JP2004346877A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気温度と触媒温度との間には大きな差が生じる場合であっても、酸化能を有する触媒の温度を効率よく上昇させることを目的とする。
【解決手段】排気温度と触媒温度との両方の温度に基づいて、触媒に流入する排気ガス中の燃料成分(特に、CO量の割合)を決める。触媒温度と排気温度とが共に高い場合には、HCを供給し(S106)、触媒温度と排気温度とが共に低い場合には、HCよりも低温で酸化反応が進行するCOを供給し(S108)、触媒温度は高いが排気温度は低い場合、または、触媒温度は低いが排気温度は高い場合には、CO及びHCを供給する(S107)。S107では、CO及びHCを供給することにより、低温域でCOを酸化反応させ、その反応熱により触媒の温度を上昇させて、HCの酸化反応を進行させることができるので、触媒の温度を効率よく上昇させることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気浄化技術として、内燃機関(特に希薄燃焼エンジン、ディーゼルエンジン)の排気系に吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒と記す場合もある)を配置して、リーンな空燃比での運転時に排気ガス中の窒素酸化物(以下、単にNOxと記す場合もある)を大気中に放出する前に該NOx触媒上に一時的に保持する技術が知られている。
【0003】
そして、このようなNOx触媒において、触媒温度が低い場合は一酸化炭素(以下、単にCOと記す場合もある)を、触媒温度が高い場合は炭化水素(以下、単にHCと記す場合もある)を還元剤として供給することにより、広い温度域で高いNOx浄化率を得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これは、排気ガス中のCO量が多いときには触媒温度が低いときにNOx浄化率が高くなり、排気ガス中のHC量が多いときには触媒温度が高いときにNOx浄化率が高くなることによるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−164928号公報
【特許文献2】
特開平10−47048号公報
【特許文献3】
特開平06−108827号公報
【特許文献4】
特開昭60−43113号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、NOx触媒に還元剤として燃料を使用する場合においては、燃料の供給量が少ないため、排気温度と触媒温度とは略等しくなる。このため、特許文献1のように、触媒温度を検出して触媒温度に応じて排気ガス中のCO量を調整することによって高いNOx浄化率を得ることができる。
【0007】
しかしながら、排気温度と触媒温度との間には大きな差が生じる場合がある。例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタの酸化除去処理実行時(強制再生時)においては、温度上昇が目的であるため、燃料供給量が多くなり、排気温度と触媒温度との差が、400℃以上となる場合もある。このような場合であって、触媒温度が高く、排気温度が低い場合に、触媒温度が高いことに従いHC量を増大させると、触媒が上流側から徐々に冷やされてしまい、触媒でのHC浄化率が下がり、HCスリップ・白煙が発生してしまうおそれがある。(ここで、HCスリップとは、HCがそのまま大気中に放出されてしまうことをいい、白煙にならない状態のものを含む。)また、触媒温度が低く、排気温度が高い場合に、触媒温度が低いことに従いCO量を増大させると、触媒の温度がなかなか上がらなくなってしまうことが考えられる。これは、COが酸化する場合の発熱量はHCの場合よりも小さく、またCOを大量に発生させることが困難なことによる。
【0008】
このため、排気ガス中に供給する成分を触媒温度のみに基づいて決めることはできない。
【0009】
本発明は、上記したような事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、排気温度と触媒温度との間には大きな差が生じる場合であっても、酸化能を有する触媒の温度を効率よく上昇させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を採用した。
【0011】
すなわち、酸化能を有する触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、を備え、前記排気温度検出手段と前記触媒温度検出手段との両方の検出結果、すなわち、排気温度と触媒温度との両方の温度に基づいて、前記触媒に流入する排気ガス中の還元剤としての燃料成分を決める(特に、CO量(排気ガス中のCO量の割合、濃度)を増大させるかどうかを決める)ことを要旨とする。
【0012】
本発明の内燃機関の排気浄化装置は、具体的には、
内燃機関の排気通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、
前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、
前記触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、前記触媒温度検出手段により推定又は検出された触媒温度が第1の所定温度以上であるかどうかを判定し、さらに、前記排気温度検出手段により推定又は検出された排気温度が第2の所定温度以上であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記触媒温度は前記第1の所定温度より低いと判定された場合と、前記排気温度は前記第2の所定温度より低いと判定された場合とのうち少なくともいずれかの場合に、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させるCO量増大手段を備えることを特徴とする。
【0013】
COは、触媒上においてはHCよりも低温で酸化反応が進行する。そこで、排気温度と触媒温度とのうち少なくともいずれかの温度が低い場合に、CO量を増大させることにより、低温域でCOを酸化反応させ、その際に発生する反応熱により、酸化能を有する触媒の温度を効率よく上昇させることができるものである。
【0014】
排気温度と触媒温度との間に大きな差が生じた場合、例えば、触媒温度が高く、排気温度が低いような場合においては、温度の低い排気ガスによって触媒が上流側から冷やされてしまうが、このような場合に、CO量を増大させることにより、触媒温度の低下を抑制することができる。また、触媒温度が低く、排気温度が高いような場合においても、CO量を増大させることにより、低温からCOの酸化反応が進行することによって触媒の温度を上昇させることができる。
【0015】
ここで、酸化能を有する触媒としては、酸化触媒やNOx触媒や三元触媒を例示することができ、NOx触媒としては、選択還元型NOx触媒や吸蔵還元型NOx触媒を例示することができる。
【0016】
触媒温度検出手段としては、直接触媒の温度を検出するものであってもよいし、例えば、触媒の出口側(下流側)の排気通路内の温度を測定することにより推定してもよい。また、触媒の入口側(上流側)の排気通路内の温度と出口側の排気通路内の温度とから推定してもよい。
【0017】
また、排気温度検出手段としては、触媒に流入する排気ガスを直接検出するものとして触媒の入口に設けられた温度センサを例示することができる。
【0018】
また、第1及び第2の所定温度とは、触媒が活性化してHCの酸化反応がはじまる温度であり、第1及び第2の所定温度は同じ温度であってもよい。
【0019】
また、CO量増大手段としては、内燃機関の圧縮行程での主燃料噴射に加えて、排気行程の上死点近傍又は吸気行程で気筒内に燃料を副次的に噴射するビゴム噴射や、膨張行程又は排気行程に気筒内に燃料を副次的に噴射するポスト噴射(進角側:ポスト噴射のうち比較的早い時期、例えば、40°ATDC(上死点後のクランク角40°)に行なわれるもの)を例示することができる。
【0020】
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、
前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、
前記触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、前記触媒温度検出手段により推定又は検出された触媒温度が第1の所定温度以上であるかどうかを判定し、さらに、前記排気温度検出手段により推定又は検出された排気温度が第2の所定温度以上であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記触媒温度は前記第1の所定温度より低いと判定された場合と、前記排気温度は前記第2の所定温度より低いと判定された場合とのうちいずれかの場合に、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量,HC量をそれぞれ増大させるCO量増大手段,HC量増大手段と、
を備えることを特徴とする。
【0021】
上述したように、COは、触媒上においてHCよりも低温で酸化反応が進行するので、排気温度と触媒温度とのうちいずれかの温度が低い場合に、CO量及びHC量を増大させることにより、排気温度と触媒温度との大きな温度差に起因して従来生じていた、HCスリップ・白煙の発生や触媒温度の低下を抑制することができる。
【0022】
例えば、触媒温度が高く、排気温度が低いような場合において、従来のように触媒温度が高いことに従いHC量のみを増大させると、温度の低い排気が流入することによって触媒が上流側から徐々に冷やされてしまう。そして、HCは低温において触媒での酸化に時間がかかるため、触媒の上流側での酸化反応があまり進行しない。触媒の上流側の温度が低下すると、有効に働く触媒の容量が減少するため、実質のスペースベロシティSV(触媒の単位体積を単位時間内に通過する排気ガスの量)が上がり、触媒でのHC浄化率が下がってしまい、HCスリップ・白煙が発生してしまうことが考えられる。このような場合に、触媒上においてHCよりも低温で酸化反応が進行するCOの量をHC量とともに増大させることにより、触媒が冷やされることを抑え(触媒温度の低下を抑制)、効率よく触媒温度を上昇させることができる。これにより、HCスリップ・白煙の発生を抑制することができる。
【0023】
また、触媒温度が低く、排気温度が高いような場合に、従来のように触媒温度が低いことに従いCO量のみを増大させると、触媒の温度がなかなか上がらなくなってしまうことが考えられる。これは、COが酸化する場合の発熱量はHCの場合よりも小さく、またCOを大量に発生させることが困難なためであり、このような場合には、CO量とともにHC量を増大させるとよい。これにより、低温域でCOの酸化反応が進行し、その反応熱により触媒の温度が上昇し、その状態でHCの酸化反応を進行させることができるので、従来のようにCO量のみを増大させた場合よりも、触媒温度を効率よく上昇させることができ、HCスリップ・白煙の発生を抑制することができる。
【0024】
このように、排気温度検出手段と触媒温度検出手段とを備え、排気温度と触媒温度との両方の温度を把握(推定又は検出)して排気ガス中の燃料成分の割合を変えることによって、触媒の温度を効率よく上昇させることができ、排気温度と触媒温度との間に温度差が生じてしまうような場合に生じるHCスリップ・白煙の発生や触媒温度の低下を抑制することができる。
【0025】
ここで、HC量増大手段としては、内燃機関の圧縮行程での主燃料噴射に加えて、膨張行程又は排気行程に気筒内に燃料を副次的に噴射するポスト噴射(遅角側:ポスト噴射のうち比較的遅い時期、例えば、100°ATDCに行なわれるもの)や、触媒の上流から排気ガス中に還元剤たる燃料を添加する燃料添加弁を例示することができる。HCをなるべく酸化させることなく触媒に供給することが望ましい。
【0026】
上記の構成において、前記CO量増大手段は、さらに、前記判定手段により前記触媒温度が前記第1の所定温度より低いと判定され、かつ、前記排気温度が前記第2の所定温度より低いと判定された場合においても、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることも好ましい。
【0027】
触媒温度及び排気温度がともに低い場合には、CO量を増大させることにより、COの酸化反応を進行させて、触媒の温度を上昇させる。この場合に、HC量を増大させると、HCは酸化反応が起こることなく触媒を通過してしまいHCスリップ・白煙が発生してしまうので、HC量増大手段は作動させない。
【0028】
また、上記の構成において、前記HC量増大手段は、さらに、前記判定手段により前記触媒温度が前記第1の所定温度以上であると判定され、かつ、前記排気温度が前記第2の所定温度以上であると判定された場合においても、前記触媒に流入する排気ガス中のHC量を増大させることも好ましい。
【0029】
触媒温度及び排気温度がともに高い場合においては、HCもCOと同様に酸化反応が素早く進行する。したがって、このような場合には、HC量を増大させることにより、より効率よく触媒の温度を上昇させることができる。HC量増大手段においては、筒内で酸化させると熱損失等があるため、直接燃料を触媒に供給するものの方が、より効率がよい。COを発生させるためには、HCを筒内で部分酸化させる必要があり、効率が悪いため、この場合に、CO量増大手段は作動させない方が好ましい。
【0030】
また、上記の構成において、前記CO量増大手段は、所定の温度域において、前記触媒温度が前記第1の所定温度に対して低いほど、又は、前記排気温度が前記第2の所定温度に対して低いほど、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることも好ましい。
【0031】
このことにより、COは、触媒上においてHCよりも低温で酸化反応が進行するので、触媒温度又は排気温度が低温になるほど、CO量を増大させることにより、触媒の温度を上昇させることができる。
【0032】
ここで、所定の温度域とは、COが触媒において酸化され得る温度の範囲を意味するものであって、CO量を増大させる場合の温度の下限値を設けたものである。
【0033】
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、
前記触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、
前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、
前記排気温度検出手段と前記触媒温度検出手段との両方の検出結果に基づいて、前記排気温度検出手段により推定又は検出された排気温度と、前記触媒温度検出手段により推定又は検出された触媒温度との間に、少なくとも、所定値以上の温度差が生じた場合に、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させるCO量増大手段と、
を備えることを特徴とする。
【0034】
所定値以上の温度差としては、温度検出手段による誤差等によるものではなく、排気温度と触媒温度との温度が大きく異なる場合の差である。この温度差は、例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタの酸化除去処理実行時(強制再生時)において生じる場合には400℃以上となることもある。このような温度差が生じる場合というのは、排気温度と触媒温度とのうちのいずれかの温度が、触媒が活性化してHCの酸化反応が始まる温度より低い温度となる場合である。したがって、このような場合に、CO量を増大させることにより、触媒の温度を効率よく上昇させることができる。
【0035】
また、上記の構成において、前記CO量増大手段は、さらに、前記触媒温度が第1の所定温度より低く、かつ、前記排気温度が第2の所定温度より低い場合においても、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることも好ましい。
【0036】
このことにより、触媒温度と排気温度との間に所定値以上の温度差が生じた場合のみならず、触媒温度及び排気温度ともに低い場合においても、CO量を増大させることにより、触媒の温度を効率よく上昇させることができる。
【0037】
また、上記の構成において、前記触媒に流入する排気ガス量を推定又は検出する排気流量検出手段をさらに有し、
前記CO量増大手段は、前記排気流量検出手段により推定又は検出された排気ガス量が多いほど、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることも好ましい。
【0038】
触媒に流入する排気ガス量が多い場合には、排気ガスが当たる触媒の上流側から熱が奪われ易くなり、触媒温度が下がり易くなってしまう。そこで、このような場合に、CO量を増大させることにより、触媒の温度が低下してしまうことを抑制することができる。排気流量検出手段としては、排気流量を直接測定するものであってもよいが、内燃機関の吸気系に導入される吸入空気量や吸入空気量の変化を検出することにより推定してもよい。
【0039】
また、上記の構成において、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する手段であって、前記触媒からの熱によって昇温することにより、捕集した粒子状物質の酸化除去が行われるPM捕集手段をさらに備えることも好ましい。
【0040】
PM捕集手段としては、パティキュレートフィルタを例示することができる。そして、パティキュレートフィルタに捕集されているPM(Particulate Matter:粒子状物質)量が所定量以上となった場合に、パティキュレートフィルタの温度を500℃〜700℃程度の高温域まで昇温させるための昇温処理が実行される。そして、この昇温処理として、上述したように、触媒でHCやCOを酸化させ、その際に発生する反応熱により触媒の温度を上昇させることによって実行するとよい。ここで、触媒はパティキュレートフィルタに担持されるものであってもよいし、触媒とパティキュレートフィルタとが独立して設けられているものであってもよい。
【0041】
このようなパティキュレートフィルタの温度が高温となる場合においては、触媒温度と排気温度との間に大きな温度差が生じる場合があり、本発明は、このような場合に好適に適用することができる。
【0042】
ここで、酸化能を有する触媒が、吸蔵還元型NOx触媒である場合(吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタを含む)には、触媒温度と排気温度との間に大きな温度差が生じる場合として、SOx(硫黄酸化物)被毒解消処理の実行時を例示することもできる。
【0043】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、内燃機関としてディーゼルエンジンの排気浄化装置として具体化した一実施の形態について説明する。
【0045】
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関を説明するための概略断面図である。まず、内燃機関の基本構造及び機能について説明する。
【0046】
図1に示すように、内燃機関(以下、エンジンと称す)1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程(爆発行程)及び排気行程の4サイクルを繰り返して出力を得るディーゼルエンジンである。エンジン1は、その内部に燃焼室(シリンダ)2を形成する。燃焼室2で発生する燃料の爆発力は、ピストン3及びコンロッド4を介してクランクシャフト7の回転力に変換される。また、燃焼室2には、吸気通路5の最下流部をなす吸気ポート5Aと、排気通路6の最上流部をなす排気ポート6Aとが設けられている。吸気ポート5Aと燃焼室2との境界は吸気弁8によって開閉される。また、排気ポート6Aと燃焼室2との境界は排気弁9によって開閉される。
【0047】
また、エンジン1は、燃料噴射弁10を備えている。燃料噴射弁10は、高圧ポンプ(図示略)等によって加圧された軽油を、燃焼室2に適宜の量、適宜のタイミングで噴射供給する電磁駆動式開閉弁である。
【0048】
エンジン1には、排気通路6が接続され、この排気通路6は、下流にてマフラー(図示略)と接続されている。そして、排気通路6の途中には、排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、微粒子(PM、粒子状物質)等の排気ガス成分を浄化するための排気浄化手段11が設けられている。
【0049】
排気浄化手段11は、排気ガス中の微粒子(PM)を捕集するパティキュレートフィルタに酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒、三元触媒などの酸化能を有する触媒が担持されたものである(以下、フィルタ11と記す)。
【0050】
フィルタ11より上流の排気通路6には、排気通路6内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する入口排気温度センサ12が取り付けられている。
【0051】
また、フィルタ11より下流の排気通路6には、排気通路6内を流通する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ13と、フィルタ11下流側近傍の排気通路6内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する出口排気温度センサ14とが取り付けられている。
【0052】
また、フィルタ11より上流の排気通路6には、該排気通路6内を流通する排気ガス中に燃料を添加する燃料添加弁15が取り付けられ、この燃料添加弁15は燃料ポンプ(図示略)と接続されている。
【0053】
以上述べたように構成されたエンジン1には、該エンジン1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)20が併設されている。このECU20は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びバックアップRAM等からなる論理演算回路を備え、各種センサの信号に基づいてエンジン1の各種構成要素を統括制御する。
【0054】
ECU20には、空燃比センサ13、入口排気温度センサ12、出口排気温度センサ14、エンジン1に取り付けられたクランクポジションセンサ16、運転者によるアクセルペダル(図示略)の踏込量に応じた信号を出力するアクセルポジションセンサ(図示略)、及びエンジン1内を循環する冷却水の温度(冷却水温)に応じた信号を出力する水温センサ(図示略)、吸気通路5を通じて燃焼室2に導入される空気の流量(吸入空気量)に応じた信号を出力するエアフロメータ17等、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
【0055】
一方、ECU20には、燃料噴射弁10、燃料添加弁15等が電気配線を介して接続され、ECU20が燃料噴射弁10、燃料添加弁15等を制御することが可能になっている。
【0056】
また、ECU20は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、燃料噴射量の演算、燃料噴射時期の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU20が入力した各種信号やECU20が演算して得られた各種制御値は、該ECU20のRAMに一時的に記憶される。
【0057】
更に、ECU20は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、或いはクランクポジションセンサ16からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理において、RAMから各種制御値を読み出し、それら制御値に従って燃料噴射弁10を制御する。
【0058】
また、ECU20は、クランクポジションセンサ16に基づく割り込み処理、或は一定時間毎の割り込み処理として、定期的に以下に述べるような排気浄化制御を実行する。
【0059】
排気浄化制御では、ECU20は、フィルタ11の酸化除去処理実行条件(以下、PM酸化除去処理実行条件と記す)が成立したときに、フィルタ11に捕集されている微粒子(PM)を除去すべく、PM酸化除去処理を実行する。
【0060】
PM酸化除去処理実行条件としては、フィルタ11に捕集されているPM量が、所定量以上であるという条件を例示することができる。例えば、当該所定量は、PMがフィルタ11に捕集されることによりフィルタ11の目詰まりを起こし、この目詰まりが排気抵抗の増加を生じさせ、エンジンの出力低下を生じさせてしまう量である。
【0061】
また、フィルタ11に捕集されているPM量が所定量以上であるか否かを判定する方法としては、フィルタ11の前後差圧(フィルタ11より上流の排気圧力とフィルタ11より下流の排気圧力との差圧)が所定圧以上であるときにフィルタ11に捕集されているPM量が所定量以上であると判定する方法、或いは、前回のPM酸化除去処理実行終了時からの燃料噴射量の積算値が所定量以上であるときにフィルタ11に捕集されているPM量が所定量以上であると判定する方法、等を例示することができる。
【0062】
そして、上記したような方法によりPM酸化除去処理実行条件が成立としていると判定された場合には、ECU20は、フィルタ11の温度を500℃〜700℃程度の高温域まで昇温させるための昇温処理を実行する。
【0063】
昇温処理の実行方法としては、HCやCOをフィルタ11に供給することにより、フィルタ11に担持された触媒でHCやCOを酸化させ、その際に発生する反応熱によりフィルタ11自体を昇温させるものである。
【0064】
そして、本実施の形態の特徴として、触媒温度T1と排気温度T2とに基づいて、触媒に供給される排気ガス中のHC及びCOの量(割合)を制御するものである。ここで、触媒温度T1は触媒温度検出手段により推定又は検出されるもので、実測値であると好ましいが、出口排気温度センサ14により検出された温度を用いてもよく、入口排気温度センサ12及び出口排気温度センサ14により検出された温度から推定してもよい。また、排気温度T2は排気温度検出手段により推定又は検出されるもので、入口排気温度センサ12により検出された温度を用いるとよい。
【0065】
本実施の形態では、ECU20が判定手段として、触媒温度T1と排気温度T2とが、それぞれ所定温度Ta,Tbより大きいかどうかを判定し、その判定結果に基づいて、触媒に供給される排気ガス中のHC及びCOの量(割合)を制御している。
【0066】
すなわち、(1)触媒温度T1が所定温度Ta以上であり、排気温度T2が所定温度Tb以上である場合、(2)触媒温度T1が所定温度Ta以上であり、排気温度T2が所定温度Tbより小さい場合、(3)触媒温度T1が所定温度Taより小さく、排気温度T2が所定温度Tb以上である場合、(4)触媒温度T1が所定温度Taより小さく、排気温度T2が所定温度Tbより小さい場合、の4つの場合に基づいて制御を行うものである。
【0067】
そして、前記(1)の場合においては、HC量増大手段により排気ガス中のHC量を増大させ、また、前記(4)の場合においては、CO量増大手段により排気ガス中のCO量を増大させることによりフィルタ11の昇温処理を実行している。前記(2),(3)の場合においては、CO量増大手段及びHC量増大手段により、排気ガス中のCO量及びHC量を増大させることによりフィルタの昇温処理を実行している。
【0068】
ここで、所定温度Ta及びTbは、フィルタ11に担持された触媒が活性化してHCの酸化反応がはじまる温度であり、例えば、300〜350℃に設定される。なお、所定温度Ta及びTbは同じ温度であってもよいが、異なった温度としてもよい。
【0069】
触媒に供給される排気ガス中のCO及びHCの量の制御は、ECU20が、燃料噴射弁10や燃料添加弁15を制御することにより行なわれる。ここで、ECU20及び燃料噴射弁10は、HC量増大手段及びCO量増大手段を構成し、また、燃料添加弁15はHC量増大手段を構成している。
【0070】
燃料噴射弁10は、ECU20によって制御されることにより、ピストン3が圧縮上死点近傍に位置したときに燃料を主噴射するだけでなく、所定の運転状態においては気筒内に燃料を副次的に噴射する副噴射として、排気行程の上死点近傍又は吸気行程で気筒内に燃料を噴射するビゴム噴射や、膨張行程又は排気行程に気筒内に燃料を噴射するポスト噴射を行う。
【0071】
ここで、ビゴム噴射、及び、ポスト噴射(進角側:ポスト噴射のうち比較的早い時期、例えば、40°ATDCに行なわれるもの)は排気ガス中のCO量を増大することを目的として行われるものである。また、ポスト噴射(遅角側:ポスト噴射のうち比較的遅い時期、例えば、100°ATDCに行なわれるもの)は排気ガス中に還元剤としてのHC量を増大させることを目的として行われるものである。尚、主噴射における燃料噴射弁10の開弁時期及び開弁時間は、エンジン1の運転状態に応じてECU20により制御されるものである。
【0072】
また、ECU20は、HC量増大手段として、触媒に供給される排気ガス中のHCの量の制御を、このポスト噴射の代わりにあるいはポスト噴射とともに燃料添加弁15を制御することにより行なってもよい。燃料添加弁15の制御においては、燃料添加弁15から排気ガス中へ還元剤たる燃料を添加させることにより、それらの未燃燃料成分をフィルタ11の触媒において酸化させ、酸化の際に発生する熱によってフィルタ11の温度を高めるようにするものである。
【0073】
また、ECU20は、上述した制御を可能な限り組み合わせて採用することにより、触媒に供給される排気ガス中のHC及びCOの量の制御を行うことができる。
【0074】
昇温処理時における副噴射の量及び噴射時期は、触媒温度T1と排気温度T2と副噴射量又は副噴射時期との関係を予め実験等により導き出してマップ化しておきROMに記憶させておき、そのマップと触媒温度T1と排気温度T2とから算出するとよい。
【0075】
そして、このようなPM酸化除去処理が実行されると、フィルタに捕集されているPMが酸化され、フィルタからPMが除去されることになる。
【0076】
以下、本実施の形態における排気浄化制御について、図2の排気浄化制御ルーチンを示すフローチャート図に沿って説明する。
【0077】
この排気浄化制御ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されているルーチンであり、一定時間の経過、或いはクランクポジションセンサ16からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理としてECU20が実行するルーチンである。
【0078】
排気浄化制御ルーチンでは、ECU20は、先ず、ステップS101においてPM酸化除去処理実行条件が成立しているか否かを判定する。そして、PM酸化除去処理実行条件が成立していると判定された場合は、ECU20は、ステップS102へ進み、PM酸化除去処理を実行開始する。具体的には、ECU20は、前述した昇温処理を実行する。ステップS101において、PM酸化除去処理実行条件が不成立であると判定された場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。
【0079】
ステップS102においてPM酸化除去処理を実行開始した後は、ステップS103へ進み、触媒温度T1が所定温度Ta以上かどうかを判定する。触媒温度T1が所定温度Ta以上であると判定された場合はステップS104へ進み、触媒温度T1が所定温度Taより小さいと判定された場合はステップS105へ進む。
【0080】
ステップS104においては、排気温度T2が所定温度Tb以上であるかどうかを判定する。排気温度T2が所定温度Tb以上であると判定された場合はステップS106へ進み、排気温度T2が所定温度Tbより小さいと判定された場合はステップS107へ進む。
【0081】
ステップS105においても、ステップS104と同様、排気温度T2が所定温度Tb以上であるかどうかを判定する。排気温度T2が所定温度Tb以上であると判定された場合はステップS107へ進み、排気温度T2が所定温度Tbより小さいと判定された場合はステップS108へ進む。
【0082】
ステップS106においては、HC量の増大処理(HC供給)が実行される。ECU20は、上述したように、燃料噴射弁10にポスト噴射(遅角)を行わせることや、燃料添加弁15から燃料を添加させることにより、排気ガス中のHC量を増大させる。
【0083】
このように、触媒温度と排気温度とが共に高い場合には、フィルタ11にHCを供給することにより、HCがフィルタ11に担持された触媒上で酸化して、その反応熱によって、より効率よくフィルタ11の温度を上昇させることができる。ステップS106においてHC量の増大処理を実行した後は、ステップS109へ進む。
【0084】
また、ステップS108においては、CO量の増大処理(CO供給)が実行される。ECU20は、上述したように、燃料噴射弁10にビゴム噴射やポスト噴射(進角)を行わせることにより、排気ガス中のCO量を増大させる。
【0085】
このように、触媒温度と排気温度とが共に低い場合には、HCよりも低温で酸化反応が進行するCOをフィルタ11に供給することにより、低温においても、より効率よくフィルタ11の温度を上昇させることができる。ステップS108においてCO量の増大処理を実行した後は、ステップS109へ進む。
【0086】
そして、ステップS107においては、CO量の増大処理及びHC量の増大処理(CO+HC供給)が同時に実行される。ECU20は、上述したように、排気ガス中のCO量の増大を目的として、燃料噴射弁10にビゴム噴射やポスト噴射(進角)を行わせるとともに、これに加えて、排気ガス中のHC量の増大を目的として、ポスト噴射(遅角)や燃料添加弁15からの燃料添加を行わせる。
【0087】
このように、触媒温度は高いが排気温度は低い場合、または、触媒温度は低いが排気温度は高い場合には、CO及びHCをフィルタ11に供給することにより、低温域でCOの酸化反応が進行し、その反応熱により触媒の温度が上昇した後、さらに、HCの酸化反応を進行させることができるので、フィルタ11の温度をより効率よく上昇させることができる。したがって、フィルタ11の温度を低下させることなく、HCスリップ・白煙の発生を抑制することができる。ステップS107において、CO量の増大処理及びHC量の増大処理が実行された後は、ステップS109に進む。
【0088】
ステップS109において、ECU20は、PM酸化除去処理実行終了条件が成立しているか否かを判定する。PM酸化除去処理実行終了条件としては、例えば、PM酸化除去処理の実行時間が予め定められた所定時間以上である、あるいは、上述のようにフィルタの前後差圧が所定圧以下である、等の条件を例示することができる。
【0089】
なお、前記した所定時間は、例えば、フィルタのPM捕集容量に応じて決定される時間であり、フィルタのPM捕集容量が多くなるほど長く設定される時間である。また、前記した所定圧は、フィルタがPMを捕集していないときの前後差圧に相当する圧力である。
【0090】
ステップS109においてPM酸化除去処理実行終了条件が不成立であると判定された場合は、再度ステップS102以降の処理を実行する。ステップS109において、PM酸化除去処理実行終了条件成立であると判定された後は、PM酸化除去処理実行を終了して本ルーチンの実行を終了する。
【0091】
ここで、ECU20は、排気流量検出手段として、エアフロメータ17により検出された吸入空気量又は吸入空気量の変化からフィルタ11に流入する排気ガス量又は排気ガス量の変化を推定し、推定された排気ガス量が多いほどCO量を増大させることも好適である。CO量を増大させることによって、フィルタ11に流入する排気ガス量が多くなることによりフィルタ11の上流側から熱が奪われてフィルタ11の温度が低下してしまうことを抑制することができる。
【0092】
この制御は、図3に示すステップS201,S202のように、図2に示した排気浄化制御ルーチンにおいてステップS109の前に行われると好ましい。ステップS201においては、排気ガス量が多いかどうかを判定し、排気ガス量が多い場合には、ステップS202に進みCO量を増大させた後、ステップS109に進む。ステップS201において排気ガス量が多くないと判定された場合には、ステップS109に進む。
【0093】
このように、本実施の形態においては、ECU20が、PM酸化除去処理を実行する場合において、触媒温度と排気温度とに基づいて、燃料の成分としてCOやHCを、フィルタ11(フィルタ11に担持された触媒)に供給することによって、フィルタ11(フィルタ11に担持された触媒)の温度をより効率よく上昇させることができる。これにより、フィルタ11の温度(フィルタ11に担持された触媒の温度)の低下や、HCスリップ・白煙の発生を抑制しつつ、PMを効率よく酸化することが可能となる。
【0094】
なお、本実施の形態においては、フィルタ11のPM酸化除去処理を実行した場合について説明したが、本発明は触媒温度と排気温度との間に大きな差が生じた場合であれば好適に適用することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内燃機関の排気浄化装置において、排気温度と触媒温度との間には大きな差が生じる場合であっても、酸化能を有する触媒の温度を効率よく上昇させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関の概略図。
【図2】本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置の制御ルーチンを示すフローチャート図。
【図3】本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置の制御ルーチンを示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃焼室
3 ピストン
4 コンロッド
5 吸気通路
5A 吸気ポート
6 排気通路
6A 排気ポート
7 クランクシャフト
8 吸気弁
9 排気弁
10 燃料噴射弁
11 フィルタ
12 入口排気温度センサ
13 空燃比センサ
14 出口排気温度センサ
15 燃料添加弁
16 クランクポジションセンサ
17 エアフロメータ
20 ECU

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、
    前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、
    前記触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、
    前記触媒温度検出手段により推定又は検出された触媒温度が第1の所定温度以上であるかどうかを判定し、さらに、前記排気温度検出手段により推定又は検出された排気温度が第2の所定温度以上であるかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記触媒温度は前記第1の所定温度より低いと判定された場合と、前記排気温度は前記第2の所定温度より低いと判定された場合とのうち少なくともいずれかの場合に、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させるCO量増大手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、
    前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、
    前記触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、
    前記触媒温度検出手段により推定又は検出された触媒温度が第1の所定温度以上であるかどうかを判定し、さらに、前記排気温度検出手段により推定又は検出された排気温度が第2の所定温度以上であるかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記触媒温度は前記第1の所定温度より低いと判定された場合と、前記排気温度は前記第2の所定温度より低いと判定された場合とのうちいずれかの場合に、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量,HC量をそれぞれ増大させるCO量増大手段,HC量増大手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記CO量増大手段は、さらに、前記判定手段により前記触媒温度が前記第1の所定温度より低いと判定され、かつ、前記排気温度が前記第2の所定温度より低いと判定された場合においても、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記HC量増大手段は、さらに、前記判定手段により前記触媒温度が前記第1の所定温度以上であると判定され、かつ、前記排気温度が前記第2の所定温度以上であると判定された場合においても、前記触媒に流入する排気ガス中のHC量を増大させることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記CO量増大手段は、所定の温度域において、前記触媒温度が前記第1の所定温度に対して低いほど、又は、前記排気温度が前記第2の所定温度に対して低いほど、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、
    前記触媒に流入する排気ガスの温度を推定又は検出する排気温度検出手段と、
    前記触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段と、
    前記排気温度検出手段と前記触媒温度検出手段との両方の検出結果に基づいて、前記排気温度検出手段により推定又は検出された排気温度と、前記触媒温度検出手段により推定又は検出された触媒温度との間に、少なくとも、所定値以上の温度差が生じた場合に、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させるCO量増大手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記CO量増大手段は、さらに、前記触媒温度が第1の所定温度より低く、かつ、前記排気温度が第2の所定温度より低い場合においても、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記触媒に流入する排気ガス量を推定又は検出する排気流量検出手段をさらに有し、
    前記CO量増大手段は、前記排気流量検出手段により推定又は検出された排気ガス量が多いほど、前記触媒に流入する排気ガス中のCO量を増大させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する手段であって、前記触媒からの熱によって昇温することにより、捕集した粒子状物質の酸化除去が行われるPM捕集手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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