JP2004345008A - 研磨装置および研磨方法 - Google Patents

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Tomoaki Tajiri
知朗 田尻
Masamitsu Kitahashi
正光 北橋
Tadayuki Hanamoto
忠幸 花本
Hidetoshi Takeda
英俊 武田
Hiroshi Kadota
浩 門田
Hiroyuki Tokunaga
裕之 徳永
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Abstract

【課題】研磨クロスの粘弾性特性等を原因とする研磨中の研磨クロスの平坦度劣化を防止して、ウェーハの高平坦化を実現するバッチ式研磨装置およびその研磨方法を提供する。
【解決手段】研磨クロス14を上面に貼付した定盤12と、被研磨物36の一面を保持して、研磨クロス14に被研磨物36の他面を当接させる研磨ブロック18と、研磨ブロック18を研磨クロス14に対して加圧する加圧機構と、定盤12を回転させる回転機構とを備え、定盤12と研磨ブロック18との相対運動により研磨クロス14で被研磨物36を研磨するバッチ式研磨装置10において、研磨クロス14の表面の平坦度を監視するセンサ手段と研磨クロス14を加圧する加圧手段とを測定加圧機構20に備え、センサ手段により得られた情報に対応して加圧手段の加圧力を制御する制御機構を備える構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、半導体ウェーハや液晶基板等の製造に関し、特に半導体ウェーハや液晶基板等の平坦面を有する被研磨物の表面を研磨するための装置及び研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスを作製するための原料ウェーハとして用いられる鏡面ウェーハの一般的な製造方法について説明する。まず、チョクラルスキー法(CZ法)や浮遊帯域溶融法(FZ法)等により単結晶の半導体インゴットを成長させる。成長した半導体インゴットは外周形状が歪(いびつ)であるため、次に外形研削工程において半導体インゴットの外周を円筒研削盤等により研削し、半導体インゴットの外周形状を整える。これをスライス工程でワイヤソー等によりスライスして厚さ500〜1000μm程度の円板状のウェーハに加工した後、面取り工程でウェーハ周縁部の面取り加工を行う。
【0003】
その後、ラッピング工程により平坦化加工を行い、エッチング処理工程を経て、一次研磨、二次研磨した後、ウェーハ表面にエピタキシャル成長処理を施して鏡面ウェーハとする。
【0004】
このような工程を経て得られた鏡面ウェーハの表面に回路を形成させて半導体デバイスを作製するため、近年の高精度のデバイス作製では極めて高い平坦度が要求される。ウェーハの表面平坦度が低いと、フォトリソグラフィ工程における露光時にレンズ焦点が部分的に合わなくなるため、回路の微細パターン形成が難しくなるという問題が生ずる。
【0005】
また、前述の半導体ウェーハのみならず液晶基板等の平坦面を有する被研磨材においても表面を平坦にすることが求められている。
【0006】
このように極めて高い平坦度を有するウェーハを製造するために、ウェーハの研磨は非常に重要であるといえる。一般に、研磨を行う研磨装置として、バッチ式片面研磨装置が広く知られている。図8(a)はこの種のバッチ式片面研磨装置510の平面図であり、図8(b)はバッチ式片面研磨装置510におけるウェーハ36周辺の要部縦断面図である。
【0007】
図8(a)および図8(b)に示すように、このバッチ式片面研磨装置510は表面に研磨用の研磨クロス14が貼付された円板状の定盤12と、研磨すべき複数のウェーハ36の一面を保持して研磨クロス14にウェーハ36の他面を押し付ける研磨ブロック18を有し、ウェーハ36と研磨クロス14との間に研磨液を供給し、ウェーハ36と定盤12とを相対回転させることにより研磨を行う。
【0008】
しかし、研磨クロス14は弾性を有するため、ウェーハ36を研磨クロス14に押し付けながら研磨を行うと、ウェーハ36は研磨クロス14に僅かに沈み込むことになる。すると、図8(b)に示すように研磨クロス14からの弾性応力はウェーハ外周部36aに集中するため、ウェーハ中心部に比べて外周部でウェーハ36にかかる圧力が大きくなり、ウェーハ外周部36aが過剰に研磨される。
【0009】
そのため、この種のバッチ式片面研磨装置510により研磨されたウェーハ36は、ウェーハ外周部において面ダレが発生し、その部分のSFQR値(サブ平坦度)が悪くなる。
【0010】
一方、特開2000―202769号公報には、ウェーハの面ダレ防止を目的として、ウェーハ研磨加工前または研磨加工中断時において、ウェーハの研磨圧よりも高い面圧で研磨クロスを押圧し、研磨クロスにクリープ変形を起こさせ、クリープ変形が生じている間のみ研磨加工を行うバッチ式片面研磨装置が提案されている。また、特開平7―112360号公報には、邪魔板によりクロス形状を整えているものも提案されている。更に、特開平7―307317号公報や特開平9―193003号公報には、定盤の変形に合わせて研磨ブロックの変形を制御するものも提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000―202769号公報で提案されているバッチ式片面研磨装置は、「研磨中」のクロス形状については全く考慮していない。そのため、クロス粘弾性に起因するウェーハ面ダレの改善をすることができない。また、特開平7―112360号公報で提案されているバッチ式片面研磨装置では、邪魔板の高さは全周にわたって高精度を要するため、効果が安定しない。更に、特開平7―307317号公報及び特開平9―193003号公報で提案されているバッチ式片面研磨装置は、マクロ的なクロス形状と研磨ブロックの形状は管理されているが、クロスの粘弾性に起因するクロスの局所的な形状変化には対応できない。
【0012】
特に、従来の技術では研磨クロスの粘弾性の影響を全く考慮していない。しかし、研磨クロスの材料としては、不織布やウレタン等の発泡材が一般的に用いられており、これらは粘弾性を有する。
【0013】
研磨クロスが粘弾性を有することにより、図8(a)に示すようにウェーハ36により研磨クロス14を加圧した場合、加圧直後に研磨クロス14は圧縮されて薄くなり、その後も加圧しつづけると、時間の経過と共に徐々に薄くなっていく。従って、ウェーハ36による加圧力が同一でも、加圧時間が異なる個所では研磨クロス14の厚さが異なる。
【0014】
ウェーハ36の研磨は研磨ブロック18と定盤12とを相対回転させながら行うものであるが、研磨クロス14の半径方向の各個所で加圧時間が不均一になる。研磨クロス14の各個所で加圧時間が不均一になると前述の粘弾性の影響により、研磨クロス14の厚さも研磨クロス14の各個所で不均一になる。これにより、研磨クロス14の平坦度が悪化し、ウェーハ36の研磨精度が悪化する。
【0015】
また、研磨クロス14のロット間の特性にもバラツキがある。そのため、これによってもウェーハ36の研磨精度が悪化する。
【0016】
本出願に係る発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的とするところは、研磨クロスの粘弾性特性等を原因とする研磨中の研磨クロスの平坦度劣化を防止して、ウェーハの高平坦化を実現する研磨装置およびその研磨方法を提供することにある。
【0017】
また、本出願に係る発明の第2の目的は、前後工程の改善を最小限として、投資抑制とウェーハの高平坦化を同時に実現することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本出願に係る第1の発明は、研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨する研磨装置において、前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するセンサ手段を備えることを特徴とする研磨装置である。
【0019】
また、本出願に係る第2の発明は、研磨クロスを備えた定盤と、複数の被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記複数の被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記複数の被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、前記研磨クロスを加圧して前記研磨クロスの表面を平坦にするための加圧手段を備えることを特徴とするバッチ式研磨装置である。
【0020】
更に、本出願に係る第3の発明は、研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨する研磨装置において、前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するセンサ手段と、前記研磨クロスを加圧する加圧手段と、前記センサ手段により得られた情報に対応して、前記加圧手段の加圧力を制御する制御機構を備えることを特徴とする研磨装置である。
【0021】
また、本出願に係る第4の発明は、前記センサ手段は複数個備えられており、各センサ手段は、前記定盤の中心からの距離が互いに異なるように配置されていることを特徴とする上記第3の発明に記載の研磨装置である。
【0022】
更に、本出願に係る第5の発明は、前記センサ手段は接触式センサであることを特徴とする上記第3または第4の発明に記載の研磨装置である。
【0023】
また、本出願に係る第6の発明は、前記加圧手段は複数個備えられており、各加圧手段は、前記定盤の中心からの距離が互いに異なるように配置され、隣り合う前記各加圧手段の前記距離の差は、前記加圧手段の幅よりも小さいことを特徴とする上記第3〜5の発明の何れか1つに記載の研磨装置である。
【0024】
更に、本出願に係る第7の発明は、前記加圧手段はエアシリンダと加圧パッドを備えることを特徴とする上記第3〜6の発明の何れか1つに記載の研磨装置である。
【0025】
また、本出願に係る第8の発明は、被研磨物の一面を研磨ブロックの一面に貼り付けるステップと、前記研磨ブロックに貼り付けられた被研磨物の他面を、定盤に貼付された研磨クロスに相対運動させつつ押圧し研磨するステップと、を含む研磨方法において、前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するステップと、前記監視するステップにより得られた情報に対応した加圧力で、前記研磨クロスを加圧して前記研磨クロスの表面を平坦にするステップと、を含むことを特徴とする研磨方法である。
【0026】
更に、本出願に係る第9の発明は、半導体ウェーハの一面を研磨ブロックの一面に貼り付けるステップと、前記研磨ブロックに貼り付けられた前記半導体ウェーハの他面を、定盤に貼付された研磨クロスに相対運動させつつ押圧し研磨するステップと、を含む半導体ウェーハの研磨工程を含む半導体ウェーハ製造方法において、前記半導体ウェーハの研磨工程は、前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するステップと、前記監視するステップにより得られた情報に対応した加圧力で、前記研磨クロスを加圧して前記研磨クロスの表面を平坦にするステップと、を含むことを特徴とする半導体ウェーハ製造方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本出願に係る研磨装置について、図面に基づいて詳細に説明する。但し、以下の実施の形態に記載される構成部品の材質、寸法、形状、相対的位置などは特に限定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。また、以下の実施の形態において、具体例としてシリコンウェーハを研磨する場合について説明しているが、本願発明はこれのみに限定されるものではなく、各種半導体基板や液晶ガラス基板等の薄板状体に対しても適用することができることは言うまでもない。また、特にバッチ式片面研磨装置を例に説明しているが、ウェーハは必ずしも複数枚を同時に研磨する必要はなく、枚葉式の研磨装置においても適宜適用可能である。
【0028】
図1は本願発明のバッチ式片面研磨装置10の平面図であり、図2(a)は測定加圧機構20および研磨ブロック18の正面図、図2(b)は図1のA−A断面における矢視方向に見た縦断面図、図3は測定加圧機構20の内部構造を示したバッチ式片面研磨装置10の平面図、図4(a)はセンサ38の拡大側面図、図4(b)は加圧機40の拡大側面図である。なお、図3は、説明の便宜上、定盤12上に1個の研磨ブロック18および測定加圧機構20のみを示しているが、図1に示すように、定盤12の中心軸に対して120°おきに、更に同様な研磨ブロック18および測定加圧機構20が2個備わっている。
【0029】
はじめに図1及び図2を参照してバッチ式片面研磨装置10の全体の構成を説明する。
図1に示す符号12は定盤であり、反時計回りに回転可能としている。定盤12は円板形状であって、図2(a)に示すように水平に保持し、定盤12の上面に研磨クロス14を貼付している。研磨効率を高めるためには、研磨砥粒の分布を均一にすることが重要であるため、研磨クロス14の材質には気泡が均一に分散しているウレタン等の発泡材を用い、気泡を砥粒の保持サイトとして機能させている。なお、研磨クロス14の材料としては不織布などを用いることもできる。
【0030】
定盤12の下部には、円筒状の駆動軸27を垂直に連結し、駆動軸27は図示しない定盤回転モータの回転軸に連結している。定盤12は、この定盤回転モータを駆動することにより、駆動軸27を中心に水平面内で反時計回りに回転する。
【0031】
また、定盤12の中心部には貫通穴を設けており、その貫通穴と駆動軸27の中空部に円柱形状のスピンドル28を挿通している。駆動軸27の内径はスピンドル28の直径よりも大きく、スピンドル28は駆動軸27に対して回転可能に支持される。図1に示すように、定盤12の上面中央にはセンターローラ16を設けている。センターローラ16は円柱形状であり、その軸心は定盤12の回転中心軸と一致している。センターローラ16の下部には、図2(a)に示すようにスピンドル28を垂直に連結し、スピンドル28は図示しないセンターローラ回転モータの回転軸に連結している。センターローラ16は、このセンターローラ回転モータを駆動することにより、スピンドル28を中心に水平面内で時計回りに回転駆動可能となっている。
【0032】
定盤12の上方であって、センターローラ16の真上から僅かに外れた位置には研磨液供給ノズル30が設置されている。研磨液供給ノズル30は図示しないポンプを介して不図示の研磨液供給タンクに接続されている。研磨液供給タンク内には研磨用のスラリが貯蔵されている。スラリはポンプを介して研磨液供給ノズル30に送られ、研磨液供給ノズル30の先端から定盤12の上に供給される。
【0033】
研磨液供給タンク内に貯蔵されるスラリとしては、ラップスラリと呼ばれる、例えばアルミナ・ジルコニウム等の平均粒径11〜12μm程度の遊離砥粒と界面活性剤を含む水などの液体を混合した水溶性のスラリなどを用いることができる。遊離砥粒の原料としては他に、酸化アルミニウムや、炭化珪素など様々な材料を使用することができる。
【0034】
図1に示すように、定盤12の上には3つの研磨ブロック18を、センターローラ16を中心として120°間隔で配置している。研磨ブロック18はその外周面をセンターローラ16の外周面に接するように配置されており、研磨ブロック18はセンターローラ16によって駆動され、定盤12の上で自転する。
【0035】
研磨ブロック18の側面には、研磨ブロック18の外周に沿う形で、円弧状の測定加圧機構20が設置されている。図2(b)に示すように、測定加圧機構20は、水平方向と鉛直方向に所定の厚みを有しており、その内部には研磨クロス14の平坦度を測定するセンサ38と、研磨クロス14を加圧する加圧機40とを備える。なお、複数のセンサ38により研磨クロス14の全面にわたる平坦度を測定する平坦度測定機22を構成し、複数の加圧機40により研磨クロス14の全面を加圧するクロス加圧機構24を構成する。
【0036】
図1に示すように、研磨ブロック18の他側面には、ガイドローラ26が研磨ブロック18に接するように設けられている。ガイドローラ26はフレーム26aに取り付けられたローラ部26bが滑らかに回転可能となっている。ローラ部26bは研磨ブロック18の外周に接しており、研磨ブロック18の公転を防止すると共に滑らかな自転を可能とする。研磨ブロック18は定盤12の回転にかかわらず固定位置に留まり、研磨ブロック18の下面に貼り付けられたウェーハ36と定盤12の上面とが相対的に滑りあう。また、研磨ブロック18は固定位置に留まった状態で、センターローラ16により回転を与えられ、その場で自転する。
【0037】
図2(a)において、定盤12上方の符号34は図示しないフレームに固定されたシリンダであり、このシリンダ34は鉛直下向きにロッド34aを配置している。ロッド34aの下端には、円板形状の加圧盤32が、定盤12に対向して設けられている。ロッド34aは加圧盤32の円板の中心上に接続している。シリンダ34を駆動させ、ロッド34aを上下動させることにより、加圧盤32は鉛直方向に上下動する。また、加圧盤32は不図示のベアリング等を介してロッド34aに接続されており、ロッド34aに対して回転可能になっている。加圧盤32は所定の高重量を有しており、シリンダ34による加圧ではなく、自重により研磨ブロック18を定盤12に向けて加圧する。
【0038】
加圧盤32の下面には、研磨ブロック18の上面を装着している。研磨ブロック18の下面にはワックスを用いて1バッチ分の5枚のウェーハ36が貼り付けられている。図1に示すように各ウェーハ36は研磨ブロック18の中心から、約72°間隔で等間隔に割り出しして貼り付けられている。本実施の形態においては研磨ブロック18の下面にウェーハ36を5枚貼り付けているが、4枚以下若しくは6枚以上であってもよく、研磨ブロック18の中心にウェーハ36を配置してもよい。研磨ブロック18へのウェーハ36の貼り付けは、ワックス等の接着剤を用いずにワックスレスで行うこともできる。
【0039】
次に、図3および図4を参照して、研磨クロス14の平坦度を測定する平坦度測定機22と、研磨クロス14を加圧するクロス加圧機構24と、を備える測定加圧機構20について、より詳しく説明する。
【0040】
図3には、定盤12の軸心を中心とする同心円状の点線を等間隔に描いている。研磨クロス14の全表面を均等に計測するためには、各点線上にセンサ38を配置することが望ましい。そのため、本実施の形態では、この点線ごとにセンサ38を配置している。点線同士の間隔が狭い程、平坦度の測定精度は高くなり、点線同士の間隔が広い程、平坦度の測定精度は低くなる。
【0041】
測定加圧機構20は図3に示すように、研磨ブロック18の周縁の平坦度を測定し加圧するために、研磨ブロック18の外周に沿った円弧形状に設けている。そのため、測定加圧機構20内部に設けられた平坦度測定機22の9個のセンサ38も、円弧状に並べて配置される。したがって、点線ごとにセンサ38を配置すると、図3に示すように、定盤12の中心に向かうほど各センサ38間の距離は近くなり、定盤12の外周に向かうほど各センサ38間の距離は遠くなる。
【0042】
本実施の形態では、センサ38は図4(a)に示す接触式センサを用いている。センサ38はセンサ本体38aと、中程で折れ曲がった腕部38bと、円板形状の接触子38cを備える。腕部38bは一端をセンサ本体38aの下面に固定しており、他端を接触子38cに回転可能に接続している。
【0043】
接触子38cはその円周面を研磨クロス14の表面に接触させており、接触子38cは研磨クロス14の表面の凹凸に倣い、上下動するようになっている。この接触子38cの上下動により、腕部38bの屈折部の角度が変化し、この変化量をセンサ本体38aが測定することにより、研磨クロス14の表面の凹凸を計測する。
【0044】
本実施の形態では円板形状の接触子38cを用いたが、球形の接触子38cを用いても良い。また、腕部38bの屈折部の角度変化により研磨クロス14の表面の凹凸を計測しているが、腕部38bの屈折部を固定すると共に、腕部38bの一端をセンサ本体38aの下面に上下動可能に接続して、腕部38bの上下動を計測することにより研磨クロス14の表面の凹凸を計測しても良い。更に、本実施の形態では接触式センサを用いたが、レーザ式センサや渦電流式センサ等の非接触式センサにより、研磨クロス14の表面の平坦度を計測しても良い。レーザ式センサを用いる場合には、研磨クロス14の表面に砥粒があると精度良く平坦度を計測できないので、研磨クロス14の表面にエアを吹き付け、レーザ照射部の砥粒を除去することにより測定バラツキをなくすことができる。
【0045】
平坦度測定機22のセンサ38により測定された研磨クロス14の表面の凹凸情報は、制御部42に送られる。この制御部42は、装置内に設けたものであっても、装置とは別に設けた例えばパーソナルコンピュータ等のコントロール装置であっても良い。また、制御部42をディスプレイに接続することにより、研磨クロス14の表面の凹凸情報をグラフィカルに若しくは数値的にディスプレイに表示して、作業者がディスプレイの表示を確認しながら作業を行えるようにしても良く、プログラム等により自動で制御しても良い。
【0046】
一方、クロス加圧機構24も図3に示すように研磨ブロック18の外周に沿って、円弧状に9個の加圧機40を備える。研磨クロス14の全表面を均等に加圧するためには、図3に示す点線ごとに加圧機40を配置することが望ましい。そのため、本実施の形態では、この点線ごとに加圧機40を配置している。
【0047】
上述の通り、測定加圧機構20は、研磨ブロック18の外周に沿った円弧形状に設けている。そのため、測定加圧機構20内部に設けられたクロス加圧機構24の9個の加圧機40も、円弧状に並べて配置される。したがって、点線ごとに加圧機40を配置すると、図3に示すように、定盤12の中心に向かうほど各加圧機40間の距離は近くなり、定盤12の外周に向かうほど各加圧機40間の距離は遠くなる。
【0048】
また、隣り合う各加圧機40は、測定加圧機構20の形状に沿って、蛇行するように配置されている。より具体的には、定盤12の円周方向に対して互いに僅かに重なり合うように配置されている。これは、各加圧機40が、定盤12の円周方向に対して互いに僅かに重なり合うように配置されていない場合には、各加圧機40間に隙間ができ、回転する研磨クロス14の全表面を加圧することができないためである。各加圧機40を蛇行配置すると、隣り合う各加圧機40において、定盤12の中心からの距離の差は、加圧機40の幅よりも小さくなる。
【0049】
図4(b)に示すように、加圧機40は図示しないフレームに固定されたエアシリンダ40aを備え、このエアシリンダ40aは鉛直下向きにロッド40bを配置している。ロッド40bの下端には、円板形状の加圧パッド40cが設けられており、ロッド40bの上下動により、加圧パッド40cは鉛直方向に上下動する。そして、この加圧パッド40cの上下動により研磨クロス14を押圧する。
また、各加圧機40は制御部42に接続されており、制御部42からの信号により、それぞれ独立して加圧力を制御できるようになっている。
【0050】
図1に示すように、研磨ブロック18の側面には、ガイドローラ26が研磨ブロック18と接するように設けられている。ガイドローラ26は、研磨ブロック18に対して、測定加圧機構20と反対側に配置されている。
【0051】
ガイドローラ26は、フレーム26aとローラ部26bを備える。ローラ部26bはフレーム26aとベアリング等により接続されており、フレーム26aに対して滑らかに回転可能に支持されている。ローラ部26bの外周は研磨ブロック18の外周と接するように設けられており、研磨ブロック18がセンターローラ16の周りを公転するのを防ぐと共に、滑らかな自転を可能としている。
【0052】
次に、上記した構成を有するバッチ式片面研磨装置10によって、ウェーハ36を研磨する方法について図1〜図4を用いて以下に説明する。
研磨ブロック18の下面に、ワックスを用いて1バッチ分の5枚のウェーハ36を貼り付ける。下面にウェーハ36の貼り付けられた研磨ブロック18を、図1に示すように定盤12上に載置する。
【0053】
次に、図2(b)に示すように、ロッド34aを下降させ加圧盤32を下方へ移動させる。加圧盤32の下面が研磨ブロック18の上面に載ると、加圧盤32の自重により、研磨ブロック18の下面に貼り付けられた複数のウェーハ36は一括して研磨クロス14に押圧される。
【0054】
定盤回転用モータを駆動させることにより、定盤12を反時計回りに回転させる。更に、図1に示す研磨液供給ノズル30により研磨液を研磨クロス14の表面に供給する。
【0055】
このように研磨液を供給しつつ定盤12を反時計回りに回転させると、ウェーハ36と研磨クロス14との間の摩擦力により、研磨ブロック18に回転駆動力が与えられる。この研磨ブロック18に対する回転駆動力は、定盤12の反時計回りの回転に従って、センターローラ16を中心に反時計回りに公転する方向に与えられる。この回転駆動力は、センターローラ16とガイドローラ26により抑止され、研磨ブロック18は、公転方向への運動が阻止される。
【0056】
この状態では、定盤12の中心側よりも定盤12の外周側において、定盤12と研磨ブロック18との相対速度が大きい。そのため、研磨ブロック18は、定盤12の中心側よりも定盤12の外周側において大きな摩擦力を受ける。このように研磨ブロック18は定盤12の外周位置において、より大きな摩擦力を受けるため、研磨ブロック18はその場で反時計回りに自転する。
【0057】
また、センターローラ16を時計回りに強制回転させることにより、センターローラ16に外周を接する研磨ブロック18は、その場で反時計回りに自転する方向に回転駆動力が与えられる。
上述のように、研磨ブロック18と定盤12が相対回転することにより、研磨クロス14に押圧されたウェーハ36は被研磨面が研磨される。
【0058】
一方、センサ38は、図4(a)に示すように、接触子38cを研磨クロス14の表面に載置した状態にしている。研磨クロス14の表面は、研磨クロス14の粘弾性の影響やその他の原因により、一部が凹または凸となっている場合がある。この状態で定盤12を回転させると、接触子38cは研磨クロス14の表面を転がり、研磨クロス14の表面の凹凸に倣って上下動する。接触子38cは定盤12の径方向にわたって配置されているため、各接触子38cの変位量をセンサ本体38aが測定することにより、回転する研磨クロス14の表面全域の凹凸を計測することができる。
【0059】
センサ38により測定された研磨クロス14の表面の凹凸情報は、制御部42に送られる。制御部42は、センサ38から送られた研磨クロス14の表面の凹凸情報に応じて、クロス加圧機構24に含まれる加圧機40を制御する。制御部42は、例えば以下のように加圧機40を制御する。
【0060】
一例として、研磨クロス14の表面の最外周が凸となる場合について説明する。図1に示すように、研磨クロス14はその最外周においてもウェーハ36に押圧されている。しかし、他の部分に比べてウェーハ36との接触時間が短いため、前述の研磨クロス14の粘弾性等の影響により、研磨クロス14の最外周が中心付近に比べて凸となる場合がある。
【0061】
この状態では、定盤12の最外周に配置されたセンサ38の接触子38cは、他の位置に配置されたセンサ38の接触子38cよりも高い位置にある。この情報、すなわち、研磨クロス14の凸量の情報をセンサ38から制御部42に送る。図4(b)に示す制御部42はこの情報に基づき、最外周に配置された加圧機40のエアシリンダ40aを駆動し、凸量に応じた圧力で加圧パッド40cを下方向に付勢するように制御する。
【0062】
すると、定盤12の最外周に配置された加圧パッド40cは、研磨クロス14の最外周を押圧するため、研磨クロス14の最外周は他の部分と同程度まで圧縮され、研磨クロス14の表面全体が平坦になる。
【0063】
なお、前述の制御例では、研磨クロス14の最外周が凸となる場合について説明した。しかし、研磨クロス14の最内周も他の部分に比しウェーハ36との接触時間が短いため、粘弾性等の影響により研磨クロス14の最内周が凸となる場合がある。この場合には同様に最内周の加圧機40の加圧力を適切な圧力に制御し、研磨クロス14の表面全体を平坦にすることができる。
【0064】
また、研磨クロス14の最外周や最内周以外の部分が凸となった場合や、研磨クロス14が径方向にわたってウネリを有している場合であっても、平坦度測定機22により測定し、その位置に応じた加圧機40を制御することにより、容易に研磨クロス14の表面全体を平坦にすることができる。
【0065】
また、定盤回転モータを制御部42に接続し、定盤12の回転速度情報を制御部42に送ることにより、以下のように制御することもできる。一例として、研磨クロス14の表面が周方向にウネリを有する場合について説明する。
【0066】
この状態では、図2(b)および図4(a)に示すように、各センサ38の接触子38cは、定盤12の回転と共に上下に動くことになる。この情報、すなわち、定盤12の回転に伴う接触子38cの上下動情報をセンサ38から制御部42に送る。また、制御部42は定盤回転モータから定盤12の回転速度情報を受取る。この2つ情報に基づき、制御部42は適宜、加圧機40のエアシリンダ40aを駆動し、凸量に応じた圧力で加圧パッド40cを下方向に付勢するように制御する。すると、加圧パッド40cは、研磨クロス14の凸部を適切な圧力で押圧するため、研磨クロス14の凸部は他の部分と同程度まで圧縮され、研磨クロス14の表面が平坦になる。
【0067】
より具体的には、定盤12の回転に伴う接触子38cの上下動情報と、定盤12の回転速度情報とがある場合には、例えば以下のようにクロス加圧機構24を制御することができる。
【0068】
例えば定盤12の回転速度が10rpmであり、所定時間における接触子38cの上方向への変化量、すなわち凸量が制御部42に送られた場合には、凸部が検出された時刻の約6秒後に研磨クロス14の表面の凸量に応じた圧力で加圧パッド40cを下方向に付勢するように制御する。また、定盤12の回転速度が20rpmの場合には、凸部が検出された時刻の約3秒後に研磨クロス14の表面の凸量に応じた圧力で加圧パッド40cを下方向に付勢するように制御する。このように制御することにより、研磨クロス14の表面の一部が凸部である場合に、その凸部が1周して測定加圧機構20の位置に戻ってきたときに、その凸部を加圧することができる。これにより、研磨クロス14の表面を平坦にすることができる。
【0069】
また、制御部42やエアシリンダ40aの反応速度が速い場合には、センサ38により検出された凸部が、接触子38cの位置から加圧パッド40cの位置へ移動する僅かな時間後に、凸部を加圧機40により押圧するように制御しても良い。このように制御することにより、研磨クロス14の表面の一部が凸部である場合に、その凸部をリアルタイムに加圧することができ、研磨クロス14の表面をより高度に平坦化することができる。
【0070】
その他、研磨クロス14の表面の一部が凹となっている場合には、他の部分を押圧することにより、研磨クロス14の表面を平坦にすることができる。
【0071】
研磨終了後、研磨ヘッドから研磨ブロック18を取外す。取外された研磨ブロック18の下面からウェーハ36を引き剥がし、ウェーハ36の裏面に付着したワックスを取り除く。
【0072】
以上のように測定加圧機構20を制御することにより、研磨クロス14の表面全体をほぼ均一に平坦に保つことができる。そして研磨クロス14の表面を平坦に保つことより、研磨されたウェーハ36の平坦度を向上させることができる。
【0073】
なお、上記実施の形態においては、平坦度測定機22とクロス加圧機構24を備える円弧状の測定加圧機構20を設けた。しかし、図5に示すバッチ式片面研磨装置110のように、矩形状の測定加圧機構120を設けても良い。図5は測定加圧機構120を設けたバッチ式片面研磨装置110の平面図である。
【0074】
また、研磨クロス14の粘弾性特性を原因とする研磨中の研磨クロス14の平坦度劣化を防止して、ウェーハ36の高平坦化を実現するという目的からは、測定加圧機構20に代えて図6(a)に示すバッチ式片面研磨装置210のように、断面扇形のクロス加圧機構224のみを設けても良い。図6(a)はクロス加圧機構224を設けたバッチ式片面研磨装置210の平面図である。研磨ブロック18が配置されない隙間の部分にクロス加圧機構224を設け、ウェーハ36により研磨クロス14へ加えられる圧力と同等の圧力を加えている。
【0075】
従来の研磨装置によれば、ウェーハ36による研磨クロス14の加圧時間が研磨クロス14の各個所で不均一になるため、研磨クロス14の厚さも研磨クロス14の各個所で不均一になる。特に、前述のように研磨クロス14はその外周近傍において、ウェーハ36との接触時間が短い。そのため、前述の研磨クロス14の粘弾性等の影響により、研磨クロス14の外周近傍が凸となっていた。
【0076】
本例のクロス加圧機構224は、図6(a)に示すように、研磨クロス14の外周近傍に位置するため、研磨クロス14の外周近傍を押圧し平坦にすることができる。特に、クロス加圧機構224は扇形状に形成しているため、定盤12上の研磨ブロック18の存在しない隙間に配置することができる。そのため、クロス加圧機構用に特別のスペースを確保する必要がなくなり、バッチ式片面研磨装置により多くの研磨ブロック18を装填することができる。
【0077】
本例によれば、研磨クロス14の上面が常時ほぼ均一に加圧された状態を保つことができるため、研磨クロス14の局部磨耗や粘弾性特性等を原因とする研磨中の研磨クロス14の平坦度劣化を防止することができる。
【0078】
また、扇形状のクロス加圧機構224に代えて、図6(b)に示すバッチ式片面研磨装置310のように、断面円形のクロス加圧機構324を設けても良い。図6(b)はクロス加圧機構324を設けたバッチ式片面研磨装置310の平面図である。このように構成しても、前述の研磨クロス14の粘弾性特性等を原因とする研磨中の研磨クロス14の平坦度劣化を防止することができる。
【0079】
更に、断面扇形のクロス加圧機構224に代えて、図7(a)および図7(b)に示すように、ガイドローラ26に断面小円形の加圧機440を設けても良い。図7(a)はガイドローラ26に加圧機440を設けたバッチ式片面研磨装置410の平面図であり、図7(b)はバッチ式片面研磨装置410に設けられたガイドローラ26の近傍の要部拡大側面図である。このように構成することにより、容易に本願発明を適用することができる。
【0080】
図7(a)に示すバッチ式片面研磨装置410では、図7(b)に示すようにガイドローラ26のフレーム26aに加圧機440を設けるため、加圧機440の支持機構を別途設ける必要が無く、従来のバッチ式片面研磨装置に対して僅かな改造で本願発明を適用することができる。
【0081】
なお、この加圧機440はフレーム26aにエアシリンダ440aを固定している。また、エアシリンダ440aは鉛直下向きにロッド440bを配置している。このロッド440bの下端には、円板形状の加圧パッド440cが設けられており、ロッド440bの上下動により、加圧パッド440cは鉛直方向に上下動する。そして、この加圧パッド440cの上下動により研磨クロス14を押圧するようになっている。また、このように構成することにより、前述の研磨クロス14の粘弾性特性等を原因とする研磨中の研磨クロス14の平坦度劣化を、同様に防止することができる。
【0082】
上記実施の形態においては、ウェーハ36の片べりなどを防止するために、研磨ブロック18と定盤12の双方を回転させてウェーハ36を研磨する構成としているが、定盤12のみを回転させて研磨する構成とすることもできる。
【0083】
また、上記実施の形態においては、ウェーハ36の貼り付けられた研磨ブロック18と加圧盤32とは、完全には固定されていない。しかし、ウェーハ36の貼り付けられた研磨ブロック18の上面を、加圧盤32の下面に装着し、完全に固定しても良い。
【0084】
更に、ウェーハ36の材質及び大きさに関しては、本願発明を実施するにあたり何ら制限は無く、現在製造されている口径のシリコン、GaAs、GaP、InP等の半導体ウェーハは勿論のこと、将来製造可能となる非常に大きなウェーハに対しても本願発明を適用することができる。
【0085】
このように本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、測定加圧機構の形状や構成、ウェーハの研磨方法、被研磨物などに関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0086】
次に本件発明の前記実施の形態から把握できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに記載する。
【0087】
研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するセンサ手段と、前記研磨クロスを加圧する加圧手段と、前記センサ手段により得られた情報に対応して、前記加圧手段の加圧力を制御する制御機構と、を備え、前記研磨ブロックの側面に前記研磨ブロックの外周に沿って円弧状に前記センサ手段と前記加圧手段が配置されていることを特徴とするバッチ式研磨装置である。
【0088】
このように、研磨ブロックの外周に沿って円弧状にセンサ手段を配置することにより、ウェーハに最も近い位置の研磨クロス表面の平坦度を監視することができる。また、研磨ブロックの外周に沿って円弧状に加圧手段を配置することにより、ウェーハに最も近い位置の研磨クロスの表面を加圧し、平坦にすることができる。
【0089】
研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる複数の研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、前記研磨クロスを加圧する断面矩形の測定加圧機構が設けられていることを特徴とするバッチ式研磨装置である。
【0090】
このように簡易な構成としても、研磨クロスの粘弾性特性を原因とする研磨中の研磨クロスの平坦度劣化を防止することができる。
【0091】
研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる複数の研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、前記複数の研磨ブロック間の隙間に、前記研磨クロスを加圧する断面扇形の加圧手段が配置されていることを特徴とするバッチ式研磨装置である。
【0092】
このように簡易な構成としても、前述の研磨クロスの粘弾性特性を原因とする研磨中の研磨クロスの平坦度劣化を防止することができる。また、クロス加圧機構は断面扇形であるため、定盤上の研磨ブロックの存在しない隙間に配置することができる。そのため、クロス加圧機構用に特別のスペースを確保する必要がなくなり、バッチ式片面研磨装置に従来と同じ数の研磨ブロックを装填することができる。
【0093】
研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる複数の研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、前記複数の研磨ブロック間の隙間に、前記研磨クロスを加圧する断面円形の加圧手段が配置されていることを特徴とするバッチ式研磨装置である。
【0094】
このように簡易な構成としても、前述の研磨クロスの粘弾性特性を原因とする研磨中の研磨クロスの平坦度劣化を防止することができる。また、クロス加圧機構は断面円形であるため、その大きさを調整することにより、定盤上の研磨ブロックの存在しない隙間に配置することができる。そのため、クロス加圧機構用に特別のスペースを確保する必要がなくなり、バッチ式片面研磨装置に従来と同じ数の研磨ブロックを装填することができる。
【0095】
研磨クロスを備えた定盤と、被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる複数の研磨ブロックと、前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、前記定盤を回転させる回転機構と、前記研磨ブロックの外周面に接するセンターローラと、前記研磨ブロックの外周面に接するガイドローラと、を備え、前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、前記ガイドローラに前記研磨クロスを加圧する加圧手段が設けられていることを特徴とするバッチ式研磨装置である。
【0096】
このようにガイドローラに研磨クロスを加圧する加圧手段を設けるため、加圧手段の支持機構を設ける必要が無く、従来のバッチ式片面研磨装置に対して僅かな改造で本願発明を適用することができる。また、前述の研磨クロスの粘弾性特性を原因とする研磨中の研磨クロスの平坦度劣化を防止することができる。更に、クロス加圧機構用に特別のスペースを確保する必要がなくなり、バッチ式片面研磨装置に従来と同じ数の研磨ブロックを装填することができる。
【0097】
【発明の効果】
本願発明のバッチ式片面研磨装置によれば、研磨クロスの粘弾性特性を原因とする研磨中の研磨クロス平坦度劣化を防止して、ウェーハの高平坦化を実現することができる。
【0098】
また、本願発明のバッチ式片面研磨装置によれば、前後工程の改善を最小限として、投資抑制とウェーハの高平坦化を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のバッチ式片面研磨装置の平面図である。
【図2】図2(a)は測定加圧機構および研磨ブロックの正面図であり、図2(b)は図1のA−A断面における矢視方向に見た縦断面図である。
【図3】測定加圧機構の内部構造を示した平面図である。
【図4】図4(a)はセンサの拡大側面図であり、図4(b)は加圧機の拡大側面図である。
【図5】測定加圧機構を設けたバッチ式片面研磨装置の平面図である。
【図6】図6(a)はクロス加圧機構を設けたバッチ式片面研磨装置の平面図であり、図6(b)はクロス加圧機構を設けたバッチ式片面研磨装置の平面図である。
【図7】図7(a)はガイドローラに加圧機を設けたバッチ式片面研磨装置の平面図であり、図7(b)はバッチ式片面研磨装置に設けられたガイドローラの近傍の要部拡大側面図である。
【図8】従来技術のバッチ式片面研磨装置の一例を示した概略図である。図8(a)は従来技術のバッチ式片面研磨装置の平面図であり、図8(b)は従来技術のバッチ式片面研磨装置におけるウェーハ36周辺の要部縦断面図である。
【符号の説明】
10…バッチ式片面研磨装置
12…定盤
14…研磨クロス
16…センターローラ
18…研磨ブロック
20…測定加圧機構
22…平坦度測定機
24…クロス加圧機構
26…ガイドローラ 26a…フレーム 26b…ローラ部
27…駆動軸
28…スピンドル
30…研磨液供給ノズル
32…加圧盤
34…シリンダ 34a…ロッド
36…ウェーハ 36a…ウェーハ外周部
38…センサ 38a…センサ本体 38b…腕部 38c…接触子
40…加圧機 40a…エアシリンダ
40b…ロッド 40c…加圧パッド
42…制御部
110…バッチ式片面研磨装置
120…測定加圧機構
210…バッチ式片面研磨装置
224…クロス加圧機構
310…バッチ式片面研磨装置
324…クロス加圧機構
410…バッチ式片面研磨装置
440…加圧機 440a…エアシリンダ
440b…ロッド 440c…加圧パッド
510…バッチ式片面研磨装置。

Claims (9)

  1. 研磨クロスを備えた定盤と、
    被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、
    前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、
    前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、
    前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨する研磨装置において、
    前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するセンサ手段を備えることを特徴とする研磨装置。
  2. 研磨クロスを備えた定盤と、
    複数の被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記複数の被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、
    前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、
    前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、
    前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記複数の被研磨物を研磨するバッチ式研磨装置において、
    前記研磨クロスを加圧して前記研磨クロスの表面を平坦にするための加圧手段を備えることを特徴とするバッチ式研磨装置。
  3. 研磨クロスを備えた定盤と、
    被研磨物の一面を保持して、前記研磨クロスに前記被研磨物の他面を当接させる研磨ブロックと、
    前記研磨ブロックを前記研磨クロスに対して加圧する加圧機構と、
    前記定盤を回転させる回転機構と、を備え、
    前記定盤と前記研磨ブロックとの相対運動により前記研磨クロスで前記被研磨物を研磨する研磨装置において、
    前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するセンサ手段と、
    前記研磨クロスを加圧する加圧手段と、
    前記センサ手段により得られた情報に対応して、前記加圧手段の加圧力を制御する制御機構を備えることを特徴とする研磨装置。
  4. 前記センサ手段は複数個備えられており、
    各センサ手段は、前記定盤の中心からの距離が互いに異なるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。
  5. 前記センサ手段は接触式センサであることを特徴とする請求項3または4に記載の研磨装置。
  6. 前記加圧手段は複数個備えられており、
    各加圧手段は、前記定盤の中心からの距離が互いに異なるように配置され、隣り合う前記各加圧手段の前記距離の差は、前記加圧手段の幅よりも小さいことを特徴とする請求項3〜5の何れか1つに記載の研磨装置。
  7. 前記加圧手段はエアシリンダと加圧パッドを備えることを特徴とする請求項3〜6の何れか1つに記載の研磨装置。
  8. 被研磨物の一面を研磨ブロックの一面に貼り付けるステップと、
    前記研磨ブロックに貼り付けられた被研磨物の他面を、定盤に貼付された研磨クロスに相対運動させつつ押圧し研磨するステップと、
    を含む研磨方法において、
    前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するステップと、
    前記監視するステップにより得られた情報に対応した加圧力で、前記研磨クロスを加圧して前記研磨クロスの表面を平坦にするステップと、
    を含むことを特徴とする研磨方法。
  9. 半導体ウェーハの一面を研磨ブロックの一面に貼り付けるステップと、
    前記研磨ブロックに貼り付けられた前記半導体ウェーハの他面を、定盤に貼付された研磨クロスに相対運動させつつ押圧し研磨するステップと、
    を含む半導体ウェーハの研磨工程を含む半導体ウェーハ製造方法において、前記半導体ウェーハの研磨工程は、
    前記研磨クロスの表面の平坦度を監視するステップと、
    前記監視するステップにより得られた情報に対応した加圧力で、前記研磨クロスを加圧して前記研磨クロスの表面を平坦にするステップと、
    を含むことを特徴とする半導体ウェーハ製造方法。
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