JP2004347019A - 自動排水弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入口11aと出口11bとの間に排出口11cを設けた弁箱11と、排出口11cを開閉する弁体12と、出口11bに装着され、排水孔18bを有する閉止板18と、閉止栓24を一端側で保持する回動可能なアーム23とを有し、アーム23は開閉栓24を排水孔18bから離間する方向に付勢する圧縮コイルバネ27を有すると共に、アーム23の他端側には、排水孔18bを閉止する位置と排水孔18bを開口する位置とに開閉栓24を切換えるレバー28が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプリンクラー配管などの末端に取付けられて、ポンプの運転停止時に配管内の異物を排出する機能をもつ自動排水弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
積雪地帯に敷設された線路には、図6に示すように線路の消雪を行うためのスプリンクラー配管が設置されている。このスプリンクラー配管は、スプリンクラー1に接続される管路2の一端部に、止め弁3と不凍結型減圧弁4を介してポンプ(不図示)が接続され、管路2の他端部(末端)には自動排水弁5aが接続され、その上流側には異物排出弁5bが接続されている。従来の自動排水弁5a及び異物排出弁5bを図7及び図8により説明する。図7は自動排水弁5aが閉弁した状態で、図8は自動排水弁5aが開弁した状態を示す。異物排出弁5bは、入口51aと出口51bと排出口51cが設けられた弁箱51と、端面にディスク52aが装着された弁体52と、弁体52を駆動する弁棒53と、弁棒53を回転させるハンドル54を有する。排出口51cには、ディスク52aが着座する弁座51dが設けられている。弁棒53は、弁箱51に固定されたふた53aと、ふた53aに固定されたパッキン押え53b及びスリーブ53cなどに支持されている。自動排水弁5aは、異物排出弁5bの出口51b側に設けられ、連通孔54bを有するカバー54aと排水口54dを有するカバー54cとで囲まれた排水部54と、その内部に配設された、排水動作を行う排水部材55とを有する。排水部材55は、カバー54aに固設されたベース55aと軸55bの周囲に支持された略L字形状のアーム55cとその一端部に固定された椀状の閉止栓55dを有する。軸55bにはバネ55eが巻回され、その一端部はカバー54aに押圧され、他端部はピン55fに当接することにより、閉止栓55dは矢印X方向に付勢されている。アーム55cの他端部には、固定軸55gが突設され、そこにペダル55iを有するバランサー55hが固定されている。また上記の自動排水弁及び異物排出弁に関連して、特許文献1には、弁箱の排出口を上下動可能な弁体により閉止する開閉装置を設けることにより、寒冷地における配管内の凍結を防止し、かつ配管系への接続作業を短時間で行えるようにした排出弁が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−208223号公報(第2−3頁、図1)
【0004】
図6に示すスプリンクラー配管によれば、降雪が感知されるとポンプ(不図示)が作動して0.08MPa〜0.2MPa程度に加圧された水が止め弁3と不凍結型減圧弁4を介して管路2に流入し、スプリンクラー1により線路に散水され、残りの水は異物排出弁5bを経て自動排水弁5aに流入する。自動排水弁5aにおいては、図7に示すように水圧により閉止栓55dは矢印X方向に押し付けられ、排出孔54bが塞がれるので、水は排水部54に流入せず、閉弁動作が行われる。一方ポンプが停止している場合は、閉止栓55dは水圧から解放されるので、バランサー55hの自重により矢印Y方向に移動し、排出孔54bが開口して、排水口54dから排水される。これにより、管路1内の凍結が防止される。また管路1内を流れる水には異物(錆、砂、小石など)が混入しているので、長期に亘って排水作業を行うと排出孔54bが異物で塞がれ、自動排水弁5aの作動不良が生じてしまう。そこで、図7において規制手段(不図示)を作動させてペダル55iを踏み込むことにより、閉止栓55dを矢印Y方向にさらに移動させて、排出孔54bの開口面積を拡げ、異物を排出する。また年間に数回程度は、図8に示すように異物排出弁5bのハンドル54を手動で操作して開弁することにより異物排出作業が行われる。すなわち通常は閉弁状態に位置する弁体52を図示の位置まで上昇させ、排出口51cを開口することにより、粗大な異物も排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のスプリンクラー配管は、線路が敷設された限られた敷地内に設置されるため、上記の自動排水弁5aと異物排出弁5bを設置するスペースがないことがある。従って、末端に自動排水弁5aのみを設けた配管設備でポンプの運転を行うと、例えば数ヶ月で自動排水弁5a内に異物が滞留し、閉止栓55dの作動を阻害するという問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は上記の問題点を解消して、異物の排出機能を備えた自動排水弁を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動排水弁は、入口と出口との間に排出口を設けた弁箱と、前記排出口を開閉する弁体と、前記出口に装着されかつ一部に開孔を有する仕切部材と、前記開孔を開閉する栓部材と、前記栓部材を一端側で保持する回動可能なアーム部材とを有し、前記アーム部材は前記栓部材を前記開孔から離間する方向に付勢する弾性体を有すると共に、前記アーム部材の他端側には、前記開孔が閉止する位置と前記開孔が開口する位置とに前記栓部材の位置を切換える操作手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明において、前記栓部材は、前記アームの一端に摺動可能に装着された軸部材に固定され、前記軸部材には前記栓部材を付勢する圧縮コイルバネが装着されていることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記操作手段は、前記アームの他端側にその長手方向に移動可能に嵌装されるレバー部材と、そこに固着された突起部材と、前記突起部材を受容する係止部材を有することが好ましい。
【0010】
本発明によれば、アーム部材の一端側に開孔を開閉する栓部材を設けてその栓部材を弾性体により開孔から離間する方向に付勢すると共に、アーム部材の他端側には、栓部材を開孔に密着する位置とそこから離間する位置とに切換える操作手段を設けるので、コンパクトな構造で、自動排水機能を有すると共に異物排出機能を付与することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わる自動排水弁の断面図、図2は自動運転時の図1の要部を拡大した断面図、図3はポンプ停止時の自動排水弁の断面図、図4は図3の要部を拡大した断面図、図5は手動操作時の自動排水弁の断面図である。
【0012】
図1に示す自動排水弁10は、異物排出部10bに隣接して排水部10aが形成されている。異物排出部10bは、入口11aと出口11bと排出口11cを有する弁箱11と、端面にディスク12aを有する弁体12と、弁体12を駆動する弁棒13と、弁棒13を回転させるハンドル14を有する。排出口11cには、ディスク12aが着座する弁座11dが設けられている。弁棒13は、弁箱11に固定されたふた15と、ふた15に固定されたパッキン押え16及びスリーブ17などにより回転可能に支持されている。異物排出部10bの出口11b側に設けられた排水部10aは、排出孔18bを有する閉止板18aと、その端面に装着された排水動作を行う排水部材20と、排水部材20を覆う、排水口19aを有するカバー19とで形成されている。排水部材20は、閉止板18aに固設されたベース21とそこに取着された軸22の周囲に回動可能に支承されたアーム23とその一端部に支持された椀状の閉止栓24を有する。閉止栓24は、アーム23の一端部に固定されたバネ座25に遊嵌された軸26に固定され、軸26に装着された圧縮コイルバネ27により、矢印S方向に付勢されている。アーム23の他端側には、レバー28が嵌装され、レバー28はアーム21に装着された圧縮コイルバネ29により上向きに付勢されている。レバー28には、支持部材30が固着され、その一端部に突設されたストッパーピン31は閉止板18aの上端部に設けられたスリーブ32に嵌入されている。上記自動排水弁10は、異物排出部10bに隣接する排水部10aの長さが従来の排水弁(図7参照)の半分以下になるので、狭い配管スペース内にも設置することが可能となる。
【0013】
上記自動排水弁10の動作は次の通りである。降雪時は、次のようにして自動排水弁10の自動運転が行われる。すなわち、ポンプを運転すると、図1及び図2に示すように入口11aから弁箱11内に水が流入し、その水圧により、閉止栓24が圧縮コイルバネ27を矢印T方向に圧縮して閉止板18aの排出孔18bを塞ぐので、スプリンクラー(図6参照)から散水される。一方、ポンプを停止した場合は、閉止栓24は水圧から解放されるので、図3及び図4に示すように圧縮コイルバネ27の復元力により、閉止栓24は矢印S方向に移動する。次いで図5に示すようにレバー28を下げてストッパーピン31をスリーブ32から外した後レバー28を時計方向に回動させる。この操作により、排出孔18bが開口するので、排出孔18bから強制的に排水が行われ、異物も排水口19aから配管外に排出される。従って配管内の凍結防止と排水弁の正常な作動が可能となる。またハンドル14を回転させて、弁体12を上昇させる(開弁する)ことにより、排出口11cから異物が流出するので、自動排水弁の作動不良を確実に防止することが可能となる。すなわち上記自動排水弁10は、コンパクトな構造であることに加えて、自動排水機能と異物排出機能を共に具備するものである。
【0014】
【発明の効果】
以上に記述の如く本発明によれば、異物排出部に隣接する排水部は、排水口を閉止する閉止栓が回動可能なアームの先端に弾性体を介して移動可能に支持された構造を有するので、限られたスペース内に設置することが可能な、コンパクトな自動排水弁を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる自動排水弁の断面図である。
【図2】図1の要部を拡大した断面図である。
【図3】ポンプ停止時の自動排水弁の断面図である。
【図4】図3の要部を拡大した断面図である。
【図5】手動操作時の自動排水弁の断面図である。
【図6】従来のスプリンクラー配管の一例を示す模式図である。
【図7】従来の自動排水弁及び異物排出弁の断面図である。
【図8】従来の自動排水弁及び異物排出弁の断面図である。
【符号の説明】
1:スプリンクラー、2:管路、3:止め弁、4:減圧弁、5a:自動排水弁、5b:異物排出弁
10:自動排水弁、10a:排水部、10b:異物排出部
11:弁箱、11a:入口、11b:出口、11c:排出口
12:弁体、12a:ディスク
13:弁棒
14:ハンドル
15:ふた、16:パッキン押え、17:スリーブ
18:閉止板、18a:排出孔、18b:係止孔
19:カバー、19a:排水口
20:排水部材
21:ベース
22、26:軸
23:アーム
24:閉止栓
25:バネ座
27、29:圧縮コイルバネ
28:レバー
30:支持部材
31:ストッパーピン
32:スリーブ
Claims (3)
- 入口と出口との間に排出口を設けた弁箱と、前記排出口を開閉する弁体と、前記出口に装着されかつ一部に開孔を有する仕切部材と、前記開孔を開閉する栓部材と、前記栓部材を一端側で保持する回動可能なアーム部材とを有し、前記アーム部材は前記栓部材を前記開孔から離間する方向に付勢する弾性体を有すると共に、前記アーム部材の他端側には、前記開孔を閉止する位置と前記開孔を開口する位置とに前記栓部材の位置を切換える操作手段が設けられていることを特徴とする自動排水弁。
- 前記栓部材は、前記アームの一端に摺動可能に装着された軸部材に固定され、前記軸部材には前記栓部材を付勢する圧縮コイルバネが装着されていることを特徴とする請求項1記載の自動排水弁。
- 前記操作手段は、前記アームの他端側にその長手方向に移動可能に嵌装されるレバー部材と、そこに固着された突起部材と、前記突起部材を受容する係止部材を有することを特徴とする請求項1記載の自動排水弁。
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