JP2004342629A - 垂直共振器型面発光半導体レーザ装置、およびそれを用いた光論理演算装置、波長変換装置、光パルス波形整形装置、ならびに光伝送システム - Google Patents

垂直共振器型面発光半導体レーザ装置、およびそれを用いた光論理演算装置、波長変換装置、光パルス波形整形装置、ならびに光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ出力光を1本の光入力のみで変調することが可能な変調機能を有する垂直共振型面発光半導体レーザ装置およびそれを用いた光論理演算装置、波長変換装置、光パルス波形整形装置、ならびに光伝送システムの提供。
【解決手段】基板601上に、活性層605を含む共振器603と、共振器603の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡602,608と、活性層605の光を吸収する光吸収層604を含む垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の出力光強度を変調する光変調に関する。外部から入力光を入射した場合に、光吸収層604の吸収飽和により共振器損失が低下して閾電流が低下することで出力光強度が増加し、外部からの入力光を遮断した場合に、光吸収層604による共振器損失が増加して閾電流が増加することで出力光強度が低下するという作用を利用して光変調を実現している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変調機能を有する垂直共振型面発光半導体レーザ装置およびそれを用いた光論理演算装置、波長変換装置、光パルス波形整形装置、ならびに光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
基板と垂直方向にレーザ光を出射する垂直共振器型面発光半導体レーザ装置は、消費電力が低い、2次元アレイ化が可能である等の特徴から、光通信や光情報処理の機能デバイスとして期待されている。
【0003】
垂直共振器型面発光半導体レーザ装置内に、可飽和吸収領域を設けることにより、双安定動作を行う装置として、特公平7−112087号公報(特許文献1)、特開平8−18146号公報(特許文献2)、特公平6−29625号公報(特許文献3)が提案されている。
【0004】
上記の双安定垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、活性層の注入電流に対するレーザ光出力のヒステリシス特性、および、可飽和吸収領域への光入力に対するレーザ光出力のヒステリシス特性を用いて双安定動作を実現している。
【0005】
そのため、可飽和吸収領域へ光を入力すると、光入力を切っても光出力はオン状態が維持される。光出力をオフにするためには、活性層の注入電流を下げるか、可飽和吸収領域に印加する逆バイアス電界を増加して吸収を増加させてやる必要がある。
【0006】
また、特公平6−29625号公報(特許文献3)においては、可飽和吸収領域に対して外部注入光を結合させるために、光導波路構造を設けている。これにより、可飽和吸収領域に対する外部注入光の結合効率を高くして、より小さい光入力強度で光スイッチ動作を実現している。
【0007】
また、特公平6−29625号公報(特許文献3)においては、活性層に別な外部注入光を入射することで、活性層の利得クエンチングにより双安定レーザを非発振状態に遷移させている。
【0008】
垂直共振器型面発光半導体レーザ装置に、可飽和吸収領域を設けた別な従来例として、特開平6−302916号公報(特許文献4)、特開平9―107148号公報(特許文献5)が提案されている。これは、可飽和吸収領域が垂直共振器型面発光半導体レーザ自身の光によって吸収飽和する現象を用いた自励発振型の半導体レーザとなっている。
【0009】
さらに、特開平5−152674号公報(特許文献6)においては、電界吸収により光吸収率を変化させる外部変調器を垂直共振器型面発光レーザ装置に集積した構造が提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特公平7−112087号公報
【特許文献2】
特開平8−18146号公報
【特許文献3】
特公平6−29625号公報
【特許文献4】
特開平6−302916号公報
【特許文献5】
特開平9―107148号公報
【特許文献6】
特開平5−152674号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特公平7−112087号公報(特許文献1)、特開平8−18146号公報(特許文献2)に示された双安定垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、可飽和吸収領域へ光入力を入力すると、光入力を切っても光出力はオン状態が維持される。光出力をオフにするためには、活性層の注入電流を下げるか、可飽和吸収領域に印加する逆バイアス電界を増加して吸収を増加させてやる必要がある。そのため、光入力のみで出力光のオン、オフを行うことができない。
【0012】
また、特公平6−29625号公報(特許文献3)においては、光出力をオンにする外部注入光とは別に、活性層に外部注入光を入射することで、双安定レーザ装置を非発振状態に遷移させている。そのため、制御光が2つ必要となってしまう。
【0013】
また、特開平6−302916号公報(特許文献4)、特開平9―107148号公報(特許文献5)に示された自励発振垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、パルス光にデータ信号を自励発振の周波数でそのまま乗せることはできない。
【0014】
また、特開平5−152674号公報(特許文献6)に示された外部変調器を集積した垂直共振器型面発光レーザにおいても、光強度の変調を変調器に印加する電界強度で行っており、全光型のスイッチ動作は実現できない。
【0015】
そこで、本発明の各請求項は、次の目的を有する。
請求項1の目的は、レーザ出力光を1本の光入力のみで変調することが可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を提供することにある。
【0016】
また、請求項2および3の目的は、上記の変調原理を用いて、より低出力の入力光で光強度を変調させる垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を提供することにある。
【0017】
また、請求項4から13に記載の発明においては、上記装置を用いて高性能の光信号処理装置(垂直共振型面発光半導体レーザ装置、それを用いた光論理演算装置、波長変換装置、光パルス波形整形装置、ならびに光伝送システム)を実現することを目的としている。
【0018】
【発明を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成を採用した。以下、請求項毎の特徴を述べる。
【0019】
a)請求項1記載の発明は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含む垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、外部から入力光が入射された場合に、光吸収層の吸収飽和により共振器損失が低下して閾電流が低下することで出力光強度が増加し、外部からの入力光が遮断された場合に、光吸収層による共振器損失が増加して閾電流が増加することで出力光強度が低下することにより光変調が行われることを特徴としている。
【0020】
b)請求項2記載の発明は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、外部からの入力光強度によって出力光強度を変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、分布ブラッグ反射鏡の高反射帯域中に、複数の共振器モードが形成されるように共振器の長さが形成され、複数の共振器モードのうちの一つがレーザ発振波長であり、別の共振器モードが入力光波長と一致することを特徴としている。
【0021】
c)請求項3記載の発明は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、外部からの入力光強度によって出力光強度を変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、分布ブラッグ反射鏡を通らずに光吸収層に入力光を入射する窓部が形成されたことを特徴としている。
【0022】
d)請求項4記載の発明は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する面型垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調することを特徴としている。
【0023】
e)請求項5記載の発明は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、前記基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する面型半導体発光装置と、電界吸収型光変調器とを、前記基板と垂直方向にモノリシック集積し、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調可能としたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置である。
【0024】
f)請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、出力光波長を掃引する機構を有することを特徴としている。
【0025】
g)請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層の光吸収にサブバンド間吸収を用いたことを特徴としている。
【0026】
h)請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層および/または活性層の材料として、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を用いたことを特徴としている。
【0027】
i)請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする光論理演算装置である。
【0028】
j)請求項10記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする波長変換装置である。
【0029】
k)請求項11記載の発明は、請求項10記載の波長変換装置において、波長0.85μm帯の光信号と波長1.3μm帯の光信号とを変換することを特徴としている。
【0030】
l)請求項12記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする光パルス波形整形装置である。
【0031】
m)請求項13記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置、請求項9記載の光論理演算装置、請求項10または11記載の波長変換装置、あるいは請求項12記載の光パルス波形整形装置を用いたことを特徴とする光伝送システムである。
【0032】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施形態(請求項1)
本発明の第1の実施形態は、図1に記載されているような、基板601上に、活性層605を含む共振器603と、共振器603の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡602,608と、活性層605の光を吸収する光吸収層604を含む垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の出力光強度を変調する光変調方式に関するものである。
【0033】
ここでは図1に示した構造を用いて説明するが、ここで説明する光変調方式は、後述する図10,図11,図12,図13,図14,図16,図17,図19に示した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の構造においても適用できる。
【0034】
本発明は、例えば図1に示すような光吸収層604構造を有する構造を採用することにより、外部から入力光を入射した場合に、この光吸収層604の吸収飽和により共振器損失が低下して閾電流が低下することで出力光強度が増加し、外部からの入力光を遮断した場合に、光吸収層604による共振器損失が増加して閾電流が増加することで出力光強度が低下するという作用を利用して光変調を実現している。より詳細な説明は、後述する実施例1を参照されたい。
【0035】
図2は、光変調動作を説明する図であり、活性層605に対する注入電流(Iop)と光出力の関係を示している。
【0036】
図1のように、垂直共振器型面発光半導体レーザ素子内に活性層605の光を吸収する光吸収層604を設けることで、図2のBに示すように、光吸収損失が増加し、光吸収層が設けられていない場合に比べて半導体レーザの閾電流が増加する。
【0037】
ここで、光吸収層604で吸収される波長の光を外部から注入してやると、光吸収層604で外部注入光の吸収が発生する。吸収された光により光吸収層604内でキャリアが発生するため、外部注入光強度を強くしていくと、光吸収層604の吸収飽和が生じる。これにより、光吸収層604の吸収係数が低減されるため、活性層605で発生した光に対する光吸収損失が低減される。
【0038】
これにより、半導体レーザの閾電流は、外部から光を注入していないときよりも低下する。従って、活性層605に対する注入電流(Iop)を一定にしておくと、外部から光を注入することで、図2のAに示すように、光を注入しない場合に比べて出力されるレーザ光強度が増加する。
【0039】
そして、再び外部注入光を切ると、光吸収層内で光励起されたキャリアが減少し、活性層の光に対する吸収が増加する。従って、図2のBに示すように、半導体レーザの閾電流が増加して光出力が減少する。
【0040】
特に、動作電流Iopを、外部から入力光があった場合にはレーザ発振し、外部から入力光がない場合にはレーザ発振しないように設定することで、出力光強度の差が大きくなる。従って、変調のS/N比を大きくすることができる。
【0041】
以上の動作により、外部から入力する光信号をオン/オフすることによって、垂直共振器型面発光半導体レーザから出力されるレーザ光強度を制御して変調することが可能となる。
【0042】
以上の方式においては、特許文献1,特許文献2,特許文献6に示された方式とは異なり、垂直共振器型面発光半導体レーザから出力されるレーザ光強度を電気的にではなく光信号で変調することが可能である。
【0043】
また、特許文献3に示された方式とは異なり、1本の制御光のみで、出力光強度を変調することができるため、システム構成が簡略化される。
【0044】
なお上述したように、本方式では、注入電流−光出力あるいは光入力−光出力のヒステリシス特性を用いていない(図2参照)。注入電流−光出力特性のヒステリシスは、光吸収層の吸収飽和が活性層で発生した光自身で生じるために表れる。本方式では、光吸収層の吸収飽和は、活性層で発生した光に対しては十分小さく、外部注入光に対しては大きくなるような範囲で動作させている。
【0045】
ヒステリシス特性を利用する双安定レーザでは、外部注入光をオフにしてもレーザ発振状態が維持されるため、出力光強度は強いままである。一方、本方式では、図2のBに示されているように、外部注入光をオフにしたときに、出力光強度は外部注入光を入力したときよりも低下するため、出力光強度を変調することができる。この点において、双安定レーザと動作が異なっている。
【0046】
また、光吸収層の位置を、活性層に対して電流を注入する経路の外側に設けることによって、光吸収層の吸収係数の変化が活性層内のキャリア密度に対して依存しなくしている。そのため、特許文献5に示されるような自励発振を抑制することができる。
【0047】
光吸収層に対しては、逆バイアス電界を印加することも可能である。これにより、外部注入光をオフにしたときに、光吸収層内に残った励起キャリアを速やかに排出することができるため、スイッチオフ時間をより短くすることができる。
【0048】
また、外部から注入される光は、バイアス光と制御光の2本にすることも可能である。即ち、バイアス光のみでは光吸収層の吸収飽和が生じず、バイアス光と制御光が合わさった場合にのみ吸収飽和が生じるようにバイアス光と制御光の光強度を調整する。この場合、バイアス光はCW光でよいため、、垂直共振器型面発光半導体レーザから出力されるレーザ光強度を変調する信号は、制御光1本のみである。
【0049】
上記、光吸収層としては、バルク半導体層以外に、量子井戸構造や超格子構造を用いることが可能である。
【0050】
また、光吸収層は、共振器構造内、下部分布ブラッグ反射鏡内、上部分布ブラッグ反射鏡内、あるいは分布ブラッグ反射鏡の外部に設けることができる。
光吸収層を共振器構造内に設けた場合には、光吸収層を活性層に近接させることができるため、効率よく活性層の光を吸収させることができる。
【0051】
一方、自励発振を抑制するために、光吸収層は活性層に対する電流注入経路の外側に設ける必要がある。光吸収層を分布ブラッグ反射鏡内に設けた場合には、活性層に電流を注入する電極コンタクト層を共振器内ではなく、活性層から離れた分布ブラッグ反射鏡内に設けることができる。そのため、素子抵抗の増加を抑制することができる。
【0052】
光吸収層を上部または下部分布ブラッグ反射鏡内に設ける場合、好ましくは光吸収層を活性層側から5周期以内の分布ブラッグ反射鏡に設けることが望ましい。5周期よりも外側では、素子内の光の定在波分布のピーク強度が大きく減衰するため、光吸収層により活性層で発生した光を吸収する効率が低下してしまうためである。
【0053】
また、光吸収層の位置を、垂直共振器型面発光半導体レーザ素子内の光定在波分布における腹の位置に設けることで、光吸収層による光吸収効率を向上させることができる。
【0054】
(2)第2の実施形態(請求項2)
本発明の第2の実施形態においては、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、外部からの入力光強度によって出力光強度を変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、分布ブラッグ反射鏡の高反射帯域中に、複数の共振器モードが形成されるように共振器の長さが形成されており、複数の共振器モードのうちのひとつがレーザ発振波長であり、別の共振器モードが入力光波長と一致することを特徴としている。
【0055】
第2の実施形態の装置は、第1の実施形態に示した光変調方式を用いることが可能となっている。
【0056】
第2の実施形態の装置においては、図3に示すように、分布ブラッグ反射鏡の高反射帯域中に、複数の共振器モード(λ1、λ2、λ3)が形成されるように共振器の長さが形成されている。
【0057】
例えば、1.3μm帯において、GaAs/AlAs材料系で分布ブラッグ反射鏡を形成した場合に、共振器の光学波長はが6λ以上になると、高反射帯域中に、複数の共振器モードが形成される。共振器モードのひとつと、活性層の利得波長をほぼ一致させることで、垂直共振器型面発光半導体レーザの出力光波長を決定することができる。
【0058】
また、複数の共振器モードのうちで、発振波長とは別の共振器モードを入力光波長と一致させる。これにより、垂直共振器型面発光型半導体レーザ素子に入力された光は、分布ブラッグ反射鏡を通過して、共振器構造内や、上部または下部分布ブラッグ反射鏡内に設けられた光吸収層まで侵入することができるため、光吸収層と外部入力光との結合効率を向上させることができる。従って、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。
【0059】
また、入力光波長と出力光波長が異なるため、素子の一方の面から光を入出力する反射型で使用する場合に、入力光と出力光との区別が容易となる。
なお、本実施例の素子は、反射型だけではなく、ウエハの一方の面から入力し、他方の面から出力される透過型で使用することも可能である。
【0060】
(3)第3の実施形態(請求項3)
本発明の第3の実施形態においては、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、外部からの入力光強度によって出力光強度を変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、分布ブラッグ反射鏡を通らずに光吸収層に入力光を入射する窓部が形成されたことを特徴としている。
【0061】
第3の実施形態では、分布ブラッグ反射鏡を通らずに光吸収層に入力光を入射する窓部が形成されたことで、垂直共振器型面発光型半導体レーザ素子に入力された光は、分布ブラッグ反射鏡で反射を受けることがなく、共振器構造内や、上部または下部分布ブラッグ反射鏡内に設けられた光吸収層まで侵入することができる。そのため、光吸収層と外部入力光との結合効率を向上させることができる。従って、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。
【0062】
また、入力光波長として共振器モードに一致した波長に限定する必要がなくなる。そのため、入力光の波長範囲が大きくとれるため、システム構成の制限が小さくなる。また、入力光の波長変動に対しても安定に動作させることができる。
【0063】
特許文献3においては、可飽和吸収領域に対して外部注入光を結合させるために、光導波路構造を設けている。一方、本方式では、導波路で結合させずに基板に垂直方向から入力光を入射させることができる。従って、作製工程が簡略化でき、また素子の集積密度を増加させることができる。
【0064】
なお、光吸収層の吸収飽和は、活性層の発振領域に対応した部分で発生させる必要がある。従って、入力光を入射する窓部は、面内方向で、活性層の発振領域に対して、キャリアの拡散長以内の距離になるように位置することが望ましい。
【0065】
(4)第4の実施形態(請求項4)
本発明の第4の実施形態は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する垂直共振器型面発光半導体レーザ素子において、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調することを特徴としている。
【0066】
第4の実施形態では、垂直共振器型面発光半導体レーザ素子内に、活性層の光を吸収する光吸収層を面内でパターニングして設けている。例えば、発光領域の同心円状の中心部には光吸収層がなく、周辺部にのみ光吸収層が設けられている。そのため、外部入力光がない場合には、発振領域の周辺部で光吸収損失が増加するため、基本横モードで発振しやすくなる。
【0067】
そして、外部から光吸収層で吸収される波長の光を注入してやると、周辺部の光吸収層で吸収飽和が生じることにより、光吸収層の吸収損失が低減される。これにより、横モードが高次モードで発振しやすくなる。活性層の注入電流値を、外部入力光がない場合には基本横モードで発振し、外部入力光を入れた場合には高次横モードで発振するように設定することにより、外部入力光でレーザ発振光の横モードを変調することが可能となる。
【0068】
垂直共振器型面発光レーザ素子は、横モードによって出力される光の放射分布が異なる。従って、基板にほぼ垂直方向の光を選択的に取りこむようにすることで、基本横モードのときは光強度が強く、高次横モードのときには光強度が低下するため、光強度の変調も可能となる(図4参照)。
【0069】
また、図5に示すように、垂直共振器型面発光レーザ素子から出力される光を、基板と垂直方向と、斜め方向から同時に検出することにより、図6に示すように、外部入力信号に応じて出力信号を、通常信号と反転信号の2種類を取り出すことも可能である。
【0070】
また、別な応用として、信号を垂直共振器型面発光レーザ素子の活性層に注入する電気信号として入力し、出力されるレーザ光を基板と垂直方向と、斜め方向から同時に検出することにより、図7に示すように、外部入力光によって、出力信号の経路を変えることができる。
【0071】
これにより1系列の光信号(入力光)を2系列の出力光1,2に分離する光分岐動作が可能となる。また、電界吸収型光変調器と本実施形態の発光装置とを集積して構成することもできる。
【0072】
(5)第5の実施形態(請求項5)
本発明の第5の実施形態は、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、前記基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する面型半導体発光装置と、電界吸収型光変調器とを、前記基板と垂直方向にモノリシック集積し、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調可能としたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置である。
【0073】
電界吸収型光変調器においてバイアスを印加しない場合には、活性層で発光する光に対して透明となっている。そのため、面発光半導体レーザの閾電流は低いままである。
【0074】
一方、電界吸収型光変調器に逆方向バイアスを印加すると、光吸収係数が増加するため、面発光半導体レーザの閾電流は増加する。従って、活性層に対する注入電流を一定にしておき、電界吸収型光変調器に印加する電界を変調することにより、レーザ光出力強度を変調することが可能となる。
【0075】
半導体光変調器に電界を印加して変調する方式は、活性層に注入する電流値を直接変調する場合に比べて、変調周波数を増大させることができる。従って、面発光半導体レーザ装置を、10〜50GHzと高い変調周波数で変調することが可能である。
【0076】
さらに、第5の実施形態では、第4の実施形態と同様に、垂直共振器型面発光半導体レーザ素子内に、活性層の光を吸収する光吸収層を面内でパターニングして設けている。例えば、発光領域の同心円状の中心部には光吸収層がなく、周辺部にのみ光吸収層が設けられている。そのため、外部入力光がない場合には、発振領域の周辺部で光吸収損失が増加するため、基本横モードで発振しやすくなる。
【0077】
そして、外部から光吸収層で吸収される波長の光を注入してやると、周辺部の光吸収層で吸収飽和が生じることにより、光吸収層の吸収損失が低減される。これにより、横モードが高次モードで発振しやすくなる。活性層の注入電流値を、外部入力光がない場合には基本横モードで発振し、外部入力光を入れた場合には高次横モードで発振するように設定することにより、外部入力光でレーザ発振光の横モードを変調することが可能となる。
【0078】
本発光装置では、活性層に注入する電流値を一定にしておき、信号を電界吸収型光変調器に印加する電界として入力し、出力されるレーザ光を基板と垂直方向と、斜め方向から同時に検出することにより、外部入力光によって、出力信号の経路を変えることができる。これにより、例えば10〜50GHzと高い変調周波数のシリアル光信号を、2系列に分離する光分岐動作を実現することができる。
【0079】
(6)第6の実施形態(請求項6)
本発明の第6の実施形態は、第1から第5の実施形態に記載した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、出力光波長を掃引する機構を有することを特徴としている。
【0080】
垂直共振器型面発光半導体レーザ素子の発振波長を変える機構としては、共振器内に屈折率変調層を設ける方法がある。屈折率変調層は、バルク材料または超格子材料で構成されており、発振波長に対して透明となっている。屈折率変調層に電界を印加したり、電流を注入することによって屈折率を変化させることができる。これにより、共振器の光学長が変化して共振波長を変化させることが可能である。
【0081】
また、共振器中や、共振器と反射鏡の間や、反射鏡中にギャップを設けて、その間隔を変化させることで発振波長を変えることも可能である。
【0082】
本発明の第1から第5の実施形態に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、入力光波長範囲を広くとることが可能である。しかし、出力光波長については、素子によって1つの波長しか出力することができなかった。
【0083】
しかしながら、第6の実施形態では、出力光波長も変えることが可能である。
即ち、同一の素子で、波長λ1、λ2、・・・、というように出力光波長を選択して出射することができる。そのため、波長λ1の光が入力した場合にλ2に波長変換して出力するだけでなく、波長λ2の光が入力した場合にλ1に変換して出力することができる。
【0084】
後述する第10の実施形態では、λ1からλ2に波長変換する素子と、λ2からλ1に波長変換する素子とは、構造が異なる別の素子を用いる必要がある。しかしながら、本実施形態では、同一の素子で、λ1とλ2の光信号を相互に変換することが可能である。
【0085】
また、本素子をモノリシックアレイ化することで、異なる波長を出力できる小型の波長変換スイッチを容易に構成することができる。
【0086】
(7)第7の実施形態(請求項7)
本発明の第7の実施形態においては、第1から第6の実施形態に記載した垂直共振器型面発光半導体レーザ素子において、光吸収層の光吸収にサブバンド間吸収を用いたことを特徴としている。
【0087】
サブバンド間吸収は、通常の伝導帯と価電子帯とのバンド間遷移による吸収とは異なり、量子井戸構造における伝導帯(または価電子帯)内の量子準位間での遷移によって生じる吸収である。サブバンド間吸収はキャリアの緩和時間がバンド間遷移よりも速いため、光吸収層の光吸収にサブバンド間吸収を用いた場合に、吸収飽和からの回復時間を短くすることができる。従って、より高速に光変調を行うことができる。
【0088】
(8)第8の実施形態(請求項8)
本発明の第8の実施形態においては、第1から第7の実施形態に記載した垂直共振器型面発光半導体レーザ素子において、光吸収層および/または活性層の材料として、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を用いたことを特徴としている。
【0089】
窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体は窒素系V族混晶半導体として知られている。III族元素としてGa,In,Alのいずれかまたは複数の元素を含み、V族元素として窒素(N)の他にAs,P,Sbのいずれかまたは複数の元素を含む混晶半導体である。
【0090】
GaNAs、GaNAsSb、GaInNAs、GaInNAsSb、GaInNAsP、GaInNAsPSb等はGaAs基板上にエピタキシャル成長することが可能である。そして、窒素組成が小さい範囲において、窒素を含まない元の結晶に比べてエネルギーバンドギャップが小さくなるという特性を有している。これにより、GaAs基板上に、1.2μm〜1.6μmの長波長帯の活性層、あるいは光吸収層を形成することができる。従って、光通信で用いられている波長に適した垂直共振器型面発光半導体レーザ素子を構成することができる。
【0091】
そして、GaAs基板を用いることで、AlGaAs材料系から構成された高性能の分布ブラッグ反射鏡を用いることができる。そのため、本発明の構成の基本となる垂直共振器型面発光レーザの特性が高くなる。
【0092】
また、窒素は他のV族元素であるAsやPとの非混和性が強いことが知られている。従って、光吸収層において窒素組成を高くすることにより、非発光再結合中心が増加してキャリア寿命を短くすることができる。従って、光吸収層に高濃度ドーピングした効果と同様に、キャリア緩和時間を短くすることができ、より高速で光を変調させることが可能となる。
【0093】
また、V族元素としてAsまたはPを主たる元素とする半導体に対して、窒素を少ない組成で添加した場合に、伝導帯のバンド端位置が大きく低下する。例えば、Nを1%含むGa0.7In0.30.01As0.99は、GaAsに対して350meVの伝導帯バンド端不連続を有することが報告されている(IEEE Journal of Selected Topics of Quantum Electronics, Vol.3, No.3, p719)。
【0094】
この効果により、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を井戸層に用いると、伝導帯バンド不連続を拡大することができ、伝導帯内のサブバンド間吸収を利用した光吸収層を構成することも可能である。
【0095】
(9)第9の実施形態(請求項9)
本発明の第9の実施形態は、第1から第8の実施形態における垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする光論理演算装置である。
【0096】
例として、活性層の光を吸収する光吸収層を2層設けた場合について説明する。外部入力光Aは第1の光吸収層に入力され、第1の光吸収層の光吸収係数を飽和させる。また、外部入力光Bは、第2の光吸収層に入力され、第2の光吸収層の光吸収係数を飽和させる。
【0097】
外部入力光AとBが同時に入力された場合に、光吸収層の吸収損失が低減されて、レーザ発振し、外部入力光がない場合、または一方のみ入力された場合にはレーザ発振しないように、活性層の注入電流を制御する。これにより、2本の入力光信号に対して、ANDの論理演算に対応した光を出力することが可能となる。
【0098】
また、外部入力光のいずれか一方または両方が入力された場合にレーザ発振し、外部入力光がない場合にレーザ発振しないように活性層の注入電流を設定することもできる。この場合には、2本の入力光信号に対して、ORの論理演算に対応した光を出力することが可能である。
【0099】
従って、活性層に注入する電流値を制御することで、AND動作とOR動作の両方を実現できる光論理演算素子を構成することができる。
【0100】
さらに、光吸収層を3層以上設けることにより、多値論理演算を行わせることもできる。また、光吸収層が1層のみの場合でも、各入力信号の強度を調整することにより、論理演算動作を実行させることができる。
【0101】
(10)第10の実施形態(請求項10)
本発明の第10の実施形態は、第1から第8の実施形態における垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする波長変換装置である。
【0102】
基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含む垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いることで、第1の実施形態に記載した光変調方式が実現できる。このとき、外部からの入力光波長と、レーザの出力光波長とを異なる波長に設定することができる。第2の実施形態〜第8の実施形態に記載した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においても、外部からの入力光波長と、レーザの出力光波長とを異なる波長に設定することができる。
【0103】
第1の実施形態に記載した変調方式では、入力光強度のオン/オフ信号を、そのまま出力光強度のオン/オフ信号に変換できるため、異なる波長に光信号を変換することができる。このとき、入力光波長と出力光波長は、ともに光吸収層で吸収される必要があるため、入力光波長と出力光波長は光吸収層のバンドギャップ波長と同じか短い波長である必要がある(図8参照)。
【0104】
この範囲であれば、入力光波長は、出力光波長(λ1)よりも短波長(λ2)でも長波長(λ3)でもかまわない。従って、本実施形態の波長変換装置では、入力光と出力光の波長を適切に選択して構成することで、短波長(λ2)から長波長(λ1)への波長変換のみではなく、長波長(λ3)から短波長(λ1)への変換も可能である。例えば、0.85μmの波長の光と1.3μmの波長の光とを変換することも可能である。
【0105】
また、本装置を2段に接続することで、光信号を同じ波長に戻すことも可能となる。
【0106】
なお、入力光波長が出力光波長よりも短波長である場合、入力光が活性層に入力されると、活性層においても光は吸収され、活性層内で光励起キャリアを発生させる。そのため、活性層に加える注入電流が一定であっても、光励起によるキャリアが活性層に注入されるため、光出力は増加する。従って、外部入力光は光吸収層を吸収飽和する働きに加えて、活性層を光励起する効果により、出力光強度をより大きく変調することができる。
【0107】
(11)第11の実施形態(請求項11)
本発明の第11の実施形態は、第10の実施形態の波長変換装置において、波長0.85μm帯の光信号と波長1.3μm帯の光信号とを変換することを特徴としている。
【0108】
0.85μm帯の入力光信号を1.3μm帯の出力光信号に変換する場合には、活性層のバンドギャップ波長を1.3μm帯とし、光吸収層のバンドギャップ波長は1.3μmと同じか、それよりも長い波長に設定する。波長0.85μm帯の入力光を光吸収層に入射させると、光吸収層で吸収係数の飽和が生じるため、1.3μm帯の出力光の強度が変化する。
【0109】
逆に、1.3μm帯の入力光信号を0.85μm帯の出力光信号に変換する場合には、活性層のバンドギャップ波長を0.85μm帯とし、光吸収層のバンドギャップ波長は1.3μmと同じか、それよりも長い波長に設定する。波長1.3μm帯の入力光を光吸収層に入射させると、光吸収層で吸収係数の飽和が生じるため、0.85μm帯の出力光の強度が変化する。
【0110】
本発明においては、入出力波長を0.85μm帯から1.3μm帯、または1.3μm帯から0.85μm帯へと大きく波長変換することが可能である。これは、活性層と光吸収層が積層方向に集積されており、それぞれのバンドギャップを任意に変えることが可能となっているためである。この特徴により、入力光波長と出力光波長との波長差を大きくとることができる。
【0111】
1.3μm帯の光は、シングルモード石英光ファイバにおいて、伝送損失が小さい波長に対応しており、比較的長距離のLANや機器間の光伝送に適している。一方、0.85μm帯の光は、マルチモード石英光ファイバを使用した機器内等の光配線に用いることが可能である。
【0112】
本実施形態の波長変換装置を用いることにより、機器内の光配線に使用される0.85μm帯の光信号を、一度電気に変換することなくそのまま機器外部の1.3μm帯の光信号に変換して入出力させることが可能となる。これにより、伝送のスループットを大きく向上させることができる。
【0113】
(12)第12の実施形態(請求項12)
本発明の第12の実施形態は、第1から第8の実施形態における垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする光パルス波形整形装置である。
【0114】
第12の実施形態の光パルス波形整形装置においても、基本的に第1の実施形態に記載した光変調方式を用いて動作させている。
【0115】
図9に示すように、外部から素子に入力される光として、クロック光と信号光の2種類を用いる。信号光は光伝送による分散の影響でパルス形状が矩形ではなく、劣化して立ち上がりと立ち下がりが裾を引いている場合を考える。一方、クロック光は、矩形状のパルスであり、データ取り出しのタイミングを決定している。
【0116】
光パルス形状が伝送によって歪んで、パルスの立ち上がりと立ち下がりが裾を引くようになると、符号間干渉が生じて符号の読み取りエラーが増加してしまう。そこでパルス波形を整形して符号間干渉を抑制する必要が生じる。
【0117】
クロック光と信号光が同時に入力されると、入力光強度は信号光においてクロック光と重なった部分が強くなり、重なっていない部分は強度が低くなっている。そして、クロック光と信号光が重なった部分において、垂直共振器型面発光レーザの出力光強度が強くなり(発振状態)、重なっていない部分では垂直共振器型面発光レーザの出力光強度が低くなる(発振停止状態)ように光出力の閾値(Pth)を設定しておく。
【0118】
これにより、信号光の立ち上がりと立ち下がりの部分ではPthよりも入力強度が低くなるため出力強度が低いままとなり、クロック光のパルス幅に相当する出力光が得られる。
【0119】
また、クロック光の光強度をPthよりも低く設定することで、信号光が入力されないクロック光のみの場合では、垂直共振器型面発光レーザの出力光強度は低いままにすることができる。これにより、信号光のオン/オフ情報が、そのまま出力光に継承される。なお、この光パルス波形整形動作は、光を入出力信号に用いた論理演算動作を応用している。
【0120】
以上の動作により、劣化してパルスの立ち上がりと立ち下がりで裾を引く光パルス波形を、整形して出力することができる。
【0121】
本実施形態の光パルス波形整形装置は、第1から第8の実施形態における垂直共振器型面発光半導体レーザ素子を基本としている。従って、垂直共振器型面発光半導体レーザ素子の特徴である低消費電力、低コスト、2次元アレイ化が容易である等の特徴を生かして光パルス波形整形装置を形成することができる。
【0122】
(13)第13の実施形態(請求項13)
本発明の第13の実施形態による光伝送システムは、第1から第8のいずれかの実施形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置、第9の実施形態の光論理演算装置、第10または第11の実施形態の波長変換装置、あるいは第12の実施形態の光パルス波形整形装置を用いたことを特徴とする光伝送システムを用いたことを特徴としている。
【0123】
これにより、光論理演算、波長変換、光パルス波形整形、系列分離等の光情報処理機能を有する高性能の光伝送システムを構成することができる。そして、光情報処理を行う半導体発光装置の基本要素は垂直共振器型面発光半導体レーザ装置となっているため、低消費電力、低コストでシステムを構築することができる。また、2次元アレイ化も可能であり、光並列情報処理に適した構造となっている。
【0124】
次に、本発明の詳細な実施例を用いて、より具体的に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る変調機能を有する垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【0125】
図1を参照すると、n型GaAs基板601上に、n型の下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)602が積層されている。n型の下部DBR602は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs、例えばAl0.8Ga0.2Asとして交互に積層して形成されている。
【0126】
n型の下部DBR602の上には、共振器構造603が形成されている。共振器構造603中には、基板側からInGaAs/GaAs多重量子井戸(MQW)構造からなる光吸収層604、InGaAs/GaAs−MQW活性層605、AlAs層606が設けられている。共振器構造内で、光吸収層604、活性層605、AlAs層606の各層間は、GaAsスペーサ層で構成されている。
【0127】
光吸収層604のInGaAs井戸層のバンドギャップは、活性層605のInGaAs井戸層のバンドギャップと同じか小さくなっており、活性層605で発生した光を吸収できるようにしている。
【0128】
また、活性層605と光吸収層604は、共振器構造内の光の定在波分布における腹の位置に設けられている。これは、活性層および光吸収層と光との結合効率を大きくするためである。また、AlAs層606は、共振器構造内の光の定在波分布における節の位置に設けられている。
【0129】
共振器構造603上には、p型の上部DBR608が積層されている。p型の上部DBR608は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs、例えばAl0.8Ga0.2Asとして交互に積層して形成されている。
【0130】
積層構造表面から活性層605と光吸収層604との間までエッチングして矩形または円筒状のメサ構造を形成されている。メサ構造の頂上部には、光出射部を除いてp側電極609が形成されており、メサエッチングして表面が露出した共振器構造603途中に、n側電極610が形成されている。なお、n側電極610は、図示されていないが、共振器構造内のn型GaAsコンタクト層上に形成されている。
【0131】
AlAs層606は、メサエッチングした側面から選択的に酸化されて絶縁領域607が形成されている。
【0132】
p側電極609とn側電極610に順方向バイアスを加えると、電流は絶縁領域607で電流が狭窄され、酸化されていないAlAs層606の開口部分を通って、InGaAs/GaAs−MQW活性層605に電流が注入されて、波長0.98μm帯で発光する。
【0133】
活性層605で発生した光は、下部DBR602と、上部DBR608とではさまれた共振器構造603内で共振し、レーザ発振して基板と垂直に上方向に出力される。すなわち、図1の半導体発光素子は垂直共振器型面発光半導体レーザとして動作する。
【0134】
図1の垂直共振器型面発光半導体レーザ素子内には、活性層605の光を吸収する光吸収層604が共振器内に設けられている。そのため、図2のBに示すように、光吸収層604により共振器の吸収損失が増加して、光吸収層604が設けられていない場合に比べて半導体レーザの閾電流は増加している。
【0135】
ここで、外部(基板側)から光吸収層604で吸収される波長の光、例えば波長0.98μmの光を注入してやる。GaAsは波長0.98μmの光に対しては透明であるため、n型GaAs基板601を透過して光吸収層604に外部注入光が入射され、光が吸収される。吸収された光により光吸収層604内でキャリアが発生するため、外部入力光強度を強くしていくと、光吸収層604の吸収飽和が生じる。
【0136】
これにより、光吸収層604の吸収係数が低減されるため、活性層605で発生した光に対する光吸収損失も低減される。これにより、半導体レーザの閾電流は、外部から光を注入していないときよりも低下する。従って、活性層605に対する注入電流(Iop)を一定にしておくと、外部から光を注入することで、図2のAに示すように、光を注入しない場合に比べて出力されるレーザ光強度が増加する。
【0137】
そして、再び外部入力光を切ると、光吸収層604内で光励起されたキャリアが減少し、活性層605の光に対する吸収が増加する。従って、図2のBに示すように、半導体レーザの閾電流が増加して光出力が減少する。
【0138】
以上の動作により、外部からの光入力信号をオン/オフすることによって、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置から出力されるレーザ光強度を制御して変調することが可能となる。
【0139】
なお、図1に示した構造において、n型GaAs基板601裏面に電極を形成し、光吸収層604に対して、逆バイアス電界を印加することも可能である。これにより、外部注入光をオフしたときに、光吸収層604内に残った励起キャリアを速やかに排出することができるため、スイッチオフ時間をより短くすることができる。
【0140】
(実施例2)
図10は、本発明の実施例2に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【0141】
図10を参照すると、n型GaAs基板601上に、n型下部GaAs/AlGaAs−DBR602が積層されている。n型の下部DBR602の上には、共振器構造603が形成されている。
【0142】
共振器構造603中には、基板側からInGaAs/GaAs−MQW活性層605、AlAs層606、InGaAs/GaAs−MQW光吸収層604が設けられている。共振器構造内で、活性層605、AlAs層606、光吸収層604の各層間は、GaAsスペーサ層で構成されている。
【0143】
光吸収層604のInGaAs井戸層のバンドギャップは、活性層605のInGaAs井戸層のバンドギャップと同じか小さくなっており、活性層605で発生した光を吸収できるようにしている。
【0144】
また、活性層605と光吸収層604は、共振器構造内の光の定在波分布における腹の位置に設けられている。また、AlAs層606は、共振器構造内の光の定在波分布における節の位置に設けられている。共振器構造603上には、p型上部GaAs/AlGaAs−DBR608が積層されている。
【0145】
積層構造表面から光吸収層604とAlAs層606との間までエッチングして矩形または円筒状の第1のメサ構造を形成されている。さらに、第1のメサ構造よりも大きなメササイズで、n型下部DBR602に達するまでエッチングして、第2のメサ構造が形成されている。
【0146】
第1のメサ構造のエッチングで表面が露出した共振器構造の途中には、p側電極609が形成されており、n型GaAs基板601の裏面には、n側電極610が形成されている。なお、p側電極609は、図示されていないが、共振器構造内のp型GaAsコンタクト層上に形成されている。
【0147】
AlAs層606は、第2のメサ構造のエッチングにより露出したメサ側面から選択的に酸化されて絶縁領域607が形成されている。
【0148】
図10に示す実施例2の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においても、実施例1と同様に、外部からの光入力信号をオン/オフすることによって、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置から出力されるレーザ光強度を制御して変調することができる。なお、実施例1においては、基板裏面から光を入力して、基板表面から光を出力する透過型で構成しているが、実施例2においては、入力光と出力光をともに基板表面から入出力させる反射型となっている。
【0149】
さらに、図10に示した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、共振器長を長くすることにより、DBRの高反射帯域中に複数の共振器モードが形成されていることを特徴としている。本実施例では、共振器構造全体の光学的厚さを10λで作製しており、950.5nm、980nm、1012nmの3つの共振器モードが形成されている。
【0150】
活性層605のバンドギャップ波長を980nmとほぼ一致するようにすることで、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の出力光波長を980nmとしている。
【0151】
また、複数の共振器モードのうちで、発振波長980nmとは別の共振器モード950.5nmと入力光波長を一致させている。これにより、垂直共振器型面発光型半導体レーザ装置に入力された光は、p型DBR608を通過して、共振器構造603に設けられた光吸収層604まで侵入することができるため、光吸収層604と入力光との結合効率を向上させることができる。従って、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。
【0152】
また、本実施例においては素子の一方の面から光を入出力する反射型で構成しているが、入力光波長と出力光波長が異なるため、入力光と出力光との信号分離が非常に容易である。
【0153】
(実施例3)
図11は、本発明の実施例3に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【0154】
図11を参照すると、n型GaAs基板601上に、第1のn型GaAs/AlGaAs下部DBR801が積層されている。n型の下部DBR801上には、InGaAs/GaAs−MQW構造からなる光吸収層604が形成されており、光吸収層604上には第2のn型GaAs/AlGaAs下部DBR802、GaAs下部スペーサ層803、InGaAs/GaAs−MQW活性層605、GaAs上部スペーサ層804、AlAs層606、p型のGaAs/AlGaAs上部DBR608が順次積層されている。
【0155】
GaAs下部スペーサ層803、InGaAs/GaAs−MQW活性層605、GaAs上部スペーサ層804を合わせた領域が共振器構造となっている。活性層605は、共振器構造内の光の定在波分布において腹の位置に設けられている。また、AlAs層606は、素子の光の定在波分布における節の位置に設けられている。
【0156】
光吸収層604のInGaAs井戸層のバンドギャップは、活性層605のInGaAs井戸層のバンドギャップと同じか小さくなっており、活性層605で発生した光を吸収できるようにしている。
【0157】
積層構造表面から第2のn型GaAs/AlGaAs下部DBR802の途中までエッチングして矩形または円筒状のメサ構造が形成されている。メサ構造の頂上部には、光出射部を除いてp側電極609が形成されており、メサエッチングして表面が露出した面にn側電極610が形成されている。
【0158】
さらに、n側電極610の1部が除去されて、外部から光を入力する窓部805が形成されている。光吸収層604と窓部805表面との間隔は、光学的距離においてλ/4よりも薄くなるように作製した。
【0159】
AlAs層606は、メサエッチングした側面から選択的に酸化されて絶縁領域607が形成されている。
【0160】
図11の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、分布ブラッグ反射鏡を通らずに光吸収層604に外部から光が入力されるように、窓部805が設けられている。そのため、入力された光は、分布ブラッグ反射鏡で反射を受けることがなく、下部DBR内に設けられた光吸収層604まで侵入することができる。そのため、光吸収層604と外部入力光との結合効率を向上させることができる。従って、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。
【0161】
また、入力光波長として共振器モードに一致した波長に限定する必要がなくなる。そのため、入力光として用いる波長範囲が大きくとることができ、システム構成の制限が小さくなる。また、入力光の波長変動に対しても安定に動作させることができる。
【0162】
上記実施例では、光吸収層604と窓部805表面との間隔を光学的距離でλ/4よりも薄くなるように作製している。しかし、光吸収層604と窓部805表面との間に薄いDBRが設けられていてもよい。
【0163】
光吸収層604と窓部805表面とのDBR周期を1〜2周期と小さくすることでも、入力光の反射が抑制されて光吸収層604と入力光との結合効率が向上する。しかし、光吸収層604と窓部805表面とのDBR周期が増加するほど、光吸収層604が侵入できる帯域が狭くなるため、層厚を薄くするほうが好ましい。
【0164】
次に、図11の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いた波長変換動作について説明する。
図11の素子においては、実施例1と同様に入力光強度をオン/オフすることにより、レーザ出力光強度を変調することができる。従って、入力光の強度変調によるデジタル信号を、そのまま出力光の強度によるデジタル信号に変換することができる。
【0165】
入力光の波長と出力光の波長は、共に光吸収層604のバンドギャップ波長と同じか短い波長である必要がある。これは、光吸収層604によって入力光および活性層605で発生した光を吸収できるようにするためである。本実施例では、光吸収層604のバンドギャップ波長を1100nmとし、出力光の波長を980nmとした。
【0166】
一方、入力光はDBRを通らずに光吸収層604に結合されるため、入力光波長が共振モードで制限されることがない。そのため、入力光波長の選択範囲が広くなっている。
【0167】
入力光波長として950nmの光を用いた場合、入力光は光吸収層604のバンドギャップ波長より短いため、光吸収層604で吸収される。よって、950nmの光信号を、980nmの光信号に変換することが可能である。
【0168】
また、入力光波長として、1020nmの光を用いた場合でも、入力光は光吸収層604のバンドギャップ波長より短いため、光吸収層604で吸収される。そのため、1020nmの光信号を、980nmの光信号に変換することが可能である。
【0169】
即ち、同じ素子を用いて、短波長から長波長への波長変換と、長波長から短波長への変換が可能となる。従って、波長分割多重通信における波長変換処理を、容易に実施することができる。
【0170】
(実施例4)
図12は、本発明の実施例4に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【0171】
図12を参照すると、n型GaAs基板601上に、n型GaAs/AlGaAs下部DBR602が積層されている。n型下部DBR602上には、GaAs下部スペーサ層803、GaInNAs/GaAs−MQW活性層1001、GaAs上部スペーサ層804、AlAs層606、p型のGaAs/AlGaAs上部DBR608が順次積層されている。
【0172】
積層構造表面からn型GaAs/AlGaAs下部DBR602に達するまでエッチングして円筒状のメサ構造が形成されている。メサ構造の頂上部には、光出射部を除いてリング状のp側電極609が形成されている。また、n型GaAs基板601裏面にはn側電極610が形成されている。
【0173】
さらに、図12の素子の特徴として、メサ構造頂上部に形成された円形のp側電極609の開口部において、リング状にGaInNAs/GaAs−MQW光吸収層1002が形成されている。
【0174】
また、AlAs層606はメサエッチングした側面から選択的に酸化されて、絶縁領域607が形成されている。
【0175】
図12の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置においては、活性層1001で発生した光を吸収する光吸収層1002をリング形状で形成している。そのため、外部入力光がない場合には、発振領域の周辺部は光吸収層1002によって光吸収損失が増加するため、高次横モードは基本横モードよりも損失が大きくなり、基本モードが発振しやすくなる。
【0176】
一方、外部から光吸収層1002で吸収される波長の光を注入してやると、光吸収層1002で吸収飽和が生じることにより、光吸収層1002の吸収損失が低減する。そのため、発振領域の中心部と周辺部で吸収損失の差がなくなるため、高次横モードで発振しやすくなる。
【0177】
従って、活性層の注入電流値を、外部入力光がない場合には基本横モードで発振し、外部入力光を入れた場合には高次横モードで発振するように設定することにより、外部入力光でレーザ発振光の横モードを変調することが可能となる。
【0178】
垂直共振器型面発光レーザ装置における、出力光の放射分布の1例を図4に示す。基本横モードの場合には、基板と垂直方向で最も光強度が強くなる。一方、高次(1次)モードでは、基板と垂直方向で強度が小さく、10〜15度傾いた方向で光強度が強くなっている。そのため、図12の素子から出力される光を垂直方向、あるいは斜め方向から検出すると、横モードによって光強度が変調される。
【0179】
この場合、図12の素子から出力される光を、基板と垂直方向から検出すると、出力符号は入力符号に対して反転して出力される。一方、基板に対して斜め方向から検出した場合には、反転されずにそのまま出力される。
【0180】
また、本実施例では、活性層1001の井戸層材料としてGaInNAsを用いている。GaInNAsは、GaAs基板上にエピタキシャル成長することが可能であり、また窒素組成が小さい範囲において、窒素を含まないGaInAsに比べてエネルギーバンドギャップが小さくなるという特性を有している。
【0181】
これにより、GaAs基板上に、1.2μm〜1.6μmの長波長帯の活性層を形成することができる。従って、光通信で用いられている波長帯に適した半導体発光装置を構成することができる。本実施例では、出力光波長を1.3μmとした。
【0182】
また、GaAs基板を用いることで、GaAs/AlGaAs材料系から構成された高性能のDBRを用いることができる。そのため、本発明の構成の基本となる垂直共振器型面発光レーザの特性が高くなる。即ち、消費電力が低く、温度特性が良好な長波長帯面発光レーザを作製できる。
【0183】
また、本実施例では、光吸収層1002の井戸層材料にもGaInNAsを用いている。窒素(N)は他のV族元素であるAsとの非混和性が強いため、光吸収層1002において活性層よりも窒素組成を高くすることにより、キャリア寿命を短くすることができる。これにより、光吸収層1002内のキャリア緩和時間を短くして、より高速で光を変調させることができる。
【0184】
(実施例5)
図13は、本発明の実施例5に係る半導体発光素子の断面図である。
図13を参照すると、p型GaAs基板1501上に、p型GaAs/AlGaAs下部DBR1502が積層されている。p型下部DBR1502上には光吸収層1503、n型GaAs/AlGaAs下部DBR1504が積層されている。
【0185】
n型GaAs/AlGaAs下部DBR1504の途中にはAlAs層1505が設けられている。さらに、n型GaAs/AlGaAs下部DBR1504上には、GaAs下部スペーサ層803、GaInNAs/GaAs−MQW活性層1001、GaAs上部スペーサ層804、AlAs層606、p型のGaAs/AlGaAs上部DBR608が順次積層されている。
【0186】
積層構造表面からn型GaAs/AlGaAs下部DBR1504に達するまでエッチングして円筒状のメサ構造が形成されている。メサ構造の頂上部には、光出射部を除いてリング状のp側電極609が形成されている。
【0187】
さらに、メサ構造頂上部に形成された円形のp側電極609の開口部において、リング状にGaInNAs/GaAs−MQW光吸収層1002が形成されている。
【0188】
1506はエッチングで表面が露出したn型GaAs/AlGaAs下部DBR1504上に形成されたn側電極であり、1507はp型GaAs基板1501裏面に形成されたp側電極(610)となっている。
【0189】
また、AlAs層606および1505は側面から選択的に酸化されて、絶縁領域607が形成されている。
【0190】
図13の半導体発光素子においては、電極609と電極1506との間に順方向バイアスを加えることで、活性層1001に電流が注入されて発光する。このとき、電流はAlAs層606が選択酸化されていない領域を通るため、電流を酸化の開口径に対応して狭窄することができる。
【0191】
活性層1001で発光した光は、DBR608と、DBR1504およびDBR1502との間で共振し、利得が損失を上回ると、基板と垂直方向にレーザ発振する。
【0192】
また、光吸収層1503は電界吸収型光変調器を構成している。電極1506と電極1507との間に逆方向バイアスを印加することにより、選択酸化されていないAlAs層1505を通って、レーザ発振領域の光吸収層1503に電界が印加される。
【0193】
光吸収層1503に電界が印加されると、光吸収層1503のバンドギャップは縮小する。電界を印加しない場合には、活性層1001の光に対して透明であり、電界を印加した場合に活性層1001の光を吸収するように光吸収層1503のバンドギャップを設定した。
【0194】
光吸収層1503にバイアスを印加しない場合には、活性層1001で発光する光に対して透明となっているため、面発光半導体レーザの閾電流は低いままである。
【0195】
一方、光吸収層1503に逆方向バイアスを印加すると、光吸収損失が増加するため、面発光半導体レーザの閾電流は増加する。従って、活性層1001に対する注入電流を一定にしておき、光吸収層1503に印加する電界を変調することにより、レーザ光出力強度を変調することができる。
【0196】
光吸収層1503からなる電界吸収型光変調器に電界を印加して変調する方式は、活性層1001に注入する電流値を直接変調する場合に比べて、変調周波数を増大させることができる。従って、面発光半導体レーザ装置を、10〜50GHzと高い変調周波数で変調することが可能である。
【0197】
光吸収層1503としては、バルク層または量子井戸構造を用いることができる。本実施例においては、光吸収層1503をGaInNAs/GaAs−MQW構造で構成した。
【0198】
また、図13においては、活性層1001で発生した光を吸収する別な光吸収層1002をリング形状で形成している。外部入力光がない場合には、発振領域の周辺部は光吸収層1002によって光吸収損失が増加するため、高次横モードは基本横モードよりも損失が大きくなり、基本モードが発振しやすくなる。
【0199】
一方、外部から光吸収層1002で吸収される波長の光を注入してやると、光吸収層1002で吸収飽和が生じることにより、光吸収層1002の吸収損失が低減する。そのため、発振領域の中心部と周辺部で吸収損失の差がなくなるため、高次横モードで発振しやすくなる。
【0200】
従って、活性層の注入電流値を、外部入力光がない場合には基本横モードで発振し、外部入力光を入れた場合には高次横モードで発振するように設定することにより、外部入力光でレーザ発振光の横モードを変調することが可能となる。
【0201】
以上の構成により、図13の半導体発光素子は、光吸収層1503に印加する電界によって出力光強度を変調し、光吸収層1002に入力する外部光によって、レーザ発振光の横モードを変調させることができる。それぞれの変調は独立に制御することが可能である。
【0202】
活性層1001に注入する電流値を一定にしておき、信号を光吸収層1503に印加する電界として入力し、出力されるレーザ光を基板と垂直方向と、斜め方向から同時に検出することにより、外部入力光によって、出力信号の経路を変えることができる。これにより、例えば10〜50GHzと高い変調周波数のシリアル信号を、2系列に分離する光分岐動作を実現することができる。
【0203】
(実施例6)
図14は、本発明の実施例6に係る半導体発光素子の断面図である。
図14を参照すると、n型GaAs基板601上に、第1の下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)1701、1703が積層されている。そして、下部DBR中には、光吸収層1702が設けられている。
【0204】
下部DBR1703上には、n型GaAsスペーサ層1704、GaInNAs/GaAs−MQW活性層1001、p型GaAsスペーサ層1705、AlAs層606、p型GaAsスペーサ層1706が順に積層されている。
【0205】
さらに、p型GaAsスペーサ層1706上にはエアギャップ1707を介して上部DBR1709が設けられている。下部DBR1703と上部DBR1709ではさまれた領域が共振器構造1708を構成している。
【0206】
積層構造表面から下部DBR1703に達するまでエッチングしてメサ構造を形成されている。メサ構造の頂上部には、光出射部を除いてp側電極1710が形成されている。また、メサ構造のエッチングした底面にはn側電極1711が形成されている。
【0207】
AlAs層606は、エッチングした側面から選択的に酸化されて絶縁領域607が形成されている。
【0208】
p側電極1710とn側電極1711に順方向バイアスを加えると、電流はAlAs層606の開口部分を通って、活性層1001に電流が注入されて、1.3μm帯で発光する。活性層1001で発生した光は、共振器構造1708によって選択された共振モードで共振し、基板と垂直にレーザ光が出力される。
【0209】
図14の素子においては、活性層1001の光を吸収する光吸収層1702が設けられている。そのため、吸収損失が増加して、光吸収層1702が設けられていない場合に比べて閾電流は高くなっている。ここで、第2のメサ構造エッチング底面から、光吸収層1702で吸収される波長の外部入力光を注入してやると、光吸収層1702の吸収係数が飽和して光吸収損失が低減される。
【0210】
これにより、閾電流は、外部から光を注入していないときよりも低下する。従って、外部からの光入力信号によって、面発光半導体レーザから出力されるレーザ光強度を変調することが可能となる。このとき、入力光波長を出力光波長と異なる波長に設定することにより、波長変換動作を実現できる。
【0211】
また、図14の共振器1708内部にはエアギャップ1707が設けられている。エアギャップ1707の間隔を変化させることにより、共振器1708の長さが変化するため、面発光レーザの共振モード波長をシフトさせることが可能となる。
【0212】
これにより、出力光波長を掃引可能な波長変換素子を実現することができる。
エアギャップ1707の間隔は、静電引力や圧電素子を用いて外部から制御することが可能である。
【0213】
図15は、図14の波長変換素子を用いて構成した光交換装置の1例を示している。
【0214】
図15において、光ファイバ1801から入力された波長λ1、λ2、λ3、λ4の光信号は、波長分波器1802で、波長ごとに空間的に分離される。そして、分離されたそれぞれの光信号は波長変換素子1803によって波長変換された後に、合波器1804で再び合流して1本の光ファイバ1801から出力される。
【0215】
図15においては、1例として、λ1をλ4に、λ2をλ3に、λ3をλ2に、λ4をλ1に変換する動作を示している。しかし、各波長変換素子は、波長λ1〜λ4の任意の波長で出力することが可能であり、出力波長の組み合わせを自由に切りかえることができる。
【0216】
図15においては、1本の光ファイバ中を4波長の光信号で伝送しており、波長分割多重伝送方式を用いている。λ1からλ4の波長として、例えば、1290nm、1295nm、1300nm、1305nmの4波長を用いた。
【0217】
図14の光吸収層1702のバンドギャップ波長を1305nmより長くすることで、λ1からλ4までの全ての波長を吸収可能である。活性層1704のバンドギャップ波長は1295nmとした。また、エアギャップ1707を変化させることで、発振波長を1290〜1305nmまで変化させることができる。
【0218】
従って、図14の波長変換素子を用いることで、同一の素子構造で、波長λ1〜λ4の任意の光を入力し、波長λ1〜λ4の任意の光に変換して出力することが可能である。そのため、4素子の波長変換素子をモノリシック集積することが可能である。これにより、波長変換装置のサイズを小型化することができる。
【0219】
(実施例7)
図16は、本発明の実施例7に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【0220】
図16に示した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の構成は、図11に示した構成と類似している。図11の構成と異なっている点は、活性層1001として、波長1.3μm帯のGaInNAs/GaAs−MQW構造を用いていることである。これにより、光通信に適した波長で、動作させることができる。
【0221】
また、光吸収層1101として、GaInNAs/AlAs−MQW構造を用いたことを特徴としている。例えば、In組成0.1で窒素組成2%のGaInNAsとAlAsとの伝導帯(Γ帯)バンド不連続は、約1.43eVとなる。
【0222】
井戸幅4.6nmの量子井戸構造において、伝導帯に形成される量子準位の基底準位(0次)と3次の準位間のエネルギー差は約950meVとなり、1.3μmの波長に相当する。この伝導帯におけるサブバンド間の吸収を用いることで、1.3μmの光を吸収することができる。
【0223】
なお、Ga0.9In0.10.02As0.98井戸層のバンドギャップ波長は約1.23μmであり1.3μmよりも短くなっている。従って、伝導帯と価電子とのバンド間吸収はほとんど生じることがない。
【0224】
光吸収層1101の吸収過程として、伝導帯内のサブバンド間吸収を用いたことにより、吸収飽和からの回復時間を短くすることができるため、さらに高速に動作する光変調を実現することができる。
【0225】
なお、光吸収層1101において、GaInNAs井戸層とAlAs障壁層との界面に1nm程度のGaAsを中間層として設けることができる。これにより、GaInNAs井戸層とAlAs障壁層との界面平坦性を著しく改善することができる。
【0226】
以上の実施例においては、基板としてn型GaAs基板を使用した例を用いて説明した。しかしながら、基板の導電型としてp型や(半)絶縁性基板を用いることもできる。また、GaAsの他に、GaP、InP、GaSb、InAs、GaN、サファイア、SiC、ZnO、Si等各種の単結晶基板を使用することができる。
【0227】
また、DBRを構成する半導体材料としては、AlGaAs系の他にInGaAsP系、AlGaInP系、AlGaInAs系、AlGaN系等を用いることも可能である。あるいは、上部DBR構造については、誘電体多層膜を用いることも可能である。
【0228】
また、光吸収層は1層のみではなく、素子内に複数設けることも可能である。また、垂直共振器型面発光半導体レーザ素子に波長掃引機構を設けることにより、出力光波長を変化させることも可能である。
【0229】
(実施例8)
図17は、本発明の実施例8に係る半導体発光素子の断面図である。
【0230】
図17を参照すると、n型GaAs基板601上に、下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)1601、1603、1605が積層されている。そして、下部DBR中には、第1の光吸収層1602、第2の光吸収層1604が設けられている。
【0231】
下部DBR1605上には、下部GaAsスペーサ層803、InGaAs/GaAs−MQW活性層605、上部GaAsスペーサ層804、AlAs層606、p型GaAsDBR608が設けられている。
【0232】
積層構造表面から下部DBR1605の途中までエッチングして矩形または円筒状のメサ構造を形成されている。メサ構造の頂上部には、光出射部を除いてp側電極609が形成されており、メサエッチングして表面が露出した下部DBR1605にはn側電極610が形成されている。AlAs層606は、メサエッチングした側面から選択的に酸化されて絶縁領域607が形成されている。
【0233】
p側電極609とn側電極610に順方向バイアスを加えると、電流は酸化されていないAlAs層606の開口部分を通って、InGaAs/GaAs−MQW活性層605に電流が注入されて、波長0.98μm帯で発光する。活性層605で発生した光は、下部DBR1601、1603、1605と、上部DBR608とではさまれた共振器構造内で共振し、基板と垂直に上方向にレーザ光が出力される。
【0234】
光吸収層1602および1604は、活性層605のバンドギャップと同じか小さくなっており、活性層605で発生した光を吸収する。本実施例では、光吸収層1602のバンドギャップ波長を1.0μm、光吸収層1604のバンドギャップ波長を1.1μmとした。
【0235】
また、光吸収層1602は、素子の光の定在波分布における腹の位置に設けた。これにより、素子内で定在波を構成している光と光吸収層1602との結合効率が大きくなる。一方、光吸収層1604は、素子の光の定在波分布における節の位置近傍に設けた。
【0236】
次に、図17の半導体発光素子の動作について説明する。
実施例8は、素子に対して2つの入力光AとBを入力し、その論理演算結果を出力光として得る光論理演算素子として動作する。
【0237】
入力光Aは、出力光波長と同じ0.98μmであり、基板裏面から素子に入力している。一方、入力光Bは波長1.05μmであり、エッチングで露出した下部DBR1605の窓部から入力している。
【0238】
入力光Aは素子の共振器モードと位相整合しているため、定在波分布における腹の位置に設けた光吸収層1602と結合して吸収される。一方、光吸収層1604は節の位置近傍に設けているため、入力光Aとの結合効率が低くなっている。
【0239】
入力光Bの波長は、光吸収層1602のバンドギャップ波長よりも長く、光吸収層1604のバンドギャップ波長よりも短くなっている。そのため、光吸収層1604によって吸収されるが、光吸収層1602に対しては透明となっている。従って、入力光Aは光吸収層1602と結合し、入力光Bは光吸収層1604と結合する構成となっている。
【0240】
外部からの入力光AとBが同時に入力された場合には、光吸収層1602および1604の吸収係数が飽和して、吸収損失が低減される。これにより、レーザ発振して出力光が基板上方に出射される。
【0241】
一方、外部入力光がない場合、または一方のみ入力された場合には、光吸収層による吸収損失のため、レーザ発振しないように活性層の注入電流を制御する。これにより、2本の入力光信号A,Bに対して、ANDの論理演算に対応した光を出力することが可能となる。
【0242】
また、外部入力光A,Bのいずれか一方または両方が入力された場合にレーザ発振し、外部入力光がない場合にレーザ発振しないように活性層の注入電流を設定することもできる。この場合には、2本の入力光信号に対して、ORの論理演算に対応した光を出力することが可能である。
【0243】
(実施例9)
図18は、本発明の実施例9に係る波長変換装置の構成図である。
図18において、基板1401上に波長変換素子1404と1405が設けられている。1402はシングルモード石英光ファイバであり、1403はマルチモード石英光ファイバであり、1406は光合波器となっている。
【0244】
図18において、シングルモード石英光ファイバ1402は外部のLANに接続されており、波長1.3μmの光で双方向に光信号を伝送する。外部からシングルモード石英光ファイバ1402に入力された光信号は、光合波器1406を通って波長変換素子1404に入力される。
【0245】
ここで、波長1.3μmから0.85μmの光信号に変換された後に、マルチモード石英光ファイバ1403に出力される。マルチモード石英光ファイバ1403は、機器内のユニットに光接続されており、ユニット間の光配線として使用されている。
【0246】
一方、マルチモード石英光ファイバ1403からの入力信号は、波長変換素子1405において、波長0.85μmから1.3μmに波長変換され、光合波器1406を通ってからシングルモード石英光ファイバ1402に出力される。
【0247】
配線長が比較的短距離の機器内光配線においては、実装が容易なマルチモード石英光ファイバ1403が用いており、光信号の波長を0.85μmとしている。一方、外部LANに接続する場合には、伝送距離が長距離でも伝送損失が低いシングルモード石英光ファイバ1402を使用して、光信号の波長を1.3μmとしている。本実施例の波長変換装置では、装置外部と内部で異なる波長の光信号を、変換する働きをしている。
【0248】
波長変換素子の構造は、実施例1に示した図1の半導体発光素子とほぼ同様の構造をしている。0.85μmの光信号を1.3μmの光信号に変換する波長変換素子1405においては、活性層をGaInNAs材料で構成することにより、バンドギャップ波長を1.3μm帯とした。そして、1.3μmでレーザ発振するように、分布ブラッグ反射鏡と共振器長の層厚を設定している。
【0249】
そして、光吸収層のバンドギャップ波長は1.3μmと同じか、それよりも長い波長に設定して、活性層の光を吸収するようにしている。波長0.85μmの入力光を光吸収層に入射させると、光吸収層で吸収係数の飽和が生じるため、1.3μmの出力光強度を変調することができる。
【0250】
波長0.85μmの外部光が光吸収層に達する途中の層では、各積層構造のバンドギャップは波長0.85μmの光に対して透明になるようにした。なお、基板側から外部光を入力する場合には、GaAs基板をエッチングで除去して入力窓部を形成する必要がある。
【0251】
1.3μmの光信号を0.85μmの光信号に変換する波長変換素子1404においては、活性層をGaAs材料で構成してバンドギャップ波長を0.85μmとした。光吸収層はGaInNAs材料で構成しており、バンドギャップ波長は1.3μmと同じか、それよりも長い波長に設定した。
【0252】
波長1.3μmの入力光を光吸収層に入射させると、光吸収層で吸収係数の飽和が生じるため、0.85μmの出力光強度を変調することができる。なお、基板側から出力光を出射する場合には、GaAs基板をエッチングで除去して出力窓部を形成する必要がある。
【0253】
図18の波長変換装置においては、光信号を1度電気に変換してから再び光信号にもどすことなく波長変換している。従って、装置構成が簡略化できる。また、信号変換に要する遅延時間が短縮されるため、信号伝送のスループットを向上させることができる。
【0254】
(実施例10)
図19は、本発明の実施例10に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【0255】
図19を参照すると、n型GaAs基板601上に、n型下部GaAs/AlGaAs−DBR602が積層されている。n型の下部DBR602の上には、GaAs下部スペーサ層803、InGaAs/GaAs−MQW活性層605、GaAs上部スペーサ層804、AlAs層606、第1のp型上部GaAs/AlGaAs−DBR901、InGaAs/GaAs−MQW光吸収層604、第2のp型上部GaAs/AlGaAs−DBR902が順に積層されている。
【0256】
積層構造表面から第2のp型上部GaAs/AlGaAs−DBR902の途中までエッチングして矩形または円筒状の第1のメサ構造が形成されている。また、第1のメサ構造よりも大きなメササイズで、第1のp型上部GaAs/AlGaAs−DBR901の途中までエッチングして、第2のメサ構造が形成されている。さらに、第2のメサ構造よりも大きなサイズで、n型下部GaAs/AlGaAs−DBR602に達するまでエッチングして、第3のメサ構造が形成されている。
【0257】
第2のメサ構造のエッチングで表面が露出した第1のp型上部GaAs/AlGaAs−DBR901の途中には、p側電極609が形成されており、n型GaAs基板601の裏面には、n側電極610が形成されている。
【0258】
AlAs層606は、第3のメサ構造のエッチングにより露出した側面から選択的に酸化されて絶縁領域607が形成されている。
【0259】
p側電極609とn側電極610に順方向バイアスを加えると、電流は絶縁領域607で電流が狭窄され、酸化されていないAlAs層606の開口部分を通って、InGaAs/GaAs−MQW活性層605に電流が注入されて、波長0.98μm帯で発光する。活性層605で発生した光は、下部DBR602と、上部DBR901,902との間で共振し、レーザ発振して第1のメサ構造の頂上部より、基板と垂直上方向に出力される。
【0260】
第1のメサ構造のエッチングで露出した底面は、外部から光吸収層604に光を入力する窓部805となっている。光吸収層604と窓部805表面との間隔は、光学的距離においてλ/4よりも薄くなるように作製した。
【0261】
これにより、光吸収層604と外部入力光との結合効率を向上させて、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。また、入力光として用いる波長範囲を大きくとることができる。
【0262】
次に、図19の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いた光パルス波形整形動作について説明する。
【0263】
外部から素子に入力される光として、クロック光と信号光の2種類を用いる。信号光は光伝送による分散の影響でパルス形状が矩形ではなく劣化している場合を考える。一方、クロック光は、矩形状のパルスであり、データ取り出しのタイミングを決定している。図19においては、クロック光を入力光1とし、信号光を入力光2とした。
【0264】
クロック光と信号光が同時に入力されると、光吸収層604に入力される入力光強度は信号光においてクロック光と重なった部分が強くなり、重なっていない部分は強度が低くなっている。
【0265】
そして、クロック光と信号光が重なった部分において、垂直共振器型面発光レーザが発振状態となり、重なっていない部分では垂直共振器型面発光レーザが発振停止状態となるように光出力の閾値(Pth)を設定する。
【0266】
これにより、信号光の立ち上がりと立ち下がりの部分ではPthよりも入力強度が低くなるため出力強度が低いままとなり、クロック光のパルス幅に対応したパルス幅の出力光が得られる。
【0267】
また、クロック光の光強度をPthよりも低く設定することで、信号光が入力されないクロック光のみの場合では、垂直共振器型面発光レーザ装置の出力光強度は低いままにすることができる。これにより、信号光のオン/オフ情報が、そのまま出力光に継承される。
【0268】
上記の光パルス波形整形装置を光伝送システムの中継装置に用いることで、光ファイバ伝送によって劣化した光信号を増幅・整形して出力できるため、伝送距離を伸ばすことが可能となる。また、光パルス波形整形装置を垂直共振器型面発光レーザ装置で構成しているため、装置の製造コストを低減することができる。
【0269】
(実施例11)
図20は、図1、図10,図11,図12,図13,図14,図16,図17,図19に示した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(波長変換素子)を用いた光伝送モジュールの1例である。
【0270】
図20において、1201は入力用光ファイバアレイであり、1202は波長変換素子であり、1203は合波器であり、1204は出力用光ファイバである。
【0271】
4本の光ファイバがアレイ化された光ファイバアレイ1201から入力された並列光信号(波長λ0)は、それぞれ4個の波長変換素子1202で波長λ1、λ2、λ3、λ4に変換される。波長変換された光信号は、光合波器1203で1本の光導波路に結合され、それを4波長の波長分割多重方式で1本の光ファイバ1204で出力する構成となっている。これにより、並列伝送方式から波長分割多重方式に光信号を高速に変換することができる。
【0272】
(実施例12)
図21は、図1、図10,図11,図12,図13,図14,図16,図17,図19に示した垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(波長変換素子)を用いた光伝送モジュールの別な構成例を示している。
【0273】
図21において、4本の光ファイバがアレイ化された光ファイバアレイ1201から入力された並列光信号(波長λ0)は、マイクロレンズアレイ1301で集光されて、それぞれ波長変換素子1202に入力される。波長変換素子1202では、4種類の光信号を波長λ1、λ2、λ3、λ4に波長変換する。
【0274】
なお、ここで波長変換素子は、透過型の素子構造を用いた。波長変換された光信号は、面型光合波器1302で1本に合成され、集光レンズ1303で集光して出力用光ファイバ1204に出力される。これにより、図21に示した光伝送モジュールと同様に、並列伝送方式から波長分割多重方式に光信号を高速に変換することができる。
【0275】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏する。以下、請求項毎にその効果を述べる。
【0276】
a)請求項1記載の発明によれば、外部から入力光が入射された場合に、前記光吸収層の吸収飽和により共振器損失が低下して閾電流が低下することで出力光強度が増加し、外部からの入力光が遮断された場合に、前記光吸収層による共振器損失が増加して閾電流が増加することで出力光強度が低下することを利用して出力光強度を変調する機能を備えたことにより、出力されるレーザ光強度を電気的にではなく1本の光信号で変調することが可能である。従って、制御が容易な光−光スイッチを実現することができ、光―光スイッチ動作を含むシステム構成を簡略化することができる。
【0277】
b)請求項2記載の発明によれば、垂直共振器型面発光型半導体レーザ装置に入力された光は、分布ブラッグ反射鏡を通過して、共振器構造内や、上部または下部分布ブラッグ反射鏡内に設けられた光吸収層まで侵入することができる。そのため、光吸収層と外部入力光との結合効率を向上させることができ、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。
【0278】
c)請求項3記載の発明によれば、垂直共振器型面発光型半導体レーザ装置に入力された光は、分布ブラッグ反射鏡で反射を受けることがなく、共振器構造内や、上部または下部分布ブラッグ反射鏡内に設けられた光吸収層まで侵入することができる。そのため、光吸収層と外部入力光との結合効率を向上させることができ、より小さい入力光強度で出力光を変調させることが可能となる。また、入力光波長として共振器モードに一致した波長に限定する必要がなくなるため、入力光の波長範囲が大きくなる。
【0279】
d)請求項4記載の発明によれば、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調するようにしたので、反転信号の形成や、1系列の光信号を2系列に分離する光分岐動作が可能となる。
【0280】
e)請求項5記載の発明によれば、基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、前記基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する面型半導体発光装置と、電界吸収型光変調器とを、前記基板と垂直方向にモノリシック集積し、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調可能としたことにより、10〜50GHzの高い変調周波数のシリアル光信号を、2系列に分離する光分岐動作を実現することができる。
【0281】
請求項6記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、出力光波長を掃引する機構を有することにより、同一の素子で様々な入力光波長に対して出力光波長を変えて出力することができる。これにより、波長分割多重伝送方式における信号間の波長変換スイッチを容易に構成することができる。
【0282】
e)請求項7記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層の光吸収にサブバンド間吸収を用いたことにより、吸収飽和からの吸収回復時間を短くすることができ、より高速に光変調を行うことができる。
【0283】
f)請求項8記載の発明によれば、請求項1から7のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層および/または活性層の材料として、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を用いたことにより、光通信で用いられている波長に適した長波長帯の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を高性能に構成することができる。
【0284】
また、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を光吸収層に用いることで、キャリア緩和時間を短くして、より高速に光を変調させることができる。
【0285】
また、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を井戸層に用いると、伝導帯バンド不連続を拡大することができ、伝導帯内のサブバンド間吸収を利用した光吸収層を構成することも可能である。
【0286】
請求項9記載の発明によれば、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いて光論理演算装置を構成したことにより、活性層に注入する電流値を制御することで、AND動作とOR動作の両方を実現できる光論理演算素子を実現することができる。
【0287】
g)請求項10記載の発明によれば、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことにより、短波長から長波長への波長変換のみではなく、長波長から短波長への変換も可能な波長変換装置を容易に構成することができる。
【0288】
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の発明において、波長0.85μm帯の光信号と波長1.3μm帯の光信号とを波長変換することにより、シングルモード石英光ファイバを使用した比較的長距離のLANや機器間の光伝送システムと、マルチモード石英光ファイバを使用した機器内の光伝送システムとを高い伝送スループットで接続することが可能となる。
【0289】
h)請求項12記載の発明によれば、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことにより、低消費電力、低コスト、2次元アレイ化が容易な光パルス波形整形装置を形成することができる。
【0290】
i)請求項13記載の発明によれば、請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置、請求項9記載の光論理演算装置、請求項10または11記載の波長変換装置、あるいは請求項12記載の光パルス波形整形装置を用いたことにより、系列分離等の光情報処理機能を有する高性能の光伝送システムを構成することができる。
【0291】
また、基本要素として垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いているため、低消費電力、低コストでシステムを構築することができる。また、2次元アレイ化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図2】光変調動作を説明するための図である。
【図3】長共振器を含む垂直共振器型面発光半導体レーザの反射スペクトルを示す図である。
【図4】横モードと光放射分布との関係を示す図である。
【図5】横モード光変調装置の構成図である。
【図6】パルス反転動作を説明するための図である。
【図7】パルス系列分離動作を説明するための図である。
【図8】光吸収層の吸収係数と、入力光および出力光波長の関係を説明するための図である。
【図9】光パルス波形整形の動作を説明するための図である。
【図10】実施例2に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図11】実施例3に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図12】実施例4に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図13】実施例5に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図14】実施例6に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図15】実施例6に係る光交換装置の構成図である。
【図16】実施例7に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図17】実施例8に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図18】実施例9に係る波長変換装置の構成図である。
【図19】実施例10に係る垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の断面図である。
【図20】実施例11に係る光伝送モジュールの構成例である。
【図21】実施例12に係る光伝送モジュールの別な構成例である。
【符号の説明】
601:n型GaAs基板
602:n型GaAs/AlGaAsDBR
603:共振器構造
604:InGaAs/GaAs−MQW光吸収層
605:InGaAs/GaAs−MQW活性層
606:AlAs層
607:選択酸化された絶縁領域
608:p型GaAs/AlGaAsDBR
609:p側電極
610:n側電極
801:第1のn型DBR
802:第2のn型DBR
803:下部スペーサ層
804:上部スペーサ層
805:入力窓
901:第1のp型DBR
902:第2のp型DBR
1001:GaInNAs/GaAs−MQW活性層
1002:GaInNAs/GaAs−MQW光吸収層
1101:GaInNAs/AlAs−MQW光吸収層
1201:光ファイバアレイ
1202:波長変換素子
1203:光合波器
1204:光ファイバ
1301:マイクロレンズアレイ
1302:光合波器
1303:集光レンズ
1401:基板
1402:シングルモード石英光ファイバ
1403:マルチモード石英光ファイバ
1404:波長変換素子A
1405:波長変換素子B
1406:光合波器
1501:p型GaAs基板
1502:p型GaAs/AlGaAsDBR
1503:光吸収層
1504:n型GaAs/AlGaAsDBR
1505:AlAs層
1506:n側電極
1507:裏面電極
1601:第1の下部DBR
1602:第1の光吸収層
1603:第2の下部DBR
1604:第2の光吸収層
1605:第3の下部DBR
1701:第1の下部DBR
1702:光吸収層1702
1703:第2の下部DBR
1704:n型GaAsスペーサ層
1705:p型GaAsスペーサ層
1706:p型GaAsスペーサ層
1707:エアギャップ
1708:共振器
1709:上部DBR
1710:p側電極
1711:n側電極
1801:石英光ファイバ
1802:波長分波器
1803:波長変換素子
1804:合波器

Claims (13)

  1. 基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含む垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、
    外部から入力光が入射された場合に、前記光吸収層の吸収飽和により共振器損失が低下して閾電流が低下することで出力光強度が増加し、外部からの入力光が遮断された場合に、前記光吸収層による共振器損失が増加して閾電流が増加することで出力光強度が低下することにより光変調が行われることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  2. 基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層とを含み、外部からの入力光強度によって出力光強度を変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、
    前記分布ブラッグ反射鏡の高反射帯域中に、複数の共振器モードが形成されるように共振器の長さが形成され、前記複数の共振器モードのうちの一つがレーザ発振波長であり、別の共振器モードが入力光波長と一致することを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  3. 基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、外部からの入力光強度によって出力光強度を変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、
    前記分布ブラッグ反射鏡を通らずに光吸収層に入力光を入射する窓部が形成されたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  4. 基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、
    前記レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調することを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  5. 基板上に、活性層を含む共振器と、共振器の上下に形成された分布ブラッグ反射鏡と、活性層の光を吸収する光吸収層を含み、前記基板と垂直方向にレーザ発振光を出力する面型半導体発光装置と、電界吸収型光変調器とを、前記基板と垂直方向にモノリシック集積し、レーザ発振光の横モードを外部入力光強度によって変調可能としたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、
    出力光波長を掃引する機構をさらに有することを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、
    前記光吸収層の光吸収にサブバンド間吸収を用いたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、
    前記光吸収層および/または前記活性層の材料として、窒素と他のV族元素とを含む混晶半導体を用いたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする光論理演算装置。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする波長変換装置。
  11. 請求項10記載の波長変換装置において、
    波長0.85μm帯の光信号と波長1.3μm帯の光信号とを変換することを特徴とする波長変換装置。
  12. 請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を用いたことを特徴とする光パルス波形整形装置。
  13. 請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置、請求項9記載の光論理演算装置、請求項10または11記載の波長変換装置、あるいは請求項12記載の光パルス波形整形装置を用いたことを特徴とする光伝送システム。
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