JP2004343377A - コンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法 - Google Patents

コンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動板の張力を支持リングに張設された後においても調整できるようにする。
【解決手段】音波によって振動する合成樹脂フィルムを基材として、支持リング11に張設された状態で固定極と所定の間隔をもって対向的に配置される振動板10の張力を調整するコンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法において、支持リング11に張設されている振動板10の一部分に、例えばレーザー照射機100よりレーザー光を照射して加熱する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法に関し、さらに詳しく言えば、支持リングに張設されている状態で振動板の張力を調整する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサマイクロホンは、図3に模式的な分解断面図として示すように、振動板10と固定極(背極)20とをスペーサリング30を介して対向的に配置してなるコンデンサマイクユニットを備えており、振動板10は支持リング(ダイアフラムリング)11に張設された状態でコンデンサマイクユニット内に組み込まれる。
【0003】
通常、振動板10には、音波によって振動し得る合成樹脂フィルムを基材として、その片面に金属蒸着膜を有する薄膜が用いられるが、コンデンサマイクロホンのうち、音圧傾度型で動作するものは振動板10の張力によって周波数応答の低域限界が支配される。
【0004】
すなわち、振動板10の張力が低ければ低いほど低域限界が低周波数側に伸ばされるが、振動板10の張力を低くしすぎると、成極電圧による電気的な吸引力によって振動板10が固定極20側に引き寄せられ、最悪の場合には振動板10が固定極20に接触してしまう。
【0005】
接触した状態では、振動板10のスチフネスが高くなってしまうことから、低域限界が周波数の高い方になり、感度低下やノイズ発生などの問題が生ずることになる。そのため、振動板10の張力は最適な値に設定される必要がある。
【0006】
図4により、従来一般的に行われている振動板の張力調整方法について説明する。これには、上端面が平滑にされた例えばガラス材からなる円柱状の基台Bが用いられる。
【0007】
この基台B上に振動板10を多面取り可能な大きさのマザーフィルム10Mを載せ、その周囲に重りWをぶら下げてマザーフィルム10Mに所定の張力を付与する。重りWの代わりに、スプリングやねじの締め上げ機構などが用いられる場合もある。
【0008】
このようにして張力が付与されたマザーフィルム10Mに、実際のユニット部品として使用される支持リング11をエポキシ系などの接着剤にて貼り付け、接着剤が固化した後、マザーフィルム10Mから個々の振動板10を支持リング11に張設された状態で切り出して、コンデンサマイクユニットに組み込む。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
振動板10の張力は、コンデンサマイクロホンの性能を左右するため、この張設作業は入念に行われるが、それでも各振動板10の張力にバラツキが生ずる。その主な原因としては、次の▲1▼〜▲4▼が挙げられる。
【0010】
▲1▼マザーフィルム10Mからの切り出し位置に起因するバラツキ。例えば、重りWにてマザーフィルム10Mに均等に荷重をかけたとしても、中央部分と周辺部分とでは張力が異なることがある。
▲2▼マザーフィルム10Mに付けられている傷によるバラツキ。
▲3▼金属蒸着膜の成膜時における熱履歴による部分的なバラツキ。
▲4▼支持リング11の貼り付け時の変位によるバラツキ。
【0011】
このような各種の原因によって、コンデンサマイクユニットとして適正な張力範囲を超えてしまう振動板が発生してしまうことがある。従来では、不良となった振動板は廃棄するほかなく、支持リングのみを回収してリサイクルしている。
【0012】
したがって、本発明の課題は、振動板の張力を支持リングに張設された後においても調整できるようにして、不良品を良品として救済し製品の歩留まりを向上させることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、音波によって振動する合成樹脂フィルムを基材として、支持リングに張設された状態で固定極と所定の間隔をもって対向的に配置される振動板の張力を調整するコンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法において、上記支持リングに張設されている上記振動板の一部分を加熱手段により加熱することを特徴としている。
【0014】
振動板を部分加熱することによって振動板の張力は低下する。例えば、振動板の周辺部分を均等間隔でスポット的に加熱してもよいが、振動板の張力を全体的に低下させるには、振動板の中央部分をスポット的により好ましくは多点状に加熱することが好ましい。加熱手段としては、短時間での加熱が可能であるレーザー照射機が好適である。
【0015】
本発明によれば、張力が良品基準範囲から高い方に外れてしまった振動板を良品基準範囲内の張力に調整することができる。なお、実際の生産工程では張力が低すぎるものも発生するが、張力のバラツキは正規分布するため、張力の平均値を故意的に良品基準範囲内の高い方にシフトとして生産し、張力の低すぎるものの発生率を低く抑えて、張力の高すぎるものは本発明によって適正な張力に調整することにより、全体の歩留まりを向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施形態を模式的に示す。本発明においては、支持リング11に張設されている振動板10の張力を調整するため、振動板10を部分的に加熱する。なお、全面加熱では微妙な張力調整を行うことは困難であるため、本発明には、振動板10の全面を加熱することは含まれない。
【0017】
本発明が対象とする振動板10は、音波によって振動する合成樹脂フィルム(例えば、PPS)を基材とし、先の図4で説明した方法によってマザーフィルム10Mから支持リング11に張設された状態で切り出されたものであってよい。大口径で1枚のマザーフィルム10Mから1つだけ切り出されるような振動板も本発明の対象に含まれる。
【0018】
ここでの加熱は、振動板10を焼き切らない温度での加熱である。加熱する側の面は、金属蒸着膜が成膜されている面とは反対側の面である。加熱手段としては、短時間での加熱が可能なレーザー照射機100が好適であるが、スポット的に加熱できる例えば棒状(ピン状)のヒータを用いてもよい。
【0019】
振動板10の加熱箇所について、振動板10の周辺部分を均等間隔でスポット的に加熱してもよいが、振動板10の張力を全体的に低下させるには、振動板10の中央部分をスポット的に、しかも多点状に加熱することが好ましい。
【0020】
【実施例】
PPS(ポリフェニレンサルファイド)からなる膜厚2μm,外径15mmで片面に金属蒸着膜を有する振動板を支持リングに張設してなる4個の試料1〜4を用意し、まず、これらの各試料1〜4の共振周波数fを図2に示す方法によって測定した。
すなわち、振動板10と固定極20とを所定の間隔をもって対向させ、振動板10と固定極20との間に昇圧トランス110を介して交流電圧発生器120を接続し、交流電圧発生器120の出力電圧を500Hz〜2kHzまでスイープさせて振動板10をスピーカとして駆動し、その発生音波をマイクロホン130で集音して周波数を解析した。その結果、各試料1〜4の共振周波数fは次の値であった。
試料1… 994Hz
試料2…1016Hz
試料3…1059Hz
試料4…1062Hz
【0021】
次に、レーザー照射機(出力60mW)を使用して、1箇所あたりスポット径0.5mm,照射時間0.2秒として785nmのレーザー光を照射し、試料1〜4の各振動膜を部分的に加熱した。加熱箇所はいずれも振動膜の中心部分である。そして、レーザー照射後(加熱後)に上記した方法によって各試料1〜4の共振周波数fを測定した。
【0022】
〔実施例1〕
試料1については、中心部分1箇所のみにレーザー光を照射した。レーザー照射後の共振周波数fは987Hzであり、レーザー照射前に比べて共振周波数が7Hz低下した。
〔実施例2〕
試料2については、中心部分の6箇所に互いに重ならないようにレーザー光を照射した。レーザー照射後の共振周波数fは985Hzであり、レーザー照射前に比べて共振周波数が31Hz低下した。
〔実施例3〕
試料3については、まず、第1回目として中心部分の1箇所にレーザー光を照射した。次に、第2回目として中心部分の異なる位置にレーザー光を照射し、照射箇所を計2箇所とし、さらに第3回目として中心部分の先の2箇所とは異なる3箇所の位置にレーザー光を照射し、照射箇所を計5箇所とした。
第1回目のレーザー照射後の共振周波数fは1048Hz,第2回目のレーザー照射後の共振周波数fは1043Hz,第3回目のレーザー照射後の共振周波数fは1030Hzで、それぞれレーザー照射前に比べて11Hz,16Hz,29Hz低下した。
〔実施例4〕
試料4については、まず、第1回目として中心部分の1箇所にレーザー光を照射した。次に、第2回目として中心部分の異なる位置にレーザー光を照射し、照射箇所を計2箇所とした。
第1回目のレーザー照射後の共振周波数fは1055Hz,第2回目のレーザー照射後の共振周波数fは1045Hzで、それぞれレーザー照射前に比べて7Hz,17Hz低下した。
【0023】
振動板の張力と振動板の共振周波数fは相関があり、張力が低くなるに伴って共振周波数fも低くなる。上記実施例1〜4から振動板を部分的に加熱することにより、張力を下げる方向に微妙に調整できることが確認された。参考までに、上記実施例の結果を次表にまとめとして示す。
【表1】
Figure 2004343377
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、部分加熱により振動板の張力を支持リングに張設された後においても下げる方向に調整することができるため、張力が高すぎる不良品を良品として救済でき、全体として製品の歩留まり率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図。
【図2】本発明の実施例で行った振動板の共振周波数測定方法を示す説明図。
【図3】コンデンサマイクユニットを示す模式的な分解断面図。
【図4】上記コンデンサマイクユニットに用いられる振動板の作製状態を示す模式的な斜視図。
【符号の説明】
10 振動板
10M マザーフィルム
11 支持リング
20 固定極
30 スペーサリング
100 レーザー照射機
110 昇圧トランス
120 交流電圧発生器
130 共振周波数測定用のマイクロホン

Claims (3)

  1. 音波によって振動する合成樹脂フィルムを基材として、支持リングに張設された状態で固定極と所定の間隔をもって対向的に配置される振動板の張力を調整するコンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法において、
    上記支持リングに張設されている上記振動板の一部分を加熱手段により加熱することを特徴とするコンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法。
  2. 上記振動板の加熱される部分が、同振動板の中央部分である請求項1に記載のコンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法。
  3. 上記加熱手段として、レーザー照射機が用いられる請求項1または2に記載のコンデンサマイクロホン用振動板の張力調整方法。
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