JP2004345163A - インナーディッケル式tダイおよびインナーディッケル式tダイ用の温度調整装置 - Google Patents

インナーディッケル式tダイおよびインナーディッケル式tダイ用の温度調整装置 Download PDF

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真一 内海
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Abstract

【課題】幅方向に均一な厚みの樹脂シートを製造する。
【解決手段】インナーディッケルTダイ1は、溶融樹脂を導入する樹脂供給路3が形成されたTダイ本体2と、幅方向に摺動可能に対向して配置され、形成されるシート材の幅および厚さを規定する一対のインナーディッケル部8と、インナーディッケル部8に形成されたヒータ用孔9aに配置されたヒータ9とを有する。温度調整装置は、インナーディッケル部8の温度を測定するための熱電対10と、ヒータ9をオンオフ制御する制御手段13とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートを製造する押出機におけるインナーディッケル式Tダイおよびインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
Tダイは、押出機により溶融された樹脂をダイ本体に設けたマニホールド部へ供給し、ダイ幅方向へ広げ、ダイランド部、リップランド部を介してリップ出口から所望の幅に広げ、次工程の冷却ロールへ溶融樹脂を吐出するものである。Tダイのうち、樹脂シートのシート幅の調整が可能なTダイとして、インナーディッケル式Tダイが知られている。
【0003】
図5に従来のインナーディッケル式Tダイの一例を示す。
【0004】
インナーディッケル式Tダイ100は、ダイ本体101のマニホールド部102およびダイランド部103、リップランド部104内に、左右両幅方向に摺動自在に挿入されたインナーディッケル部105を備えており、送りネジ107に取り付けられたハンドル106を廻すことでインナーディッケル部105を幅方向に移動させてリップ幅長さを変更することが可能である。
【0005】
インナーディッケル式Tダイはインナーディッケル部が摺動自在に設けられているため、この摺動部から溶融樹脂が漏洩したり、また、摺動部に入り込んだ樹脂が劣化して焼け付いてしまう場合がある。これを防止するために、インナーディッケル部に冷却ジャケットを設けたインナーディッケル式Tダイが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願平10−268841号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インナーディッケル式Tダイの場合、インナーディッケル部はダイ本体から外側に出ている部分からの放熱量が多く、このため、図6に示すように、インナーディッケル部105の内壁105a近傍を流れる溶融樹脂(矢印B’)は、インナーディッケル部105からの放熱により、インナーディッケル部105の内壁105aから離れた位置を流れる溶融樹脂(矢印A’)に比べて粘度が高くなる傾向にある。すなわち、インナーディッケル部105の内壁105a近傍の溶融樹脂は流動性が低下することでTダイ出口の両端部からの樹脂の吐出量が少なくなり、幅方向に均一な厚みの樹脂シートを形成することが困難となる。
【0008】
そこで、本発明は、幅方向に均一な厚みの樹脂シートを製造可能なインナーディッケル式Tダイおよびインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のインナーディッケル式Tダイは、押出機から供給される溶融樹脂を導入する樹脂供給路が形成されたTダイ本体と、溶融樹脂を吐出するリップランド部の幅を調整するために前記Tダイ本体内に摺動可能に対向して配置された一対のインナーディッケル部を有するインナーディッケル式Tダイにおいて、
前記インナーディッケル部にヒータを配置するためのヒータ用孔が形成されており、前記ヒータ用孔に前記ヒータが配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記のとおりの本発明のインナーディッケル式Tダイは、インナーディッケル部がヒータにより加熱されるため、溶融樹脂がインナーディッケル部に接触した際に必要以上に冷却されることがない。このため、インナーディッケル部に接触していない溶融樹脂の粘度に対して、インナーディッケル部に接触している溶融樹脂の粘度が高くなりすぎることがない。
【0011】
また、本発明のインナーディッケル式Tダイは、ヒータ用孔の端部が樹脂供給路に連通するマニホールド部に対応する位置にあり、ヒータが端部に接する位置に設けられているものであってもよい。
【0012】
また、本発明のインナーディッケル式Tダイは、ヒータ用孔が、ヒータおよびインナーディッケル部を冷却するための冷却風を噴出するパイプを挿入可能で、かつパイプから噴出された冷却風を排出可能な内径に形成されているものであってもよい。この場合、パイプの先端部がヒータ近くに位置するまでパイプをヒータ用孔に挿入して冷却風を効率よくヒータに当てることが可能であるとともに、冷却風の排気も効率よく行うことができる。
【0013】
本発明のインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置は、押出機から供給される溶融樹脂を導入する樹脂供給路が形成されたTダイ本体と、溶融樹脂を吐出するリップランド部の幅を調整するために前記Tダイ本体内に摺動可能に対向して配置された一対のインナーディッケル部を有するインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置であって、
前記インナーディッケル部の温度を測定する熱電対と、
前記熱電対により測定された温度に基づき、前記インナーディッケル部を加熱するヒータをオンオフ制御する制御手段とを有するものである。
【0014】
上記のとおりの本発明のインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置は、インナーディッケル部の温度を熱電対によって測定し、この熱電対の測定値に基づき、インナーディッケル部を加熱するヒータを制御手段によってオンオフ制御する。このため、インナーディッケル部の温度を所望の温度域に保持することができるので、溶融樹脂がインナーディッケル部に接触した際に冷却されて粘度が高くなりすぎることがないとともに、過度にインナーディッケル部を加熱して溶融樹脂の焼き付きを起こしてしまうこともない。
【0015】
また、本発明のインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置は、インナーディッケル部に形成されたヒータ用孔内に配置されたヒータ、およびインナーディッケル部を冷却するための冷却風を供給する冷却風供給手段と、ヒータ用孔に冷却風供給手段からの冷却風を供給する配管と、配管の途中に設けられ、熱電対により測定された温度に基づき、制御手段によって開閉制御される電磁弁とを有するものであってもよい。この場合、制御手段によってヒータへの通電をオフにして加熱を停止してインナーディッケル部を冷却しようとする際に電磁弁を開き、冷却風供給手段からの冷却風をヒータ用孔に供給することで強制的に冷却することができ、よって、温度制御の応答性を高めることができる。
【0016】
また、本発明のインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置は、配管に接続され、ヒータ用孔に挿入されて冷却風をヒータに対して噴出するパイプを有するものであってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に本発明のインナーディッケルTダイの構造を示す模式図およびインナーディッケルTダイ用の温度調整装置の構成図を示す。また、図2に、図1に示したインナーディッケルTダイのa方向からみた側断面図を、図3にインナーディッケル部の内壁近傍を流れる溶融樹脂を模式的に示す、インナーディッケル式Tダイの一部拡大図をそれぞれ示す。
【0019】
インナーディッケルTダイ1は、中央部に、不図示の押出機から供給される溶融樹脂を導入する樹脂供給路3が形成されたTダイ本体2と、Tダイ本体2内に図中左右方向に摺動可能に対向して配置され、形成されるシート材の幅および厚さを規定する一対のインナーディッケル部8と、インナーディッケル部8に形成されたヒータ用孔9aに配置されたヒータ9とを有する。
【0020】
温度調整装置は、インナーディッケル部8の温度を測定するための熱電対10と、ヒータ9をオンオフ制御する制御手段13とを有する。
【0021】
インナーディッケルTダイ1は、Tダイ本体2内に一対のインナーディッケル部8が配置されることで、樹脂供給路3に連通する、マニホールド部4およびダイランド部5、リップランド部6、およびリップランド出口7が形成されており、また、インナーディッケル部8を幅方向に移動させることでリップ幅長さを変更することが可能となっている。
【0022】
各インナーディッケル部8は、送りネジ11に取り付けられたハンドル12を廻すことでインナーディッケル部8を互いに接近または離間する方向に摺動させてリップ幅長さを変更することが可能である。なお、ハンドル12の代わりにモータを取り付けた構成とするものであってもよい。
【0023】
インナーディッケル部8の内壁8aは、樹脂供給路3からマニホールド部4の概ね中央部に供給される溶融樹脂を両端側に向けて拡げるため、マニホールド部4では樹脂供給路3側から両端側に向けて拡がった傾斜面形状となっており、ダイランド部5、およびリップランド部6ではシート幅端部を規定するため、溶融樹脂が吐出される方向に平行に形成されている。
【0024】
各インナーディッケル部8には、インナーディッケル部8の内壁8a近傍まで穿孔されたヒータ用孔9aが形成されており、インナーディッケル部8の内壁8a近傍を加熱するためのヒータ9がヒータ用孔9aの端部9bに接する位置に配置されている。また、内壁8a近傍の温度を測定するための熱電対10も不図示の熱電対用孔に配置されている。
【0025】
マニホールド部4は、樹脂供給路3から供給された溶融樹脂をリップ幅方向へと拡げる領域であり、溶融樹脂が通過する断面積はマニホールド部4、ダイランド部5、およびリップランド部6のうちで最も大きく、吐出される溶融樹脂はこのマニホールド部4に溜まりつつ、ダイランド部5へと流入する。
【0026】
ここで、溶融樹脂は、図3中矢印Bに示すように、マニホールド部4の内壁8aに倣いながらリップ幅まで拡がることとなるが、マニホールド部4は、ダイランド部5、リップランド部6に比べて溶融樹脂に対する接触面積が大きいため、溶融樹脂を冷却する度合いが高い。また、マニホールド部4で溶融樹脂の粘度が増加してしまうと、マニホールド部4よりも開口面積の小さいダイランド部5への溶融樹脂の流れ込みに影響を与え、さらには、ダイランド部5よりもさらに開口面積の小さいリップランド部6への流れ込みにも影響を与えてしまうこととなる。
【0027】
すなわち、マニホールド部4でインナーディッケル部8の内壁8aに接触して冷却された溶融樹脂(図3中矢印B)は粘度が増加してしまうので、内壁8aに接触せずにリップランド部6に流れ込む溶融樹脂(図3中矢印A)よりもその流れ込み量が少なくなってしまい、結局、幅方向に均一な厚みの樹脂シートを形成することが困難となってしまう。よって、図2に示すようにヒータ9をマニホールド部4の概ね中心部(インナーディッケル部8は図2の中心線C−Cで分割される)に設けてこの領域を主に加熱することで、マニホールド部4の内壁8aに倣いながら拡がる溶融樹脂が内壁8aに接触した際に冷却されて粘度が増加しないようにしている。
【0028】
ヒータ9および熱電対10は制御手段13に電気的に接続されており、制御手段13は、熱電対10で測定されたインナーディッケル部8の内壁8a近傍の温度が予め設定温度に到達するまでヒータ9に通電してインナーディッケル部8を加熱し、設定温度になると通電をやめて加熱を停止するオンオフ制御を行う。
【0029】
なお、図1においては、ヒータ9は各インナーディッケル部8内に一本ずつ内蔵された構成が一例として示されているが、これに限定されるものではなく、複数のヒータが内蔵されているものであってもよい。
【0030】
次に、本実施形態のインナーディッケルTダイ1による押出フィルムの形成工程および温度制御装置による温度制御に関して説明する。
【0031】
不図示の押出機により樹脂供給路3から供給された溶融樹脂は、まず、マニホールド部4へと流入する。マニホールド部4へと流入した溶融樹脂は、マニホールド部4にて溜まりながら幅方向に拡がる。リップ幅両端側まで拡がった溶融樹脂は、マニホールド部4を形成するインナーディッケル部8の内壁8aに倣いながらダイランド部5へと流入する。この際、インナーディッケル部8は、ヒータ9により加熱されているため、インナーディッケル部8の内壁8aに接触する溶融樹脂の温度を低下させてしまうことがなく、よって、内壁8aに接触しながらダイランド部5へと流入する溶融樹脂は、内壁8aに接触せずにダイランド部5へと流入する溶融樹脂と同程度の粘度でダイランド部5へと流入する。
【0032】
なお、ヒータ9の加熱によりインナーディッケル部8の温度が所定の温度に達すると、インナーディッケル部8の過熱を防止するためヒータ9による加熱を停止し、また、逆にインナーディッケル部8の温度が所定の温度より低くなると再びヒータ9に通電してインナーディッケル部8を加熱する温度制御が制御手段13により行われているので、溶融樹脂が焼き付きを起こす、あるいは粘度が低下しすぎるといったことはない。
【0033】
次いで、ダイランド部5に流入した溶融樹脂はさらにリップランド部6へと流入し、規定されたリップ幅の押出フィルムとしてリップランド出口7から吐出されることとなるが、溶融樹脂がリップ幅の全領域において同程度の粘度でリップランド部6へと流入するため、リップランド出口7からの溶融樹脂の吐出量はリップ幅の全領域で同じとなり、リップ幅の全領域において均一な厚さの押出フィルムが形成される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態のインナーディッケルTダイ1および温度調整装置によれば、インナーディッケル部8内に配置されたヒータ9によりインナーディッケル部8を所望の温度に保つことができるため、インナーディッケル部8の内壁8aに接触しながら吐出される溶融樹脂と、接触せずに吐出される溶融樹脂の粘度を同程度に保つことができる。これにより、本実施形態のインナーディッケルTダイ1は、リップ幅の全領域において均一な厚さの押出フィルムを形成することができる。
(第2の実施形態)
図4に本実施形態のインナーディッケルTダイにおけるインナーディッケル部近傍の一部拡大図および温度調整装置の構成図を示す。なお、以下の説明においては、第1の実施形態で説明したインナーディッケルTダイおよび温度調整装置の構成と同じ構成要素に関しては第1の実施形態で用いた符号により説明するものとする。
【0035】
本実施形態の温度調整装置は、インナーディッケル部8の温度を測定する熱電対10と、冷却風を供給する冷却風供給手段42と、ヒータ用孔9aに冷却風を供給する配管43と、配管43の途中に設けられた電磁弁41と、ヒータ9に対して冷却風を噴出するパイプ40とを有する。また、ヒータ9、熱電対10および電磁弁41は制御手段13に電気的に接続されている。
【0036】
本実施形態のインナーディッケルTダイ1のインナーディッケル部8には、ヒータ用孔9aの端部9bに接するように配置されたヒータ9の後方に上述したパイプ40が挿入されており、電磁弁41を設けた配管43を介して冷却風供給装置42に連通している。冷却風供給装置42としては、例えばエアコンプレッサが用いられる。
【0037】
次に、本実施形態の温度制御装置によるインナーディッケル部8の温度制御に関して説明する。
【0038】
ヒータ9の加熱によりインナーディッケル部8の温度が所定の温度に達すると、インナーディッケル部8の過熱を防止するため制御手段13は、ヒータ9への通電を停止することで加熱を停止するとともに電磁弁41を開く。電磁弁41が開くことで冷却風供給装置42より供給された冷却用空気がパイプ40から噴出され、ヒータ9が強制的に冷却される。パイプ40から噴出し、ヒータ9を冷却した冷却風は、ヒータ9近傍でよどむことなく、パイプ40とヒータ用孔9aとの隙間を通り、ヒータ用孔9a近傍のインナーディッケル部8を冷却しながら外部へと排出される。
【0039】
インナーディッケル部8の温度が所定の温度まで冷却されると制御手段13は電磁弁41を閉じて冷却風の供給を停止する。インナーディッケル部8の温度が所定の温度より低くなると、制御手段13は再びヒータ9に通電してインナーディッケル部8を加熱する。
【0040】
このように、本実施形態の温度制御装置は、インナーディッケル部8を強制的に冷却することで温度制御の応答性を高めているため、インナーディッケル部8の温度を精度よく所定の温度範囲内に保持することができる。
【0041】
なお、図4には、ヒータ用孔9aの径は、ヒータ9を配置する領域がヒータ9の外径に合わせた例が示されているが、これに限定されるものではない。例えば、ヒータ用孔9aの径は、ヒータ9を配置する領域においてはヒータ9が発生した熱を効率よくインナーディッケル部8に伝達するためにヒータ9の外径に合わせたものとし、パイプ40が挿入される領域においては、多量の冷却風を導入し、かつ、ヒータ9等から熱を奪い温度が上昇した空気を効率的に排出するため、ヒータ9の外径よりも大きい外径を有するパイプ40の挿入が可能で、かつ、パイプ40とヒータ用孔9aとの隙間が十分確保できるような径とするものであってもよい。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のインナーディッケルTダイ1および温度調整装置は、インナーディッケル部8内に配置されたヒータ9によりインナーディッケル部8を所望の温度に保つことができ、さらには、応答性の高い温度制御を行うことができるため、インナーディッケル部8の内壁8aに接触しながら吐出される溶融樹脂(図4矢印B)と、接触せずに吐出される溶融樹脂(図4矢印A)の粘度を同程度に保つことができる。これにより、本実施形態のインナーディッケルTダイ1も、第1の実施形態と同様に、リップ幅の全領域において均一な厚さの押出フィルムを形成することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インナーディッケル部がヒータにより加熱されるため、溶融樹脂がインナーディッケル部に接触した際に必要以上に冷却されることがない。このため、インナーディッケル部に接触していない溶融樹脂の粘度に対して、インナーディッケル部に接触している溶融樹脂の粘度が高くなりすぎることがなく、よって、幅方向に均一な厚みの樹脂シートを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるインナーディッケル式Tダイおよび温度調整装置を模式的に示した図である。
【図2】図1に示すインナーディッケル式Tダイを、図1中の矢印a方向にみた側面図である。
【図3】インナーディッケル部の内壁近傍を流れる溶融樹脂を模式的に示す、インナーディッケル式Tダイの一部拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるインナーディッケル式Tダイの一部拡大図である。
【図5】従来のインナーディッケル式Tダイの一例を模式的に示した正面図である。
【図6】インナーディッケル部の内壁近傍を流れる溶融樹脂を模式的に示す、従来のインナーディッケル式Tダイの一部拡大図である。
【符号の説明】
1 インナーディッケル式Tダイ
2 Tダイ本体
3 樹脂供給路
4 マニホールド部
5 ダイランド部
6 リップランド部
7 リップランド出口
8 インナーディッケル部
8a 内壁
9 ヒータ
9a ヒータ用孔
10 熱電対
11 送りネジ
12 ハンドル
13 制御手段
40 パイプ
41 電磁弁
42 冷却風供給装置

Claims (6)

  1. 押出機から供給される溶融樹脂を導入する樹脂供給路が形成されたTダイ本体と、溶融樹脂を吐出するリップランド部の幅を調整するために前記Tダイ本体内に摺動可能に対向して配置された一対のインナーディッケル部を有するインナーディッケル式Tダイにおいて、
    前記インナーディッケル部(8)にヒータ(9)を配置するためのヒータ用孔(9a)が形成されており、前記ヒータ用孔(9a)に前記ヒータ(9)が配置されていることを特徴とするインナーディッケル式Tダイ。
  2. 前記ヒータ用孔(9a)の端部(9b)が前記樹脂供給路(3)に連通するマニホールド部(4)に対応する位置にあり、前記ヒータ(9)が前記端部(9b)に接する位置に設けられている請求項1に記載のインナーディッケル式Tダイ。
  3. 前記ヒータ用孔(9a)が、前記ヒータ(9)および前記インナーディッケル部(8)を冷却するための冷却風を噴出するパイプ(40)を挿入可能で、かつ前記パイプ(40)から噴出された冷却風を排出可能な内径に形成されている請求項1または2に記載のインナーディッケル式Tダイ。
  4. 押出機から供給される溶融樹脂を導入する樹脂供給路が形成されたTダイ本体と、溶融樹脂を吐出するリップランド部の幅を調整するために前記Tダイ本体内に摺動可能に対向して配置された一対のインナーディッケル部を有するインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置であって、
    前記インナーディッケル部(8)の温度を測定する熱電対(10)と、
    前記熱電対(10)により測定された温度に基づき、インナーディッケル部(8)を加熱する前記ヒータ(9)をオンオフ制御する制御手段(13)とを有するインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置。
  5. 前記インナーディッケル部(8)に形成されたヒータ用孔(9a)内に配置された前記ヒータ(9)、および前記インナーディッケル部(8)を冷却するための冷却風を供給する冷却風供給手段(42)と、
    前記ヒータ用孔(9a)に冷却風供給手段(42)からの冷却風を供給する配管(43)と、
    前記配管(43)の途中に設けられ、前記熱電対(10)により測定された温度に基づき、前記制御手段(13)によって開閉制御される電磁弁(41)とを有する請求項4に記載のインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置。
  6. 前記配管(43)に接続され、前記ヒータ用孔(9a)に挿入されて冷却風を前記ヒータ(9)に対して噴出するパイプ(40)を有する請求項5に記載のインナーディッケル式Tダイ用の温度調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082166A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Hitachi Chemical Co Ltd 多層または単層ダイ用アウターディッケルの温度調整機能を備えたダイ及びダイへのアウターディッケルフレーム取付け機構

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