JP2004344929A - 鍛造成形装置 - Google Patents

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JP2004344929A JP2003144897A JP2003144897A JP2004344929A JP 2004344929 A JP2004344929 A JP 2004344929A JP 2003144897 A JP2003144897 A JP 2003144897A JP 2003144897 A JP2003144897 A JP 2003144897A JP 2004344929 A JP2004344929 A JP 2004344929A
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Yoichi Uehara
洋一 上原
Takashi Kihara
貴司 木原
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】鍛造成形されたワークを簡便に金型部より取り出すことができ、かつ後加工をなくしてワークの製造工程を短縮してコストの低減を図る。
【解決手段】鍛造成形装置10は、電流によって駆動する駆動部14と、前記駆動部14に連結されて一体的に変位する上型部91と、前記上型部91と対峙する位置に配設され、基台22に固定されるボディ部12に装着される下型部89と、前記下型部89の外周面に当接するとともに、ボディ部12に連結された複数のガイドピン108のガイド作用下に軸線方向に沿って変位自在に設けられるアウターリング98と、鍛造成形されたワーク16を上型部91が上方に変位する際に保持する第1押出しピン118と、前記ワーク16を上方に取り出す第2押出しピン120とを備える。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍛造成形装置に関し、一層詳細には鍛造成形によって形成されるワークに抜き勾配を設けることなく前記ワークを取り出すことが可能な鍛造成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鍛造加工においてキャビティにワークとなる鍛造用素材を装填し、プレス機等を介して前記鍛造用素材に加圧力を付与することにより、前記鍛造用素材を所定形状のワークに鍛造成形する鍛造成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この鍛造成形装置に採用される金型は、所望するワークの形状に対応した上下方向に分割可能な上型と下型とからなり、前記下型の上面にワークとなる前記鍛造用素材を載置し、プレス機等による加圧作用下に上型を鍛造用素材の上面に押圧する。そして、前記鍛造用素材が上型と下型とからなる金型の内壁面形状に沿った形状に流動して塑性変形し、ワークが所望の形状に成形される。なお、ワークはプレス機等の強大な加圧力によって成形されるため、成形時において金型の内壁面にはワークの接触面より強大な押圧力が付与された状態となる。
【0004】
また、成形されたワークを前記金型から取り出す際、成形時に金型の内壁面とワークとの間に生じる摩擦力によって、前記ワークを金型から離間させて取り出すことが困難なものとなっている。そのため、一般的にプレス機等の加圧方向と略平行な金型の内壁面には、成形されたワークが押し出される方向(抜き方向)に向かって拡径するように所定角度傾斜した抜き勾配が設けられている。前記抜き勾配を設けることにより鍛造成形されたワークにも同様の抜け勾配が成形されるため、前記ワークが成形された後に該ワークを金型の拡径した方向に押圧することにより前記ワークを金型の内部から簡便に取り出すことができる。すなわち、鍛造成形された前記ワークは所望の形状より抜き勾配の分だけ予め大きく成形されるとともに、ワークの基となる鍛造用素材も予め大きめに設定されている。
【0005】
そして、前記ワークの軸線方向に沿った内壁面に設けられる抜き勾配は、ワークを金型から取り出すことのみを目的として設けられているため、ワークの本来の形状としては不要となる。そのため、成形されたワークを金型から取り出した後に後加工(例えば、研削加工)によって前記抜き勾配を軸線方向に沿って、例えば、一直線状に加工してワークの本来の形状となるようにしている。
【0006】
また、前記ワークに対して前記後加工を行う際には、抜き勾配の近傍に後加工を行う際の加工用の取り代が必要となる。そのため、ワークは前記後加工用の取り代を含めた大きさに予め成形される。
【0007】
【特許文献1】
特開昭60−115342号公報(第2頁左上欄〜左下欄)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術に係る鍛造成形装置においては、前記のように、成形されたワークを金型より取り出すことを考慮して予め抜き勾配が設けられており、前記ワークを所望の形状とするために別個に後加工を施している。そのため、ワークの製造工程が増大するとともに、それに伴ってコストが増大するという不具合がある。
【0009】
また、前記ワークの抜き勾配およびその近傍の加工の取り代が余分に必要となるため、鍛造成形を行う際の鍛造用素材の使用量が本来のワークの形状に対して増大し、それに伴ってコストが上昇するという不具合がある。
【0010】
また、前記金型の内壁面に抜き勾配を設けずにストレート面として鍛造成形を行った場合、金型の内壁面と鍛造成形されたワークとの間に生じる摩擦力によって前記ワークを金型から取り出すことができないおそれがある。
【0011】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、ワークの内壁面に抜き勾配を設けることなく、簡便に金型からワークを取り出すことが可能な鍛造成形装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、キャビティに装填された鍛造用素材に対して加圧力を付与することにより、ワークを成形する鍛造成形装置において、
駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する第1金型部と、
ボディの前記第1金型部に対峙する位置に配設される第2金型部と、
前記第1金型部と第2金型部との間に軸線方向に変位自在に設けられ、第1金型部側および第2金型部側に軸線方向と平行な内壁面を有する変位部材と、
を備え、
前記変位部材が、前記第1金型部および第2金型部とは別個に設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、駆動部の駆動作用下に変位する第1金型部と、第1金型部に対峙する第2金型部と、前記第1金型部側および第2金型部側に軸線と平行な内壁面を有し、軸線方向に変位自在な変位部材を第1金型部および第2金型部とは別個に設け、鍛造成形時においてワークの流動した肉が変位部材に当接することにより前記変位部材が軸線方向に沿って変位する。従って、前記変位部材が鍛造成形時において流動するワークの肉と一体的に軸線方向に沿って変位するため、変位部材の内壁面とワークの流動した肉との間に生じる摩擦力を軽減することができる。その結果、鍛造成形完了後に第1および第2金型部、変位部材によって閉塞されたキャビティの内部よりワークを簡便に取り出すことができる。
【0014】
また、前記変位部材を前記ボディに連結されたガイドピンによって軸支し、前記ガイドピンのガイド作用下に軸線方向に沿って変位させることにより、変位部材を軸線方向に沿って高精度に変位させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る鍛造成形装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0016】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置を示す。
【0017】
鍛造成形装置10は、ボディ部12と、前記ボディ部12の一部を軸線方向に駆動させる駆動部14と、鍛造成形されるワーク16が内部に載置される金型部18と、前記ボディ部12の軸線方向に沿って上下に設けられるワーク押出し機構20とを備える。
【0018】
ボディ部12は、基台22の凹部24aに装着されるプレート状の第1基部26と、前記第1基部26の上部に配設される断面略T字状の第2基部28と、前記第2基部28を前記基台22に一体的に固定する第1および第2固定部材30、32とからなる。
【0019】
前記第1基部26の略中央部には第1貫通孔34が形成され、その内部には下方より第1シャフト36が挿通自在に設けられている。また、第2基部28の略中央部には前記第1貫通孔34より若干縮径した第2貫通孔38が形成され、その内部には長尺のガイドシャフト40が上方に向かって一体的に係合されている。前記ガイドシャフト40の下端面は第2基部28の下面と略同一平面となるように設けられ、ガイドシャフト40は第1基部26の上面と第2基部28との間に係合されているため、固定された状態となっている。
【0020】
また、第2基部28の内部には、前記第2貫通孔38から半径外方向に所定間隔離間して第1挿通孔42が形成され、前記第1挿通孔42は第2貫通孔38を中心として周方向に所定間隔離間して複数形成されている。前記第1挿通孔42は前記第1貫通孔34と連通している。
【0021】
さらに、第2基部28の上面の略中央部には、所定深さだけ窪んだ装着穴44が形成され、その内部には前記金型部18の一部が装着される。前記装着穴44より半径外方向に離間した位置には、第2基部28の上面より所定深さだけ窪んだ第1スプリング受部46が形成されている。前記第1スプリング受部46は第2基部28の周方向に沿って所定間隔離間して複数形成されている。
【0022】
第1固定部材30は、第2基部28の外周側の上部を覆うように一体的に配設され、前記第1固定部材30の外周側の基台22には、複数の固定ボルト48を介して第2固定部材32が固定されている。鍛造成形装置10は、第1固定部材30および第2固定部材32によって基台22に固定されている。
【0023】
駆動部14は、図示しない電源から電流が供給されることにより軸線方向に沿って加圧力が付与されるプレス機50と、前記プレス機50の下面に設けられた凹部24bに装着されるプレート部52と、前記プレート部52と一体的に連結される第1〜第3接続部材54、56、58と、前記第1〜第3接続部材54、56、58の外周側に装着される連結部材60と、前記第2接続部材56の内部を圧力流体の作用下に変位するピストン78とからなる。
【0024】
プレート部52は、プレス機50の下面に複数の取付ボルト62によって取り付けられる取付部材64を介して一体的に連結されている。プレート部52の略中央部に形成されるシャフト挿入穴66には、第2シャフト68が上方より挿通自在に設けられ、前記シャフト挿入穴66の下方には第2挿通孔70が下方に向かって延在するように複数設けられている。前記シャフト挿入穴66と第2挿通孔70とは連通している。
【0025】
また、前記プレート部52の下面には、環状の第1接続部材54が図示しないボルトを介して連結され、その内部には前記第2挿通孔70と対向する位置に複数の第3挿通孔72が連通するように形成されている。前記第1接続部材54の略中央部には、ガイド部材74が下方に向かって突出するように係合され、前記ガイド部材74の上面はプレート部52によって規制されているため、ガイド部材74が第1接続部材54の内部に固定された状態となる。
【0026】
さらに、第1接続部材54の下方には第2接続部材56が一体的に連結され、その略中央部に画成されるシリンダ室76の内部にピストン78が軸線方向に沿って変位自在に設けられる。前記ピストン78はその上部が大径状に形成されるとともに、その内部が略同一直径からなる中空状に形成される。ピストン78の上部にはガイド部材74の下端部が挿入されるとともに、下部にはガイドシャフト40の上部が挿入されている。すなわち、ピストン78はガイド部材74の下端部とガイドシャフト40の上部のガイド作用下に軸線方向に沿って変位する。
【0027】
この場合、前記第2接続部材56の内周面を摺動するピストン78の外周面には、環状溝を介してシール部材80が装着され、前記シール部材80によってシリンダ室76の内部の気密が保持される。
【0028】
さらにまた、第2接続部材56の内部には、軸線と略直交する方向に延在する連通路82が形成され、第2接続部材56の外周面と連結部材60の内周面との間に画成される室84と前記シリンダ室76とを連通している。
【0029】
第2接続部材56の下面の外周側には、第3接続部材58が連結され、第1および第3接続部材54、58の外周側には、略円筒状の連結部材60が一体的に連結されている。そして、前記連結部材60の内部には、外周面から内周面に向かって連通する流体通路86が形成されている。例えば、圧力流体供給源より図示しないチューブ等を介して前記流体通路86に導入された圧力流体が、室84および連通路82を介してシリンダ室76の内部へと供給される。
【0030】
前記第1〜第3接続部材54、56、58、連結部材60は、プレート部52を介してプレス機50と一体的に連結されているため、軸線方向に沿って一体的に変位する駆動部14の一部として機能する。
【0031】
金型部18は、第2基部28と第2接続部材56との間に設けられ、所定の製品形状(例えば、ミッションギヤ)に対応するキャビティ88が形成される。前記金型部18は、第2基部28の装着穴44に装着される下型部(第2金型部)89と、第2接続部材56の下部に設けられる上型部(第1金型部)91と、前記下型部89の外周面と第2固定部材32の内周面に沿って変位自在に設けられるアウターリング(変位部材)98とからなる。
【0032】
下型部89は、その内周面がガイドシャフト40に当接して、前記ガイドシャフト40のガイド作用下に軸線方向に変位自在に設けられる第1下型90と、前記第1下型90の外周側に隣接するように設けられる第2下型92とからなる。
【0033】
前記第1下型90は下端部が装着穴44に装着され、第1シャフト36の第1押出しピン118の押圧作用下にガイドシャフト40に沿って軸線方向に変位自在に設けられている。前記第1下型90の下方には、第2下型92側に傾斜しながら所定長だけ突出した第1傾斜面100が形成される。
【0034】
第2下型92は装着穴44の外周側に装着され、第1固定部材30の内周部位が第2下型92の外周面に係合されることにより、装着穴44から上方への変位を規制している。そのため、第2下型92が装着穴44の内部に固定された状態となる。前記第2下型92の上方には、第1下型90側に傾斜しながら所定長だけ突出した第2傾斜面102が形成される。
【0035】
さらに、第1および第2下型90、92の上面は、その上面に載置されるワーク16の形状に対応する凹凸状に形成されている。
【0036】
一方、上型部91は、内周面がピストン78と当接して軸線方向に変位自在に設けられる第1上型94と、前記第1上型94の外周側に隣接するように設けられる第2上型96とからなる。
【0037】
第1上型94は、その上端部が第2接続部材56の下面に連結され、内周面がピストン78の外周面に当接するように設けられている。
【0038】
第2上型96は、その上端部が第2接続部材56の下面に連結されるとともに、外周面が第3接続部材58に係合し、第2下型92の内周面は前記第1上型94の外周面に当接している。すなわち、第1および第2上型94、96は第2および第3接続部材56、58と軸線方向に沿って一体的に変位する。第1および第2上型94、96の下面は、その下方のキャビティ88に載置されるワーク16の形状に対応する凹凸状に形成されている。
【0039】
環状に形成されるアウターリング98には、軸線方向に沿ったガイド孔104が所定間隔離間して複数形成され、その内部には第1スプリング受部46の下面のねじ孔106に螺合されるガイドピン108が挿通されている。すなわち、アウターリング98はガイドピン108によって軸支される。また、ガイド孔104は第1スプリング受部46の数と同じ数となるように設けられている。
【0040】
アウターリング98は、前記ガイドピン108のガイド作用下に軸線方向に沿って変位自在に設けられている。その軸線方向と略平行に形成されるアウターリング98の内周面(内壁面)109が第2上型94および第2下型92の外周面に当接するとともに、アウターリング98の外周面が第2固定部材32の内周面に当接しながら変位する。なお、鍛造成形が行われる際、アウターリング98の内周面109は金型部18の一部として機能する。
【0041】
アウターリング98の下面には、ガイド孔104より拡径して所定深さ窪んだ第2スプリング受部110が形成され、前記第2スプリング受部110はアウターリング98の周方向に沿って所定間隔離間して複数形成されている。すなわち、アウターリング98の第2スプリング受部110と第2基部28の第1スプリング受部46とは、それぞれ対応した位置に同じ数だけ形成される。
【0042】
前記アウターリング98の第2スプリング受部110と第2基部28との間には、第1スプリング受部46の底面に装着される環状のワッシャ112を介してスプリング114が介装されている。前記スプリング114はアウターリング98を上方に変位させるように付勢し、前記スプリング114の内部には前記ガイドピン108が挿通されている。なお、前記スプリング114およびガイドピン108は、第1固定部材30の孔部115に挿通されている。
【0043】
また、アウターリング98の内周面109の直径は、前記第2上型96の外周面の直径より大きくまたは略同等に形成されているため、前記第2上型96が下方へ変位する際の支障となることがない。
【0044】
ワーク押出し機構20は、第1基部26の第1貫通孔34の内部に挿通される第1シャフト36と、前記第1シャフト36の半径外方向に拡径した一端部に上方に向かって複数設けられる第1押出しピン118と、プレート部52のシャフト挿入穴66に挿通される第2シャフト68と、前記第2シャフト68の半径外方向に拡径した一端部に下方に向かって複数設けられる第2押出しピン120とからなる。
【0045】
前記第1押出しピン118は、第1貫通孔34を介して第1挿通孔42に変位自在に挿入され、第1押出しピン118の上面は、常に第1下型90の下面に当接するように設けられている。また、前記第2押出しピン120は、シャフト挿入穴66を介して第2挿通孔70および第3挿通孔72に変位自在に挿入され、第2押出しピン120の下面は常にピストン78の上面に当接するように設けられている。
【0046】
本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について図2〜図8に基づいて説明する。なお、駆動部14の上方への変位に伴って第1および第2上型94、96が上方に変位した状態を初期位置として説明する。
【0047】
まず、図2に示されるように、初期位置においてワーク16となる鍛造用素材をキャビティ88の内部の第1および第2下型90、92の上面に載置する。そして、図示しない電源からプレス機50(図1参照)に電流を供給することにより、前記プレス機50とプレート部52(図1参照)を介して連結された第1〜第3接続部材54、56、58、第1および第2上型94、96、ピストン78、連結部材60が軸線方向に沿って一体的に下方に変位する。そして、駆動部14の変位作用下に最初に第1上型94の下端部がワーク16の上面に当接する(図3参照)。
【0048】
なお、この際、図示しない圧力流体供給源から流体通路86、連通路82を介して供給される圧力流体によってピストン78が上方に変位し、前記ピストン78の上面が第1接続部材54の下面に当接した状態にある(図2参照)。
【0049】
次に、図4に示されるように、さらに駆動部14(図1参照)が下方に変位すると、プレス機50(図1参照)の加圧作用下に第1上型94の下端部がワーク16の内部に押し込まれ、前記ワーク16の肉がガイドシャフト40側および下型部89側へと流動する。
【0050】
そして、前記流動した前記ワーク16の肉がアウターリング98の内周面109側に流動し、前記内周面109とワーク16の肉とがA点で当接する。その際、ワーク16の肉の流動作用下にアウターリング98の内周面109が下方に向かって押圧されるため、前記アウターリング98がスプリング114のスプリング力に抗して下方に変位する。
【0051】
次に、図5に示されるように、駆動部14(図1参照)がさらに下方に変位すると、第1上型94の下端部が若干塑性変形したワーク16の上面に押し込まれ、ワーク16の肉がアウターリング98側へとさらに流動する。そして、ワーク16がアウターリング98の内周面109に当接したA点を中心として、前記A点より軸線方向に等間隔離間したB点までがワーク16の流動作用下にアウターリング98の内周面109に当接する。すなわち、予め内周面109に当接したワーク16のA点とB点とによって前記ワーク16の外周面は、アウターリング98の内周面109に対して平面状に当接した状態となる。その際、ワーク16の肉の流動作用下にアウターリング98の内周面109がさらに下方に向かって押圧されるため、前記アウターリング98がスプリング114のスプリング力に抗してさらに下方に変位する。
【0052】
最後に、図6に示されるように、駆動部14(図1参照)がさらに下方に変位して予め設定された変位終端位置まで変位することにより、第1上型94の下端部が塑性変形したワーク16の上面より内部に押し込まれるとともに、ピストン78の先端部がワーク16の上面に当接して下方へと押圧する。そのため、ワーク16の肉が第1および第2下型90、92の上面に沿って流動するとともに、さらにアウターリング98側へと流動する。
【0053】
そして、ワーク16が内周面109に当接したA点を中心としてB点よりさらに軸線方向に等間隔離間したC点までが、ワーク16の流動作用下にアウターリング98の内周面109に当接する。
【0054】
その結果、第1および第2上型94、96の下面、第1および第2下型90、92の上面、アウターリング98の内周面109、ピストン78の先端部およびガイドシャフト40によって閉塞されたキャビティ88(図4参照)の形状に沿ってワーク16の肉が流動して所望の形状に成形される。
【0055】
また、その際、ピストン78、第1および第2上型94、96によって下方に押圧されたワーク16の肉の流動作用下にアウターリング98の内周面109が下方に向かってさらに押圧されるため、前記アウターリング98がスプリング114のスプリング力に抗してさらに下方に変位する。
【0056】
すなわち、アウターリング98は、その内周面に当接するワーク16の肉の流動に伴って軸線方向に自在に変位するため、鍛造成形時にワーク16とアウターリング98の内周面109との間で生じる摩擦力が軽減される。
【0057】
次に、鍛造成形されたワーク16を前記金型部18の内部より取り出す際には、ピストン78を第2シャフト68の第2押出しピン120(図1参照)の先端部をワーク16の上面に当接させた状態で保持する。
【0058】
そして、図7に示されるように、図示しない圧力流体供給源から圧力流体が供給されたシリンダ室76を大気開放状態として、プレス機50(図1参照)を上方に変位させることにより第1〜第3接続部材54、56、58、連結部材60、第1および第2上型94、96が上方に一体的に変位する。その際、前記第2押出しピン120の先端部によってワーク16の上面が押圧された状態であるため、前記ワーク16が第1および第2上型94、96の変位作用下に一体的に上方に変位することがなく、前記ピストン78の第2押出しピン120によってワーク16が第1および第2上型94、96より離間されて第1および第2下型90、92の上面に載置された状態となる。
【0059】
最後に、図8に示されるように、第2シャフト68(図1参照)の第2押出しピン120を上方に変位させて、再びシリンダ室76の内部に圧力流体が供給されることにより、ワーク16の上面を押圧していたピストン78が上方に変位する。その結果、ピストン78の先端部がワーク16の上面より上方へと離間する。そして、第2基部28に挿通される第1シャフト36(図1参照)を上方に変位させることにより、第1押出しピン118によって第1下型90がガイドシャフト40の外周面に沿って上方に変位する。その結果、第1下型90が上面にワーク16を載置したまま上方に変位し、ワーク16の下面が第2下型92の上面より離間するとともに、ワーク16の外周面がアウターリング98の内周面109より離間する。なお、第1下型90が第1押出しピン118の押圧作用下に上方に変位する際、第1下型90の第1傾斜面100が第2下型92の第2傾斜面102に係合することにより第1下型90が脱抜することが防止される。
【0060】
その結果、鍛造成形されたワーク16をワーク押出し機構20によって金型部18より離間させることができるため、ワーク16を金型部18より簡便に取り出すことができる。
【0061】
以上のように、本実施の形態では、第1および第2上型94、96による押圧作用下に鍛造成形を行い、ワーク16の肉を流動させる際、内周面109が軸線と略平行に形成されたアウターリング98が軸線方向に変位自在に設けられているため、前記ワーク16の肉の流動に伴って前記ワーク16の肉がアウターリング98の内周面109に当接した際、アウターリング98が一体的に軸線方向に沿って変位する。
【0062】
そのため、アウターリング98がワーク16の鍛造成形時において一体的に変位することにより、鍛造成形時におけるワーク16の肉とアウターリング98の内周面109との間に生じる摩擦力を軽減させることができるため、鍛造成形が完了した後に金型部18よりワーク16を取り出す際、アウターリング98の内周面109およびガイドシャフト40の外周面にワーク16の加圧方向に沿った方向に抜き勾配を設けることなく第1および第2押出しピン118、120による押圧力のみでワーク16を簡便に取り出すことができる。
【0063】
また、その結果、鍛造成形されるワーク16の加圧方向に沿った側面に抜き勾配を設ける必要がないため、鍛造成形された後にワーク16を別個に加工する工程が不要となる。そのため、ワーク16の製造工程を短縮化することができるとともに、それに伴うコストを低減することができる。
【0064】
さらに、ワーク16に抜き勾配を設ける必要がないため、ワーク16となる鍛造用素材の使用量を抜き勾配の分まで考慮して大きく設定する必要がない。そのため、従来より鍛造用素材の使用量を抑制することができ、コストを低減することができる。
【0065】
さらにまた、アウターリング98をガイドするガイドピン108をより一層ワーク16に近い位置に設けることにより、一層高精度にアウターリング98を軸線方向に沿って変位させることができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0067】
すなわち、第1および第2金型部とは別個に変位部材を軸線方向に変位自在に設け、鍛造成形時においてワークの流動した肉が変位部材に当接した際、ワークの肉と一体的に軸線方向に沿って変位し、変位部材の内壁面とワークの流動した肉との間に生じる摩擦力を軽減させることができるため、鍛造成形完了後に第1および第2金型部、変位部材によって閉塞されたキャビティの内部よりワークを簡便に取り出すことができる。
【0068】
また、変位部材の内壁面を軸線と平行としてワークに抜き勾配を設けていないため、従来のワークの抜き勾配に対する後加工が不要となり、ワークとなる鍛造用素材のコストの削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鍛造成形装置を示す縦断面図である。
【図2】鍛造成形装置の駆動部が上方に変位した状態を示す動作説明図である。
【図3】鍛造成形装置のワークの上面に第1上型が当接した状態を示す動作説明図である。
【図4】鍛造成形装置のワークの内部に第1上型が押し込まれた状態を示す動作説明図である。
【図5】鍛造成形装置のワークの内部に第1上型が押し込まれ、ピストンの先端部がワークの上面に当接した状態を示す動作説明図である。
【図6】鍛造成形装置のワークが鍛造成形された状態を示す動作説明図である。
【図7】鍛造成形装置のワークを第1および第2上型より離間させた状態を示す動作説明図である。
【図8】鍛造成形装置のワークを金型部より取り出した状態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
10…鍛造成形装置 12…ボディ部
14…駆動部 16…ワーク
18…金型部 20…ワーク押出し機構
26…第1基部 28…第2基部
30…第1固定部材 32…第2固定部材
34…第1貫通孔 36…第1シャフト
38…第2貫通孔 40…ガイドシャフト
50…プレス機 52…プレート部
54…第1接続部材 56…第2接続部材
58…第3接続部材 60…連結部材
68…第2シャフト 74…ガイド部材
76…シリンダ室 78…ピストン
88…キャビティ 90…第1下型
92…第2下型 94…第1上型
96…第2上型 98…アウターリング
104…ガイド孔 108…ガイドピン
112…ワッシャ 114…スプリング
118…第1押出しピン 120…第2押出しピン

Claims (2)

  1. キャビティに装填された鍛造用素材に対して加圧力を付与することにより、ワークを成形する鍛造成形装置において、
    駆動部と、
    前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する第1金型部と、
    ボディの前記第1金型部に対峙する位置に配設される第2金型部と、
    前記第1金型部と第2金型部との間に軸線方向に変位自在に設けられ、第1金型部側および第2金型部側に軸線方向と平行な内壁面を有する変位部材と、
    を備え、
    前記変位部材が、前記第1金型部および第2金型部とは別個に設けられることを特徴とする鍛造成形装置。
  2. 請求項1記載の鍛造成形装置において、
    前記変位部材は、前記ボディに連結されたガイドピンによって軸支され、前記ガイドピンのガイド作用下に軸線方向に沿って変位することを特徴とする鍛造成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108971450A (zh) * 2018-09-12 2018-12-11 合肥熠辉轻合金科技有限公司 一种轴套毛坯的液态模锻模具及其液态模锻方法

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