JP2004347013A - 油圧設備の異常判定方法及び油圧設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度よくしかも素早く油漏れを検知する。
【解決手段】タンク1内の油を、制御可能な弁11を介してポンプ3により油圧シリンダ5に供給する油圧設備である。油面計13でタンク内1の油面位置を計測する。記憶手段6aに油圧シリンダ5のデータを記憶する。弁11の動作状況と油圧シリンダ5の動作位置計測手段5aにより測定された動作位置及びデータに基づき第1の演算手段6bで油圧シリンダ5内の油量変化量を計算する。第1の演算手段6bで計算した油量に基づき第2の演算手段6cでタンク1内の油面位置を計算する。この計算した油面位置と湯面計13で計測した油面位置とを比較手段6dで比較する。比較結果が所定の範囲を外れた場合には、判定手段6eは異常と判定する。
【効果】タンク〜油圧シリンダ間のどのような位置における油漏れをも、油圧シリンダの数に左右されず、素早く検知できる。
【選択図】 図1
【解決手段】タンク1内の油を、制御可能な弁11を介してポンプ3により油圧シリンダ5に供給する油圧設備である。油面計13でタンク内1の油面位置を計測する。記憶手段6aに油圧シリンダ5のデータを記憶する。弁11の動作状況と油圧シリンダ5の動作位置計測手段5aにより測定された動作位置及びデータに基づき第1の演算手段6bで油圧シリンダ5内の油量変化量を計算する。第1の演算手段6bで計算した油量に基づき第2の演算手段6cでタンク1内の油面位置を計算する。この計算した油面位置と湯面計13で計測した油面位置とを比較手段6dで比較する。比較結果が所定の範囲を外れた場合には、判定手段6eは異常と判定する。
【効果】タンク〜油圧シリンダ間のどのような位置における油漏れをも、油圧シリンダの数に左右されず、素早く検知できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精度よく、しかも、素早く油漏れを検知することが可能な油圧設備の異常判定方法及び油圧設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧シリンダを備えた油圧設備における油漏れを検出する手段として、従来は、油圧シリンダ内の油量を考慮しておらず、油圧シリンダに最も油が供給された状態、すなわち、タンク内の油量が最も少なくなったときを基準として、それよりも所定量油量が少なくなったときに油漏れと判断し、油圧源を停止して警報を出していた。
【0003】
しかしながら、このような方法では、大量の油が漏れた場合等タンク内の油量が最も少なくなった場合以外は、油漏れの検出ができないという問題がある。
【0004】
そこで、従来より、▲1▼ダイカストマシーンの運転サイクルに応じて作業工程毎の油面変化量△hを求め、この油面変化量△hが通常より大きくなった場合に異常と判断する方法(例えば、特許文献1参照。)、▲2▼タンクの過去α時間の油面レベル平均値と現在油面レベルとのずれを比較する装置(例えば、特許文献2参照。)、▲3▼負荷稼働時間とポンプの稼動時間の比率から異常を判断する方法(例えば、特許文献3参照。)、▲4▼方向切替弁の1次側、2次側の油温を計測し油漏れを検出する方法や装置(例えば、特許文献4参照。)、▲5▼ポンプやモータの電流値から得られるオンロード時間とアクチュエータの稼動時間とオンロード時間の割合からオンロード率を求めてオンロード率の変化から異常を判断する方法(例えば、特許文献5参照。)、▲6▼ポンプ出側の送油開始端と送油終了端に流量計を設置し、その偏差から油漏れを検出する装置(例えば、特許文献6参照。)等の各種の異常判定方法や装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−328223号公報(第2頁、図3)
【特許文献2】
特開平7−98006号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開平7−286604号公報(第2頁、図2)
【特許文献4】
特開平10−169619号公報(第2頁、図1)
【特許文献5】
特開平11−271170号公報(第2頁、図1)
【特許文献6】
実開平6−12936号公報(第2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1〜6に記載された技術は、何れも以下のような問題を有している。
先ず、特許文献1に記載された技術は、使用用途が工作機械のように一連の決まった動作を行うアクチュエータに限られるので、アクチュエータが所定のサイクルで運転されない場合には適用できない。また、特許文献2に記載された技術は、油圧回路の中に大容量のシリンダが存在する場合は、そのシリンダに使用される油量によって平均レベルも変動するという影響をうける。また、特許文献3に記載された技術は、油圧回路につながるシリンダの数量が多い場合、診断結果が不正確になる。また、特許文献4,6に記載された技術は、油温或いは流量を測定する測定器が必要であり、コスト高になる。最後に、特許文献5に記載された技術は、アクチュエータの稼働時間をどう定義するかによって検出能力が変化するので、稼働時間の定義によっては検出能力が落ちてしまう。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、種々のシリンダが特定のサイクルで運転されない場合においても精度よく、しかも、素早く油漏れを検知することが可能な油圧設備の異常判定方法及び油圧設備を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、タンク内の油面位置等からタンク内の油量を計測する一方、各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測し、この検出或いは予測した動作位置に基づいて求めた各油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を用いて、前記検出或いは予測時点におけるタンク内の油量を演算し、この演算した油量と前記計測した油量とを比較し、比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定するようにしている。
【0009】
そして、このように、従来、固定レベルで検出していた油漏れの検知を、油圧シリンダ内の油量の変化を考慮した変動レベルで検出することにより、種々のシリンダが特定のサイクルで運転されない場合においても、精度よく、しかも、素早く油漏れを検出することができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
油圧設備においては、油圧回路につながっている各油圧シリンダ及びその動作状況によって全油圧シリンダへ供給される油量が異なり、それによってタンク内の油面レベルが大きく変動する。一方、油圧回路に漏れがない場合、タンク〜油圧シリンダ間の総油量は変動しない。
【0011】
本発明者は、上記の事柄に注目し、各油圧シリンダの動作位置から各油圧シリンダ内に存在する油量を求め、それからタンク内の油量の変動量を求めて油漏れ検出閾値を変化させる以下の本発明を成立させた。
【0012】
すなわち、本発明に係る油圧設備の異常判定方法は、タンク内の油を、制御可能な弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備の異常を判定する方法において、前記タンク内の油量を計測する一方、各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測し、この検出或いは予測した動作位置に基づいて求めた各油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を用いて、前記検出或いは予測時点におけるタンク内の油量を演算し、この演算した油量と前記計測した油量とを比較し、比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定するものである。
【0013】
つまり、本発明に係る油圧設備の異常判定方法では、先ず、各時点での各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測する。この検出或いは予測した位置変化量と、予め分かっている各油圧シリンダの内径、ロッド断面積等の諸元により、各油圧シリンダ内に存在する油量或いは油量の変化量を計算する。これを用いて、各時点でのタンク内の油面位置等の油量を予測することができる。そして、この予測油量に対して計算誤差等を考慮した許容範囲を閾値として設定しておき、この閾値よりも油量が低下した場合に異常と判定する。
【0014】
ところで、油圧システムに用いられるアキュムレータ内の油量の変動が油圧タンクの計測された油量と演算された油量の差として現れる可能性がある。従って、上記本発明において、油圧タンクの容量に比してアキュムレータの容量が大きい場合、アキュムレータ内の油量或いは油量の変化を計測或いは予測して油圧タンクの演算された油量或いは許容範囲に反映させることが好ましい。
【0015】
ところで、油圧シリンダには、動作位置検出手段を備えたものと、動作位置検出手段を備えないものがある。また、動作位置検出手段を備えないものには、電磁弁等の開閉弁で開閉制御を行うものと、流量制御弁で油圧シリンダの動作速度を制御するものがある。
【0016】
従って、上記の本発明方法を実施する装置は、油圧装置に含まれる油圧シリンダの種類に応じて、以下の3つの態様となる。
すなわち、動作位置検出手段を備えた油圧シリンダを有する油圧設備では、直接油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算できるので、タンク内の油を、制御可能な弁を介して前記油圧シリンダに供給する油圧設備において、前記タンク内の油量を計測する計測手段例えば油量計と、前記油圧シリンダのデータを記憶する記憶手段と、前記動作位置計測手段により測定された前記油圧シリンダの動作位置及びデータを用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第1の演算手段と、この第1の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、この第2の演算手段で計算した油量と前記油量計で計測した油量とを比較する比較手段と、この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを備えさせる。これが第1の本発明に係る油圧設備である。
【0017】
一方、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダでは、直接油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算することができない。従って、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダのうち、開閉弁で制御を行うものでは、予め開閉による油圧シリンダの動作速度を測定しておき、開又は閉となった時間から油圧シリンダの動作位置を計算すればよい。
【0018】
すなわち、第2の本発明に係る油圧設備は、タンク内の油を、開閉の制御可能な開閉弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備において、前記タンク内の油量を計測する計測手段例えば油量計と、予め記憶しておいた前記開閉弁の動作による油圧シリンダの動作速度を基に、開閉弁の動作から前記油圧シリンダの動作位置を計算する第3の演算手段と、前記油圧シリンダのデータを記憶する記憶手段と、前記第3の演算手段によって計算した油圧シリンダの動作位置及びデータを用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第1の演算手段と、この第1の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、この第2の演算手段で計算した油量と前記油量計で計測した油量とを比較する比較手段と、この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有するものである。
【0019】
また、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダのうち、流量制御弁で油圧シリンダの動作速度を制御するものは、流量制御弁に与える流量指令値或いは速度指令値等の制御量の時間積算値より油量或いは油量の変化量を計算すれば良い。
【0020】
すなわち、第3の本発明に係る油圧設備は、タンク内の油を、流量の制御可能な流量制御弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備において、前記タンク内の油量を計測する例えば油量計と、前記流量制御弁の制御量を用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第4の演算手段と、この第4の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、この第2の演算手段で計算した油量と前記油量計で計測した油量とを比較する比較手段と、この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有するものである。
【0021】
本発明では、上記の構成を採用することにより、タンク〜油圧シリンダ間のどのような位置における油漏れをも、油圧シリンダの種類や数に左右されず、素早く検知することができる。そして、この油漏れの検知は、タンク容量に対し大容量のシリンダが配置されている場合に、特に効果を発揮する。
【0022】
上記第1〜第3の何れか記載の油圧設備において、前記判定手段で異常と判定した場合には警報を出す警報手段を備えさせても良い。
また、1つの油圧装置において、動作位置計測手段を備えた油圧シリンダ、それを備えず開閉弁で制御される油圧シリンダ、或いは、流量制御弁で制御される油圧シリンダの2種以上を有する場合は、それぞれに応じて第1,3,4の演算手段を備えさせれば良い。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。
図1は第1の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図、図2は第1の本発明に係る油圧設備の異常判定方法のフロー図、図3,4は第2,3の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【0024】
図1において、1はタンクであり、タンク内1の油2を油圧源である例えばポンプ3から配管4を介して動作位置検出器5aを備えた油圧シリンダ5に供給するようになっている。
【0025】
6は制御器であり、例えば記憶手段6aと、第1,第2の演算手段6b,6cと、比較手段6dと、判定手段6eとから構成されている。
このうち、記憶手段6aには例えば上位コンピュータ7から配線12aを介して送られてきた前記油圧シリンダ5の内径、ストローク等のデータが記憶されている。また、油圧システムが立ち上がった時点のタンク油面実測値も記憶されており、後述するタンク1内の油面位置の計算に用いられる(初期値の設定:図2の#1)。そして、このデータは、第1の演算手段に6bに出力される。
【0026】
第1の演算出段6bには、前記油圧シリンダ5の上流に設けられた弁11からの動作状況の信号と、前記動作位置検出器5aからの油圧シリンダ5のロッドの動作位置が、夫々配線12b,12cを介して入力され、前記データとこれら入力信号に基づき、油圧シリンダ5内の油量変化量を計算する(図2の#2)。
【0027】
そして、前記第1の演算手段6bで計算した油量変化量は第2の演算手段6cに出力され、第2の演算手段6cでは、この油量変化量に基づきタンク1内の油面位置を計算する(図2の#3)。本実施例では、この第2の演算手段6cには、前記油圧源3に直結されたアキュムレータ8のレベル計9からのレベル信号が配線12dを介して入力され、タンク1内の油面位置の計算精度の向上を図っている。
【0028】
前記第2の演算手段6cで計算した油面位置は比較手段6dに出力され、比較手段6dでは、第2の演算手段6cから出力された計算油面位置と、配線12eを介して送られてきた前記タンク1に設置された例えば油面計13(例えば超音波レベル計)で測定した油面位置(図2の#4)とを比較し(図2の#5)、その結果を判定手段6eに出力する。
【0029】
判定手段6eには予め閾値が入力されており、前記比較手段6dから出力されてきた比較結果が前記閾値を外れた場合には異常と判定し(図2の#6)、例えば警報手段14に信号を出力する(図2の#7)。なお、比較結果が前記閾値内の場合は、以上の処理を繰返す。以上の処理の流れを図2に示す。
【0030】
図3は図1の動作位置検出手段5aを備えた油圧シリンダ5に代えて、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダ5を備え、例えば電磁弁15でON/OFF制御を行う油圧設備を示したものである。この図3に示した油圧設備では、予め電磁弁15のON/OFFによる油圧シリンダ5のロッドの動作速度を測定しておき、ON/OFFの時間から油圧シリンダ5(ロッド)の動作位置を計算する。
【0031】
すなわち、図3に示した油圧設備では、図1で説明した制御器6に、予め測定しておいた前記油圧シリンダ5の動作位置を計算する第3の演算手段6fを更に設け、第1の演算手段6bでは、前記電磁弁15の動作状況と前記第3の演算手段6fによって計算した油圧シリンダ5の動作位置及び記憶手段6aから出力された油圧シリンダ5のデータから油圧シリンダ5内の油量変化量を計算するのである。
【0032】
また、図4は図3と同様、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダ5を備えた油圧設備において、電磁弁15に代えて流量制御弁16を備えたものである。この流量制御弁16で油圧シリンダ5のロッドの動作速度を制御するものでは、流量制御弁16に与える流量指令値の時間積算値、或いは、速度指令値の時間積算値より油圧シリンダ5の油量変化量を計算すれば良い。
【0033】
すなわち、図4に示した油圧設備では、図1で説明した制御器6の記憶手段6a及び第1の演算手段6bに代えて、上位コンピュータ7から前記流量制御弁16に与える、例えば流量指令値或いは速度指令値等の制御量の時間積算値より油圧シリンダ5内の油量変化量を計算する第4の演算手段6gを設け、第2の演算手段6cでは、この第4の演算手段6gで計算した油量変化量からタンク1内の油面位置を計算するのである。
【0034】
これら図3,4に示した実施例では、油圧シリンダ5のロッド位置に計算誤差が出ることが考えられるので、この期間は前記閾値を拡大する等の配慮をしても良い。また、その場合は、各油圧シリンダ5の大きさに応じて閾値の拡大幅を調整しても良い。そして、ロッドが定位置にきたことを検出した場合に閾値を元に戻しても良い。また、本実施例のように、警報器14を備えさせた場合には、油圧シリンダ5の動作中は警報を出さない不感時間を設定しても良く、その不感時間は油圧シリンダ5によって変化させても良い。
【0035】
なお、上記の計算は、コンピュータを用いることによって実現できる。各油圧シリンダ5はこれらの機器を動作させる制御装置によってコントロールされており、この制御装置から所定の時間間隔で、或いは、新たな動作がなされるごとに油圧シリンダ5の動作情報を入手すればよい。また、各油圧シリンダ5の動作状況・ロッド位置を検出するセンサーを別個に設け、直接或いは制御装置を通して入手してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、油圧シリンダ内に存在する油量を考慮し、この油量をタンク内の油面位置に反映させることで、種々のシリンダが特定のサイクルで運転されない場合においても、以下に列挙する効果を奏する。
【0037】
▲1▼ タンク〜油圧シリンダ間のどのような位置における油漏れをも素早く検知することができる。そして、この油漏れの検知は、タンク容量に比べ大容量のシリンダが配置されている場合に、特に効果を発揮する。
▲2▼ 油圧系統に存在する油圧シリンダの数に左右されず検出できる。
▲3▼ 大規模な測定機器が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【図2】本発明に係る油圧設備の異常判定方法のフロー図である。
【図3】第2の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【図4】第3の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 タンク
3 ポンプ
5 油圧シリンダ
5a 動作位置検出器
6 制御器
6a 記憶手段
6b 第1の演算手段
6c 第2の演算手段
6d 比較手段
6e 判定手段
6f 第3の演算手段
6g 第4の演算手段
7 上位コンピュータ
11 弁
13 油面計
14 警報器
15 電磁弁
16 流量制御弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、精度よく、しかも、素早く油漏れを検知することが可能な油圧設備の異常判定方法及び油圧設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧シリンダを備えた油圧設備における油漏れを検出する手段として、従来は、油圧シリンダ内の油量を考慮しておらず、油圧シリンダに最も油が供給された状態、すなわち、タンク内の油量が最も少なくなったときを基準として、それよりも所定量油量が少なくなったときに油漏れと判断し、油圧源を停止して警報を出していた。
【0003】
しかしながら、このような方法では、大量の油が漏れた場合等タンク内の油量が最も少なくなった場合以外は、油漏れの検出ができないという問題がある。
【0004】
そこで、従来より、▲1▼ダイカストマシーンの運転サイクルに応じて作業工程毎の油面変化量△hを求め、この油面変化量△hが通常より大きくなった場合に異常と判断する方法(例えば、特許文献1参照。)、▲2▼タンクの過去α時間の油面レベル平均値と現在油面レベルとのずれを比較する装置(例えば、特許文献2参照。)、▲3▼負荷稼働時間とポンプの稼動時間の比率から異常を判断する方法(例えば、特許文献3参照。)、▲4▼方向切替弁の1次側、2次側の油温を計測し油漏れを検出する方法や装置(例えば、特許文献4参照。)、▲5▼ポンプやモータの電流値から得られるオンロード時間とアクチュエータの稼動時間とオンロード時間の割合からオンロード率を求めてオンロード率の変化から異常を判断する方法(例えば、特許文献5参照。)、▲6▼ポンプ出側の送油開始端と送油終了端に流量計を設置し、その偏差から油漏れを検出する装置(例えば、特許文献6参照。)等の各種の異常判定方法や装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−328223号公報(第2頁、図3)
【特許文献2】
特開平7−98006号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開平7−286604号公報(第2頁、図2)
【特許文献4】
特開平10−169619号公報(第2頁、図1)
【特許文献5】
特開平11−271170号公報(第2頁、図1)
【特許文献6】
実開平6−12936号公報(第2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1〜6に記載された技術は、何れも以下のような問題を有している。
先ず、特許文献1に記載された技術は、使用用途が工作機械のように一連の決まった動作を行うアクチュエータに限られるので、アクチュエータが所定のサイクルで運転されない場合には適用できない。また、特許文献2に記載された技術は、油圧回路の中に大容量のシリンダが存在する場合は、そのシリンダに使用される油量によって平均レベルも変動するという影響をうける。また、特許文献3に記載された技術は、油圧回路につながるシリンダの数量が多い場合、診断結果が不正確になる。また、特許文献4,6に記載された技術は、油温或いは流量を測定する測定器が必要であり、コスト高になる。最後に、特許文献5に記載された技術は、アクチュエータの稼働時間をどう定義するかによって検出能力が変化するので、稼働時間の定義によっては検出能力が落ちてしまう。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、種々のシリンダが特定のサイクルで運転されない場合においても精度よく、しかも、素早く油漏れを検知することが可能な油圧設備の異常判定方法及び油圧設備を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、タンク内の油面位置等からタンク内の油量を計測する一方、各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測し、この検出或いは予測した動作位置に基づいて求めた各油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を用いて、前記検出或いは予測時点におけるタンク内の油量を演算し、この演算した油量と前記計測した油量とを比較し、比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定するようにしている。
【0009】
そして、このように、従来、固定レベルで検出していた油漏れの検知を、油圧シリンダ内の油量の変化を考慮した変動レベルで検出することにより、種々のシリンダが特定のサイクルで運転されない場合においても、精度よく、しかも、素早く油漏れを検出することができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
油圧設備においては、油圧回路につながっている各油圧シリンダ及びその動作状況によって全油圧シリンダへ供給される油量が異なり、それによってタンク内の油面レベルが大きく変動する。一方、油圧回路に漏れがない場合、タンク〜油圧シリンダ間の総油量は変動しない。
【0011】
本発明者は、上記の事柄に注目し、各油圧シリンダの動作位置から各油圧シリンダ内に存在する油量を求め、それからタンク内の油量の変動量を求めて油漏れ検出閾値を変化させる以下の本発明を成立させた。
【0012】
すなわち、本発明に係る油圧設備の異常判定方法は、タンク内の油を、制御可能な弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備の異常を判定する方法において、前記タンク内の油量を計測する一方、各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測し、この検出或いは予測した動作位置に基づいて求めた各油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を用いて、前記検出或いは予測時点におけるタンク内の油量を演算し、この演算した油量と前記計測した油量とを比較し、比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定するものである。
【0013】
つまり、本発明に係る油圧設備の異常判定方法では、先ず、各時点での各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測する。この検出或いは予測した位置変化量と、予め分かっている各油圧シリンダの内径、ロッド断面積等の諸元により、各油圧シリンダ内に存在する油量或いは油量の変化量を計算する。これを用いて、各時点でのタンク内の油面位置等の油量を予測することができる。そして、この予測油量に対して計算誤差等を考慮した許容範囲を閾値として設定しておき、この閾値よりも油量が低下した場合に異常と判定する。
【0014】
ところで、油圧システムに用いられるアキュムレータ内の油量の変動が油圧タンクの計測された油量と演算された油量の差として現れる可能性がある。従って、上記本発明において、油圧タンクの容量に比してアキュムレータの容量が大きい場合、アキュムレータ内の油量或いは油量の変化を計測或いは予測して油圧タンクの演算された油量或いは許容範囲に反映させることが好ましい。
【0015】
ところで、油圧シリンダには、動作位置検出手段を備えたものと、動作位置検出手段を備えないものがある。また、動作位置検出手段を備えないものには、電磁弁等の開閉弁で開閉制御を行うものと、流量制御弁で油圧シリンダの動作速度を制御するものがある。
【0016】
従って、上記の本発明方法を実施する装置は、油圧装置に含まれる油圧シリンダの種類に応じて、以下の3つの態様となる。
すなわち、動作位置検出手段を備えた油圧シリンダを有する油圧設備では、直接油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算できるので、タンク内の油を、制御可能な弁を介して前記油圧シリンダに供給する油圧設備において、前記タンク内の油量を計測する計測手段例えば油量計と、前記油圧シリンダのデータを記憶する記憶手段と、前記動作位置計測手段により測定された前記油圧シリンダの動作位置及びデータを用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第1の演算手段と、この第1の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、この第2の演算手段で計算した油量と前記油量計で計測した油量とを比較する比較手段と、この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを備えさせる。これが第1の本発明に係る油圧設備である。
【0017】
一方、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダでは、直接油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算することができない。従って、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダのうち、開閉弁で制御を行うものでは、予め開閉による油圧シリンダの動作速度を測定しておき、開又は閉となった時間から油圧シリンダの動作位置を計算すればよい。
【0018】
すなわち、第2の本発明に係る油圧設備は、タンク内の油を、開閉の制御可能な開閉弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備において、前記タンク内の油量を計測する計測手段例えば油量計と、予め記憶しておいた前記開閉弁の動作による油圧シリンダの動作速度を基に、開閉弁の動作から前記油圧シリンダの動作位置を計算する第3の演算手段と、前記油圧シリンダのデータを記憶する記憶手段と、前記第3の演算手段によって計算した油圧シリンダの動作位置及びデータを用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第1の演算手段と、この第1の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、この第2の演算手段で計算した油量と前記油量計で計測した油量とを比較する比較手段と、この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有するものである。
【0019】
また、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダのうち、流量制御弁で油圧シリンダの動作速度を制御するものは、流量制御弁に与える流量指令値或いは速度指令値等の制御量の時間積算値より油量或いは油量の変化量を計算すれば良い。
【0020】
すなわち、第3の本発明に係る油圧設備は、タンク内の油を、流量の制御可能な流量制御弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備において、前記タンク内の油量を計測する例えば油量計と、前記流量制御弁の制御量を用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第4の演算手段と、この第4の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、この第2の演算手段で計算した油量と前記油量計で計測した油量とを比較する比較手段と、この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有するものである。
【0021】
本発明では、上記の構成を採用することにより、タンク〜油圧シリンダ間のどのような位置における油漏れをも、油圧シリンダの種類や数に左右されず、素早く検知することができる。そして、この油漏れの検知は、タンク容量に対し大容量のシリンダが配置されている場合に、特に効果を発揮する。
【0022】
上記第1〜第3の何れか記載の油圧設備において、前記判定手段で異常と判定した場合には警報を出す警報手段を備えさせても良い。
また、1つの油圧装置において、動作位置計測手段を備えた油圧シリンダ、それを備えず開閉弁で制御される油圧シリンダ、或いは、流量制御弁で制御される油圧シリンダの2種以上を有する場合は、それぞれに応じて第1,3,4の演算手段を備えさせれば良い。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。
図1は第1の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図、図2は第1の本発明に係る油圧設備の異常判定方法のフロー図、図3,4は第2,3の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【0024】
図1において、1はタンクであり、タンク内1の油2を油圧源である例えばポンプ3から配管4を介して動作位置検出器5aを備えた油圧シリンダ5に供給するようになっている。
【0025】
6は制御器であり、例えば記憶手段6aと、第1,第2の演算手段6b,6cと、比較手段6dと、判定手段6eとから構成されている。
このうち、記憶手段6aには例えば上位コンピュータ7から配線12aを介して送られてきた前記油圧シリンダ5の内径、ストローク等のデータが記憶されている。また、油圧システムが立ち上がった時点のタンク油面実測値も記憶されており、後述するタンク1内の油面位置の計算に用いられる(初期値の設定:図2の#1)。そして、このデータは、第1の演算手段に6bに出力される。
【0026】
第1の演算出段6bには、前記油圧シリンダ5の上流に設けられた弁11からの動作状況の信号と、前記動作位置検出器5aからの油圧シリンダ5のロッドの動作位置が、夫々配線12b,12cを介して入力され、前記データとこれら入力信号に基づき、油圧シリンダ5内の油量変化量を計算する(図2の#2)。
【0027】
そして、前記第1の演算手段6bで計算した油量変化量は第2の演算手段6cに出力され、第2の演算手段6cでは、この油量変化量に基づきタンク1内の油面位置を計算する(図2の#3)。本実施例では、この第2の演算手段6cには、前記油圧源3に直結されたアキュムレータ8のレベル計9からのレベル信号が配線12dを介して入力され、タンク1内の油面位置の計算精度の向上を図っている。
【0028】
前記第2の演算手段6cで計算した油面位置は比較手段6dに出力され、比較手段6dでは、第2の演算手段6cから出力された計算油面位置と、配線12eを介して送られてきた前記タンク1に設置された例えば油面計13(例えば超音波レベル計)で測定した油面位置(図2の#4)とを比較し(図2の#5)、その結果を判定手段6eに出力する。
【0029】
判定手段6eには予め閾値が入力されており、前記比較手段6dから出力されてきた比較結果が前記閾値を外れた場合には異常と判定し(図2の#6)、例えば警報手段14に信号を出力する(図2の#7)。なお、比較結果が前記閾値内の場合は、以上の処理を繰返す。以上の処理の流れを図2に示す。
【0030】
図3は図1の動作位置検出手段5aを備えた油圧シリンダ5に代えて、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダ5を備え、例えば電磁弁15でON/OFF制御を行う油圧設備を示したものである。この図3に示した油圧設備では、予め電磁弁15のON/OFFによる油圧シリンダ5のロッドの動作速度を測定しておき、ON/OFFの時間から油圧シリンダ5(ロッド)の動作位置を計算する。
【0031】
すなわち、図3に示した油圧設備では、図1で説明した制御器6に、予め測定しておいた前記油圧シリンダ5の動作位置を計算する第3の演算手段6fを更に設け、第1の演算手段6bでは、前記電磁弁15の動作状況と前記第3の演算手段6fによって計算した油圧シリンダ5の動作位置及び記憶手段6aから出力された油圧シリンダ5のデータから油圧シリンダ5内の油量変化量を計算するのである。
【0032】
また、図4は図3と同様、動作位置検出手段を備えない油圧シリンダ5を備えた油圧設備において、電磁弁15に代えて流量制御弁16を備えたものである。この流量制御弁16で油圧シリンダ5のロッドの動作速度を制御するものでは、流量制御弁16に与える流量指令値の時間積算値、或いは、速度指令値の時間積算値より油圧シリンダ5の油量変化量を計算すれば良い。
【0033】
すなわち、図4に示した油圧設備では、図1で説明した制御器6の記憶手段6a及び第1の演算手段6bに代えて、上位コンピュータ7から前記流量制御弁16に与える、例えば流量指令値或いは速度指令値等の制御量の時間積算値より油圧シリンダ5内の油量変化量を計算する第4の演算手段6gを設け、第2の演算手段6cでは、この第4の演算手段6gで計算した油量変化量からタンク1内の油面位置を計算するのである。
【0034】
これら図3,4に示した実施例では、油圧シリンダ5のロッド位置に計算誤差が出ることが考えられるので、この期間は前記閾値を拡大する等の配慮をしても良い。また、その場合は、各油圧シリンダ5の大きさに応じて閾値の拡大幅を調整しても良い。そして、ロッドが定位置にきたことを検出した場合に閾値を元に戻しても良い。また、本実施例のように、警報器14を備えさせた場合には、油圧シリンダ5の動作中は警報を出さない不感時間を設定しても良く、その不感時間は油圧シリンダ5によって変化させても良い。
【0035】
なお、上記の計算は、コンピュータを用いることによって実現できる。各油圧シリンダ5はこれらの機器を動作させる制御装置によってコントロールされており、この制御装置から所定の時間間隔で、或いは、新たな動作がなされるごとに油圧シリンダ5の動作情報を入手すればよい。また、各油圧シリンダ5の動作状況・ロッド位置を検出するセンサーを別個に設け、直接或いは制御装置を通して入手してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、油圧シリンダ内に存在する油量を考慮し、この油量をタンク内の油面位置に反映させることで、種々のシリンダが特定のサイクルで運転されない場合においても、以下に列挙する効果を奏する。
【0037】
▲1▼ タンク〜油圧シリンダ間のどのような位置における油漏れをも素早く検知することができる。そして、この油漏れの検知は、タンク容量に比べ大容量のシリンダが配置されている場合に、特に効果を発揮する。
▲2▼ 油圧系統に存在する油圧シリンダの数に左右されず検出できる。
▲3▼ 大規模な測定機器が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【図2】本発明に係る油圧設備の異常判定方法のフロー図である。
【図3】第2の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【図4】第3の本発明に係る油圧設備の構成を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 タンク
3 ポンプ
5 油圧シリンダ
5a 動作位置検出器
6 制御器
6a 記憶手段
6b 第1の演算手段
6c 第2の演算手段
6d 比較手段
6e 判定手段
6f 第3の演算手段
6g 第4の演算手段
7 上位コンピュータ
11 弁
13 油面計
14 警報器
15 電磁弁
16 流量制御弁
Claims (6)
- タンク内の油を、制御可能な弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備の異常を判定する方法において、
前記タンク内の油量を計測する一方、各油圧シリンダの動作位置を検出或いは予測し、この検出或いは予測した動作位置に基づいて求めた各油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を用いて、前記検出或いは予測時点におけるタンク内の油量を演算し、この演算した油量と前記計測した油量とを比較し、比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定することを特徴とする油圧設備の異常判定方法。 - タンク内の油を、制御可能な弁を介して動作位置計測手段を備えた油圧シリンダに供給する油圧設備において、
前記タンク内の油量を計測する計測手段と、
前記油圧シリンダのデータを記憶する記憶手段と、
前記動作位置計測手段により測定された前記油圧シリンダの動作位置及びデータを用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第1の演算手段と、
この第1の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、
この第2の演算手段で計算した油量と前記計測手段で計測した油量とを比較する比較手段と、
この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有することを特徴とする油圧設備。 - タンク内の油を、開閉の制御可能な開閉弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備において、
前記タンク内の油量を計測する計測手段と、
予め記憶しておいた前記開閉弁の動作による油圧シリンダの動作速度を基に、開閉弁の動作から前記油圧シリンダの動作位置を計算する第3の演算手段と、
前記油圧シリンダのデータを記憶する記憶手段と、
前記第3の演算手段によって計算した油圧シリンダの動作位置及びデータを用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第1の演算手段と、
この第1の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、
この第2の演算手段で計算した油量と前記計測手段で計測した油量とを比較する比較手段と、
この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有することを特徴とする油圧設備。 - タンク内の油を、流量の制御可能な流量制御弁を介して油圧シリンダに供給する油圧設備において、
前記タンク内の油量を計測する計測手段と、
前記流量制御弁の制御量を用いて油圧シリンダ内の油量或いは油量の変化量を計算する第4の演算手段と、
この第4の演算手段で計算した油量或いは油量の変化量を用いてタンク内の油量を計算する第2の演算手段と、
この第2の演算手段で計算した油量と前記計測手段で計測した油量とを比較する比較手段と、
この比較手段での比較結果が所定の範囲を外れた場合には、異常と判定する判定手段とを有することを特徴とする油圧設備。 - 請求項2〜4の何れか記載の油圧設備において、前記判定手段で異常と判定した場合には警報を出す警報手段を備えたことを特徴とする油圧設備。
- 請求項2〜5の何れか記載の油圧設備において、前記計測手段が油量計であることを特徴とする油圧設備。
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