JP2004343832A - マイクロサージ電圧抑制回路 - Google Patents

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純一 津田
Hiroshi Mochikawa
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Abstract

【課題】本発明は、モータ端でのサージ電圧を十分抑え、また高信頼性・小型・低コスト化を達成することを目的とする。
【解決手段】サージ電圧の共振周波数帯域での透磁率の抵抗成分がインダクタンス成分の2倍以上の大きさを示す磁性材料からなるコアを用いたリアクトルLu、Lv、Lwを、インバータ1の各相出力線に直列に接続したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ駆動によりモータ端に発生するマイクロサージを抑制するためのマイクロサージ電圧抑制回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
給電用のケーブル長の長いモータをインバータ駆動する場合、インバータから出力される立上がりの急峻な電圧はインピーダンス不整合によってモータ・インバータ間で何度も反射を繰り返す。その結果、モータ端には、ケーブルのインダクタンスと浮遊容量とで決まる周波数の過大なサージ電圧がかかる(以下、この周波数をサージ電圧共振周波数と呼ぶ)。入力電圧が高いとこのサージ電圧はモータ巻線の絶縁耐圧を超えて、絶縁破壊を引き起こす場合がある。
【0003】
これに対し、従来のサージ電圧抑制回路として、電圧型PWMインバータの出力端子に抵抗器とインダクタの並列回路からなるダンピング回路を直列に接続するとともに、このダンピング回路の抵抗器の抵抗値とインダクタのインダクタンス値を、ケーブルのインダクタンス値と漂遊容量からサージ電圧を吸収するように決定している。決定された数値例としては、インダクタのインダクタンス値は2mH、抵抗器の抵抗値は130Ωとしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来のサージ電圧抑制回路として、高周波領域で給電線の特性インピーダンスに等しいインピーダンスを有し、インバータと給電線の間に直列に接続した抵抗回路を備えたものがある。抵抗回路における抵抗器の抵抗値としては、40〜45Ω程度に設定している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
上記各特許文献に記載の従来技術と同様に、比較的簡単な構成の回路を付加することで、サージ電圧を抑制するようにした従来技術を、図を用いてさらに説明する。
【0006】
図8は、インダクタンスL1、L2、L3、コンデンサC1、C2、C3、及び抵抗R1、R2、R3からなるLCRフィルタ8をインバータ1と給電線の間に接続している。インバータ1とモータMの各相に直列に接続されたインダクタンスL1、L2、L3は周波数の高いサージに対して高インピーダンスを示す。このためサージがモータMに伝わりにくくなる。さらに抵抗R1、R2、R3とコンデンサC1、C2、C3とはサージに対するバイパス回路を構成している。これにより、インダクタンスL1、L2、L3を通過したサージはバイパス回路へと流れて抵抗R1、R2、R3で消費され、その結果サージの発生を抑えるようにしている。
【0007】
また、図9に示すモータターミネータ9は、コンデンサC1、C2、C3と抵抗R1、R2、R3とから構成され、モータMの端子近傍に接続されている。LCRフィルタからインダクタンスを除いた構成のモータターミネータ9は、サージを抵抗R1、R2、R3で消費させることで、その発生を抑えている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−262247号公報(第2−3頁、図1)
【0009】
【特許文献2】
特開2001−204136号公報(第2頁、第6−7頁、図1、図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す従来技術でLCRフィルタがその効果を十分発揮するためにはインダクタンスはmHオーダの定数であることが必要である。このため、LCRフィルタは大型で重量も重く、コストも高くなる。この点では、特許文献1に記載の従来技術もインダクタンス値が2mH程度のインダクタを用いているので、大型で重量も重いものとなる。
【0011】
図9に示す従来技術でモータターミネータは、インダクタンスはないもののサージは全て抵抗で消費させる仕組みとなっていることから、損失が非常に大きく抵抗に過熱が生じ易い。このため、抵抗が過熱損傷してターミネータの信頼性が損なわれるおそれがある。過熱を防止するためには、抵抗冷却用の大型のフィンあるいはファンなどを必要とするので、LCRフィルタに対する優位性が得られない。この点では、特許文献2に記載の従来技術は、抵抗回路における抵抗器の抵抗値を40〜45Ω程度に設定しているが、抵抗回路はインバータと給電線の間に直列に接続されているので、それなりの抵抗損失が生じるのは免れ得ない。さらに、モータターミネータの場合、その効果を得るためにはモータ端子近傍に接続する必要があるため、モータと同様の環境仕様(例えば防水等)を満たさなければならず、その分コスト高を招いてしまう。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、モータ端でのサージ電圧を十分に抑えることができるとともに、高信頼性化、小型化及び低コスト化を達成しうるようにしたマイクロサージ電圧抑制回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、インバータによりケーブルを介してモータを駆動する際にモータ端に発生するサージ電圧を抑制するマイクロサージ電圧抑制回路において、前記サージ電圧の共振周波数帯域での透磁率の抵抗成分がインダクタンス成分の2倍以上の大きさを示す磁性材料からなるコアを用いたリアクトルを、前記インバータの各相出力線に直列に接続してなることを要旨とする。
【0014】
サージ電圧の共振周波数帯域において透磁率の抵抗成分がインバータの各相出力線に直列に接続されているのと等価となる。このため、リアクトルのインダクタンス成分によるサージ電圧抑制作用と抵抗成分によるサージ電圧のダンピング作用との相乗効果により、小容量のリアクトルでモータ端でのサージ電圧を効果的に抑制することが可能となる。
【0015】
請求項2記載の発明は、インバータによりケーブルを介してモータを駆動する際にモータ端に発生するサージ電圧を抑制するマイクロサージ電圧抑制回路において、前記インバータの各相出力線にリアクトルを直列接続するとともに、その各リアクトルにおけるコアにそれぞれ2次巻線を施し、当該各2次巻線の始端と終端との間に前記サージ電圧に対するダンピング用の抵抗をそれぞれ接続してなることを要旨とする。
【0016】
コアに巻回されたリアクトルの巻線と2次巻線とのトランス作用により、高周波のサージ電圧成分はダンピング用の抵抗を流れて減衰する。このため、リアクトルによるサージ電圧抑制作用とダンピング用の抵抗によるサージ電圧の減衰作用との相乗効果により、小容量のリアクトルでモータ端でのサージ電圧が効果的に抑制される。また、サージ電圧のダンピング作用は、上述のように、ダンピング用の抵抗が担うため、コア材料として、サージ電圧に対し少ない損失を示す一般的な磁性材料を用いることが可能となる。このため、コアの発熱が抑えられるとともに、これに代わる発熱体となるダンピング用の抵抗は、ケーブルと分離して設けられているのでインバータへの伝熱を抑えることが可能となる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記各リアクトルにおけるコアとして、1個の多脚コアにおける各磁脚を用いてなることを要旨とする。
【0018】
複数のリアクトルにおけるコアが、1個の多脚コアにより一体化されて小型化がよりよく達成される。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記抵抗がある一定温度以上に異常過熱された時、当該抵抗に流れる電流を所定値以下に制限する過熱保護手段を前記抵抗と直列に接続してなることを要旨とする。
【0020】
サージ電圧の減衰作用を持つダンピング用抵抗の損傷が防止されて、マイクロサージ電圧抑制回路の高信頼性が得られる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記ダンピング用の抵抗とは別のダンピング機能補助用の補助抵抗を、前記過熱保護手段を含む回路と並列に接続してなることを要旨とする。
【0022】
過熱保護手段の動作時のサージ電圧のダンピング作用の低下が緩和される。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載の発明において、前記リアクトルにおける巻線の巻数n1と、前記2次巻線の巻数n2とがn1<n2の関係を満たすとともに、前記ダンピング用の抵抗の両端を、ダイオード構成のフルブリッジ回路における入力端子間に接続し、当該フルブリッジ回路における正側整流出力端子をインバータ直流部の正側に接続し負側整流出力端子をインバータ直流部のアース側に接続してなることを要旨とする。
【0024】
リアクトル巻線からのトランス作用により2次巻線にインバータ直流電圧を超える電圧が発生したとき、フルブリッジ回路を構成するいずれかのダイオードが導通してインバータ直流部の平滑コンデンサに電流が回生される。それと同時にリアクトル巻線にかかる電圧は、インバータ直流電圧のn1/n2以下に抑えられてリアクトルコアの磁気飽和が防止される。この結果、モータ端でのサージ電圧が十分に抑えられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。図1は、インバータ1により比較的長いケーブル2を介してモータMを駆動するドライブシステムにおけるマイクロサージ電圧抑制回路3の接続関係を示している。マイクロサージ電圧抑制回路3は、3個のリアクトルLu、Lv、Lwのみで構成され、これら3個のリアクトルLu、Lv、Lwが、インバータ1の出力端子近傍で、そのインバータ1の各相出力線にそれぞれに直列に接続されている。
【0027】
各リアクトルLu、Lv、Lwを構成するコアには、サージ電圧の共振周波数帯域で、そのサージ電圧に対し大きな損失を示す磁性材料が用いられている。図2は、このような磁性材料の一特性例としての、透磁率のインダクタンス成分μ’及び抵抗成分μ”の周波数依存性を示している。磁性材料の違いによって値や周波数依存性は異なるものの、いずれにおいてもインダクタンス成分μ’は、周波数が高くなるにつれて次第に減少し、これに代わって抵抗成分μ”が増大してくる。このような特性において、本実施の形態では、サージ電圧の共振周波数frにおける透磁率の抵抗成分μ”がインダクタンス成分μ’の2倍以上の大きさになるような磁性材料をコア材料に用いている。
【0028】
次に、このような磁性材料からなるコアを用いたリアクトルLu、Lv、Lwを持つ本実施の形態のマイクロサージ電圧抑制回路3の作用を説明する。インバータ1により比較的長いケーブル2を介してモータMを駆動すると、ケーブル2のインダクタンスと浮遊容量との共振が原因となって、モータMの端子にはサージ電圧が発生する。発生したサージ電圧はモータM・インバータ1間で反射を繰り返して主にケーブル2のインダクタンス及び浮遊容量で決まる周波数で共振現象を引き起こす。これに対し、本実施の形態では、サージ電圧の共振周波数において、各リアクトルLu、Lv、Lwのコアにおける透磁率の抵抗成分μ”がインダクタンス成分μ’の2倍以上に増大し、この抵抗成分μ”がインバータ1の各相出力線にそれぞれ直列に接続されているのと等価となる。このため、リアクトルLu、Lv、Lwのインダクタンス成分によるサージ電圧抑制作用と、増大した抵抗成分によるサージ電圧のダンピング作用との相乗効果により、サージ電圧が効果的に抑制される。なお、必要であればリアクトルLu、Lv、Lwを放熱フィン上に設置する等の構成を採用して、発熱するコアへの冷却対策を施してもよい。
【0029】
上述したように、本実施の形態によれば、モータM端でのサージ電圧を十分に抑えることができるとともに、リアクトルLu、Lv、Lwは小容量のもので済むので、小型化、低コスト化を達成することができる。
【0030】
図3には、本発明の第2の実施の形態を示す。図3は、マイクロサージ電圧抑制回路の構成を示している。本実施の形態では、各リアクトルLu、Lv、Lwにおけるコアとして、1個の三脚コア4(多脚コア)における各磁脚4u、4v、4wが用いられている。三脚コア4の3個の磁脚4u、4v、4wには、各リアクトルLu、Lv、Lwの巻線がそれぞれ施され、各巻線における端子U、V、Wはインバータ1の各相出力線にそれぞれ接続され、モータMにつながるケーブル2には端子X、Y、Zが接続されている。
【0031】
三脚コア4の磁性材料として、第1の実施の形態と同様のサージ電圧に対し大きな損失を示す磁性材料を用いることで、第1の実施の形態と同様のサージ電圧抑制作用が得られると同時に複数のリアクトルLu、Lv、Lwにおけるコアが一体化されて、より一層の小型化が図れる。
【0032】
図4には、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態では、各リアクトルLu、Lv、Lwにおけるコアとして、1個の三脚コア5における各磁脚5u、5v、5wが用いられているが、その三脚コア5の磁性材料としては、サージ電圧に対し比較的少ない損失を示す一般的な磁性材料が用いられている。そして三脚コア5の各磁脚5u、5v、5wには、各リアクトルLu、Lv、Lwの巻線がそれぞれ施されるとともに、各相に対応した3個の2次巻線6u、6v、6wがそれぞれ巻回され、各2次巻線6u、6v、6wの始端と終端との間に、サージ電圧に対するダンピング用の抵抗Ru、Rv、RWがそれぞれ接続されている。サージ電圧のダンピング作用は、これらのダンピング用の抵抗Ru、Rv、RWが担うため、三脚コア5の磁性材料としては、上述のように損失の少ない一般的な磁性材料を使用することが可能となる。
【0033】
本実施の形態の作用を説明すると、三脚コア5の各磁脚5u、5v、5wに巻回されたリアクトルLu、Lv、Lwの巻線と2次巻線6u、6v、6wとのトランス作用により、高周波のサージ電圧成分はダンピング用の抵抗Ru、Rv、RWを流れて減衰する。このため、リアクトルLu、Lv、Lwによるサージ電圧抑制作用とダンピング用の抵抗Ru、Rv、RWによるサージ電圧の減衰作用との相乗効果により、小容量のリアクトルLu、Lv、LwでモータM端でのサージ電圧が効果的に抑制される。また、三脚コア5の磁性材料として、サージ電圧に対し少ない損失を示す一般的な磁性材料を用いていることで、コアの発熱が抑えられ、これに代わる発熱体となる抵抗Ru、Rv、RWは、ケーブル2と分離して設けられているのでインバータ1への伝熱を抑えることが可能となる。
【0034】
図5には、本発明の第4の実施の形態を示す。図5は、U相分のみを示しているが、他の相についても同様である。同一のコアに巻回された1次巻線としてのリアクトルLuの巻線と2次巻線6uとでトランスTuが構成されている。2次巻線6uには、ダンピング用の抵抗Ruと、この抵抗Ruがある一定温度以上に異常過熱された時、抵抗Ruに流れる電流を所定値以下に制限する過熱保護手段Puとが直列に接続されている。過熱保護手段Puとしては、例えば一定温度以上で抵抗値が急激に増大する正特性サーミスタや、あるいは同じくある一定以上の温度で接点がオープン状態になるバイメタル構造を利用した温度スイッチなど、温度異常時に抵抗Ruに流れる電流を制限する機能を有するものが用いられている。
【0035】
本実施の形態によれば、過熱保護手段Puにより、抵抗Ruがある一定温度以上に異常過熱することが防止される。したがって、サージ電圧の減衰作用を持つダンピング用の抵抗Ruの過熱損傷が防止されることから、マイクロサージ電圧抑制回路の高信頼性が得られる。
【0036】
図6には、本発明の第5の実施の形態を示す。図6は、U相分のみを示しているが、他の相についても同様である。本実施の形態では、ダンピング用の抵抗Ru1とは別のダンピング機能補助用の補助抵抗Ru2が、過熱保護手段Puを含む回路と並列に接続されている。図6では、補助抵抗Ru2は、過熱保護手段Puとダンピング用の抵抗Ru1との直列接続回路に並列に接続されているが、補助抵抗Ru2は過熱保護手段Puの両端に接続してもよい。ただし、過熱保護手段Puの動作前に比べ、動作後は2次巻線6uの回路全体のインピーダンスが大きくなるように、ダンピング用の抵抗Ru1及び補助抵抗Ru2の両抵抗値を選択する。
【0037】
過熱保護手段Puの動作時には、抵抗Ru1のダンピング作用が働かなくなるため、マイクロサージ電圧抑制性能が低下することになるが、本実施の形態のように、補助抵抗Ru2を設けることにより、サージ電圧のダンピング作用の低下が緩和されて、サージ電圧抑制効果を維持することができる。
【0038】
図7には、本発明の第6の実施の形態を示す。図7は、U相分についてのみ示しているが、他の相についても同じである。本実施の形態では、トランスTuを構成するリアクトルLuの巻線の巻数n1と、2次巻線6uの巻数n2とがn1<n2の関係を満たすとともに、ダンピング用の抵抗Ruの両端が、4個のダイオードDu1〜Du4で構成されたフルブリッジ回路7における入力端子7a、7b間に接続されている。フルブリッジ回路7の正側整流出力端子Pはインバータ直流部のP側(正側)に接続され、負側整流出力端子Nはインバータ直流部のN側(アース側)に接続されている。リアクトルLuの巻線における端子Uはインバータ1のU相出力線に接続され、端子XはモータMにつながるケーブル2に接続されている。
【0039】
本実施の形態の作用を説明すると、ケーブル2につながるリアクトルLuの巻線からのトランス作用により2次巻線6uにインバータ直流電圧を超える電圧が発生したとき、フルブリッジ回路7を構成するいずれかのダイオードが導通してインバータ直流部の平滑コンデンサに電流が回生される。それと同時にリアクトルLuの巻線にかかる電圧は、インバータ直流電圧のn1/n2以下に抑えられてリアクトルLuのコア(トランスTuのコア)の磁気飽和が防止される。この結果、モータM端でのサージ電圧が十分に抑えられる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、リアクトルのインダクタンス成分によるサージ電圧抑制作用と抵抗成分によるサージ電圧のダンピング作用との相乗効果により、モータ端でのサージ電圧を十分に抑えることができる。また、リアクトルは小容量のもので済むので、小型化、低コスト化を達成することができる。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、モータ端でのサージ電圧を十分に抑えることができるとともに、コア及び発熱体となる抵抗からインバータへの伝熱を抑えることができて、信頼性の向上に寄与しうる。
【0042】
請求項3記載の発明によれば、複数のリアクトルにおけるコアが一体化されて、より一層の小型化を達成することができる。
【0043】
請求項4記載の発明によれば、過熱によるダンピング用抵抗の損傷を防止することができて、マイクロサージ電圧抑制回路の高信頼性化を達成することができる。
【0044】
請求項5記載の発明によれば、過熱保護手段の動作時においても、サージ電圧の減衰作用を生じさせることができる。
【0045】
請求項6記載の発明によれば、サージ電圧の抑制効果に加えてさらに、リアクトルにおけるコアの磁気飽和を防止することができて、信頼性の向上に寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるマイクロサージ電圧抑制回路のインバータ、モータとの接続関係を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態のリアクトルコアに用いた磁性材料における透磁率の抵抗成分及びインダクタンス成分の周波数依存性を示す特性図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態において、1個の多脚コアにおける各磁脚を用いて各リアクトルを構成した態様を示す構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態をU相分のみについて示す回路図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態をU相分のみについて示す回路図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態をU相分のみについて示す回路図である。
【図8】従来のマイクロサージ電圧抑制回路のインバータ、モータとの接続関係を示す回路図である。
【図9】他の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 インバータ
2 ケーブル
3 マイクロサージ電圧抑制回路
4、5 三脚コア(多脚コア)
4u、4v、4w、5u、5v、5w 磁脚
6u、6v、6w 2次巻線
7 フルブリッジ回路
7a、7b 入力端子
Du1〜Du4 ダイオード
Lu、Lv、Lw リアクトル
M モータ
N 負側整流出力端子
P 正側整流出力端子
Pu 過熱保護手段
Ru、Rv、RW、Ru1 ダンピング用の抵抗
Ru2 補助抵抗
μ’ 透磁率のインダクタンス成分
μ” 透磁率の抵抗成分

Claims (6)

  1. インバータによりケーブルを介してモータを駆動する際にモータ端に発生するサージ電圧を抑制するマイクロサージ電圧抑制回路において、前記サージ電圧の共振周波数帯域での透磁率の抵抗成分がインダクタンス成分の2倍以上の大きさを示す磁性材料からなるコアを用いたリアクトルを、前記インバータの各相出力線に直列に接続してなることを特徴とするマイクロサージ電圧抑制回路。
  2. インバータによりケーブルを介してモータを駆動する際にモータ端に発生するサージ電圧を抑制するマイクロサージ電圧抑制回路において、前記インバータの各相出力線にリアクトルを直列接続するとともに、その各リアクトルにおけるコアにそれぞれ2次巻線を施し、当該各2次巻線の始端と終端との間に前記サージ電圧に対するダンピング用の抵抗をそれぞれ接続してなることを特徴とするマイクロサージ電圧抑制回路。
  3. 前記各リアクトルにおけるコアとして、1個の多脚コアにおける各磁脚を用いてなることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロサージ電圧抑制回路。
  4. 前記抵抗がある一定温度以上に異常過熱された時、当該抵抗に流れる電流を所定値以下に制限する過熱保護手段を前記抵抗と直列に接続してなることを特徴とする請求項2または3記載のマイクロサージ電圧抑制回路。
  5. 前記ダンピング用の抵抗とは別のダンピング機能補助用の補助抵抗を、前記過熱保護手段を含む回路と並列に接続してなることを特徴とする請求項4記載のマイクロサージ電圧抑制回路。
  6. 前記リアクトルにおける巻線の巻数n1と、前記2次巻線の巻数n2とがn1<n2の関係を満たすとともに、前記ダンピング用の抵抗の両端を、ダイオード構成のフルブリッジ回路における入力端子間に接続し、当該フルブリッジ回路における正側整流出力端子をインバータ直流部の正側に接続し負側整流出力端子をインバータ直流部のアース側に接続してなることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のマイクロサージ電圧抑制回路。
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