JP2004343334A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】符号化済の画像のデータを復号化し、復元画像からノイズを除去する。
【解決手段】画像処理装置3において、復号処理部6が画像の符号化データを復号化し、復元画像内のノイズの発生状況をノイズ判定部7がブロック単位で判定する。空間フィルタ処理部9は、ノイズ判定部7の判定結果に基づき、画像の復号化データに対して、ノイズ除去効果のある空間フィルタ処理を施す。さらに階調再現処理部8が、ノイズ判定部7の判定結果に基づき、空間フィルタ処理後の画像の復号化データに対して、階調を再現させつつノイズを低減させるような中間調処理を施す。これによって、画像処理装置3は、画像の復号化データに対して中間調処理を施しつつ、符号化データの復号化によって生じたノイズを復元画像から効果的に除去することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の圧縮符号化されたデータの復号化と復号化されたデータへの中間調処理とを含む画像処理を行う構成の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスオートメーション(Office Automation:OA)機器のデジタル化の進展、コンピュータの普及、さらには通信ネットワークの整備の進展に起因して、画像入力装置からコンピュータへの画像のデータの取込み、およびネットワークを介したコンピュータ間の画像データの送受等が、比較的容易に行われるようになっている。画像入力装置は、たとえばスキャナに代表される。コンピュータおよびOA機器に代表される画像処理装置に与えられた画像のデータは、ハードディスク装置およびDVD−RAM(Digital Versatile Disc − Random Access Memory)等に代表される記録媒体に格納される。画像処理装置内の画像のデータは、必要に応じて、カラープリンタに代表される画像出力装置によって顕像化されて出力される。カラープリンタの方式としては、たとえば、電子写真方式、インクジェット方式、および熱転写方式等が挙げられる。
【0003】
画像のデータは、一般に、文書のデータに比べて情報量が多く、ファイルサイズが大きくなる傾向にある。このため、画質の低下を抑制しつつ画像のデータを圧縮する様々な手法が、提案されている。現在、最も広く用いられている画像のデータの圧縮手法の一つとして、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform:DCT)を用いたブロック符号化法がある。
【0004】
ブロック符号化法では、まず、たとえば縦横8画素ずつ(8×8画素)の大きさの複数のブロックに、画像が分割される。次いで、2次元の直交変換である離散コサイン変換法を用いて、各ブロック内の濃度分布を示す信号の強度が、空間周波数成分であるDCT係数に変換される。続いて、ブロック毎に、DCT係数が量子化され、次いで、たとえばハフマン符号化に代表される可変長符号化を用いて、量子化されたDCT係数に対して符号化コードが割当てられる。
【0005】
画像のデータの圧縮に際しては、元の画像の高周波成分に相当するDCT係数を画像のデータから切捨てて該データを圧縮しても、復号化された該データが表す画像から高周波成分のDCT係数の切捨ての有無を視覚的に判別することは困難である。このような現象を利用して、DCT係数の量子化処理では、高周波成分のDCT係数に対して、低周波成分のDCT係数よりも大きな値で割算を行うことによって量子化し、情報量を削減している。
【0006】
上述のブロック符号化法を用いて符号化された画像のデータは、復号側の機器において、ブロック符号化法とは逆の手順となる復号化処理が施されることによって、元の画像のデータが復元される。すなわち、復号側の機器において、符号化された画像のデータに対して、デコード処理と逆量子化処理と逆直交変換処理とを施すことによって、画像の復号化されたデータが得られる。しかしながら、復号化時に、量子化処理による誤差が大きくなる、すなわち、量子化および逆量子化によって符号化前の画像と復元された元の画像とのDCT係数の違いが大きくなると、符号化済のデータを復号化しても、元の画像の正しい復元が困難になる。つまり、符号化前の元の画像と比較して、復号化されたデータが表す画像が歪んでおり、視覚的に目立ちやすいノイズの発生が見られる。具体的には、たとえばブロックノイズおよびリンギングノイズに代表されるノイズが、復号化されたデータが表す画像内に発生する。ブロックノイズは、画像がブロック状に分割されて見えるようなノイズである。リンギングノイズは、モスキートノイズとも呼ばれ、画像内の輪郭の周囲等に顕れる霧状あるいはリンギング状のノイズである。
【0007】
従来の画像処理装置では、ブロックノイズおよびリンギングノイズに代表されるノイズを復号化されたデータが表す画像内から低減するために、復号化された画像のデータに対して平滑化処理が施される。復号化された画像のデータに生じる歪みの種類およびレベルは、一般的には、多種多様である。このため、復号化された画像のデータの最も大きい歪みに合わせて平滑化処理を行うと、画像のデータにボヤケが生じ、場合によっては平滑化処理後の画像の画質が大きく低下する。また、画像のデータの中間的な歪みに合わせて平滑化処理を行うと、画像のデータに歪みが残り、画質が充分に改善されない。
【0008】
復号化されたデータが表す画像内からノイズを低減するために、以下のような第1の従来技術が提案されている(特許文献1)。第1の従来技術である画像信号復号化方法では、復号化されたデータが表す画像に生じる歪みの種類およびレベルに応じて、平滑化処理を用いて歪みの除去を行う。具体的には、第1の従来技術では、圧縮された画像のデータの復号化の際に、ブロック毎の直交変換係数に基づいて、歪みを判別する変数を複数個作成している。前記複数の変数に基づいて、歪みの有無、歪みのタイプ、および歪みのレベル、すなわち歪みの程度が判別され、さらに、歪みの判別結果に基づいてブロック毎に歪みを除去することによって、ノイズが低減されている。つまり、第1の従来技術では、画像内の各ブロックの歪みの種類および歪みの程度が分析されており、該分析結果に基づいて平滑化処理を行うことによって、復号化された画像のデータの歪みが低減されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−346208号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述した第1の従来技術が用いられる場合、平滑化処理を用いて、復号化されたデータが表す画像内のノイズが低減される。しかしながら、画像処理装置から画像出力装置に画像のデータが渡される際に該画像のデータに施される中間調処理に関して、第1の従来技術は何の考慮もしていない。このため、第1の従来技術を用いて処理された画像のデータを画像出力装置に与えて該画像を顕像化して出力させる場合、出力された画像にボヤケおよびノイズが発生していることがある。つまり、第1の従来技術によって復号化された画像のデータであっても、プリントアウト等の手法で該画像が出力される場合、該画像内の歪みを完全に除去することは困難である。
【0011】
本発明は、画像の圧縮符号化されたデータに対して、復号化処理および中間調処理を施しつつ、復号化されたデータが示す画像からノイズを除去することができる画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、画像処理プログラム、および記録媒体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像を表す圧縮符号化されたデータが与えられ、該圧縮符号化されたデータを復号化する復号処理部と、
復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定するノイズ判定部と、
ノイズ判定部の判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化されたデータに対して施す階調再現処理部とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
本発明に従えば、画像処理装置は、圧縮符号化された画像のデータを復号化する復号処理部と、復号化された画像のデータに中間調処理を施す階調再現処理部との他に、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定するノイズ判定部を含む。中間調処理は、ノイズ判定部の判定結果に基づいて、階調を再現させるだけでなくノイズを低減させるように、適応的に実行されている。これによって、画像処理装置は、画像の復号化されたデータに対して中間調処理を施しつつ、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを、該復号化されたデータから効果的に除去することができる。
【0014】
また本発明の画像処理装置は、前記階調再現処理部が、前記復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、前記中間調処理をブロック毎に施すことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、画像処理装置において、復号化されたデータが表す画像が1以上のブロックに分割され、階調再現処理部でブロック毎に異なる中間調処理が施される。この結果、各ブロックに生じるノイズの種類およびノイズの度合いに応じて、中間調処理に用いるパラメータを適応的に変化させることが可能となる。これによって、画像処理装置は、ブロックの境界でのテクスチャの発生を生じることなく、中間調処理を行うことができる。
【0016】
また本発明の画像処理装置は、前記階調再現処理部が、前記画像の復号化されたデータに対する誤差拡散処理を行うことによって中間調処理を実現するために、
(A)前記画像の復号化されたデータに基づき、該画像を構成する画素毎に、画素値と拡散誤差との和である拡散画素値を求める加算器と、
(B)予め定める量子化閾値に基づいて各画素の拡散画素値を量子化することによって、中間調処理された画像のデータの画素値となるべき量子化値を画素毎に求め、かつ、拡散画素値と量子化値との差である量子化誤差を画素毎にさらに求める量子化処理部と、
(C)予め定める誤差判定閾値に基づいて、量子化誤差を補正する誤差判定部と、
(D)予め定める拡散係数に基づいて、補正された量子化誤差を未処理の画素値に割振るための拡散誤差を算出する拡散係数設定部とを含み、
前記量子化閾値と誤差判定閾値と拡散係数とのうちの少なくとも1つが、前記ノイズ判定部の判定結果に基づいて切換えられることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、画像処理装置において、中間調処理として、前記画像の復号化されたデータに対する誤差拡散処理が行われる。誤差拡散処理で用いられる量子化閾値と誤差判定閾値と拡散係数との3つの定数のうちの少なくとも1つが、ノイズ判定部の判定結果に応じて切換えられる。この結果、画像内のノイズの発生状態に応じて誤差拡散処理を適応的に変化させることが可能になる。つまり、上述の3つの定数のうちの少なくとも1つを切換えるという簡易な手法で、階調を再現するだけでなくノイズを低減させることが可能な誤差拡散処理を行うことができる。これによって、画像処理装置は、ブロックの境界でのテクスチャの発生を生じることなく、復号化されたデータからノイズを除去することが可能な中間調処理を、容易に行うことができる。
【0018】
また本発明の画像処理装置は、ノイズ判定部の判定結果に基づいて、ノイズを低減させるための空間フィルタ処理を、画像の復号化されたデータに対して施す空間フィルタ処理部をさらに含み、
前記階調再現処理部が、空間フィルタ処理を施された画像のデータに対して、中間調処理を施すことを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、画像処理装置において、階調再現処理部の処理に先だって、ノイズを低減させるための空間フィルタ処理が、画像の復号化されたデータに対して施される。この結果、空間フィルタ処理部においてノイズを低減させる処理が行われるだけでなく、階調再現処理部においてもノイズを低減させるように中間調処理が適応的に行われる。これによって、空間フィルタ処理部および階調再現処理部の双方においてノイズが低減されるので、画像処理装置は、復号化されたデータが表す画像からノイズをより効果的に除去することができる。
【0020】
また本発明は、上述の画像処理装置と、
中間調処理が施された画像のデータが与えられ、該画像のデータに基づいて画像を顕像化する画像出力装置とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
本発明に従えば、画像形成装置は、画像処理装置と画像出力装置とを含む。画像処理装置において、復号化されたデータが表す画像のブロック毎のノイズの発生状況に基づいて、画像の復号化されたデータに中間調処理が施されている。この結果、画像出力装置によって画像が顕像化されて出力される際に、出力された画像に生じるボヤケおよびノイズを低減することができる。これによって、画像形成装置は、品質のよい出力画像を提供することが可能になる。
【0022】
また本発明は、画像を表す圧縮符号化されたデータを復号化する処理と、
復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定する処理と、
ノイズの判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化されたデータに対して施す処理とを含むことを特徴とする画像処理方法である。
【0023】
本発明に従えば、画像処理方法では、圧縮符号化された画像のデータの復号化処理と、復号化された画像のデータに中間調処理を施す中間調処理との他に、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定するノイズ判定処理を含む。中間調処理は、ノイズ判定処理の判定結果に基づいて、階調を再現させるだけでなくノイズを低減させるように、適応的に実行されている。これによって、画像処理方法が適用される場合、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを、復号化されたデータから効果的に除去することができる。
【0024】
また本発明は、画像を表す圧縮符号化されたデータを復号化する機能と、
復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定する機能と、
ノイズの判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化されたデータに対して施す機能とを、コンピュータに実現させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【0025】
本発明に従えば、画像処理プログラムは、コンピュータによって実行される。これによってコンピュータは、圧縮符号化された画像のデータの復号化後に、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況を判定し、該ノイズの発生状況に応じた中間調処理を該復号化されたデータに施す。これによって、画像処理プログラムは、汎用的なコンピュータを用いて、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを、復号化されたデータから効果的に除去することができる。
【0026】
また本発明は、上述の画像処理プログラムを記録していることを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0027】
本発明に従えば、記録媒体は、コンピュータが実行すべき画像処理プログラムを記録しており、該画像処理プログラムをコンピュータに読取らせることが可能である。画像処理プログラムは、画像の圧縮符号化されたデータを復号化する機能と、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定する機能と、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を画像の復号化されたデータに対して施す機能とを、コンピュータに実現させる。このような記録媒体を用いれば、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを復号化されたデータから効果的に除去することが可能な画像処理プログラムを、汎用的なコンピュータに容易に供給することが可能になる。これによって、前記画像処理プログラムによって実現される機能の頒布が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置1の全体的な構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像処理装置3と、画像出力装置4とを含む。複数の画素から構成されている画像を表す圧縮符号化されたデータが、外部から画像処理装置3に与えられる。画像処理装置3は、基本的には、与えられた画像の圧縮符号化されたデータに対して各種の処理を施し、処理後の画像のデータを画像出力装置4に与える。画像出力装置4は、画像処理装置3から与えられた処理後の画像のデータに基づき、該画像を顕像化して出力する。
【0029】
図1の画像処理装置3は、画像の圧縮符号化されたデータの復号化に関するものである。概略的には、画像処理装置3は、画像の圧縮符号化されたデータの復号化を行い、かつ該復号化の際に生ずるノイズを検知して、検知結果に応じた適切なノイズ除去処理および中間調処理を該復号化された画像のデータに施す。中間調処理とは、基本的には、画像のデータに基づき、該画像の各画素の階調を再現するため処理である。以後の説明では、圧縮符号化されたデータおよび該データが示す画像を「符号化データ」および「圧縮画像」とそれぞれ略称し、復号化されたデータおよび該データが示す画像を「復号化データ」および「復元画像」と略称することがある。
【0030】
画像処理装置3は、復号処理部6と、ノイズ判定部7と、階調再現処理部8とを最低限含む。画像の符号化データは、復処理部6に与えられる。復処理部6は、画像の符号化データを復号化して、該画像の復号化データを出力する。ノイズ判定部7は、まず、復号化データが表す画像を、複数の画素を含む1以上のブロックに分割する。次いで、ノイズ判定部7は、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定する。階調再現処理部8は、ノイズ判定部7の判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化データに対して施す。階調再現処理部8で処理された画像のデータが、画像処理装置3からの出力データとして、画像出力装置4に与えられる。
【0031】
このように図1の画像処理装置3は、復号処理部6と階調再現処理部8との他に、復元画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定するノイズ判定部7を含む。中間調処理は、ノイズ判定部7の判定結果に基づいて、階調を再現させるだけでなくノイズを低減させるように、適応的に実行されている。これによって、画像処理装置3は、画像の復号化データに対する中間調処理の際に、符号化データの復号化によって生じたノイズを考慮して処理を行っているので、該復号化データから該ノイズを効果的に除去することができる。
【0032】
また、画像処理装置3は、好ましくは、空間フィルタ処理部9をさらに含む。空間フィルタ処理部9は、階調再現処理部8の処理に先だって、ノイズ判定部7の判定結果に基づいて、ノイズを低減させるための空間フィルタ処理を、画像の復号化データに対して施す。代表的な空間フィルタ処理の1つは、平滑化処理である。この結果、空間フィルタ処理部9においてノイズを低減させる処理が行われるだけでなく、階調再現処理部8においてもノイズを低減させるように中間調処理が適応的に行われる。これによって、画像処理装置3は、空間フィルタ処理および中間調処理の双方において復元画像内のノイズを低減させるので、復元画像からノイズをより効果的に除去することができる。
【0033】
さらにまた、画像処理装置3の階調再現処理部8は、好ましくは、画像の復号化データを複数の画素を含む1以上のブロックに相当する部分に分割し、前記中間調処理をブロック毎に施す。この結果、各ブロックに生じるノイズの種類およびノイズの度合いに応じて、中間調処理に用いるパラメータを適応的に変化させることが可能となる。これによって、中間調処理に起因してブロックの境界でテクスチャが発生することが、未然に防止される。
【0034】
また、画像処理装置3内の階調再現処理部8において、中間調処理として、たとえば具体的には、画像の復号化データに対する誤差拡散処理が行われる。誤差拡散処理のために、階調再現処理部8は、加算器11と、量子化処理部12と、拡散係数設定部14とを含み、好ましくは、誤差判定部13をさらに含む。加算器11は、画像の復号化データに基づき、該画像を構成する画素毎に、画素値と拡散誤差との和である拡散画素値を求める。量子化処理部12は、予め設定されている量子化閾値THaに基づいて各画素の拡散画素値を量子化することによって、中間調処理された画像のデータの画素値となるべき量子化値を画素毎に求める。かつ、量子化処理部12は、拡散画素値と量子化値との差である量子化誤差を、画素毎にさらに求める。誤差判定部13は、予め設定された誤差判定閾値THbに基づいて、量子化誤差を補正する。拡散係数設定部14は、予め定める拡散係数THcに基づいて、補正された量子化誤差を未処理の画素値に割振るための拡散誤差を算出する。
【0035】
階調再現処理部8が誤差拡散処理を行う場合、好ましくは、量子化閾値THaと拡散係数THcとのうちの少なくとも1つが、ノイズ判定部7の判定結果に基づいて切換えられる。また誤差判定部13が含まれる場合、好ましくは、量子化閾値THaと誤差判定閾値THbと拡散係数THcとの3つの定数のうちの少なくとも1つが、ノイズ判定部7の判定結果に基づいて切換えられる。これらの結果、復元画像内のノイズの発生状態に応じて誤差拡散処理を適応的に変化させることが可能になる。つまり、上述の3つの定数のうちの少なくとも1つを切換えるという簡易な手法を用いて、階調を再現するだけでなくノイズを低減させることが可能な誤差拡散処理を行うことができる。これによって、画像処理装置3は、ブロックの境界でのテクスチャの発生を生じることなく、復号化されたデータからノイズを除去することが可能な中間調処理を、容易に行うことができる。
【0036】
以上説明したように、図1の画像処理装置3は、画像の符号化データの復号化に際して、ブロックノイズおよびリンギングノイズ等に代表されるノイズを低減させるための処理を行うとともに、画像の復号化データの出力のために該画像の各画素の階調を再現する中間調処理に際しても、ノイズを低減する処理を行っている。これによって、圧縮画像の符号化データの復号化に際してノイズによる歪みが残存した場合にも、中間調処理時に該歪みに起因するテクスチャの発生が低減されているので、出力される画像のデータの画質の低下が防止される。
【0037】
図1の画像形成装置1は、上述の画像処理装置3と画像の顕像化を行う画像出力装置4とを含む。画像の顕像化に先立ち、復元画像のブロック毎のノイズの発生状況に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理が復号化データに施されている。このように中間調処理の際にノイズの除去が考慮されているので、画像が顕像化されて出力される際に、出力された画像に生じるボヤケおよびノイズが低減される。これによって、画像形成装置1は、出力される画像の品質を向上させることが可能になる。
【0038】
画像処理装置3内で画像のデータの表現に用いられる信号形態としては、いわゆるYCbCr信号形態、L信号形態、CMY信号形態、およびCMYK信号形態が挙げられる。YCbCr信号形態では、輝度信号成分Yと2種類の色差信号成分Cr,Cbとの3要素を組合せて色が表現される。CMY信号形態では、シアンとマゼンタと黄(イエロー)との減法混色の3色の要素を組合せて色が表現される。CMYK信号形態は、印刷の分野で多用されており、減法混色の3色に黒を加えた4色の要素を組合せて色が表現される。L信号形態は、いわゆるL色空間を用いている。L色空間は、1976年に国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l’Eclairage)で規格化された表色系の色空間であり、明度Lと色相および彩度をそれぞれ示す2つの色度a,bとの3要素を用いて色を表す。以下の説明では、シアンとマゼンタと黄との3色の組合わせを「CMY」と略称し、シアンとマゼンタと黄と黒(ブラック)との4色の組合わせを「CMYK」と略称する。
【0039】
図2は、図1の画像処理装置3の復元処理部20の機能的構成を示すブロック図である。復号処理部6およびノイズ判定部7は、復元処理部20に含まれる。図3は、図1の画像処理装置3の階調再現処理部8の機能的構成を示すブロック図である。図1の画像処理装置3の詳細な構成を、図1〜図3を参照しつつ、以下に説明する。以下の例では、画像のデータのデータ形式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式が採用されており、JPEG形式の画像のデータの符号化手法として、ハフマン符号化法が採用されている。また、以下の例では、デジタルカメラに代表される画像入力装置から画像処理装置3に、YCbCr信号形態の画像の符号化データが与えられている。
【0040】
復元処理部20は、復号処理部6とノイズ判定部7との他に、好ましくは、パラメータ算出部22および閾値格納部23をさらに含む。復号処理部6は、具体的には、可変長符号復号部25と、逆量子化部26と、逆直交変換部27とを含む。階調再現処理部8は、加算器11と量子化処理部12と誤差判定部13と拡散係数設定部14との他に、好ましくは、量子化閾値格納部31、拡散係数格納部32、誤差格納部33、および濃度判定部34をさらに含む。なお、誤差判定部13は、省略されてもよい。
【0041】
YCbCr信号形態の画像の符号化データは、可変長符号復号部25に与えられる。可変長符号復号部25は、与えられた画像の符号化データを復号化する。可変長符号復号部25の復号化処理によって、画像の符号化データから量子化DCT係数が分離される。逆量子化部26は、量子化DCT係数を逆量子化することによって、DCT係数を復元する。さらに逆直交変換部27は、復元されたDCT係数に対する逆直交変換を行うことによって、該復元されたDCT係数を画素データに変換する。得られた画素データは、復元画像の画素の色と濃度を示しており、図2の例ではYCbCr信号形態のデータになっている。得られた全ての画素データの集合が、YCbCr信号形態の画像の復号化データとして、入力階調補正部41に送信される。またYCbCr信号形態の画像の復号化データ内の輝度信号成分Yだけが、パラメータ算出部22に送信される。
【0042】
パラメータ算出部22は、逆量子化部26で得られた画像の復号化データ内の輝度信号成分Yを用いて、ノイズ判定パラメータを算出する。ノイズ判定パラメータは、復元画像内のノイズの有無を判定するためのパラメータである。判定されるべきノイズは、たとえば、ブロックノイズおよびリンギングノイズである。図2の例でパラメータ算出部22において輝度信号成分Yを用いてノイズの有無が判定されるのは、人間の目が、色差信号成分Cb,Crの変化よりもむしろ輝度信号成分Yの変化に敏感であることに起因する。勿論、ノイズ判定に2種類の色差信号成分Cb,Crのうちの少なくとも一方を用いてもよい。図2の例では、ノイズ判定パラメータとして、後述するように、復元画像内のブロック毎の画素データの分散が求められる。
【0043】
ノイズ判定部7は、パラメータ算出部22で求められたノイズ判定パラメータを予め設定されている判定閾値と比較して、ブロックノイズおよびリンギングノイズに代表されるノイズの発生状況をブロック毎に判定する。判定閾値は、閾値格納部23に予め格納されている。ノイズの発生状況は、たとえば具体的には、以下の第1〜第3状況要素によって規定される。第1状況要素としては、ブロックノイズおよびリンギングノイズの有無が判定される。第2状況要素としては、ブロックノイズが生じている場合のノイズのレベル、すなわち該場合のノイズの程度が判定される。第3状況要素としては、ブロックノイズおよびリンギングノイズのどちらも生じていない場合の平滑化のレベルが判定される。ノイズ判定部7の判定結果は、ノイズ判定信号として出力される。ノイズ判定信号は、階調再現処理部8に備えられている量子化処理部12、誤差判定部13、拡散係数設定部14、および濃度判定部34に与えられる。
【0044】
図1〜図3の例では、階調再現処理部8には、CMYK信号形態の画像の復号化データが与えられる。CMYK信号形態の画像の復号化データにおいて、画素のデータは、CMYKの各色の濃度をそれぞれ示す4種類の画素値の組合せで表される。階調再現処理部8内の各処理部は、たとえば、各画素の4種類の色に対して個別に処理を施す。以下の図3の説明では、任意の1つの被処理画素の任意の1種類の色に対する処理だけを説明する。
【0045】
階調再現処理部8の濃度判定部34は、階調再現処理部8に与えられた画像の復号化データ内の被処理画素の画素データに基づいて、該被処理画素の色の濃度レベルを判定し、量子化を行う際に適切な量子化閾値THaが設定されるように、量子化処理部12に対して濃度判定信号を出力する。加算器11は、濃度判定部34において濃度レベルが判定された被処理画素の画素値に対して、誤差格納部33に格納されている拡散誤差を加算する。この結果、画素値と拡散画素との和である被処理画素の拡散画素値が出力される。
【0046】
量子化処理部12は、与えられた被処理画素の拡散画素値と、量子化閾値格納部31に格納されている予め定める量子化閾値THaとを比較して、該拡散画素値の量子化を行う。これによって、中間調処理された画像のデータの被処理画素の画素値となるべき量子化値が求められる。被処理画素の量子化値は、中間調処理された画像のデータの被処理画素の画素値として、画像処理装置3から出力される。さらに、量子化処理部12は、被処理画素の拡散画素値と該被処理画素の量子化値との差である該被処理画素の量子化誤差を求める。
【0047】
拡散画素値の量子化時には、好ましくは、図2の復元処理部20内のノイズ判定部7から与えられるノイズ判定信号と図3の濃度判定部34から与えられる濃度判定信号とに基づいて、量子化処理部12で被処理画素に対して実際に用いられる量子化閾値THaが適宜切換えられる。このために、量子化閾値格納部31は、複数種類の量子化閾値THaを格納していてもよく、ノイズ判定信号および濃度判定信号に基づいて量子化閾値THaを逐次算出してもよい。
【0048】
拡散係数設定部14は、量子化処理部12で求められた被処理画素の量子化誤差と、拡散係数格納部32に格納されている予め定める拡散係数THcとに基づいて、復元画像内の未処理の画素の画素値に拡散すべき濃度を示す拡散誤差を求める。拡散係数設定部14で求められた拡散誤差は、誤差格納部33に格納される。誤差格納部33に格納された新たな拡散誤差が、加算器11によって、次の新たな画素の画素値と加算される。
【0049】
拡散誤差の算出時には、好ましくは、ノイズ判定部7から与えられるノイズ判定信号に基づいて、拡散係数設定部14で被処理画素に対して実際に用いられる拡散係数THcが適宜切換えられる。このために、拡散係数格納部32は、複数種類の拡散係数THcを格納していてもよく、ノイズ判定信号に基づいて拡散係数THcを逐次算出してもよい。
【0050】
誤差判定部13は、濃度判定部34において画素値を飽和させる処理を行わない状況下において、上述の量子化誤差の補正処理を行う為の処理部である。量子化誤差が補正された場合、拡散係数設定部14は、被処理画素の補正後の量子化誤差と拡散係数THcとに基づいて、拡散誤差を求める。誤差判定部13は、量子化処理部12によって得られた誤差を予め設定されている誤差判定閾値THbと比較し、該誤差の切捨ておよび丸込みのいずれか一方の補正処理を行うか否かを判定する。補正処理を行うと判定された場合、量子化処理部12からの量子化誤差を選択された補正手法で補正して、補正された量子化誤差である判定誤差を拡散係数設定部14に与える。
【0051】
誤差判定部13における補正の有無の判定は、ノイズ判定部7から与えられるノイズ判定信号、および、濃度判定部34から与えられる濃度判定信号に基づいて行われる。たとえば、補正前の量子化誤差の絶対値が20以下ならば、補正後の量子化誤差が0に補正され、補正前の量子化誤差の絶対値が20より大きいならば、補正後の量子化誤差は補正前の値がそのまま用いられる。結果として、誤差判定部13において量子化誤差が補正される状況は、濃度判定部34において画素値を飽和させる処理が行われる状況と同じになる。このため、濃度判定部34において画素値の飽和処理が行われる場合、誤差判定部13が省略されてもよい。以下の説明では、濃度判定部34において画素値の飽和処理が行われるものとして、誤差判定部13については必要に応じて説明する。
【0052】
図3の階調再現処理部8において、濃度判定部34の画素値の飽和処理が行われない場合の詳細な処理手順は、以下のとおりである。最初に、濃度判定部34が、階調再現処理部8に入力された画像のデータ内の任意の1つの画素の画素値に対して、ノイズ判定信号に基づいた濃度判定を行い、濃度判定信号を量子化処理部12に出力する。次いで、前記画素の画素値に対して、誤差格納部33に格納されている該画素に対する拡散誤差が加算器11によって加算され、加算結果が量子化処理部12へ出力される。量子化処理部12は、濃度判定信号およびノイズ判定信号に基づいて、量子化閾値格納部31に格納されている量子化閾値THaを選択し、選択された量子化閾値THaと拡散誤差が加算された画素値とを比較する。量子化処理部12での比較によって算出される量子化誤差が、ノイズ判定信号に基づいて、誤差判定部13において判定され、判定誤差が求められる。最後に、拡散係数設定部14が、判定誤差およびノイズ判定信号に基づいて、拡散係数格納部32から拡散係数THcを選択し、未処理の次の画素に対する拡散誤差を選択された拡散係数THcと前記判定誤差とに基づいて算出し、該拡散誤差を誤差格納部33に格納する。
【0053】
図3の階調再現処理部8において、量子化処理部12において濃度判定信号およびノイズ判定信号に基づいて量子化閾値THaを選択しない場合、すなわち、量子化閾値THaの選択の代わりに誤差判定部13において誤差の切捨てまたは丸込み等の補正を行う場合の詳細な処理手順は、以下のとおりである。最初に、濃度判定部34が、与えられた画像のデータの任意の1つの画素に対して、ノイズ判定信号に基づく濃度判定を行い、濃度判定信号を誤差判定部13に出力する。次いで、前記画素の画素値に対し、誤差格納部33に格納されている該画素に対する拡散誤差を加算器11によって加算し、量子化処理部12へ出力する。量子化処理部12は、予め定められている量子化閾値THaと拡散誤差が加算された画素値とを比較する。量子化処理部12での比較によって算出される量子化誤差が、ノイズ判定信号に基づいて誤差判定部13にて判定され、判定誤差が求められる。最後に、拡散係数設定部14が、前記判定誤差およびノイズ判定信号に基づいて、拡散係数格納部32から拡散係数THcを選択し、未処理の次の画素に対する選択された拡散係数THcと前記判定誤差とに基づいて算出し、該拡散誤差を誤差格納部33に格納する。
【0054】
図4は、図1の画像処理装置3において行われる画像処理を説明するためのフローチャートである。なお図4では、図1の画像処理装置3における画像処理のうち、ノイズ判定処理とノイズ除去処理と階調再現処理とについて詳しく説明しており、他の処理の説明は省略している。
【0055】
画像処理装置3に対して、外部から画像の符号化データが与えられると、ステップS0からステップS1に進む。なお、図4の例では、画像の符号化データが可変長符号で表現されているものとする。まず、ステップS1では、図2に示す可変長符号復号部25が、可変長符号で表現された画像の符号化データを復号化し、量子化DCT係数を分離する。ステップS2では、逆量子化部26が、得られた量子化DCT係数を逆量子化することによって、DCT係数を復元する。ステップS3では、逆直交変換部27が、復元されたDCT係数を逆直交変換することによって、画素データに変換する。得られた全ての画素データの集合が、画像の復号化データとして、入力階調補正部41に送信される。かつ、画像の復号化データ内の輝度信号成分Yだけが、パラメータ算出部22に与えられる。
【0056】
次いで、ステップS4では、パラメータ算出部22が、変換された画像の復号化データの輝度信号成分Yを用いて、ブロックノイズおよびリンギングノイズを含むノイズの有無を判定するためのノイズ判定パラメータを算出する。なお、ブロックノイズは画像の平坦部に発生する傾向にあり、リンギングノイズは、画像のエッジ部に発生する傾向にある。画像のエッジ部とは、画像内に写る像の輪郭の周囲等を指す。このため、ステップS5では、ブロックノイズおよびリンギングノイズの有無を判定するために、ノイズ判定部7が、まず画像の平坦部およびエッジ部のノイズの有無を、ノイズ判定パラメータに基づいて判定する。画像の平坦部にノイズがあると判定された場合、次いで、ステップS6において、ブロックノイズのレベルが求められる。
【0057】
ステップS4〜ステップS6の具体的な手順は、以下のとおりである。図4の例では、たとえば、ノイズ判定パラメータとして、図5(A)に示すような3×3ブロック群を用いて、ブロック単位の画素値の分散が用いられる。3×3ブロック群は、単一の注目ブロックB5と、該注目ブロックの周辺の8つの周辺ブロックB1〜B4,B6〜B9から成る3行3列のブロック群である。3×3ブロック群を構成する任意の1つのブロックは、たとえば図5(B)に示すように、8行8列分の64個の画素P0〜P63から成る。ステップS4〜ステップS6の処理は、復元画像が1以上のブロックに分割された後に、注目ブロックを変更しつつ、3×3ブロック群単位で行われる。
【0058】
まずステップS4では、与えられた輝度信号成分Yに基づいて、図5に示す3×3ブロック群毎に、各ブロックB1〜B9内の全画素P0〜P63の画素値の分散Var(1)〜Var(9)が算出される。任意の単一のブロックBx(x=1〜9)の分散Var(x)は、次式によって表される。次式において、「P(i)」はi番目の画素の画素値の輝度信号成分である。iは0以上63以下の整数であり(i=0〜63)、xは1以上9以下の整数である(x=1〜9)。
【0059】
【数1】
Figure 2004343334
【0060】
次に、ステップS5では、最初に、被処理3×3ブロック群の分散平均値ALLVARが算出される。3×3ブロック群の分散平均値ALLVARは、該3×3ブロック群内の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)の平均値である。分散平均値ALLVARは、次式に示すように、3×3ブロック群内の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)の和ALLSUMを3×3ブロック群内の全ブロックの数で除算したものである。
【0061】
【数2】
Figure 2004343334
【0062】
次いで、ステップS5では、被処理3×3ブロック群の分散平均値ALLVarと、閾値格納部23に予め格納されている第1ノイズ判定閾値TH1とが比較される。分散平均値ALLVarが第1ノイズ判定閾値TH1以下であれば、画像内においてノイズが生じる可能性のある平坦部に被処理3×3ブロック群の注目ブロックB5が位置すると判定して、ステップS5からステップS6に進む。
【0063】
ステップS6では、被処理3×3ブロック群の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)と、閾値格納部23に予め格納されている第2ノイズ判定閾値TH2とが比較される。被処理3×3ブロック群の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)が第2ノイズ判定閾値TH2よりも大きければ、ステップS6からステップS10に進む。被処理3×3ブロック群の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)が第2ノイズ判定閾値TH2以下であれば、ステップS6からステップS11に進む。
【0064】
ステップS6における比較処理は、具体的には、被処理3×3ブロック群の各ブロックの分散Var(1)〜Var(9)を第2ノイズ判定閾値TH2とそれぞれ比較することによって行われる。すなわち、被処理3×3ブロック群の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)が第2ノイズ判定閾値TH2より大きいとは、ブロックの分散Var(1)〜Var(9)の全てが第2ノイズ判定閾値TH2より大きいことを意味する。このように、ステップS6では、全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)と第2ノイズ判定閾値TH2とを比較して、注目ブロックに生じているブロックノイズのレベルを判定している。すなわち、全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)が大きいということは、上記3×3ブロック群に生じているブロックノイズのレベルが高いことを意味する。
【0065】
全ブロックの分散が第2ノイズ判定閾値TH2よりも大きい場合、ステップS10において、第1ブロックノイズ除去フィルタF1を用いる空間フィルタ処理を注目ブロックを構成する各画素に対して施すことによって、平滑化が行われる。第1ブロックノイズ除去フィルタF1は、たとえば図6(A)に示すような、比較的強い効果のあるブロックノイズ除去用のフィルタである。全ブロックの分散が第2ノイズ判定閾値TH2以下である場合、ステップS11において、第2ブロックノイズ除去フィルタF2を用いる空間フィルタ処理を注目ブロックを構成する各画素に対して施すことによって、平滑化が行われる。第2ブロックノイズ除去フィルタF2は、たとえば図6(B)に示すような、比較的弱い効果のあるブロックノイズ除去用のフィルタであり、少なくとも、第1ブロックノイズ除去フィルタF1よりも平滑化効果が弱い。
【0066】
前述のステップS5において、被処理3×3ブロック群の分散平均値ALLVarが第1ノイズ判定閾値TH1より大きい場合、画像内においてリンギングノイズが生じる可能性のあるエッジ部に被処理3×3ブロック群の注目ブロックB5が位置するか否かを判定するために、ステップS5からステップS7に進む。リンギングノイズの有無は、ステップS7およびステップS8で2段階に判定される。
【0067】
ステップS7では、被処理3×3ブロック群の全ブロックのうち、注目ブロックB5を除く8つの周辺ブロックB1〜B4,B6〜B9の分散Var(1)〜Var(4),Var(6)〜Var(9)のうちの少なくとも1つが、第1ノイズ判定閾値TH1未満であるか否かが判定される。さらに、ステップS7では、注目ブロックの分散Var(5)が第1ノイズ判定閾値TH1以上であるか否かが判定される。これらの判定結果に基づき、全周辺ブロックB1〜B4,B6〜B9の分散Var(1)〜Var(4),Var(6)〜Var(9)のうちの少なくとも1つが第1ノイズ判定閾値TH1未満であり、かつ、注目ブロックの分散Var(5)が第1ノイズ判定閾値TH1以上である場合、被処理3×3ブロック群内の注目ブロックB5にリンギングノイズが生じていると判定され、ステップS7からステップS12に進む。周辺ブロックB1〜B4,B6〜B9の分散Var(1)〜Var(4),Var(6)〜Var(9)が全て第1ノイズ判定閾値TH1以上である場合、または注目ブロックの分散Var(5)が第1ノイズ判定閾値TH1未満である場合、すなわちステップS7の条件に該当しない場合、ステップS7からステップS8に進む。
【0068】
ステップS8では、ステップS7の条件とは異なる条件に基づいて、リンギングノイズの有無が再度判定される。具体的には、被処理3×3ブロック群の全ブロックの分散Var(1)〜Var(9)と該被処理3×3ブロック群の分散値の分散VarVarとを用いて次式3に示すリンギングノイズの判定値が算出され、算出された該判定値に基づいてリンギングノイズの有無が判定される。3×3ブロック群の分散値の分散VarVarは、次式4によって算出される。
【0069】
【数3】
Figure 2004343334
【0070】
ステップS8では、式3に基づいて算出されたリンギングノイズの判定値と、閾値格納部23に格納されている第4ノイズ判定閾値TH4とが比較される。第4ノイズ判定閾値TH4は、たとえば、0である。判定値が第4ノイズ判定閾値TH4よりも大であれば、リンギングノイズが生じていると判定されて、ステップS8からステップS12に進む。判定値が第4ノイズ判定閾値TH4よりも小であれば、リンギングノイズは生じていないと判定されて、ステップS8からステップS9に進む。
【0071】
ステップS7またはステップS8からステップS12に進んだ場合、被処理3×3ブロック群の注目ブロックB5にはリンギングノイズが生じている。このため、ステップS12において、たとえば、注目ブロックB5を構成する各画素に対して図6(C)に示すようなリンギングノイズ除去用のフィルタF3を用いる空間フィルタ処理を施すことによって、平滑化が行われる。
【0072】
ステップS9では、ブロックノイズおよびリンギングノイズの双方が生じていない注目ブロックB5に対する平滑化処理に係る判定が行われる。ステップS9では、被処理3×3ブロック群のブロック間の連続性に基づいて、平滑化処理の強度が調整される。具体的には、注目ブロックの分散Var(5)が、予め設定されている第3ノイズ判定閾値TH3以下である場合には、ブロック間の連続性が比較的保たれていると判断され、ステップS9からステップS13に進む。ステップS13では、注目ブロックB5を構成する各画素に対して第1平滑化フィルタF4を用いる空間フィルタ処理を施すことによって、平滑化が行われる。第1平滑化フィルタF4は、たとえば図6(D)に示すような、比較的弱い効果のある平滑化処理用のフィルタである。
【0073】
また、注目ブロックの分散Var(5)が第3ノイズ判定閾値TH3よりも大きいと判定された場合、ブロック間の連続性が比較的失われていると判断され、ステップS9からステップS14に進む。ステップS14では、注目ブロックB5を構成する各画素に対して第2平滑化フィルタF5を用いる空間フィルタ処理を施すことによって、平滑化が行われる。第2平滑化フィルタF5は、たとえば図6(E)に示すような、比較的強い効果のある平滑化処理用のフィルタであり、少なくとも第1平滑化フィルタF4よりも効果が強い。
【0074】
以上説明したように、画像処理装置3は、3×3ブロック群を単位としてブロックノイズおよびリンギングノイズのノイズ判定を行い、ノイズ判定の結果に基づいてノイズの除去処理を行っている。画像処理装置3は、ステップS10〜S14のノイズ除去処理を行った後、各ブロック内の画素に対して中間調処理を施す。すなわち、図4のステップS15〜ステップS18において、ノイズの種類およびノイズのレベルに基づいて誤差拡散処理が行われる。
【0075】
表1は、図4のステップS15〜ステップS18で用いられる量子化閾値THaの具体的な例を示す。ステップS15〜ステップS18および表1の説明では、画素の画素値が256階調で表されると仮定する。たとえば、画素値が256階調で表される場合、低濃度部の画素とは、0以上20以下の画素値を有する画素である。高濃度部の画素とは、236以上255以下の画素値を有する画素である。また中濃度部の画素とは、21以上235以下の画素値を有する画素である。
【0076】
【表1】
Figure 2004343334
【0077】
ステップS10において第1ブロックノイズ除去フィルタF1を用いてブロックノイズが除去された注目ブロックB5は、ステップS10からステップS15に進んで処理される。ステップS15では、ブロックノイズが隣接するブロック間の境界に生じることに着目し、注目ブロックB5内の境界2画素領域AR1内の画素に対して、下記の誤差拡散処理を行う。境界2画素領域AR1は、図7において右上がりの斜線を付して示す領域であり、注目ブロックB5の境界部分に位置する2画素分の領域である。
【0078】
ステップS15の具体的な誤差拡散処理は以下のとおりである。復元画像内において、ステップS10において処理された注目ブロックB5は、隣接するブロックB1〜B4,B6〜B9との間に連続性を有するので、復元画像内の平坦な部分に相当する。このため、まず、誤差拡散処理によって頻繁に画素値が反転しないように、境界2画素領域AR1のうちの低濃度および高濃度の画素に対して、図3に示す濃度判定部34において、以下のような画素値の飽和処理が行われる。具体的には、低濃度部の画素に対しては、画素値が0に飽和させられる。また、高濃度部の画素に対しては、画素値が255に飽和させられる。中間濃度部の画素に対しては、画素値の飽和処理は施されず、元の画素値が保たれる。また、濃度判定部34において画素値を飽和させる代わりに、濃度判定部34の濃度判定信号に基づいて誤差判定部13で誤差の切捨てまたは丸込みが行われてもよい。濃度判定部34における飽和処理後、図3で説明したように、注目ブロックB5の各画素の画素値に対して、誤差格納部33に格納されている拡散誤差が加算される。
【0079】
次いで、ステップS5〜ステップS9において行われたノイズ判定によって得られたノイズ判定信号と、濃度判定部34において行われた濃度判定によって得られた濃度判定信号とに基づいて、量子化処理部12が量子化処理を行う。具体的には、ステップS10において処理された注目ブロックB5は、比較的大きいブロックノイズが発生しているブロックであるので、量子化閾値格納部31に格納された量子化閾値THaのうち、表1の「誤差拡散(1)」に示す量子化閾値THaを用いて量子化が行われる。
【0080】
ステップS15の量子化処理では、濃度判定部34によって被処理画素が低濃度部または高濃度部の画素であると判定された場合、表1に示すように、レベル1の量子化閾値THaとして64を用い、レベル3の量子化閾値THaとして192を用いる。また、濃度判定部34によって被処理画素が中間濃度部の画素であると判定された場合、表1に示すように、レベル1の量子化閾値THaとして180を用い、レベル3の量子化閾値THaとして76を用いる。これによって、中間濃度部の画素では、誤差拡散処理によって画素値を反転させやすくすることが可能になる。このように、ステップS15の量子化処理では、中間濃度部の画素に対しては、誤差拡散処理による信号値の反転を起こりやすくするために、量子化閾値THaを高濃度側で低く、かつ低濃度側で高く設定する。
【0081】
次いで、上述したように、拡散係数設定部14が拡散係数THcを決定する。拡散係数THcは、ノイズ判定信号に基づいて定められる。ブロックノイズが発生する可能性のあるブロックに対しては、図8(A)に示すような第1誤差拡散範囲Dif1の拡散係数THcが設定され、第1誤差拡散範囲Dif1を用いて誤差拡散処理が行われる。
【0082】
なお、上述の例では、低濃度部または高濃度部の画素の画素値を0または255に飽和させる場合について説明したが、誤差判定部13が量子化誤差を0に補正するようにしてもよい。すなわち、濃度判定部34が入力された画素の濃度を判定し、得られた濃度判定結果に基づいて、低濃度部または高濃度部と判定された画素については、誤差判定部13において設定される判定誤差を0に設定してもよい。
【0083】
また、ステップS15の量子化処理では、注目ブロックB5内の境界2画素領域AR1以外の領域の画素に対しては、濃度判定部34における濃度判定を行わずに、誤差拡散処理が行われる。すなわち、注目ブロックB5内の境界2画素領域AR1外の画素の濃度に応じて、量子化閾値THaを変化させて量子化することなく、誤差拡散処理を行えばよい。
【0084】
ステップS11において第2ブロックノイズ除去フィルタF2を用いてブロックノイズが除去された注目ブロックB5は、ステップS11からステップS16に進んで処理される。ステップS16では、ブロックノイズが隣接するブロック間の境界に残りやすいことに着目し、注目ブロックB5内の境界1画素領域AR2内の画素に対して、下記の誤差拡散処理を行う。境界1画素領域AR2は、図7において右下がりの斜線を付して示す領域であり、注目ブロックB5の境界部分に位置する1画素分の領域である。すなわち、ステップS16の処理は、ステップS15で処理対象となった境界2画素領域AR1のうち、注目ブロックの境界側に位置する1画素分の領域に対して行われる。
【0085】
ステップS16の具体的な誤差拡散処理は以下のとおりである。まず、図3に示す濃度判定部34が、ステップS15で行った処理と同様に、濃度判定を行う。すなわち、低濃度部または高濃度部の画素は飽和させられ、中間濃度部の画素に対する飽和処理は行われない。次いで、表1の「誤差拡散(2)」に示す量子化閾値THaを用いて、量子化処理部12が量子化を行う。量子化処理部12は、ステップS15で行った処理と同様に、低濃度部または高濃度部と中間濃度部とで、量子化閾値THaを変化させて量子化を行う。続いて、拡散係数設定部14が、ノイズ判定信号に基づいて、図8(A)に示す第1誤差拡散範囲Dif1の拡散係数THcを設定し、第1誤差拡散範囲Dif1を用いて誤差拡散処理を行う。なお、ステップS16においても、ステップS15で説明したように、濃度判定部34が低濃度部または高濃度部の画素の画素値を飽和させるのではなく、誤差判定部13が量子化誤差を0に設定するようにしてもよい。ステップS16の量子化処理では、注目ブロックB5内の境界1画素領域AR2以外の領域の画素に対しては、濃度判定部34の濃度判定を行わずに、誤差拡散処理が行われる。すなわち、注目ブロックB5内の境界1画素領域AR2外の画素の濃度に応じて、量子化閾値THaを変化させて量子化することなく、誤差拡散処理を行えばよい。
【0086】
ステップS12においてリンギングノイズ除去フィルタF3を用いてブロックノイズが除去された注目ブロックB5は、ステップS12からステップS17に進んで処理される。リンギングノイズは、ブロック内の位置には関係なく、画素濃度のコントラストの高い部分に特に発生しやすいので、ステップS17では、誤差拡散処理による誤差の蓄積によって画素値の反転が頻繁に起こりにくくなるように、処理が行われる。ステップS17では、ブロック内の全画素に対して処理が行われる。
【0087】
ステップS17の具体的な誤差拡散処理は以下のとおりである。まず、濃度判定部34が、ステップS15およびステップS16で行ったように、低濃度部または高濃度部の画素を飽和させ、中間濃度部の画素に対しては飽和処理を行わない。次いで、表1の「誤差拡散(3)」に示す量子化閾値THaを用いて、量子化処理部12が量子化を行う。ステップS17では、ステップS15およびステップS16と異なり、低濃度部と高濃度部と中間濃度部とに関係なく、注目ブロックB5内の全ての画素に対して、相互に同じ量子化閾値THaを用いて量子化が行われる。続いて、拡散係数設定部14が、ノイズ判定信号に基づいて、図8(B)に示す第2誤差拡散範囲Dif2の拡散係数THcを設定し、第2誤差拡散範囲Dif2を用いて誤差拡散処理を行う。第1誤差拡散範囲Dif1のほうが第2誤差拡散範囲Dif2よりも、処理すべき注目画素を中心とした処理範囲が広い。なお、ステップS15およびステップS16において説明したように、ステップS17でも、濃度判定部34が低濃度部または高濃度部の画素の画素値を飽和させるのではなく、誤差判定部13が量子化誤差を0に設定するようにしてもよい。
【0088】
また、ブロックノイズおよびリンギングノイズのいずれも生じていないと判定され、ステップS13およびステップS14において、第1および第2平滑化フィルタF4,F5を用いて平滑化処理された注目ブロックB5は、ステップS13およびステップS14からステップS18に進んで処理される。ステップS18に進んだ注目ブロックB5は歪みの生じていない領域内に位置するので、濃度判定部34の濃度判定を行わず、表1の「誤差拡散(4)」に示す量子化閾値THaを用いて、量子化処理部12が量子化を行う。つまり、量子化処理部12は、低濃度部と高濃度部と中間濃度部に関係なく、注目ブロックB5内の全ての画素に対して相互に同じ量子化閾値THaを用いて量子化を行う。続いて、拡散係数設定部14が、ノイズ判定信号に基づいて、図8(B)に示す第2誤差拡散範囲Dif2の拡散係数THcを設定し、第2誤差拡散範囲Dif2を用いて誤差拡散処理を行う。ステップS18の処理は、ステップS17と同様、注目ブロックB5内の全画素に対して行われる。
【0089】
このように、図4のステップS15〜ステップS18では、ノイズ判定信号に基づいて、ノイズの種類およびノイズのレベルに応じた誤差拡散処理を行うとともに、濃度判定部34で判定された濃度判定信号にも基づいて誤差拡散処理を行っている。これによって、ステップS4〜ステップS14で行われる空間フィルタ処理部9のノイズ除去処理だけではなく、階調再現処理部8で行われる誤差拡散処理に際しても、量子化閾値THaおよび誤差判定閾値THbあるいは拡散係数THcを切換えるという簡易な手法を用いて、ノイズの種類およびノイズのレベルに応じた処理を行うことができる。復元画像内の全ての画素について誤差拡散処理が施された後、ステップS15〜ステップS18からステップS19に進み、図4のフローチャートが完了する。
【0090】
以上説明したように、図1の画像処理装置3は、具体的には、画像の符号化データを復号化することによって得られたデータに対して、ブロック毎の分散を求めることによって、ブロックノイズおよびリンギングノイズに代表されるノイズの発生の有無、該ノイズの種類、およびノイズのレベルを求める。さらに、画像処理装置3では、求められた各ノイズに応じたノイズ除去処理を行い、さらに、該ノイズに応じた適切な中間調処理を行う。これによって、画像処理装置3は、画像の復号化データからノイズを効果的に除去することができる。
【0091】
次に、上述した画像処理方法を実行する画像処理装置3のより詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1の画像処理装置3は、復元処理部20と階調再現処理部8と空間フィルタ処理部9との他に、入力階調補正部41、色空間変換部42、色補正部43、黒生成下色除去部44、出力階調補正部45、および画像記憶部46を含む。画像形成装置1は、画像処理装置3と画像出力装置4との他に、操作パネル48を含む。画像処理装置3と画像出力装置4とを含む画像形成装置1は、たとえば、所謂複合機またはプリンタによって実現される。操作パネル48は、画像形成装置1の利用者によって操作され、操作結果が画像処理装置3および画像出力装置4に与えられ、適宜処理される。
【0092】
画像処理装置3には、各種の画像入力装置で生成された画像のデータが、インターフェイスを介して入力されている。与えられる画像のデータとしては、たとえば、デジタルカメラで撮像された画像の符号化データ、およびコンピュータ上でソフトウェアを用いて動画からキャプチャされた静止画像のデータが挙げられる。画像入力装置と画像処理装置3との間のインターフェイスの規格としては、USB(Universal Serial Bus)およびIEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers:米国電気電子学会)が挙げられる。画像処理装置3に与えられる画像の符号化データは、たとえばJPEGに代表される規格のデータとしてフォーマットされている。
【0093】
画像処理装置3に与えられた画像のデータは、画像処理装置3内において、復元処理部20、入力階調補正部41、空間フィルタ処理部9、色空間変換部42、色補正部43、黒生成下色除去部44、出力階調補正部45、および階調再現処理部8の順で順次送られる。画像処理装置3に与えられた画像のデータは、最初はYCbCr信号形態のデジタルカラー信号であり、最終的に、CMYK信号形態のデジタルカラー信号である画像のデータとして、画像処理装置3から画像出力装置4へ出力される。
【0094】
復元処理部20は、YCbCr信号形態の画像の符号化データを復号化し、逆量子化処理および逆直交変換処理をさらに行うことによって、YCbCr信号形態の画像の符号化データをYCbCr信号形態の該画像の復号化データに変換する。さらに復元処理部20は、得られた復号化データが示す復元画像にブロックノイズおよびリンギングノイズが生じているか否かを判定し、ノイズの発生状況の判定結果をノイズ判定信号として出力する。
【0095】
入力階調補正部41は、復号処理部6で復号化されたYCbCr信号方式の画像の復号化データの画素のデータに対して、トーンスケールの補正処理およびカラーバランスの補正処理を、必要に応じて施す。空間フィルタ処理部9は、入力階調補正部41より入力されるYCbCr信号の画像のデータに対して、ノイズ判定信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによってブロックノイズやリンギングノイズを防ぐように処理するものである。
【0096】
色空間変換部42は、YCbCr信号形態の画像の復号化データの色空間をL表色系の色空間に変換する。色空間変換後のL信号形態の画像の復号化データが、後段の色補正部43に入力される。色補正部43は、与えられたL信号形態の画像の復号化データに対して、画像出力装置4の特性に合わせた色補正を施し、色空間変換後のCMY信号形態の画像の復号化データに変換する。色補正後のCMY信号形態の画像の復号化データが、後段の黒生成下色除去部44に入力される。
【0097】
黒生成下色除去部44は、色補正部43から与えられるCMY信号形態の画像のデータに基づき、黒生成処理と下色除去処理とを行い、CMY信号形態の画像のデータをCMYK信号形態の画像のデータに変換する。黒生成処理は、CMY信号形態の画像のデータに含まれるCMYの3色の色信号から黒信号を生成する処理である。下色除去処理は、CMY信号形態の画像のデータに含まれるCMYの3色の色信号から黒の色信号分を差引いて新たなCMYの色信号を生成する処理である。CMYK信号形態の画像のデータは、画素毎に、黒生成処理で生成された黒の色信号と下色除去処理で生成されたCMYの色信号とを含む。
【0098】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックを用いて黒生成を行なう手法がある。スケルトンブラックを用いる手法では、被処理画素に対する黒生成処理および下色除去処理が同時に行われる。前記手法では、具体的には、被処理画素の色信号が、以下の連立式で示すように変換される。以下の連立式では、スケルトンカーブの入出力特性を「y=f(x)」、入力されるCMY信号形態の画素の各色信号を「C」,「M」,「Y」、出力されるCMYK信号形態の画素の各色信号を「C#」,「M#」,「Y#」,「K#」、UCR(Under Color Removal)率を「α」(0<α<1)と表す。UCR率αは、0より大きく1未満の数値である。
Figure 2004343334
【0099】
出力階調補正部45は、与えられたCMYK信号形態の画像の復号化データに対して、画像出力装置4の階調再現特性に応じた出力階調補正処理を施す。出力階調補正処理は、たとえば、画素毎の色の濃度を示す信号から成る画像のデータを、網点面積率を示す信号からなる画像のデータに変換する処理である。
【0100】
階調再現処理部8は、出力階調補正後のCMYK信号形態の画像の復号化データに対して、いわゆる中間調生成処理である中間調処理を施す。さらに、階調再現処理部8は、CMYK信号形態の画像の復号化データに対して、空間フィルタ処理部9と同様に、ノイズ判定信号に基づく上述の誤差拡散処理を行う。中間調処理は、前記復号化データが表す復元画像を画素に分離して、該画像内の階調がそれぞれ再現されるように、画素の濃度を定める処理である。
【0101】
復元処理部20〜階調再現処理部8までの各処理部20,41,9,42〜45,8における処理が順次施された画像の復号化データは、好ましくは、たとえば、画像記憶部46に一旦記憶され、所定のタイミングで読出されて、画像出力装置4に入力される。画像出力装置4は、与えられた画像の復号化データに基づき、該画像を顕像化する。画像出力装置4は、たとえば、電子写真方式およびインクジェット方式に代表される処理方式を用いる印刷装置によって実現される。印刷装置は、顕像化された該画像を、紙等で実現される記録媒体上に出力する。また画像出力装置4は、記録媒体への印刷装置に限らず、他の形態の画像出力装置4で実現されてもよい。たとえば、画像出力装置4は、表示装置によって実現されてもよい。陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)装置および液晶ディスプレイに代表される表示装置は、顕像化された該画像を、自己が備える画面上に表示させる。この場合、画像処理装置3において、黒生成下色除去部44は不要であるので省略される。
【0102】
図9は、本発明の他の実施の形態である画像形成装置61の構成を示すブロック図である。図1では、復号処理部6とノイズ判定部7と階調再現処理部8とを画像処理装置3が含む構成を説明している。図9の画像形成装置61では、前述の復号処理部6とノイズ判定部7と階調再現処理部8との機能とをコンピュータ63に実現させるための画像処理プログラム64を予め用意し、該画像処理プログラム64を汎用的なコンピュータ63にインストールして実行させることによって、画像処理装置3が実現されている。これによって、コンピュータ63は、画像の符号化データの復号化後に、復元画像内のノイズの発生状況を判定し、該ノイズの発生状況に応じた中間調処理を画像の復号化データに施す。これによって、画像処理プログラム64は、汎用的なコンピュータ63を用いて、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを、復号化されたデータから効果的に除去することができる。
【0103】
図9の構成の画像形成装置61は、具体的には、コンピュータ63が、アプリケーションソフトウエア71、プリンタドライバ72、通信ポートドライバ73、通信ポート74、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)75、および記憶部76を含む。図9の例では、画像処理プログラム64は、アプリケーションソフトウエア71内のプログラムとプリンタドライバ72内のプログラムとに分割されている。通信ポート74は、たとえば、RS232C規格に基づく通信ポート74、またはLAN用の通信ポート74で実現される。アプリケーションソフトウエア71とプリンタドライバ72と通信ポート74ドライバ73とは、たとえば記憶部76に記憶される。中央演算処理装置75が、アプリケーションソフトウエア71とプリンタドライバ72と通信ポート74ドライバ73とに含まれるプログラムを実行する。
【0104】
デジタルカメラで撮像された画像のデータおよび動画からキャプチャされた静止画像のデータに代表される画像の符号化データは、コンピュータ63に与えられる。図9の例では、与えられた画像の符号化データに対して、ノイズ判定処理およびノイズ除去処理がアプリケーションソフトウェアによって実行され、処理が施された復元画像がプリンタから出力される。
【0105】
アプリケーションソフトウエア71のプログラムは、図1の復号処理部6と図1のノイズ判定部7との機能をコンピュータ63に実行させる。好ましくは、アプリケーションソフトウエア71のプログラムは、図1の空間フィルタ処理部9の機能をコンピュータ63にさらに実行させる。これらの結果、コンピュータ63に与えられた画像の符号化データに対して復号化処理が施され、得られた画像の復号化データに対して、復元画像のノイズ判定処理とノイズ除去用の空間フィルタ処理とが、コンピュータ63によって施される。
【0106】
プリンタドライバ72のプログラムは、概略的には、空間フィルタ処理後の画像の復号化データに対するノイズ除去処理を含む中間調処理を、コンピュータ63に実行させる。具体的には、プリンタドライバ72のプログラムを実行するコンピュータ63は、空間フィルタ処理後の画像のデータに対して、図1の色補正部43の処理と図1の黒生成下色除去部44の処理と図1の出力階調補正部45の処理と図1の階調再現処理部8の処理とを施す。プリンタドライバ72のプログラムを実行するコンピュータ63は、さらに、プリンタ言語翻訳部77を実現している。プリンタ言語翻訳部77は、中間調処理後の画像の復号化データをプリンタ言語に変換する。プリンタ言語変換後の画像の復号化データは、通信ポート74ドライバ73および通信ポート74を介して、画像出力装置4であるプリンタに与えられる。
【0107】
また上述の画像処理プログラム64は、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されていることが好ましい。このような記録媒体を用いれば、画像の符号化データの復号化によって生じたノイズを画像の復号化データから効果的に除去することが可能な画像処理プログラム64を、汎用的なコンピュータ63に容易に供給することが可能になる。これによって、前記画像処理プログラム64を記録した記録媒体が持ち運び自在に提供可能になるので、前記画像処理プログラム64によって実現される機能を容易に頒布することができる。
【0108】
本実施の形態では、具体的には、コンピュータ63内の中央演算処理装置75が画像処理プログラム64を実行している。画像処理プログラム64を格納している記録媒体であるプログラムメディアとして、たとえば、コンピュータ63の記憶部76に用いられる不揮発性メモリそのものが用いられてもよい。または、コンピュータ63の記憶部76が外部記憶装置として媒体読取り装置を設けているならば、該媒体読取り装置に着脱自在に挿入可能であって、かつ該媒体読取り装置に挿入することで内部のプログラムをコンピュータ63に読取らせることが可能な記録媒体を、前記プログラムメディアとして用いてもよい。
【0109】
中央演算処理装置75は、記録媒体に格納されている画像処理プログラム64は、たとえば、コンピュータ63内の中央演算処理装置75が該記録媒体に直接アクセスして実行される構成を有する。または、記録媒体に格納されている画像処理プログラム64は、記録媒体から一旦読出され、記憶部76内のプログラム記憶エリアにダウンロードされて、ダウンロードされた該画像処理プログラム64が中央演算処理装置75に実行される構成であってもよい。プログラムメディアが上述の2種類の形態のいずれであっても、画像処理プログラム64の構成は、上述の2種類のどちらでもよい。なお、プログラムのダウンロードのためのプログラムは、コンピュータ63に予め格納されているものとする。
【0110】
画像処理プログラム64を格納している記録媒体であるプログラムメディアは、好ましくは、コンピュータ63本体と分離可能に構成されている。プログラムメディアとして用いられる記録媒体としては、たとえば、テープ系記録媒体、ディスク系記録媒体、カード系記録媒体、およびメモリ系記録媒体が挙げられる。テープ系記録媒体としては、たとえば、磁気テープおよびカセットテープが挙げられる。ディスク系記録媒体としては、たとえば、フロッピー(R)ディスクおよびハードディスク装置に代表される磁気ディスク媒体、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)およびDVD(Digital Video Disc)に代表される光ディスク媒体、ならびに、MO(Magneto−Optic Disc)およびMD(Mini Disc)に代表される光磁気ディスク媒体が挙げられる。カード系記録媒体としては、所謂メモリカードを含むIC(Integrated Circuit)カードおよび光カードが挙げられる。メモリ系記録媒体は、たとえば、不揮発性の半導体メモリが挙げられる。不揮発性の半導体メモリは、たとえば、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、およびフラッシュROMを含む。このように、プログラムメディアに用いられる記録媒体は、固定的にプログラムを担持する媒体であればよい。
【0111】
また上述した画像処理プログラム64は、記録媒体を介してコンピュータ63に与えられる状況に限らず、伝送媒体を介した通信によってコンピュータ63に与えられてもよい。伝送媒体としては、電話回線網の伝送路、LAN(Local Area Network)およびWAN(Wide Area Network)等を用いたコンピュータネットワークの伝送路、およびコンピュータを接続する伝送ケーブル等が挙げられる。これによって、画像処理装置3の実現がより容易になる。具体的には、図9の画像処理装置3がインターネットを含む通信ネットワークに接続可能な構成を有する場合、通信ネットワークから画像処理プログラム64がダウンロードされてもよい。通信ネットワークから画像処理プログラム64がダウンロードされる場合、ダウンロード用のプログラムは、コンピュータ63本体に予め格納しておいてもよく、または別の記録媒体からコンピュータ63に事前にインストールされればよい。
【0112】
以上説明したように、図1および図9の画像処理装置3は、具体的には、圧縮符号化された画像のデータを復号化することによって得られたデータに対して、ブロック毎の分散を求めることによって、ブロックノイズおよびリンギングノイズに代表されるノイズの発生の有無、該ノイズの種類、およびノイズのレベルが求められる。さらに、画像処理装置3では、求められた各ノイズに応じたノイズ除去処理を行い、さらに、該ノイズに応じた適切な中間調処理を行う。
【0113】
第1ならびに第2の実施の形態の画像形成装置1,61および画像処理装置3は、本発明の画像形成装置および画像処理装置3の例示であり、主要な構成および動作が等しければ、他の様々な形で実現することができる。特に画像処理装置3の各構成部品の詳細な構成および動作は、同じ効果が得られるならば、上述の構成および動作に限らず、他の構成および動作によって実現されてもよい。画像処理装置3の処理部は、個別の回路によってそれぞれ実現される構成に限らず、1または複数の処理部の機能を実現するための制御ソフトウェアをコンピュータに実行させることによって、機能的に実現されてもよい。
【0114】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画像処理装置は、圧縮符号化された画像のデータを復号化し、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定して、判定結果に基づいて、階調を再現させるだけでなくノイズを低減させるような中間調処理を該復号化されたデータに施す。これによって、画像処理装置は、中間調処理を行いつつ、画像の復号化されたデータ内のノイズを効果的に除去することができる。
【0115】
また本発明によれば、画像処理装置において、復号化されたデータが表す画像が1以上のブロックに分割され、中間調処理がブロック毎に施される。これによって、画像処理装置は、中間調処理後の画像内のブロックの境界でのテクスチャの発生を防止することができる。さらにまた本発明によれば、画像処理装置において、中間調処理として、画像の復号化されたデータに対する誤差拡散処理が行われる。誤差拡散処理で用いられる量子化閾値と誤差判定閾値と拡散係数との3つの定数のうちの少なくとも1つが、画像内のノイズの発生状況の判定結果に応じて切換えられる。これによって、画像処理装置は、中間調処理後の画像内のブロックの境界でのテクスチャの発生を、容易に防止することができる。
【0116】
また本発明によれば、画像処理装置において、階調再現処理部の処理に先だって、ノイズを低減させるための空間フィルタ処理が、画像の復号化されたデータに対して施される。これによって、画像処理装置は、復号化されたデータが表す画像からノイズをより効果的に除去することができる。
【0117】
さらにまた以上のように本発明によれば、画像形成装置は、画像のブロック毎のノイズの発生状況に基づいて該画像の復号化されたデータに中間調処理を施し、中間調処理が施された画像のデータに基づいて画像を顕像化する。これによって、画像形成装置は、品質のよい出力画像を提供することが可能になる。
【0118】
また以上のように本発明によれば、画像処理方法は、圧縮符号化された画像のデータの復号化処理と、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定するノイズ判定処理とを行い、ノイズ判定処理の判定結果に基づいて、階調を再現させるだけでなくノイズを低減させるような中間調処理を該画像の復号化されたデータに施す。これによって、画像処理方法が適用される場合、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを、復号化されたデータから効果的に除去することができる。
【0119】
さらにまた以上のように本発明によれば、画像処理プログラムは、画像の圧縮符号化されたデータを復号化する機能と、復号化されたデータが表す画像内のノイズの発生状況をブロック単位で判定する機能と、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を画像の復号化されたデータに対して施す機能とを、コンピュータに実現させる。これによって、画像処理プログラムは、汎用的なコンピュータを用いて、圧縮符号化されたデータの復号化によって生じたノイズを、復号化されたデータから効果的に除去することができる。また以上のように本発明によれば、記録媒体は、上述の画像処理プログラムを記録しており、該画像処理プログラムをコンピュータに読取らせることが可能である。これによって、前記画像処理プログラムによって実現される機能の頒布が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である画像形成装置1の全体的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置3の復元処理部20の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像処理装置3の階調再現処理部8の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の画像処理装置3において行われる画像処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1の画像処理装置のノイズ判定部7において行われるノイズ判定処理で用いられる3×3ブロック群の構成を示す模式図である。
【図6】図1の画像処理装置の空間フィルタ処理部9で用いられるフィルタの構成を示す模式図である。
【図7】図1の画像処理装置の階調再現処理部8において行われる誤差拡散処理で処理対象となる領域を示す模式図である。
【図8】図1の画像処理装置の階調再現処理部8において行われる誤差拡散処理で用いられる誤差拡散範囲を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の他の形態である画像形成装置61の全体的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,61 画像形成装置
3 画像処理装置
4 画像出力装置
6 復号処理部
7 ノイズ判定部
8 階調再現処理部
9 空間フィルタ処理部
11 加算器
12 量子化処理部
13 誤差判定部
14 拡散係数設定部
63 コンピュータ
64 画像処理プログラム
THa 量子化閾値
THb 誤差判定閾値
THc 拡散係数
B5 注目ブロック
B1〜B4,B6〜B9 周辺ブロック

Claims (8)

  1. 画像を表す圧縮符号化されたデータが与えられ、該圧縮符号化されたデータを復号化する復号処理部と、
    復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定するノイズ判定部と、
    ノイズ判定部の判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化されたデータに対して施す階調再現処理部とを含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記階調再現処理部が、前記復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、前記中間調処理をブロック毎に施すことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記階調再現処理部が、前記画像の復号化されたデータに対する誤差拡散処理を行うことによって中間調処理を実現するために、
    (A)前記画像の復号化されたデータに基づき、該画像を構成する画素毎に、画素値と拡散誤差との和である拡散画素値を求める加算器と、
    (B)予め定める量子化閾値に基づいて各画素の拡散画素値を量子化することによって、中間調処理された画像のデータの画素値となるべき量子化値を画素毎に求め、かつ、拡散画素値と量子化値との差である量子化誤差を画素毎にさらに求める量子化処理部と、
    (C)予め定める誤差判定閾値に基づいて、量子化誤差を補正する誤差判定部と、
    (D)予め定める拡散係数に基づいて、補正された量子化誤差を未処理の画素値に割振るための拡散誤差を算出する拡散係数設定部とを含み、
    前記量子化閾値と誤差判定閾値と拡散係数とのうちの少なくとも1つが、前記ノイズ判定部の判定結果に基づいて切換えられることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  4. ノイズ判定部の判定結果に基づいて、ノイズを低減させるための空間フィルタ処理を、画像の復号化されたデータに対して施す空間フィルタ処理部をさらに含み、
    前記階調再現処理部が、空間フィルタ処理を施された画像のデータに対して、中間調処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項記載の画像処理装置。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項記載の画像処理装置と、
    中間調処理が施された画像のデータが与えられ、該画像のデータに基づいて画像を顕像化する画像出力装置とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  6. 画像を表す圧縮符号化されたデータを復号化する処理と、
    復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定する処理と、
    ノイズの判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化されたデータに対して施す処理とを含むことを特徴とする画像処理方法。
  7. 画像を表す圧縮符号化されたデータを復号化する機能と、
    復号化されたデータが表す画像を複数の画素を含む1以上のブロックに分割し、ブロック内にノイズが生じているか否かをブロック毎に判定し、かつ、ノイズが生じているブロックに関しては、該ノイズの種類および該ノイズの発生度合いを判定する機能と、
    ノイズの判定結果に基づいて、階調を再現させつつノイズを低減させるための中間調処理を、画像の復号化されたデータに対して施す機能とを、コンピュータに実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
  8. 請求項7記載の画像処理プログラムを記録していることを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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