JP2004348342A - Icカードとicカードの処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、書き換え可能な不揮発性メモリを有し、この不揮発性メモリに記憶されているアプリケーションにより処理を行うICカードにおいて、不揮発性メモリから、いったん、揮発性メモリ(書き込みバッファ)にデータを読み出して、揮発性メモリ上でデータの編集を行い、データ編集が完了した時点で、書き換え可能な不揮発性メモリに書き込むようにしたものである。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、書き込み・書き換えが可能な不揮発性メモリおよびCPUなどの制御素子を有し、外部からのデータ入出力を行う手段を備えたICチップを内蔵した、いわゆるICカードとこのICカードの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードは、その使用目的・用途に応じて、必要な鍵ファイルやデータファイル等をICカード内部の不揮発性メモリ上に定義し、更にそれらのファイルにデータを書き込むことによって使用可能な状態になる。
この書き込み・書き換えが可能な不揮発性メモリへの書き込みは、書き込みが必要な都度、書き込み対象エリアに対して行っていた。また、不揮発性メモリからの読み出しは、直接、不揮発性メモリから行っていた。(たとえば特許文献1参照)。
このような不揮発性メモリとしてEEPROMやフラッシュメモリなどを用いているが、これらの素子は一回のデータ書き込みに数mSから数百mSの時間を要するという短所がある。
【0003】
上記の技術の場合、たとえば、Java言語のような高級言語でカードのアプリケーションを開発すると、ユーザーがメモリのどのエリアに対して書き込みを行っているのか意識しないで済む反面、Flashメモリのようなページ書き込みが必要な場合、同一ページ内に対する書き込みが、書き込みの都度、発生している可能性があった。
【0004】
従来のICカードは、不揮発性メモリへのデータ書き込みがランダム行われ、また同一アドレスデータに対する複数回書き込み(書き換え)が発生することにより不揮発性メモリへの書き込みに要する時間が長くなり処理時間が長くなるという問題点があった。
また、不揮発性メモリへの書き込み回数が多くなることにより、不揮発性メモリの寿命が短くなってしまうという問題点があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−85511号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、書き換え可能な不揮発性メモリを有し、この不揮発性メモリに記憶されているアプリケーションにより処理を行うICカードにおいて、不揮発性メモリへの書き込み回数を減らすことにより、処理時間を短縮化でき、かつ、不揮発性メモリの寿命を長くすることができるICカードとICカードの処理方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のICカードは、頁単位に一括書き込みする不揮発性メモリを有するものにおいて、上記不揮発性メモリの書き込み対象頁の記憶内容を読出し揮発性メモリ上の頁バッファに記憶する記憶手段と、外部機器からのコマンド処理の実行により、上記揮発性メモリ上の頁バッファの記憶内容を編集する編集手段と、上記コマンド処理の終了時に、上記揮発性メモリ上の頁バッファの記憶内容で上記不揮発性メモリの書き込み対象頁の記憶内容を更新記憶する処理手段とを有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明のICカード処理システムを説明する。
このICカード処理システムは、図1に示すように、上位装置としてのパソコン(PC)1とこのPC1と通信ライン2を介して接続されているリーダライタ3とからなる。このリーダライタ3には、図示しないコネクタ等で接続される取引対象カードとしてのICカード4が装着されるようになっている。
【0009】
PC1は、PC1の全体を制御する制御部5、制御用のプログラムが記憶されていたり種々のデータが記憶されるメモリ6、操作指示を行うキーボード等の操作部7、操作案内等が表示される表示部8、リーダライタ3とのデータのやり取りを行うインターフェース9により構成されている。
【0010】
リーダライタ3は、リーダライタ3の全体を制御するCPU10、制御用のプログラムが記憶されていたり種々のデータが記憶されるメモリ11、PC1とのデータのやり取りを行うインターフェース12、ICカード4とのデータのやり取りを行うインターフェース13により構成されている。また、リーダライタ3には、ICカード4の挿入検知を行う検知器(図示しない)を有し、この検知結果をPC1へ出力するようになっている。
【0011】
ICカード4は、図2に示すように、ICカード4の全体を制御するCPU(制御素子)14、カード内部動作の制御用のプログラムが記憶されているマスクROM(プログラムメモリ)15、外部(リーダライタ3)と交換する電文の送受信バッファとCPU14の処理中のデータの一時格納バッファとして利用されるRAM(ワーキングメモリ、揮発性メモリ)16、アプリケーション運用でその内容をリードライトして使用される運用データが格納されるデータメモリ(不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、EEPROM)17、リーダライタ3とのデータのやり取りを行うインターフェース18、コンタクト部19により構成されている。ROM(プログラムメモリ)15は、30Kから40Kバイトで構成されている。個別アプリケーションプログラムとしては、一例として、銀行取引業務処理、クレジット取引業務処理、プリペイド取引業務処理となっている。
【0012】
上記データメモリ17は、「ページ書き込み」或いは「ブロック書き込み」等と称する機能を有し、ランダムなアドレスに対する書き込みよりも連続したアドレスに対する連続データの書き込みがより高速に行えるといった特徴を持つものである。上記データメモリ17は、図3に示すように、複数ページ(たとえば8頁)の領域17a、…により構成されている。また、データメモリ17には、バッファ部30a、…がいっぱいになった場合の制御方式を示すフラグが記憶される領域41を有している。
【0013】
上記RAM16には、上記データメモリ17用の複数のバッファ部30a、…を有している。各バッファ部30a、…は、図4に示すように、書き込み読み出し対象の頁単位のデータが記憶される記憶領域31、書き込み読み出し対象データが格納されるデータメモリ17のアドレスが記憶される記憶領域32、記憶領域31におけるデータの書き込み読み出しが発生した頻度または、バッファ部30a、…の順位を示すデータが記憶される記憶領域33により構成されている。
上記ICカード4は、比較的低速のシリアル・インターフェースを介して外部から命令を受けたり命令に対する応答を返すものであり、その速度は一般的な接触型ICカードで通常、毎秒9600ビットとなっている。
上記CPU14、ROM15、RAM16、データメモリ17、インターフェース18は、ICチップ20により構成され、コンタクト部19およびICチップ20は一体的にモジュール化され、ICカード本体に埋設されている。
【0014】
次に、ICカード4におけるデータの書き込み読み出し処理を、図5、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、CPU14は、データメモリ17上に書き込む際のページの先頭アドレスを取得する(ST1)。ついで、CPU14は、書き込み読み出し対象エリアが、すでに、バッファ部30a、…のいずれかに展開されているか、各バッファ部30a、…の記憶領域32のアドレスと上記取得したアドレスとの比較により、確認する(ST2)。
【0015】
また、CPU14は、上記アドレスの比較に基づいて、バッファ部30a、…がすでにいっぱいになっているかを確認する(ST3)。この確認の結果がいっぱいとなっている場合、CPU14は、データメモリ17上の領域41のフラグの設定が頻度になっているか順位(古いものからの順位)になっているかを確認する(ST4)。
【0016】
この確認の結果が頻度の場合、CPU14は、各バッファ部30a、…記憶領域33に記憶されている書き込み回数の頻度がもっとも低いバッファ部30a、…を選択する(ST5)。上記ステップ4の確認の結果が順位の場合、CPU14は、各バッファ部30a、…記憶領域33に記憶されている順位により、書き込みの行われたのが、もっとも古いバッファ部30a、…を選択する(ST6)。
【0017】
また、CPU14は、上記ステップ5、6のいずれかにより選択されたバッファ部30a、…の1つに対応する記憶領域31に記憶されている1ページ分のデータを読出し、記憶領域32に記憶されているデータメモリ17のアドレスに対応する領域に書き込む(ST7)。
【0018】
さらに、CPU14は、上記書き込みの完了したバッファ部30a、…の記憶領域32に対して、ステップ1で取得したアドレスのデータを転送し、記憶する(ST8)。これにより、CPU14は、バッファ部30a、…の記憶領域31上でデータの編集を行う(ST9)。ついで、CPU14は、次の書き込みデータがあるか否かを判断する(ST10)。この判断の結果、CPU14は、次の書き込みデータがあると判断した場合、ステップ1に戻り、次の書き込みデータがないと判断した場合、処理を終了する。
【0019】
次に、ICカード4におけるコマンド処理を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
すなわち、コマンド処理により、上述した書き込み読み出し処理が複数回行われている(ST11)。コマンド処理完了後の処理として、CPU14は、バッファ部30a、…の記憶領域31に展開されている書き込みデータの全データを、バッファ部30a、…の記憶領域32に記憶されているデータメモリ17のアドレスに対応する領域に書き込む(ST12)。
【0020】
たとえば、クレジットのアプリケーションにおいて、アプリケーションの読出し、暗証の読出し、取引限度額の読出し、取引結果の登録、取引回数の読出し、取引回数の更新内容の登録、ポイントの読出し、ポイントの更新内容の登録が行われる際の処理を、図8を用いて説明する。
【0021】
まず、クレジットのアプリケーションのデータメモリ17のアドレス(たとえば領域17aの先頭アドレス)が付与されている読出しコマンドがPC1からICカード4のCPU14に送信される。ついで、CPU14は、取得したアドレスと各バッファ部30a、…の記憶領域32のアドレスとを比較し、領域17aの記憶内容がバッファ部30a、…の記憶領域31のいずれかに展開されているか否かを判断する。展開されている場合、対応するバッファ部の記憶領域31の記憶内容を利用する。
【0022】
また、CPU14は、領域17aの記憶内容がバッファ部30a、…のいずれかに展開されていない場合、バッファ部30a、…のいずれかに空きがあるか否かを判断し、空きが無かった場合、上述した頻度あるいは古い順に基づいて利用するバッファ部を確保し、空きがあった場合、領域17aの記憶内容を空きのあったバッファ部(たとえばバッファ部30aの記憶領域31)に記憶する。
これにより、CPU14は、バッファ部30aの記憶領域31に記憶されたクレジットのアプリケーションを読出し、RAM16の作業領域に記憶する。
【0023】
この状態において、CPU14は、PC1に応答信号を送信することにより、暗証照合コマンド、取引限度額の読出しコマンド、取引結果の登録、取引回数の読出しコマンド、取引回数の更新内容の登録コマンド、ポイントの読出しコマンド、ポイントの更新内容の登録コマンドが順次供給され、たとえば各内容がデータメモリ17の領域17gに対応し、その記憶内容をバッファ部30bの記憶領域31に記憶する。これにより、各コマンドごとにバッファ部30bの記憶領域31の記憶内容が一括読み出しされて、各コマンドに対応する処理が為され、バッファ部30bの記憶領域31の記憶内容が一括して更新記憶される。
【0024】
そして、一連の処理が終了した際、CPU14はバッファ部30aの記憶領域31の記憶内容で領域17aの記憶内容を一括して更新記憶し、バッファ部30bの記憶領域31の記憶内容で領域17gの記憶内容を一括して更新記憶する。
上記したように、書き換え可能な不揮発性メモリに対する書き込みにおいて、書き換え可能な不揮発性メモリから、いったん、揮発性メモリ(書き込みバッファ)にデータを読み出して、揮発性メモリ上でデータの編集を行い、データ編集が完了した時点で、書き換え可能な不揮発性メモリに書き込むことで、不揮発性メモリへの書き込み回数を減らすことにより、コマンド処理時間を短縮化し、かつ、メモリの寿命を長くするものである。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、書き換え可能な不揮発性メモリを有し、この不揮発性メモリに記憶されているアプリケーションにより処理を行うICカードにおいて、不揮発性メモリへの書き込み回数を減らすことにより、処理時間を短縮化でき、かつ、不揮発性メモリの寿命を長くすることができるICカードとICカードの処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るICカード処理システムの構成例を概略的に示すブロック図。
【図2】ICカードの構成例を概略的に示すブロック図。
【図3】ICカードのデータメモリの各領域を説明するための図。
【図4】バッファ部を説明するための図。
【図5】ICカードにおけるデータの書き込み読み出し処理を説明するフローチャート。
【図6】ICカードにおけるデータの書き込み読み出し処理を説明するフローチャート。
【図7】ICカードにおけるコマンド処理を説明するフローチャート。
【図8】アクセス処理を説明するための図。
【符号の説明】
1…PC、2…通信ライン、3…リーダライタ、4…ICカード、5…制御部、6…メモリ、7…操作部、8…表示部、9…インターフェース、10…CPU、11…メモリ、14…CPU、15…ROM、16…RAM、17…データメモリ、17a〜…領域、19…コンタクト部、20…ICチップ、30a〜…バッファ部、41…領域。
Claims (9)
- 頁単位に一括書き込みする不揮発性メモリを有するICカードにおいて、
上記不揮発性メモリの書き込み対象頁の記憶内容を読出し揮発性メモリ上の頁バッファに記憶する記憶手段と、
外部機器からのコマンド処理の実行により、上記揮発性メモリ上の頁バッファの記憶内容を編集する編集手段と、
上記コマンド処理の終了時に、上記揮発性メモリ上の頁バッファの記憶内容で上記不揮発性メモリの書き込み対象頁の記憶内容を更新記憶する処理手段と、を具備したことを特徴とするICカード。 - 上記揮発性メモリ上の頁バッファを複数頁分確保しておき、上記不揮発性メモリへの書き込みを複数頁にわたって行うことを特徴とする請求項1に記載のICカード。
- 上記不揮発性メモリ上のデータを読み出す場合、上記不揮発性メモリ上の読出しデータを一旦、上記揮発性メモリの頁バッファに転送を行い、頁バッファから、データの読み出しを行うことを特徴とする請求項1に記載のICカード。
- 上記揮発性メモリ上の頁バッファを複数頁分確保しておき、上記頁バッファがサイクリックに管理されており、書き込みを行う際に、頁バッファがいっぱいになっていた場合、時間的に最も古い1頁が記憶されている領域の記憶データを上記不揮発性メモリに書き込み、その領域に新しい書き込み対象データの転送を行うことを特徴とする請求項1に記載のICカード。
- 上記揮発性メモリ上の頁バッファを複数頁分確保しておき、上記頁バッファがサイクリックに管理されており、書き込みを行う際に、頁バッファがいっぱいになっていた場合、時間的に最も古い1頁が記憶されている領域の記憶データが書き込みにより書き換わっていないかを確認し、書き換わっていた場合、書き換わったデータを上記不揮発性メモリに書き込み、書き換わっていない場合、その領域に新しい書き込み対象データの転送を行うことを特徴とする請求項1に記載のICカード。
- 上記揮発性メモリ上の頁バッファを複数頁分確保しておき、上記頁バッファの頁ごとに、コマンド処理における書き込み頻度を記録し、書き込みの頻度のもっとも低い頁から順に書き換え可能な不揮発性メモリへの反映、および、頁バッファの上書きを行うことを特徴とする請求項1に記載のICカード。
- 上記揮発性メモリ上の頁バッファを複数頁分確保しておき、頁バッファがいっぱいになった場合の処理を、フラグにより選択できることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
- 頁単位に一括書き込みする不揮発性メモリを有するICカードにおいて、
上記不揮発性メモリの書き込み対象頁の記憶内容を読出し揮発性メモリ上の頁バッファに記憶し、
外部機器からのコマンド処理を実行により、上記揮発性メモリ上の頁バッファの記憶内容を編集し、
コマンド処理の終了時に、上記揮発性メモリ上の頁バッファの記憶内容で上記不揮発性メモリの書き込み対象頁の記憶内容を更新記憶することを特徴とするICカードの処理方法。 - 頁単位にデータが記憶され、アプリケーションデータが不揮発性メモリに記憶され、この記憶されるアプリケーションにより処理を実行するICカードにおいて、
上記不揮発性メモリと同じ頁単位にデータが記憶されるメモリ空間を持つ揮発性メモリと、
一連の処理の開始時、上記不揮発性メモリの頁単位の記憶データを上記揮発性メモリに記憶する第1の記憶手段と、
外部機器からの少なくとも1つずつの命令電文の実行結果を上記不揮発性メモリに記憶する状態で揮発性メモリに記憶する第2の記憶手段と、
一連の処理として実行されるすべての命令に対する上記第2の記憶手段による揮発性メモリへの記憶処理終了時に、上記揮発性メモリの記憶内容を上記不揮発性メモリに記憶する第3の記憶手段と、を有することを特徴とするICカード。
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