JP2004342600A - 反射鏡付きランプ、高圧放電ランプおよび画像投影装置 - Google Patents

反射鏡付きランプ、高圧放電ランプおよび画像投影装置 Download PDF

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誠 堀内
Mitsuhiko Kimoto
光彦 木本
Kazuaki Okubo
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Abstract

【課題】 点灯動作圧が極めて高い高圧水銀ランプの黒化の発生を抑制する。
【解決手段】 高圧放電ランプ100と反射鏡50とを備え、反射鏡50は、出射方向前方70に第1開口部51と、封止部2が挿入される第2開口部52とを有しており、封止部2は、発光管1から延在した第1のガラス部8と、第1のガラス部8の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部7とを有しており、かつ、封止部2は、圧縮応力が印加されている部位(7)を有しており、さらに、封止部2を略水平方向に配置した場合に、発光管1の少なくとも下部1bには、マイクロキャビティー71が形成されている、反射鏡付きランプ500である。
【選択図】 図6

Description

本発明は、反射鏡付きランプ、高圧水銀ランプおよび画像投影装置に関する。特に、プロジェクタなどの光源として使用される高圧水銀ランプのうち、水銀の封入量が比較的多いものに関する。
近年、大画面映像を実現するシステムとして、液晶プロジェクタやDMDプロジェクタなどの画像投射装置が広く使用されている。このような画像投射装置には、特許文献1に開示されているような高圧水銀ランプが一般的に広く用いられている。
図1は、特許文献1に開示された高圧水銀ランプの構造を示している。図1に示したランプ1000は、石英を主成分とする発光管1と、その両側に延在する一対の側管部(封止部)2から構成されている。側管部2には、金属製の電極構造体が埋設されており、外部から発光管内に電力を供給できるようになっている。電極構造体は、タングステン(W)製の電極3、モリブデン(Mo)箔4、外部リード線5を順に電気的に接続した構成をとる。なお、電極3の先端には、コイル12が巻き付けられている。発光管1内には、発光種である水銀(Hg)、アルゴン(Ar)および少量のハロゲンガス(図示しない)が封入されている。
ランプ1000の動作原理を簡単に説明する。一対の外部リード線5の両端に始動電圧を印加すると、Arの放電が起こり発光管1内の温度が上昇する。この温度上昇によって、Hg原子は蒸発して、発光管1内に気体として充満する。このHgは両電極3の間で、一方の電極3から放出される電子によって励起されて発光する。したがって、発光種であるHgの蒸気圧が大きいほど高輝度の光が放出されるということになる。また、Hgの蒸気が大きいほど両電極間の電位差(電圧)は大きくなるため、同じ定格電力で点灯する場合、電流を小さくすることできる。これは電極3への負担を小さくできるということであり、ランプの長寿命化につながる。このため、Hg蒸気圧を大きくするほど、輝度、寿命の特性が優れたランプにすることができる。
特開平2−148561号公報
しかしながら、物理的耐圧強度の観点から、従来の高圧水銀ランプは実用的には15〜20MPa(150〜200気圧)程度のHg蒸気圧で使用されている。特許文献1には、Hg蒸気圧が200バールから350バール(約20MPa〜約35MPaに相当)の超高圧水銀ランプが開示されているが、信頼性や寿命等を考慮した現実的な使用においては、15〜20MPa(150〜200気圧)程度のHg蒸気圧で使用される。
今日、耐圧強度を高める研究・開発が行われているものの、実用的な使用に耐えられるような、Hg蒸気圧が20MPaを超えた高耐圧の高圧水銀ランプはまだ報告されていないのが現状である。そのような中、本願発明者は、約30〜40MPaまたはそれ以上(約300〜400気圧またはそれ以上)の高耐圧の高圧水銀ランプを完成させることに成功し、特願2002−351523号、および、特願2002−351524号に開示した。
この極めて高い耐圧を有する高圧水銀ランプは、従来技術では到達できていなかった水銀蒸気圧で動作させるものであるがゆえ、その特性および挙動がどのようになるか予測がつかない。本願発明者が当該高圧水銀ランプの点灯試験を行ったところ、動作圧が従来の20MPaを超えると、特におおむね30MPa以上になるとランプが黒化することがわかった。
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、動作圧が20MPaを超える(例えば23MPa以上、特に25MPa以上(又は27MPa以上、30MPa以上))高圧水銀ランプの黒化を抑制できる高圧水銀ランプおよび反射鏡付きランプを提供することにある。
本発明の反射鏡付きランプは、管内に発光物質が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを有する高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプから発する光を反射する反射鏡とを備え、前記反射鏡は、出射方向前方に第1開口部を有しており、当該反射鏡には、前記一対の封止部うちの一方の封止部が挿入される第2開口部が形成されており、 前記一対のうちの少なくとも一方の封止部は、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、当該一方の封止部は、圧縮応力が印加されている部位を有しており、さらに、前記一対の封止部を略水平方向に配置した場合に、前記発光管の少なくとも下部には、マイクロキャビティーが形成されている。
前記高圧放電ランプは、高圧水銀ランプであり、前記発光物質として、前記発光管の容積を基準にして230mg/cm3以上の水銀が封入されていることが好ましい。
本発明の他の反射鏡付きランプは、管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを有する高圧水銀ランプと、前記高圧放電ランプから発する光を反射する反射鏡とを備え、前記反射鏡は、出射方向前方に第1開口部を有しており、当該反射鏡には、前記一対の封止部うちの一方の封止部が挿入される第2開口部が形成されており、前記一対の封止部のそれぞれは、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、前記一対の封止部は両方とも、圧縮応力が印加されている部位を有しており、さらに、前記一対の封止部を略水平方向に配置したときに、前記発光管の外面のうち少なくとも下部には、前記発光管内から外に出射する赤外線の少なくとも一部をカットオフするマイクロキャビティーが形成されている。
ある好適な実施形態において、前記発光管のうち前記マイクロキャビティーが形成された部分は、赤外線の透過を遮断するとともに、可視光は透過させ、前記発光管のうち前記マイクロキャビティーが形成されていない部分は、赤外線および可視光の両者を透過させる。
前記マイクロキャビティーの直径は0.35μm以上であればよい。
ある好適な実施形態において、前記マイクロキャビティーは、前記発光管の前記下部に形成されており、かつ、前記発光管の上部には形成されていない。
ある好適な実施形態において、前記発光物質として、少なくとも水銀が封入されており、前記水銀の封入量は、前記発光管の容積を基準にして、270mg/cm3以上であり、前記発光管には、ハロゲンが封入されており、前記ランプの管壁負荷は、80W/cm2以上である。
前記反射鏡は、コールドミラーであってもよい。
ある好適な実施形態において、前記水銀の封入量は、前記発光管の容積を基準にして、300mg/cm3以上である。
ある好適な実施形態において、前記発光管内には、電極棒が対向して配置されており、前記電極棒は、金属箔に接続されており、前記金属箔は、前記封止部内に設けられており、かつ、当該金属箔の少なくとも一部は、前記第2のガラス部内に位置している。
ある好適な実施形態において、前記封止部内に埋め込まれた部分における前記電極棒の少なくとも一部には、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属を少なくとも表面に有するコイルが巻かれている。
ある好適な実施形態において、前記封止部内には、前記第2のガラス部と接する金属部であって、電力を供給するための金属部が設けられており、前記圧縮応力は、前記封止部の少なくとも長手方向に印加されており、前記第1のガラス部は、SiO2を99重量%以上含み、前記第2のガラス部は、15重量%以下のAl23および4重量%以下のBのうちの少なくとも一方と、SiO2とを含む。
ある好適な実施形態において、前記圧縮応力が印加されている部位は、前記第2のガラス部、前記第2のガラス部と前記第1ガラス部との境界部、前記第2ガラス部のうちの前記第1のガラス部側の部分、および、前記第1ガラス部のうちの前記第2のガラス部側の部分からなる群から選択され、前記圧縮応力が印加されている部位における前記圧縮応力は、約10kgf/cm2以上約50kgf/cm2以下である。
ある好適な実施形態において、前記圧縮応力は、光弾性効果を利用した鋭敏色板法を用いて前記封止部を測定した場合、前記第2のガラス部に相当する領域において、10kgf/cm2以上50kgf/cm2以下である。
本発明の更に他の反射鏡付きランプは、管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを有する高圧水銀ランプと、前記高圧放電ランプから発する光を反射する反射鏡とを備え、前記反射鏡は、出射方向前方に開口部を有しており、前記高圧水銀ランプの前記発光管には、当該発光管の容積を基準にして、230mg/cm3以上の水銀が封入されており、前記高圧水銀ランプの管壁負荷は、80W/cm2以上であり、前記一対の封止部を略水平方向に配置した場合に、前記発光管の少なくとも下部には、マイクロキャビティーが形成されている。
本発明の高圧放電ランプは、管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、前記発光管から延びた封止部とを備え、前記発光管には、当該発光管の容積を基準にして、230mg/cm3以上の水銀が封入されており、前記発光管の少なくとも一部には、マイクロキャビティーが形成されている。
本発明の他の高圧放電ランプは、管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを備え、前記一対の封止部のそれぞれは、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、前記一対の封止部は両方とも、圧縮応力が印加されている部位を有しており、さらに、前記発光管の外面のうち少なくとも一部には、前記発光管内から外に出射する赤外線の少なくとも一部をカットオフするマイクロキャビティーが形成されている。
本発明の画像投影装置は、上記反射鏡付きランプと、前記反射鏡付きランプを光源とする光学系とを備えている。
ある実施形態における高圧水銀ランプは、管内に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記発光管から延在し、前記電極の一部を内部に有する封止部とを備え、前記封止部内に位置する部分の前記電極の少なくとも一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属から構成された金属膜が形成されている。
ある実施形態において、前記電極は、前記封止部内に設けられた金属箔に溶接により接続されており、前記金属膜は、前記金属箔との接続箇所には形成されておらず、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の表面に形成されている。前記金属膜を構成している前記金属の一部が、前記発光管内に存在してもよい。前記金属膜は、下層がAu層、上層がPt層からなる多層構造を有していることが好ましい。
ある実施形態における高圧水銀ランプは、管内に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記発光管から延在し、前記電極の一部を内部に有する封止部とを備え、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表面に有するコイルが、前記封止部内に位置する部分の前記電極に巻き付けられている。ある実施形態において、前記封止部内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込まれており、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表面に有するコイルが、前記封止部内に埋め込まれている前記電極に巻き付けられている。前記コイルは、その表面に、下層がAu層、上層がPt層からなる多層構造の金属膜を有していることが好ましい。
ある実施形態における高圧水銀ランプは、管内に発光物質が封入される発光管と、前記発光管の気密性を保持する封止部とを備え、前記封止部は、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、前記封止部は、圧縮応力が印加されている部位を有しており、前記圧縮応力が印加されている部位は、前記第2のガラス部、前記第2のガラス部と前記第1ガラス部との境界部、前記第2ガラス部のうちの前記第1のガラス部側の部分、および、前記第1ガラス部のうちの前記第2のガラス部側の部分からなる群から選択される。ある実施形態において、前記第1のガラス部と前記第2のガラス部との境界周辺には、両者の圧縮応力の差によって生じた、歪み境界領域が存在している。前記封止部内には、前記第2のガラス部と接する金属部であって、電力を供給するための金属部が設けられていることが好ましい。前記圧縮応力は、前記封止部の少なくとも長手方向に印加されていればよい。
ある実施形態において、前記第1のガラス部は、SiO2を99重量%以上含み、前記第2のガラス部は、15重量%以下のAl23および4重量%以下のBのうちの少なくとも一方と、SiO2とを含み、前記第2のガラス部の軟化点は、第1のガラス部の軟化点温度よりも低い。前記第2のガラス部は、ガラス管から形成されたガラス部であることが好ましい。また、前記第2のガラス部は、ガラス粉末を圧縮形成して焼結してなるガラス部ではないことが好ましい。ある実施形態において、前記圧縮応力が印加されている部位における前記圧縮応力は、約10kgf/cm2以上約50kgf/cm2以下である。あるいは、前記圧縮応力の差は、約10kgf/cm2以上約50kgf/cm2以下である。
ある実施形態において、前記発光管内には、一対の電極棒が互いに対向して配置されており、前記一対の電極棒のうちの少なくとも一方の電極棒は、金属箔に接続されており、前記金属箔は、前記封止部内に設けられており、かつ、当該金属箔の少なくとも一部は、前記第2のガラス部内に位置しており、前記発光物質として、少なくとも水銀が前記発光管内に封入されており、前記水銀の封入量は、300mg/cc以上であり、前記高圧水銀ランプの平均演色評価数Raは、65を超える。前記高圧水銀ランプの色温度は、8000K以上であることが好ましい。
本発明によれば、発光管の少なくとも下部にマイクロキャビティーが形成されているので、発光管の下部を簡便に加熱することができ、その結果、動作圧が20MPaを超える(例えば23MPa以上、特に25MPa以上(又は27MPa以上、30MPa以上))高圧放電ランプの黒化を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態を説明する前に、点灯動作圧が約30〜40MPaまたはそれ以上(約300〜400気圧またはそれ以上)である極めて高耐圧を示す高圧水銀ランプについて説明する。なお、これらの高圧水銀ランプの詳細は、特願2002−351523号、および、特願2002−351524号に開示されている。ここでは、これらの特許出願を本願明細書に参考のため援用することとする。
動作圧が約30MPa以上であるにもかかわらず、実用的に耐えることができる高圧水銀ランプの開発は困難を極めたが、例えば、図2に示すような構成にすることによって、極めて高耐圧のランプを完成することに成功した。なお、図2(b)は、図2(a)中のb−b線に沿った断面図である。
図2に示した高圧水銀ランプ1100は、上記特許出願にて開示したものであり、発光管1と、発光管1の気密性を保持する封止部2を一対備えており、封止部2の少なくとも一方は、発光管1から延在した第1のガラス部8と、第1のガラス部8の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部7とを有しており、かつ、当該一方の封止部8は、圧縮応力が印加されている部位(20)を有している。
封止部2における第1のガラス部8は、SiO2を99重量%以上含むものであり、例えば、石英ガラスから構成されている。一方、第2のガラス部7は、15重量%以下のAl23および4重量%以下のBのうちの少なくとも一方と、SiO2とを含むものであり(なお、SiO2の割合は99重量%よりも小さい)、例えば、バイコールガラスから構成されている。SiO2にAl23やBを添加すると、ガラスの軟化点は下げるため、第2のガラス部7の軟化点は、第1のガラス部8の軟化点温度よりも低い。なお、バイコールガラス(Vycor glass;商品名)とは、石英ガラスに添加物を混入させて軟化点を下げて、石英ガラスよりも加工性を向上させたガラスであり、その組成は、例えば、シリカ(SiO2)96.5重量%、アルミナ(Al23)0.5重量%、ホウ素(B)3重量%である。本実施形態では、バイコールガラス製のガラス管から、第2のガラス部7は形成されている。なお、バイコール製のガラス管の代わりに、SiO2:62重量%、Al23:13.8重量%、CuO:23.7重量%を成分とするガラス管を用いても良い。
封止部2の一部に印加されている圧縮応力は、実質的にゼロ(すなわち、0kgf/cm2)を超えたものであればよい。この圧縮応力の存在により、従来の構造よりも耐圧強度を向上させることができる。この圧縮応力は、約10kgf/cm2以上(約9.8×105N/m2以上)であることが好ましく、そして、約50kgf/cm2以下(約4.9×106N/m2以下)であることが好ましい。10kgf/cm2未満であると、圧縮歪みが弱く、ランプの耐圧強度を十分に上げられない場合が生じ得るからである。そして、50kgf/cm2を超えるような構成にするには、それを実現させるのに、実用的なガラス材料が存在しないからである。ただし、10kgf/cm2未満であっても、実質的に0の値を超えれば、従来の構造よりも耐圧を上げることができ、また、50kgf/cm2を超えるような構成を実現できる実用的な材料が開発されたならば、50kgf/cm2を超える圧縮応力を第2のガラス部7が有していてもよい。
図11を参照しながら、光弾性効果を利用した鋭敏色板法による歪み測定の原理を簡単に説明する。図11(a)および(b)は、偏光板を透過させてなる直線偏光をガラスに入射させた状態を模式的に示している。ここで、入射させた直線偏光をuとすると、uは、直交する2つの直線偏光u1とu2とが合成してできたものとみなすことができる。
図11(a)に示すように、ガラスに歪みがないときは、その中をu1とu2とは同じ速さで通過するので、ガラスを透過した後ではu1とu2との間にずれは生じない。一方、図11(b)に示すように、ガラスに歪みがあり、応力Fが働いているときは、その中をu1とu2とは同じ速さで通過しないので、ガラスを透過した後ではu1とu2との間にずれが生じる。つまり、u1とu2のうち一方が他方より遅れることになる。この遅れた距離を光路差という。光路差Rは、応力Fと、ガラスの通過距離Lとに比例するため、比例定数をCとすると、
R = C・F・L
で表すことができる。ここで、各記号の単位は、それぞれ、R(nm)、F(kgf/cm2)、L(cm)、C({nm/cm}/{kgf/cm2})である。Cは、ガラス等の材質により決まる定数であって、光弾性常数と呼ばれる。上記式からわかるように、Cが知られていれば、LおよびRを測定すると、Fを求めることができる。
本願発明者は、封止部2における光の透過距離L、すなわち、封止部2の外径Lを測定し、そして、歪み標準器を用いて、測定時の封止部2の色から光路差Rを読みとった。また、光弾性常数Cは、石英ガラスの光弾性常数3.5を使用した。これらを上記式に代入し、算出された応力値の結果から金属箔4の長手方向の圧縮歪みを定量化した。
なお、本測定では、封止部2の長手方向(電極棒3の軸が延びる方向)についての応力を観察したが、このことは、他の方向において圧縮応力が存在していないことを意味するものではない。封止部2の径方向(中心軸から外周へ向かう方向、またはその逆方向)、または、封止部2の周方向(例えば、時計周り方向)について圧縮応力が存在しているかどうかを測定するには、発光管1や封止部2を切断する必要があるのであるが、そのような切断を行ったとたん、第2のガラス部7の圧縮応力が緩和されてしまう。したがって、ランプ1100に対して切断を行わない状態で測定できるのは、封止部2の長手方向についての圧縮応力であるため、本願発明者らは、少なくとも、その方向での圧縮応力を定量化したのである。
次に、本願発明者らが推論した、ランプ完成体に対して所定の温度で所定時間以上のアニールを施すと、ランプの第2のガラス部7に圧縮応力が加わる機構について図12を参照しながら説明する。
まず、図12(a)に示すように、ランプ完成体を用意する。なお、ランプ完成体の作製方法は上記特許出願に記載した通りである。
次に、そのランプ完成体を加熱すると、図12(b)に示すように、水銀(Hg)6が蒸発を始め、その結果、発光管1内および第2のガラス部7にも圧力が加わる。図中の矢印は、水銀6の蒸気による圧力(例えば、100気圧以上)を表している。発光管1内だけでなく、第2のガラス部7にも水銀6の蒸気圧が加わる理由は、目には見えない程度の隙間13が電極棒3の封止部分にあるからである。
さらに加熱の温度を上げて、第2のガラス部7の歪点を越える温度(例えば、1030℃)で加熱を続けると、第2のガラス部7が軟らかい状態で、水銀の蒸気圧が第2のガラス部7に加わるため、第2のガラス部7において圧縮応力が発生する。圧縮応力が発生する時間は、例えば歪点で加熱したときに約4時間、徐冷点で加熱したときに約15分であると推測される。この時間は、歪点および徐冷点の定義から導き出したものである。すなわち、歪点とは、この温度で4時間保つと内部歪が実質的に除去できる温度を意味し、徐冷点とは、この温度で15分保つと内部応力が実質的に除去できる温度を意味するところから、上記時間は推測されている。
次に、加熱をやめて、ランプ完成体を冷却させる。加熱をやめた後も、図12(c)に示すように、水銀は蒸発したままであるので、水銀蒸気による圧力を受け続けながら第2のガラス部7は歪点より温度が低くなり、その結果、図13(a)、(b)に示すように、第2のガラス部7に圧縮応力が金属箔の長手方向だけではなく径方向等にも残留することになる(但し、歪検査器では長手方向の圧縮応力しか確認できない)。
最後に、室温程度まで冷却が進むと、図12(d)に示すように、第2のガラス部7に圧縮応力が約10kgf/cm2以上存在するランプ1100が得られる。図12(b)および(c)に示したように、水銀の蒸気圧は、両方の第2のガラス部7に圧力を加えるため、この手法によれば、両方の封止部2に約10kgf/cm2以上の圧縮応力を確実に加えることができる。
この加熱プロファイルを模式的に図14に示す。まず、加熱を始めると(時間O)、その後、第2のガラス部7の歪点(T2)の温度に達する(時間A)。次に、第2のガラス部7の歪点(T2)と第1のガラス部8の歪点(T1)との間の温度で、ランプを所定時間保持する。この温度領域は、基本的に、第2のガラス部7だけが変形可能な範囲とみなすことができる。この保持の間に、図15の概略図に示すように、水銀蒸気圧(例えば、100気圧以上)によって第2のガラス部7に圧縮応力が入る。
なお、水銀蒸気圧によって第2のガラス部7へ圧力を加えることが、アニール処理を最も効果的に利用する手法と思えるが、図14におけるT2以上T1以下の温度範囲でランプを保持している時であれば、第2のガラス部7へ何らかの力を加えることができれば、水銀蒸気圧だけでなく、その力によって(例えば外部リード5を押すことによって)、第2のガラス部7に圧縮応力を加えることも可能であると推測する。
次に、加熱をやめると、ランプが冷却していき、時間B以降、第2のガラス部7の温度は歪点(T2)を下回る。歪点(T2)を下回ると、第2のガラス部7の圧縮応力は残留することになる。本実施形態では、1030℃で150時間保持した後、冷却(自然冷却)することによって、第2のガラス部7の圧縮応力を印加して残留させる。
上記のようなメカニズムで、水銀蒸気圧によって圧縮応力が発生するので、圧縮応力の大きさは、水銀蒸気圧(言い換えると、封入水銀量)に依存することになる。
一般的に、水銀量が多くなるほどランプは破裂しやすくなるところ、本実施形態の封止構造を用いると、水銀量を多くするほど圧縮応力が大きくなり、耐圧が向上する。つまり、本実施形態の構成によれば、水銀量を多くするほど高い耐圧構造を実現することができるため、現在の技術では実現できなかったような、極めて高耐圧での安定点灯を可能にする。
放電空間内に一端が位置する電極棒3は、封止部2内に設けられた金属箔4に溶接により接続されており、金属箔4の少なくとも一部は、第2のガラス部7内に位置している。金属箔4は、少なくともその一部が第2のガラス部7に被われていればよい。つまり、本実施形態では、図13(b)に示すように、封止部2の横断面(封止部2の長手方向に直交する断面)において、金属箔4の周囲全てが第2のガラス部7により被われていて、このことは言い換えると、少なくとも金属箔4の一部はその幅方向の周囲全てを第2のガラス部7により被われており、この部分では金属箔4のエッジ部が第2のガラス部7に囲まれていて、これにより気密性の確保が十分となる。図2に示した構成では、電極棒3と金属箔4との接続部を含む箇所を、第2のガラス部7が覆うような構成にしている。図2に示した構成における第2のガラス部7の寸法を例示すると、封止部2の長手方向の長さで、約2〜20mm(例えば、3mm、5mm、7mm)であり、第1のガラス部8と金属箔4との間に挟まっている第2のガラス部7の厚さは、約0.01〜2mm(例えば、0.1mm)である。第2のガラス部7の発光管1側の端面から、発光管1の放電空間までの距離Hは、例えば、0mm〜約3mmであり、そして、金属箔4の発光管1側の端面から、発光管1の放電空間までの距離B(言い換えると、電極棒3だけで封止部2内に埋まっている長さ)は、例えば、約3mmである。
図2に示したランプ1100は、図3に示すように、改変することも可能である。図3に示した高圧水銀ランプ1200は、封止部2内に位置する部分の電極3に、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表面に有するコイル40が巻き付けられた構造を有している。ここで、コイル40は、典型的には、その表面に、下層がAu層、上層がPt層からなる多層構造の金属膜を有している。なお、大量生産する場合に若干製造プロセス上のデメリットがあるが、図4に示した高圧水銀ランプ1300のように、封止部2内に位置する部分の電極3の少なくとも一部の表面に、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属から構成された金属膜30を、コイル40に代えて形成してもよい。図2から図4に示した構成と比較すると、耐圧が低下するものの、図5(a)および(b)に示すように、第2のガラス部7を用いずに、コイル40や金属膜30を用いた構成を有する高圧水銀ランプ1400、1500でも、実用的に使用可能なレベルで、30MPa以上の動作圧を実現することができる。ただし、より信頼性の高い動作を得るには、例えば約10kgf/cm2以上の圧縮応力が印加された第2のガラス部7が存在する方が好ましい(図2から図4の構成を参照)。
図2に示したような、点灯中のHg蒸気圧が30MPa(300気圧)を越えるランプを試作し、本願発明者が点灯試験を行ったところ、動作圧がおおむね30MPa以上になるとランプが黒化することがわかった。黒化は、点灯中にW電極3の温度が上昇し、W電極から蒸発したW(タングステン)が発光管の内壁に付着して起こる現象であり、このまま点灯を続けると破裂にいたる。
ここで、従来の15〜20MPa(150〜200気圧)程度での点灯であれば、発光管内に封入したハロゲンガスが、発光管内壁に付着したタングステンと反応して、ハロゲン化タングステンとなる。ハロゲン化タングステンは発光管内を浮遊して、温度の高いW電極の先端7に達すると、もとのハロゲンとタングステンに解離するため、タングステンは電極の先端7に戻ることになる。これをハロゲンサイクルというが、従来ランプのHg蒸気圧では、このサイクルのためにランプは黒化することなく、点灯することが可能であった。しかしながら、30MPa(300気圧)以上にすると、このサイクルがうまく機能しないことが本願発明者の実験によりわかった。なお、30MPa以上の場合に黒化が顕著になるとしても、現実の使用としての信頼度を高めるためには、30MPa以上に限らず、20MPaを超えるレベル(例えば、23MPa以上のレベル、または25MPa以上のレベル)で、黒化の問題に対策を講じる必要がでてくる。
本願発明者は、この黒化が生じるのは高圧放電ランプまたは反射鏡付きランプの熱設計に問題があるのではないかと考え、そして、30MPa以上の動作圧に対応した熱設計を従来の常識とは異なる観点からやり直すことで、その黒化の問題を解決できることを突き止め、本発明を完成させるに至った。以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図6は、本実施形態の反射鏡付きランプ500の断面構成を示している。なお、図面の見やすさのため断面のハッチングは省略する。
図6に示した反射鏡付きランプ500は、高圧放電ランプ100と、ランプ100から発する光を反射する反射鏡50とを備えている。
反射鏡50は、出射方向70前方に第1開口部(広開口部)51を有しており、この第1開口部51から、反射鏡付きランプ500の光は出射する。また、反射鏡50の後方(出射方向70の後方)で正面から見て中心には、ネック部59がある。このネック部59には第2開口部(狭開口部)52が形成されており、この第2開口部52に封止部2を挿入することによって、ランプ100と反射鏡50とは互いに固定されている。封止部2と第2開口部52との間の隙間は、接着剤53によって塞がっている。接着剤53は、例えば、無機系接着剤(セメントなど)である。
高圧放電ランプ100は、例えば水銀6の封入量が230mg/cm3以上の高圧水銀ランプ100である。高圧放電ランプ100は、図2に示したランプ1100と似ているが、図6に示すように、発光管1の少なくとも一部にマイクロキャビティー71が形成されている点が異なる。本実施形態では、一対の封止部2,2を略水平方向に配置した場合に、発光管1の下部にマイクロキャビティー71が複数形成されている。他の点は、図6に示した高圧放電ランプ100と、図2に示したランプ1100と基本的に同様の構成をしている。なお、図2に示したランプ1100は、第2のガラス部7が金属箔4の一部を覆う構成のものであったが、図6では、第2のガラス部7が金属箔4の全体を覆った構成のものを示している。なお、高圧水銀ランプ100としては、図2から図5(a)および(b)に示した高圧水銀ランプ1100〜1500に、マイクロキャビティー71を形成することも可能である。
マイクロキャビティー71は、所定の波長の1/2の寸法の直径を有する空洞であり、導波管として働き、当該所定の波長以上の光を閉じこめる機能を持っている。したがって、赤外線の透過をカットオフし、可視光(および紫外線)を透過させたい場合には、カットオフしたい当該赤外線の波長の半分の直径(寸法)のマイクロキャビティー71を形成すればよい。そうすれば、マイクロキャビティー71の直径の2倍以上の波長の光は、カットオフされ、当該2倍未満の波長の光はカットオフされずに透過する。
図7は、マイクロキャビティー71が形成された部分を拡大して示している。本実施形態のマイクロキャビティー71は、赤外線の透過を遮断するとともに、可視光は透過させるようにするので、マイクロキャビティー71の直径φ1は、例えば0.35μm以上にしてある。なお、深さは、直径の2倍以上あれば良く、例えば0.8〜10μm程度である。本実施形態における深さは2μmである。そのようなマイクロキャビティー71を形成すれば、図8のように、赤外線75はマイクロキャビティー71によってカットオフされて透過できず、その一方で、可視光76および紫外線77は、マイクロキャビティー71によってカットオフされないので透過する。
マイクロキャビティー71は、例えば、フェムト秒レーザーによって発光管(石英ガラス)1の外面を掘ることによって形成することができる。本実施形態では、フェムト秒レーザーによって、直径0.5μmの略円筒形のマイクロキャビティー71を形成する。マイクロキャビティー71は、技術的には、直径0.1μm程度のものまで形成し得る。簡易的な方法として、鉄、砂、ガラスなどの微粒子を吹き付けてキャビティを形成する、いわゆるサンドブラストで表面を加工しても効果は得られる。ただし、フェムト秒レーザーの方がシャープな形状のキャビティを加工できるため、カットオフの精度は良い。
本実施形態においては、発光管1の下部1bの温度を高めたいので、発光管1のうち少なくとも下部1b(または、下部1bのみ)に、赤外線の少なくとも一部(または全部)をカットオフするマイクロキャビティー71を形成する。本実施形態において、発光管1の下部1bとは、少なくとも最下点を含む領域であり、より具体的には、例えば、図6中の一対の電極の先端を結ぶ仮想軸の中間を通り、その軸に垂直な鉛直軸が通る下部1b付近のことである。ここで、少なくとも最下点を含む領域とは、例えば、発光管1の水平線(または、一対の電極の先端を結ぶ仮想軸を含む平面)よりも下の領域のことである。本実施形態では、マイクロキャビティー71は、発光管1の下部1bのみに形成されており、発光管1の上部1aには形成されていない。 なお、発光管1の下部1bの温度を高めたい理由については後述する。
図6に示した高圧水銀ランプ100の構成をさらに説明すると、高圧水銀ランプ100は、図2等に示した構造と同様に、管内に少なくとも水銀6が封入された発光管1と、発光管1の気密性を保持する封止部2を一対備えている。水銀6の封入量は、発光管の容積を基準にして、230mg/cm3以上(例えば、250mg/cm3以上、270mg/cm3以上、または300mg/cm3以上。場合によっては、350mg/cm3を超えるものや、350〜400mg/cm3またはそれ以上である。)である。
発光管1内には、一対の電極(または電極棒)3が互いに対向して配置されており、電極3は、金属箔4に溶接にて接続されている。金属箔は、典型的にはモリブデン箔であり、封止部2内に設けられている。高圧水銀ランプ100が図2に示したランプ1100の場合には、金属箔4の少なくとも一部は、第2のガラス部7内に位置することになる。金属箔4の一端には、外部リード5が接続されている。一方の外部リード5は、接続部材63を介して外部リード引き出し線61に接続され、他方の外部リード5も、接続部材64を介して外部リード引き出し線62に接続される。
反射鏡50は、反射面50aを有しており、反射面50aは、楕円面または放物面を有している。本実施形態の反射鏡50は、反射面50aとして楕円面を有する楕円面鏡であり、楕円面50aの周囲には、反射鏡50の縁部50bが位置している。
反射鏡50の反射面50aの最大径は、例えば、45mm以下であり、小型の要請をさらに満たす上では、40mmまたはそれ未満にすることも可能である。反射鏡20の内容積は、例えば、200cm3以下である。本実施形態の反射鏡50およびその焦点の寸法を例示すると、反射面50aの直径φ2は、約45mmであり、反射鏡50の深さDは約33mmである。正面から見た場合の反射鏡50の反射面50aの形状が円形であっても、縁部50bによって、反射鏡付きランプ500を正面形状を矩形または正方形にすることも可能である。本実施形態の反射鏡50の容積は、約40000mm3、つまり約40ccである。反射鏡50が楕円面鏡タイプの場合、反射鏡50の最深部から焦点F1、F2までの距離は、それぞれ、約8mmおよび約64mmである。なお、反射鏡50の第1開口部51には前面ガラスを取り付けて、反射鏡50内を密閉構造にすることもできる。
ランプ100の構成をより詳細に説明する。ランプ100は、石英を主成分とする発光管1と、その両側に延在する一対の封止部(側管部)2から構成されており、封止部2を2つ備えたダブルエンド型のランプである。発光管1は略球形をしており、外径が例えば5mm〜20mm程度であり、ガラス厚は例えば1mm〜5mm程度である。また、発光管1内の放電空間の容積は例えば0.01cc〜1cc(0.01cm3〜1cm3)程度である。本実施形態では、外径10mm程度、ガラス厚3mm程度、放電空間の容積0.06cc程度の発光管1を用いている。
発光管1内には、一対の電極棒3が互いに対向して設置されている。電極棒3の先端は、0.2〜5mm程度の間隔(アーク長)で、発光管1内に設置されている。本実施形態では、アーク長を0.5〜1.8mmとした。なお、本実施形態のランプは、交流点灯させるものである。そして、封止部2は、シュリンク手法によって作製されたシュリンク構造を有するものである。また、発光管1内には、発光種である水銀6が、例えば230mg/cc以上封入されている。本実施形態では、270〜300mg/cc封入している。あるいは、300mg/cc以上封入することも可能である。また、5〜40kPaの希ガス(例えばAr)と、必要に応じて、少量のハロゲンが封入されている。本実施形態では、20kPaのArを封入し、ハロゲンをCH2Br2の形態で発光管1内に導入している。CH2Br2の封入量は、0.0017〜0.17mg/cc程度であり、これは、ランプ動作時のハロゲン原子密度に換算すると、0.01〜1μmol/cc程度に相当する。なお、本実施形態では、約0.1μmol/cc程度であった。また、点灯中に発光管内壁にかかる管壁負荷は、例えば60W/cm2以上である。本実施形態では、120Wで点灯し、その管壁負荷は150W/cm2程度であった。
次に、極めて高い動作圧の点灯における黒化現象、および、発光管1の下部1bの温度を高めたい理由について説明する。
30MPa以上の点灯動作圧で、ランプが黒化してしまうことは、本願発明者が初めて見出したことである。これは、実用的なレベルで使用可能な、点灯動作圧が30MPa以上のランプが従来存在しなかったことに専ら起因している。
点灯動作圧が30MPa以上のランプが黒化してしまう明確な理由は現時点では明らかでない。その明確な理由が分からなかったため、実際、本願発明者は黒化を防止するために様々な対策および工夫を試してみた。例えば、点灯動作圧が30MPa以上のランプは、15MPa〜20MPaのランプと比較すると、ランプ(特に、発光管)の温度が一層高くなることが確認されたので、この発光管の温度の上昇が黒化の原因ではないかと思い、ランプ点灯時に発光管を冷却させて発光管の温度を下げるようにしてみたものの、それによっては、黒化を防止することはできなかった。他にも色々試みてみたが、うまく黒化を防止することはできなかった。実験の中で、発光管1を逆に加熱してみたらどうかというアイデアに基づいて、発光管1の温度を上昇させてみたら、なんと黒化を防止することに成功した。この成功例から推論すると、次のような理由により黒化が防止されているのではないかと思われる。
点灯動作圧が30MPa以上のランプでは、通常よりも発光種であるHgが多く封入されている。そのため、電極から放出される電子とHg原子との衝突回数は、点灯動作圧が20MPaのランプと比較して大きくなり、Hgの励起頻度も多くなる。また、電子移動度は減少するため、20MPaのランプよりもアークは細くなる。その結果、アークの単位体積当たりのエネルギーは大きくなって、より高輝度で温度の高いアークが形成される。したがって、電極3の先端の温度は高くなり、20MPaのランプよりもタングステンの蒸発が多くなる。また、陰極に引き寄せられて、電極をスパッタリングするHgイオンも多く存在するため、この効果によってもタングステンの蒸発量が多くなっている。つまり、20MPaのランプと比較して、アーク温度が高く、浮遊しているHgおよびタングステンが多くなっているため、20MPaのランプより発光管1内に起こる対流も大きくなり、より多くのタングステンが発光管1内壁に運ばれていることになる。
さらに、30MPa以上の点灯動作圧のランプでは、20MPaの点灯動作圧のランプに比べてアークから放出される放射熱が大きくなり、20MPaのランプでは保たれていた発光管の熱バランスが崩されてしまう。以下、図9も参照しながら、この熱バランスの崩れついて説明する。
図9は、点灯動作圧が20MPaおよび40MPaのランプの分光スペクトルを示している。図9に示されているように、点灯動作圧を大きくすると、赤外域の発光が増加する。したがって、アークからの放射熱は、点灯動作圧が大きい場合の方が大きくなる。これは、アークからの放射熱の影響を受けやすい領域と放射熱の影響を受けにくい領域との間で、より大きな放射熱による温度格差を広げることになる。その結果、20MPaのランプでは保たれていた発光管内の温度バランスが、30MPaのランプでは崩ずれてしまう。また、発光管1内の対流が大きくなっており、熱が発光管1下部から上部へ運ばれているため、上部および下部でも温度バランスも崩れる。
以上のような状態が30MPaのランプで生じてその熱バランスが崩ずれてしまうので、30MPaのランプでは、発光管内1壁に付着したタングステンをハロゲンサイクルで電極へ戻すことができず、黒化が生じると推論される。本願発明者が実験した一例では、本実施形態の構成を採用しない場合において、発光管1の上部と下部の温度差が250℃にも達するものもあった。
動作圧15MPa〜20MPaの高圧水銀ランプでは、当該分野の技術常識として、封入された水銀は全て蒸発して、予測した通りの所定の動作圧を示すものと思われていたが、水銀の蒸気圧カーブを考慮すると、所定の動作圧を得ようとすれば、ある一定以上の温度が必要であるとの知識に立ち返る必要があるのかもしれない。それが動作圧20MPaを超えた領域で発生していると思われる。本願発明者の実験に基づく検討によると、800℃を下回ると、ハロゲンサイクルが良好に機能しないことがあることがわかった。おそらく、20MPaの動作圧を得ようとすれば、800℃程度の温度が必要となり、27MPaの動作圧を得ようとするならば、900℃程度の温度が必要となるのであろう。
しかしながら、今日、動作圧15MPa〜20MPaの高圧水銀ランプ(いわゆる超高圧水銀ランプ)の分野では、非常に高温の高圧水銀ランプを冷却して動作させることに注意がいっており、まして高温の高圧水銀ランプをさらに加熱するための対策など採られていない。最近、高圧水銀ランプの出力は益々高くなる傾向があり、当該分野の技術常識に基づけば、高圧水銀ランプから生じる大量の熱を放出するために、反射鏡の大型化、および/または、赤外線を外部に放射するコールドミラーの採用も検討される可能性がある。しかし、そうすれば、ますます、所定の動作圧を得るために高圧水銀ランプに必要な温度が足りなくなり、高圧水銀ランプでありながら、最冷点が発生し得ることになりかねない。もちろん、高圧水銀ランプの発光管1の上部1aの箇所の温度が所定温度に達しないことはないであろうが、発光管1の中で温度の低い下部1bは最冷点になり得る。
本願発明者は、発光管1を加熱することによって発光管1の黒化を抑制できることを突き止めた。しかし、反射鏡付きランプ内のランプを加熱して、発光管1の下部1bを所定温度以上にすることは、現実の製品で許容されている設計変更内で実現することは困難である。そこで、本発明では、高圧水銀ランプ100の発光管1の少なくとも下部1bにマイクロキャビティー71を形成し、そこで赤外線を閉じこめて、発光管1の下部1bを加熱する。この手法によれば、発光管1の外面に表面処理を施すだけなので、現実の製品で許容されている設計変更内で容易に実行することができる。発光管1の下部1bだけマイクロキャビティー71を形成しておけば、発光管1の上部1aからは、赤外線は透過していくので、赤外線による上部1aの過度の加熱の問題は回避することができる。また、下部1bは加熱されているので、積極的に上部1aを冷却することも可能となる。なぜなら、上部1aの積極的な冷却は、マイクロキャビティー71が形成されていなければ、下部1bの温度を不必要に低下させるが、マイクロキャビティー71が形成されていれば、その温度の低下を抑制できるからである。なお、上部1aに過度の加熱の問題がなければ、上部1aにマイクロキャビティー71を形成してもよい。
高圧水銀ランプに投入されたランプ電力は、光と熱とに変換されるので、高圧水銀ランプから赤外線の少なくとも一部が放出されないということは、放出されなかった赤外線の分のエネルギーの一部(または大半)が可視光および紫外光に変換されることを意味する。つまり、マイクロキャビティー71を形成することによって、可視光のエネルギー効率を向上させることも可能となる。したがって、マイクロキャビティー71は、可視光の発光強度を向上させる機能も有している。
マイクロキャビティー71の直径は0.35μm以上であることが好ましい。なぜなら、0.35μmの未満の穴は、波長700nm未満の光をとじ込めてしまい、ランプから出てくる光束を低下させるからである。上限は特に規定はない。ただし、石英ガラスは波長5〜6μm以上の光をカットするので、石英ガラスがカットする光までマイクロキャビティー71で特にカットする必要はない。したがって、キャビティ径としては3μm以下が効果的である。
なお、本実験では30MPa以上のランプで黒化が確認されたが、30MPa以下のランプであっても20MPaを超えるもの(すなわち、従来の15MPa〜20MPaのランプを超える点灯動作圧を有するランプ。例えば、23MPa以上または25MPaや27MPa以上のランプ)について、黒化が発生しないことを、より長い時間にわたって保証するには、本実施形態の構成を採用して、黒化を抑制するようにすることが現実には望ましい。つまり、ランプを大量生産する場合には、ランプの特性にどうしてもばらつきが生じ得るため、点灯動作圧が23MPa程度のランプであっても、黒化が生じるランプが1本や数本発生しないとも限らず、それゆえ、確実に黒化発生防止を担保するためには、従来の15MPa〜20MPaを超えるランプについては、本実施形態の構成を用いることが好ましい。もちろん、点灯動作圧がより高くなるにつれ、言い換えると、30MPaよりも40MPaの方が黒化の影響は大きくなるので、本実施形態の技術によって黒化を抑制できることの技術的意義が大きくなることは言うまでもない。
本実施形態によれば、高圧水銀ランプ100の発光管1の少なくとも下部1bにマイクロキャビティー71が形成されているので、発光管1の下部1bを勘弁に加熱することができる。その結果、従来の高動作圧(例えば、15〜20MPa)よりも更に高い動作圧(例えば、23MPaや27MPa以上)の高圧水銀ランプ100を動作させた場合でも、黒化の発生を抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、図10を参照しながら、本発明の実施形態2を説明する。本実施形態の構成は、上記実施形態1の構成を改変したものであり、マイクロキャビティー71によって発光管1の下部1bを加熱できる機構は、上記実施形態1と同様である。
図10に示した反射鏡付きランプ600では、反射鏡50の第1開口部51よりも前方に、前面ガラス90が取り付けられており、それによって略密閉構造にされている。略密閉構造にすることによって、万が一の破裂の場合において飛散物が外部に出ないようにすることができるとともに、反射鏡付きランプ600内を保温する作用を果たしている。なお、発光管1の下部1bには、マイクロキャビティー71による加熱手段があるので、発光管1の上部1aを積極的に冷やす手段を施しても、飛散物の問題さえ解消していれば、特に問題はない。図10に示した構成では、前面ガラス90は、支持部材92によって反射鏡50に固定されているが、反射鏡50に前面ガラス90を直接取り付けても良い。
本実施形態では、前面ガラス90として、凹面レンズを用いており、この凹面レンズによって、反射鏡付きランプ600におけるランプ100の更なる点光源化を実質的に達成している。これについてさらに詳しく述べる。凹面レンズ90を通して反射鏡50内のランプ100を見ると、ランプ100が小さく見える。これは、ランプ100の発光点(アークが位置する発光領域)が実質的に小さくなることを意味し、すなわち、更なる点光源化を達成できたことになる。ランプ100の点光源化が進むほど、画像投影装置における光の利用効率は向上するので好ましい。
反射鏡50が楕円面鏡の場合における反射鏡付きランプ600の発光機構は、図10のようになる。すなわち、ランプ100の発光管(発光部)1から出射された光73は、反射鏡50の反射面50aによって反射し(矢印73’)、次いで、凹面レンズ90の方に進み(より正確には、焦点の方に集光しながら進み)、その後、凹面レンズ90を介して平行光74となる。
本実施形態の構成によれば、反射鏡付きランプ600に凹面レンズ90が取り付けられているので、ランプの更なる点光源化を実質的に図ることができ、それゆえ、光の利用効率を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態1および2の構成および特徴は、相互に適宜適用可能である。また、高圧水銀ランプの黒化は、点灯動作圧が15MPa〜20MPaの従来のランプを超える点灯動作圧を有するランプであれば回避しなければならない問題であるので、本発明の実施形態の技術は、図2〜図5に示したランプ1100〜1500に限らず、ランプ100は、他の優れた高耐圧特性を有する20MPaを超えるランプ(例えば、23MPa以上、特に、27MPa又は30MPa以上のランプ)に広く適用できる。
また、上記実施形態おける黒化は、ハロゲン密度と発光管温度との関係も影響するので、例えば封入するハロゲンとしてCH2Br2を選択した場合、発光管内容積あたり0.0017〜0.17mg/cc程度封入することが好ましい。ハロゲン原子密度に換算して示すと、0.01〜1μmol/cc程度にすることが好ましい。なぜならば、0.01μmol/cc未満であれば、大部分のハロゲンがランプ中の不純物と反応してしまう結果、ハロゲンサイクルを実質作用させないためである。また、1μmol/ccを超えると、始動時に必要なパルス電圧が高くなり実用的ではなくなるからである。ただし、高圧を印加できる点灯回路を用いる場合は、この制限は適用されない。0.1〜0.2μmol/ccであれば、製造時の諸事情による封入量バラツキが多少発生した場合でも、ハロゲンサイクルがうまく機能する範囲に収めることができるので、さらに好ましい。
なお、上記実施形態のランプ100において、管壁負荷が80W/cm2以上となると、発光管の管壁温度が十分に上昇し、封入している水銀がすべて蒸発するため、発光管内容積あたりの水銀量:400mg/cc=点灯時動作圧:40MPaとなる近似式が成り立つ。ここで、水銀量が300mg/ccであれば、点灯時動作圧は30MPaとなる。逆に、管壁負荷が80W/cm2未満になると、発光管温度が水銀を蒸発させる温度まで上昇させることができないことが生じるため、近似式が成り立たないことが起こる。80W/cm2未満の場合には、所望の動作圧力が得られないことが多く、また、特に赤領域の発光が少なくなりプロジェクタ用の光源としては適さないことが多い。
上述した実施形態の反射鏡付きランプと、画像素子(DMD(Digital Micromirror Device)パネルや液晶パネルなど)を含む光学系とを組み合わせて、画像投影装置を構成することができる。例えば、DMDを用いたプロジェクタ(デジタルライトプロセッシング(DLP)プロジェクタ)や、液晶プロジェクタ(LCOS(Liquid Crystal on Silicon)構造を採用した反射型のプロジェクタも含む。)を提供することができる。さらに、本実施形態のランプは、画像投影装置用の光源として好適に使用することができるだけでなく、他の用途にも使用可能である。例えば、紫外線ステッパ用光源、または、競技スタジアム用光源や、自動車のヘッドライト用光源、道路標識を照らす投光器などとしても使用することが可能である。
また、上述の実施形態では、発光物質として水銀を使用する水銀ランプを高圧放電ランプの一例として説明したが、本発明は、封止部(シール部)によって発光管の気密を保持する構成を有するメタルハライドランプにも適用することが可能である。メタルハライドランプとは、金属ハロゲン化物が封入された高圧放電ランプである。近年、水銀を封入しない無水銀メタルハライドランプの開発も進んでいるが、そのような無水銀メタルハライドランプについても、このことは同様に言える。
無水銀メタルハライドランプとしては、図6等に示した構成において、発光管1内に、水銀が実質的に封入されてなく、かつ、少なくとも、第1のハロゲン化物と、第2のハロゲン化物と、希ガスとが封入されているものが挙げられる。このとき、第1のハロゲン化物の金属は、発光物質であり、第2のハロゲン化物は、第1のハロゲン化物と比較して、蒸気圧が大きく、かつ、前記第1のハロゲン化物の金属と比較して、可視域において発光しにくい金属の1種または複数種のハロゲン化物である。例えば、第1のハロゲン化物は、ナトリウム、スカンジウム、および希土類金属からなる群から選択された1種または複数種のハロゲン化物である。そして、第2のハロゲン化物は、相対的に蒸気圧が大きく、かつ、第1のハロゲン化物の金属と比較して、可視域に発光しにくい金属の1種または複数種のハロゲン化物である。具体的な第2のハロゲン化物としては、Mg、Fe、Co、Cr、Zn、Ni、Mn、Al、Sb、Be、Re、Ga、Ti、ZrおよびHfからなる群から選択された少なくとも一種の金属のハロゲン化物である。そして、少なくともZnのハロゲン化物を含むような第2のハロゲン化物がより好適である。
また、他の組み合わせ例を挙げると、透光性の発光管(気密容器)1と、発光管1内に設けられた一対の電極3と、発光管1に連結された一対の封止部2とを備えた無水銀メタルハライドランプにおける発光管1内に、発光物質であるScI3(ヨウ化スカンジウム)およびNaI(ヨウ化ナトリウム)と、水銀代替物質であるInI3(ヨウ化インジウム)およびTlI(ヨウ化タリウム)と、始動補助ガスとしての希ガス(例えば1.4MPaのXeガス)が封入されているものである。この場合、第1のハロゲン化物は、ScI3(ヨウ化スカンジウム)、NaI(ヨウ化ナトリウム)となり、第2のハロゲン化物は、InI3(ヨウ化インジウム)、TlI(ヨウ化タリウム)となる。なお、第2のハロゲン化物は、比較的蒸気圧が高く、水銀の役割の代わりを担うものであればよいので、InI3(ヨウ化インジウム)等に代えて、例えば、Znのヨウ化物を用いても良い。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
なお、特開平2−148561号公報(特許文献1)に開示されたランプ(図1参照)は、同公報において、そのHg蒸気圧が200バールから350バール(約20MPa〜約35MPaに相当)であることが示されているが、このランプを30MPa以上の動作圧で点灯すると、初期6時間の点灯中に数割以上の確率で破損することが本願発明者による検討から明らかになっている。実用レベルに要求される2000時間という点灯ではもっと多くのランプが破裂しまうことが予想され、図1に示した構成のランプにおいて、30MPa以上の動作圧を実用レベルで達成することは現実には困難である。
以上説明したように、本発明に係る反射鏡付きランプ、高圧放電ランプおよび画像投影装置は、動作圧が大きい高圧放電ランプの黒化を抑制する効果を有し、プロジェクタなどの光源等および液晶プロジェクタやDMDプロジェクタ等として有用である。
従来の高圧水銀ランプ1000の構成を示す模式図である。 (a)および(b)は、高圧放電ランプ1100の構成を示す模式図である。 高圧放電ランプ1200の構成を示す模式図である。 高圧放電ランプ1300の構成を示す模式図である。 (a)は、高圧放電ランプ1400の構成を示す模式図であり、(b)は、高圧放電ランプ1500の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態1に係る反射鏡付きランプ500の構成を模式的に示す断面図である。 マイクロキャビティー71の周辺を模式的に示す要部拡大図である。 マイクロキャビティー71の周辺を模式的に示す要部拡大図である。 点灯動作圧が20MPaおよび40MPaのランプの分光スペクトルを示す図である。 本発明の実施形態2に係る反射鏡付きランプ600の構成を模式的に示す断面図である。 (a)および(b)は、光弾性効果を利用した鋭敏色板法による歪み測定の原理を説明するための図である。 (a)から(d)は、アニールによって圧縮応力が加わる機構を説明するための断面図である。 (a)は第2のガラス部に存在する長手方向の圧縮応力を模式的に示す図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 加熱工程(アニール工程)のプロファイルを模式的に示すグラフである。 水銀蒸気によって第2のガラス部に圧縮応力が入る機構を説明するための概略図である。
符号の説明
1 発光管
2 封止部(側管部)
3 電極(電極棒)
4 金属箔
5 外部リード線
6 発光種(水銀)
7 第2のガラス部
8 第1のガラス部
12 コイル(電極先端)
20 圧縮応力が印加されている部位(残存歪み部ないし歪み境界部)
30 金属層(金属メッキ)
40 コイル
50 反射鏡
51 第1開口部(広開口部)
52 第2開口部(狭開口部)
53 接着剤
55 送風口(第1通気孔)
56 通気孔(第2通気孔)
59 ネック部
65 ランプ軸
70 出射方向
71 マイクロキャビティー
61、62 外部リード引き出し線
63、64 接続部材
90 前面ガラス(凹面レンズ)
92 支持部材
100 高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ)
500、600 反射鏡付きランプ
1000 高圧水銀ランプ
1100、1200、1300、1400、1500 高圧水銀ランプ

Claims (16)

  1. 管内に発光物質が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを有する高圧放電ランプと、
    前記高圧放電ランプから発する光を反射する反射鏡と
    を備え、
    前記反射鏡は、出射方向前方に第1開口部を有しており、当該反射鏡には、前記一対の封止部うちの一方の封止部が挿入される第2開口部が形成されており、
    前記一対のうちの少なくとも一方の封止部は、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、当該一方の封止部は、圧縮応力が印加されている部位を有しており、さらに、
    前記一対の封止部を略水平方向に配置した場合に、前記発光管の少なくとも下部には、マイクロキャビティーが形成されている、反射鏡付きランプ。
  2. 前記高圧放電ランプは、高圧水銀ランプであり、
    前記発光物質として、前記発光管の容積を基準にして230mg/cm3以上の水銀が封入されている、請求項1に記載の反射鏡付きランプ。
  3. 管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを有する高圧水銀ランプと、
    前記高圧放電ランプから発する光を反射する反射鏡と
    を備え、
    前記反射鏡は、出射方向前方に第1開口部を有しており、当該反射鏡には、前記一対の封止部うちの一方の封止部が挿入される第2開口部が形成されており、
    前記一対の封止部のそれぞれは、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、前記一対の封止部は両方とも、圧縮応力が印加されている部位を有しており、さらに、
    前記一対の封止部を略水平方向に配置したときに、前記発光管の外面のうち少なくとも下部には、前記発光管内から外に出射する赤外線の少なくとも一部をカットオフするマイクロキャビティーが形成されている、反射鏡付きランプ。
  4. 前記発光管のうち前記マイクロキャビティーが形成された部分は、赤外線の透過を遮断するとともに、可視光は透過させ、
    前記発光管のうち前記マイクロキャビティーが形成されていない部分は、赤外線および可視光の両者を透過させる、請求項1から3に記載の反射鏡付きランプ。
  5. 前記マイクロキャビティーの直径は0.35μm以上である、請求項1から3の何れか一つに記載の反射鏡付きランプ。
  6. 前記マイクロキャビティーは、前記発光管の前記下部に形成されており、かつ、前記発光管の上部には形成されていない、請求項1から5の何れか一つに記載の反射鏡付きランプ。
  7. 前記発光物質として、少なくとも水銀が封入されており、
    前記水銀の封入量は、前記発光管の容積を基準にして、270mg/cm3以上であり、
    前記発光管には、ハロゲンが封入されており、
    前記ランプの管壁負荷は、80W/cm2以上である、請求項1から6の何れか一つに記載の反射鏡付きランプ。
  8. 前記水銀の封入量は、前記発光管の容積を基準にして、300mg/cm3以上である、請求項7に記載の反射鏡付きランプ。
  9. 前記発光管内には、電極棒が対向して配置されており、
    前記電極棒は、金属箔に接続されており、
    前記金属箔は、前記封止部内に設けられており、かつ、当該金属箔の少なくとも一部は、前記第2のガラス部内に位置している、請求項1から8の何れか一つに記載の反射鏡付きランプ。
  10. 前記封止部内に埋め込まれた部分における前記電極棒の少なくとも一部には、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属を少なくとも表面に有するコイルが巻かれている、請求項9に記載の反射鏡付きランプ。
  11. 前記封止部内には、前記第2のガラス部と接する金属部であって、電力を供給するための金属部が設けられており、
    前記圧縮応力は、前記封止部の少なくとも長手方向に印加されており、
    前記第1のガラス部は、SiO2を99重量%以上含み、
    前記第2のガラス部は、15重量%以下のAl23および4重量%以下のBのうちの少なくとも一方と、SiO2とを含む、請求項1から8の何れか一つに記載の反射鏡付きランプ。
  12. 前記圧縮応力は、光弾性効果を利用した鋭敏色板法を用いて前記封止部を測定した場合、前記第2のガラス部に相当する領域において、10kgf/cm2以上50kgf/cm2以下である、請求項1から11の何れか一つに記載の反射鏡付きランプ。
  13. 管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、前記発光管から延びた一対の封止部とを有する高圧水銀ランプと、
    前記高圧放電ランプから発する光を反射する反射鏡と
    を備え、
    前記反射鏡は、出射方向前方に開口部を有しており、
    前記高圧水銀ランプの前記発光管には、当該発光管の容積を基準にして、230mg/cm3以上の水銀が封入されており、
    前記高圧水銀ランプの管壁負荷は、80W/cm2以上であり、
    前記一対の封止部を略水平方向に配置した場合に、前記発光管の少なくとも下部には、マイクロキャビティーが形成されている、反射鏡付きランプ。
  14. 管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、
    前記発光管から延びた封止部とを備え、
    前記発光管には、当該発光管の容積を基準にして、230mg/cm3以上の水銀が封入されており、
    前記発光管の少なくとも一部には、マイクロキャビティーが形成されている、高圧放電ランプ。
  15. 管内に少なくとも水銀が封入された発光管と、
    前記発光管から延びた一対の封止部とを備え、
    前記一対の封止部のそれぞれは、前記発光管から延在した第1のガラス部と、前記第1のガラス部の内側の少なくとも一部に設けられた第2のガラス部とを有しており、かつ、前記一対の封止部は両方とも、圧縮応力が印加されている部位を有しており、さらに、
    前記発光管の外面のうち少なくとも一部には、前記発光管内から外に出射する赤外線の少なくとも一部をカットオフするマイクロキャビティーが形成されている、反射鏡付きランプ。
  16. 請求項1から13の何れか一つに記載の反射鏡付きランプと、
    前記反射鏡付きランプを光源とする光学系とを備えた、画像投影装置。
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