JP2004346808A - 電磁弁駆動装置 - Google Patents

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寿成 江口
Taro Sugimura
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Abstract

【課題】電磁弁駆動装置にて、1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路を用いることによる簡素化と、電磁弁の良好な駆動性能とを、両立させる。
【解決手段】インジェクタのコイルLへの通電開始時に大きな電流を流して該インジェクタを速やかに開弁させるために、バッテリ電圧VBとグランドとの間に2つのトランジスタT1,T2が直列に接続され、そのトランジスタT1,T2同士の接続点にコンデンサC1の一端が接続されたチャージポンプ式昇圧回路15を備える装置11は、コイルLへの通電開始タイミングが到来すると、トランジスタT5をオンさせると共に、トランジスタT1,T3=オン且つトランジスタT2=オフにしてコンデンサC1からコイルLへ放電させる動作と、トランジスタT1,T3=オフ且つトランジスタT2=オンにしてコンデンサC1を充電する動作とを、複数回小刻みに繰り返すことで、インジェクタを開弁させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁を駆動する電磁弁駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば電磁弁からなる燃料噴射弁(いわゆるインジェクタ)を開閉駆動して内燃機関への燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置では、バッテリの電圧よりも高い昇圧電圧をコンデンサに発生させる昇圧回路を備え、燃料噴射弁(電磁弁)の電磁コイルへの通電開始時に、上記コンデンサから電磁コイルへ昇圧電圧による大電流(いわゆるピーク電流)が流れるようにして、燃料噴射弁を速やかに開弁させ、その後は、定電流回路から電磁コイルへ開弁保持用の一定電流(いわゆるホールド電流)を流して、燃料噴射弁の開弁状態を保持するようにしている。つまり、燃料噴射弁の開弁応答性を向上させるために、電源電圧としてのバッテリの電圧を昇圧してコンデンサに蓄積し、そのコンデンサの放電に伴う大電流によって燃料噴射弁を高速駆動できるようにしている。
【0003】
そして、こうした燃料噴射制御装置に代表される電磁弁駆動装置において、昇圧回路としては、一次巻線の一端にバッテリ電圧が印加されたトランス(変圧器)と、高周波の駆動パルスによって高速スイッチングされることにより、上記変圧器の一次巻線の他端を高周波で接地し、その変圧器の二次巻線に高電圧を発生させる昇圧用のトランジスタと、上記変圧器の二次巻線に発生した高電圧をコンデンサに出力して、そのコンデンサを充電するダイオードとから構成されたものが使用されていた(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
また、バッテリのプラス端子に一端が接続されたトロイダルコイルと、そのトロイダルコイルの他端と接地電位との間を断続させるトランジスタとを備え、そのトランジスタをオン/オフさせることでトロイダルコイルに生じる逆起電力により、コンデンサを充電する、といった昇圧回路もある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
ところで、上記の変圧器やトロイダルコイルを用いた昇圧回路は、DC−DCコンバータ式とも呼ばれ、バッテリ電圧の例えば10倍といった非常に高い電圧を容易に発生させることができるものの、そのようなDC−DCコンバータ式の昇圧回路を用いた場合には、以下の▲1▼〜▲3▼の問題が生じる。
【0006】
▲1▼:まず、装置構成が大きくなってしまう。インダクタンス素子を有しているためである。
▲2▼:1回のエネルギー放出で電磁弁を開弁させることが可能な大きなエネルギーを蓄えるために、コンデンサを高電圧に充電させるため、そのチャージコンデンサとして高耐電圧のものが必要となる。
【0007】
▲3▼:チャージコンデンサ以外の回路部品についても、そのチャージコンデンサに蓄積される高電圧に耐えられるだけの高耐電圧な部品や、許容損失の大きな部品が必要となる。
そこで、本発明者は、この種の電磁弁駆動装置の簡素化を達成するために、昇圧回路として、以下のような1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路を用いることを考えた。
【0008】
即ち、電源電圧と該電源電圧よりも低い基準電位との間に直列に接続された2つのスイッチング素子と、その2つのスイッチング素子同士の接続点に一端が接続されたコンデンサとを有し、2つのスイッチング素子のうちで基準電位側の方であるロー側スイッチング素子のみがオンされている時に、コンデンサの前記接続点側とは反対側の端部である出力端に電源電圧が供給されることにより該コンデンサが電源電圧で充電され、その後、前記2つのスイッチング素子のうちで電源電圧側の方であるハイ側スイッチング素子のみがオンされることにより、コンデンサの前記出力端に電源電圧よりも高い昇圧電圧(詳しくは、電源電圧の約2倍の電圧)を発生する回路である(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
そして、このような1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路を用いれば、インダクタンス素子が不要なため、上記▲1▼の問題を解決でき、また、コンデンサの充電電圧が電源電圧までであるため、上記▲2▼及び▲3▼の問題も解決することができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−112735号公報
【特許文献2】
特開平9−37476号公報
【特許文献3】
特開2000−110640号公報
【特許文献4】
特願2002−334025号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路では、コンデンサに蓄積できるエネルギー量が小さいため、DC−DCコンバータ式昇圧回路を用いて開弁させていた電磁弁を駆動対象とした場合には、その電磁弁を速やかに開弁させることが困難であるという問題が生じる。コンデンサの1回の放電による電磁コイルへの出力電力が不足気味になってしまうからである。
【0012】
また、チャージポンプ式の昇圧回路において、コンデンサの1回の放電による出力電力を増大させるためには、そのコンデンサの容量をアップさせることとなるが、コンデンサの容量を大きくすると、部品実装面積の拡大やコストアップを招くことになり、装置構成の簡素化という本来の目標を十分に達成することができなくなってしまう。
【0013】
そこで、本発明は、1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路を用いることによる装置構成の簡素化と、電磁弁の良好な駆動性能とを、両立させることのできる電磁弁駆動装置の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の電磁弁駆動装置は、前述した1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路を備えると共に、その昇圧回路の2つのスイッチング素子のうちのロー側スイッチング素子(基準電位側のスイッチング素子)をオンして該昇圧回路のコンデンサを電源電圧で充電する充電動作と、その昇圧回路の2つのスイッチング素子のうちのハイ側スイッチング素子(電源電圧側のスイッチング素子)をオンして前記充電動作により充電されたコンデンサから電磁弁の電磁コイルへ電流を放電させる放電動作とを行う制御手段を備えている。そして特に、この電磁弁駆動装置において、制御手段は、電磁コイルへの通電期間の開始時から、前記放電動作と前記充電動作とを複数回繰り返し実行することにより、電磁弁を非動作状態から動作状態に移行させるように構成されている。
【0015】
つまり、請求項1の電磁弁駆動装置では、コンデンサから電磁コイルへ放電とコンデンサへの充電とを小刻みに複数回繰り返すことで、電磁コイルへの供給エネルギーを電磁弁が動作状態へと移行可能な値にまで素早く到達させるようにしている。
【0016】
このような請求項1の電磁弁駆動装置によれば、コンデンサの1回の放電による電磁コイルへの出力電力(出力エネルギー)が小さくても、電磁弁を素早く動作状態へと移行させることができる。よって、前述した▲1▼〜▲3▼の問題を解決することができる上に、コンデンサとして、容量が小さい小型化のものを用いても、電磁弁の良好な駆動性能を達成することができ、その結果、1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路を用いることによる装置構成の簡素化と電磁弁の良好な駆動性能とを、両立させることができる。
【0017】
尚、電磁弁が非動作状態から動作状態に移行するとは、電磁弁が電磁コイルへの通電によって開弁するノーマルクローズタイプであれば、閉弁状態から開弁状態に移行することであり、電磁弁が電磁コイルへの通電によって閉弁するノーマルオープンタイプであれば、開弁状態から閉弁状態に移行することである。
【0018】
ところで、前記充電動作の1回の継続時間(即ち、コンデンサを充電する時間)は、固定値に設定しても良いし、例えば、コンデンサに蓄えられるエネルギーが常に一定となるように、電源電圧の検出値に応じて、該電源電圧が低い場合ほど長くするように構成しても良い。
【0019】
また、前記放電動作の1回の継続時間も固定値に設定しても良いが、例えば請求項2〜4のように、放電動作の1回の継続時間がアクティブに変化する構成を採れば、電磁弁をより確実に動作状態へと移行させることができる。
まず、請求項2の電磁弁駆動装置では、制御手段が、コンデンサの出力端の電圧を検出する出力電圧検出手段を備えていると共に、前記放電動作を開始してから、その出力電圧検出手段により検出される電圧が一定の閾値に達したら(即ち、その閾値にまで低下したら)、当該放電動作を停止する(即ち、今回の放電動作を止めて充電動作に転じる)ように構成されている。
【0020】
そして、このような請求項2の構成によれば、コンデンサから電磁コイルへの放電経路の時定数にばらつきがあっても、コンデンサの出力端の電圧が閾値に達するまでは放電動作が継続されることとなるため、コンデンサの1回の放電当たりに電磁コイルへ一定量以上のエネルギーを確実に供給することができ、その結果、電磁弁を確実に動作状態へと移行させることができるようになる。
【0021】
次に、請求項3の電磁弁駆動装置では、制御手段が、電源電圧を検出する電源電圧検出手段を備えていると共に、前記放電動作の継続時間を、その電源電圧検出手段により検出される電源電圧に応じて、該電源電圧が低いほど長くするように構成されている。
【0022】
そして、このような請求項3の構成によれば、電源電圧が変動しても(特に、電源電圧が低下した場合でも)、コンデンサの1回の放電当たりに電磁コイルへ供給されるエネルギーを安定させることができ、その結果、電磁弁を確実に動作状態へと移行させることができる。
【0023】
また、請求項4の電磁弁駆動装置では、制御手段が、コンデンサから電磁コイルへ供給される電流を検出する出力電流検出手段を備えていると共に、前記放電動作を開始してから、その出力電流検出手段により検出される電流が一定の閾値に達したら(即ち、その閾値にまで上昇したら)、当該放電動作を停止する(即ち、今回の放電動作を止めて充電動作に転じる)ように構成されている。
【0024】
そして、このような請求項4の構成によっても、請求項2の電磁弁駆動装置と同様に、コンデンサから電磁コイルへの放電経路の時定数のばらつきに影響されることなく、コンデンサの1回の放電当たりに電磁コイルへ一定量以上のエネルギーを確実に供給することができ、その結果、電磁弁を確実に動作状態へと移行させることができるようになる。
【0025】
一方、請求項5に記載の電磁弁駆動装置では、請求項1〜4の電磁弁駆動装置において、電磁コイルの前記コンデンサの出力端側とは反対側の端部と基準電位との間に、電磁コイルへの通電期間の間だけオンされる通電駆動用スイッチング素子が直列に設けられている。また、前記コンデンサの出力端から電磁コイルへ至る電流供給経路には、制御手段が前記放電動作と充電動作とを複数回繰り返し実行した後、前記通電駆動用スイッチング素子がオフされるまでの間、電磁コイルに一定電流を流して電磁弁を動作状態に保持する定電流供給手段が接続されている。
【0026】
更に、前記通電駆動用スイッチング素子の電磁コイル側の端子と前記コンデンサの出力端との間には、前記コンデンサの出力端の方をカソード側にして、通電駆動用スイッチング素子のオフ時に電磁コイルに流れるフライバック電流を前記コンデンサの出力端側へ返すためのダイオードが接続されている。
【0027】
そして、制御手段は、電磁コイルへの通電期間が終了して通電駆動用スイッチング素子がオフされる時に、昇圧回路における2つのスイッチング素子のうちのハイ側スイッチング素子を一定時間オンして、前記コンデンサの出力端に電源電圧よりも高い昇圧電圧を発生させるようになっている。
【0028】
このような請求項5の電磁弁駆動装置によれば、通電駆動用スイッチング素子がオフされた時のフライバック電流を、上記ダイオードを介して電源電圧よりも高い電圧に返すことができるため、電磁コイルに蓄積されたエネルギー(フライバックエネルギー)を素早く消失させることができ、その結果、電磁コイルへの通電期間の終了時に電磁弁を動作状態から非動作状態へと速やかに移行させることができる。よって、電磁弁の制御精度を向上させることができる。また、コンデンサに大きなエネルギーを蓄えることもできる。また更に、通電駆動用スイッチング素子としてFETを用いると共に、そのFETのアバランシェ現象によってフライバックエネルギーを消失させる構成の場合に比べて、通電駆動用スイッチング素子での電力損失を小さく抑えることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態の燃料噴射制御装置について、図面を用いて説明する。尚、以下に説明する燃料噴射制御装置は、自動車用内燃機関の各気筒に燃料をそれぞれ噴射供給する電磁弁としてのインジェクタの電磁コイルへの通電を制御することにより、各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御するものであるが、ここでは、便宜上、1つの気筒のインジェクタについてのみ説明する。
【0030】
まず図1は、第1実施形態の燃料噴射制御装置11の構成を表わす構成図である。
図1に示すように、第1実施形態の燃料噴射制御装置11は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)13と、2つのトランジスタT1,T2、コンデンサC1、及び抵抗R1からなるチャージポンプ式の昇圧回路15と、定電流制御回路17と、トランジスタT3,T4,T5と、電流検出用抵抗R2と、ダイオードD1〜D4とを備えている。尚、この例において、トランジスタT2,T3,T5はNチャネルMOSFETであり、トランジスタT1,T4はPチャネルMOSFETである。
【0031】
ここで、インジェクタの電磁コイルLの一端は、当該燃料噴射制御装置11の外部に配設された配線19を介して、2つのダイオードD2,D3のカソードに接続されている。そして、ダイオードD2のアノードは、トランジスタT4のドレインに接続されており、そのトランジスタT4のソースは、電源電圧としてのバッテリ電圧VB(通常、約12V)に接続されている。そして更に、ダイオードD3のアノードは、基準電位としてのグランド(接地電位=0V)に接続されている。
【0032】
また、電磁コイルLの他端は、当該燃料噴射制御装置11の外部に配設された配線21を介して、トランジスタT5のドレインに接続されており、そのトランジスタT5のソースは、電流検出用抵抗R2を介してグランドに接続されている。そして、トランジスタT5は、マイコン13から出力されるインジェクタの駆動信号SDがアクティブレベル(この例ではハイレベル)の時にオンするようになっている。そして更に、トランジスタT5のドレインには、ダイオードD4のアノードが接続されており、そのダイオードD4のカソードはバッテリ電圧VBに接続されている。
【0033】
一方、昇圧回路15では、トランジスタT1のソースがバッテリ電圧VBに接続されており、トランジスタT2のソースが抵抗R1を介してグランドに接続されている。また、その2つのトランジスタT1,T2のドレイン同士が互いに接続されており、そのトランジスタT1,T2同士の接続点(即ち、トランジスタT1,T2のドレイン)に、コンデンサC1の一端が接続されている。
【0034】
そして、コンデンサC1の上記接続点側とは反対側の端部である出力端にダイオードD1のカソードが接続されており、そのダイオードD1のアノードがバッテリ電圧VBに接続されている。
よって、昇圧回路15では、2つのトランジスタT1,T2のうちでグランド側のトランジスタT2(ロー側スイッチング素子に相当)のみがオンされている時に、コンデンサC1の出力端にダイオードD1を介してバッテリ電圧VBが供給されるため、コンデンサC1は、バッテリ電圧VBで出力端からトランジスタT1,T2同士の接続点への方向に充電される。そして、その後、2つのトランジスタT1,T2のうちでバッテリ電圧VB側のトランジスタT1(ハイ側スイッチング素子に相当)のみがオンされることにより、コンデンサC1の出力端にバッテリ電圧VBよりも高い昇圧電圧(詳しくは、最大でバッテリ電圧VBの約2倍の電圧)が発生する。尚、抵抗R1は、コンデンサC1の充電時において、トランジスタT2に流れる充電電流を制限する電流制限用抵抗として機能する。
【0035】
そして更に、コンデンサC1の出力端は、トランジスタT3のドレインに接続されており、そのトランジスタT3のソースが上記ダイオードD2,D3のカソード及び配線19に接続されている。尚、トランジスタT3は、コンデンサC1の出力端と電磁コイルLへの電流供給経路とを接続/遮断するためのスイッチング素子であり、コンデンサC1の充電エネルギーを電磁コイルLへ放電する際にオンされる。
【0036】
次に、定電流制御回路17は、マイコン13からトランジスタT5への駆動信号SDがハイレベルの場合に動作して、電流検出用抵抗R2のトランジスタT5側の端部に生じる電圧を、電磁コイルLに流れる電流(以下、コイル電流ともいう)Iとして検出すると共に、その検出値がマイコン13によって指示される一定電流に相当する値となるようにトランジスタT4をオン/オフさせる。
【0037】
尚、ダイオードD3は、トランジスタT4がオンからオフされた時に発生する電磁コイルLのフライバックエネルギーを消弧するために設けられており、ダイオードD4は、トランジスタT5がオンからオフされた時に発生する電磁コイルLのフライバックエネルギーを消弧するために設けられている。また、ダイオードD2は、トランジスタT3側や電磁コイルL側からトランジスタT4のドレイン側へ電流が逆流するのを防止するために設けられている。
【0038】
一方、図示は省略しているが、マイコン13には、内燃機関の回転数を検出する回転センサやアクセル開度を検出するアクセル開度センサ等、内燃機関の運転状態を検出するための各種センサからの信号が入力される。
そして、マイコン13は、上記各種センサの信号から内燃機関の運転状態を検出し、その検出結果に基づいて、上記トランジスタT1〜T3,T5をオン/オフさせると共に、上記定電流制御回路17へ、トランジスタT4によって電磁コイルLに流すべき一定電流の値を指示する。
【0039】
次に、上記のような構成を有する燃料噴射制御装置11の動作について、図2及び図3を用い説明する。尚、図2は、本燃料噴射制御装置11の動作を表わすタイムチャートであり、その図2において、VC1は、グランドを基準にした場合のコンデンサC1の出力端の電圧を表している。また、図3は、マイコン13が実行する開弁用大電流供給処理の内容を表すフローチャートである。
【0040】
まず、マイコン13は、インジェクタの電磁コイルLへの通電開始タイミングが到来すると、図2に示すように、その時点から燃料噴射量に応じた通電期間の間、駆動信号SDをローレベルからハイレベルにしてトランジスタT5をオンさせる。
【0041】
また更に、マイコン13は、電磁コイルへの通電開始タイミングが到来すると、インジェクタを非動作状態としての閉弁状態から動作状態としての開弁状態へと速やかに移行させるために、図3の開弁用大電流供給処理を開始する。そして、大電流供給処理後、定電流制御回路17へ、電磁コイルLに流すべき一定電流の値として、第1の一定電流(この例では8A)、第2の一定電流(この例では4A)を指示する。尚、開弁用大電流供給処理の開始時において、コンデンサC1は、出力端からトランジスタT1,T2同士の接続点への方向にバッテリ電圧VBで充電されている。
【0042】
そして、図3に示すように、マイコン13が開弁用大電流供給処理の実行を開始すると、まずS110にて、昇圧回路15の2つのトランジスタT1,T2のうち、トランジスタT1だけをオンさせると共に、トランジスタT3をオンさせ、続くS120にて、予め設定された時間taだけ待つ。
【0043】
すると、図2に示すように、トランジスタT1,T3がオンされた時に、コンデンサC1の出力端にバッテリ電圧VBの約2倍の電圧が発生し、その時点から上記時間taの間、コンデンサC1から電磁コイルLへ電流が放電され、その放電電流がコイル電流Iとして電磁コイルLに流れることとなる。つまり、コンデンサC1→トランジスタT3→電磁コイルL→トランジスタT5の経路で電流が流れる。
【0044】
次に、マイコン13は、上記時間taが経過すると、S130にて、昇圧回路15の2つのトランジスタT1,T2のうち、トランジスタT1をオフさせてトランジスタT2だけをオンさせると共に、トランジスタT3をオフさせる。
すると、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電電流供給経路がトランジスタT3により遮断され、図2に示すように、コンデンサC1の出力端側からトランジスタT2側へのバッテリ電圧VBによる充電が開始されることとなる。
【0045】
そして、続くS140にて、コイル電流Iが設定電流値(この例では18A)に達しているか否かを判断し、未だ設定電流値(=18A)に達していなければ、S150に進んで、予め設定された時間tbだけ待ち、その時間tbが経過した後、S110へ戻る。尚、図示は省略しているが、マイコン13には、電流検出用抵抗R2のトランジスタT5側の端部の電圧が入力されている。そして、マイコン13は、その電流検出用抵抗R2の電圧を内部のA/D変換器によりA/D変換し、そのA/D変換値からコイル電流Iを検出している。
【0046】
一方、上記S140にて、コイル電流Iが設定電流値に達していると判定した場合には、S160に移行して、上記時間tbよりも長く設定された時間tcだけ待ち、その時間tcが経過した後、S170に進む。そして、このS170にて、トランジスタT2をオフさせ、これにより、本開弁用大電流供給処理が終了する。
【0047】
このような開弁用大電流供給処理により、本第1実施形態の燃料噴射制御装置11では、図2に示すように、電磁コイルLへの通電期間の開始タイミング(通電開始タイミング)になると、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電とコンデンサC1の充電とが複数回(この例では4回)繰り返して実行される。そして、コイル電流Iは、コンデンサC1の放電の度に増加して、4回目の放電では、インジェクタを確実に開弁させることが可能な目標の電流値(この例では約18A)に達する。よって、インジェクタは、4回目の放電が終わるまでには確実に開弁することとなる。
【0048】
尚、上記開弁用大電流供給処理では、最終回の放電が終わった後の充電時間tc(S160での待ち時間)を、それまでの充電時間tb(S150での待ち時間)よりも長くしているが、これは、次回の通電開始タイミングが到来した時点で、コンデンサC1に十分な電荷が蓄えられているようにするためである。
【0049】
そして、図2に示すように、コイル電流Iは、コンデンサC1から電磁コイルLへの4回目の放電が終わると、最大値から低下してくるが、その後は、定電流制御回路17の作用により第1の一定電流(=8A)付近に維持され、これにより、インジェクタが開弁状態に保持される。
【0050】
そして更に、マイコン13は、電磁コイルLへの通電開始タイミングから上記開弁用大電流供給処理の実行所要時間よりも長い一定時間tdが経過すると、定電流制御回路17へ、電磁コイルLに流すべき一定電流の値として、第1の一定電流よりも小さい第2の一定電流(この例では4A)を指示する。
【0051】
このため、図2に示すように、電磁コイルLへの通電開始タイミングから一定時間tdが経過すると、その後、通電期間が終了してトランジスタT5がオフされるまでの間は、定電流制御回路17の作用により、コイル電流Iが第2の一定電流(=4A)付近に維持され、これにより、インジェクタが引き続き開弁状態に保持される。
【0052】
そして、通電期間の終了タイミングになってトランジスタT5がオフされると、電磁コイルLへの通電が停止され、その結果、インジェクタが開弁状態から閉弁状態へ戻ることとなる。
尚、本実施形態で駆動対象としているインジェクタは、コイル電流Iが第2の一定電流である4Aでも開弁状態を保つことができるものであるが、電磁コイルLに流す一定電流を第1の一定電流(=8A)から第2の一定電流(=4A)へと段階的に下げているのは、コンデンサC1から電磁コイルLへの最後の放電(4回目の放電)が終わった後に、コイル電流Iを一気に4Aにまで下げてしまうと、その勢いでインジェクタが閉弁状態に戻ってしまう可能性があるからであり、それを回避するためである。
【0053】
一方、上記第1実施形態においては、マイコン13が制御手段に相当しており、そのマイコン13が実行する図3の開弁用大電流供給処理のうち、S110の処理が放電動作としての処理に相当し、S130の処理が充電動作としての処理に相当している。
【0054】
以上のような燃料噴射制御装置11によれば、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電とコンデンサC1への充電とを複数回繰り返して実施することにより、インジェクタを開弁させるようにしているため、コンデンサC1の1回の放電による電磁コイルLへの出力電力が小さくても、インジェクタを素早く開弁させることができる。
【0055】
ここで、参考例として、図1と同じハードウェア構成で、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電を1回だけ実施することによりインジェクタを開弁させるようにした場合の動作を、図4に示す。
図4の例では、電磁コイルLへの通電開始タイミングまでに、トランジスタT2だけをオンしてコンデンサC1を充電しておき、通電開始タイミングが到来すると、トランジスタT5をオンすると共に、その時点から前述した開弁用大電流供給処理の実行所要時間よりも長い一定時間teが経過するまでの間、トランジスタT1,T2のうち、トランジスタT1だけをオンすると共に、トランジスタT3をオンして、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電を行っている。
【0056】
この場合、コンデンサC1に蓄えられるエネルギーが少ないため、そのコンデンサC1からの1回の放電だけでは、インジェクタを開弁させることが可能な目標の電流を電磁コイルLに流しきるこことができない。そのため、コンデンサC1に蓄えられたエネルギーが全て放出された時点(図4における時刻t1)から、トランジスタT1,T3がオフされるまでの間は、バッテリ電圧VBからダイオードD1を介して電磁コイルLに電流が流れることとなるが、コイル電流Iが目標の電流値(18A)に達するまでの時間が非常に長くなってしまい、インジェクタの制御(即ち、燃料噴射制御)としては成立しなくなってしまう。
【0057】
これに対して、本第1実施形態の燃料噴射制御装置11によれば、前述した▲1▼〜▲3▼の問題を解決可能な1コンデンサタイプのチャージポンプ式昇圧回路15を用いているにも拘わらず、インジェクタの良好な駆動性能を達成することができる。特に、コンデンサC1の1回の放電による電磁コイルLへの出力エネルギーが小さくても、コンデンサC1の放電及び充電を小刻みに繰り返すことで、電磁コイルLへの供給エネルギーをインジェクタが開弁可能な目標値にまで素早く到達させることができるため、コンデンサC1として容量が小さい小型化のものを用いることができ非常に有利である。
【0058】
次に、第2実施形態の燃料噴射制御装置について、図5及び図6を用い説明する。尚、図5は、第2実施形態の燃料噴射制御装置23の構成を表わす構成図であであり、図6は、その燃料噴射制御装置23の動作を表わすタイムチャートである。また、図5及び図6において、前述した図1及び図2と同じものについては、同一の符号を付しているため、説明は省略する。
【0059】
本第2実施形態の燃料噴射制御装置23は、第1実施形態の燃料噴射制御装置11と比較すると、下記の(1−1)及び(1−2)の点が異なっている。
(1−1)図5に示すように、ダイオードD4のカソードが、バッテリ電圧VBではなく、コンデンサC1の出力端に接続されている。
【0060】
(1−2)図6に示すように、マイコン13は、電磁コイルLへの通電期間が終了してトランジスタT5をオフする時に、昇圧回路15におけるトランジスタT1を一定時間オンするようにしている。
ここで、通電期間が終了する前の時点において、コンデンサC1は前述した図3のS130及びS160の処理により既に充電されているため、通電期間の終了タイミングでトランジスタT1がオンされると、コンデンサC1の出力端には、図6では図示を省略しているが、バッテリ電圧VBよりも高い昇圧電圧が発生することとなる。
【0061】
このような第2実施形態の燃料噴射制御装置23によれば、トランジスタT5がオフされた時に電磁コイルLに流れるフライバック電流を、ダイオードD4を介してバッテリ電圧VBよりも高い電圧に返すことができるため、電磁コイルLに蓄積されたエネルギー(フライバックエネルギー)を素早く消失させることができる。つまり、トランジスタT5がオフされてからコイル電流Iが流れなくなるまでの時間を短くすることができ、電磁コイルLへの通電期間の終了時にインジェクタを速やかに閉弁させることができる。このため、第1実施形態の燃料噴射制御装置11と同様の効果に加えて、更に、インジェクタの制御精度を向上させることができる。また、コンデンサC1に大きなエネルギーを蓄えることができるという利点もある。
【0062】
尚、本第2実施形態では、トランジスタT5が、通電駆動用スイッチング素子に相当し、トランジスタT4が、定電流供給手段に相当し、ダイオードD4が、請求項5に記載のダイオードに相当している。
次に、第3実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。
【0063】
まず、図7は、第3実施形態の燃料噴射制御装置25の構成を表わす構成図である。尚、図7において、図1と同じものについては、同一の符号を付しているため、説明は省略する。
本第3実施形態の燃料噴射制御装置25は、第1実施形態の燃料噴射制御装置11と比較すると、下記の(2−1)及び(2−2)の点が異なっている。
【0064】
(2−1)図7に示すように、コンデンサC1の出力端とグランドとの間に、直列に接続された2つの抵抗27,29が追加されており、その抵抗27,29同士の接続点の電圧Vcmが、マイコン13に入力されている。そして、マイコン13は、その電圧Vcmを内部のA/D変換器(ADC)13aによりA/D変換し、そのA/D変換値からコンデンサC1の出力端の電圧VC1を検出するようになっている。
【0065】
尚、コンデンサC1の出力端の電圧VC1を直接A/D変換するのではなく、その電圧VC1を抵抗27,29によって分圧した電圧VcmをA/D変換するようにしているのは、A/D変換器13aの入力電圧が、該A/D変換器13aにてA/D変換可能なダイナミックレンジ内(例えば0〜5V)に収まるようにするためである。
【0066】
(2−2)マイコン13は、図3の開弁用大電流供給処理に代えて、図8の開弁用大電流供給処理を実行する。そして、図8の開弁用大電流供給処理は、図3の開弁用大電流供給処理と比較すると、S120の代わりに、S122及びS124の処理が行われる点のみ異なっている。
【0067】
即ち、本第3実施形態の開弁用大電流供給処理(図8)では、S110にて、トランジスタT1,T3=オン且つトランジスタT2=オフの放電状態にした後、S122に進み、コンデンサC1の出力端の電圧VC1を上記(2−1)で述べた手順で検出する。そして、次のS124にて、上記S122で検出した電圧VC1が一定の閾値Vth以下であるか否かを判定し、「VC1≦Vth」でなければ(S124:NO)、S122に戻る。また、上記S124にて「VC1≦Vth」であると判定したならば、S130に進んで、トランジスタT1,T3=オフ且つトランジスタT2=オンの充電状態にする。尚、閾値Vthは、コンデンサC1から電磁コイルLへ電気エネルギーが十分に放電されたと考えられる時点での電圧VC1の値に設定されている。
【0068】
つまり、本第3実施形態では、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電を開始してから、コンデンサC1の出力端の電圧VC1が閾値Vthに達したら、そのコンデンサC1の放電を止めて、S130の充電動作に転じるようになっている。
【0069】
そして、このような本第3実施形態の燃料噴射制御装置25によれば、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電経路の時定数にばらつきがあっても、コンデンサC1の出力端の電圧VC1が閾値Vthに達するまでは、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電が継続されることとなるため、コンデンサC1の1回の放電当たりに電磁コイルLへ一定量以上の電気エネルギーを確実に供給することができ、その結果、インジェクタを一層確実に開弁させることができるようになる。
【0070】
尚、本第3実施形態では、マイコン13と抵抗27,29とが、制御手段に相当している。そして、抵抗27,29と、マイコン13内のA/D変換器13aと、図8におけるS122の処理とが、出力電圧検出手段に相当している。
次に、第4実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。
【0071】
まず、図9は、第4実施形態の燃料噴射制御装置31の構成を表わす構成図である。尚、図9において、図1と同じものについては、同一の符号を付しているため、説明は省略する。
本第4実施形態の燃料噴射制御装置31は、第1実施形態の燃料噴射制御装置11と比較すると、下記の(3−1)及び(3−2)の点が異なっている。
【0072】
(3−1)図9に示すように、バッテリ電圧VBとグランドとの間に、直列に接続された2つの抵抗33,35が追加されており、その抵抗33,35同士の接続点の電圧Vbmが、マイコン13に入力されている。そして、マイコン13は、その電圧Vbmを内部のA/D変換器(ADC)13aによりA/D変換し、そのA/D変換値からバッテリ電圧VBを検出するようになっている。
【0073】
尚、バッテリ電圧VBを直接A/D変換するのではなく、バッテリ電圧VBを抵抗33,35によって分圧した電圧VbmをA/D変換するようにしているのは、前述した第3実施形態と同様に、A/D変換器13aの入力電圧が、該A/D変換器13aにてA/D変換可能なダイナミックレンジ内に収まるようにするためである。
【0074】
(3−2)マイコン13は、図3の開弁用大電流供給処理に代えて、図10の開弁用大電流供給処理を実行する。そして、図10の開弁用大電流供給処理は、図3の開弁用大電流供給処理と比較すると、S110とS120との間にS112及びS114の処理が追加されている点のみ異なっている。
【0075】
即ち、本第4実施形態の開弁用大電流供給処理(図10)では、S110にて、トランジスタT1,T3=オン且つトランジスタT2=オフの放電状態にした後、S112にて、バッテリ電圧VBを上記(3−1)で述べた手順で検出する。そして、続くS114にて、上記S112で検出したバッテリ電圧VBに基づいて、次のS120で待つ時間ta(つまり、放電状態を継続する時間であり、放電動作の継続時間に相当)を設定する。具体的には、バッテリ電圧VBが低い場合ほど、時間taを長い時間に設定する。
【0076】
以上のように本第4実施形態では、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電の継続時間taを、バッテリ電圧VBに応じて設定するようにしている。
そして、このような本第4実施形態の燃料噴射制御装置31によれば、バッテリ電圧VBが変動しても、コンデンサC1の1回の放電当たりに電磁コイルLへ供給されるエネルギーを安定させることができるため、特に、バッテリ電圧VBが低下した場合でも、インジェクタを確実に開弁させることができるようになる。
【0077】
尚、本第4実施形態では、マイコン13と抵抗33,35とが、制御手段に相当している。そして、抵抗33,35と、マイコン13内のA/D変換器13aと、図10におけるS112の処理とが、電源電圧検出手段に相当している。
次に、第5実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。
【0078】
まず、図11は、第5実施形態の燃料噴射制御装置37の構成を表わす構成図である。尚、図11において、図1と同じものについては、同一の符号を付しているため、説明は省略する。
本第5実施形態の燃料噴射制御装置37は、第1実施形態の燃料噴射制御装置11と比較すると、下記の(4−1)及び(4−2)の点が異なっている。
【0079】
(4−1)バッテリ電圧VBからコンデンサC1のトランジスタT1,T2側の端部へ流れる電流Ioをモニタするために、図11に示す如く、バッテリ電圧VBとトランジスタT1のコンデンサC1側とは反対側の端子であるソースとの間に、電流検出用の抵抗39が設けられていると共に、その抵抗39の両端電位差に比例した電圧信号を出力する差動増幅回路41が設けられている。
【0080】
そして、マイコン13は、差動増幅回路41の出力を内部のA/D変換器(ADC)13aによりA/D変換し、そのA/D変換値から上記電流Ioを検出するようになっている。
(4−2)マイコン13は、図3の開弁用大電流供給処理に代えて、図12の開弁用大電流供給処理を実行する。そして、図12の開弁用大電流供給処理は、図3の開弁用大電流供給処理と比較すると、S120の代わりに、S126及びS128の処理が行われる点のみ異なっている。
【0081】
即ち、本第5実施形態の開弁用大電流供給処理(図12)では、S110にて、トランジスタT1,T3=オン且つトランジスタT2=オフの放電状態にした後、S126に進み、バッテリ電圧VBからトランジスタT1を介してコンデンサC1に流れる電流Ioを上記(4−1)で述べた手順で検出する。そして、次のS128にて、上記S126で検出した電流Ioが一定の閾値Ith以上であるか否かを判定し、「Io≧Ith」でなければ(S128:NO)、S126に戻る。また、上記S128にて「Io≧Ith」であると判定したならば、S130に進んで、トランジスタT1,T3=オフ且つトランジスタT2=オンの充電状態にする。尚、閾値Ithは、コンデンサC1から電磁コイルLへ電気エネルギーが十分に放電されたと考えられる時点での電流Ioの値に設定されている。
【0082】
つまり、本第5実施形態では、バッテリ電圧VBからトランジスタT1を介してコンデンサC1に流れる電流Ioを、コンデンサC1から電磁コイルLへ供給される電流として検出し、コンデンサC1の放電を開始してから、上記電流Ioの検出値が閾値Ithに達したら、そのコンデンサC1の放電を止めて、S130の充電動作に転じるようにしている。
【0083】
そして、このような本第5実施形態の燃料噴射制御装置37によれば、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電経路の時定数にばらつきがあっても、コンデンサC1から電磁コイルLへ出力される電流が閾値Ithに達するまでは、コンデンサC1から電磁コイルLへの放電が継続されることとなるため、第3実施形態の燃料噴射制御装置25と同様に、コンデンサC1の1回の放電当たりに電磁コイルLへ一定量以上の電気エネルギーを確実に供給することができる。よって、インジェクタを一層確実に開弁させることができるようになる。
【0084】
尚、本第5実施形態では、マイコン13と抵抗39及び差動増幅回路41とが、制御手段に相当している。そして、抵抗39及び差動増幅回路41と、マイコン13内のA/D変換器13aと、図12におけるS126の処理とが、出力電流検出手段に相当している。
【0085】
また、上記第5実施形態において、コンデンサC1から電磁コイルLへ供給される電流は、例えば、コンデンサC1の出力端とトランジスタT3との間に電流検出手段を設けて検出するようにしても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0086】
例えば、 第3〜5実施形態の構成及び処理は、第2実施形態の燃料噴射制御装置23に対しても同様に適用することができる。
また、上記各実施形態では、駆動対象の電磁弁がノーマルクローズタイプのインジェクタであったが、本発明は、ノーマルオープンタイプ及びノーマルクローズタイプを問わず、様々な電磁弁に対して適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表わす構成図である。
【図2】第1実施形態の燃料噴射制御装置の動作を表わすタイムチャートである。
【図3】第1実施形態の開弁用大電流供給処理の内容を表すフローチャートである。
【図4】参考例を表すタイムチャートである。
【図5】第2実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表わす構成図である。
【図6】第2実施形態の燃料噴射制御装置の動作を表わすタイムチャートである。
【図7】第3実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表わす構成図である。
【図8】第3実施形態の開弁用大電流供給処理の内容を表すフローチャートである。
【図9】第4実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表わす構成図である。
【図10】第4実施形態の開弁用大電流供給処理の内容を表すフローチャートである。
【図11】第5実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表わす構成図である。
【図12】第5実施形態の開弁用大電流供給処理の内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
11,23,25,31,37…燃料噴射制御装置、13…マイコン、13a…A/D変換器(ADC)、15…チャージポンプ式昇圧回路、17…定電流制御回路、19,21…配線、R1,R2,27,29,33,35,39…抵抗、41…差動増幅回路、C1…コンデンサ、D1〜D4…ダイオード、L…インジェクタの電磁コイル、T1〜T5…トランジスタ

Claims (5)

  1. 電源電圧と該電源電圧よりも低い基準電位との間に直列に接続された2つのスイッチング素子と、その2つのスイッチング素子同士の接続点に一端が接続されたコンデンサとを有し、前記2つのスイッチング素子のうちで前記基準電位側のスイッチング素子(以下、ロー側スイッチング素子という)のみがオンされている時に、前記コンデンサの前記接続点側とは反対側の端部(以下、出力端という)に前記電源電圧が供給されることにより該コンデンサが前記電源電圧で充電され、その後、前記2つのスイッチング素子のうちで前記電源電圧側のスイッチング素子(以下、ハイ側スイッチング素子という)のみがオンされることにより、前記コンデンサの前記出力端に前記電源電圧よりも高い昇圧電圧を発生するチャージポンプ式の昇圧回路と、
    前記2つのスイッチング素子のうちのロー側スイッチング素子をオンして前記コンデンサを前記電源電圧で充電する充電動作と、前記2つのスイッチング素子のうちのハイ側スイッチング素子をオンして前記充電動作により充電された前記コンデンサから電磁弁の電磁コイルへ電流を放電させる放電動作とを行う制御手段と、
    を備えた電磁弁駆動装置であって、
    前記制御手段が、前記電磁コイルへの通電期間の開始時から、前記放電動作と前記充電動作とを複数回繰り返し実行することにより、前記電磁弁を非動作状態から動作状態に移行させること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記制御手段は、
    前記コンデンサの出力端の電圧を検出する出力電圧検出手段を備え、
    前記放電動作を開始してから、前記出力電圧検出手段により検出される電圧が一定の閾値に達したら、当該放電動作を停止するように構成されていること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  3. 請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記制御手段は、
    前記電源電圧を検出する電源電圧検出手段を備え、
    前記放電動作の継続時間を、前記電源電圧検出手段により検出される前記電源電圧に応じて、該電源電圧が低いほど長くするように構成されていること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  4. 請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記制御手段は、
    前記コンデンサから前記電磁コイルへ供給される電流を検出する出力電流検出手段を備え、
    前記放電動作を開始してから、前記出力電流検出手段により検出される電流が一定の閾値に達したら、当該放電動作を停止するように構成されていること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
    前記電磁コイルの前記コンデンサの出力端側とは反対側の端部と前記基準電位との間に、前記電磁コイルへの通電期間の間だけオンされる通電駆動用スイッチング素子が直列に設けられていると共に、
    前記コンデンサの出力端から前記電磁コイルへ至る電流供給経路には、前記制御手段が前記放電動作と前記充電動作とを複数回繰り返し実行した後、前記通電駆動用スイッチング素子がオフされるまでの間、前記電磁コイルに一定電流を流して前記電磁弁を動作状態に保持する定電流供給手段が接続されており、
    更に、前記通電駆動用スイッチング素子の前記電磁コイル側の端子と前記コンデンサの出力端との間には、前記コンデンサの出力端の方をカソード側にして、前記通電駆動用スイッチング素子のオフ時に前記電磁コイルに流れるフライバック電流を前記コンデンサの出力端側へ返すためのダイオードが接続されており、
    前記制御手段は、前記通電期間が終了して前記通電駆動用スイッチング素子がオフされる時に、前記昇圧回路における2つのスイッチング素子のうちのハイ側スイッチング素子を一定時間オンして前記コンデンサの出力端に前記昇圧電圧を発生させること、
    を特徴とする電磁弁駆動装置。
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