JP2004347862A - 導電性ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】ブリードアップによる画像障害を回避するとともに、層間剥離やガス溜まりをなくして低硬度化と低コスト化の導電性ロールを得ることを課題とする。
【解決手段】電源と電気的に接続する軸芯金31と、この軸芯金31の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、ソリッド層又はスポンジ層からなる二重外層32と、この二重外層32の外周に設けられたトナー離型層35とを具備した導電性ロールにおいて、前記二重外層31のうち上層34は極性エラストマーからなり、下層33は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなることを特徴とする導電性ロール。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンター等の電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される導電性ロールに関する。具体的には、本発明は、像担持体の表面を帯電させる帯電ロール、像担持体にトナーを塗布する現像ロール、像担持体からトナーを転写させる転写ロールに使用される導電性ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、図2に示すような電子写真方式のプリンターが知られている。図中の符番1は、像担持体を示す。この像担持体1の近傍には、像担持体1の表面に電荷を帯電させる帯電ロール2、像担持体1にトナーを塗布する現像ロール3、及び像担持体1のトナーを用紙4に転写させるための転写ロール5が配置されている。前記各ロール2,3,5の下流側には、用紙4に転写されたトナーを定着させるための定着ロール6が配置されている。
【0003】
前記各ロール2,3,5においては、像担持体1との接触面積を広くするために各ロールとも低硬度のロールが要求されている。特に帯電ロール2の場合は、像担持体1に常に接触しているために、トナー付着の問題があり、ロール表面にトナー離型層を設けることが多い。前記各ロール2,3,5は、例えば図3に示すように、軸芯金6の外周に下層7、上層8及びトナー離型層9を順次設けた構成となっている。ここで、前記下層7は、低硬度、帯電防止等の目的のためスポンジ化されている。前記上層8は、抵抗調整、表面粗さ制御等の目的のため肉厚の薄いソリッド層になっている。更に、前記トナー離型層9は、ソリッド表面へのトナー付着を防止するために設けられている。
【0004】
ところで、低硬度のロールを形成するには、通常、多量の可塑剤を配合して低硬度のロールを作製する。例えば、原料ゴムがNBR(ニトリルブタジエンゴム)の場合は、一般的な可塑剤としてDOP(ジオクチルフタレート)等を配合して低硬度ロールを作製する。また、原料ゴムがEPDM(エチレンプロピレンゴム)の場合には、可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル等を配合して低硬度ロールを作製する。
【0005】
上記のように、可塑剤を配合したロールを使用した場合、例えば帯電ロール2が像担持体1に接触すると、像担持体1の表面に可塑剤が移行して、像担持体1表面の汚染の原因となり、画像形成に大きな問題となる。
【0006】
また、前記帯電ロール2及び現像ロール3の場合、トナー離型を目的にトナー離型層を設けることが多く、トナー離型層の種類によってはその表面まで可塑剤がブリードしてきて、ドラム汚染の原因となり、画像障害を起こす。
【0007】
更に、図3のような3層の帯電ロールや現像ロールや転写ロールにおいて、下層と上層を同じ極性のエラストマーで構成して、下層にその硬度を低くする為に可塑剤を多量配合すると、ロール表面へ可塑剤がブリードアップしてドラム汚染を起こし、画像障害の原因となる。
【0008】
そこで、こうした画像障害の問題を解決するために、2層ロールの下層と上層の極性を変えることが試みられている。
例えば、図3の下層の材料として非極性のエラストマーであるEPDMを使用し、可塑剤であるパラフィン系のプロセスオイルを多量配合し、スポンジにして低硬度のスポンジ層(下層)11を軸芯金12に作製しておく(図7参照)。また、図8に示すように、極性のエラストマーであるNBRの無可塑剤のチューブ(上層)13を作製しておく。そして、図9に示すように、非極性の前記下層11に極性チューブ13をはめ込み、所定の外径寸法に研磨した後、図示しないトナー離型層を形成してロールを作製する(はめ込み法)。
【0009】
こうした構成のロールによれば、下層11から上層13への可塑剤のブリードアップは無く像担持体の汚染は無くなり、画像障害も無くなるというメリットを有する。しかし、製造工程が非常に多くなり、コスト高を招くという課題がある。
【0010】
そこで、可塑剤がロール表面にブリードアップして画像障害が生じるのを回避するために、上層の極性エラストマーと下層の非極性エラストマーの2層構造にして、更に低コスト化を目的として2層を同時に押出し同時に加硫発泡させて(2層同時押出同時加硫発泡法)製品化することが試みられている。しかし、この場合、上層及び下層間の極性の違いによる相溶性の悪さに起因して、上層及び下層間で層間剥離、またはガス溜まりの問題が発生する。
【0011】
従来、ゴムローラとしては、下記の特許文献1〜3が知られている。
1)特許文献1:芯金等の基体と、この基体を被覆する,無極性ゴム及び抵抗調整のための導電性充填材を主原料として生成された発泡弾性体からなる第1被覆層と、この層の上を被覆する,有極性樹脂及び抵抗調整のための導電性充填材を主原料とする第2被覆層とを具備するゴムローラ。
【0012】
2)特許文献2:芯金と、この芯金を被覆し,有極性ゴム及び抵抗調整のための導電剤を主原料として混合することにより生成された発泡弾性体からなる第1被覆層と、この層の上を被覆する可撓性の合成樹脂よりなる第2被覆層とを具備するゴムローラ。
【0013】
3)特許文献3:シャフトと、このシャフトの外周に設けられた,導電性を有する少なくとも二層からなるゴム層とを有し、該ゴム層のうち、外側層のゴム層が内側層のゴム層よりも体積固有抵抗値が高いゴム層からなる導電性ゴムローラ。特許文献3に紹介されている多層押出加硫は一般的に行われている製法で、押出機メーカーはこれら多層押出及び連続加硫の技法を確立している。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−221224(段落[0015]図1及び図2)
【0015】
【特許文献2】
特開2001−175098(段落[0026]〜[0029]及び図3)
【0016】
【特許文献3】
特開平7−239600(段落[0016]及び図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、軸芯金の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、ソリッド層又はスポンジ層からなる二重外層と、この二重外層の外周に設けられたトナー離型層とを具備した導電性ロールにおいて、前記二重外層のうち上層は極性エラストマーからなり、下層は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなる構成とすることにより、可塑剤のブリードアップによる画像障害を回避するとともに、層間剥離やガス溜まりをなくして低硬度化と低コスト化をなし得る導電性ロールを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る導電性ロールは、電源と電気的に接続する軸芯金と、この軸芯金の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、ソリッド層又はスポンジ層からなる二重外層と、この二重外層の外周に設けられたトナー離型層とを具備した導電性ロールにおいて、前記二重外層のうち上層は極性エラストマーからなり、下層は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る導電性ロールは、前記上層が可塑剤を含まない極性エラストマーからなり、前記下層が可塑剤を含む極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなることを特徴とする。
【0020】
更に、本発明に係る導電性ロールは、前記二重外層の外周にトナー離型層を設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明において、非極性エラストマーとしては、例えばシリコーンゴム、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)が挙げられる。一方、極性エラストマーとしては、例えばNBR(ニトリルゴム)、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴムが挙げられる。
【0022】
本発明において、前記シリコーンゴムの可塑剤としては例えばシリコーンオイルが挙げられ、前記NR、SBR、EPDMの可塑剤としては例えばパラフィン系プロセスオイルが挙げられる。
【0023】
本発明において、加硫の際に使用される架橋剤としては、例えば硫黄又は過酸化物が挙げられる。本発明に係る導電性ロールは、これら架橋剤に加え、架橋促進剤、老化防止剤、可塑剤、導電剤、補強剤、発泡剤等を混練りした後、成形加硫され所定の寸法に研磨される。
【0024】
本発明において、極性エラストマーとしてポリウレタンゴムを用いる場合、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールに架橋剤としてトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等と、触媒、整泡剤、導電剤を機械混合した後、所望の型で加熱成型される。
発泡体を形成するときは、以上の配合物に発泡剤又は機械的に空気を混入させて型に注型後、加熱硬化させ、離型後所定の寸法に研磨する。
【0025】
本発明において、導電部材に使用される前記導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とに分けられる。
前記電子導電剤としては、例えば導電性カーボンブラック、金属粉末、金属酸化物粉末が挙げられる。一方、前記イオン導電剤は、ゴムエラストマーとしてエピクロルヒドリンゴムを用いるのが代表的で、イオン導電付与剤としてベンゾキノンとその誘導体、フェロセンとその誘導体、ジクロロジシアノベンゾキノンとその誘導体、フタロシアニンとその誘導体の電荷移動物質、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウムの無機イオン物質、その他陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤が挙げられる。
【0026】
本発明において、発泡剤としては、例えば無機化合物系の重炭酸ナトリウム、ニトロソ化合物系のDPT(商品名:セルラーD、永和化成製)、アゾ化合物系のアゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC、永和化成製)、スルホニル・ヒドラジド系のベンゼンスルホニル・ヒドラジド(商品名:ネオセルボンN#1000、永和化成製)が代表的なものとして挙げられる。
【0027】
本発明において、トナー離型層の材料としては、例えばFEVE変性フッ素樹脂塗料(商品名:FE3000、旭硝子製)、含フッ素ポリオール変性フッ素樹脂塗料(商品名:アクアトップF、住友精化製)、PVDF変性フッ素樹脂塗料(商品名:カンペフロン10、関西ペイント製)、ポリウレタン変性フッ素樹脂塗料(商品名:エラストフロンFT20Z505、日本ミラクトン製)、アクリル変性フッ素樹脂塗料(商品名:エムラロン814、日本アチソン製)、セルロース変性フッ素樹脂塗料(商品名:エムラロン328、日本アチソン製)フッ素樹脂塗料(ダイエルラテックスGLS−213、ダイキン工業製)、エポキシ変性シリコーン塗料(商品名:ES1004、信越化学工業製)、アクリル変性シリコーン塗料(商品名:KR9706、信越化学工業製)、ポリエステル変性シリコーン塗料(商品名:KR5203、信越化学工業製)、N−メチルメトキシ化ナイロン(日本ビーケミカル製)が挙げられる。前記トナー離型層の塗布方法としては、例えば吹き付け方で塗布することで形成することができるが、これに限定されない。
【0028】
本発明において、二層外層をマンドレルに形成するには、図5に示すような2層押出機を使用する。図中の符番21は、2層押出機のヘッドを示す。このヘッド21の軸方向には、二層外層を形成すべきマンドレル22が配置されている。ヘッド21の内径とマンドレル22により、二層外層を形成すべき空洞部23が、上層を形成する箇所と下層を成形する箇所で径が異なるように形成されている。この空洞部23には、下層形成用の押出機24のノズル部分、及び上層形成用の押出機25のノズル部分が連通されている。
図5の2層押出機により、マンドレル22の外周に、下層(非極性と極性のアロイ層)26及び上層(極性層)27からなる二層外層28が形成される。このようにして形成されるロール29は、具体的には図6に示すとおりである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例及び比較例について説明する。
(比較例1)
図4は、通常使用されている単層の帯電ロールを示し、軸芯金6の上にスポンジ層14が形成されている。この帯電ロールの要求特性として、硬度(JIS−E)30±3°、セル径180μm以下、体積抵抗値1×10〜9×10Ωcmを目指してロールを作製した。また、像担持体への汚染をなくすため可塑剤を抜き、このロールを比較例1とした。
【0030】
<作製方法>
まず、下記に示す表1の比較例1の配合物を混練りし、混合物を形成した。次に、この混合物を押出機で所定の軸芯金(8φ)に押出成形した。つづいて、これをオーブンで180℃、10分の条件下で加熱し、加硫発泡工程を行った。更に、外層を研磨して単層の帯電ロール(長さ245mm、外径18φ)を作製した。その結果、次のような結果を得た。
【0031】
<測定結果>
硬度(JIS−E):45°
セル径(μm) :100〜150
体積抵抗値(Ωcm):2.5×10
像担持体汚染テスト :なし
上記像担持体汚染テストとして、温度28度−湿度85%、6日間、ロールと像担持体を接触させて、可塑剤の移行の有無を確認した。
【0032】
上記結果より、帯電ロールの要求特性のセル径、体積抵抗値、像担持体汚染は合格であった。しかし、硬度が高く、画像評価テストとして図2の電子写真印刷方式のプリンターに取り付けてテストした結果、硬度が高いために、ニップ幅が狭くなり良好なトナーの転写ができなくなり、満足な画像を得ることができなかった。また、スポンジ層のため、セル表面にトナーが目詰まりして帯電不良となった。
【0033】
(比較例2)
比較例2の導電性ロールは、比較例1のそれと比べ、スポンジ層を形成する際に硬度を下げる目的で可塑剤(DOP)を添加した点が異なるのみで、他は比較例1と同様にした。
その結果、下記表1に示すように要求特性の硬度、セル径、体積抵抗値は合格したが、可塑剤を配合したため、前記像担持体テストで汚染が発生し、前記画像評価テストは画像不良となった。
【0034】
【表1】
Figure 2004347862
【0035】
但し、表1において、ノクセラーDM及びノクセラーTSは、大内新興化成工業の商品名で架橋促進剤を示す。ノクラック224Sは、大内新興化成工業の商品名で老化防止剤を示す。PC炭カルは、白石カルシウムの充填剤を示す。DOPは、大八化学工業の可塑剤を示す。シースト3は、東海カーボンの商品名で導電剤を示す。
【0036】
以上のように、比較例1と比較例2より、単層の帯電ロールで可塑剤を配合しない場合は硬度が高くなり、ニップ幅を十分にとれず画像障害を起こした。また、硬度を下げるために可塑剤を配合すると、ニップ幅はとれるが、前記像担持体テストで汚染が発生し、前記画像評価テストでは画像不良が生じて満足な帯電ロールとならなかった。
【0037】
(比較例3)
比較例3は、極性エラストマー層からなる上層と非極性エラストマーの2層同時押出同時加硫発泡法で作製した2層導電性ロールの場合を示す。
【0038】
<作製方法>
1)まず、下記表2に示すように、加硫後の硬度が54°(JIS−A硬度)、体積抵抗値が3.6×10Ωcmのソリッド上層用配合の混合物Aを作製した。次に、下記表2に示すように、加硫後の硬度が28°(JIS−E硬度)、体積抵抗値が2.0×10Ωcmのスポンジ下層用配合の混合物Bを作製した。つづいて、上記混合物A及び混合物Bを夫々混練り、コンパウンドA,Bとした。
【0039】
2)次に、混練したコンパウンドA,Bを夫々カレンダーロールにて厚さ10〜15mm、幅30〜40mmに分出し、シートを準備した。つづいて、既述した図5の2層押出機を適正な温度に調整して準備しておく。更に、準備した2層押出機に上記シートを第1押出機24、第2押出機25に夫々投入し、マンドレル22の円周上に下層26及び上層27を所定の寸法に同時に押出し、図6に示すようなロールを得た。
【0040】
3)次に、図6のロールを180℃のオーブンにて15分間入れて、加硫と下層26の発泡を同時に行った。つづいて、加硫後、オーブンより取り出し、マンドレル22を抜いて2層のゴムチューブとした後、所定の寸法に切断した。更に、指定された軸芯金にはめ込んだ後、外径を所定の寸法に研磨し、導電性ロールを得た。
【0041】
<測定結果>
上記のように作製した比較例3に係る導電性ロールの硬度は33°(JIS−E)であり、体積抵抗値は2.8×10Ωcmであった。また、この時の上層の厚さは0.85mmであり、下層である非極性の発泡層と上層であるソリッド層間に剥離が発生した。更に、下層と上層間で剥離が発生したので、製品とはならず、画像評価テストはできなかった。
【0042】
【表2】
Figure 2004347862
【0043】
但し、表3において、シースト3は、東海カーボンの商品名で導電剤を示す。ダイアナプロセスPW−90は、白石カルシウムの商品名で可塑剤を示す。また、ノクセラーDM、ノクセラーTS、ノクラック224S、DOP、PC炭カルは、表1の場合と同様である。
【0044】
(実施例1)
図1(A),(B)は本発明に係る導電性ロールであり、図1(A)は同ロールの断面図、図1(B)は図1(A)の側面図を示す。
図中の符番31は、図示しない電源と電気的に接続する軸芯金を示す。この軸芯金31の外周には、導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより形成される、ソリッド層又はスポンジ層からなる二重外層32が設けられている。ここで、前記二重外層32は、極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイのソリッド(又は発泡体)からなる下層33と、この下層33の上に形成された極性エラストマーのソリッドからなる上層34とから構成されている。
【0045】
<作製方法>
上層の配合は、上記表2に記載されたものを使用した。また、下層としては、上記表2に示すように、非極性と極性のアロイ配合のものを使用し、加硫後のスポンジ硬度が23°(JIS−E)で体積抵抗値が2.5×10Ωcmの配合を作製した。
次に、比較例3と同じ作製方法で、上層の極性配合物と、下層の非極性と極性のアロイ配合物を夫々混練り、夫々混練り、分出し、シートを作製した。つづいて、2層同時押出し、加硫発泡後、マンドレルを抜き、指定の軸芯金へのはめ込み、外径研磨の工程を経て図1に示すように所定寸法の導電性ロールを得た。
【0046】
<測定結果>
上記のように作製した実施例1に係る導電性ロールの硬度は31°(JIS−E)、体積抵抗値は3.3×10Ωcmであった。また、スポンジ層のセル径は200〜280μmであった。更に、この時、上層と下層間には層間剥離は無く、可塑剤の表面へのブリードも無く、前記像担持体テストの汚染も無かった。
【0047】
このローラにトナー離型塗料として水溶性ナイロン(商品名:イービスターSC、日本ビーケミカル製)を8〜10μm塗布して、図2の電子写真印刷装置の帯電ロールとして設置して画像評価テストをしたところ、ロール表面へトナーの付着が無く、満足な画像を得ることができた。
【0048】
実施例1に係る導電性ロールは、軸芯金31の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、スポンジ層からなる二重外層32と、この二重外層32の外周に設けられたトナー離型層35とを具備し、前記二重外層32のうち上層34は極性エラストマーからなり、下層33は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなる構成となっている。従って、以下の効果を有する。
【0049】
1)下層33は上層34と極性の異なるエラストマーを含むので、従来に見られたような上下層同極性エラストマー層間での可塑剤のブリードアップを防止できる。その結果、像担持体の汚染を無くし、満足な画像を形成できる。
【0050】
2)従来のようにはめ込み法により二層外層を形成するのではなく、2層同時押出同時加硫発泡法により形成するので、製造工程が少なく、コスト低減を図ることができる。
【0051】
3)二層外層32における下層33は上層34と同極性のエラストマーを含むので、層間の相溶性があり、従来生じたような層間剥離を回避でき、上層34と下層33を強固に接合することができる。
【0052】
4)下層33に可塑剤を導入して形成しているが、可塑剤のロール表面へのブリードアップを招くことなく、ロールを低硬度化できる。
【0053】
(実施例2)
実施例2の導電性ロールは、下層の非極性エラストマーと極性エラストマーアロイの混合比を変えて2層同時押出同時加硫発泡法で作製した導電性2層ロールである。
【0054】
<作製方法>
上層の配合は、上記表2に記載されたものを使用した。また、下層としては、上記表2に示すように、実施例1と比べ非極性と極性のアロイの比率を増した配合のものを使用し、加硫後のスポンジ硬度が22°(JIS−E)で体積抵抗値が2.8×10Ωcmの配合を作製した。
【0055】
次に、比較例3と同じ作製方法で、上層の極性配合物と、下層の非極性と極性のアロイ配合物を夫々混練り、分出し、シートを作製した。つづいて、2層同時押出し、加硫発泡後、マンドレルを抜き、指定の軸芯金へのはめ込み、外径研磨の工程を経て図1に示すように所定寸法の導電性ロールを得た。
次に、トナー離型塗料として水溶性ナイロン(商品名:イーピースターSC、日本ビーケミカル製)を8〜10μm塗布した。
【0056】
<測定結果>
上記のように作製した実施例2に係る導電性ロールの硬度は31°(JIS−E)、体積抵抗値は3.2×10Ωcmであった。また、スポンジ層のセル径は230〜310μmであった。更に、この時、上層と下層間は実施例1の場合と比較して強固に接着し、層間剥離も無かった。そして、可塑剤の表面へのブリードも無く、前記像担持体テストでの汚染も無かった。
【0057】
次に、上記のように作製した導電性ロールを図2の電子写真印刷装置の帯電ロールとして設置して画像評価テストをしたところ、トナー付着が無いとともに、可塑剤の表面へのブリードアップも無く、更には上層と下層間の層間剥離もなく、満足な画像を得ることができた。
【0058】
このように、上記実施例2に係る導電性ロールは、軸芯金の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、スポンジ層からなる二重外層32と、この二重外層32の外周に形成されたトナー離型層35とを具備し、前記二重外層32のうち上層33は極性エラストマーからなり、下層34は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなる構成となっている。従って、ロール表面へトナーの付着が全く無く、満足な画像を得ることができた。
【0059】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、軸芯金の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、ソリッド層又はスポンジ層からなる二重外層と、この二重外層の外周に設けられたトナー離型層とを具備した導電性ロールにおいて、前記二重外層のうち上層は極性エラストマーからなり、下層は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなる構成とすることにより、ブリードアップによる画像障害を回避するとともに、層間剥離やガス溜まりをなくして低硬度化と低コスト化をなし得る導電性ロールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る導電性ロールの説明図。
【図2】電子写真方式のプリンターの概要を示す説明図。
【図3】従来の2層構造の帯電ロールの断面図。
【図4】従来の単層構造の帯電ロールの断面図。
【図5】2層押出機の説明図。
【図6】図5の2層押出機により得られたロールの断面図。
【図7】従来による非極性下層の作製方法の説明図。
【図8】従来による極性上層の作製方法の説明図。
【図9】図7で得られた下層及び図8で得られた上層を用いたロールの作製方法の説明図。
【符号の説明】
21…ヘッド、 22…マンドレル、 23…空洞部、
24,25…押出機、 26,33…下層、 27,34…上層、
28,32…二重外層、 31…軸芯金、 35…トナー離型層。

Claims (2)

  1. 軸芯金と、この軸芯金の外周に導電性の高分子エラストマーを2層同時に押し出し成形することにより設けられた、ソリッド層又はスポンジ層からなる二重外層と、この二重外層の外周に設けられたトナー離型層とを具備した導電性ロールにおいて、
    前記二重外層のうち上層は極性エラストマーからなり、下層は極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなることを特徴とする導電性ロール。
  2. 前記上層は可塑剤を含まない極性エラストマーからなり、前記下層は可塑剤を含む極性エラストマーと非極性エラストマーのアロイからなることを特徴とする請求項1記載の導電性ロール。
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