JP2004351296A - 材料混練装置 - Google Patents

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【課題】小さなスペースで注入作業の時間短縮を図れるようにする。
【解決手段】材料混練装置は、材料を貯留するタンク11、該タンクの一方に配置して材料を混練、吐出する複数の混練ポンプ12,13、該タンクから複数の混練ポンプに材料を移送する移送手段14、該移送手段の投下口に設けられ、各混練ポンプに対して選択的に材料を投下する切換手段16を備え、複数の混練ポンプを、各混練ポンプの側面に形成された少なくとも操作スイッチ20,21が他の混練ポンプで隠されない間隔をおいて前後方向にずらして並置し、該複数の混練ポンプによりそれぞれ材料を混練、吐出させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は材料混練装置に係わり、特に、トンネル等の狭い空間で、ドライモルタル等のドライミックス材料を混練して、各種注入作業を効果的に行なうために好適な材料混練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル等の狭い空間でドライミックス材料(特にドライモルタル)を大量に混練打設することが可能な材料混練装置が提案されている(特許文献1)。この種材料混練装置は、図8、図9に示すようにトンネル空間TNLにおいて、ロックボルト工A、脚部補強工B、先受工C、鏡補強工Dなど定着材の注入が必要とされる作業に用いられている。なお、図8ではトラックTRKの荷台に搭載された材料混練装置MMEにより、ロックボルト工Aに定着材を注入している状態及び高所作業車両(ドリルジャンボ)HWCにより先受工Cを打設している状態を示している。
【特許文献1】特許第3256532号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
大断面トンネルにおいては、一つの断面で打設すべきロックボルト本数つまり注入数が多くなる。ロックボルト本数が多くなっても、そのロックボルト打設作業を早期に、かつ短時間で行なうことは、地山を緩めないために、また他のトンネル構築作業(堀進、履工)の進行とも兼ね合わせて非常に重要である。
又、ロックボルト工と並行して上記の脚部補強工、先受工、鏡補強工等を行なう場合には、定着材の注入作業が一層増え、この作業も完了しなければ切羽E(図8参照)を掘進することが出来ない。
【0004】
そこで、この種材料混練装置MMEを2台乃至複数台用いて注入作業の時間短縮を図ることが提案されているが、各材料混練装置MMEは、図10に示すように、混練ポンプ1、材料(ドライミックス材料)DMを大量貯留するタンク2、タンクからポンプに材料DMを移送する移送手段(スクリュポンプ)3により構成されるため、切羽Eの近傍の狭い空間がそれだけ塞がってしまう。また、それぞれのタンク2に対しクレーン等で吊り下げた材料供給袋MSB(図11参照)から材料を供給する作業を行なうため、高さ方向にもスペースを設けておく必要がある。トンネルTNLでは、図11に示すように、側壁部分では高さ方向のスペースが確保出来ない(中央部では高さH1あっても側壁に近づけば高さH2しかない)ために、断面中央部にこのような装置を2台以上配置させなければならず、しかも各装置の両側にもメンテナンスの為の幅を必要とするため全体として幅W1、W2が必要となり、かなり邪魔となる問題がある。
以上から、本発明の目的は、小さなスペースで注入作業の時間短縮を図ることが出来るようにした材料混練装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様において、材料混練装置は、材料を貯留するタンク、該タンクの一方に配置して材料を混練、吐出する複数の混練ポンプ、該タンクから複数の混練ポンプに材料を移送する移送手段、該移送手段の投下口に設けられ、各混練ポンプに対して選択的に材料を投下する切換手段を備え、前記複数の混練ポンプを、各混練ポンプの側面に配設された少なくとも操作スイッチが他の混練ポンプで隠されない間隔をおいて前後方向にずらして並置し、該複数の混練ポンプによりそれぞれ材料を混練、吐出させて構成される。
第1の態様によれば、小さなスペースで複数台の混練ポンプを稼動させ、効率的な注入作業を行い、これにより1断面において必要な注入作業を早期に、かつ短時間で完了することが可能となる。よって、より地山を緩めない施工が可能となり、施工の安全性、構造全体の信頼性が向上する。
【0006】
本発明の第2の態様において、材料混練装置は、材料を貯留するタンク、該タンクの一方に縦列配置して材料を混練、吐出する複数の混練ポンプ、該タンクから複数の混練ポンプに材料を移送する移送手段、該移送手段の投下口に設けられ、各混練ポンプに対して選択的に材料を投下する切換手段を備え、該複数の混練ポンプによりそれぞれ材料を混練、吐出させて構成される。
第2の態様によれば、複数の混練ポンプを縦列配置することにより材料混練装置を稼動させるために必要なスペースが、前後方向に伸びるだけで、断面方向に幅をとる必要もなくなる。また各混練ポンプの左右が完全にオープンになるので、混練ポンプの駆動・停止操作が出来るだけではなく、そのメンテナンスも容易になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例
図1は本発明の材料混練装置によりロックボルト用の注入作業を行なっている状態を示すトンネル横断面図、図2は本発明の材料混練装置の側面図、図3は、本発明の材料混練装置の平面図、図4は本発明の材料混練装置の正面図である。
第1実施例の材料混練装置10は、材料を貯留するタンク11、タンクの一方、実施例では前方に略並列に配置する2台の混練ポンプ12,13、タンクから2台のポンプに材料を移送する移送手段(スクリュポンプ)14を有し、移送手段の先端側には2股に分かれて2ヶの投下口15a,15bが設けられている。
混練ポンプ12,13は、ドライミックス材料を混練して吐出する混練ポンプ部12a,13a、材料を混練ポンプ部に供給する材料供給部(ホッパ)12b,13b、フレーム(架台)12c,13cで構成されている。混練ポンプ部12a,13aは、モータ61a、ゴムウォーム61b、混合室61c、撹拌器61d、偏心ウォームポンプ61e、吐出口61f等を備え、ホッパ12b,13bは入口開口部61gを介してゴムウォーム61bに材料を供給する。ゴムウォーム61bは材料が投入されると、該材料を混合室61cに送りこみ、撹拌器61dは混合室において水バルブを介して送り込まれた水と材料の混合を行い、偏心ウォームポンプ61eは水と混合した材料をポンピングして吐出口61fに送出して吐出する。従って、吐出口61fに注入ホース61hを装着することにより、混練された定着材を該ホースを介して定着材打設位置に圧送することができる。
【0008】
材料貯留用のタンク11の漏斗状に形成されたタンク内部にはドライミックス材料1ton分の貯留空間71があり、貯留空間はタンク側面に設けられた覗き窓(図1では紙面の反対に位置するため図示せず)から可視可能である。タンク屋根部72の頂部には材料受入口73が設けられ、蓋74を開けて袋に詰め込まれた大量の材料をタンク内の貯留空間71に投入できるようになっている。タンクの材料受入口73には籠状のメッシュ75が嵌め込まれており、ここから投入したドライミックス材料に塊があるとそれを篩う機能を有している。開閉自在なシャッタ76は軸方向に2個並んで設けられており、タンク貯留空間71よりスクリュポンプ14に材料を供給したり、あるいは材料供給を停止したり、材料供給量を調整する機能を有している。フレーム(架台)77は、タンク11、スクリュポンプ14を固定保持する。
【0009】
スクリュポンプ14は、タンク11の貯留空間71とシャッタ76を介して連通するように設けられると共に、タンク11とホッパ12b,13b間を連結する形で横方向に斜めに設けられている。スクリュポンプ14は、その内部の羽根付き軸81の回転動作によってケーシング82の内部を通してドライミックス材料を移送する公知の構成を有している。ケーシング82は筒状になっているが、タンク11の底部では切り欠かれ、タンクよりドライミックス材料を受容可能になっている。タンク11とケーシング82は溶接等により一体にされ、シャッタ76はタンク11の底部をスライドして開閉量を調整できるようになっている。スクリュポンプ14はジョイント部83で、分離自在に直列接続された形となっており、ジョイント部近傍の下側にはスクリュポンプ14を支える支持部84が設けられている。スクリュポンプ14をジョイント部83より分離することにより、材料が詰まった部分(ケーシング/羽根付き軸)を交換したり、覗いて詰まり場所を確認したり、清掃することができる。スクリュポンプ14の端部には羽根付き軸81を駆動するモータ85が設けられている。ホッパ12b,13b内の材料貯留量が共に設定量より多くなればモータ85は回転を停止し、羽根付き軸81の駆動を停止する。モータを再起動するには起動スイッチを操作する。
【0010】
2ケの投下口15a,15bの分岐部には、切換手段16が設けられており、この切換手段16はスクリュポンプ14により移送された材料を投下口15a,15bのいずれか一方に(即ちいずれか一方の混練ポンプ12、13に)選択的に投下することが出来る。図示例における切換手段16は、レバーの操作により投下口分岐部にある仕切り板を回転させ、材料投下方向を変える。なお、投下口の切換は、手動タイプでは人力で行なうが、コントローラにより仕切り板を回転制御することも可能である。
【0011】
コントローラ制御タイプでは、各投下口15a,15bに、混練ポンプ12,13のホッパ12b、13b内にある材料の高さを検出するセンサ19a,19bが取付けられている。このコントローラ制御タイプでは、図5に示すように、コントローラ51がON状態において、材料投入中のホッパ(ホッパ12bとする)内の材料貯留量が設定量により多くなければ、センサ19aが切換信号S1をコントローラ51に送る。監視判定部51aは切換信号S1,S2の発生の有無を監視しており、切換信号S1の発生を検出すればプロセッサ51bに通知する。これにより、コントローラ51のプロセッサ51bは切換制御部51cを介して切換手段16を駆動して投下口を切り換えて、他方の混練ポンプ13のホッパ13bに材料を投下する。ホッパ12b、13bがともに満杯になってセンサ19a,19bが2つとも切換信号S1,S2を送っている場合には、プロセッサ51bはモータ駆動制御部51dを介してスクリューポンプ14の駆動モータ85の回転を停止するよう制御する。これにより、スクリュポンプ14は材料の移送を停止する。
【0012】
各混練ポンプ12,13の一方の側面には、電装部品が収納されたスイッチボックス20,21が設けられており、2台のポンプ12,13は図2に示すように、スイッチボックス20,21の表面に取り付けられた操作スイッチが隠れないように前後にずらして配置してあり、これにより、材料混練装置に必要とされるトンネル横断方向幅Wは、図1に示すように、混練ポンプ12,13を2台隙間無く接触して並べて置いた幅分だけとなり、幅が狭くなる。
なお、実施例における材料混練装置10のタンク11の容量は約1000リットルまたは500リットル、混練ポンプ12,13のホッパ容量は約50リットルである。
上記材料混練装置によれば、図1に示すように、混練ポンプを2台同時に稼動させて、注入作業を行なうことが出来る。
【0013】
作業を行なうに際しては、まず、スクリュポンプ14のモータ85を駆動してタンク11から2ケの混練ポンプ12,13のホッパ12b,13bにそれぞれドライモルタルなどのドライミックス材料を送る。ホッパ12b,13b内に材料が入った状態で水バルブを開け、モータ61aを起動して混練ポンプ部12a,13aを駆動すると、材料が混練され、所定の圧力で吐出される。2台の混練ポンプ12,13の吐出状況は作業の進行状況に応じて逐次変化するため、各ホッパの材料残量は常に異なってくる。切換手段16を人力で操作する場合には、各混練ポンプ12,13のホッパ残量を目視し、状況に応じて切換手段16を操作し、スクリュポンプ14により移送された材料をいずれか一方の材料混練装置12,13に投下し、あるいは、スクリュポンプ14の駆動モータ85を停止させ、材料移送を停止させる。注入作業時、2台の混練ポンプ12,13は、その操作スイッチが重ならないよう前後にずらして配置されているため、省スペースでスイッチ操作を行なうことができる。
【0014】
また、作業時、コントローラ51(図5参照)を用いる場合には、2ヶ所の投下口15a,15bに取付けられたセンサ19a,19bがそれぞれ混練ポンプのホッパ12b,13bの口元まで材料が溜まってきたかを常時監視し、ホッパ内の材料貯留量が設定量より多くなれば、センサ19a,19bが切換信号を監視判定部51aに送る。これにより、プロセッサ51bが切換制御部51dを介して切換手段16を駆動して他方の混練ポンプに材料を投下する。センサ19a,19bが2つとも切換信号S1,S2を送っている場合には、プロセッサ51bは、モータ駆動制御部51dを介してスクリュポンプ14の駆動モータ85を停止する。なお、混練ポンプへの材料の自動投下を中止するには、スイッチボックスの外部切換スイッチ31(図5参照)により投下停止を入力する。投下停止の入力により、プロセッサ51bはモータ駆動制御部51dを制御してスクリュポンプ14の駆動モータ85を停止する。
上記制御により、材料混練装置のスクリュポンプ14は極力駆動停止することなく連続的に2ケの混練ポンプ12,13に材料を供給し続けるので、機械の稼動効率が良い。
【0015】
タンク11の容量は2ケのホッパ12b,13bの容量に比して十分大きいため、混練ポンプ12,13の稼動状況に拘わらず、タンク11内の材料分量が少なくなってきた任意のときに、材料補給を行なうことが出来る。材料補給には、タンク11の蓋74を開けてその上方に、1ton又は0.5ton入りの材料が入った材料供給袋をクレーンで吊り下げる形でセットし、非図示の材料投入治具をタンク上に設置してその上に袋を載せて、材料を投下する。従って材料補給のための作業半径が必要となるが、そのために必要となるタンク左右の幅は、混練ポンプを2台並べた幅W程度ですむ。
第1実施例によれば、小さなスペースで2台の混練ポンプ12,13を稼動させ、効率的な注入作業を行い、これにより1断面において必要な注入作業を早期に、かつ短時間で完了することが可能となる。よって、より地山を緩めない施工が可能となり、施工の安全性、構造全体の信頼性が向上する。
【0016】
(B)第2実施例
図6は、本発明の材料混練装置の別の実施例を示す平面図、図7は一部概略側面図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
第2実施例の材料混練装置100は、2台の混練ポンプ12,13を前後方向(スクリュポンプ方向)に縦列配置して注入を行なう。この第2実施例によれば、第1実施例より若干長めのスクリュポンプ14を用い、その前後2ヶ所に材料投下口15a,15bを設け、2ヶ所の投下口を接続する形でそのいずれか一方に材料を投下する切換手段16を設ける。切換手段は先の例と同様に、手動の場合は、レバーを動かすことにより仕切り板を前後に移動させて、いずれかの投下口を開放する。コントローラによる切換制御も第1実施例と同様である。
第2実施例によれば、2台の混練ポンプ12,13を稼動させるために必要なスペースが、前後方向に伸びるだけで、断面方向に幅をとる必要もなくなる。また各混練ポンプ12,13の左右が完全にオープンになるので、混練ポンプの駆動・停止操作が容易にできるだけではなく、そのメンテナンスも容易になる。
以上、実施例では2台の混練ポンプを配置する例であるが本発明は2台に限らず3台以上配置する場合にも適用することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上本発明によれば、小さなスペースで2台の混練ポンプを稼動させ、効率的な注入作業を行い、これにより1断面において必要な注入作業を早期に、かつ短時間で完了することが可能となる。よって、より地山を緩めない施工が可能となり、施工の安全性、構造全体の信頼性が向上する。
また、本発明によれば、複数の混練ポンプを縦列配置することにより材料混練装置を稼動させるために必要なスペースが、前後方向に伸びるだけで、断面方向に幅をとる必要もなくなる。また各混練ポンプの左右が完全にオープンになるので、混練ポンプの駆動・停止操作が容易にできるだけではなく、そのメンテナンスも容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の材料混練装置によりロックボルト用の注入作業を行なっている状態を示すトンネル横断面図である。
【図2】本発明の材料混練装置の側面図である。
【図3】本発明の材料混練装置の平面図である。
【図4】本発明の材料混練装置の正面図である。
【図5】制御系構成図である。
【図6】第2実施例の材料混練装置の平面図である。
【図7】第2実施例の材料混練装置の一部概略側面図である。
【図8】定着材の注入が必要とされる作業説明図である。
【図9】定着材の注入が必要とされる作業の別の説明図である。
【図10】従来の材料混練装置を用いて作業する場合の説明図である。
【図11】従来の材料混練装置を複数台用いて作業する場合において、材料をタンクに補給する場合の説明図である。
【符号の説明】
10 材料混練装置
11 タンク
12、13 混練ポンプ
14 移送手段(スクリュポンプ)
15a,15b 投下口
16 切換手段
19a,19b センサ
20,21 スイッチボックス

Claims (2)

  1. 材料を貯留するタンク、
    該タンクの一方に配置して材料を混練、吐出する複数の混練ポンプ、
    該タンクから複数の混練ポンプに材料を移送する移送手段、
    該移送手段の投下口に設けられ、各混練ポンプに対して選択的に材料を投下する切換手段、
    を備え、前記複数の混練ポンプを、各混練ポンプの側面に配設された少なくとも操作スイッチが他の混練ポンプで隠されない間隔をおいて前後方向にずらして並置し、該複数の混練ポンプによりそれぞれ材料を混練、吐出させる材料混練装置。
  2. 材料を貯留するタンク、
    該タンクの一方に縦列配置して材料を混練、吐出する複数の混練ポンプ、
    該タンクから複数の混練ポンプに材料を移送する移送手段、
    該移送手段の投下口に設けられ、各混練ポンプに対して選択的に材料を投下する切換手段、
    を備え、該複数の混練ポンプによりそれぞれ材料を混練、吐出させる材料混練装置。
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