ部を構成している対向部が磁気ギャップ寸法を小さくする方向に動くので、ネジの締め付けることによって容易に磁気ギャップ寸法を調整し、所定の振動状態を実現できるという作用を有する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、平板状鉄片の一端部が凹字状鉄芯の第一起立部の頂面に回動可能に取り付けられると共に、磁気ギャップ部を構成する、凹字状鉄芯の第二突起部の頂面と平板状鉄片の中間の対向部が、平板状鉄片の一端部の回動面に対して所定の角度だけ傾斜した状態で対峙しているものであり、凹字状鉄芯の第一起立部の先端に回動可能に取り付けられている平板状鉄片を少し回動させると、磁気ギャップ部を構成している平板状鉄片の中間部と凹字状鉄芯の第二突起部の頂面の対向間隔がその傾斜角度に対応して変化するので、この傾斜角度を電磁振動装置の組み立て後の磁気ギャップ寸法のバラツキを吸収できる値に設定しておくことによって、磁気ギャップを調整しながら所定の振動力を有する電磁振動装置を安定して大量生産をすることができるという作用を有する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、平板状鉄片の一端部の回動面と、磁気ギャップ部を構成している中間の対向部との間が所定の角度だけ捻られているものであり、請求項4に記載の発明による作用に加えて、硬くて・弾性を有する高透磁率・軟質磁性材料からなる平板状鉄片を僅かに捻り加工するだけなので、加工による平板状鉄片の材料の損傷が少なくて、しかも生産時に磁気ギャップ寸法を調整することができる電磁振動装置を実現できるという作用を有する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4記載の発明において、平板状鉄片中間の磁気ギャップ部を構成する対向部のみが、平板状鉄片の回動面に対して所定の角度だけ傾斜するように捻られているものであり、請求項4に記載の発明による作用に加えて、平板状鉄片の一端部の回動面が、取付部である他端部の面と同一面であるので、電磁振動装置を使用する機器に対する装着作業が容易で、スペース面でも少し有利な電磁振動装置を実現できるという作用を有する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項4記載の発明において、凹字状鉄芯を、棒状鉄芯部および第二起立部からなるL字状部と第一起立部であるI字状部とに分割し、全体が一つの平板である平板状鉄片の一端部をI字状部の上端に所定の角度だけ傾斜して固定すると共に、I字状部の下端をL字状部の棒状鉄芯部の先端に、I字状部と第二起立部が略平行でしかも回動可能であるように取り付けたものであり、請求項4に記載の発明による作用に加えて、磁気ギャップ寸法のバラツキが発生する最大の要因である平板状鉄片の寸法形状が安定しているので、より安定して効率的な大量生産をすることができる電磁振動装置を実現できるという作用を有する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の発明において、凹字状鉄芯を棒状鉄芯部および第二起立部からなるL字状部と第一起立部であるI字状部とに分割し、L字状部の棒状鉄芯部を先端部から励磁コイルとしての筒状空芯コイルの空芯部に挿入し、絶縁体を介して固定した後、外方に突出した先端部にI字状部を結合したものであり、励磁コイルを筒状空芯コイルとすることにより、コイルの巻線作業が容易で効率的であるため安価となり、電磁振動装置全体としても安価になるという作用を有する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の発明において、筒状空芯コイルの被覆電線の内側端末を、絶縁体端部のフランジ部に設けられた、棒状鉄芯部の挿通用孔の拡大部に通して、L字状部の第二起立部近傍に設けられた、フランジ部と一体の係止部に仮固定し、所定量の撓みを持たせて、所定の端子に接続するものであり、筒状空芯コイルの被覆電線の内側端末をコイルの端面を通さないで絶縁体のフランジ部の外側へ導出することができるので、内側端末が装着後のコイルの全長寸法に関係しないという作用を有する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1記載の発明において、励磁コイルの被覆電線の両端末を、凹字状鉄芯の第二起立部近傍の、励磁コイルと凹字状鉄芯の棒状鉄芯部との間に介在する絶縁体と一体の係止部に仮固定し、所定量の撓みを保って、平板状鉄片取付部に固定された二つの接続用端子に接続したものであり、励磁コイルの被覆電線の端末が電磁振動装置の取扱い時に引っ掛かって損傷を受けることが少なく、また機器に装着して使用時に、振動による疲労断線等が発生し難いという作用を有する。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、二つの接続用端子の、励磁コイルの被覆電線の両端末を接続する部分の間に段差が設けられているものであり、励磁コイルの被覆電線の両端末の間隔をあけることができるので、両端末が不要な接触をすることを少なくできるという作用を有する。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項10記載の発明において、インサート成形加工された金属薄板製の二つの基板用端子の接続脚が一側面から略垂直に突出する樹脂製の端子板を、一側面が平板状鉄片と平行になるように、平板状鉄片の取付部に固定したものであり、端子板の一側面を取付け面として硬質の配線基板に取付け接続できる電磁振動装置を実現できるという作用を有する。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項12記載の発明において、平板状鉄片の取付部が、端子板の一側面と平行な貫通孔に圧入固定され、この貫通孔の周囲が、基板用端子形成用の金属薄板から一体形成されてインサート成形固定された、補強板により補強されているものであり、端子板を平板状鉄片の取付部に対して、強固にしかも一側面が平行となるように取り付けることができるという作用を有する。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項12記載の発明において、端子板の一側面と平行な開口部内に一側面と略垂直に露出した、根元が接続脚と導通して樹脂固定され先端が自由端となった二つの基板用端子を、先端が絶縁体の係止部から遠ざかる方向へ折り曲げた状態で、先端に励磁コイルの被覆電線の両端末を接続し、その後に、基板用端子を一側面と略垂直な状態に戻したものであり、基板用端子が端子板の開口部内に収まるのでコンパクトになり、他の部材との無用な接触を避けられると共に、絶縁体の係止部と基板用端子の先端の間において、被覆電線の両端末に所定量の撓みを設けることができるという作用を有する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項12記載の発明において、端子板の一側面から突出した二つの基板用端子の接続脚を使用機器の硬質の配線基板の係合孔に挿入し、一側面が配線基板表面に密着した状態で、配線基板裏面に突出した接続脚の先端を、捻り加工した後に係合孔の周囲のパッドに半田付け固定するものであり、端子板すなわち電磁振動装置を配線基板に固定する基板用端子を、配線基板の係合孔に対して強固に固定することができるという作用を有する。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項1記載の発明において、凹字状鉄芯の第二起立部の近傍に、所定重量の分銅を装着したものであり、振動発生時の可動体としての凹字状鉄芯と励磁コイルの振動に分銅による慣性が付加されてより強い振動を発生する電磁振動装置とすることができるという作用を有する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図35を用いて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1,10,11および16に記載の発明について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図、図2は分解斜視図である。
同図において、11は、伸び率20%以上の加工性の優れた高透磁率・軟質磁性材料であるJIS C 2504電磁軟鉄SUY−1等から形成された凹字状鉄芯で、両端がそれぞれ垂直方向に突出して略平行な第一起立部11Aおよび第二起立部11Bとなり、棒状鉄芯部11Cには絶縁体としての樹脂製のボビン12を挟み、励磁コイル13としての被覆電線14(以下、電線14という)が巻き付けられている。
このボビン12は、図2に示すように、断面がL字形状の樹脂製板材の両端にフランジ部を有する上ボビン12Aと下ボビン12Bを凹字状鉄芯11の棒状鉄芯部11Cを挟み付けるように組み合わせたものであり、そのフランジ部に挟まれた部分に電線14(図2には示さず)が巻かれて、励磁コイル13を形成している。
【0025】
一方、上部に配設された15は、ビッカース硬度115以上の高透磁率・軟質磁性材料であるJIS C 2552無方向性電磁鋼帯50A310から形成された平板状鉄片で、その一端部15Aを、凹字状鉄芯11の第一起立部11A先端のダボ11Dによりカシメ固定され、中間の対向部15Cが凹字状鉄芯11の第二起立部11Bの頂面と所定の間隔をあけて対峙して、所定の寸法gの磁気ギャップ部を構成しており、凹字状鉄芯11と平板状鉄片15の一端部15Aから中間の対向部15Cまでによって磁気回路を構成している。
そして、平板状鉄片15の対向部15C近傍の他端部15Bは、この電磁振動装置をネジ等により使用機器に装着するための取付孔15Dを有する取付部となっており、電磁振動装置の振動は、この取付部を介して機器を操作する人の手に伝達される。
また、他端部15Bの下面には、端子板16がダボ16Aによりカシメ固定され、上記の電線14の両端末14Aと14Bは、下ボビン12Bの端部に設けられた係止部12Cに仮固定してから、端子板16の端子17A,17Bに接続される。
【0026】
そして、図3の本実施の形態による電磁振動装置を使用機器に装着した状態の部分断面の正面図、および図3のP−P線における断面図である図4に示すように、ネジ18を平板状鉄片15の他端部15Bの取付孔15Dに通して電磁振動装置を使用機器の筐体19等にネジ止め固定する際に、端子板16の中央孔16Bにもネジ18を通して他端部15Bと筐体19の間に挟むことによって、端子板16は固定され、電線14の両端末14A,14Bは係止部12Cに巻いて仮止めしてから、所定の撓みを持たせられると共に、互いに接触しないように段差を設けて配設された端子17A,17Bに導かれて半田付け等により接続され、それぞれの端子17A,17Bと導通した接続用端子20A,20Bからリード線(図示せず)を介して使用機器の回路に導通される。
これによって、励磁コイル13の電線14の両端末14A,14Bが電磁振動装置の取扱い時に引っ掛かって損傷を受けることが少なく、両者が不要な接触をすることが少ないと共に、機器に装着して使用時に、振動による疲労断線等が発生し難くなっている。
なお、端子板16は必ずしも他端部15Bの下面に装着しなければならないものではなく、対向部15C近傍の取付部とする部分の下面に装着すればよく、更に端子板16を使用しないで、励磁コイル13の電線14の端末14A,14Bを係止部12Cに仮固定してから直接、機器の回路に接続するようにしてもよいものである。
本実施の形態による電磁振動装置は以上のような構成となっている。
【0027】
次に、図5は本実施の形態による電磁振動装置に使用される駆動回路の基本構成を説明するブロック図、図6は本実施の形態による電磁振動装置の励磁コイルに供給されるパルス電流の波形図である。
同図において、21は信号Sの着信時に所定時間だけ閉じる常開型のスイッチ、22は電源としての電池、23は電流パルス回路であり、電流パルス回路23は演算装置24により振動モードを選択できるように、すなわち電流パルスの通電時間T1,通電周期T2および持続時間T3(図6参照)の少なくとも一つを調整できるように構成されている。
【0028】
そして、本実施の形態による電磁振動装置の動作を、携帯電話の呼出し用として使用される場合を例として説明すると、信号Sの着信によりスイッチ21が閉じられると、演算装置24によりセットされた通電時間T1と通電周期T2および持続時間T3を有するパルス電流が、電流パルス回路23から接続用端子20A,20Bを介して、電磁振動装置の励磁コイル13に供給される。
そして、励磁コイル13に通電されると、凹字状鉄芯11と平板状鉄片15の一端部15Aから中間の対向部15Cまでによって構成される磁気回路に磁束が発生し、凹字状鉄芯11の第二起立部11Bの頂面と平板状鉄片15中間の対向部15Cとの間の磁気ギャップの寸法gを縮める方向、すなわち平板状鉄片15の中間部分の弾発力に抗する方向に吸引力が生じて、平板状鉄片15の中間部分は対向部15Cが凹字状鉄芯11の第二起立部11Bの頂面に接近する位置まで変位させられる。
この状態において励磁コイル13への通電が遮断されると、磁気回路の磁束が消滅することにより平板状鉄片15中間部分の弾発力が勝って、平板状鉄片15の中間部分はほぼ、図1に示す位置まで戻る。
そして、演算装置24によりセットされたパルス電流による励磁コイル13への通電・遮断によって、平板状鉄片15の中間部分が上記の変位を繰り返すことすなわち、平板状鉄片15が連続的に弾性変形することにより、凹字状鉄芯11と励磁コイル13が可動体となって強い振動が発生して、携帯電話の使用者に信号Sの着信を知らせる。
【0029】
以上のように本実施の形態による電磁振動装置は、磁束による吸引力と共に、高硬度の高透磁率・軟質磁性材料からなる平板状鉄片15の弾発力により、凹字状鉄芯11の第二起立部11Bの先端面と平板状鉄片15の中間の対向部15Cとの磁気ギャップが連続的に変化することによって、平板状鉄片15が連続的に弾性変形し、凹字状鉄芯11および励磁コイル13が可動体となって強い振動を発生すると共に、磁気ギャップ部を構成する弾性部材である平板状鉄片15は、硬くて弾性を有する高透磁率・軟質磁性材料を平板状に打抜き加工して凹字状鉄芯11の第一起立部11Aの頂面に固定するだけであるから、個片加工時および組み立て時の寸法変化が少なくて磁気ギャップ寸法gの確保が容易、すなわち所定の振動を発生するものを安定して大量生産することができる電磁振動装置を実現できるものである。
【0030】
次に、図7は本実施の形態による電磁振動装置の凹字状鉄芯の構成が異なるものの正面断面図であり、可動体となる凹字状鉄芯25の第二起立部25Bの先端に分銅26が装着されている。
この分銅26はタングステン合金等の比重の大きい金属で形成されたもので、図8の分銅の装着方法を説明する分解斜視図に示すように、凹字状鉄芯25の第二起立部25B先端のダボ25Dを分銅26の中央孔26Aに通してカシメることにより固定されている。
これにより、振動発生時の可動体としての凹字状鉄芯21と励磁コイル13の振動に分銅26による慣性が付加されてより強い振動を発生するものである。
【0031】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図9は本発明の第2の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図であり、同図に示すように、本実施の形態による電磁振動装置は前記の実施の形態1において説明したものに対して、凹字状鉄芯27の第一起立部27Aの頂面に平板状鉄片28の一端部28Aを固定する部分の構成が異なっている。
すなわち、図9および図10の平板状鉄片の固定方法を説明する分解斜視図に示すように、凹字状鉄芯27の第一起立部27Aの頂面が、棒状鉄芯部27Cの長手方向に沿って中央が窪んだ形状で中心にネジ穴27Dを有し、ここに載せられた平板状鉄片28の一端部28Aは、ネジ穴27Dと同心で少し大きい丸孔28Dを有しており、ネジ穴27Dに対応した径のネジ29を平板状鉄片28の上方から丸孔28Dに通してネジ穴27Dにねじ込むことによって、平板状鉄片28を凹字状鉄芯27の第一起立部27Aの頂面に固定する構成となっている。
【0032】
なお、凹字状鉄芯27の第一起立部27Aの頂面に設けられた二つの突起27Eは、平板状鉄片28の一端部28Aの角に設けられた二つの切込み28Eと係合して、平板状鉄片28が回らないように位置決めするものである。
また、この電磁振動装置を使用機器に装着する取付部としての平板状鉄片28の他端部28B、および励磁コイル13の電線14の端末14A,14Bを接続する部分は実施の形態1と同じであるので、図示および説明を省略する。
【0033】
以上のように構成される本実施の形態による電磁振動装置において、図9に楕円形の矢印で示すように、ネジ29を時計方向に少し強く締め付けて、平板状鉄片28の一端部28Aの中央を反らせ、平板状鉄片28の一端部28Aの窪みに少し入り込むように部分変形させると、平板状鉄片28の先端側が図9に矢印で示すように上方へ動くことにより、磁気ギャップ部を構成している対向部28Cは磁気ギャップ寸法を大きくするように動く。
【0034】
このように本実施の形態によれば、構成部材が少ない簡単な構成で、ネジ29の締付け量を加減して磁気ギャップ寸法を最適値に調整し、所定の振動状態にすることができる。
そして、ネライ通りの磁気ギャップ寸法となった状態において、ネジ29と丸孔28Dの接合部にロック剤を塗布して、振動の影響でネジ29が動かないようにしておく。
なお、この磁気ギャップ寸法の調整は、電線14の端末14A,14B間に所定のパルス電流を供給しながら、出力としての振動が最適状態となるようにすることもできる。
また、ネジ29に関しては、平板状鉄片28の一端部28Aの丸孔28Dの周囲を押さえる寸法であればよいが、図9に示すようにネジの頭部がサラ形のネジを使用して、そのテーパの根元部で丸孔28Dの周囲を押さえるようにするのが最も好ましい。
更に、本実施の形態による電磁振動装置においても、凹字状鉄片27の第二起立部27Bの先端に分銅を装着して、より強い振動を発生するようにできることは、実施の形態1の場合と同様である。
【0035】
(実施の形態3)
実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
なお、実施の形態1または2の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図11は本発明の第3の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図であり、同図に示すように、本実施の形態による電磁振動装置は前記の実施の形態1および2において説明したものに対して、凹字状鉄芯30の第一起立部30Aの頂面に平板状鉄片31の一端部31Aを固定する部分の構成が異なっている。
すなわち、図11および図12の平板状鉄片の固定方法を説明する分解斜視図に示すように、凹字状鉄芯30の第一起立部30Aの頂面が中心にネジ穴30Dを有する平面で、ここに載せられた平板状鉄片31の一端部31Aは、ネジ穴30Dと同心で少し大きい丸孔31Dを有しており、更にその上部には、第一起立部30Aの頂面よりも大きくて、ネジ穴30Dと同心で少し大きい丸孔32Bを有する平板状の調整板32が、第一起立部30Aの頂面から第二突起部30B側に少し外れた位置で、下面端部の突出部32Aが平板状鉄片31の上面に当接するように配設されている。
【0036】
そして、ネジ穴30Dに対応した径のネジ33を調整板32の上方から丸孔32Bおよび31Dに通してネジ穴30Dにねじ込むことによって、平板状鉄片31を凹字状鉄芯30の第一起立部30Aの頂面に固定する構成となっている。
なお、凹字状鉄芯30の第一起立部30Aの頂面に設けられた二つの突起30Eは、平板状鉄片31の一端部31Aの角および調整板32の端部の角に設けられた二つずつの切込み31Eと32Cに係合して、平板状鉄片31および調整板32が回らないように位置決めをしている。
また、この電磁振動装置を使用機器に装着する取付部としての平板状鉄片31の他端部31B、および励磁コイル13の電線14の端末14A,14Bを接続する部分は実施の形態1と同じであるので、図示および説明を省略する。
【0037】
以上のように構成される本実施の形態による電磁振動装置において、図11に楕円形の矢印で示すように、ネジ33を時計方向に少し強く締め付けて、凹字状鉄芯30の第一起立部30Aの頂面から第二突起部30B側に少し外れた位置で、調整板32の下面端部の突出部32Aが当接している部分の平板状鉄片31を下方へ少し曲げ変形させると、平板状鉄片31の先端側が図11に矢印で示すように下方へ動くことにより、磁気ギャップ部を構成している対向部31Cは磁気ギャップ寸法を小さくするように動く。
【0038】
このように本実施の形態によれば、ネジ33を締め付けることによって容易に磁気ギャップ寸法を最適値に調整し、所定の振動状態を実現することができる。
そして、狙い通りの磁気ギャップ寸法となった状態において、ネジ33と孔32Bの接合部にロック剤を塗布して、振動の影響でネジ33が動かないようにしておくこと、および、この磁気ギャップ寸法の調整を、電線14の端末14A,14B間に所定のパルス電流を供給しながら、出力としての振動が最適状態となるようにしてもよいことは、実施の形態2の場合と同様である。
【0039】
(実施の形態4)
実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項4〜7に記載の発明について説明する。
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図13は本発明の第4の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図、図14は分解斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態による電磁振動装置は前記の実施の形態1において説明したものに対して、凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面に平板状鉄片35の一端部35Aが回動可能に取り付けられると共に、磁気ギャップ部を構成する凹字状鉄芯34の第二起立部34Bの頂面と平板状鉄片35中間の対向部35Cが、平板状鉄片35の一端部35Aの回動面に対して所定の角度αだけ傾斜した状態で、寸法fのギャップをあけて対峙している点が異なっている。
すなわち、図13のQ−Q線における断面図である図15に示すように、凹字状鉄芯34の第二起立部34Bの頂面は第一起立部34Aの頂面に対して所定の角度αだけ傾いており、平板状鉄片35は一端部35Aから他端部35B側へ少し離れた捻回点35Dにおいて同じ角度αだけ捻り加工されていて、凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面のダボ34Dを平板状鉄片35の一端部35Aの丸孔35Eに通して、回動可能にカシメ装着された構成となっている。
【0040】
なお、励磁コイル13を形成する上ボビン12Aと下ボビン12Bからなる絶縁体としてのボビン12は実施の形態1と同じである。
また、この電磁振動装置を使用機器に装着する取付部としての平板状鉄片35の他端部35B、ならびに励磁コイル13の電線14の端末14A,14Bを接続する部分も実施の形態1と同じであるので、図示および説明を省略するが、図15に示すように、取付部となる平板状鉄片35の他端部35Bに対し、凹字状鉄芯34と励磁コイル13は平板状鉄片35を捻回点35Dで捻った角度αだけ傾いて取り付けられる。
【0041】
以上のように構成される本実施の形態による電磁振動装置において、図16の平面図に円弧状の矢印で示すように、凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面のダボ34Dを中心として凹字状鉄芯34と平板状鉄片35を相対的に回動させて、磁気ギャップ部を構成する凹字状鉄芯34の第二起立部34Bの頂面と平板状鉄片35中間の対向部35Cを相対的にずらすと、図15に示した磁気ギャップ寸法fが変化する。
すなわち、図16の状態から、図17(a)に矢印で示すように、平板状鉄片35に対して凹字状鉄芯34を時計方向に回転させると、凹字状鉄芯34の第二起立部34Bは図15の位置から図18(a)に示す位置へと動いて、磁気ギャップ寸法はfよりも小さくなり、また、図17(b)に矢印で示すように、平板状鉄片35に対して凹字状鉄芯34を反時計方向に回転させると、凹字状鉄芯34の第二起立部34Bは図15の位置から図18(b)に示す位置へと動いて、磁気ギャップ寸法はfよりも大きくなる。
【0042】
このように本実施の形態によれば、凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面のダボ34Dを中心として凹字状鉄芯34と平板状鉄片35を相対的に回動させることによって、磁気ギャップ寸法を容易に最適値に調整し、所定の振動状態を実現することができる。
【0043】
なお、この凹字状鉄芯34の第二起立部34Bを動かす量と磁気ギャップ部の寸法の変動量は、上記の角度αの大きさにより異なるが、角度αを約6°に設定しておくと、凹字状鉄芯34の第二起立部34Bを1mm動かすことにより磁気ギャップ寸法はfの値から約0.1mm変わる。
そして、磁気ギャップ寸法fの最適値は、平板状鉄片35の寸法・形状・硬度および励磁コイル13に供給されるパルス電流の条件等によって異なるが、上記の角度αも磁気ギャップ寸法を調整するレベルによって変わるものである。
なお、上記の調整によって狙い通りの磁気ギャップ寸法となった状態において、凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面の平板状鉄片35の一端部35Aの接合部にロック剤を塗布して、振動の影響で凹字状鉄芯34と平板状鉄片35の間で回動しないようにしておくこと、および、この磁気ギャップ寸法の調整を、電線14の端末14A,14B間に所定のパルス電流を供給しながら、出力としての振動が最適状態となるようにしてもよいことは、実施の形態2および3の場合と同様である。
【0044】
しかし、本実施の形態による上記の電磁振動装置は、平板状鉄片35の他端部35Bを取付部として使用機器の筐体面に取り付ける場合、前述のように凹字状鉄芯34と励磁コイル13はその筐体面に対して角度αだけ傾いて取付けられるので、機器に対する装着作業が少し難しく、スペース面でも少し不利である。
そこで、使用機器の筐体面に取り付ける場合に凹字状鉄芯34と励磁コイル13がその筐体面に対して傾かないように、上記の図13に示したものに対して平板状鉄片の構成を変えた電磁振動装置の正面断面図が図19である。
すなわち、この平板状鉄片36は、図20(a)平面図,(b)正面図に示すように、捻り加工して傾ける部分を磁気ギャップ部を構成する中間の対向部36Cのみとし、取付部として使用する他端部36Bは凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面上で回動する一端部36Aと同一面となっている。
このような平板状鉄片36とすることによって、凹字状鉄芯34の第一起立部34Aの頂面のダボ4Dを中心として凹字状鉄芯34と平板状鉄片36を相対的に回動させ、磁気ギャップ寸法を容易に最適値に調整して所定の振動状態を実現できると共に、使用する機器に対する装着作業が容易で、スペース面でも少し有利な電磁振動装置とすることができる。
【0045】
更に、本実施の形態による電磁振動装置においても、凹字状鉄片34の第二起立部34Bの先端に分銅を装着して、より強い振動を発生するようにできることは、実施の形態1の場合と同様である。
【0046】
(実施の形態5)
実施の形態5を用いて、本発明の特に請求項7に記載の発明について説明する。
なお、実施の形態1または4の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図21は本発明の第5の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図、図22は分解斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態による電磁振動装置は上記の実施の形態1〜4において説明したものに対して、凹字状鉄芯の部分が棒状鉄芯部37Aおよび第二起立部37BからなるL字状部37と、これと同じ電磁軟鉄で形成された第一起立部であるI字状部38とに分割されている。
そして、同図および図21のR−R線における断面図である図23に示すように、I字状部38の上端面には、実施の形態2と同様の全体が一つの平板状で、寸法形状が安定した平板状鉄片28の一端部28Aが所定の角度βだけ傾いて、しかも回らないように二つの突起38Cにより位置決めされてダボ38Aによってカシメ固定され、一方、I字状部38の下端面は、L字状部37の棒状直線部37Aの先端近くの丸孔37Dにダボ38Bを通してカシメることによって垂直で回動可能に装着され、L字状部37とI字状部38とで凹字状鉄芯を構成している。
【0047】
これにより、図21のS−S線における断面図である図24に示すように、磁気ギャップ部を構成するL字状部37の第二起立部37Bの先端面と平板状鉄片28中間の対向部28Cが所定の角度βだけ傾斜した状態で、寸法hのギャップを空けて対峙している。
また、L字状部37の棒状直線部37Aには、樹脂製の上ボビン12Aと下ボビン12Bからなる絶縁体としてのボビン12を挟んで、励磁コイル13としての被覆電線14(図22には示さず)が巻き付けられていることは実施の形態1〜4の場合と同じであるが、ボビン12は棒状直線部37Aの端部の第二起立部37Bの頂面に密着するように配設されて、I字状部38との間には隙間が設けられている。
【0048】
以上のように構成される本実施の形態による電磁振動装置において、図23に円弧状の矢印で示すように、I字状部38の下端面のダボ38Bを中心としてL字状部37と平板状鉄片28を相対的に回動させることにより、図24に矢印で示すように、磁気ギャップ部を構成するL字状部37の第二起立部37Bの頂面と平板状鉄片28中間の対向部28Cが相対的にずらされて、磁気ギャップ寸法hが変化する。
従って、このようにして磁気ギャップ寸法を容易に最適値に調整して、所定の振動状態を実現することができる。
そして、狙い通りの磁気ギャップ寸法となった状態において、I字状部38の下端面とL字状部37の棒状直線部37Aの先端近くとの接合部にロック剤を塗布して、振動の影響でI字状部38すなわち平板状鉄片28とL字状部37の間で回動しないようにしておくこと、および、この磁気ギャップ寸法の調整を、電線14の端末14A,14B間に所定のパルス電流を供給しながら、出力としての振動が最適状態となるようにしてもよいことは、実施の形態2〜4の場合と同様である。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、磁気ギャップ寸法のバラツキが発生する最大の要因である平板状鉄片28全体が平板状で寸法形状が安定しているので、より安定して効率的な大量生産に適した電磁振動装置を実現できるものである。
【0050】
(実施の形態6)
実施の形態6を用いて、本発明の特に請求項8および9に記載の発明について説明する。
なお、実施の形態1,4または5の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図25は本発明の第6の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図、図26は分解斜視図である。
本実施の形態による電磁振動装置は上記の実施の形態1〜5において説明したものに対して励磁コイルの形成方法が異なるもので、それに伴って各部の構成も違っている。
【0051】
すなわち、実施の形態5と同様に凹字状鉄芯の部分が、棒状鉄芯部40Aおよび第二起立部40BからなるL字状部40と、これと同じ電磁軟鉄で形成されたブッシュ41とに分割されており、このブッシュ41は、実施の形態1と同じ平板状鉄片15と共に、L字状部40の棒状鉄芯部40Aの先端近くに段鋲42によってカシメ固定されている。
また、L字状部40の棒状鉄芯部40Aには絶縁体としての枠体43を挟んで励磁コイルとしての筒状空心コイル44(以降、空心コイル44と表わす)が装着されており、このL字状部40とブッシュ41および平板状鉄片15で磁気回路を構成している。
【0052】
このような構成の電磁振動装置において、空心コイル44へのパルス電流の供給により、L字状部40の第二起立部40Bの頂面と平板状鉄片15の中間の対向部15Cで構成する磁気ギャップが連続的に変化して振動を発生することは、実施の形態1と同様である。
そして、L字状部40に空心コイル44を装着する方法を説明するのが図27の分解斜視図である。
同図に示すように、L字状部40の棒状鉄芯部40Aの先端部から、樹脂製の枠体43のフランジ部43A中央の挿通用孔43Bに挿入し、枠体43の対向する二つのコの字断面の脚部43Cが棒状鉄芯部40Aを挟み付けるように組み合わせた後、更に棒状鉄芯部40Aを挟んだ二つの脚部43Cを、空心コイル44の空心部44Aに被覆電線45の端末45A,45Bが出ている端面側から挿入し、反対側の端面から突出した棒状鉄芯部40Aの先端部を絶縁座板46の角孔46Aに圧入して、絶縁座板46を空心コイル44の端面に密着させることにより、図26に示した鉄心付コイル47とする。
【0053】
なお、上記の説明で、棒状鉄芯部40Aを挟んだ枠体43の二つの脚部43Cを、被覆電線45の端末45A,45Bが出ている端面側から空心コイル44の空心部44Aに挿入するとしたが、これは、空心コイル44の被覆電線45の巻き始め部分である内側の端末45Aを、空心コイル44の端面を通さないで枠体43のフランジ部43Aの外側へ導出するためである。
すなわち、図25および図25のT−T線における断面図である図28に示すように、被覆電線45の内側の端末45Aは、枠体43のフランジ部43A中央の挿通用孔43Bの拡大部43Dを通って、フランジ部43Aの外側すなわちL字状部40の第二起立部40B の下方に導出され、フランジ43Aと一体に形成された係止部40Eに仮固定され、ここから所定の撓みを持たせて、実施の形態1に示した端子板16の端子17A,17B(図1,図2参照)等の所定の端子に接続される。
これによって、被覆電線45の内側の端末45Aを空芯コイル44の端面を通さないで枠体43のフランジ部43Aの外側へ導出することができるので、内側の端末45Aが装着後の空芯コイル44の全長寸法に関係しないようになる。
【0054】
なお、空心コイル44の被覆電線45の巻き終り部分である外側の端末45Bは、枠体43のフランジ部43Aの外周を通って、係止部40Eに仮固定されて所定の端子に接続される。
また、平板状鉄片15の他端部15Bがこの電磁振動装置を使用機器に装着する取付部であることは実施の形態1と同じである。
このように本実施の形態によれば、励磁コイルとして空心コイル44を使用することによって、コイルの巻線作業が容易で効率的であるため安価となり、電磁振動装置全体としても安価になるものである。
更に、本実施の形態による電磁振動装置においても、L字状部40の第二起立部40Bの先端に分銅を装着して、より強い振動を発生するようにできることは、実施の形態1の場合と同様である。
【0055】
なお、上記の本実施の形態による電磁振動装置は、凹字状鉄芯の部分がL字状部40とブッシュ41とに分割されて、実施の形態1と同じ平板状鉄片15を使用した、磁気ギャップを調整できない場合を示したが、これを図29の正面断面図に示すように、凹字状鉄芯の部分を、実施の形態5と同じL字状部37と上記のブッシュ41とに分割して、実施の形態4と同じ平板状鉄片35(または36)を使用すると、段鋲42を中心としてL字状部37と平板状鉄片35を相対的に回動させて、L字状部37の第二起立部37Bの頂面と平板状鉄片35中間の対向部35Cとで構成される磁気ギャップを調整することができる。
また、実施の形態5において、L字状部37にボビン12を介して励磁コイル13としての被覆電線14を巻き付けた鉄芯付コイルの部分を、L字状部37に本実施の形態による空心コイル44と枠体43および絶縁座板46を装着した鉄芯付コイルと置き換えることによっても、励磁コイル13として空心コイル44を使用した、磁気ギャップを調整できる電磁振動装置とすることができる。
【0056】
(実施の形態7)
実施の形態7を用いて、本発明の特に請求項12〜15に記載の発明について説明する。
なお、実施の形態1の構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図30は本発明の第7の実施の形態による電磁振動装置の部分断面の正面図、図31は図30の左側から見た側面図である。
同図に示すように、本実施の形態による電磁振動装置は上記の実施の形態1〜6において説明したものに対して、使用機器に装着する方法およびその回路に電気的に接続する方法が異なるものであり、前記の実施の形態1〜6において説明したように、電磁振動装置を使用機器の筐体19等にネジ止め固定し、接続用端子20A,20Bにリード線を接続して回路に導通するのではなく、使用機器の硬質の配線基板に装着ならびに接続するものである。
同図において、48は、インサート成形加工された二つの金属薄板製の基板用端子49,50を中央の開口部48A内に有する樹脂製の端子板で、その一側面48Bには各基板用端子の接続脚49A,50Aが略垂直に突出していると共に、上方の長孔48Cには平板状鉄片51の対向部51C近傍の取付部としての他端部51Bが圧入およびカシメにより強固に固定され、一側面48Bと平板状鉄片51は平行となっている。
その他の部分の構成は実施の形態1において図1に示したものと同じであり、平板状鉄片51の一端部51A(図30に示さず)は凹字状鉄芯11の第一起立部11A(図30に示さず)に固定され、基板用端子49,50の先端49C,50Cには、係止部12Cに仮固定された励磁コイル13の被覆電線14の両端末14A,14Bが所定の撓みをもって接続されている。
【0057】
ここで、端子板48の製造方法について図32を用いて説明すると、まず、金属薄板を打抜き加工して、同図(a)に示すような端子用金属板52を製作し、次に、これをインサート成形加工して、同図(b)に斜線のハッチングで示す部分に樹脂枠53を形成し、その後、網目上ハッチングで示す数箇所の切断部54を打抜き加工する。
これにより、端子板48の一側面48Bと平行な開口部48A内に、根元が接続脚49A,50Aとそれぞれ導通して樹脂固定され、先端49C,50Cが自由端となった二つの基板用端子49,50が、一側面48Bと略垂直に露出して形成される。
そして、この基板用端子49,50を、図33の端子板の正面断面図に示すように、基板用端子49,50の先端49C,50Cが樹脂枠53の外に出るように折り曲げ加工して、同図(c)に示す端子板48とする。
【0058】
このようにして形成された端子板48は、図31のU−U線における断面図である図34に示すように、基板用端子49,50の先端49C,50Cを外側に向けて、貫通した長孔48C内に平板状鉄片51の他端部51Bを圧入し、反対側に出た両側の爪部51Dを外方に倒すようにカシメることによって、平板状鉄片51に強固に固定される。
なお、長孔48Cの周囲の樹脂枠53には、図32(b)に示すように、端子用金属板52の補強板54が内包されているので、端子板48を平板状鉄片51の他端部51Bに対して、強固にしかも一側面48Bが平行となるように取り付けることができる。
【0059】
このようにして、平板状鉄片51の他端部51Bに取り付けられた端子板48の基板用端子49,50は、図30において二点鎖線で示すように、左方向すなわち係止部12Cから遠ざかる方向に折り曲げられた状態であり、この状態において、係止部12Cに仮固定された被覆電線14の両端末14A,14Bを基板用端子49,50の先端49C,50Cに接続し、その後、図30に矢印で示すように実線で示す位置まで押し戻し、端子板48の一側面48Bに対し略垂直な状態にする。
これによって、基板用端子49,50が端子板48の開口部48A内に収まるので全体としてコンパクトになり、他の部材との無用な接触を避けられると共に、係止部12Cと基板用端子49,50それぞれの先端49C,50Cとの間において、被覆電線14の両端末14A,14Bに所定量の撓みを設けることができる。
【0060】
そして、本実施の形態による電磁振動装置を使用機器の硬質の配線基板に装着する場合には、図35の使用機器に装着した状態の部分断面の正面図に示すように、端子板48の一側面48Bから突出した二つの基板用端子49,50それぞれの接続脚49A,50Aを、使用機器の硬質の配線基板55に設けられた、接続脚49A,50Aの外周との隙間が小さい係合孔55Aに挿入し、一側面48Bが配線基板55の表面に密着した状態で、配線基板55の裏面に突出した接続脚49A,50Aの先端を捻り加工して仮固定した後に、同図に二点鎖線で示すように半田付けして、係合孔55Aの周囲のパッド56に固定する。
これによって、端子板48すなわち電磁振動装置を配線基板55に固定する基板用端子49,50を配線基板55の係合孔55Aに対して強固に固定し、同時に電気的に接続をすることができるものである。
【0061】
なお、上記の本実施の形態による電磁振動装置は、実施の形態1と同様の平板状鉄片51および凹字状鉄片11を使用した、磁気ギャップを調整できない場合を示したが、これを実施の形態2〜6において示した磁気ギャップを調整できるタイプにも適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、励磁コイルにパルス電流を供給することによって凹字状鉄芯と平板状鉄片とで構成する磁気回路に発生する断続的な磁束による吸引力と平板状鉄片の弾発力により、凹字状鉄芯の起立部と平板状鉄片との磁気ギャップが連続的に変化して、平板状鉄片が連続的に弾性変形し、凹字状鉄芯および励磁コイルが可動体となって強い振動を発生する電磁振動装置であり、しかも磁気ギャップ部を構成する弾性部材である平板状鉄片は、硬くて弾性を有する高透磁率・軟質磁性材料を平板状に打抜き加工するだけであるから、個片加工時および組み立て時の寸法変化が少なくて磁気ギャップ寸法の確保が容易である電磁振動装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】同使用機器に装着した状態の部分断面の正面図である。
【図4】図3のP−P線における断面図である。
【図5】同使用される駆動回路の基本構成を示すブロック図である。
【図6】同励磁コイルに供給されるパルス電流の波形図である。
【図7】同凹字状鉄芯の構成が異なるものの正面断面図である。
【図8】同分銅の装着方法を説明する分解斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図である。
【図10】同要部の分解斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図である。
【図12】同平板状鉄片の固定方法を説明する分解斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図である。
【図14】同分解斜視図である。
【図15】図13のQ−Q線における断面図である。
【図16】同平面図である。
【図17】同磁気ギャップの調整方法を説明する平面図である。
【図18】同磁気ギャップの変化状態を説明する図13のQ−Q線における断面図である。
【図19】同平板状鉄片の構成が異なるものの正面断面図である。
【図20】(a)同平板状鉄片の平面図、(b)同平板状鉄片の正面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図である。
【図22】同分解斜視図である。
【図23】図21のR−R線における断面図である。
【図24】図12のS−S線における断面図である。
【図25】本発明の第6の実施の形態による電磁振動装置の正面断面図である。
【図26】同分解斜視図である。
【図27】同L字状部に空心コイルを装着する方法を説明する分解斜視図である。
【図28】図25のT−T線における断面図である。
【図29】同他の構成の電磁振動装置の正面断面図である。
【図30】本発明の第7の実施の形態による電磁振動装置の部分断面の正面図である。
【図31】同側面図である。
【図32】同端子板の製造方法説明図である。
【図33】同端子板の正面断面図である。
【図34】図31のU−U線における断面図である。
【図35】同使用機器に配線基板に装着した状態の部分断面の正面図である。
【図36】従来の電磁振動装置の正面断面図である。
【図37】同分解斜視図である。
【符号の説明】
11,25,27,30,34 凹字状鉄芯
11A,27A,30A,34A 第一起立部
11B,25B,27B,30B,34B,37B,40B 第二起立部
11C,27C,37A,40A 棒状鉄芯部
11D,16A,25D,34D,38A,38B ダボ
12 ボビン
12A 上ボビン
12B 下ボビン
12C,40E 係止部
13 励磁コイル
14,15 被覆電線
14A,14B,45A,45B 端末
15,28,31,35,36,51 平板状鉄片
15A,28A,31A,35A,36A,51A 一端部
15B,28B,31B,35B,36B,51B 他端部
15C,28C,31C,35C,36C,51C 対向部
15D 取付孔
16,48 端子板
16B,26A 中央孔
17A,17B 端子
18 ネジ
19 筐体
20A,20B 接続用端子
21 スイッチ
22 電池
23 パルス電流回路
24 演算装置
26 分銅
27D,30D ネジ穴
27E,30E,38C 突起
28D,31D,32B,35E,37D 丸孔
28E 切込み
29,33 ネジ
31E,32C 切込み
32 調整板
32A 突出部
35D 捻回点
37,40 L字状部
38 I字状部
42 段鋲
43 枠体
43A フランジ部
43B 挿通用孔
43C 脚部
43D 拡大部
44 筒状空心コイル
44A 空心部
46 絶縁座板
46A 角孔
47 鉄芯付コイル
48A 開口部
48B 一側面
48C 長孔
49,50 基板用端子
49A,50A 接続脚
49C,50C 先端
52 端子用金属板
53 樹脂枠
54 切断部
51D 爪部
54 補強板
55 配線基板
55A 係合孔
56 パッド

Claims (16)

  1. 筒状の励磁コイルと、棒状鉄芯部が絶縁体を介して前記励磁コイルの貫通孔に挿通固定されると共に、両端がそれぞれ垂直方向に突出して略平行な第一および第二起立部となった高透磁率・軟質磁性材料製の凹字状鉄芯と、この凹字状鉄芯の前記第一起立部の先端に一端部が固定され、中間の対向部が前記第二起立部の頂面と所定のギャップを空けて対峙して磁気ギャップ部を構成すると共に、前記対向部の近傍が取付部となった、前記凹字状鉄芯よりも高硬度で弾性を有する高透磁率・軟質磁性材料製の平板状鉄片からなり、前記励磁コイルに供給されるパルス電流によって前記凹字状鉄芯と平板状鉄片とで構成される磁気回路に発生する断続的な磁束による吸引力と前記平板状鉄片の弾発力により、前記凹字状鉄芯の第二起立部の頂面と前記平板状鉄片中間の対向部との磁気ギャップが連続的に変化することによって、前記平板状鉄片が連続的に弾性変形し、前記凹字状鉄芯および励磁コイルが可動体となって振動を発生する電磁振動装置。
  2. 凹字状鉄芯の第一起立部の頂面が棒状鉄芯部の長手方向に沿って中央が窪んだ形状で、中心にネジ穴を有しており、このネジ穴に対応した径のネジを、前記第一起立部頂面に載せられた平板状鉄片の一端部に設けられた、前記ネジ穴と同心の穴に通して上記ネジ穴にねじ込むことによって上記平板状鉄片を前記凹字状鉄芯の第一起立部頂面に固定するようにした請求項1記載の電磁振動装置。
  3. 第一起立部の頂面が平面で中心にネジ穴を有する凹字状鉄芯と、前記第一起立部の頂面に載せられた一端部に前記ネジ穴と同心の孔を有する平板状鉄片と、前記第一起立部頂面よりも大きい平板状で、前記第一起立部頂面から第二起立部側に外れた位置で下面端部の突出部が前記平板状鉄片の上面に当接するように前記平板状鉄片に重ねて配設され、前記ネジ穴と同心の孔を有する調整板とを備えており、前記ネジ穴に対応した径のネジを、前記調整板の孔および前記平板状鉄片の孔に通して前記ネジ穴にねじ込むことによって前記平板状鉄片を前記凹字状鉄芯の第一起立部頂面に固定するようにした請求項1記載の電磁振動装置。
  4. 平板状鉄片の一端部が凹字状鉄芯の第一起立部の頂面に回動可能に取り付けられると共に、磁気ギャップ部を構成する、前記凹字状鉄芯の第二突起部の頂面と前記平板状鉄片中間の対向部が、前記平板状鉄片の一端部の回動面に対して所定の角度だけ傾斜した状態で対峙している請求項1記載の電磁振動装置。
  5. 平板状鉄片の一端部の回動面と、磁気ギャップ部を構成している中間の対向部との間が所定の角度だけ捻られている請求項4記載の電磁振動装置。
  6. 平板状鉄片中間の磁気ギャップ部を構成する対向部のみが、前記平板状鉄片の回動面に対して所定の角度だけ傾斜するように捻られている請求項4記載の電磁振動装置。
  7. 凹字状鉄芯を、棒状鉄芯部および第二起立部からなるL字状部と第一起立部であるI字状部とに分割し、全体が一つの平板である平板状鉄片の一端部を前記I字状部の上端に所定の角度だけ傾斜して固定すると共に、前記I字状部の下端を前記L字状部の棒状鉄芯部の先端に、前記I字状部と前記第二起立部が略平行でしかも回動可能であるように取り付けた請求項4記載の電磁振動装置。
  8. 凹字状鉄芯を、棒状鉄芯部および第二起立部からなるL字状部と第一起立部であるI字状部とに分割し、前記L字状部の棒状鉄芯部を先端部から励磁コイルとしての筒状空芯コイルの空芯部に挿入し、絶縁体を介して固定した後、外方に突出した前記先端部に前記I字状部を結合した請求項1記載の電磁振動装置。
  9. 筒状空芯コイルの被覆電線の内側端末を、絶縁体端部のフランジ部に設けられた、棒状鉄芯部の挿通用孔の拡大部に通して、前記L字状部の第二起立部近傍に設けられた、前記フランジ部と一体の係止部に仮固定し、所定量の撓みを持たせて、所定の端子に接続するようにした請求項8記載の電磁振動装置。
  10. 励磁コイルの被覆電線の両端末を、凹字状鉄芯の第二起立部近傍の、前記励磁コイルと前記凹字状鉄芯の棒状鉄芯部の間に介在する絶縁体と一体の係止部に仮固定し、所定量の撓みを保って、平板状鉄片の取付部に固定された二つの接続用端子に接続した請求項1記載の電磁振動装置。
  11. 二つの接続用端子の、励磁コイルの被覆電線の両端末を接続する部分の間に段差が設けられている請求項10記載の電磁振動装置。
  12. インサート成形加工された金属薄板製の二つの基板用端子の接続脚が一側面から略垂直に突出する樹脂製の端子板を、前記一側面が平板状鉄片と平行になるように、前記平板状鉄片の取付部に固定した請求項10記載の電磁振動装置。
  13. 平板状鉄片の取付部が、端子板の一側面と平行な貫通孔に圧入固定され、この貫通孔の周囲が、基板用端子形成用の金属薄板から一体形成されてインサート成形固定された、補強板により補強されている請求項12記載の電磁振動装置。
  14. 端子板の一側面と平行な開口部内に前記一側面と略垂直に露出した、根元が接続脚と導通して樹脂固定され先端が自由端となった二つの基板用端子を、前記先端が絶縁体の係止部から遠ざかる方向へ折り曲げた状態で、前記先端に励磁コイルの被覆電線の両端末を接続し、その後に、前記基板用端子を前記一側面と略垂直な状態に戻した請求項12記載の電磁振動装置。
  15. 端子板の一側面から突出した二つの基板用端子の接続脚を使用機器の硬質の配線基板の係合孔に挿入し、前記一側面が前記配線基板表面に密着した状態で、前記配線基板裏面に突出した前記接続脚の先端を、捻り加工した後に前記係合孔の周囲のパッドに半田付け固定する請求項12記載の電磁振動装置。
  16. 凹字状鉄芯の第二起立部の近傍に、所定重量の分銅を装着した請求項1記載の電磁振動装置。
JP2003153235A 2003-05-29 2003-05-29 電磁振動装置 Expired - Fee Related JP3809869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003153235A JP3809869B2 (ja) 2003-05-29 2003-05-29 電磁振動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003153235A JP3809869B2 (ja) 2003-05-29 2003-05-29 電磁振動装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004351345A true JP2004351345A (ja) 2004-12-16
JP2004351345A5 JP2004351345A5 (ja) 2005-07-07
JP3809869B2 JP3809869B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=34048243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003153235A Expired - Fee Related JP3809869B2 (ja) 2003-05-29 2003-05-29 電磁振動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3809869B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020092495A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 日本電産サンキョー株式会社 アクチュエータ、およびアクチュエータの製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009211417A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Hosiden Corp タッチパネル入力装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020092495A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 日本電産サンキョー株式会社 アクチュエータ、およびアクチュエータの製造方法
JP7166156B2 (ja) 2018-12-04 2022-11-07 日本電産サンキョー株式会社 アクチュエータ、およびアクチュエータの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3809869B2 (ja) 2006-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10790735B2 (en) Vibration generator moving vibrator by magnetic field generated by coil and holder used in vibration-generator
US20200376519A1 (en) Vibration generator moving vibrator by magnetic field generated by coil and vibrator-mounted holder used in vibration-generator
JP6049266B2 (ja) 振動発生器
JP4795839B2 (ja) 振動発生装置
US11383270B2 (en) Vibration generator for vibrating in multiple directions
JP6373816B2 (ja) 弾性部材付き振動子及び振動発生器
JP6203484B2 (ja) 振動発生器
JP6328305B2 (ja) 振動発生器
JP2004351345A (ja) 電磁振動装置
CN102035339B (zh) 水平线性振动器
JP2018161047A (ja) 振動発生器
JP2021166995A (ja) 振動発生器
JP7240948B2 (ja) 振動発生装置
KR20010091042A (ko) 전자석 음향 발생기
JP2005183262A (ja) シングルステイブル型有極電磁リレー
JP7274607B2 (ja) 振動発生装置
JP2001236073A (ja) 接点バネを有する発音体
JP6918904B2 (ja) 振動発生器
JP6681426B2 (ja) 振動発生器
JP6351372B2 (ja) 振動発生器
JP2003039019A (ja) 電磁振動装置およびその製造方法
JP6377112B2 (ja) 振動発生器
JP7152438B2 (ja) 振動発生器
JP6298567B2 (ja) 振動発生器
JP2017127872A (ja) 振動発生器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041105

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees