JP2004347681A - 投射型表示装置および照明装置 - Google Patents
投射型表示装置および照明装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004347681A JP2004347681A JP2003141789A JP2003141789A JP2004347681A JP 2004347681 A JP2004347681 A JP 2004347681A JP 2003141789 A JP2003141789 A JP 2003141789A JP 2003141789 A JP2003141789 A JP 2003141789A JP 2004347681 A JP2004347681 A JP 2004347681A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- light source
- scanning
- display device
- color
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】光源光の利用効率が高く、装置の小型化を実現し得る投射型表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の投射型表示装置1は、光源2と、光源2から射出される光を変調する液晶ライトバルブ5と、光源2から射出される光を走査させるミラースキャナー3と、投射レンズ6とを備えている。ミラースキャナー3が、光源2からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択反射する3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7cが組み合わされて回動可能とされている。ミラースキャナー3の回動動作により、異なる色の反射光が所定の間隔をおいて液晶ライトバルブ5上で走査されるとともに、液晶ライトバルブ5が、異なる色の反射光の走査に対応して駆動される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の投射型表示装置1は、光源2と、光源2から射出される光を変調する液晶ライトバルブ5と、光源2から射出される光を走査させるミラースキャナー3と、投射レンズ6とを備えている。ミラースキャナー3が、光源2からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択反射する3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7cが組み合わされて回動可能とされている。ミラースキャナー3の回動動作により、異なる色の反射光が所定の間隔をおいて液晶ライトバルブ5上で走査されるとともに、液晶ライトバルブ5が、異なる色の反射光の走査に対応して駆動される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置、特にフルカラー、単板式の投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面で複数人が同時に見ることができる画像表示装置として投射型表示装置が開発され、実用化されている。投射型表示装置は、光源光を例えば液晶ライトバルブを用いた光変調装置により変調して画像光とし、この画像光をスクリーン等の表示画面に投影して表示するものである。投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)の方式には、いわゆる3板式と呼ばれるものと単板式と呼ばれるものがある。3板式は、光源光を例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の色光に分離し、各色光に対応する3枚の液晶ライトバルブでそれぞれ光変調を行うものである。単板式は、1枚の液晶ライトバルブで各色に対応する光変調を行うものである。単板式の投射型表示装置は、液晶ライトバルブが1枚で済み、光学系も簡単になることから小型化に適している。
【0003】
単板式の投射型表示装置において白色光源を用いてカラー表示を行う場合、以下の2つのタイプのものがある。一つは、カラーフィルターを備えた液晶ライトバルブを用い、R、G、Bの3ドットで1画素とする空間分割タイプのもの、他の一つは、カラーホイール等で白色光をR、G、Bの各色光に時間的に分離し、液晶ライトバルブで時分割駆動を行う時間分割タイプのものである。いずれのタイプにしても、この種の投射型表示装置では、例えば白色光がカラーフィルターやカラーホイールのRの領域に照射されたとき、白色光中に含まれるGの成分、Bの成分は表示に寄与せずに無駄になってしまい、光源から射出される全光量の約1/3しか利用できていない。そこで、分離された色光を帯状の光束とし、この光束を走査しつつ1枚の液晶ライトバルブに照射し、この液晶ライトバルブで各色光の照射された場所に応じた駆動を行うものが、下記の特許文献1に開示されている。この特許文献1の装置は、白色光を空間的に色分離した後のR、G、Bの各色光、あるいは3つの光源から得られたR、G、Bの各色光を回転多面鏡(ポリゴンミラー)に入射させ、ポリゴンミラーの回転によりこれら各色光をライトバルブ上で走査させるというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−337286号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、単板式の投射型表示装置は小型で安価であるという利点を持つはずであるが、特許文献1に記載された投射型表示装置では上記の利点が得られなかった。その理由は、特許文献1に記載された投射型表示装置はポリゴンミラーを用いているが、ポリゴンミラーは投射型表示装置を構成する各種部品の中でもかなり大型の部品であり、装置の小型化を阻害するからである。また、色分離のための光学系も装置内の多くのスペースを占有してしまう。さらに、これらポリゴンミラーや色分離光学系が製造コストの高騰を引き起こすことになる。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光源光の利用効率が高く、装置の小型化を実現し得る投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の投射型表示装置は、光源と、光源から射出される光を変調する光変調手段と、光源から射出される光を反射させ、光を走査しつつ光変調手段に照射する光走査手段と、光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、前記光源が、白色光を射出する白色光源を備え、前記光走査手段が、前記光源からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有し、前記複数の選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の投射型表示装置は、特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた光走査手段を有している。そのため、複数の選択反射部材によって光源からの白色光が異なる色の反射光に所定の間隔をおいて分光される。つまり、光走査手段が分光手段も兼ねている。そして、分光された色光を光変調手段上で走査するとともに、光変調手段を各色光の走査に対応して駆動することで時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターが不要となり、装置の小型化が図れ、装置が安価となる。また、白色光を分光した全ての色光が表示に寄与するので、光源光の利用効率が高く、明るい画像が得られる。具体的な構成の一例として、選択反射部材としてダイクロイックミラーを用い、複数のダイクロイックミラーを組み合わせて回動可能としたもので光走査手段を構成することもできる。軸を中心に回動可能としたミラーは一般にガルバノミラーと呼ばれるが、ガルバノミラーはポリゴンミラーに比べて小型に構成することができる。
【0009】
本発明の第2の投射型表示装置は、光源と、光源から射出される光を変調する光変調手段と、光源から射出される光を反射させ、光を走査しつつ光変調手段に照射する光走査手段と、光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの各色光を反射する反射部材が回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、前記反射部材の回動動作により、前記反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の投射型表示装置は、光源からの色光を反射する反射部材が回動可能とされた光走査手段を有している。そして、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、複数の固体発光素子から反射部材への光の入射角度が各色光によって異なる配置となっている。したがって、本発明の第1の投射型表示装置のように光走査手段が分光手段を兼ねるわけではないが、反射部材から異なる色の反射光が所定の角度を持って射出されることになる。その色光を光変調手段上で走査するとともに、光変調手段を各色光の走査に対応して駆動することで時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターが不要となり、装置の小型化が図れ、装置が安価となる。また、光源からの全ての色光が表示に寄与するので、光源光の利用効率が高く、明るい画像が得られる。
【0011】
本発明の第3の投射型表示装置は、光源と、光源から射出される光を変調する光変調手段と、光源から射出される光を反射させ、光を走査しつつ光変調手段に照射する光走査手段と、光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの異なる色の色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数、角度をなして組み合わされて回動可能とされた構成を有し、前記選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の投射型表示装置は、本発明の第1の投射型表示装置の一部と第2の投射型表示装置の一部を組み合わせたものである。すなわち、光源が異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備えており、光走査手段が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材を複数組み合わせて回動可能としたもので構成されている。この構成においても、本発明の第1、第2の投射型表示装置と同様、光源光の利用効率が高く、小型化が容易な投射型表示装置を実現できる。また、本発明の第3の投射型表示装置においては、複数の選択反射部材が角度をなして組み合わされているため、本発明の第2の投射型表示装置の構成に比べて各固体発光素子を近付けて配置することができる。その結果、より一層の装置の小型化を図ることができる。
【0013】
また、本発明の第2、第3の投射型表示装置においては、異なる色の色光を射出する固体発光素子毎に、各固体発光素子の点灯・消灯操作、および光量調整操作を独立して実施可能な光源制御手段をさらに備えることが望ましい。
この構成によれば、例えば反射光の走査期間において各固体発光素子の点灯・消灯操作を適宜行うことにより、反射光の射出時間を制御して光源光の利用効率を高めることができる。また、各固体発光素子毎に光量を調整することにより、画像のホワイトバランスを調整することができる。
【0014】
例えば、反射部材もしくは選択反射部材の回動動作中の一部の期間において、光源制御手段により光変調手段に照射されない光を射出している固体発光素子を消灯する構成としても良い。
固体発光素子として発光ダイオード(Light Emission Diode, 以下、LEDと略記する)を用いた場合、光変調手段に照射されない光を射出しているLEDを消灯することで射出光の無駄を無くすことができる。また、消灯した分、点灯する際の供給電流を多くして照度を大きくできるので、明るい画像を得ることができる。
【0015】
反射部材もしくは選択反射部材の回動動作が往復の首振り動作である場合、首振り動作の往復の双方において光源から光を射出させる構成としても良い。
この構成によれば、時間開口率が大きくなり、明るい画像を得ることができる。
あるいは、首振り動作の往復のいずれか一方において光源から光を射出させる構成としても良い。
この構成によれば、上述したように、光源にLEDを用いた場合、往復運動のいずれかで消灯した分、点灯する際の供給電流を多くして照度を大きくできるので、明るい画像を得ることができる。
【0016】
また、光変調手段への入射光を反射光の走査方向に所定の幅を持つように帯状に整形する光整形手段をさらに備えることが望ましい。
この構成によれば、光源光を無駄なく利用できるとともに、光変調手段への入射光が走査方向に所定の幅を持つ分、各色光に対応する光変調手段の駆動が各色光の幅の範囲内で行える余裕ができ、光変調手段の駆動が容易になる。よって、光変調手段への入射光は、各色光がライン状に近接しているよりも帯状に整形されている方が望ましい。
【0017】
本発明の第1の照明装置は、光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、前記光源が、白色光を射出する白色光源を備え、前記光走査手段が、前記光源からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有し、前記複数の選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする。
この構成によれば、光源光の利用効率が高く、小型化が容易という利点を持つ本発明の第1の投射型表示装置を容易に実現することができる。
【0018】
本発明の第2の照明装置は、光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの各色光を反射する反射部材が回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、前記反射部材の回動動作により、前記反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする。
この構成によれば、光源光の利用効率が高く、小型化が容易という利点を持つ本発明の第2の投射型表示装置を容易に実現することができる。
【0019】
本発明の第3の照明装置は、光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの異なる色の色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記選択反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、前記選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする。
この構成によれば、光源光の利用効率が高く、小型化が容易という利点を持つ本発明の第3の投射型表示装置を容易に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図1、図2を用いて詳しく説明する。本実施形態の投射型表示装置は、光変調手段として液晶ライトバルブを用いた投射型液晶表示装置、いわゆる液晶プロジェクタの例である。
図1は本実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図、図2は同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【0021】
本実施形態の投射型表示装置1は、一つの液晶ライトバルブのみを備えた、いわゆる単板式のカラー投射型表示装置である。図1に示すように、光源2と、ミラースキャナー3(光走査手段)と、リレーレンズ4と、液晶ライトバルブ5(光変調手段)と、投射レンズ6(投射手段)とから概略構成されている。本実施の形態の場合、光源2には、白色光を射出する白色光源が用いられている。より具体的には、例えばキセノンランプや超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のランプでもよいし、白色LED等の固体発光素子でもよい。
【0022】
ミラースキャナー3は、特定色(特定波長)の光を選択的に反射して残りの光を透過する3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7c(選択反射部材)が互いに所定の角度をなすように組み合わされた構成となっている。R光を反射してG光、B光を透過するダイクロイックミラー7a、G光を反射してR光、B光を透過するダイクロイックミラー7b、B光を反射してR光、G光を透過するダイクロイックミラー7cの3枚を用いることにより、光源2からの白色光LWがミラースキャナー3によりR光LR、G光LG、B光LBに分光され、射出される。
【0023】
ミラースキャナー3は、図1において紙面に垂直な方向に延在する回動軸8を有しており、モーター等の駆動源(図示略)により回動軸8を中心として3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7cが所定の角度を維持したまま、紙面に平行な面内で首振り往復運動する(図中矢印Rで示す)構成となっている。この3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7cの首振り運動により、R光、G光、B光がそれぞれ液晶ライトバルブ5上で紙面における上下方向に走査される。したがって、本実施形態におけるミラースキャナー3は、光源2からの白色光LWを分光する機能と、分光された各色光LR、LG、LBを走査する機能を合わせ持っている。また、各ダイクロイックミラー7a,7b,7cは細長い矩形状の形状をしており、それに伴って各ダイクロイックミラー7a,7b,7cで反射した反射光の光軸に垂直な断面形状が細長い矩形状(帯状)となる。各色光LR、LG、LBの反射光の走査方向の幅は、液晶ライトバルブ5の縦方向の寸法の略1/3になるように設定されている。つまり、本実施の形態の場合、各ダイクロイックミラー7a,7b,7cが、液晶ライトバルブ5への入射光を反射光の走査方向に所定の幅を持つように帯状に整形する光整形手段を兼ねている。
【0024】
また、ミラースキャナー3の射出側には、ミラースキャナー3で分離された各色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5に導くリレーレンズ4が設けられている。リレーレンズ4の射出側には、ミラースキャナー3で分離された各色光LR、LG、LBを変調する透過型の液晶ライトバルブ5が設けられている。液晶ライトバルブ5を構成する液晶セルの入射側と射出側にはそれぞれ偏光板(図示略)が設けられている。液晶ライトバルブ5の射出側には、液晶ライトバルブ5により変調された光をスクリーン10に向けて投射する投射レンズ6が設けられている。
【0025】
以下、上記構成の投射型表示装置の動作について説明する。
図2(a)〜(g)に示すように、分光されたR光LR、G光LG、B光LBが上からこの順に並んでおり、ミラースキャナー3が図1における時計回りに回動するのに伴い、これらの色光LR、LG、LBが液晶ライトバルブ5上で紙面における上から下に向けて(図2(a)→図2(g)の向きで)走査される。本実施形態では、液晶ライトバルブ5上をB光(LB)、G光(LG)、R光(LR)の順で走査され、R光LRを全て走査し終わった時点(図2(g)の位置)で光源2が消灯され、今度はミラースキャナー3が図1における反時計回りに回動することにより元の位置(図2(a)の位置)に戻る。光源2およびミラースキャナー3のこのような一連の動作が画像表示の1フレーム内で行われる。
【0026】
一方、液晶ライトバルブ5の駆動については、液晶ライトバルブ5上の任意のライン(走査線)、例えば最上段のラインで言えば、図2(a)のB光LBの走査が開始されるのと同時にB表示用の画像信号が書き込まれる。そして、B光LBが走査されている間はB表示用の画像信号が書き込まれた状態が保持され、図2(b)のG光LGの走査が始まる瞬間にこのラインがG表示用の画像信号に書き換えられる。同様に、図2(c)のR光LRの走査が始まる瞬間にこのラインがR表示用の画像信号に書き換えられる。すなわち、本実施形態の投射型表示装置1では、1フレームの半分の期間(1/2フレーム)で表示がなされ、残りの1/2フレームは液晶ライトバルブ5に任意の画像信号が書き込まれた状態であっても光源2が消灯されているため、結果的に黒表示となる。そして、1/2フレーム内で3原色に対応した画像が表示され、結果的にカラー画像が得られる。
【0027】
本実施形態の投射型表示装置1は、特定の色光を選択的に反射するダイクロイックミラー7a,7b,7cが3枚組み合わされて回動可能とされたミラースキャナー3を有する点を特徴としている。そのため、ミラースキャナー3が分光機能も持っており、分光された色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5上で走査するとともに、液晶ライトバルブ5を、各ラインに各色光LR、LG、LBの走査に対応する画像信号を書き込むように駆動することにより、時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターを別途設ける必要がなくなり、装置の小型化が図れ、装置が安価となる。また、白色光LWを分光した3色の色光LR、LG、LBが全て表示に寄与するので、光源光の利用効率が高く、明るい画像を得ることができる。また、光源2に白色LEDを用いた場合、ミラースキャナー3の往復運動の片方で消灯した分、点灯する際の供給電流を多くしてLEDの照度を大きくできるので、より明るい画像が得られる。
【0028】
なお、本実施形態では、ミラースキャナー3で分光された色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5の上側から下側に向けて走査する期間のみ光源2を点灯する構成としたが、これに加えて、色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5の下側から上側に向けて走査する期間も光源を点灯する構成としてもよい。この場合、液晶ライトバルブ5の駆動方法も、上側から下側の一方向のみの線順次書き込みではなく、上側から下側、下側から上側の往復の線順次書き込みを実施する必要がある。この構成によれば、時間開口率が2倍になるので、より明るい画像を得ることができる。
【0029】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図3、図4を用いて詳しく説明する。本実施形態の投射型表示装置も第1の実施形態と同様、単板式液晶プロジェクタの例である。
図3は本実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図、図4は同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【0030】
本実施形態の投射型表示装置11は、図3に示すように、光源12R,12G,12Bと、ミラースキャナー13(光走査手段)と、リレーレンズ14と、液晶ライトバルブ5(光変調手段)と、投射レンズ6(投射手段)とから概略構成されている。第1の実施形態では白色光源を用いたのに対し、本実施形態の場合、光源12R,12G,12Bには、R、G、Bの異なる色の色光LR、LG、LBをそれぞれ射出するLED(固体発光素子)が用いられている。これらLEDには駆動回路と制御部(光源制御手段)とが備えられており、各素子毎に点灯・消灯操作、および光量調整操作を独立して行える構成となっている。
【0031】
ミラースキャナー13は、第1の実施形態では3枚のダイクロイックミラーを組み合わせたものを用いたのに対し、本実施形態では全ての色光(全ての波長域の光)を反射する1枚のミラー17(反射部材)で構成されている。各色のLED光源12R,12G,12Bは、各LED光源12R,12G,12Bからミラー17への光の入射角度が異なるように異なる位置に配置されている。よって、ミラー17からの各色光LR、LG、LBの反射光は異なる角度に射出される。また、ミラースキャナー13は、図3において紙面に垂直な方向に延在する回動軸8を有しており、回動軸8を中心としてミラー17が紙面に平行な面内で首振り往復運動する(図中矢印Rで示す)構成となっている。このミラー17の首振り運動により、反射されたR光、G光、B光がそれぞれ液晶ライトバルブ5上で紙面における上下方向に走査される。また、各LED光源12R,12G,12Bとミラースキャナー13との間にロッドレンズ19(光整形手段)が設置されている。ロッドレンズ19は断面が矩形状であり、それに伴ってロッドレンズ19から射出された各色光LR、LG、LBの光軸に垂直な断面形状が細長い矩形状(帯状)となる。各色光LR、LG、LBの走査方向の幅は、液晶ライトバルブ5の縦方向の寸法の略1/3になるように設定されている。
【0032】
また、ミラースキャナー13の射出側には、ミラースキャナー13で反射された各色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5に導くリレーレンズ4が設けられている。リレーレンズ4の射出側には、ミラースキャナー13で反射された各色光LR、LG、LBを変調する透過型の液晶ライトバルブ5が設けられている。液晶ライトバルブ5を構成する液晶セルの入射側と射出側にはそれぞれ偏光板が設けられている。液晶ライトバルブ5の射出側には、液晶ライトバルブ5により変調された光をスクリーン10に向けて投射する投射レンズ6が設けられている。
【0033】
以下、上記構成の投射型表示装置の動作について説明する。
図4(a)〜(g)に示すように、R光LR、G光LG、B光LBが上からこの順に並んでおり、ミラースキャナー13が図3における時計回りに回動するのに伴い、これらの各色光LR、LG、LBが液晶ライトバルブ5上で紙面における上から下に向けて(図4(a)→図4(g)の向きで)走査される。本実施形態では、液晶ライトバルブ5上にB光(LB)、G光(LG)、R光(LR)の順で走査され、R光LRを全て走査し終わると(図4(g)の位置)で、今度はミラースキャナー13が図3における反時計回りに回動しながら、液晶ライトバルブ5上にR光(LR)、G光(LG)、B光(LB)の順で走査され、元の位置(図4(a)の位置)に戻る。光源12R,12G,12Bおよびミラースキャナー13のこのような一連の動作が画像表示の1フレーム内で行われる。
【0034】
第1の実施形態では白色光源を分光してR光、G光、B光を生成していたので、色光毎に光源を点灯したり、消灯したりすることができなかった。これに対して、本実施形態では、各色光LR、LG、LBを射出するLED光源12R,12G,12Bが個別に点灯・消灯操作、および光量調整操作を行えるため、以下のように、光源を第1の実施形態とは異なる方法で駆動することができる。すなわち、ミラースキャナー13の走査と各LED光源12R,12G,12Bの点灯・消灯を同期させておき、液晶ライトバルブ5上の上側のラインにB光LBが照射され、G光LG、R光LRが液晶ライトバルブ5からはみ出している時点(図4(b)の時点)では、B光LBを射出するLED光源12Bのみを点灯し、G光LG、R光LRを射出するLED光源12G,12Rは消灯しておく。次に、液晶ライトバルブ5上にG光LGが照射され始め、R光LRが液晶ライトバルブ5からはみ出している時点(図4(c)の時点)では、B光LBを射出するLED光源12BとG光LGを射出するLED光源12Gを点灯し、R光LRを射出するLED光源12Rのみは消灯する。次に、全ての色光LR、LG、LBが液晶ライトバルブ5上に照射されている間(図4(d)の時点)は全てのLED光源12R,12G,12Bを点灯する。次に、液晶ライトバルブ5上からB光LBがはみ出した時点(図4(e)の時点)でB光LBを射出するLED光源12Bのみを消灯する。次に、液晶ライトバルブ5上からG光LGもはみ出した時点(図4(f)の時点)でB光LBを射出するLED光源12BとG光LGを射出するLED光源12Gを消灯する。以下、下から上に向けて走査する際も同様の点灯・消灯動作を繰り返す。
【0035】
一方、液晶ライトバルブ5の駆動については、第1の実施形態と同様である。液晶ライトバルブ5上の任意のライン(走査線)、例えば最上段のラインで言えば、図4(a)のB光LBの走査が開始されたのと同時にB表示用の画像信号が書き込まれる。そして、B光LBが走査されている間はB表示用の画像信号が書き込まれた状態が保持され、図4(b)のG光LGの走査が始まる瞬間にこのラインがG表示用の画像信号に書き換えられる。同様に、図4(c)のR光LRの走査が始まる瞬間にこのラインがR表示用の画像信号に書き換えられる。
【0036】
本実施形態の投射型表示装置11は、R、G、Bの異なる各色光LR、LG、LBを射出するLED光源12R,12G,12Bと1枚のミラー17からなるミラースキャナー13を有する点を特徴としている。そのため、ミラースキャナー13が各色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5上で走査するとともに、液晶ライトバルブ5を、各ラインに各色光LR、LG、LBの走査に対応する画像信号を書き込むように駆動することにより、時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターを別途設ける必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。また、各LED光源12R,12G,12Bから射出された3色の色光LR、LG、LBが全て表示に寄与するので、光源光の利用効率が高いものとなる。また本実施形態の場合、液晶ライトバルブ5に照射されない光を射出しているLED光源を消灯する駆動方法を採用しているので、射出光の無駄を無くすことができる。消灯した分、点灯する際の供給電流を多くして照度を大きくできるので、明るい画像を得ることができる。
【0037】
また、液晶ライトバルブ5上において各色光LR、LG、LBが照射される時間が均等にならず、例えば中央に位置するG光LGが照射される時間が長くなる場合が考えられる。また、各色光LR、LG、LB毎に人間の視感度が異なるという事情もある。このような場合、各LED光源12R,12G,12B毎に光量を調整することにより、画像のホワイトバランスを調整することができる。さらには、表示画像を好みの色味に調整することもできる。
【0038】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図5を用いて詳しく説明する。本実施形態の投射型表示装置も第1、第2の実施形態と同様、単板式液晶プロジェクタの例である。
図5は本実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。本実施形態の投射型表示装置は、第1の実施形態のミラースキャナーと第2の実施形態のLED光源を組み合わせたものであり、基本構成は前の実施形態と同様なため、図5において図1、図3と共通な構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0039】
本実施形態の投射型表示装置21は、図5に示すように、光源12R,12G,12Bと、ミラースキャナー3(光走査手段)と、リレーレンズ4と、液晶ライトバルブ5(光変調手段)と、投射レンズ6(投射手段)とから概略構成されている。本実施の形態の場合、光源12R,12G,12Bには、R、G、Bの異なる色の色光LR、LG、LBをそれぞれ射出するLED(固体発光素子)が用いられている。ミラースキャナー3は、特定色(特定波長)の光を選択的に反射して残りの光を透過する3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7c(選択反射部材)が互いに所定の角度をなすように組み合わされた構成となっている。ただし、本実施形態では光源12R,12G,12Bからの光がもともと色毎に分かれているため、ミラースキャナー3で分光しているわけではなく、各ダイクロイックミラー7a,7b,7cがそれぞれ異なる色光LR、LG、LBを反射しているだけである。本実施形態の投射型表示装置21は、第2の実施形態と同様の方法で動作させることができる。
【0040】
本実施形態の場合、LED光源12R,12G,12Bが色毎に異なる位置に配置されているのに加えて、各色光LR、LG、LBを反射する各ダイクロイックミラー7a,7b,7cが互いに所定の角度をなしている。そのため、ミラースキャナー3を射出した時点での色光間の射出角度差θ3は、LED光源間の射出角度差θ1にダイクロイックミラー間の角度θ2を合わせたものとなる。一方、第2の実施形態の場合はミラースキャナーで角度が付かないので、LED間の射出角度差が、そのままミラースキャナーを射出した時点での色光間の射出角度差となる。したがって、ミラースキャナー3を射出した後で第2の実施形態と同等の広がりを持つ光束を得ようとした場合、本実施形態では第2の実施形態に比べてLED光源12R,12G,12B間の射出角度差が小さくて済む。その結果、本実施形態では各LED光源12R,12G,12Bを近付けて配置することができるので、装置の小型化に寄与することができる。
【0041】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されることなく、適宜変更が可能である。例えば光変調手段としては、透過型液晶ライトバルブの他、反射型液晶ライトバルブ、DMD(Digital Micromirror Device)等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【図2】同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【図4】同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,11,21…投射型表示装置、2,12R,12G,12B…光源、3,13…ミラースキャナー(光走査手段)、5…液晶ライトバルブ(光変調手段)、6…投射レンズ(投射手段)、7a,7b,7c…ダイクロイックミラー(選択反射部材)、17…ミラー(反射部材)、19…ロッドレンズ(光整形手段)LR、LG、LB…色光
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置、特にフルカラー、単板式の投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面で複数人が同時に見ることができる画像表示装置として投射型表示装置が開発され、実用化されている。投射型表示装置は、光源光を例えば液晶ライトバルブを用いた光変調装置により変調して画像光とし、この画像光をスクリーン等の表示画面に投影して表示するものである。投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)の方式には、いわゆる3板式と呼ばれるものと単板式と呼ばれるものがある。3板式は、光源光を例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の色光に分離し、各色光に対応する3枚の液晶ライトバルブでそれぞれ光変調を行うものである。単板式は、1枚の液晶ライトバルブで各色に対応する光変調を行うものである。単板式の投射型表示装置は、液晶ライトバルブが1枚で済み、光学系も簡単になることから小型化に適している。
【0003】
単板式の投射型表示装置において白色光源を用いてカラー表示を行う場合、以下の2つのタイプのものがある。一つは、カラーフィルターを備えた液晶ライトバルブを用い、R、G、Bの3ドットで1画素とする空間分割タイプのもの、他の一つは、カラーホイール等で白色光をR、G、Bの各色光に時間的に分離し、液晶ライトバルブで時分割駆動を行う時間分割タイプのものである。いずれのタイプにしても、この種の投射型表示装置では、例えば白色光がカラーフィルターやカラーホイールのRの領域に照射されたとき、白色光中に含まれるGの成分、Bの成分は表示に寄与せずに無駄になってしまい、光源から射出される全光量の約1/3しか利用できていない。そこで、分離された色光を帯状の光束とし、この光束を走査しつつ1枚の液晶ライトバルブに照射し、この液晶ライトバルブで各色光の照射された場所に応じた駆動を行うものが、下記の特許文献1に開示されている。この特許文献1の装置は、白色光を空間的に色分離した後のR、G、Bの各色光、あるいは3つの光源から得られたR、G、Bの各色光を回転多面鏡(ポリゴンミラー)に入射させ、ポリゴンミラーの回転によりこれら各色光をライトバルブ上で走査させるというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−337286号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、単板式の投射型表示装置は小型で安価であるという利点を持つはずであるが、特許文献1に記載された投射型表示装置では上記の利点が得られなかった。その理由は、特許文献1に記載された投射型表示装置はポリゴンミラーを用いているが、ポリゴンミラーは投射型表示装置を構成する各種部品の中でもかなり大型の部品であり、装置の小型化を阻害するからである。また、色分離のための光学系も装置内の多くのスペースを占有してしまう。さらに、これらポリゴンミラーや色分離光学系が製造コストの高騰を引き起こすことになる。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光源光の利用効率が高く、装置の小型化を実現し得る投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の投射型表示装置は、光源と、光源から射出される光を変調する光変調手段と、光源から射出される光を反射させ、光を走査しつつ光変調手段に照射する光走査手段と、光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、前記光源が、白色光を射出する白色光源を備え、前記光走査手段が、前記光源からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有し、前記複数の選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の投射型表示装置は、特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた光走査手段を有している。そのため、複数の選択反射部材によって光源からの白色光が異なる色の反射光に所定の間隔をおいて分光される。つまり、光走査手段が分光手段も兼ねている。そして、分光された色光を光変調手段上で走査するとともに、光変調手段を各色光の走査に対応して駆動することで時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターが不要となり、装置の小型化が図れ、装置が安価となる。また、白色光を分光した全ての色光が表示に寄与するので、光源光の利用効率が高く、明るい画像が得られる。具体的な構成の一例として、選択反射部材としてダイクロイックミラーを用い、複数のダイクロイックミラーを組み合わせて回動可能としたもので光走査手段を構成することもできる。軸を中心に回動可能としたミラーは一般にガルバノミラーと呼ばれるが、ガルバノミラーはポリゴンミラーに比べて小型に構成することができる。
【0009】
本発明の第2の投射型表示装置は、光源と、光源から射出される光を変調する光変調手段と、光源から射出される光を反射させ、光を走査しつつ光変調手段に照射する光走査手段と、光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの各色光を反射する反射部材が回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、前記反射部材の回動動作により、前記反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の投射型表示装置は、光源からの色光を反射する反射部材が回動可能とされた光走査手段を有している。そして、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、複数の固体発光素子から反射部材への光の入射角度が各色光によって異なる配置となっている。したがって、本発明の第1の投射型表示装置のように光走査手段が分光手段を兼ねるわけではないが、反射部材から異なる色の反射光が所定の角度を持って射出されることになる。その色光を光変調手段上で走査するとともに、光変調手段を各色光の走査に対応して駆動することで時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターが不要となり、装置の小型化が図れ、装置が安価となる。また、光源からの全ての色光が表示に寄与するので、光源光の利用効率が高く、明るい画像が得られる。
【0011】
本発明の第3の投射型表示装置は、光源と、光源から射出される光を変調する光変調手段と、光源から射出される光を反射させ、光を走査しつつ光変調手段に照射する光走査手段と、光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの異なる色の色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数、角度をなして組み合わされて回動可能とされた構成を有し、前記選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の投射型表示装置は、本発明の第1の投射型表示装置の一部と第2の投射型表示装置の一部を組み合わせたものである。すなわち、光源が異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備えており、光走査手段が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材を複数組み合わせて回動可能としたもので構成されている。この構成においても、本発明の第1、第2の投射型表示装置と同様、光源光の利用効率が高く、小型化が容易な投射型表示装置を実現できる。また、本発明の第3の投射型表示装置においては、複数の選択反射部材が角度をなして組み合わされているため、本発明の第2の投射型表示装置の構成に比べて各固体発光素子を近付けて配置することができる。その結果、より一層の装置の小型化を図ることができる。
【0013】
また、本発明の第2、第3の投射型表示装置においては、異なる色の色光を射出する固体発光素子毎に、各固体発光素子の点灯・消灯操作、および光量調整操作を独立して実施可能な光源制御手段をさらに備えることが望ましい。
この構成によれば、例えば反射光の走査期間において各固体発光素子の点灯・消灯操作を適宜行うことにより、反射光の射出時間を制御して光源光の利用効率を高めることができる。また、各固体発光素子毎に光量を調整することにより、画像のホワイトバランスを調整することができる。
【0014】
例えば、反射部材もしくは選択反射部材の回動動作中の一部の期間において、光源制御手段により光変調手段に照射されない光を射出している固体発光素子を消灯する構成としても良い。
固体発光素子として発光ダイオード(Light Emission Diode, 以下、LEDと略記する)を用いた場合、光変調手段に照射されない光を射出しているLEDを消灯することで射出光の無駄を無くすことができる。また、消灯した分、点灯する際の供給電流を多くして照度を大きくできるので、明るい画像を得ることができる。
【0015】
反射部材もしくは選択反射部材の回動動作が往復の首振り動作である場合、首振り動作の往復の双方において光源から光を射出させる構成としても良い。
この構成によれば、時間開口率が大きくなり、明るい画像を得ることができる。
あるいは、首振り動作の往復のいずれか一方において光源から光を射出させる構成としても良い。
この構成によれば、上述したように、光源にLEDを用いた場合、往復運動のいずれかで消灯した分、点灯する際の供給電流を多くして照度を大きくできるので、明るい画像を得ることができる。
【0016】
また、光変調手段への入射光を反射光の走査方向に所定の幅を持つように帯状に整形する光整形手段をさらに備えることが望ましい。
この構成によれば、光源光を無駄なく利用できるとともに、光変調手段への入射光が走査方向に所定の幅を持つ分、各色光に対応する光変調手段の駆動が各色光の幅の範囲内で行える余裕ができ、光変調手段の駆動が容易になる。よって、光変調手段への入射光は、各色光がライン状に近接しているよりも帯状に整形されている方が望ましい。
【0017】
本発明の第1の照明装置は、光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、前記光源が、白色光を射出する白色光源を備え、前記光走査手段が、前記光源からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有し、前記複数の選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする。
この構成によれば、光源光の利用効率が高く、小型化が容易という利点を持つ本発明の第1の投射型表示装置を容易に実現することができる。
【0018】
本発明の第2の照明装置は、光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの各色光を反射する反射部材が回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、前記反射部材の回動動作により、前記反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする。
この構成によれば、光源光の利用効率が高く、小型化が容易という利点を持つ本発明の第2の投射型表示装置を容易に実現することができる。
【0019】
本発明の第3の照明装置は、光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、前記光走査手段が、前記光源からの異なる色の色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記選択反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、前記選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする。
この構成によれば、光源光の利用効率が高く、小型化が容易という利点を持つ本発明の第3の投射型表示装置を容易に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図1、図2を用いて詳しく説明する。本実施形態の投射型表示装置は、光変調手段として液晶ライトバルブを用いた投射型液晶表示装置、いわゆる液晶プロジェクタの例である。
図1は本実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図、図2は同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【0021】
本実施形態の投射型表示装置1は、一つの液晶ライトバルブのみを備えた、いわゆる単板式のカラー投射型表示装置である。図1に示すように、光源2と、ミラースキャナー3(光走査手段)と、リレーレンズ4と、液晶ライトバルブ5(光変調手段)と、投射レンズ6(投射手段)とから概略構成されている。本実施の形態の場合、光源2には、白色光を射出する白色光源が用いられている。より具体的には、例えばキセノンランプや超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のランプでもよいし、白色LED等の固体発光素子でもよい。
【0022】
ミラースキャナー3は、特定色(特定波長)の光を選択的に反射して残りの光を透過する3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7c(選択反射部材)が互いに所定の角度をなすように組み合わされた構成となっている。R光を反射してG光、B光を透過するダイクロイックミラー7a、G光を反射してR光、B光を透過するダイクロイックミラー7b、B光を反射してR光、G光を透過するダイクロイックミラー7cの3枚を用いることにより、光源2からの白色光LWがミラースキャナー3によりR光LR、G光LG、B光LBに分光され、射出される。
【0023】
ミラースキャナー3は、図1において紙面に垂直な方向に延在する回動軸8を有しており、モーター等の駆動源(図示略)により回動軸8を中心として3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7cが所定の角度を維持したまま、紙面に平行な面内で首振り往復運動する(図中矢印Rで示す)構成となっている。この3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7cの首振り運動により、R光、G光、B光がそれぞれ液晶ライトバルブ5上で紙面における上下方向に走査される。したがって、本実施形態におけるミラースキャナー3は、光源2からの白色光LWを分光する機能と、分光された各色光LR、LG、LBを走査する機能を合わせ持っている。また、各ダイクロイックミラー7a,7b,7cは細長い矩形状の形状をしており、それに伴って各ダイクロイックミラー7a,7b,7cで反射した反射光の光軸に垂直な断面形状が細長い矩形状(帯状)となる。各色光LR、LG、LBの反射光の走査方向の幅は、液晶ライトバルブ5の縦方向の寸法の略1/3になるように設定されている。つまり、本実施の形態の場合、各ダイクロイックミラー7a,7b,7cが、液晶ライトバルブ5への入射光を反射光の走査方向に所定の幅を持つように帯状に整形する光整形手段を兼ねている。
【0024】
また、ミラースキャナー3の射出側には、ミラースキャナー3で分離された各色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5に導くリレーレンズ4が設けられている。リレーレンズ4の射出側には、ミラースキャナー3で分離された各色光LR、LG、LBを変調する透過型の液晶ライトバルブ5が設けられている。液晶ライトバルブ5を構成する液晶セルの入射側と射出側にはそれぞれ偏光板(図示略)が設けられている。液晶ライトバルブ5の射出側には、液晶ライトバルブ5により変調された光をスクリーン10に向けて投射する投射レンズ6が設けられている。
【0025】
以下、上記構成の投射型表示装置の動作について説明する。
図2(a)〜(g)に示すように、分光されたR光LR、G光LG、B光LBが上からこの順に並んでおり、ミラースキャナー3が図1における時計回りに回動するのに伴い、これらの色光LR、LG、LBが液晶ライトバルブ5上で紙面における上から下に向けて(図2(a)→図2(g)の向きで)走査される。本実施形態では、液晶ライトバルブ5上をB光(LB)、G光(LG)、R光(LR)の順で走査され、R光LRを全て走査し終わった時点(図2(g)の位置)で光源2が消灯され、今度はミラースキャナー3が図1における反時計回りに回動することにより元の位置(図2(a)の位置)に戻る。光源2およびミラースキャナー3のこのような一連の動作が画像表示の1フレーム内で行われる。
【0026】
一方、液晶ライトバルブ5の駆動については、液晶ライトバルブ5上の任意のライン(走査線)、例えば最上段のラインで言えば、図2(a)のB光LBの走査が開始されるのと同時にB表示用の画像信号が書き込まれる。そして、B光LBが走査されている間はB表示用の画像信号が書き込まれた状態が保持され、図2(b)のG光LGの走査が始まる瞬間にこのラインがG表示用の画像信号に書き換えられる。同様に、図2(c)のR光LRの走査が始まる瞬間にこのラインがR表示用の画像信号に書き換えられる。すなわち、本実施形態の投射型表示装置1では、1フレームの半分の期間(1/2フレーム)で表示がなされ、残りの1/2フレームは液晶ライトバルブ5に任意の画像信号が書き込まれた状態であっても光源2が消灯されているため、結果的に黒表示となる。そして、1/2フレーム内で3原色に対応した画像が表示され、結果的にカラー画像が得られる。
【0027】
本実施形態の投射型表示装置1は、特定の色光を選択的に反射するダイクロイックミラー7a,7b,7cが3枚組み合わされて回動可能とされたミラースキャナー3を有する点を特徴としている。そのため、ミラースキャナー3が分光機能も持っており、分光された色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5上で走査するとともに、液晶ライトバルブ5を、各ラインに各色光LR、LG、LBの走査に対応する画像信号を書き込むように駆動することにより、時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターを別途設ける必要がなくなり、装置の小型化が図れ、装置が安価となる。また、白色光LWを分光した3色の色光LR、LG、LBが全て表示に寄与するので、光源光の利用効率が高く、明るい画像を得ることができる。また、光源2に白色LEDを用いた場合、ミラースキャナー3の往復運動の片方で消灯した分、点灯する際の供給電流を多くしてLEDの照度を大きくできるので、より明るい画像が得られる。
【0028】
なお、本実施形態では、ミラースキャナー3で分光された色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5の上側から下側に向けて走査する期間のみ光源2を点灯する構成としたが、これに加えて、色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5の下側から上側に向けて走査する期間も光源を点灯する構成としてもよい。この場合、液晶ライトバルブ5の駆動方法も、上側から下側の一方向のみの線順次書き込みではなく、上側から下側、下側から上側の往復の線順次書き込みを実施する必要がある。この構成によれば、時間開口率が2倍になるので、より明るい画像を得ることができる。
【0029】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図3、図4を用いて詳しく説明する。本実施形態の投射型表示装置も第1の実施形態と同様、単板式液晶プロジェクタの例である。
図3は本実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図、図4は同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【0030】
本実施形態の投射型表示装置11は、図3に示すように、光源12R,12G,12Bと、ミラースキャナー13(光走査手段)と、リレーレンズ14と、液晶ライトバルブ5(光変調手段)と、投射レンズ6(投射手段)とから概略構成されている。第1の実施形態では白色光源を用いたのに対し、本実施形態の場合、光源12R,12G,12Bには、R、G、Bの異なる色の色光LR、LG、LBをそれぞれ射出するLED(固体発光素子)が用いられている。これらLEDには駆動回路と制御部(光源制御手段)とが備えられており、各素子毎に点灯・消灯操作、および光量調整操作を独立して行える構成となっている。
【0031】
ミラースキャナー13は、第1の実施形態では3枚のダイクロイックミラーを組み合わせたものを用いたのに対し、本実施形態では全ての色光(全ての波長域の光)を反射する1枚のミラー17(反射部材)で構成されている。各色のLED光源12R,12G,12Bは、各LED光源12R,12G,12Bからミラー17への光の入射角度が異なるように異なる位置に配置されている。よって、ミラー17からの各色光LR、LG、LBの反射光は異なる角度に射出される。また、ミラースキャナー13は、図3において紙面に垂直な方向に延在する回動軸8を有しており、回動軸8を中心としてミラー17が紙面に平行な面内で首振り往復運動する(図中矢印Rで示す)構成となっている。このミラー17の首振り運動により、反射されたR光、G光、B光がそれぞれ液晶ライトバルブ5上で紙面における上下方向に走査される。また、各LED光源12R,12G,12Bとミラースキャナー13との間にロッドレンズ19(光整形手段)が設置されている。ロッドレンズ19は断面が矩形状であり、それに伴ってロッドレンズ19から射出された各色光LR、LG、LBの光軸に垂直な断面形状が細長い矩形状(帯状)となる。各色光LR、LG、LBの走査方向の幅は、液晶ライトバルブ5の縦方向の寸法の略1/3になるように設定されている。
【0032】
また、ミラースキャナー13の射出側には、ミラースキャナー13で反射された各色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5に導くリレーレンズ4が設けられている。リレーレンズ4の射出側には、ミラースキャナー13で反射された各色光LR、LG、LBを変調する透過型の液晶ライトバルブ5が設けられている。液晶ライトバルブ5を構成する液晶セルの入射側と射出側にはそれぞれ偏光板が設けられている。液晶ライトバルブ5の射出側には、液晶ライトバルブ5により変調された光をスクリーン10に向けて投射する投射レンズ6が設けられている。
【0033】
以下、上記構成の投射型表示装置の動作について説明する。
図4(a)〜(g)に示すように、R光LR、G光LG、B光LBが上からこの順に並んでおり、ミラースキャナー13が図3における時計回りに回動するのに伴い、これらの各色光LR、LG、LBが液晶ライトバルブ5上で紙面における上から下に向けて(図4(a)→図4(g)の向きで)走査される。本実施形態では、液晶ライトバルブ5上にB光(LB)、G光(LG)、R光(LR)の順で走査され、R光LRを全て走査し終わると(図4(g)の位置)で、今度はミラースキャナー13が図3における反時計回りに回動しながら、液晶ライトバルブ5上にR光(LR)、G光(LG)、B光(LB)の順で走査され、元の位置(図4(a)の位置)に戻る。光源12R,12G,12Bおよびミラースキャナー13のこのような一連の動作が画像表示の1フレーム内で行われる。
【0034】
第1の実施形態では白色光源を分光してR光、G光、B光を生成していたので、色光毎に光源を点灯したり、消灯したりすることができなかった。これに対して、本実施形態では、各色光LR、LG、LBを射出するLED光源12R,12G,12Bが個別に点灯・消灯操作、および光量調整操作を行えるため、以下のように、光源を第1の実施形態とは異なる方法で駆動することができる。すなわち、ミラースキャナー13の走査と各LED光源12R,12G,12Bの点灯・消灯を同期させておき、液晶ライトバルブ5上の上側のラインにB光LBが照射され、G光LG、R光LRが液晶ライトバルブ5からはみ出している時点(図4(b)の時点)では、B光LBを射出するLED光源12Bのみを点灯し、G光LG、R光LRを射出するLED光源12G,12Rは消灯しておく。次に、液晶ライトバルブ5上にG光LGが照射され始め、R光LRが液晶ライトバルブ5からはみ出している時点(図4(c)の時点)では、B光LBを射出するLED光源12BとG光LGを射出するLED光源12Gを点灯し、R光LRを射出するLED光源12Rのみは消灯する。次に、全ての色光LR、LG、LBが液晶ライトバルブ5上に照射されている間(図4(d)の時点)は全てのLED光源12R,12G,12Bを点灯する。次に、液晶ライトバルブ5上からB光LBがはみ出した時点(図4(e)の時点)でB光LBを射出するLED光源12Bのみを消灯する。次に、液晶ライトバルブ5上からG光LGもはみ出した時点(図4(f)の時点)でB光LBを射出するLED光源12BとG光LGを射出するLED光源12Gを消灯する。以下、下から上に向けて走査する際も同様の点灯・消灯動作を繰り返す。
【0035】
一方、液晶ライトバルブ5の駆動については、第1の実施形態と同様である。液晶ライトバルブ5上の任意のライン(走査線)、例えば最上段のラインで言えば、図4(a)のB光LBの走査が開始されたのと同時にB表示用の画像信号が書き込まれる。そして、B光LBが走査されている間はB表示用の画像信号が書き込まれた状態が保持され、図4(b)のG光LGの走査が始まる瞬間にこのラインがG表示用の画像信号に書き換えられる。同様に、図4(c)のR光LRの走査が始まる瞬間にこのラインがR表示用の画像信号に書き換えられる。
【0036】
本実施形態の投射型表示装置11は、R、G、Bの異なる各色光LR、LG、LBを射出するLED光源12R,12G,12Bと1枚のミラー17からなるミラースキャナー13を有する点を特徴としている。そのため、ミラースキャナー13が各色光LR、LG、LBを液晶ライトバルブ5上で走査するとともに、液晶ライトバルブ5を、各ラインに各色光LR、LG、LBの走査に対応する画像信号を書き込むように駆動することにより、時分割でカラー表示が可能となる。この構成によって、分光手段やカラーフィルターを別途設ける必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。また、各LED光源12R,12G,12Bから射出された3色の色光LR、LG、LBが全て表示に寄与するので、光源光の利用効率が高いものとなる。また本実施形態の場合、液晶ライトバルブ5に照射されない光を射出しているLED光源を消灯する駆動方法を採用しているので、射出光の無駄を無くすことができる。消灯した分、点灯する際の供給電流を多くして照度を大きくできるので、明るい画像を得ることができる。
【0037】
また、液晶ライトバルブ5上において各色光LR、LG、LBが照射される時間が均等にならず、例えば中央に位置するG光LGが照射される時間が長くなる場合が考えられる。また、各色光LR、LG、LB毎に人間の視感度が異なるという事情もある。このような場合、各LED光源12R,12G,12B毎に光量を調整することにより、画像のホワイトバランスを調整することができる。さらには、表示画像を好みの色味に調整することもできる。
【0038】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図5を用いて詳しく説明する。本実施形態の投射型表示装置も第1、第2の実施形態と同様、単板式液晶プロジェクタの例である。
図5は本実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。本実施形態の投射型表示装置は、第1の実施形態のミラースキャナーと第2の実施形態のLED光源を組み合わせたものであり、基本構成は前の実施形態と同様なため、図5において図1、図3と共通な構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0039】
本実施形態の投射型表示装置21は、図5に示すように、光源12R,12G,12Bと、ミラースキャナー3(光走査手段)と、リレーレンズ4と、液晶ライトバルブ5(光変調手段)と、投射レンズ6(投射手段)とから概略構成されている。本実施の形態の場合、光源12R,12G,12Bには、R、G、Bの異なる色の色光LR、LG、LBをそれぞれ射出するLED(固体発光素子)が用いられている。ミラースキャナー3は、特定色(特定波長)の光を選択的に反射して残りの光を透過する3枚のダイクロイックミラー7a,7b,7c(選択反射部材)が互いに所定の角度をなすように組み合わされた構成となっている。ただし、本実施形態では光源12R,12G,12Bからの光がもともと色毎に分かれているため、ミラースキャナー3で分光しているわけではなく、各ダイクロイックミラー7a,7b,7cがそれぞれ異なる色光LR、LG、LBを反射しているだけである。本実施形態の投射型表示装置21は、第2の実施形態と同様の方法で動作させることができる。
【0040】
本実施形態の場合、LED光源12R,12G,12Bが色毎に異なる位置に配置されているのに加えて、各色光LR、LG、LBを反射する各ダイクロイックミラー7a,7b,7cが互いに所定の角度をなしている。そのため、ミラースキャナー3を射出した時点での色光間の射出角度差θ3は、LED光源間の射出角度差θ1にダイクロイックミラー間の角度θ2を合わせたものとなる。一方、第2の実施形態の場合はミラースキャナーで角度が付かないので、LED間の射出角度差が、そのままミラースキャナーを射出した時点での色光間の射出角度差となる。したがって、ミラースキャナー3を射出した後で第2の実施形態と同等の広がりを持つ光束を得ようとした場合、本実施形態では第2の実施形態に比べてLED光源12R,12G,12B間の射出角度差が小さくて済む。その結果、本実施形態では各LED光源12R,12G,12Bを近付けて配置することができるので、装置の小型化に寄与することができる。
【0041】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されることなく、適宜変更が可能である。例えば光変調手段としては、透過型液晶ライトバルブの他、反射型液晶ライトバルブ、DMD(Digital Micromirror Device)等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【図2】同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【図4】同、投射型表示装置において各色光の走査の様子を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,11,21…投射型表示装置、2,12R,12G,12B…光源、3,13…ミラースキャナー(光走査手段)、5…液晶ライトバルブ(光変調手段)、6…投射レンズ(投射手段)、7a,7b,7c…ダイクロイックミラー(選択反射部材)、17…ミラー(反射部材)、19…ロッドレンズ(光整形手段)LR、LG、LB…色光
Claims (11)
- 光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、
前記光源が、白色光を射出する白色光源を備え、
前記光走査手段が、前記光源からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有し、
前記複数の選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、
前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、
前記光走査手段が、前記光源からの各色光を反射する反射部材が回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、
前記反射部材の回動動作により、前記反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置であって、
前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、
前記光走査手段が、前記光源からの異なる色の色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数、角度をなして組み合わされて回動可能とされた構成を有し、
前記選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて前記光変調手段上で走査されるとともに、前記光変調手段が、前記異なる色の反射光の走査に対応して駆動されることを特徴とする投射型表示装置。 - 前記異なる色の色光を射出する固体発光素子毎に、各固体発光素子の点灯・消灯操作、および光量調整操作を独立して実施可能な光源制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の投射型表示装置。
- 前記反射部材もしくは前記選択反射部材の回動動作中の一部の期間において、前記光源制御手段により前記光変調手段に照射されない光を射出している前記固体発光素子を消灯することを特徴とする請求項4に記載の投射型表示装置。
- 前記反射部材もしくは前記選択反射部材の回動動作が往復の首振り動作であり、該首振り動作の往復の双方において前記光源から光を射出させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
- 前記反射部材もしくは前記選択反射部材の回動動作が往復の首振り動作であり、該首振り動作の往復のいずれか一方において前記光源から光を射出させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
- 前記光変調手段への入射光を、前記反射光の走査方向に所定の幅を持つように帯状に整形する光整形手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
- 光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、
前記光源が、白色光を射出する白色光源を備え、
前記光走査手段が、前記光源からの白色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有し、
前記複数の選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする照明装置。 - 光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、
前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、
前記光走査手段が、前記光源からの各色光を反射する反射部材が回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、
前記反射部材の回動動作により、前記反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする照明装置。 - 光源と、前記光源から射出される光を変調する光変調手段と、前記光源から射出される光を反射させ、該光を走査しつつ前記光変調手段に照射する光走査手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型表示装置に用い、前記光源と前記走査手段とを備えた照明装置であって、
前記光源が、異なる色の色光をそれぞれ射出する複数の固体発光素子を備え、
前記光走査手段が、前記光源からの異なる色の色光が入射された際に各々が特定の色光を選択的に反射する選択反射部材が複数組み合わされて回動可能とされた構成を有するとともに、前記複数の固体発光素子が、各固体発光素子から前記選択反射部材への光の入射角度が各色光によって異なるように配置され、
前記選択反射部材の回動動作により、前記複数の選択反射部材からの異なる色の反射光が所定の間隔をおいて被照明領域上で走査されることを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141789A JP2004347681A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 投射型表示装置および照明装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141789A JP2004347681A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 投射型表示装置および照明装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004347681A true JP2004347681A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33530058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003141789A Pending JP2004347681A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 投射型表示装置および照明装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004347681A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009516232A (ja) * | 2005-11-14 | 2009-04-16 | クリー インコーポレイテッド | レーザダイオードのバックライトに基づいて液晶ディスプレイを照明する装置と方法および該バックライトを使用する液晶ディスプレイ |
JP2011510358A (ja) * | 2008-01-22 | 2011-03-31 | アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド | 画像投影用振動ミラー |
US7938547B2 (en) * | 2008-04-02 | 2011-05-10 | Spatial Photonics, Inc. | Coherent light display system |
WO2011111158A1 (ja) * | 2010-03-09 | 2011-09-15 | 株式会社日立製作所 | 光源装置及び投射型画像表示装置 |
JP2013254182A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Canon Inc | 投影装置 |
JP2017182083A (ja) * | 2017-05-24 | 2017-10-05 | キヤノン株式会社 | 投影装置およびその制御方法 |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141789A patent/JP2004347681A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009516232A (ja) * | 2005-11-14 | 2009-04-16 | クリー インコーポレイテッド | レーザダイオードのバックライトに基づいて液晶ディスプレイを照明する装置と方法および該バックライトを使用する液晶ディスプレイ |
JP2011510358A (ja) * | 2008-01-22 | 2011-03-31 | アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド | 画像投影用振動ミラー |
US7938547B2 (en) * | 2008-04-02 | 2011-05-10 | Spatial Photonics, Inc. | Coherent light display system |
WO2011111158A1 (ja) * | 2010-03-09 | 2011-09-15 | 株式会社日立製作所 | 光源装置及び投射型画像表示装置 |
JP2013254182A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Canon Inc | 投影装置 |
JP2017182083A (ja) * | 2017-05-24 | 2017-10-05 | キヤノン株式会社 | 投影装置およびその制御方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4245563B2 (ja) | 投写型映像表示装置 | |
JP4614789B2 (ja) | 光学部材及び照明装置及び投写型映像表示装置 | |
KR101220122B1 (ko) | 광원에 레이저를 사용한 광원 장치 및 프로젝터 | |
US8562141B2 (en) | Light-source apparatus and projector | |
TWI392954B (zh) | 照明系統及照明控制方法 | |
JP5494053B2 (ja) | プロジェクター | |
JP3786911B2 (ja) | 照明系及びこれを採用したプロジェクションシステム | |
US8651667B2 (en) | Projector and method of controlling the same | |
TW200400365A (en) | Image display device and projector | |
JP2006337609A (ja) | 照明装置、投写型映像表示装置 | |
JP2004037958A (ja) | 単板方式画像投射表示装置 | |
JP4183663B2 (ja) | 照明装置及び投写型映像表示装置 | |
JP6787290B2 (ja) | 投影装置及び投影方法 | |
JP2020187165A (ja) | 画像投射装置 | |
JP3972837B2 (ja) | 照明装置、プロジェクタ及び光学装置 | |
JP4222098B2 (ja) | 照明装置および投射型表示装置 | |
JP2004126203A (ja) | 光学エンジン | |
JP2004347681A (ja) | 投射型表示装置および照明装置 | |
KR101057996B1 (ko) | 투사형 화상표시장치 | |
JP2004133312A (ja) | 光源装置および投写型表示装置 | |
JP4466035B2 (ja) | 照明装置およびプロジェクタ | |
JP2008020636A (ja) | 光源装置及び映像表示装置 | |
JP2004191839A (ja) | プロジェクタ | |
JP2004302357A (ja) | 投写型表示装置の光源装置 | |
JP2004170549A (ja) | 単板式画像表示装置及び単板式投写型画像表示装置 |