JP2004348800A - 情報再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録トラックから情報を読み取るピックアップ15と、読み取られた情報からウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段16と、検出されたウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段17と、デジタル化されたウオブル信号の周波数解析を行う周波数解析手段21と、周波数解析結果に基づいてディスク13上の傷を判別して傷判別信号を出力する傷予測手段22とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−R等に代表される記録可能な光ディスクから変調された情報データを再生する光ディスク記録再生装置に係り、特に光ディスク上の蛇行した記録トラックからWobble(以降、ウオブルと称する)信号を再生する情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録可能な光ディスクには、追記型(Write Once)と、書き換え可能型(Erasable)とがある。これらの記録可能な光ディスクには、ディスク上の絶対アドレス情報やディスクに記録する上の最適レーザパワー等がバイフェーズ変調され、さらにこれがFM変調されて記録トラック上の小さな蛇行(ウオブル)として、あらかじめディスク上に記録されている。これはATIP(Absolute Time In Pregroove)と呼ばれるもので、CD−Rを通常線速度で再生した場合、ウオブルの中心周波数は22.05[kHz]となる。
【0003】
CD−Rディスクでは、記録時及び再生時共に、上記中心周波数22.05 [kHz]のウオブル信号を再生することでATIP情報を検出しており、特に記録時においては記録位置の確認にATIP情報を用いる他に手段がなく、安定したATIP情報の検出がディスクへの記録品質向上を考える上において必要不可欠である。
【0004】
図5は、従来の光ディスク再生装置の主要構成例を示すブロック図である。図5において、1は記録用光ディスク、2は光ディスク1を回転させるためのスピンドルモータ、3はスピンドルモータ2の回転を制御するためのモータ回転制御回路、4はレーザピックアップ、5はウオブル信号検出回路、6は検出したウオブル信号の中から所定の周波数成分のみ抽出するためのバンドパスフィルタ (BPF)、7はウオブル信号を2値化するウオブル2値化回路、8はATIPアドレス情報検出回路を示し、9はATIPアドレスデータ、10はドロップアウト信号である。
【0005】
以下、上記構成の従来技術による情報再生装置の動作について説明する。モータ回転制御回路3は、スピンドルモータ2の回転に伴い発生するパルス信号(図示せず)に基づいてスピンドルモータ2の回転数に応じた信号(図示せず)を生成し、これを所定の目標値と比較して回転誤差信号(図示せず)を生成し、この信号にフィルタ処理等を施すことで、スピンドルモータ制御信号を得る。この制御信号によってスピンドルモータ2を所定の速度で駆動することができる。
【0006】
スピンドルモータの駆動方法としては、ATIPアドレス情報検出回路8によって生成されるATIP情報の中に含まれるSync(同期)信号を用いて、このSync信号がある所定の目標時間おきに検出されるようにスピンドルモータ2の回転速度を制御する回路も、一般的に広く知られている。
【0007】
また、レーザピックアップ4が出力するフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号を入力とし、サーボ回路(図示せず)によってこれらの信号に対して位相補償等を施し、その出力信号に基づいてレーザピックアップ4のアクチュエータ(図示せず)を駆動することにより、対物レンズを動かして光ビームスポットを記録用光ディスク1の記録面に追従させると共に、記録トラックに追従させる制御が行われる。
【0008】
レーザピックアップ4により検出された信号はウオブル信号検出回路5に入力され、ウオブル信号検出回路5は入力検出信号より記録用光ディスク1のウオブル信号を検出する。図6はこの時のレーザピックアップ4の動きを説明する図である。
【0009】
図6において、11は記録面上に集光されたレーザビームスポット、12は記録用光ディスク1上に生成されているウオブルである。矢印が示すのは記録用光ディスク1の回転に伴ってレーザビームスポット11が記録面上を相対的に移動する方向である。トラッキング制御が正常にかかっている場合は、レーザビームスポット11は記録用光ディスク1上の目標トラック上を正確にトレースして矢印の方向に進む。
【0010】
通常のトラッキングの追従周波数は、ウオブル中心周波数(22.05[kHz])に比べて十分に遅く、そのためトラッキング制御はウオブル信号にほとんど追従しない。したがってウオブル信号はトラッキング誤差成分であると解釈することが可能である。トラッキング誤差成分の検出回路については、ここでは言及しない。
【0011】
このようにして検出されたトラッキング誤差信号の中から、ウオブル信号のみを抽出するための回路としてBPF6が用いられる。BPF6の中心通過周波数は、1倍速の再生時で22.05[kHz]である。これはウオブル信号の中心周波数に他ならない。BPF6の出力信号は、バイフェーズ復調のためのウオブル2値化回路7へと入力される。
【0012】
ウオブル2値化回路7から出力される2値化データの品質は、ATIPアドレス情報の品質、或いは記録動作中のスピンドルモータ制御の品質に大きな影響を及ぼしている。そのため、この2値化データの品質向上のために、様々な手法が考案されている。一つの方法として、ウオブル信号の中心周波数帯域のS/N比の向上を図ることで2値化データの精度を向上させることが知られている(特許文献1参照)。
【0013】
ウオブル2値化回路7から出力される2値化データは、ATIPアドレス情報検出回路8へと入力される。ATIPアドレス情報検出回路8でバイフェーズ復調及びFM復調処理を施してアドレスデータ9を生成する。ウオブル2値化データは、中心周波数22.05[kHz](1倍速再生時)である特性を利用することで、ATIPアドレス情報検出回路8はドロップアウト信号10を生成することが可能である。
【0014】
ドロップアウト信号10は、記録用光ディスク1からウオブル信号が、正常に再生されなかったことを示す信号である。ドロップアウト信号10は、記録用光ディスク1への記録を行う際に、非常に重要な役割を担っている。なぜならドロップアウト信号10が検出されるということは、光ディスク1上のウオブル信号を正常に再生することができなかったことを示し、その影響により記録用クロック生成用PLLがロック状態から外れ、暴走する恐れがあるからである。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−63766号公報 (第3頁、第1図)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そのためドロップアウト検出信号は、記録用PLLのホールド信号等に応用されている。しかしながら、ドロップアウト検出信号10は、ウオブル信号を2値化した後に生成しているため検出精度に問題があり、そのため記録用クロックの品質劣化等を招き、ひいては記録精度の劣化を引き起こす原因となっていた。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、精度の高いドロップアウト検出信号を生成することができる情報再生装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の情報再生装置は、蛇行した記録トラックを有するディスクからウオブル信号を再生する情報再生装置において、前記記録トラックから情報を読み取る読取手段と、前記読み取られた情報からウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段と、記検出されたウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記デジタル化されたウオブル信号の周波数解析を行う周波数解析手段と、前記周波数解析結果に基づいて前記ディスク上の傷を判別して傷判別信号を出力する傷予測手段とを備える。
【0019】
上記構成によれば、ウオブル信号の周波数解析結果に基づいてディスク上の傷の有無を判別する傷判別信号を生成しているため、生成した傷判別信号を利用してドロップアウト検出信号を生成することで、精度の高いドロップアウト検出信号を生成することができる。
【0020】
請求項2の情報再生装置は、請求項1の情報再生装置において、前記傷予測手段は、ウオブル信号の周波数解析で得られる周波数分布から周期的な傷を予測し、傷位置を再生する前に前記傷予測信号を出力するものである。
【0021】
上記構成によれば、傷位置を再生する前に傷予測信号を出力させることで、この傷予測信号の出力を検出して記録用クロック生成用PLL回路をホールドする等すればPLL回路の暴走が回避することができる。
【0022】
請求項3の情報再生装置は、請求項1または2に記載の情報再生装置において、前記傷判別信号をイネーブル信号として、前記ウオブル信号の振幅補正を行う振幅補正手段を備える。
【0023】
上記構成によれば、傷判定信号が入力される期間、ウオブル信号の振幅を正常ウオブル信号と同程度に修復して、ウオブル信号の欠損を無くすことができ、安定なウオブル信号の再生を行うことができる。
【0024】
請求項4の情報再生装置は、蛇行した記録トラックを有するディスクからウオブル信号を再生する情報再生装置において、前記記録トラックから情報を読み取る読取手段と、前記読み取られた情報からウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段と、前記検出されたウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記デジタル化されたウオブル信号の周波数解析を行う周波数解析手段と、前記周波数解析結果に基づいて前記ディスクを回転させるモータの回転制御を行うモータ制御手段とを備える。
【0025】
上記構成によれば、ウオブル信号の周波数解析結果に基づいてモータの回転制御を行うことで、ディスクを線速度一定で制御することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態の情報再生装置を示すブロック図である。図1において、13は蛇行した記録トラックを有する記録用光ディスク、14は光ディスク13を回転させるためのスピンドルモータ、15は記録トラックから情報を読み取るレーザピックアップ、16はウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段、17はウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段、18は検出したウオブル信号の中から所定の周波数成分のみ抽出するためのバンドパスフィルタ(BPF)、19はウオブル2値化手段、20はATIPデコーダ、21は離散デジタル値に変換されたウオブル信号の周波数解析を行う周波数解析手段、22は周波数解析手段21から出力された解析結果に基づいて光ディスク13上の傷を予測する傷予測手段、23はATIPアドレスデータ、24はドロップアウト信号、25は傷予測手段22から出力される傷判別信号である。
【0027】
図1において、光ディスク13は、スピンドルモータ14により駆動されて回転し、回転する光ディスク13上をレーザピックアップ15がトレースし、レーザピックアップ15により検出された信号がウオブル信号検出手段16へ入力される。ウオブル信号検出手段16は入力されたレーザピックアップ15の検出信号からウオブル信号を検出し、A/D変換手段17に出力する。A/D変換手段17はウオブル信号を離散デジタルデータに変換する。A/D変換手段17のサンプリング周波数、出力ビット数について、ここでは言及しないが、ウオブル信号が22.05±1[kHz]であることを考慮すれば、1倍速の再生時において48[kHz]以上のサンプリング周波数であることが望ましい。
【0028】
離散デジタル値に変換されたウオブル信号は、中心周波数22.05[kHz]で帯域制限されたBPF18へ入力され、ATIPデコードに必要な信号以外のノイズ成分はここで除去される。この信号は2値化手段19へと入力され、ATIPデコーダ20によってデコードされ、ATIPデコーダ20はATIPアドレスデータ23及びドロップアウト信号24を出力する。
【0029】
また、A/D変換手段17によって離散デジタル値に変換されたウオブル信号は周波数解析手段21へ入力される。周波数解析手段の一つの例として、FFT(高速フーリエ変換)処理が挙げられる。
【0030】
ここで、光ディスク13上に、直径が1[mm]の傷がある場合を考える。CDの場合、規格上、トラックピッチは1.6[μm]で規定されているため、直径が1[mm]の傷は、トラック625本に亙っていることになる。1倍速の再生であれば、その再生時間は、ディスクの最内周時において、(25×2×π×625)/1.2×103=82[s]、ディスクの最外周時に至っては、(50×2×π×625)/1.2×103=163[s]にも及ぶ。
【0031】
光ディスク13上のある位置に傷が存在する場合、光ディスク13の再生によるウオブル信号はある周波数特性を持っている。先程の例のように直径1[mm]の傷が一つある場合、最内周であれば1倍速時において1.2×103/(25×2×π)=7.6[Hz]、最外周であれば1.2×103/(50×2×π)=3.8[Hz]のピークが立つ。
【0032】
光ディスク13上に複数の傷があり、光ディスク13が1周回転する間に、複数個の傷の上をレーザピックアップ15がトレースした場合は、先程の周波数成分に、トレースした傷の個数を乗算した値の周波数成分が観測される。このような場合においても、ウオブル信号の中心周波数22.05[kHz]とは、十分に離れており、周波数解析結果の低周波域成分は傷による応答であると考えることができる。
【0033】
傷予測手段22は、周波数解析手段21の出力結果の中から、主に低周波域のピークに着目する。低周波域において、ある閾値以上のピークが見られる場合、ディスク1上に傷があると認識して、傷判別信号25を出力する。
【0034】
さらに、ウオブル信号の周波数解析を実施することにより、光ディスク13上の周期的な傷を予測し、傷位置の再生直前に傷予測信号25を出力することも可能である。
【0035】
先程の例にも挙げた通り、直径1[mm]の傷がディスク上に形成されている場合、625本のトラックに亙って傷が存在することになる。つまり、625回に亙ってほぼ一定時間ごとに傷位置をトレースすることになる。最外周に傷が存在する場合、先程の計算によると3.8[Hz]のスペクトルが立つことになるが、これは、1/3.8=0.26[s]おきに傷位置をトレースしていることに等しい。
【0036】
つまり、ある位置の傷を検出した後、0.26[s]後にも傷位置を再生するという予測が立てられることになる。このように、ウオブル信号の周波数解析の結果から、傷の周波数分布を算出し、その結果から周期的な傷を予測し、傷位置を再生する直前に傷予測信号25を出力することができる。
【0037】
本実施の形態によれば、ウオブル信号の周波数解析を実施することにより、光ディスク13上の傷の有無を判別することが可能となる。傷判別信号25と、ドロップアウト信号24を組み合わせることで、より精度の高いドロップアウト信号を生成することができる。
【0038】
ところで、光ディスク記録装置のクロック信号発生装置では、ディスク上のトラックのウオブルからウオブル信号を再生し、ウオブル信号に同期した記録クロック信号を生成する。この記録クロック信号をもとにしてデータを光ディスクの所望の位置に記録する。その際、精度の高いドロップアウト信号を記録用クロック生成用PLL回路のホールド(HOLD)信号等に利用することで、記録用クロック生成用PLL回路がロック状態から外れるようなことを確実に防止でき、安定且つ精度の高い記録動作を実現することができると共に、記録品質の向上を図ることができる。
【0039】
図2は、本発明の第2の実施の形態の情報再生装置を示すブロック図である。図2において、26は蛇行した記録トラックを有する記録用光ディスク、27は記録用光ディスク26を回転させるためのスピンドルモータ、28は記録トラックから情報を読み取るレーザピックアップ、29はウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段、30は検出ウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段、31は離散デジタル値に変換されたウオブル信号の周波数成分を解析する周波数解析手段、32は周波数解析手段から出力された解析結果に基づいて光ディスク26上の傷を予測する傷予測手段、33はA/D変換手段30の出力デジタル値の振幅を補正する振幅補正手段、34は検出したウオブル信号の中から所定の周波数成分のみ抽出するためのBPF、35はウオブル2値化手段、36はATIPデコーダ、37はATIPアドレスデータ、38は傷予測手段32から出力されるドロップアウト信号である。
【0040】
ここで、直径1[mm]の傷が、記録可能な光ディスク上に形成された場合の、ウオブル信号の欠損の大きさについて考える。CDの線速度を1.2[m/s]とすると、直径1[mm]の傷は、1/1200[s]のデータ欠損となる。これは、ウオブル周波数を22.05[kHz]とした場合、22.05×103/1200=18.375周期のウオブルデータの欠損となり、ATIPデコーダ36のATIPアドレスデータの品質を大きく劣化させることになる。このようなウオブル信号の欠損を、本実施の形態によって回避することを可能としている。
【0041】
次に本実施の形態の動作について説明する。スピンドルモータ27により駆動されて回転する光ディスク26上をレーザピックアップ28がトレースし、その検出信号がウオブル信号検出手段29へ入力される。
【0042】
ウオブル信号検出手段29はレーザピックアップ28の検出信号よりウオブル信号を検出し、このウオブル信号はA/D変換手段30により離散デジタルデータに変換される。A/D変換手段30のサンプリング周波数は、第1の実施の形態と同様に1倍速の再生時において48[kHz]以上のサンプリング周波数であることが望ましい。A/D変換手段30によって離散デジタル値に変換されたウオブル信号は、周波数解析手段31へ入力される。周波数解析手段31の一つの例として、FFT(高速フーリエ変換)処理が挙げられる。
【0043】
光ディスク26上のある位置に傷が存在する場合、そのディスクの再生により得られるウオブルデータは、ある周波数特性を持っていて、第1の実施の形態と同様の考察により、直径1mmの傷が一つある場合、最内周であれば1倍速時において7.6[Hz]、最外周であれば3.8[Hz]のピークが立つ。光ディスク26上に複数の傷があり、光ディスク26が1周回転する間に、複数個の傷の上をレーザピックアップ28がトレースした場合は、先程の周波数成分に、トレースした傷の個数を乗算した値の周波数成分が観測される。このような場合においても、ウオブル信号の中心集周波数22.05[kHz]とは、十分に離れており、周波数解析結果の低周波域成分は、傷による応答であると考えることができる。
【0044】
傷予測手段32は、周波数解析手段31の出力結果の中から、主に低周波域のピークに着目する。低周波域において、ある閾値以上のピークが見られる場合、光ディスク26上に傷があると認識し、傷判別信号25を出力する。振幅補正手段33には、傷予測手段32より出力された傷判別信号25及びA/D変換手段30より出力された離散デジタル値に変換されたウオブル信号が入力される。この場合、傷判別信号25は振幅補正手段33の補正イネーブル信号として用いられる。
【0045】
振幅補正手段33は、ウオブル信号の振幅値を算出する。ウオブル信号は通常のアナログ音声信号等とは異なり、周波数、振幅共に大きな変動がない。このウオブル信号の持つ規則性を利用し、例えば振幅値がある一定の振幅に満たない場合は、傷等による信号の欠落とみなし、振幅値を補正することが可能である。補正イネーブル信号を受けた振幅補正手段33は、その区間のみ振幅値の補正を行う。
【0046】
図3は、振幅補正手段33における振幅値の補正方法の一例である。39は正しいウオブル信号のサンプリングデータ、40は傷等によって正しくウオブル信号が再生されなかった場合のサンプリングデータ、41はサンプリングデータ40を補正した修正サンプリングデータである。
【0047】
ここで、n番目のサンプリングデータをSnとする。このとき、Sn−(Sn−1)なる演算を実施する。演算結果が正の値であれば傾きが正、負であれば傾きが負であることが判り、演算結果が正から負に変化する点が正の最大振幅値、負から正に変化する点が負の最大振幅点であると考えることができる。振幅補正手段33はこのようにして求めた最大振幅点と、あらかじめ定めたΔAmax、ΔAminなる閾値の大小を比較し、サンプリングデータの最大振幅値が閾値に満たない場合に、データを補正して、最大振幅値の補正を実施することが可能となる。
【0048】
すなわち、振幅補正手段33は、図3(a)に示すような正しいウオブル信号のサンプリングデータ30が入力される場合は何もせず、そのままこのデータをBPF34に出力する。しかし、振幅補正手段33は、図3(b)に示すような異常のあるウオブル信号のサンプリングデータ30が入力される場合、サンプリングデータを補正して、図3(c)に示すような修正したサンプリングデータ41をBPF34に出力する。
【0049】
本実施の形態によれば、振幅補正手段33によるデータ修正の結果、傷があるディスクにおいても、ウオブル信号の欠損を最小限に抑えて安定なウオブル信号の再生を行うことができ、これにより安定したATIPデコードを実現することができるため、ATIPアドレスデータ37の品質劣化を抑えて記録品質の向上を図ることができる。また、スピンドルモータ27の制御品質を向上させることもできる。
【0050】
さらに、振幅補正手段33によりウオブルデータが修正されることで、ドロップアウト状態に陥り難くなり、ATIPデコードをさらに安定化させることができる。
【0051】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る情報再生装置のブロック図である。図4において、42は記録用光ディスク、43はレーザピックアップ、44はウオブル信号検出手段、45は検出ウオブル信号をデジタルデータに変換するためのA/D変換手段、46は離散デジタル値に変換されたウオブル信号の周波数成分を解析する周波数解析手段、47はスピンドルモータ48を駆動するためのモータ制御手段、48は記録用光ディスク42を回転させるためのスピンドルモータである。
【0052】
スピンドルモータ48により駆動されて回転する光ディスク42上をレーザピックアップ43がトレースし、その出力信号がウオブル信号検出手段44へ入力される。ウオブル信号検出手段44はレーザピックアップ43の検出信号からウオブル信号をする。検出されたウオブル信号は、A/D変換手段45へ入力されて離散デジタルデータに変換される。
【0053】
ここで、A/D変換手段45のサンプリング周波数、出力ビット数について、第1の実施の形態と同様に、1倍速の再生時において48[kHz]以上のサンプリング周波数であることが望ましい。
【0054】
A/D変換手段45によって離散デジタル値に変換されたウオブル信号は、周波数解析手段46へ入力される。周波数解析手段46の一つの例として、FFT(高速フーリエ変換)処理が挙げられる。周波数解析手段46の出力を見ると、ウオブル信号の特性上、1倍速の再生が正常に行われているならば、22.05[kHz]のピークが立つ。逆に言えば、ピークが22.05[kHz]に立っているならば、光ディスク42は1倍速で再生されていると言ってよい。
【0055】
周波数解析手段46のウオブル信号の解析情報はモータ制御手段47に入力されるため、モータ制御手段47は解析情報のピーク値に着目して、ピーク値が目標周波数よりも低い場合は、スピンドルモータ48に加速信号を、ピーク値が目標周波数よりも高い場合は、スピンドルモータ48に減速信号を与えることにより、スピンドルモータ48を常に目標値で回転させる制御を行うことにより、光ディスク42を線速度一定で回転させる。
【0056】
本実施の形態によれば、ウオブル信号の中心周波数からのずれが生じないようにスピンドルモータ48の回転を制御して、光ディスク42の回転を線速度一定に制御することができる。
【0057】
なお、n倍速の再生を実施する場合は、ピーク値が22.05×n[kHz] となるようにスピンドルモータ48の制御信号を生成すれば良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ウオブル信号の周波数解析結果に基づいてディスク上の傷の有無を判別する傷判別信号を生成しているため、生成した傷判別信号を利用してドロップアウト検出信号を生成することで、精度の高いドロップアウト検出信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の情報再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の情報再生装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2に示す振幅補正手段の動作を説明する図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の情報再生装置の構成を示すブロック図。
【図5】従来の光ディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図6】レーザピックアップのディスク上のウオブルに対するトレース状態を示す図。
【符号の説明】
13、26、42 記録用光ディスク
14、27、48 スピンドルモータ
15、28、43 レーザピックアップ
16、29、44 ウオブル信号検出手段
17、30、45 A/D変換手段
18、34 BPF
19、35 ウオブル2値化手段
20、36 ATIPデコーダ
21、31、46 周波数解析手段
22、32 傷予測手段
33 振幅補正手段
47 モータ制御手段
Claims (5)
- 蛇行した記録トラックを有するディスクからウオブル信号を再生する情報再生装置において、
前記記録トラックから情報を読み取る読取手段と、
前記読み取られた情報からウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段と、
前記検出されたウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル化されたウオブル信号の周波数解析を行う周波数解析手段と、
前記周波数解析結果に基づいて前記ディスク上の傷を判別して傷判別信号を出力する傷予測手段と、
を備える情報再生装置。 - 前記傷予測手段は、ウオブル信号の周波数解析で得られる周波数分布から周期的な傷を予測し、傷位置を再生する前に前記傷予測信号を出力する請求項1に記載の情報再生装置。
- 前記傷判別信号をイネーブル信号として、前記ウオブル信号の振幅補正を行う振幅補正手段を備える請求項1または2に記載の情報再生装置。
- 蛇行した記録トラックを有するディスクからウオブル信号を再生する情報再生装置において、
前記記録トラックから情報を読み取る読取手段と、
前記読み取られた情報からウオブル信号を検出するウオブル信号検出手段と、
前記検出されたウオブル信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル化されたウオブル信号の周波数解析を行う周波数解析手段と、
前記周波数解析結果に基づいて前記ディスクを回転させるモータの回転制御を行うモータ制御手段と、
を備える情報再生装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の情報再生装置により得られた傷判定信号を記録用クロック生成用PLL回路のホールド信号に用いるディスク記録装置。
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2003
- 2003-05-20 JP JP2003142122A patent/JP2004348800A/ja active Pending
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JPWO2007102495A1 (ja) * | 2006-03-09 | 2009-07-23 | 日本電気株式会社 | 光ディスク装置及び光ディスク媒体の欠陥検出方法 |
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